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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25D 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 F25D |
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管理番号 | 1370841 |
審判番号 | 不服2020-5323 |
総通号数 | 255 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-04-20 |
確定日 | 2021-02-04 |
事件の表示 | 特願2018-188216「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月10日出願公開、特開2019- 2681〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年5月30日に出願した特願2014-112724号の一部を平成30年10月3日に新たな特許出願としたものであって、その主な手続は以下のとおりである。 平成31年 4月18日 :手続補正書の提出 令和 1年 8月 8日付け:拒絶理由通知書(特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知) 令和 1年10月 9日 :手続補正書、意見書の提出 令和 2年 1月24日付け:補正却下、拒絶査定 令和 2年 4月20日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和2年4月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年4月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。 「【請求項1】 内部に貯蔵室を有する庫本体と、 この庫本体に前記貯蔵室を冷却するように設けられた冷却装置と、 前記庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆うことで、当該背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部と、 この水受け部から排出された水を受ける受け器と、を備え、 前記水受け部は、機械室の背面側に位置して設けられている冷蔵庫。」 (下線部は、補正箇所である。) (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成31年4月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 内部に貯蔵室を有する庫本体と、 この庫本体に前記貯蔵室を冷却するように設けられた冷却装置と、 前記庫本体の背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部と、 この水受け部から排出された水を受ける受け器と、を備え、 前記水受け部は、機械室の背面側に位置して設けられている冷蔵庫。」 2 補正の適否について 本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「水受け部」に関して、「庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆う」という限定を付加するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (1)引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された実公昭45-5717号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている、または、記載されているといえる(下線は当審にて付した。以下同様。)。 (1-a)「考案の詳細な説明 本案はシヨーケースに係り、特に結露現象による悪影響を防止するための排水装置に関する。 一般にシヨーケースは内外の温度差によつて硝子体の外面に結露現象を生起し、これが水滴となつて外面を伝つて下方に落下し据付部分を汚損する欠点があつた。特にシヨーケース本体を小型化し例えばこれを薬局等のカウンターに用いる場合には上記欠点がより一層顕著になるきらいがある 本案は上記の点に鑑みてなされたものであつて図について説明すると、1はシヨーケースの本体で内部に電動圧縮機ユニツト等を備えた機械室2と、この上部に設けられ外囲を透明硝子体にて形成せる冷蔵室3と更にこの上部に設けられた照明室4とより全体を角柱状の箱体に組み立て構成している。 而して前記冷蔵室3は外界に対し断熱して気密になるよう硝子体5……を以つて区画し内部空間の上部に冷却要素を設置して内部を適温に冷却するようにしている。又底板6はその周辺を下方に折曲して段部7と更にこれを延長して排水溝8を設け、この外囲に機械室2の壁板9を支持せる枠体10を配設し、該枠体の上縁を内側に傾斜して案内面11を設け、これを排水溝8の上部に臨ませている。又、前記段部7に支持される硝子体5は下縁にL字状の枠板12を介設し、該枠板の先端が少なくとも前記排水溝8の上部に臨むよう硝子体5の肉厚aを段部7の幅bより大きくしている。