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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1370711
審判番号 不服2019-6290  
総通号数 255 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-14 
確定日 2021-01-27 
事件の表示 特願2013-266895「発光素子」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月10日出願公開、特開2014-131041〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年12月25日(パリ条約による優先権主張 2012年12月27日、韓国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月 4日付け:拒絶理由通知(同年同月12日発送)
平成30年 3月 9日 :手続補正、意見書提出
同年 8月20日付け:拒絶理由通知(同年同月28日発送)
同年11月27日 :意見書提出
平成31年 1月 8日付け:拒絶査定(同年同月15日謄本送達)
令和 元年 5月14日 :審判請求、手続補正
令和 2年 3月13日付け:拒絶理由通知(同年同月17日発送)
同年 6月12日 :手続補正、意見書提出

第2 当審における拒絶の理由
令和2年3月13日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)は、次のとおりである。

1 令和2年6月12日提出の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)前の請求項1及び20には、各発光セル間の具体的離隔距離及び各発光セルの発光領域の具体的形状配置についての特定はされておらず、例えば、当該各発光セル間の具体的離隔距離が極めて大きく取られ、結果として、各発光セルの発光領域の大きさが従来技術に比して小さいものも請求項1及び20に含まれることになり、そのような、各発光セルの発光領域の大きさが従来技術に比して小さいものが、従来技術に比して「発光領域を増大させることで、発光効率を増大させ」たものとはいえないことは明らかであるから、本願特許請求の範囲は、本願発明が解決しようとする課題が解決できないものも包含する記載となっており、よって、本願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

2 本件補正前の請求項1及び20に記載された発明は、第2隣接発光セルについては、第2離隔距離を第1離隔距離と等しくし、各発光領域の第1方向の発光領域の長さを全て第1隣接発光セルと同じくして、発光領域の長さが比較的長い発光セルをより多くすることにより、発光装置の特性を向上できるにもかかわらず、そのようにしないで、あえて、第2離隔距離を第1離隔距離よりも大きくしているものといえ、このことは、明細書に記載された「発明が解決しようとする課題」に照らすと、その技術的意義が不明なものであり、本願明細書の発明の詳細な説明の記載は、出願時の技術常識を参酌しても、請求項1及び20に係る発明の解決手段を当業者が理解することができる程度に記載されているとはいえないから、本願は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

3 本件補正前の請求項1?22に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献
1 特表2009-519605号公報
2 特表2010-521807号公報(周知例として)
3 特表2010-517273号公報(周知例として)
4 特開2011-181925号公報(周知例として)
5 米国特許出願公開第2011/0062459号明細書(周知例として)
6 特開2008-235883号公報(周知例として)

第3 当審の判断
当審は、以下のとおり、上記第2のいずれの理由によっても、本願は拒絶されるべきものであると判断する。
1 本願の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本願明細書等」という。)の記載
本願明細書等(本件補正後のもの。)には、次の記載がある。
(1)特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
基板と、
前記基板上に、第1方向及び前記第1方向に直交する方向の第2方向に沿って、互いに離隔して配置された複数の発光セルと、
隣接する発光セルを電気的に接続する複数個の連結配線とを含む発光素子であって、
前記複数の発光セルは、第1?第4発光セルを備え、
前記第1及び第2発光セルは、前記第2方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第1連結配線によって接続され、
前記第1及び第4発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第2連結配線によって接続され、
前記第3及び第4発光セルは、前記第2方向に隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第3連結配線によって接続され、
前記第2及び第3発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記連結配線によって接続されず、
前記第1?第4発光セルは、四角形状を有する第1導電型半導体層を備え、
前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短く、
前記複数の発光セルのそれぞれの側面は、その傾斜角が30°?80°となるように前記基板に対して傾斜する、
発光素子。」

(2)技術分野・背景技術
「【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)の金属有機化学気相蒸着法及び分子線成長法などの発達に基づいて、高輝度及び白色光の具現が可能な赤色、緑色及び青色発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が開発された。
【0003】
このようなLEDは、白熱灯と蛍光灯などの既存の照明器具に使用される水銀(Hg)のような環境有害物質が含まれていないので環境性に優れ、長寿命、低電力消費特性などのような長所があるので、既存の光源を代替している。このようなLED素子の核心競争要素は、高効率及び高出力チップ、及びパッケージング技術による高輝度の具現である。
【0004】
高輝度を具現するために光抽出効率を高めることが重要である。光抽出効率を高めるために、フリップチップ(flip-chip)構造、表面凹凸の形成(surface texturing)、凹凸が形成されたサファイア基板(PSS:Patterned Sapphire Substrate)、光結晶(photonic crystal)技術、及び反射防止膜(anti-reflection layer)構造などを用いた様々な方法が研究されている。
【0005】
図1は、既存の発光素子10の平面図を示す。
【0006】
図1に示す発光素子10は、第1及び第2電極パッド22,24、9個の発光領域40、及び隣接する発光領域40を電気的に接続する連結金属30で構成される。このとき、隣接する発光領域40間の距離D1,D2,D3,D4は全て同一である。このような一般的な構造の発光素子10に対して発光効率を増大させるための様々な方法が研究されている。

(3)発明の概要
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態では、発光領域を増大させることで、発光効率を増大させる発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による発光素子は、基板と、前記基板上に互いに離隔して配置された複数の発光セルと、隣接する発光セルを電気的に接続する連結配線とを含み、前記複数の発光セルのうち前記連結配線によって接続されずに隣接する第1隣接発光セル間の第1離隔距離は、前記連結配線によって接続されて隣接する第2隣接発光セル間の第2離隔距離よりも小さい。
【0009】
前記第1隣接発光セルが第1方向に離隔した前記第1離隔距離は、前記第2隣接発光セルが前記第1方向に離隔した第2-1離隔距離よりも小さくすることができる。
【0010】
前記第1隣接発光セルが第1方向に離隔した前記第1離隔距離は、前記第2隣接発光セルが前記第1方向と異なる第2方向に離隔した第2-2離隔距離よりも小さくすることができる。
【0011】
前記第1隣接発光セルが第1方向に離隔した前記第1離隔距離は、前記第2隣接発光セ
ルが前記第1方向に離隔した第2-1離隔距離よりも小さくし、前記第1離隔距離は、前記第2隣接発光セルが前記第1方向と異なる第2方向に離隔した第2-2離隔距離よりも小さくすることができる。
【0012】
前記第2-1離隔距離と前記第2-2離隔距離とは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0013】
前記第1離隔距離は、前記第2-1離隔距離と同一であってもよい。
【0014】
前記第1離隔距離は、前記第2-2離隔距離と同一であってもよい。
【0015】
前記第1離隔距離は、前記第2離隔距離の0.2倍以上であり、前記第2離隔距離未満であってもよく、前記第1方向は垂直方向であり、前記第2方向は水平方向であってもよい。
【0016】
前記第1隣接発光セルの個数は、前記第2隣接発光セルの個数よりも多くてもよい。
【0017】
前記複数の発光セルのそれぞれは、前記基板上に順次配置された第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と;前記第1導電型半導体層上に配置された第1電極と;前記第2導電型半導体層上に配置された第2電極と;を含むことができる。
【0018】
前記発光構造物の側面は、前記基板に対して傾斜することができる。
【0019】
前記第1離隔距離は、前記第1隣接発光セルの前記第1導電型半導体層間の離隔距離に該当し、前記第2離隔距離は、前記第2隣接発光セルの前記第1導電型半導体層間の離隔距離に該当することができる。
【0020】
前記第1離隔距離は、前記第1隣接発光セルの前記第2導電型半導体層間の離隔距離に該当し、前記第2離隔距離は、前記第2隣接発光セルの前記第2導電型半導体層間の離隔距離に該当することができる。
【0021】
前記複数の発光セルのそれぞれは、前記第2導電型半導体層と前記第2電極との間に配置された伝導層をさらに含み、前記第1離隔距離は、前記第1隣接発光セルの前記伝導層間の離隔距離に該当し、前記第2離隔距離は、前記第2隣接発光セルの前記伝導層間の離隔距離に該当することができる。
【0022】
前記第1離隔距離は4μm?20μmであり、前記第2離隔距離は20μmより大きく、前記第1離隔距離は10μm?25μmであり、前記第2離隔距離は25μmより大きくてもよい。
【0023】
前記発光素子は、前記連結配線と前記第2隣接発光セルとの間に配置されて、前記連結配線と前記第2隣接発光セルとを電気的に絶縁させる絶縁層をさらに含むことができる。
【0024】
前記複数の発光セルのうちの一部の前記第1電極または第2電極のうち少なくとも一つは、前記連結配線と一体型であってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の様々な実施形態による発光素子は、既存より発光領域がさらに広いので、光度及び動作電圧が改善され、電流密度が減少して信頼性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
下記の図面を参照して実施形態について詳細に説明する。ただし、図面中、同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
【図1】既存の発光素子の平面図である。
【図2】実施形態に係る発光素子の平面図である。
【図3】図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【図4】図2のB-B’線に沿って切断した断面図である。
【図5】図2のC-C’線に沿って切断した断面図である。
【図6】図2に示した発光素子の回路図である。
【図7】発光面積の増加による光度及び動作電圧を示すグラフである。
【図8】実施形態に係る発光素子を含む照明装置の分解斜視図である。
【図9】実施形態に係る発光素子を含む表示装置を示す図である。

