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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A47J 審判 全部申し立て 2項進歩性 A47J |
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管理番号 | 1370031 |
異議申立番号 | 異議2020-700726 |
総通号数 | 254 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2021-02-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-09-24 |
確定日 | 2021-01-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6671401号発明「調理器具及びその制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6671401号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6671401号の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成30年2月2日(パリ条約による優先権主張 2017年5月27日 中華人民共和国)に出願され、令和2年3月5日にその特許権の設定登録がされ、令和2年3月25日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和2年9月24日に特許異議申立人 松本征二(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれを「本件特許発明1」ないし「本件特許発明10」という。)は、それぞれ、本件特許の明細書(以下、当該明細書を「本件特許明細書」という。)及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 調理器具であって、 頂部が開放された調理チェンバー11を有する本体10と、 開位置と閉位置との間を移動可能に前記本体10に取り付けられ、抽気口21と、排気口22と、吸気口23とを有する蓋体20と、 前記蓋体20内に設けられ、前記抽気口21及び前記排気口22にそれぞれ連通して前記調理チェンバー11内を負圧にする真空装置40と、 前記蓋体20内に設けられ、空気が前記吸気口23を介して前記調理チェンバー11内に入るようにし、前記蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする増圧装置30と、を含み、 前記増圧装置30と前記真空装置40とが同時に起動せず、 前記真空装置40は、 前記蓋体20内に設けられる真空ポンプ41と、 前記抽気口21から離れた箇所に設けられ、前記抽気口21と前記真空ポンプ41との間に接続される電磁弁43と、 前記真空ポンプ41と前記排気口22との間、前記真空ポンプ41と前記電磁弁43との間、及び前記電磁弁43と前記抽気口21との間にそれぞれ接続される接続管42と、を含み、 前記調理チェンバー11内を負圧にし、且つ、前記電磁弁43がオフにした場合に、前記電磁弁43と前記抽気口21との間に接続される前記接続管42内の水分が前記調理チェンバー11に流れ込み、前記調理チェンバー11内の水分を保つことができる、ことを特徴とする調理器具。 【請求項2】 前記増圧装置30は、閉塞部材31を含み、 前記閉塞部材31は、前記蓋体20内に設けられ、且つ閉塞位置と開放位置との間を移動可能に前記吸気口23に設けられ、前記閉塞部材31は、前記閉塞位置に位置する場合、前記吸気口23を閉じる、ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。 【請求項3】 前記増圧装置30は、駆動アセンブリ32をさらに含み、 前記駆動アセンブリ32は、前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するように前記閉塞部材31を駆動する、ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。 【請求項4】 前記駆動アセンブリ32は、電磁石321と、プッシュロッド322とを含み、前記電磁石321は、前記プッシュロッド322を駆動し、前記閉塞部材31を前記プッシュロッド322と連動するように移動させる、ことを特徴とする請求項3に記載の調理器具。 【請求項5】 前記閉塞部材31は、球状に形成される、ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。 【請求項6】 前記増圧装置30は、支持部材33をさらに含み、 前記支持部材33は、前記蓋体20内に設けられ、且つ通気孔を有し、前記支持部材33は、前記吸気口23に位置し、前記閉塞部材31は、前記閉塞位置に位置する場合、前記支持部材33に支持され、前記通気孔を閉じる、ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。 【請求項7】 前記支持部材33は、 前記吸気口23を取り囲むように設置されるリング部材331と、 前記リング部材331に設けられる支持台332と、を含み、 前記通気孔が前記リング部材331に位置する、ことを特徴とする請求項6に記載の調理器具。 【請求項8】 前記調理器具100が電気炊飯器である、ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。 【請求項9】 請求項1?8の何れか一項に記載の調理器具の制御方法であって、 前記調理器具が蒸らし段階に入る場合、前記増圧装置と前記真空装置とを交互に起動させるように制御し、前記調理チェンバー内の圧力を第1圧力と第2圧力との間で交互に変化させるステップを含む、ことを特徴とする調理器具の制御方法。 【請求項10】 前記第1圧力が常圧であり、前記第2圧力が負圧である、ことを特徴とする請求項9に記載の調理器具の制御方法。」 第3 特許異議申立ての概要 特許異議申立人は、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(以下、「甲1」ないし「甲3」という。)を提出し、概略次の異議理由1及び2を主張している。 甲1:特開2013-90950号公報 甲2:特開2015-58108号公報 甲3:特開2013-94575号公報 1.異議理由1(特許法第36条第6項第2号) 本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載のうち、「前記蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする増圧装置30」の意味が不明である。 よって、本件特許発明1は明確でない。 同様に、本件特許発明1を引用する本件特許発明2ないし10についても明確でないから、本件特許発明1ないし10は特許法第36条第6項第2号の規定する要件を満たしておらず、本件特許発明1ないし10に係る特許は、特許法第113条第4号の規定により取り消すべきものである(以下、「異議理由1」という。)。 2.