前記排水溝8はその適所に排水孔13を設けこれに排水管14を接続して例えば前記機械室2の内部に設けた排水槽等に導びくようにしている図中15は底板6の底面に密設せる断熱板である 本案によれば上述の如く冷蔵室の底板にこれと一体に段部及び排水溝を一体に構成し硝子体を段部に支持させてその下縁外方を排水溝の上部に臨むように配置したので硝子体に附着する結露水の水切り効果を完全且つ迅速に行い外部に溢水する懸念のない処理装置とすることができる。」 (1-b)「 」 (1-c)「 」 (1-d) 上記(1-a)に記載された「1はシヨーケースの本体で内部に電動圧縮機ユニツト等を備えた機械室2と、この上部に設けられ外囲を透明硝子体にて形成せる冷蔵室3と更にこの上部に設けられた照明室4とより全体を角柱状の箱体に組み立て構成している。」、第1図及び第2図から、冷蔵室3は直方体状であるといえる。 上記(1-a)に記載された「外囲を透明硝子体にて形成せる冷蔵室3」及び「前記冷蔵室3は外界に対し断熱して気密になるよう硝子体5……を以つて区画し」、第1図並びに第2図から、「透明硝子体」と「硝子体5」とは同じ“板ガラス”を示し、冷蔵室3の全ての側面は板ガラスによって形成されているといえる。 上記(1-a)に記載された「又底板6はその周辺を下方に折曲して段部7と更にこれを延長して排水溝8を設け、この外囲に機械室2の壁板9を支持せる枠体10を配設し、」、第1図及び第2図から、排水溝8が冷蔵室3及び機械室2の全側面側に設けられていることは明らかである。 上記(1-a)に記載された「一般にシヨーケースは内外の温度差によつて硝子体の外面に結露現象を生起し、これが水滴となつて外面を伝つて下方に落下し据付部分を汚損する欠点があつた。」、「前記排水溝8はその適所に排水孔13を設けこれに排水管14を接続して例えば前記機械室2の内部に設けた排水槽等に導びくようにしている」及び第2図から、排水溝8は、硝子体の外面を伝って下方に落下する水を受けて排出するといえる。 上記(1-a)?(1-c)の記載事項及び当該記載事項からいえる(1-d)の事項を総合すると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。 「機械室2と、この上部に設けられ全ての側面を板ガラスにて形成せる直方体状の冷蔵室3と更にこの上部に設けられた照明室4とにより構成し、 前記冷蔵室3は、外界に対し断熱して気密になるよう前記板ガラスを以て区画され、内部空間の上部に冷却要素を設置して内部を適温に冷却するようにし、 前記冷蔵室3の底板6はその周辺を下方に折曲して段部7と更にこれを延長して排水溝8を設け、この外囲に前記機械室2の壁板9を支持する枠体10を配設し、該枠体の上縁を内側に傾斜して案内面11を設け、これを前記排水溝8の上部に臨ませ、 前記板ガラスを前記段部7に支持させてその下縁外方を前記排水溝8の上部に臨むように配置して、 前記排水溝8は、その適所に排水孔13を設けこれに排水管14を接続して前記機械室2の内部に設けた排水槽に導くようにして、 前記排水溝8は、前記冷蔵室3及び機械室2の全側面側に設けられ、前記板ガラスの外面を伝って下方に落下する水を受けて排出する、 ショーケース。」 (2)引用文献2 特開2000-225043号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。(ただし、「・・・」は記載の省略を意味する。以下同様。) (2-a)「【0014】以上のように構成されたショーケースにおいては、支持枠4に化粧枠4bが一体に形成されていることから、部品点数及び組立工数が少なくなる。・・・更に、側板1bと溝部4aの底面及び一側面との間には、溝部4aの各突起部4eによって隙間Aが形成されることから、側板1bに付着した結露水が支持枠4内に流下した場合、図3の実線矢印に示すように結露水を溝部4a内の隙間Aを流通させ、溝部4aの端部等から排水することが可能である。」 (2-b)「 」 (3)引用文献3 特開2008-25888号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。 (3-a)「【0018】 実施例の低温ショーケース1は陳列室3の周囲四面が透明二重ガラスから構成された透明壁4・・・にて囲繞された所謂卓上型のショーケースであり、 ・・・ 【0022】 底枠7の左右の上縁部には、吹出部としての吹出口33が透明壁4の略全幅に渡って形成されて当該透明壁4の外側下部に位置しており、この吹出口33と透明壁4の外面との間の透明壁4外側下部には、結露水流入部としての受水部34がこれも透明壁4の略全幅に渡ってそれぞれ形成されている。吹出口33は下方の機械室2内に連通しており、その上端開口は透明壁4の外面に向けて斜め上方に指向されている。また、受水部34の外側、即ち、吹出口33側には仕切壁36が形成され、この仕切壁36によって受水部34と吹出口33とは区画されている。また、受水部34の内側には透明壁4の外面が位置している。受水部34は上方に開口すると共に、下部は断熱壁6内の冷却室24内に連通されている(図10参照)。」 (3-b)「 」 (4)引用文献4 特開2004-372号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。 (4-a)「【0019】 図1、図2、図3において、6は冷蔵ショーケース本体で、前後に開閉自在の扉7と左右の側壁に庫内透視用のガラス側板8とから構成されている。