(4)発明を実施するための形態
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体的に説明するために実施形態を挙げて説明し、発明に対する理解を助けるために、添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明に係る実施形態は、様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が、以下に詳述する実施形態に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0028】
本発明の実施形態の説明において、各構成要素の「上/上部または下/下部(on or under)」に形成されると記載される場合において、「上/上部または下/下部(on or under)」は、二つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、一つ以上の他の構成要素が前記二つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。
【0029】
また、「上/上部又は下/下部(on or under)」と表現される場合、一つの構成要素を基準にして上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0030】
図2は、実施形態に係る発光素子100の平面図を示し、図3は、図2のA-A’線に沿って切断した断面図を示し、図4は、図2のB-B’線に沿って切断した断面図を示し、図5は、図2のC-C’線に沿って切断した断面図を示す。
【0031】
図2乃至図5を参照すると、発光素子100は、第1?第M伝導層110-1?110-M(ここで、Mは、3以上の正の整数)、第1ボンディングパッド(bonding pad)122、第1?第N連結配線124-1?124-N(ここで、Nは、2以上の正の整数)、第2ボンディングパッド126、基板130及び発光構造物140を含む。
【0032】
・・・(中略)・・・
【0034】
以下、説明の便宜上、発光セル(または、発光領域)の個数Mは9であると仮定するが、実施形態はこれに限定されず、発光セルが9個より多いか、または少ない場合にも同一に適用することができる。
【0035】
発光セルは、基板130上に水平方向に互いに離隔して配列される。
【0036】
まず、複数の発光領域P1?PMを順に第1発光領域?第M発光領域という。すなわち、第1ボンディングパッド122が位置する発光領域を第1発光領域P1といい、第2ボンディングパッド126が位置する発光領域を第9発光領域P9という。
【0037】
第1?第M発光セルは、基板130の第1?第M発光領域にそれぞれ配置される。すなわち、第1発光セルは基板130の第1発光領域P1に配置され、第2発光セルは基板130の第2発光領域P2に配置され、第3発光セルは基板130の第3発光領域P3に配置され、第4発光セルは基板130の第4発光領域P4に配置され、第5発光セルは基板130の第5発光領域P5に配置され、第6発光セルは基板130の第6発光領域P6に配置され、第7発光セルは基板130の第7発光領域P7に配置され、第8発光セルは基板130の第8発光領域P8に配置され、第9発光セルは基板130の第9発光領域P9に配置される。このように、第m発光セル(1≦m≦M)は、基板130の第m発光領域Pmに配置される。以下、説明の便宜上、第m発光セルを‘Pm’と呼ぶ。
【0038】
第1?第M発光セルP1?PMのそれぞれは、基板130上に配置された発光構造物140、第m伝導層110-m、及び第1及び第2電極を含む。一つの発光セルをなす発光構造物140は、境界領域Sによって他の発光セルの発光構造物140と区分することができる。境界領域Sは、第1?第M発光セルP1?PMのそれぞれの周りに位置する領域であってもよく、基板130であってもよい。複数の第1?第M発光セルP1?PMのそれぞれの面積は同一であってもよいが、これに限定されるものではない。例えば、他の実施形態によれば、複数の第1?第M発光セルP1?PMのそれぞれの面積は互いに異なっていてもよい。更に他の実施形態によれば、複数の第1?第M発光セルP1?PMの一部の面積は互いに同一であり、他部の面積は互いに異なっていてもよい。
【0039】
各発光セルP1?PMの発光構造物140は、基板130の上部に順次配置された第1導電型半導体層142、活性層144及び第2導電型半導体層146を含む。
【0040】
・・・(中略)・・・
【0057】
一方、第1?第N連結配線124-1?124-Nは、複数の発光セルP1?PMを互いに接続する役割を果たす。すなわち、第1?第N連結配線124-1?124-Nは、隣接する発光セルを電気的に接続する役割を果たす。すなわち、第i連結配線124-i(1≦i≦M-1)は、第i発光領域Pi、第i+1発光領域P(i+1)及びそれら[Pi,P(i+1)]の間の境界領域S上に位置して、隣接する第i発光セルPiと第i+1発光セルP(i+1)とを電気的に接続する役割を果たす。例えば、第1連結配線124-1(i=1)は、隣接する第1発光セルP1と第2発光セルP2とを電気的に接続し、図5に示したように、第7連結配線124-7は、第7発光領域P7、第8発光領域P8及びそれら(P7,P8)の間の境界領域S上に位置して、隣接する第7発光セルP7と第8発光セルP8とを電気的に互いに接続する。
【0058】
図2乃至図5の場合、第1?第N連結配線124-1?124-Nによって第1?第M発光セルP1?PMが電気的に互いに直列接続されている。この場合、N=M-1である。第1?第N連結配線124-1?124-Nは、第1ボンディングパッド122が位置する第1発光セルP1を始点とし、第2ボンディングパッド126が位置する第M発光領域PMを終点として、第1?第M発光セルP1?PMを直列接続することができる。しかし、実施形態はこれに限定されず、第1?第M発光セルP1?PMのうち少なくとも一部が連結配線によって電気的に互いに並列に接続されてもよい。
【0059】
・・・(中略)・・・
【0061】
図6は、図2に示された発光素子100の回路図を示す。
【0062】
図2及び図6を参照すると、発光素子100は、共通の一つの(+)端子、例えば、一つの第1ボンディングパッド122を有し、共通の一つの(-)端子、例えば、一つの第2ボンディングパッド126を有することができる。
【0063】
一方、図1に示された既存の発光素子10の場合、発光領域40間の離隔距離(D1、D2、D3、D4)は全て同一である。反面、実施形態によれば、複数の発光セルP1?PMのうち、第1?第N連結配線124-1?124-Nのうちどの連結配線によっても互いに接続されずに隣接する発光セル(以下、‘第1隣接発光セル’という)間の離隔距離(以下、‘第1離隔距離’という)は、連結配線によって接続されて隣接する発光セル(以下、‘第2隣接発光セル’という)間の離隔距離(以下、‘第2離隔距離’という)よりも小さい。
【0064】
すなわち、図2を参照すると、第1及び第6発光セルP1,P6、第2及び第5発光セルP2,P5、第4及び第9発光セルP4,P9、及び第5及び第8発光セルP5,P8のそれぞれは、どの連結配線によっても互いに接続されずに隣接する第1隣接発光セルに該当する。また、第1及び第2発光セルP1,P2、第2及び第3発光セルP2,P3、第3及び第4発光セルP3,P4、第4及び第5発光セルP4,P5、第5及び第6発光セルP5,P6、第6及び第7発光セルP6,P7、第7及び第8発光セルP7,P8、及び第8及び第9発光セルP8,P9のそれぞれは、連結配線によって互いに接続されながら隣接する第2隣接発光セルに該当する。
【0065】
第1隣接発光セルは第1方向に隣接し、第2隣接発光セルは第1方向に隣接していてもよく、第2方向に隣接していてもよい。以下、第1方向に隣接する第2隣接発光セルを、‘第2-1隣接発光セル’といい、第2方向に隣接する第2隣接発光セルを、‘第2-2隣接発光セル’という。第1方向と第2方向とは互いに異なる方向である。例えば、第1方向と第2方向とは互いに直交し、第1方向は垂直方向で、第2方向は水平方向であってもよいが、実施形態はこれに限定されない。
【0066】
図2を参照すると、第3及び第4発光セルP3,P4は‘第2-1隣接発光セル’に該当し、第6及び第7発光セルP6,P7も‘第2-1隣接発光セル’に該当する。また、第1及び第2発光セルP1,P2、第2及び第3発光セルP2,P3、第4及び第5発光セルP4,P5、第5及び第6発光セルP5,P6、第7及び第8発光セルP7,P8、及び第8及び第9発光セルP8,P9のそれぞれは‘第2-2隣接発光セル’に該当する。
【0067】
以下、第2-1隣接発光セル間の離隔距離を、‘第2-1離隔距離’といい、第2-2隣接発光セル間の離隔距離を、‘第2-2離隔距離’という。
【0068】