異議理由2(特許法第29条第2項) 本件特許発明1ないし10は、甲1ないし甲3に記載された発明に基いて、それぞれ当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許発明1ないし10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、特許法第113条第2号の規定により取り消すべきものである(以下、「異議理由2」という。)。 第4 当審の判断 [1]甲1ないし甲3の記載等 1.甲1 (1)甲1の記載等 甲1には、「炊飯器」に関して概略以下の記載がある。(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。) 「【0030】 図1は、各実施例に共通する炊飯器の基本的な全体構成を示している。同図において、炊飯器の外郭をなす本体1は、その上面と上側面を構成する上枠2と、側面を構成するほぼ筒状の外枠3と、外枠3の底部開口を覆う底板4とにより構成される。また、上枠2の上面内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部5と、この鍋収容部5の下面開口を覆って設けられる内枠6とにより、後述する鍋11を収納する有底筒状で非磁性材料からなる鍋収容体7が形成される。 【0031】 11は、米や水などの被炊飯物を収容し、前記本体1を構成する鍋収容体9内に着脱自在に収納される有底筒状の鍋である。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて接合されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13とにより構成される。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成される。 【0032】 前記内枠6の外面の発熱体13に対向する側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する鍋加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。そして、この加熱コイル16に高周波電流を供給すると、加熱コイル16から発生する交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱し、鍋11ひいては鍋11内の被炊飯物が加熱されるようになっている。」 「【0036】 前記上枠2の後方には、蓋体21と連結するヒンジ部28が設けられる。このヒンジ部28には、正面から見て左右方向に一対の孔(図示せず)が設けられていると共に、ねじりコイルバネなどで形成した付勢手段としてのヒンジバネ29が、その内部に収納される。一方、外蓋カバー25の後方にも、前記ヒンジ部28に設けた孔と対向するようにヒンジ受部としての外蓋カバーヒンジ孔(図示せず)が設けられる。そして、このヒンジ孔とヒンジ部28の孔に共通して、棒状のヒンジシャフト30を挿通することで、本体1と蓋体21がヒンジ部28のヒンジシャフト30を支点として開閉自在に軸支される。さらに、前記ヒンジバネ29の一端と他端が、外蓋カバー25と上枠2にそれぞれ引掛けられることで、蓋体21はヒンジバネ29の弾性反発力を利用して常時開方向に付勢される。」 「【0048】 前記放熱板24には、蓋体21の特に内蓋62の温度を検知する蓋温度検知手段として、蓋ヒータ51による内蓋62の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ65が設けられていている。また、蓋体21の上面後方寄り部には、蓋体21の上面側から着脱可能な蒸気排出部としての蒸気排出ユニット66が設けられる。蒸気排出ユニット66と調圧部64は蓋体21の内部で連通しており、これらの蒸気排出ユニット66や調圧部64により、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出するための蒸気排出機構が形成される。 【0049】 ここで、図9?図11を参照しながら、調圧部64の構成をより詳しく説明する。前記調圧部64は、調圧用の調圧弁69と、調圧弁69を保持する調圧弁ホルダー組立体70と、調圧弁69を覆うドーム状の調圧弁カバー71とを備えて構成される。調圧弁69は耐食性に優れた材料で、ある程度の重量を有する部品であればよく、例えばオーステナイト系のステンレスからなるボールで形成される。 【0050】 調圧弁ホルダー組立体70は、第1ホルダー72と、第2ホルダー73と、減圧支持部材に相当する第1調圧パッキン75と、第2調圧パッキン76と、鍋11内からの圧力が第1調圧パッキン75に直接加わらないように、この第1調圧パッキン75の下方にあって、加圧支持部材に相当する弁支持体77と、第1調圧パッキン75の下面に弁支持体77が当接する方向に、当該弁支持体77を付勢する弾性体としての調圧バネ78と、により構成される。弁支持体77には、鍋11内の加圧時にボール状の調圧弁69の下方に当接する連通孔74が設けられる。この連通孔74は、鍋11と内蓋62とを連通させる為のもので、連通孔74を通過する蒸気が、蒸気排出ユニット66から外気へ放出されるようになっている。また、第1ホルダー72と第2ホルダー73には、互いを嵌合する為の凸状の係合部79と凹状の被係合部80がそれぞれ設けられている。これらの第1ホルダー72と第2ホルダー73は、前記第1調圧パッキン75や弁支持体77などを保持する保持部材として、内蓋62に設けた孔81に装着される。第1ホルダー72は全体がキャップ状に形成され、その中央部に貫通孔72Aを有し、貫通孔72Aの周辺部72Bと第2ホルダー73の上端部73Aとにより、第1調圧パッキン75の基部を挟持するようになっている。また、第2ホルダー73は筒状で、その下側には内蓋62の孔81周辺の下面に当接するフランジ73Bが形成されると共に、フランジ69の上方外周には、リング状の前記第2調圧パッキン76を嵌合させる凹溝73Cが形成される。さらに、第2ホルダー73の内周側には、調圧バネ78の一端部を嵌め込むために、断面L字状の突片73Dが形成される。」 「【0054】 調圧弁69を動かして蓋体21の密閉度即ち鍋11の内圧を調節するソレノイド82が、蓋体21内部に設けられている。ソレノイド82の非通電状態では、その先端部を進出位置に保持し、調圧弁69を連通孔74から退避する一方、ソレノイド82の通電状態では、その先端部を退避させ、調圧弁69を連通孔74に自重で転動させ、連通孔74を塞いで鍋11内に圧力を投入する。」 「【0057】 91は、蓋体21を本体1に閉じた状態で、鍋11内を通常の大気圧よりも低くするために設けた減圧手段である。この減圧手段91は、蓋体21の後部に設けた減圧駆動源としての減圧ポンプ92と、この減圧ポンプ92から本体1および蓋体21を経て、内蓋62に設けた孔(図示せず)に至る管状の経路94とにより構成される。また、蓋体21の内部には、経路94の基端部を開閉する開閉手段としての電磁弁95(図8参照)が設けられる。電磁弁95には、前記内蓋62の孔の周囲に向けて放熱板24から下方に突出した筒状の減圧パッキン(図示せず)が接続される。 【0058】 そして、内蓋62を含む内蓋組立体61を蓋体21の下面に装着すると、減圧パッキンが弾性変形しながら内蓋62の上面に密閉当接し、これにより鍋11と減圧ポンプ92とを連通する経路94が形成される。また、内蓋組立体61を装着した状態で蓋体21を閉じると、蓋パッキン63が鍋11に密着して、調圧弁69が連通孔74を塞いでいれば、密閉した鍋11と電磁ポンプ82との間が経路94により連通する。