本体6の庫内には商品を展示する貯蔵室9が形成され、貯蔵室9内には複数の商品陳列棚10が架設され商品展示に供される。ガラス側板8の下方には、ガラス側板8全幅にわたって中空状のフレーム11が配設され、中空状のフレーム11は、上部に上方へ向って伸びるフランジ11a、11bにより受水部12を形成しガラス側板8の下端を嵌め込み式に支持している。 ・・・ 【0021】 以上のように構成された冷蔵ショーケースにおいて、冷却装置(図示せず)が運転されると貯蔵室9内は冷却されるが、同時にガラス側板8も強力に冷却される事によりガラス側板8の外表面には結露が発生する。この結露水Wは、ガラス側板8の外表面を伝って流下し、やがてフレーム11の受水部12に流入する。このようにして受水部12に受容された結露水Wは、やがてフレーム11上面に形成した流入孔11cからフレ-ム11内の中空部11eに流入し、流出孔11dより流出し庫内ドレンパン16に流下して排水処理される。」 (4-b)「 」 (5)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「冷蔵室3」は、本願補正発明の「貯蔵室」に相当する。そして、引用発明の冷蔵室3は「外界に対し断熱して気密になるよう前記板ガラスを以て区画され」るから、引用発明は、本願補正発明の「内部に貯蔵室を有する庫本体」に相当する構成を備えており、引用発明の「板ガラス」は、当該庫本体に相当する構成の一部であるといえる。 イ 引用発明の冷蔵室3は「内部空間の上部に冷却要素を設置して内部を適温に冷却するように」するものであるから、引用発明の「冷却要素」は、本願補正発明の「この庫本体に前記貯蔵室を冷却するように設けられた冷却装置」に相当する。 ウ 引用発明の「前記冷蔵室3の底板6はその周辺を下方に折曲して段部7と更にこれを延長して排水溝8を設け」という構成について、排水溝8を構成する部分(段部7を延長した部分)は、本願補正発明の「水受け部」に相当する。そして、引用発明において、「前記排水溝8は、」「硝子体の外面を伝って下方に落下する水を受けて排出する」から、引用発明において、排水溝8を構成する部分(段部7を延長した部分)は、本願補正発明の「流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部」に相当する。 エ 引用発明において、「前記排水溝8は、その適所に排水孔13を設けこれに排水管14を接続して前記機械室2の内部に設けた排水槽に導く」から、引用発明の「排水槽」は、本願補正発明の「この水受け部から排出された水を受ける受け器」に相当する。 オ 通常、直方体状に構成されたものは、正面、2つの側面及び背面を有しているから、引用発明の「全ての側面を板ガラスにて形成せる直方体状の冷蔵室3」において、全ての側面のうちの一つの面は背面といえる。そうすると、当該背面を形成する板ガラスは、本願補正発明における「庫本体を形成する背板」であり、その板ガラスの外面を伝って下方に落下する水は、「背面を流下する水」である。また、「冷蔵室3及び機械室2の全側面側に設けられ」た排水溝8のうち、背面を形成する板ガラスの下縁外方が上部に臨むように配置された排水溝8は、「機械室の背面側に位置して設けられている」といえる。 カ 引用発明において、「前記冷蔵室3は、外界に対し断熱して気密になるよう前記板ガラスを以て区画され、内部空間の上部に冷却要素を設置して内部を適温に冷却するように」されているから、引用発明の「ショーケース」は、本願補正発明の「冷蔵庫」に相当する。 したがって、本願補正発明と引用発明とは、 「内部に貯蔵室を有する庫本体と、 この庫本体に前記貯蔵室を冷却するように設けられた冷却装置と、 前記庫本体の背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部と、 この水受け部から排出された水を受ける受け器と、を備え、 前記水受け部は、機械室の背面側に位置して設けられている冷蔵庫。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 水受け部について、本願補正発明は「前記庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆う」のに対し、引用発明は、そのような構成を備えるか不明な点。 (6)判断 ア 相違点に係る本願補正発明の構成について 引用発明の「前記冷蔵室3の底板6はその周辺を下方に折曲して段部7と更にこれを延長して排水溝8を設け、この外囲に前記機械室2の壁板9を支持せる枠体10を配設し、該枠体の上縁を内側に傾斜して案内面11を設け、これを前記排水溝8の上部に臨ませ」という構成について、「案内面11」が、板ガラスの外面を伝って下方に落下する水を案内するものであることは、引用文献1の第2図等から明らかである。さらに、“案内面11が設けられた枠体10”は、板ガラスの下縁部を外側から覆っていることが、引用文献1の第2図等から明らかである。 そうすると、上記「(5)対比 ウ」に記載した、引用発明の「排水溝8を構成する部分(段部7を延長した部分)」と、“案内面11が設けられた枠体10”とを合わせたもののうち、背面側のものは、本願発明の「前記庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆うことで、当該背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部」であるといえる。 