一実施形態によれば、第1離隔距離は、第2-1離隔距離よりも小さく、第2-2離隔距離よりも小さくすることができる。このとき、第2-1離隔距離と第2-2離隔距離とは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第2-1離隔距離は、第2-2離隔距離よりも小さくてもよい。
【0069】
他の実施形態によれば、第1離隔距離は第2-1離隔距離より小さいが、第1離隔距離は第2-2離隔距離と同一であってもよい。このように、第2-1離隔距離と第2-2離隔距離とは互いに同一ではなく、異なっていてもよい。
【0070】
更に他の実施形態によれば、第1離隔距離は第2-2離隔距離より小さいが、第1離隔距離は第2-1離隔距離と同一であってもよい。このように、第2-1離隔距離と第2-2離隔距離とは互いに同一ではなく、異なっていてもよい。
【0071】
一方、発光構造物140の側面は、基板130に対して傾斜することができる。すなわち、図3に示したように、第1導電型半導体層142の側面は基板130に対して傾斜角θ1で傾斜し、露出された第1導電型半導体層142に隣接した側面は、傾斜角θ2で傾斜してもよい。このように、発光構造物140の側面を傾斜するように形成する理由は、隣接する発光セルを電気的に接続する連結配線が切れるのを防止するためである。例えば、発光構造物140の側面が傾斜せずに直角をなす場合(すなわち、θ1=90°である場合)、境界領域S上に配置される連結配線124-7が切れることもある。そのため、傾斜角θ1、θ2は、30°?80°とすることができる。
【0072】
発光構造物140の側面が傾斜した場合、図2乃至図5を参照して、前述した第1離隔距離、第2-1離隔距離及び第2-2離隔距離のそれぞれについて具体的に説明すると、次の通りである。
【0073】
一実施形態によれば、第1離隔距離は、第1隣接発光セルの第1導電型半導体層間の離隔距離に該当することができる。すなわち、第1及び第6発光セルP1,P6の第1導電型半導体層142間の離隔距離D11が第1離隔距離に該当し、第2及び第5発光セルP2,P5の第1導電型半導体層142間の離隔距離D11が第1離隔距離に該当し、第4及び第9発光セルP4,P9の第1導電型半導体層142間の離隔距離D11が第1離隔距離に該当し、第5及び第8発光セルP5,P8の第1導電型半導体層142間の離隔距離D11が第1離隔距離に該当することができる。
【0074】
このとき、第2離隔距離は、第2隣接発光セルの第1導電型半導体層間の離隔距離に該当することができる。まず、第2隣接発光セルが、第1方向に離隔した第2-1隣接発光セルである場合、第3及び第4発光セルP3,P4の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-11が第2離隔距離に該当し、第6及び第7発光セルP6,P7の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-11が第2離隔距離に該当することができる。または、第2隣接発光セルが、第2方向に離隔した第2-2隣接発光セルである場合、第1及び第2発光セルP1,P2の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当し、第2及び第3発光セルP2,P3の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当し、第4及び第5発光セルP4,P5の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当し、第5及び第6発光セルP5,P6の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当し、第7及び第8発光セルP7,P8の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当し、第8及び第9発光セルP8,P9の第1導電型半導体層142間の離隔距離D2-21が第2離隔距離に該当することができる。
【0075】
・・・(中略)・・・
【0081】
実施形態によれば、第1離隔距離は、第1隣接発光セル間の短絡を防止するために維持しなければならない第1隣接発光セル間の最小距離を考慮して決定される。また、第1離隔距離が大きすぎる場合、発光領域が広くなる面積が極めて小さいため、光度の改善及び動作電圧の改善の効果が小さいことがある。そのための第1離隔距離は、第2離隔距離の0.2倍以上であり、第2離隔距離未満であればよい。また、第2離隔距離は、第2隣接発光セル間の短絡が防止されて、第2隣接発光セルを安定的に接続できる程度に設定する。
【0082】
例えば、離隔距離D11が第1離隔距離に該当し、離隔距離D2-11,D2-21が第2離隔距離に該当する場合、第1離隔距離は4μm?20μmであり、第2離隔距離は20μmより大きくすることができる。または、離隔距離D12が第1離隔距離に該当し、離隔距離D2-12,D2-22が第2離隔距離に該当する時、第1離隔距離は10μm?25μmであり、第2離隔距離は25μmより大きくすることができる。
【0083】
もし、発光構造物140の側面が基板130に対して傾斜していないと、D2-21とD2-22は同一であり、D2-11とD2-12は同一であり、D11とD12は同一であり得る。
【0084】
以下、図2乃至図5にそれぞれ示した発光素子100において、発光セルP1?PMのそれぞれの面積は同一であり、M=21であると仮定する場合、発光セルの単位面積の増加による光度Poの改善及び動作電圧Vfの改善を、次のように説明する。
【0085】
図7は、発光面積の増加による光度Po及び動作電圧Vfを示すグラフであって、横軸は発光面積を示し、縦軸は光度Po及び動作電圧Vfをそれぞれ示す。
【0086】
発光セルP1?PMのそれぞれの横(x)と縦(y)の大きさを変化させながら、光度Po及び動作電圧Vfの変化を説明すると、次の表1及び図7の通りである。
【0087】
【表1】
・・・(中略)・・・
【0088】
ここで、単位面積とは、一つの発光セルの面積を意味し、全体面積は、21個の発光セルの面積を全て加算した面積を意味し、Active増加とは、発光領域の増加された程度であって、パーセントで示す。
【0089】
図2を参照すると、第1離隔距離が第2離隔距離より小さいので、第1、第2、第5、第8及び第9発光セルP1,P2,P5,P8,P9のそれぞれの第1方向への長さ(y)が、第3、第4、第6及び第7発光セルP3,P4,P6,P7のそれぞれの第1方向への長さ(y)より長い。このとき、第1?第9発光セルP1?P9の横の長さ(x)が同一であれば、第3、第4、第6及び第7発光セルP3,P4,P6,P7のそれぞれの面積よりも第1、第2、第5、第8及び第9発光セルP1,P2,P5,P8,P9のそれぞれの面積がさらに広い。したがって、前述した表1及び図7からわかるように、実施形態のように、第1離隔距離が第2離隔距離より小さい程度による単位発光セルの面積の変化がたとえわずかであっても、発光セルの個数(M=21)が多くなれば、光度Po及び動作電圧Vfが改善可能であることがわかる。さらに、電流密度が減少することで、信頼性の改善が可能である。結局、実施形態の場合、第1隣接発光セルの第1離隔距離が第2隣接発光セルの第2離隔距離よりも小さいので、第1離隔距離が第2離隔距離より小さい分だけ、発光領域が既存の発光素子10より広くなることができる。ここで、発光領域が広くなる分だけ、発光効率が改善される。
【0090】
特に、前述したように、発光構造物140の側壁が基板130に対して傾斜する場合、発光領域の損失が不可避である。この場合にも、本実施形態によれば、発光領域が増加する。
【0091】
さらに、このような実施形態の特徴を用いて、発光素子を設計する時に、第1方向に隣接する第1隣接発光セルの個数を第2隣接発光セルの個数よりも多くする場合、発光領域がさらに広くなることによって、発光効率をその分だけさらに改善することができる。
【0092】
前述した図2乃至図5に示した発光素子100の第1?第M発光セルP1?PMのそれぞれは水平型構造を有するものと例示したが、実施形態はこれに限定されない。すなわち、第1?第M発光セルのそれぞれが垂直型またはフリップチップ構造を有する場合にも本実施形態を適用できることは勿論である。
・・・(中略)・・・
【0111】
以上、実施形態を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示していない様々な変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施形態に具体的に示した各構成要素は変形実施が可能である。そして、このような変形及び応用に係る差異点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。」