この状態から減圧ポンプ92を起動させると、電磁弁95ひいては経路94が開放して、鍋11内の空気が経路94および減圧ポンプ92を通って本体1の外部に排出され、密閉した鍋11内の圧力が低下する。また、鍋11内の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合に、電磁弁95ひいては経路94を閉塞して、鍋11内を減圧状態に保っている。さらに、スローリークにより鍋11内の圧力が上昇した場合にも、電磁弁95ひいては経路94を開放し、減圧ポンプ92を起動させて、鍋11内を大気圧よりも低い状態に維持している。 【0059】 この様な鍋11内が大気圧よりも低い状態では、弁支持体77を構成する脚部83の内側の空気が鍋11内に吸引され、それに伴い調圧弁69や、この調圧弁69を載置支持する弁支持体77が、調圧バネ78の付勢に抗して下降する。しかし、弁支持体77の開口部70が第1調圧パッキン75の孔75Aよりも低い位置に移動すると、調圧弁69はそれまでの弁支持体77に代わって第1調圧パッキン75に載置され、当該第1調圧パッキン75の孔75Aを塞ぐので、鍋11内の密閉が確保され、減圧を継続して行なえる(図10参照)。」 「【0061】 次に、減圧手段91を構成する減圧ポンプ92周辺の構造について、図1,図8,図12を参照して説明する。減圧ポンプ92は、鍋11内より発生する蒸気を外部へ排出する蒸気排出ユニット66の近傍にあるポンプケース96上に固定される。このポンプケース96は、外蓋カバー25の後方に配置されたものである。また、減圧ポンプ92を取付けるポンプケース96の固定部には、減圧ポンプ92からの振動伝達を低減させるために、弾性部材からなるブッシュ97が取付けられる。減圧ポンプ92は、空気を吸入する吸入口92Aと、その吸入した空気を外部に排出する排出口92Bがそれぞれ設けられており、前記電磁弁95と吸入口92Aとをチューブによる経路94により連通し、内蓋62の下方に位置する鍋11内の空気を吸引するようになっている。また、減圧ポンプ92から排出される空気には、被調理物から蒸発する水分が若干含まれることから、排出口92Bと外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98により、空気中の水分を蓋体21の外部に排出する構成としている。」 「【0082】 次に、予約炊飯時における動作を説明すると、操作スイッチ103の時間キーや分キーを操作することで、前記所定時間に相当する炊上がりの希望時刻を設定し、鍋11内に被炊飯物である米および水を入れて、その後で操作スイッチ103の別な例えばタイマースイッチを操作すると、予約炊飯制御手段120による予約炊飯コースが設定(セット)され、予約炊飯の待機状態に移行する。この予約炊飯コースでは、所定時間に鍋11内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段117を制御するが、予約炊飯の待機状態から実質的に炊飯が開始する時点までの間に、減圧制御手段130が動作して鍋11内の圧力が大気圧(1atm=1013hPa)よりも低くなるように、減圧ポンプ92や電磁弁95が制御される。 【0083】 具体的には、予約炊飯コースがセットされると、減圧制御手段130は炊飯が開始する直前まで減圧選択スイッチをオンにすると共に、鍋11内が減圧中であることを表示手段128に表示させる。これにより、使用者は鍋11内が減圧中であることを知ることができる。また、減圧制御手段130は、鍋11内から空気を排出するために、減圧ポンプ92を駆動させる信号をポンプ駆動手段126に出力すると共に、この減圧ポンプ92に同期して電磁弁95ひいては経路94を開放させる信号を電磁弁駆動手段127に出力する。その後、減圧制御手段130は減圧ポンプ92の駆動を停止させ、且つ電磁弁95ひいては経路94を閉じて、鍋11内を減圧状態に維持する。 【0084】 予約炊飯の待機中は、加熱制御手段111がソレノイド82をオン状態(通電状態)にしているため、調圧弁69が連通孔74を塞ぐ位置に転動されているが、鍋11内には僅かではあるが空気が侵入し(スローリーク)、鍋11内の圧力が電磁弁95の閉塞時点から次第に上昇する。減圧制御手段130は、一定時間が経過すると、再び減圧ポンプ92を駆動させると共に、電磁弁95ひいては経路94を開放させて、鍋11内から空気を排出する。その後は上述した動作が繰り返されて、減圧ポンプ92と電磁弁95が同時にオン,オフ制御され、鍋11内の圧力が所望の範囲内の値に維持される。なお、実質的な炊飯が開始した後の動作は、後述する通常の炊飯動作と共通しているので、ここでは省略する。」 「【0087】 鍋11内に被炊飯物である米および水を入れ、操作スイッチ103の例えば炊飯キーを操作すると、炊飯制御手段117による炊飯が開始する。ここで炊飯制御手段117は、実質的な炊飯を開始する前に、鍋11内の米に対する吸水を促進させるために、鍋温度センサ17による鍋11の底部の温度検知に基づいて、加熱コイル16とコードヒータ18で鍋11の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋11内の水温を約45?60℃に15?20分間保持するひたしを行なう。 【0088】 このひたし時には、減圧制御手段130が動作して鍋11内の圧力が大気圧よりも低くなるように、減圧ポンプ92や電磁弁95が制御される。具体的には、ひたし行程が開始すると、減圧制御手段130は実質的な炊飯が開始する直前まで減圧選択スイッチをオンにすると共に、鍋11内が減圧中であることを表示手段128のLCDに表示させる。これにより、使用者は鍋11内が減圧中であることを知ることができる。また、減圧制御手段130は、鍋11内から空気を排出するために、減圧ポンプ92を駆動させる信号をポンプ駆動手段126に出力すると共に、この減圧ポンプ92に同期して電磁弁95ひいては経路94を開放させる信号を電磁弁駆動手段127に出力する。その後、減圧制御手段130は減圧ポンプ92の駆動を停止させ、且つ電磁弁95ひいては経路94を閉じて、鍋11内を減圧状態に維持し、スローリークによる圧力上昇を考慮して、所定時間が経過すると、減圧制御手段130は再び減圧ポンプ92を所定時間駆動させると共に、電磁弁95ひいては経路94を開放させて、鍋11内から空気を排出する。その後は上述した動作が繰り返されて、減圧ポンプ92と電磁弁95が同時にオン,オフ制御され、鍋11内の圧力が所望の範囲内の値に維持される。 また、鍋11内が大気圧以下のときには、調圧用ソレノイド82と開閉用ソレノイド172が共に通電(オン)状態になって、調圧用ソレノイド82のプランジャー151と開閉用ソレノイド172のプランジャー173が各々後退位置に移動する。これにより、調圧弁69が第1調圧パッキン75の孔71Aを塞ぎ、開閉弁96が内蓋62の開閉用孔181を塞ぐので、鍋11内の密閉が確保される。また、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ34の基端部34Aの下方に潜り込むので、クランプ34の回動が規制され、蓋開ボタン32を押動操作しようとしても、クランプ34とクランプ受け38との係合が二重にロックされ、蓋体21が開かないようになる。 【0089】 こうして、ひたし時には鍋11内は減圧状態が維持される。