したがって、上記相違点は、実質的な相違点ではない。 イ 上記相違点が実質的な相違点である場合 ショーケースの側面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部において、側面を形成する板の下縁部を外側から覆うようにすることは、引用文献2ないし4に見られるように、本願の出願日より前の周知技術である(以下、「周知技術」という。)。 そして、引用発明と周知技術とは、ショーケースの側面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部に関するものという点で一致するから、引用発明に当該周知技術を適用して、引用発明の「排水溝8を構成する部分(段部7を延長した部分)」を上方に延ばして、板ガラスの下縁部を外側から覆うようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、本願補正発明が奏する効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、令和2年4月20日付け審判請求書の「3.本願が特許されるべき理由 2)本願について」において「引用文献1のものは、水滴を庫内に貯留することなく、配水管を使ってそのまま外部に排出する構成となっています。」として、本願発明が進歩性を有する旨を主張している。 しかしながら、上記「(5)対比 エ」に記載したとおり、引用発明の「排水槽」は、本願補正発明の「この水受け部から排出された水を受ける受け器」に相当するから、請求人の上記主張は採用できない。 また、「引用文献1、2を参照したとしても、庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆うことで、当該背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部を設けるという本願発明の特徴的な構成が想起あるいは導出されることはありません。」として、本願発明が進歩性を有する旨を主張している。 しかしながら、前記「ア」に記載したとおり、「庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆うことで、当該背面を流下する水を受けて排出するように設けられた水受け部」は、引用文献1に記載されているといえる。仮に、引用文献1に記載されているとはいえないとしても、上記周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。そうすると、請求人の上記主張は採用できない。 さらに、請求人は「真空断熱パネル」と本願補正発明との関係について縷々主張しているが、真空断熱パネルは特許請求の範囲に記載された事項ではないから、当該主張は採用できない。 (7)まとめ 上述(特に、上記「(6)判断 ア」)したとおり、本願補正発明と引用発明とに差異はない。したがって、本願補正発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 また、仮に本願補正発明が引用文献1に記載された発明でないとしても、上述(特に、上記「(6)判断 イ」)したとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成31年4月18日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2[理由]1(2)」に記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次のとおりである。 この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において頒布された引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:実公昭45-5717号公報 3 引用文献 引用文献1は、前記「第2[理由]3(1)」に記載した引用文献1であるから、その記載事項も、前記「第2[理由]3(1)」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「水受け部」に関して、「庫本体の背面を形成する背板の下縁部を外側から覆う」との限定事項が削除されたものである。 当該削除された限定事項は、前記「第2[理由]3(5)」に記載した相違点に係る本願補正発明の構成であるから、本願発明と引用発明とは、相違点がなく、一致する。 そうすると、本願発明は、引用文献1に記載された発明である。 5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2020-11-13 |
結審通知日 | 2020-11-17 |
審決日 | 2020-12-11 |
出願番号 | 特願2018-188216(P2018-188216) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(F25D)
P 1 8・ 113- Z (F25D) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯星 潤耶 |
特許庁審判長 |
林 茂樹 |
特許庁審判官 |
平城 俊雅 山田 裕介 |
発明の名称 | 冷蔵庫 |
代理人 | 特許業務法人 サトー国際特許事務所 |