2 理由1(サポート要件)について
(1)本願明細書等に記載された技術事項
上記1で認定した本願明細書等の記載によれば、本願明細書等には、次の事項が記載されていると認められる。
ア 既存の発光素子10においては、隣接する発光領域40間の距離D1,D2,D3,D4は全て同一であること(【0005】?【0006】)。

イ 本発明の実施形態では、発光領域を増大させることで、発光効率を増大させた発光素子を提供することが、発明が解決しようとする課題であること(【0007】)。

ウ 実施形態によれば、複数の発光セルP1?PMのうち、第1?第N連結配線124-1?124-Nのうちどの連結配線によっても互いに接続されずに隣接する発光セル(以下、‘第1隣接発光セル’という)間の離隔距離(以下、‘第1離隔距離’という)は、連結配線によって接続されて隣接する発光セル(以下、‘第2隣接発光セル’という)間の離隔距離(以下、‘第2離隔距離’という)よりも小さいこと(【0063】)。

エ 第1方向と第2方向とは互いに異なる方向であり、例えば、第1方向と第2方向とは互いに直交し、第1方向は垂直方向で、第2方向は水平方向であってもよく、第1方向に隣接する第2隣接発光セルを、‘第2-1隣接発光セル’といい、第2方向に隣接する第2隣接発光セルを、‘第2-2隣接発光セル’とすると、第1離隔距離は第2-1離隔距離より小さいが、第1離隔距離は第2-2離隔距離と同一であってもよく、また、第1離隔距離は第2-2離隔距離より小さいが、第1離隔距離は第2-1離隔距離と同一であってもよいこと(【0065】、【0069】、【0070】)。

オ 実施形態によれば、第1隣接発光セルの第1離隔距離が第2隣接発光セルの第2離隔距離よりも小さいので、第1離隔距離が第2離隔距離より小さい分だけ、発光領域が既存の発光素子10より広くなることができ、発光領域が広くなる分だけ、発光効率が改善されること(【0089】)。

カ 隣接する発光セルを電気的に接続する連結配線が切れるのを防止するために、発光構造物140の側面は、基板130に対して傾斜することができること(【0071】)

キ 発光構造物140の側壁が基板130に対して傾斜する場合、発光領域の損失が不可避であるが、この場合にも、本実施形態によれば、発光領域が増加すること(【0090】)。

(2)検討
ア 前記1(1)の請求項1の記載によれば、「前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短」いこと、及び「前記複数の発光セルのそれぞれの側面は、その傾斜角が30°?80°となるように前記基板に対して傾斜する」ことが特定されている。

イ 前記(1)イによれば、発光領域を増大させることで、発光効率を増大させた発光素子を提供することが、発明が解決しようとする課題とされ、ここで、前記(1)オによれば、第1隣接発光セルの第1離隔距離が第2隣接発光セルの第2離隔距離よりも小さいので、第1離隔距離が第2離隔距離より小さい分だけ、発光領域が既存の発光素子10より広くなることができ、発光領域が広くなる分だけ、発光効率が改善されることとされている。

ウ 上記イによれば、前記アの請求項1の記載中の「前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短」いことにより、第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さが比較的長いことから、発光領域が既存の発光素子10より広くなることができ、発光領域が広くなる分だけ、発光効率が改善されることを意図していると解される。

エ しかしながら、前記アの特定によれば、各セル間の、第1方向の長さの長短関係しか特定されていないため、例えば、第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さが従来技術と同じで、第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さが従来技術に比して小さいものも含まれることになる。そして、そのような、発光領域の大きさが従来技術に比して小さいものが、従来技術に比して「発光領域を増大させることで、発光効率を増大させ」たものとはいえないことは明らかであるから、前記1(1)の請求項1の特定のみでは、前記(1)イの、発明が解決しようとする課題が解決できないことが明らかである。

オ ところで、前記(1)キによると、光構造物140の側壁が基板130に対して傾斜する場合、発光領域の損失が不可避であるが、この場合にも、本実施形態によれば、発光領域が増加することとされているところ、これは、当該「傾斜した場合」においても前記ウの作用は有効とするものであって、既存の発光素子であって「傾斜した場合」でないものとの対比において、実施形態に係る「傾斜した場合」のものの方が発光領域が必ず増加することをいうものでないことは明らかである。