また、この減圧時には、調圧弁69が第1調圧パッキン75に載置され、当該第1調圧パッキン75の孔71Aを塞ぐので、鍋11内の密閉が確保される。そのため、ひたし時に密閉状態で鍋11内を減圧することができ、鍋11内において米に水を十分に吸水させることが可能になる。 【0090】 その後、所定時間のひたしが終了すると、炊飯制御手段117は実質的な炊飯動作を開始すると共に、減圧制御手段130による鍋11への減圧制御は中断し、減圧選択スイッチはオフになると共に、LCDによる減圧状態である旨の表示も停止する。併せて、減圧ポンプ92および電磁弁95は、その後の保温が安定した状態になるまでオフ状態となる。また、炊飯制御手段11は、調圧弁69を連通孔74から退避させる。これにより鍋11はほぼ大気圧に維持されるが、開閉用ソレノイド172は引き続きオン状態にあり、開閉フレームロック片189がクランプ34の基端部34Aの下方に位置して、蓋体21を開けることができないようになっている。 【0091】 鍋11内の沸騰状態を検知すると、炊き上げ(沸騰継続加熱)とむらしが続けて行なわれるが、むらしの途中までは鍋11内を大気圧以上にするために、炊飯制御手段117は減圧手段91の作動を停止させつつ、調圧用ソレノイド82をオン状態にし、調圧弁69により連通口70を閉塞する。これにより、鍋11内と外部との連通は遮断される。また、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ34の基端部44Aの下方に潜り込むので、クランプ34とクランプ受け38との係合が二重にロックされ、蓋体21を開けることはできない。」 「【0094】 鍋11内の沸騰状態を検知すると、炊き上げ(沸騰継続加熱)とむらしが続けて行なわれるが、むらしの途中までは鍋11内を大気圧以上にするために、炊飯制御手段117は減圧手段91の作動を停止させつつ、調圧用ソレノイド82をオン状態にし、調圧弁69により連通孔74を閉塞する。これにより、鍋11内と外部との連通は遮断される。また、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ34の基端部44Aの下方に潜り込むので、クランプ34とクランプ受け38との係合が二重にロックされ、蓋体21を開けることはできない。」 「【0096】 そして、鍋11の底部が所定の温度上昇を生じたら、鍋11内の炊上がりを検知して、炊飯制御手段117による炊飯行程を終了し、保温制御手段118により保温行程に移行して、最初のむらしに移行する。むらし中は蓋温度センサ65の検出温度による温度管理によって蓋ヒータ36を通断電し、内蓋62への露付きを防止すると共に、ご飯が焦げない程度に高温(98?100℃)が保持されるように、鍋11の底部の温度を管理する。むらしは所定時間(15?20分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段118による保温に移行する。 【0097】 また、むらしに移行すると、その後の保温開始直後に蓋体21が開けられることを考慮して、鍋11内を徐々に大気圧に戻す動作が行なわれる。そして保温制御手段118は、むらしの途中で調圧用ソレノイド82を先にオン状態からオフ状態に切り換えて、調圧弁69を連通孔74から退避させ、その後で所定時間が経過してから、開閉用ソレノイド172をオン状態からオフ状態に切り換える。こうすれば、少なくとも連通孔74を開放した後も、開閉用ソレノイド172がオフ状態になるまでは、蓋体21を開けることができなくなり、鍋11内が大気圧に戻りきらないうちに、不用意に蓋体21が開くのを防止できる。 【0098】 保温行程に移行した直後は、鍋11内が連通孔74および開閉用孔181を通して外部と連通し、大気圧に維持される。それと共に、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ34の基端部44Aの下方から離れた位置にあるので、蓋体21を自由に開閉することができる。 【0099】 その後、前記実施例でも説明したように、保温制御手段118は保温経過時間が予め設定した時間に達すると、減圧制御手段130により鍋11内の圧力が大気圧よりも低くなるように、減圧ポンプ92や電磁弁95が再び作動制御する。それと共に、鍋11内を密閉状態にするために、調圧用ソレノイド82と開閉用ソレノイド172を同時にオン状態にする。これにより、調圧フレームロック片163と開閉フレームロック片189の両方が、クランプ34の基端部34Aの下方に潜り込んで、クランプ34の回動が規制される。なお、こうした動作は、保温行程の所定時間後ではなく、保温行程で鍋11内が所定温度に到達したのを鍋温度センサ17が検出したときに、行なわれるようにしてもよい。 【0100】 また保温になると、加熱コイル16にて鍋11の底部と側面下部を加熱すると共に、鍋11内に収容するご飯の温度よりも僅かに高く、蓋ヒータ36により蓋体21の下面を加熱し、さらに鍋11の側面をコードヒータ18でご飯が乾燥せず、かつ露が多量に付着しないように温度管理する。鍋11内のご飯の温度は70?76℃に温度保持されるが、この保温時においても、鍋温度センサ17や蓋温度センサ65が相互に異常に高かったり、あるいは異常に低かったりした場合には、異常を検知してこの異常加熱を防止する。」 「 ![]() 」 「 ![]() 」 「 ![]() 」 「 ![]() 」 (2)上記(1)の記載から分かること ア 「【0061】・・・減圧ポンプ92から排出される空気には、被調理物から蒸発する水分が若干含まれることから、排出口92Bと外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98により、空気中の水分を蓋体21の外部に排出する構成としている。」及び図12の記載から、減圧ポンプ92からの空気は、蓋体21の外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98の部分を通じて排出されることが分かる。 イ 段落【0090】及び【0049】において、調圧部64における調圧弁69を連通孔74から退避させることにより、鍋11内が減圧状態から大気圧となる旨記載されており、その際に、空気が連通孔74を介して鍋11内に入ることは技術常識からみて明らかである。 ウ 段落【0084】及び【0090】の記載(下線部参照。)から、調圧部64により空気が連通孔74を介して鍋11内に入り大気圧となるようにすることと、減圧手段91により鍋11内から空気を排出して減圧することとは、同時に行われないことが分かる。 (3)甲1発明 上記(1)及び(2)を総合すると、甲1には次の発明が記載されている。 「炊飯器であって、 有底筒状の鍋11を収納する本体1と、 ヒンジ部28によって本体1に開閉自在に軸支され、管状の経路94の基端部と、経路98の外蓋カバー25に形成されたボスを連通した部分と、連通孔74とを有する蓋体21と、 蓋体21内に設けられ、管状の経路94の基端部及び外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98の部分にそれぞれ連通して鍋11内の空気を吸引して大気圧より低い状態とする減圧手段91と、 蓋体21内に設けられ、空気が連通孔74を介して鍋11内に入るようにする調圧部64と、を含み、 調圧部64により空気が連通孔74を介して鍋11内に入り大気圧となるようにすることと、減圧手段91により鍋11内から空気を排出して減圧することとは、同時に行われず、 減圧手段91は、 蓋体21内に設けられる減圧ポンプ92と、減圧ポンプ92に連通する経路94の基端部を開閉する電磁弁95と、 減圧ポンプ92と外蓋カバー25に形成されたボスとを連通する管状の経路98、減圧ポンプ92と電磁弁95とを連通する管状の経路94とを含む、 炊飯器。」