カ 上記オから、前記アの「前記複数の発光セルのそれぞれの側面は、その傾斜角が30°?80°となるように前記基板に対して傾斜する」との請求項1の特定事項は、当該特定事項を備えた状態での比較において、仮に前記ウの作用は得られるとしても、前記(1)キのとおり「発光領域の損失が不可避であ」り、これは、前記ウの「発光領域が広くなる分だけ、発光効率が改善される」ことに逆行するから、むしろ、同イの、発明が解決しようとする課題の解決を阻害する要因ともいえるものである。

キ また、前記(1)カによれば、前記アの「前記複数の発光セルのそれぞれの側面は、その傾斜角が30°?80°となるように前記基板に対して傾斜する」ことにより、隣接する発光セルを電気的に接続する連結配線が切れるのを防止できるとされているが、当該「防止できる」ことは、本願明細書の表記上、「解決しようとする課題」として記載されたものではなく、また、後記4(4)イのとおり、当該「傾斜させて」連結配線が切れるのを防止する技術自体が周知である。さらに、この出願の明細書全体から見ても「隣接する発光セルを電気的に接続する連結配線が切れるのを防止」することが、この出願が解決しようとする課題であると認めることはできない。

ク 前記ア?キのとおりであるから、本願特許請求の範囲の請求項1は、本願発明が解決しようとする課題が解決できないものも包含する記載となっているといえる。

3 理由2(委任省令要件)について
(1)本願明細書等に記載された事項
上記1で認定した本願明細書等の記載によれば、本願明細書等には、前記2(1)ア?キの事項が記載されていると認められる。

(2)検討
ア 前記1(1)のとおり、本願特許請求の範囲の請求項1には、「前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短」いとの特定(以下「本願特定事項」という。)がされている。

イ 前記2(2)エにおいて指摘したとおり、本願請求項1には、例えば、第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さが従来技術と同じで、第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さが従来技術に比して小さいものも含まれることになり、結局、発光領域の第1方向の長さの総和は従来技術よりも小さくなることになる。

ウ そして、上記イの「発光領域の第1方向の長さの総和は従来技術よりも小さくなる」構成については、本願明細書の記載を見ても、その技術的意義が、前記2(1)イの「発光領域を増大させることで、発光効率を増大させる発光素子を提供する」との「発明が解決しようとする課題」に照らして不明なものである。

エ よって、本願明細書の発明の詳細な説明の記載は、出願時の技術常識を参酌しても、請求項1に係る発明の解決手段を当業者が理解することができる程度に記載されているとはいえない。

4 理由3(進歩性)について

(1)本願発明
本願特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は、前記第3 1(1)に記載されたとおりのものである。

(2)引用文献の記載
当審拒絶理由に引用文献1として引用され、本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特表2009-519605号公報(以下「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
本発明は、交流駆動型発光素子に関し、特に、ブリッジ整流回路が形成された交流駆動型発光素子に関する。」

イ「【0014】
図3は、本発明による発光素子の平面図であり、図4は、図3の等価回路図である。
本発明による発光素子は、図3に示すように、基板100と、発光セルブロック140と、ブリッジ整流回路120と、配線260とを備える。前記発光セルブロック140は、前記基板100上に設けられたまま、直列で連結された複数個の発光セル141からなる。前記ブリッジ整流回路120は、前記基板100上に設けられたまま、前記発光セルブロック140の周辺部を取り囲む複数個のダイオード121からなる。前記発光セルブロック140とブリッジ整流回路120は、配線260により連結される。この際、前記発光素子は、前記ブリッジ整流回路120に外部電源を印加し、ブリッジ整流回路120により直流に整流された常時印加電流を、発光セルブロック140に印加するための電極160をさらに備えてもよい。
【0015】
前記発光セルブロック140は、外部電源の印加の際に、光を放出する主発光源であり、複数個の発光セル141で構成される。前記発光セルブロック140は、発光素子の輝度増加のために、前記基板100の略中央領域に形成されることが好ましい。また、前記発光セル141のそれぞれの横及び縦の長さは、略50?500μmである。
【0016】
前記複数のダイオード121は、外部から印加される交流電源を常時印加正弦波に整流させるブリッジ整流回路120を構成し、このような複数のダイオード121としては、一般のダイオードのみならず、発光ダイオードが用いられ得る。」

ウ「【0023】
以下、このような構造の発光素子の製造方法について、図面を参照して説明する。
以下、上述した発光素子の製造方法を、図5乃至図7を参照して説明する。先ず、基板100上に、ドープされていない窒化ガリウム(GaN)層(図示せず)をバッファ層として形成する。前記バッファ層上に、N型半導体層200、活性層220、及びP型半導体層240を順次に結晶成長させる(図5)。この際、P型半導体層240上に、透明電極層(図示せず)をさらに形成してもよい。それぞれの層は、上述した物質を蒸着するための様々な蒸着方法により形成させる。
【0024】
以降、マスクを用いたフォトエッチング工程を行って基板100を露出させ、それぞれのセルが電気的に分離されるようにする(図6)。すなわち、前記マスクをエッチングマスクとするエッチング工程を通じて、P型半導体層240、活性層220、N型半導体層200の一部を除去し、基板100を露出させる。この際、マスクは、感光膜を用いて形成し、基板100の中央領域に横及び縦の長さがそれぞれ50?500μmである発光セル141を形成し、前記発光セル141を取り囲むダイオード121を発光セルの大きさの80%以下にし、正方形又は長方形の形状に形成する。この際、前記ダイオード121の個数は、発光セル141の個数以上に形成し、好ましくは、発光セル141の個数の100?200%に形成する。しかし、損失対比の発光素子の輝度を考慮して、発光セル141の個数の120?130%に形成することがさらに好ましい。
【0025】
一方、上記したエッチング工程は、ウェットエッチング、ドライエッチング工程を行うことができ、本実施例では、プラズマを用いたドライエッチングを行うことが好ましい。
前記工程を行った後、各発光セルのN型半導体層200が露出するように、P型半導体層240及び活性層220をエッチングする。上述のように、単一のマスクを用いてエッチングを行ってもよいが、それぞれ異なるマスクを用いてエッチングを行ってもよい。すなわち、基板100を露出させる第1のマスクを用いた第1のエッチングを行ってから、N型半導体層200を露出させるために、P型半導体層240及び活性層220の所定の領域を露出させる第2のマスクを用いた第2のエッチングを行ってもよい。
【0026】
前記マスクを除去してから、露出したN型半導体層200上にN-電極(図示せず)を形成し、P型半導体層240上にP-電極(図示せず)を形成する。
以降、前記N型半導体層200上のN-電極と、隣接したP型半導体層240上のP-電極を、所定のブリッジ工程又はステップカバレッジ等を用いて配線260で連結することにより、図3のような発光素子を完成する(図7)。この際、前記P型半導体層240上にP-電極が透明電極として形成される場合、透明電極の一部をフォト工程でエッチングし、P型半導体層240を露出させ、P型ボンディングパッド(図示せず)が形成されてもよい。」

エ ここで、図3は次のものである。

オ 前記ウの「以降、前記N型半導体層200上のN-電極と、隣接したP型半導体層240上のP-電極を、所定のブリッジ工程又はステップカバレッジ等を用いて配線260で連結することにより、図3のような発光素子を完成する」(段落【0026】)との記載、及び上記エの図3から、前記イの「直列で連結された複数個の発光セル141」(段落【0014】)は、配線260により連結されていることがわかる。

カ 上記エに示す図3における図示縦方向を「縦方向」、図示横方向を「横方向」とし、また、発光セルブロック140における、図示左上2列2行の合計4個の発光セル141について、左上隅の発光セルを「発光セルA」、その横方向右隣の発光セルを「発光セルB」とし、発光セルBの縦方向下側の発光セルを「発光セルC」、発光セルAの縦方向下側の発光セルを「発光セルD」とし、また、発光セルAと発光セルBを接続する配線260を「配線a」、発光セルAと発光セルDを接続する配線260を「配線b」、発光セルDと発光セルCを接続する配線260を「配線c」とすると、
縦方向及び横方向は直交し、
発光セルA?発光セルDが、縦方向及び横方向に沿って、互いに離隔して配置され、
発光セルA及び発光セルBは、横方向に互いに隣接して配列され、配線aによって接続され、
発光セルA及び発光セルDは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線bによって接続され、
発光セルC及び発光セルDは、横方向に隣接して配列され、配線cによって接続され、
発光セルB及び発光セルCは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線によって接続されていないことが見て取れる。

キ 前記ウの「基板100上に、ドープされていない窒化ガリウム(GaN)層(図示せず)をバッファ層として形成する。前記バッファ層上に、N型半導体層200、活性層220、及びP型半導体層240を順次に結晶成長させる ・・・(中略)・・・ 以降、マスクを用いたフォトエッチング工程を行って基板100を露出させ、それぞれのセルが電気的に分離されるようにする(図6)。すなわち、前記マスクをエッチングマスクとするエッチング工程を通じて、P型半導体層240、活性層220、N型半導体層200の一部を除去し、基板100を露出させる」(【0023】?【0024】)との記載から、各発光セル141が「N型半導体層200」を備え、上記エの図3から、当該「N型半導体層200」が平面視で方形状であることがわかる。

ク 引用発明
上記アないしキの記載から、引用文献には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ブリッジ整流回路が形成された交流駆動型発光素子であって、(段落【0001】)
基板100と、発光セルブロック140と、ブリッジ整流回路120と、配線260とを備え、
発光セルブロック140は、基板100上に設けられたまま、直列で連結された複数個の発光セル141からなり、
ブリッジ整流回路120は、基板100上に設けられたまま、発光セルブロック140の周辺部を取り囲む複数個のダイオード121からなり、
発光セルブロック140とブリッジ整流回路120は、配線260により連結され(段落【0014】)、
発光セルブロック140は、外部電源の印加の際に、光を放出する主発光源であり、複数個の発光セル141で構成されるものであり(段落【0015】)、
複数個の発光セル141は、配線260により連結され(前記オ)、
発光セルブロック140においては、発光セル141として発光セルA?発光セルDを備え、配線260として配線a?配線cを備え、
縦方向及び横方向は直交し、
発光セルA?発光セルDが、縦方向及び横方向に沿って、互いに離隔して配置され、
発光セルA及び発光セルBは、横方向に互いに隣接して配列され、配線aによって接続され、
発光セルA及び発光セルDは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線bによって接続され、
発光セルC及び発光セルDは、横方向に隣接して配列され、配線cによって接続され、
発光セルB及び発光セルCは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線によって接続されておらず(前記カ)、
各発光セル141は、平面視で方形状であるN型半導体層200を備える(前記キ)、
交流駆動型発光素子。」

(3)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「基板100」は、本願発明の「基板」に相当する。

イ 引用発明の「発光セルブロック140は、基板100上に設けられたまま、直列で連結された複数個の発光セル141からな」るところ、「縦方向及び横方向は直交し、
発光セルA?発光セルDが、縦方向及び横方向に沿って、互いに離隔して配置され」る構成は、本願発明の「前記基板上に、第1方向及び前記第1方向に直交する方向の第2方向に沿って、互いに離隔して配置された複数の発光セル」に相当する。

ウ 引用発明の「複数個の発光セル141は、配線260により連結され」るから、当該配線260は、本願発明の「隣接する発光セルを電気的に接続する複数個の連結配線」に相当する。

エ 引用発明の「発光セルブロック140においては、発光セル141として発光セルA?発光セルDを備え、配線260として配線a?配線cを備え、」「発光セルA及び発光セルBは、横方向に互いに隣接して配列され、配線aによって接続され、発光セルA及び発光セルDは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線bによって接続され、発光セルC及び発光セルDは、横方向に隣接して配列され、配線cによって接続され、発光セルB及び発光セルCは、縦方向に互いに隣接して配列され、配線によって接続されておらず」との構成は、
本願発明の「前記複数の発光セルは、第1?第4発光セルを備え、前記第1及び第2発光セルは、前記第2方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第1連結配線によって接続され、前記第1及び第4発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第2連結配線によって接続され、前記第3及び第4発光セルは、前記第2方向に隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第3連結配線によって接続され、前記第2及び第3発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記連結配線によって接続されず」との構成に相当する。

オ 引用発明の「各発光セル141は、平面視で方形状であるN型半導体層200を備える」ことは、本願発明の「前記第1?第4発光セルは、四角形状を有する第1導電型半導体層を備え」ることに相当する。

カ 引用発明の「交流駆動型発光素子」は、本願発明の「発光素子」に相当する。

キ したがって、引用発明は本願発明と次の点で一致する。
「基板と、
前記基板上に、第1方向及び前記第1方向に直交する方向の第2方向に沿って、互いに離隔して配置された複数の発光セルと、
隣接する発光セルを電気的に接続する複数個の連結配線とを含む発光素子であって、
前記複数の発光セルは、第1?第4発光セルを備え、
前記第1及び第2発光セルは、前記第2方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第1連結配線によって接続され、
前記第1及び第4発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第2連結配線によって接続され、
前記第3及び第4発光セルは、前記第2方向に隣接して配列され、前記複数個の連結配線のうち第3連結配線によって接続され、
前記第2及び第3発光セルは、前記第1方向に互いに隣接して配列され、前記連結配線によって接続されず、
前記第1?第4発光セルは、四角形状を有する第1導電型半導体層を備える、
発光素子。」

ク 一方、両者は以下の各点で相違する。
《相違点1》
本願発明は、「前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短く」との構成を備えるのに対して、引用発明においては、各発光セルが四角形状を有し、第1方向及び第2方向にも一定の長さを有するものではあるが、上記本願発明に係る構成は備えない点。

《相違点2》
本願発明は、「前記複数の発光セルのそれぞれの側面は、その傾斜角が30°?80°となるように前記基板に対して傾斜する」構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

(4)判断

ア 上記相違点1について検討する。
(ア)一般に、相互に配線で接続されている隣接発光セル間の離隔距離に比べて、相互に配線で接続されていない隣接発光セル間の離隔距離を小さくすることは、以下の周知文献1及び2にも示されているように、周知の配置であり、引用発明においても、当該周知の構成を採用することに困難はない。
そして、引用発明においては、配線で接続される方向が全て同じではなく、引用文献1の図3中、引用発明に係る図示左上隅の4個の発光セル(2行(横)×2列(縦))である発光セルAないしDに注目すると、発光セルA及び発光セルDは縦方向に接続されているのに対し、発光セルB及び発光セルCは同方向には接続されていないから、上記周知技術に照らせば、発光セルB及び発光セルCの間は離隔距離が小さくなり、当該2個の発光セルの少なくとも一方は、1行目の2個のいずれかの発光セルに対して突出した形状となることは明らかである。すなわち、引用発明において上記周知技術を採用して、相互に配線で接続されている発光セル間の離隔距離に比べて、相互に配線で接続されていない発光セル間の離隔距離を小さくすることに格別な困難はない。