(以下、「甲1発明」という。) 2.甲2 (1)甲2の記載等 甲2には、「調理装置」に関して概略以下の記載がある。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 被調理物を収納可能な容器と、 前記容器を加熱する加熱部と、 前記容器内の圧力を調整する圧力制御部と、 前記加熱部に前記被調理物を加熱させながら、前記圧力制御部が前記容器内を減圧する第1の処理と前記第1の処理で減圧した後の圧力を上昇させる第2の処理とを繰り返すよう前記圧力制御部を制御する制御部と、 を備える調理装置。」 「【0011】 ここで、圧力制御部PCは、蓋13に格納され一端が蓋13の外蓋を貫通し他端が蓋13の内蓋を貫通する流路を備える空気流入切替部AS、蓋13に格納され一端が蓋13の内蓋を貫通する第1経路PW1を備える。 【0012】 更に、圧力制御部PCは、第1経路PW1の他端、第2経路の一端、第3経路の一端に接続された気液分離部VIS、及び蓋13に格納され一端が気液分離部VISに接続され他端が蓋13の内蓋を貫通する第2経路PW2を備える。 【0013】 更に、圧力制御部PCは、蓋13に一部格納され他の一部が筐体11に格納され一端が気液分離部VISに接続された第3経路PW3、及び第3経路PW3の他端と接続された減圧部DPを備える。 【0014】 空気流入切替部ASは、容器12の外部から容器12内へ空気が流入できる流入状態と流入できない非流入状態とを切り替える。例えば、空気流入切替部ASは、空気流入口を有し、空気流入口の開閉を行う。容器12内の圧力を大気圧より減圧された圧力から上げる場合、制御部CONは、空気流入切替部ASを流入状態に切り替える。その結果、容器12内の圧力が開放され容器12内の圧力は上昇する。この例の場合、容器12内の圧力は大気圧よりも高くならない。圧力制御部PCは、空気流入切替部ASを備えることで、安価に容器12内の圧力を、大気圧より減圧された圧力から上げることができる。 【0015】 なお、圧力制御部PCは、空気流入切替部ASの代わりに加圧部を備え、容器12内の圧力を大気圧よりも上げてもよい。 【0016】 気液分離部VISは、第1経路PW1から流入した気体を液体と気体に分離し、分離後の液体を第2経路PW2を介して容器12内へ戻し、分離後の気体を第3経路PW3を介して減圧部DPへ導く。これにより、第1経路PW1から流入した気体に含まれる水を、容器に戻すことができるため、被調理物の味の濃さが保たれる。 減圧部DPは、容器12内を減圧する。具体的には例えば、減圧部DPは、ポンプにより容器12内の気体を吸引し、当該調理装置1の外へ排出する。」 「【0026】 加熱工程は、加熱開始から時間が経過するに連れて被調理物の温度が上昇する工程である。それとともに、この加熱工程において、一例として容器12内の圧力がそのときの被調理物の温度と蒸気圧曲線W3で決まる蒸気圧付近まで減圧する工程と、その後大気圧まで上昇する工程とが被調理物の温度が所定の温度に到達するまで繰り返される。ここでは、一例として、四回繰り返されている。」 「【0031】 被調理物の温度が第2所定温度に到達すると、調理工程は冷却工程から味浸み工程へ移行する。第2所定温度は一例として、味浸み温度帯(50?60℃)に含まれる温度である。この味浸み工程では、被調理物の温度が第2所定温度に維持され、容器12内の圧力が大気圧に向かって上昇する工程と、大気圧から水が沸騰する付近の圧力まで減圧する工程とが一例として所定の回数(ここでは一例として3回)繰り返される。」 「【0053】 更に、冷却工程を経て温度検知部TSが第2所定温度を検知した場合、制御部CONは、容器内の圧力を、第1の圧力(例えば、大気圧)に上げ、かつその後に当該第1の圧力よりも低い第2の圧力(例えば、第2所定温度における水の沸点付近の圧力)に下げることを所定の回数、繰り返すよう圧力制御部PCの減圧部DP及び空気流入切替部ASを制御する。これにより、被調理物に含まれる固体に味が浸みやすくなり、調理時間が短縮される。」 「 ![]() 」 「 ![]() 」 (2)甲2記載技術 上記(1)を総合すると、甲2には次の技術が記載されている。 「被調理物を収納可能な容器12と、前記容器12を加熱する加熱部HTと、前記容器12内の圧力を調整する圧力制御部PCとを備える調理装置1において、 圧力制御部PCは、加熱工程、味浸み工程において、容器12に対する減圧部DPによる減圧及び空気流入切替部ASによる圧力の上昇を所定回数繰り返す制御を行うものであり、 減圧部DPは、ポンプにより容器12内の気体を吸引し、調理装置1の外へ排出することにより容器12内を減圧するものとし、 空気流入切替部ASは、容器12の外部から容器12内へ空気が流入できる流入状態と流入できない非流入状態とを切り替えるものとした技術。」(以下、「甲2記載技術」という。) 3.甲3 (1)甲3の記載等 甲3には、「調理器」に関して概略以下の記載がある。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 容器と、当該容器を収納する本体と、該本体内を大気圧未満にする減圧手段と、前記減圧手段を駆動させる駆動手段とを備えた調理器において、 前記減圧手段は前記本体の内外を開閉自在とする開閉手段と連通し、前記本体の内部と外部のどちらでも減圧状態となるように、前記減圧手段を駆動可能に構成したことを特徴とする調理器。」 「【0016】 調理器である炊飯器の全体構成を模式的に示す図1において、1は調理器の本体で、本体1の内部には、有底筒状の鍋収容部4が配設され、この鍋収容部4に米や水などの被調理物を収容する有底筒状の容器としての鍋5が着脱自在に装着される。鍋収容部4の内部で、鍋5が吊設状態に収納される。」 「【0019】 本体1は、前記鍋収容部4を含む枠体2と、枠部2ひいては鍋5の上方に位置する蓋体21とにより構成される。この蓋体21は、蓋体21の上面外殻をなす外観部品としての外蓋22と、蓋体21の内面を形成する外蓋カバー23と、蓋体21の下面をなし、鍋5の上面開口部に対向する部分を形成する蓋下面部材24とを主な構成部品としている。また、蓋下面部材24を覆うようにして、鍋5の上面開口部を直接覆う内蓋25が、蓋下面部材24に対し着脱可能に設けられる。蓋体21は、枠体2の後方に設けたヒンジスプリングを有するヒンジ部26によって、枠体2と軸支される。また、ヒンジ部26と反対側にある本体1の前側には蓋開ボタン27が設けられており、この蓋開ボタン27と連結したクランプ(図示せず)が、枠体2の前方部に係止することで、枠体2に対し蓋体21が閉じた状態になり、蓋開ボタン27を押動操作すると、蓋体21と枠体2との係合が解除され、ヒンジ部26の付勢力によって蓋体21が自動的に開く構成となっている。」 「【0023】 減圧ユニット34は、容器5を大気圧未満にする減圧手段としての減圧ポンプ41と、この減圧ポンプ41から蓋体21内部を経て、内蓋25に設けた孔42に至る管状の経路43と、経路43の基端部を開閉する閉止手段として設けられる電磁弁44と、を備えている。