(イ)ここで、相互に接続された発光セルの寸法・形状を異なるものとして、隣接発光セル間の距離を小さくすることも、以下の周知文献3及び周知文献4に示されているように周知の構成であるから、上記のとおり離隔距離を小さくするに際して、発光セルB及び発光セルCについて、隣り合う方向である縦方向に大きくして、同方向の長さを比較的長いものとし、逆に発光セルA及び発光セルDについては、同方向の長さを比較的短いものとすることで相違点1に係る構成を備えることは、当業者が適宜になしえたことである。

(ウ)そして、前記3(2)において検討したとおり、相違点1に係る「前記第1方向に互いに隣接する前記第1及び第4発光セルの各第1導電型半導体層の前記第1方向の第1長さは、前記第1方向に互いに隣接する前記第2及び第3発光セルの各第1導電型半導体層の第1方向の第2長さよりも短く」する構成、すなわち、第1方向の第1長さよりも短い、第1方向の第2長さを有する発光セルを備えることは、解決しようとする課題に照らして技術的意義が不明なものであり、また、当該構成について、他に格別な技術的意義は見いだせない。

(エ)よって、引用発明において相違点1に係る構成を備えることは、当業者が適宜になしえたことである。

周知文献1:特表2010-517273号公報
a 当審拒絶理由において引用文献3として引用され、本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特表2010-517273号公報には、以下の記載がある。
「【0075】
図4は、本発明の主題のいくつかの実施の形態に従う大面積高電圧のモノリシック発光体100の上面図である。図4に見られるように、発光デバイス100は共通基板200上に複数の発光デバイス110を含む。発光デバイス110は、個別発光デバイス110の周囲を画定する分離領域112によって画定される。個々の発光デバイス110は、それぞれアノード・コンタクト116およびカソード・コンタクト114を有する。
【0076】
図4から分かるように、後続の行中の発光デバイス110のアノード116が、相互接続パターン118によって先の行中のデバイス110のカソード114に接続されている。発光体100の第1の行中のデバイス110のアノード116は、モノリシック発光体100に関するアノード120を提供するように一緒に接続される。アレイ中のデバイス110の最後の行のカソード・コンタクト114も、モノリシック発光体100に関するカソード・コンタクト122を提供するように一緒に接続される。このように、図4の構造は、図3にモノリシック発光体100として示されたように、電気的に接続された発光デバイス110のアレイを提供する。
【0077】
発光デバイス110のウエハ上に1又は複数のモノリシック発光体100が形成されて、次に個々のモノリシック発光体100に分離される。このように、分離された発光デバイス110はウエハからグループで分離され、いくつかの実施の形態では、ウエハの連続した領域からそれぞれのグループで分離されるため、各々の連続した領域は、複数の個別発光デバイス110を含むモノリシック構造100を提供する。この分離プロセスは、例えばソーイング、罫書きおよび破断によって実行されるか、あるいはウエハ内のダイを分離するための当業者に既知の他の方法によって実行される。」

b ここで、図4は次のものである。



c 上記aとともに上記bの図4を参照すると、図示上から2行(横6個縦2個)の各発光デバイス110について、接続パターン118によって接続された発光デバイス110の間隔に比べて、接続されていない発光デバイス110間の間隔が狭いことが見て取れる。

周知文献2:特開2011-181925号公報
a 当審拒絶理由において引用文献4として引用され、本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2011-181925号公報には、以下の事項が記載されている。
「【0044】
図1は本発明の第1実施形態(直列及び並列の組み合わせ)によるマルチセルアレイ発光装置を示す上部平面図であり、図2は図1に図示された発光装置に具現されたマルチセルアレイの等価回路図である。図3aから図3cは図1に図示された発光装置のセル間の連結を説明するための部分側断面図である。
【0045】
図1に図示されたように、本実施形態による半導体発光装置10は、基板11と、上記基板11の上面に6×6に配列された複数の発光セルCとを含む。
【0046】
上記複数の発光セルCは、図3a及び図3bに図示されたように、上記基板11の上面に順に形成された第1導電型半導体層12a、活性層12c及び第2導電型半導体層12bを有する半導体多層膜12を分離して得ることができる。
【0047】
・・・(中略)・・・
【0050】
本実施形態による半導体発光装置は、図2の等価回路図に示されたように、各列S1-S6において6個の発光セルCが相互直列に連結され、6個の列S1-S6が相互並列に連結される直並列連結構造を有する。
【0051】
・・・(中略)・・・
【0053】
また、上記連結部は、上記各列S1-S6に属する発光セルCが上記第1及び第2連結部18a、18bの間で相互直列に連結されるように形成された複数の相互連結部15を含むことができる。上記相互連結部15は、各列において隣接する発光セルCを相互直列に連結しながら、各列S1-S6の両端に位置する発光セルを上記第1及び第2連結部18a、18bに連結することができる。本実施形態に採用される連結部はワイヤではなく、発光セルC、及び基板11の表面の形状に沿って形成され、連結部の電気的接点以外の部分も発光セルCおよび基板11の表面から離れることはない。よって本実施形態においては、各々の発光チップCをワイヤで連結する時に生じやすい、製造工程の複雑化、ワイヤのオープン不良、小型化困難等の不具合が生じにくい。また、発光セルCと連結部との間には絶縁層14が介在されるので、発光セルCと連結部との意図しない短絡を防止することができる。」

b ここで、図1は次のものである。



c 上記aとともに上記bの図1を参照すると、図示上から2行(横6個縦2個)の各発光セルCについて、相互連結部15によって接続された発光セルCの間隔に比べて、接続されていない発光セルC間の間隔が狭いことが見て取れる。

周知文献3:米国特許出願公開第2011/0062459号明細書
a 当審拒絶理由において引用文献5として引用され、本願の優先日前に外国において頒布された刊行物である米国特許出願公開第2011/0062459号明細書には、以下の事項が記載されている(日本語訳は当審で作成。)。
「[0078] Referring to FIGS. 5and 6, the basic unit 1000 is disposed on a substrate 21 and comprises a pairof half-wave light emitting cells 100a and 100b, a full-wave light emittingcell 200 and a pair of half-wave light emitting cells 300. The light emitting cells100a, 100b, 200 and 300 are electrically connected by wires 1221 and 2231.」
「[0106] Referring to FIG.11, the AC LED according to the present exemplary embodiment has a structure inwhich three basic units of the light emitting cells of FIG. 5, i.e., first tothird basic units 1000a, 1000b and 1000c (shown in FIG. 12), are connected inseries, and bonding pads 50a and 50b are connected to both ends of the threebasic units.」
(日本語訳:
[0078]図5および図6を参照すると、基本ユニット1000は、基板21上に配置され、一対の半波発光セル100aおよび100b、全波発光セル200および一対の半波発光セル300から構成されている。発光セル100a、100b、全波発光セル200、300は、ワイヤ1221、2231によって電気的に接続されている。
[0106]図11を参照すると、本例示的な実施形態に従ったACLEDは、図5の発光セルの3つの基本ユニット、すなわち第1?第3の基本ユニット1000a、1000b、1000c(図12に示す)が直列に接続され、ボンディングパッド50a、50bが3つの基本ユニットの両端に接続されている構造を有する。)

b ここで、Fig.5及びFig.11は次のものである。
Fig.5



Fig.11



c 上記aとともに、上記bのFig.5及びFig.11を参照すると、Fig.11の図示左下隅の3個の発光セル(すなわち、1個の全波発光セル200及び一対(2個)の半波発光セル300は、全波発光セル200について、図示横方向の長さが半波発光セル300よりも長くされて、全波発光セル200にかかる横方向の発光セル間距離が詰められたものとなっていることが見て取れる。