減圧ポンプ41は、その吸引力を増強すると共に、一方が壊れても他方で吸引機能を維持できるように、予め複数装備されているが、図1のように蓋体21の内部ではなく、枠体2の内部に設けてもよい。 【0024】 そして、内蓋25を蓋下面部材24に装着した状態で蓋体21を閉じると、減圧ポンプ41と鍋5内部との間が、弾性部材で構成される連通手段としての経路43で連通するようになっており、ここでソレノイド40のプランジャー39が後退位置にあって、調圧弁35が弁孔37Aを塞いでいれば、減圧ポンプ41を起動することにより、鍋5内からの空気が、経路43および減圧ポンプ41を通って本体1の外部に排出され、密閉した鍋5内の圧力が低下する。また、鍋内5の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、電磁弁44ひいては経路43を閉塞して、鍋5内を減圧状態に保ち、スローリークによって鍋5内の圧力が上昇した場合には、電磁弁44ひいては経路43を開放し、減圧ポンプ41を起動させて、鍋5内を大気圧よりも低い状態に維持するようになっている。」 「【0037】 ひたしが開始すると、加熱制御手段61は鍋5内から空気を排出するために、減圧ポンプ41を駆動させる信号をポンプ駆動手段74に出力すると共に、この減圧ポンプ41に同期して電磁弁44ひいては経路43を開放させる信号を電磁弁駆動手段75に出力する。その後、加熱制御手段61は減圧ポンプ41の駆動を停止させ、且つ電磁弁44ひいては経路43を閉じて、鍋5内を減圧状態に維持し、スローリークによる圧力上昇を考慮して、所定時間が経過すると、加熱制御手段61は再び減圧ポンプ41を所定時間駆動させると共に、電磁弁44ひいては経路43を開放させて、鍋5内から空気を排出する。その後は上述した動作が繰り返されて、減圧ポンプ41と電磁弁44が同時にオン,オフ制御され、鍋5内の圧力が所望の範囲内の値に維持される。」 「 ![]() 」 「 ![]() 」 (2)上記(1)から分かること ア 段落【0023】の記載及び図1の図示内容から、電磁弁44と内蓋25に設けた孔42との間に管状の経路を設けたことが分かる。 (3)甲3記載技術 上記(1)及び(2)を総合すると、甲3には次の技術が記載されている。 「鍋5が装着される鍋収容部4を含む枠体2と、枠部2ひいては鍋5の上方に位置する蓋体21とにより構成される本体1からなり、本体1内を大気圧未満にする減圧ユニット34と、減圧ユニット34を駆動させる駆動手段とを備えた調理器において、 減圧ユニット34は、容器5を大気圧未満にする減圧手段としての減圧ポンプ41と、この減圧ポンプ41から蓋体21内部を経て、鍋5の上面開口部を直接覆う内蓋25に設けた孔42に至る管状の経路43と、経路43を開閉する閉止手段として設けられる電磁弁44と、電磁弁44と孔42との間に設けられた管状の経路と、を備えるものとした技術。」(以下、「甲3記載技術」という。) [2]異議理由1についての判断 1.異議申立人の主張 異議申立人は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載「前記蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする増圧装置30」に関して具体的には、以下(1)ないし(4)の点について主張している。 (1)「米粒の表面を洗い流す」の意味が不明である。 (2)「高速の気流」の「高速」について、比較の基準が明確でない。 (3)「霧」について、小さな水滴を意味するとしてもその程度が不明である。したがって、どのような霧であれば「米粒の表面を洗い流す」ことができるのか不明である。 (4)上記(1)ないし(3)の点が不明であるため「増圧装置30」が全体としてどのような増圧装置を意味するのか不明である。 2.本件特許明細書の記載 本件特許明細書の段落【0028】には、 「【0028】 ここで、真空装置40と、増圧装置30とは、いずれも蓋体20内に設けられ、且つ真空装置40と増圧装置30とが同時に起動しない。抽気する必要がある場合、真空装置40が抽気口21及び排気口22に連通して、真空装置40が抽気口21から調理チェンバー11における気体を抽出し、排気口22を介して調理チェンバー11の外部に排出する。増圧する必要がある場合、増圧装置30が吸気口23に連通して、調理チェンバー11の外部の空気が、吸気口23を介して調理チェンバー11内に入ることにより、調理チェンバー11の気圧を増加させ、蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、調理チェンバー11内に入り、米粒の表面を洗い流し、米飯が湿度を維持するようにする。」(下線は当審が付与した。以下同様。) との記載があり、 本件特許明細書の段落【0050】、【0051】及び【0052】には、 「【0050】 電気炊飯器が炊飯する場合、通常は、吸水、沸騰、蒸らしなどのいくつかの段階を含み、蒸らし段階において、電子制御プロセスにより真空装置40と増圧装置30とがそれぞれ所定の時間にオン又はオフになるように設定する。真空装置40を利用して負圧状態になるように調理チェンバー11から抽気する必要がある場合、先ず、電磁石321が、プッシュロッド322を移動させるように駆動して閉塞部材31から離脱させ、閉塞部材31が重力の作用で通気孔を閉塞し、この際、吸気口23が閉塞状態になる。その後、電磁弁43をオンにするように制御し、真空ポンプ41は作動し始め、調理チェンバー11が負圧状態になるまで、調理チェンバー11内の気体を抽出し、接続管42及び排気口22を介して調理チェンバー11の外部に排出する。増圧装置30を利用して調理チェンバー11の気圧を増加する必要がある場合、先ず、電磁弁43をオフにするように制御し、吸気口23を開くように、駆動アセンブリ32により、閉塞部材31を駆動して支持部材33から離脱させ、調理チェンバー11の外部の空気が吸気口23を介して調理チェンバー11内に入り、調理チェンバー11内の気圧を上昇させ、このように繰り返す。 【0051】 蒸らしプロセス全体において、負圧?増圧?負圧のようなプロセスの切り替えについては、電子制御プロセスにより一定の切り替え回数を設定することができ、蒸らし段階のほとんどの時間において、電気炊飯器は、常に相対的な密封状態にあるので、米飯内の水分が蒸気により大気に散失して米飯が水分を失って硬くなることがなく、ある時点で真空装置40が作動し始め、真空ポンプ41が、調理チェンバー11内の空気を抽出し、それを負圧にする。もう一つの時点で、真空装置40が作動を停止し、増圧装置30が作動し始め、調理チェンバー11の外部の空気が吸気口23を介して調理チェンバー11内に入り、調理チェンバー11の気圧を上昇させる。負圧から増圧に切り替えるプロセスにおいて、調理チェンバー11の外部の空気が比較的高い流速で吸気口23を介して調理チェンバー11に流れ込み、この場合、蓋体20内の凝縮水は、高速の気流の衝撃作用で蒸気になって調理チェンバー11内に入り、米粒の表面を洗い流して、米飯の湿度を維持するようにする。 【0052】 関連技術と比べると、調理時間全体において、本発明の実施例の調理チェンバー11が負圧と増圧との二つの状態に交互に切り替わり、水分の散失を減少することができる。また、増圧状態にある場合、蓋体20内の凝縮水を蒸気に変化させて調理チェンバー11内に洗い流し、米飯の水分を保証し、高速の気流が米飯の内部に入って、米飯に対して一定の膨張作用を奏する。これらの作用は、何れも蒸らし段階における水分の損失、及び米飯が収縮して硬くなることを回避することができるので、米飯のふわふわ感を向上させ、米飯の食感を改善する。」 との記載がある。 そして、以上の記載によると、「蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧にな」る事象は、「増圧装置30が吸気口23に連通」することにより調理チェンバー11の気圧が負圧から増圧した状態に切り替えられ、「外部の空気が、吸気口23を介して調理チェンバー11内に入ること」により生じるのであり、そのような機序により生じた霧が調理チェンバー11内に入って「米粒の表面を洗い流」すというものである。 3.異議申立人が主張する上記1.(1)ないし(4)の点についての判断 (1)「米粒の表面を洗い流す」について 請求項1に記載の「米粒の表面を洗い流す」とは、上記本件特許明細書段落【0028】の記載によると、「高速の気流の衝撃作用」によって「蓋体20内の凝縮水」が「霧」となって「米粒の表面を洗い流す」ことにより「米飯の湿度を維持する」のであるから、「米粒の表面を洗い流す」ようにする増圧装置30とは、生じた霧が気流に乗って調理チェンバー11内の米粒の表面に吹き付けられて到達し、その結果、米飯の湿度を維持することができるものと理解することができる。 よって、請求項1における「米粒の表面を洗い流す」の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 ところで、異議申立人は、請求項1に記載された「洗い流す」が、水などを流すことで汚れや不要物を取り除くことを意味するから不明確である旨主張している(異議申立書第12ページ)。 しかし、上記本件特許明細書段落【0028】の記載のほか、本件特許明細書の記載全体をみても「米粒の表面を洗い流す」ことが霧になった凝縮水が米粒の表面の汚れや不要物を取り除くことであることの記載や示唆はなく、霧になった凝縮水が米粒の表面の汚れや不要物を取り除くという意味までをも含むものではないことは明らかである。 (2)「高速の気流」について 本件特許明細書段落【0051】の記載「負圧から増圧に切り替えるプロセスにおいて、調理チェンバー11の外部の空気が比較的高い流速で吸気口23を介して調理チェンバー11に流れ込み、」によれば、本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載における「高速の気流」の「高速」とは、調理チェンバー11内の圧力を負圧から増圧に切り換える際に吸気口23を介して調理チャンバー11内に急激に流れ込む外部の空気の流速を意味するものであって、さらに、同段落【0028】の記載によると、蓋体20の凝縮水を「霧」にできる程度の流速であると理解することができる。 よって、請求項1における「高速の気流」の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 ところで、異議申立人は、請求項1に記載された「高速」については比較の基準が明確でない旨主張している(異議申立書第12ページ)。 しかし、上記のとおり、「高速」とは、調理チェンバー11内の圧力を負圧から増圧に切り換える際に吸気口23を介して調理チャンバー11内に急激に流れ込む外部の空気の流速を表すものであって、蓋体20の凝縮水を「霧」にできる程度のものを表すと理解できるから、比較の基準が明らかでないことを根拠に明確でないとまではいえない。 (3)「霧」について 本件特許明細書段落【0028】には、「蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧にな」るとの記載がある。そして、「霧」とは、技術常識からみて、蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により分裂して細かい水滴となったものであって、上記(1)で検討したとおり、「霧」を構成する細かい水滴は気流に乗って調理チェンバー11内の米粒の表面に吹き付けられて米粒の表面に到達できる程度に細かいものであると理解することができる。 よって、請求項1における「霧」の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 ところで、異議申立人は、請求項1に記載された「霧」については小さな水滴を意味するが、その程度が明らかでなく、どのような「霧」であれば「米粒の表面を洗い流す」ことができるのか明確でない旨主張している(異議申立書第12ページ)。 しかし、上記で検討したとおり、「霧」とは、蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により分裂して細かい水滴となったものであり、気流に乗って調理チェンバー11内の米粒の表面に吹き付けられて米粒の表面に到達できる程度に細かいものであればよいのであるから、「霧」を構成する細かい水滴の具体的な大きさが特定されていないことを根拠に明確でないとまではいえない。 (4)「前記蓋体20内の・・増圧装置30」がどのようなものかについて 本件特許明細書段落【0050】には、「増圧装置30」に関して、「増圧装置30を利用して調理チェンバー11の気圧を増加する」と記載されており、具体的には、「真空ポンプ41」の作動により「調理チェンバー11が負圧状態」となっている場合、蓋体20に設けられた「吸気口23を開く」ことにより調理チェンバー11に外部の空気が入ることにより負圧から大気圧として調理チェンバー11内の増圧を行うものであるから、「増圧装置30」自体は、調理チェンバー11内の気圧を増加するための機構であると理解することができる。 加えて、上記(1)ないし(3)で検討したとおり、「米粒の表面を洗い流す」、「高速の気流」、及び「霧」の記載についてはそれぞれの意味が理解できるものであるから、「前記蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする増圧装置30」の記載全体をみても第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 (5)小括 以上、上記(1)ないし(4)の検討により、本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載「前記蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする増圧装置30」の意味は不明確であるとはいえない。 よって、本件特許発明1及び本件特許発明1を引用する本件特許発明2ないし10は明確でないとはいえない。 [3]異議理由2についての判断 1.本件特許発明1 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 (1)甲1発明における「炊飯器」は、本件特許発明1における「調理器具」に相当し、以下同様に、「有底筒状の」、「鍋11」は「頂部が開放された」、「調理チェンバー11」に、「収納する」は「有する」に、「本体1」は「本体10」に、「ヒンジ部28によって本体1に開閉自在に軸支され」た「蓋体21」は「開位置と閉位置との間を移動可能に前記本体10に取り付けられ」た「蓋体20」に、「管状の経路94の基端部」は「抽気口21」に、「外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98の部分」は「排気口22」に、「連通孔74」は「吸気口23」に、それぞれ相当する。 (2)甲1発明における「鍋11内の空気を吸引して大気圧より低い状態とする」、「減圧手段91」は、本件特許発明1における「調理チェンバー11内を負圧にする」、「真空装置40」に相当し、以下同様に、「調圧部64」は「増圧装置30」に、「調圧部64により空気が連通孔74を介して鍋11内に入り大気圧となるようにすることと、減圧手段91により鍋11内から空気を排出して減圧することとは、同時に行われず」は、「増圧装置30と真空装置40とが同時に起動せず」に、「減圧ポンプ92」は「真空ポンプ41」に、「電磁弁95」は「電磁弁43」に、「減圧ポンプ92と外蓋カバー25に形成されたボスとを連通する管状の経路98」は「真空ポンプ41と排気口22との間」に接続される「接続管42」に、「減圧ポンプ92と電磁弁95とを連通する管状の経路94」は「真空ポンプ41と電磁弁43との間」に接続される「接続管42」にそれぞれ相当する。 そうすると、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。 [一致点] 「調理器具であって、 頂部が開放された調理チェンバー11を有する本体10と、 開位置と閉位置との間を移動可能に前記本体10に取り付けられ、抽気口21と、排気口22と、吸気口23とを有する蓋体20と、 前記蓋体20内に設けられ、前記抽気口21及び前記排気口22にそれぞれ連通して前記調理チェンバー11内を負圧にする真空装置40と、 前記蓋体20内に設けられ、空気が前記吸気口23を介して前記調理チェンバー11内に入るようにする増圧装置30と、を含み、 前記増圧装置30と前記真空装置40とが同時に起動せず、 前記真空装置40は、 前記蓋体20内に設けられる真空ポンプ41と、 電磁弁43と、 前記真空ポンプ41と前記排気口22との間、及び前記真空ポンプ41と前記電磁弁43との間との間にそれぞれ接続される接続管42と、を含む、 調理器具。」 [相違点1] 本件特許発明1においては、増圧装置30により「蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用により霧になって、米粒の表面を洗い流すようにする」のに対して、甲1発明においては、調圧部64がそのような構成を有するか不明である点。 [相違点2] 本件特許発明1においては、電磁弁43が「抽気口21から離れた箇所に設けられ、抽気口21と真空ポンプ41との間に接続」されるものであって、「電磁弁43と抽気口21との間」に「接続管42」があり、「調理チェンバー11内を負圧にし、且つ、電磁弁43がオフにした場合に、電磁弁43と抽気口21との間に接続される接続管42内の水分が調理チェンバー11に流れ込み、調理チェンバー11内の水分を保つことができる」のに対して、甲1発明においては、電磁弁95が減圧ポンプ92に連通する経路94の基端部を開閉するものであって、電磁弁95と経路94の基端部との間に、鍋11内の空気を吸引して大気圧より低い状態とし、且つ、電磁弁95を閉じた場合に接続管内の水分が鍋11内に流れ込むような接続管を備えるものではない点。 以下、事案に鑑み、まず相違点2について検討する。 [相違点2について] 甲3記載技術は、「鍋5が装着される鍋収容部4を含む枠体2と、枠部2ひいては鍋5の上方に位置する蓋体21とにより構成される本体1からなり、本体1内を大気圧未満にする減圧ユニット34と、減圧ユニット34を駆動させる駆動手段とを備えた調理器において、 減圧ユニット34は、容器5を大気圧未満にする減圧手段としての減圧ポンプ41と、この減圧ポンプ41から蓋体21内部を経て、鍋5の上面開口部を直接覆う内蓋25に設けた孔42に至る管状の経路43と、経路43を開閉する閉止手段として設けられる電磁弁44と、電磁弁44と孔42との間に設けられた管状の経路と、を備えるものとした技術」であって、電磁弁44と孔42(本件特許発明1における「抽気口21」に相当)との間に管状の経路を設けることを示すものである。 しかし、甲3記載技術は、電磁弁44と孔42との間に管状の経路を設けることを示すものの、電磁弁44が閉じた場合に、電磁弁44と孔42との間の管状の経路の水分が鍋5に流れ込むことによって鍋5内の被調理物の水分を保つことについて示すものではなく、仮に管状の経路内に水分が付着したとしても、電磁弁44が閉じた場合に、電磁弁44と孔42との間の管状の経路の水分が鍋5に流れ込むか否かについては、技術常識から、管状の経路の形状や管状の経路内に付着した水分の量等によって影響されるものと認められるから、電磁弁44が閉じた場合に必ずしも電磁弁44と孔42との間の管状の経路の水分が鍋5に流れ込むとはいえない。 また、甲1の段落【0061】には、「減圧ポンプ92から排出される空気には、被調理物から蒸発する水分が若干含まれることから、排出口92Bと外蓋カバー25に形成されたボスを連通した経路98により、空気中の水分を蓋体21の外部に排出する構成としている。」と記載されており、減圧ポンプ92から排出される空気中に含まれる水分は、蓋体21の外部に排出されることを示すのみである。 そうすると、甲1発明に甲3記載技術を適用して電磁弁95と経路94の基端部との間に接続管を設けた場合において、電磁弁95を閉じた場合に接続管内の水分が鍋11内に流れ込むとはいえないから、甲1発明に甲3記載技術を適用して上記相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項とすることは当業者が容易になし得たとすることはできない。 また、甲2記載技術は、ポンプにより容器12内の気体を吸引し、調理装置1の外へ排出することにより容器12内を減圧するものであるが、ポンプと容器12との間の経路に電磁弁を有するものではない。 そうすると、上記相違点1について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明、甲2記載技術、及び甲3記載技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2.本件特許発明2ないし10 本件特許の請求項2ないし10の記載は、請求項の記載を他の記載に置き換えることなく本件特許の請求項1を直接あるいは間接的に引用してされたものであるから、本件特許発明2ないし10は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含むものである。 したがって、本件特許発明2ないし10は、本件特許発明1と同様の理由により甲1発明、甲2記載技術、及び甲3記載技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2020-12-24 |
出願番号 | 特願2018-17174(P2018-17174) |
審決分類 |
P
1
651・
537-
Y
(A47J)
P 1 651・ 121- Y (A47J) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 西尾 元宏、大谷 光司 |
特許庁審判長 |
山崎 勝司 |
特許庁審判官 |
後藤 健志 松下 聡 |
登録日 | 2020-03-05 |
登録番号 | 特許第6671401号(P6671401) |
権利者 | 佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司 |
発明の名称 | 調理器具及びその制御方法 |
代理人 | 飯田 雅人 |
復代理人 | 木村 一貴 |
代理人 | 崔 允辰 |