周知文献4:特開2008-235883号公報
a 当審拒絶理由において引用文献6として引用され、本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2008-235883号公報には、以下の事項が記載されている。
「【0097】
図6(a)は本発明により実現できるモノリシック発光ダイオードアレイのレイアウトで、図6(b)に図示された等価回路によって表される形態を例示している。
【0098】
図6(a)に図示されたレイアウトによるモノリシック発光ダイオードアレイは、相互に反対側に位置した両辺に隣接して形成された第1及び第2LEDセルA1,A2と第3及び第4LEDセルC1,C2とを含み、その間に位置した3つの第5LEDセルB1,B2,B3に区分して理解することが出来る。
【0099】
以下、図6(b)を参照して、上記のモノリシック発光ダイオードアレイの配線構造を説明する。
【0100】
先ず、第1LEDセルA1のn側コンタクトと第2LEDセルA2のp側コンタクトは第1AC電源端P1に連結される。第3LEDセルC1のp側コンタクトと第2LEDセルC2のn側コンタクトは第2AC電源端P2に連結される。
【0101】
3つの第5LEDセルB1,B2,B3は相互に直列に連結された構造を有している。一側辺に位置した、即ち第1及び第4LEDセルA1,C2の間に位置した第5LEDセルB1のn側コンタクトは第1及び第4LEDセルA1,C2のp側コンタクトとの共通接点を構成し、他の側辺に位置した、即ち第2及び第3LEDセルA2,C1の間に位置した第5LEDセルB3のp側コンタクトは第2及び第3LEDセルA2,C1のn側コンタクトとの共通接点を構成している。」

b ここで、図6は次のものである。



c 上記aとともに、上記bの図6を参照すると、例えば、第3LEDセルC1の図示縦方向長さが、図示横方向に隣接する第5LEDセルB3の縦方向長さより長くなり、縦方向の発光セル間距離が詰められたものとなっていることが見て取れる。

イ 前記相違点2について検討する。
(ア)一般に、発光セルを基板上に配列し、発光セル間を配線で接続した発光素子において、発光セルの側面を傾斜させたものとして、前記配線の断線を防ぐ技術は、以下の周知文献5及び6にも記載されているように周知の技術であり、当該傾斜の角度を30°?80°の範囲内の値とすることも、周知文献5に記載されているように通常選択される程度の値である。
そして、引用発明においても、発光セルを連結する配線260の断線を防ぐことが好ましいことは明らかであるから、引用発明において、前記周知の技術を適用して、相違点2に係る構成を備えることは、当業者が適宜になしえたことである。

周知文献5:特開2002-289920号公報
a 本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2002-289920号公報には、以下の事項が記載されている。
「【0030】一方、メサエッチに際し、延在部の表面粗さがRa100Å以下になるようなエッチング条件である鏡面エッチ液組成を用いると、基板までエッチングしていくプロセスにて、逆導電型半導体層から単結晶基板上に向けて、各層の側面(順メサ部)の一部が垂直になりやすく、その順メサ部に個別電極を配線すると、そこで断線を生じるという課題があった。
・・・(中略)・・・
【0054】また、段差エッチの工程において、一導電型半導体層2の一部を露出させて延在部を設ける際に、その延在部を配した側とは反対側にも第2の延在部を形成するようにエッチングすれば、順メサ形状を確保して、第2の延在部が形成され、順メサの一部が垂直になるといった不具合もなく、その結果、個別電極4の配線に断線等が発生しなくなった。
・・・(中略)・・・
【0069】本例では、第2の延在部を形成するには、一導電型半導体層2の電子注入層2cをエッチングされやすいAlGaAsなどの材料にて形成して第2の延在部を設けようとするが、その反面、エッチング時間を長くすることで、えぐれた形状になる。したがって、電子注入層2cをエッチングし、オーミックコンタクト層2bが露出されることで、そのようなえぐれが発生する前にてエッチングを止めればよい。その結果、所要通りの形状にした第2の延在部ができることに伴って、その上下に位置する一導電型半導体層2の端面および逆導電型半導体層3の端面が傾斜面となる。
【0070】この傾斜面は基板に対する法線方向に対し、90度未満であるが、80?60度の範囲にすることが望ましい。
【0071】80度以下においては、個別電極4の断線が生じにくく、又、60度未満になると、断線の心配はないが、順メサ部が長くなり、その分、チップサイズを大きくなる。また、傾斜面角度82度のLEDアレイでは、断線の発生予防について不十分であり、若干、信頼性に劣っていたが、実用上支障がない程度であった。」

b ここで、図2は次のものである。



c 上記aとともに、上記bの図2を参照すると、発光セルの側面を、傾斜の角度を60°?80°の範囲内で傾斜させたものとして、配線の断線を防ぐことができることがわかる。

周知文献6:特開2001-257380号公報
a 本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2001-257380号公報には、以下の事項が記載されている。
「【0006】カソード電極76はn型GaAs基板71の裏面全面に、またアノード電極77はp型GaAs層75の上に、それぞれ金属を蒸着し合金化することにより設けられている。アノード電極77とワイヤボンディングパッド79は、Auによるアノード用配線78により電気的に接続されている。このアノード用配線78は、図5に示すように順メサ方向に形成されているため、段切れを起こすことは無い。
【0007】なお、断切れとは、ある角度を為す2つの平面から成る面に金属膜を施した時に、2つの平面が角度を為して交差している場所で、金属膜が切断して導通が無くなる状態を言う。」

b ここで、図5は次のものである。



c 上記aとともに、上記bの図5を参照すると、発光セルの側面を傾斜させたものとして、配線の断線を防ぐことができることがわかる。

(5)請求人の主張について
請求人は、令和2年6月12日の意見書において、周知文献3及び4(当審拒絶理由における引用文献5及び6)の構成には、その基本的構成に、大きな違いがあり、それらから、回路構成についての周知技術を認定することはできない旨の主張をする。
しかしながら、前記(4)ア(イ)での検討に併せて上記周知文献3及び4について認定したとおり、周知文献3及び4については、各発光セルの寸法・形状に係る周知の構成を認定したものであって、ここで、周知文献3及び4に記載されたものは、いずれも、基板上に配置された複数の発光セルを配線により接続したものであることに変わりはないのであるから、前記周知の構成の認定に特段支障はない。
よって、前記請求人の主張は採用できない。

(6)小括
よって、本願発明は、周知技術を勘案して、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1の記載により特定される発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないから、本願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、本願の発明の詳細な説明は、当業者が、本願の請求項1の記載により特定される発明の技術的な意義を当業者が理解できるように記載されたものでないから、本願は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、さらに、本願発明は、引用発明、引用例の記載及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-08-20 
結審通知日 2020-08-25 
審決日 2020-09-09 
出願番号 特願2013-266895(P2013-266895)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (H01L)
P 1 8・ 121- WZ (H01L)
P 1 8・ 536- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小濱 健太  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 野村 伸雄
近藤 幸浩
発明の名称 発光素子  
代理人 岩瀬 吉和  
代理人 市川 英彦  
代理人 重森 一輝  
代理人 小野 誠  
代理人 金山 賢教  
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