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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1371437
審判番号 不服2018-16203  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-05 
確定日 2021-03-13 
事件の表示 特願2017-125292「ウェアラブル情報端末」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月16日出願公開、特開2017-204285、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年10月29日を出願日(優先権主張平成26年4月8日)とする特願2014-219947号の一部を平成29年6月27日に新たな特許出願としたものであって、平成30年6月4日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月24日付けで手続補正がされ、同年8月17日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年12月5日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和2年4月10日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、同年6月18日付けで手続補正がなされるとともに意見書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年8月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献AないしCに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

なお、原査定には、”<その他>”の拒絶の理由として、概要、次のとおりのものも記載されている。
それぞれ、請求項1に係る発明について、
・引用文献C及びDに基づく新規性欠如又は進歩性欠如
・引用文献D及びEに基づく進歩性欠如

<引用文献等一覧>
A 特開2005-190203号公報
B 特開2013-120564号公報
C 特開2014-295716号公報
D 特開2006-209652号公報
E 特開2013-222426号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

(理由1)サポート要件違反
本願請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではなく、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
(理由2)明確性要件違反
本願請求項1に係る発明は、明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
(理由3)進歩性欠如
本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開2006-209652号公報(拒絶査定時の引用文献D)
引用文献2 特開2001-147775号公報

第4 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年6月18日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、本願発明は以下のとおりの発明である。(下線部は、前記手続補正により補正された箇所を示す。)

「 ユーザの腕に巻回して装着可能であり、表示画面に、選択によりアプリケーションが起動されるアイコンが表示されるディスプレイを有し、前記ディスプレイは、前記表示画面の前記アイコンを選択するためのポインタアイコンを表示し、前記ディスプレイに接触する前記ユーザの指によって前記表示画面が隠れるウェアラブル情報端末であって、前記ユーザの腕に装着した状態で、前記表示画面がユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッドと、前記タッチパッドへの操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示するコントローラと、を有することを特徴とするウェアラブル情報端末。」

第5 当審拒絶理由について
1 理由1(サポート要件違反)について
当審拒絶理由の理由1の概要は、本願発明において解決すべき課題を、本願明細書の【0006】の記載に基づいて、「操作性を向上させる」ことと「消費電力を抑える」ことであると認定した上で、本願発明は、「消費電力を抑える」ことを実現する手段が反映されていないため、サポート要件を満たしていない、というものである。
また、当審拒絶理由通知においては、理由3(進歩性欠如)において、「本願発明の『アイコンを選択するためのポインタアイコン』及び『選択によりアプリケーションが起動されるアイコン』は、本願明細書の記載(【0061】)の記載を参酌しても、『アイコン』による『選択』の操作により直ちにアプリケーションが起動するものに限定して解釈することはできない」と説示した。
これに対し、請求人は、令和2年6月18日に提出した意見書において、「しかしながら、明細書の段落番号0015には、『前記オブジェクトはアプリケーションを起動させるためのアイコンであり、前記コントローラは、前記アイコンが選択されると前記アイコンに関連付けられた前記アプリケーションを起動させる。』と記載しており、さらに、段落番号0061には『アプリケーションの起動等のオブジェクトに対する動作を実行する際のタッチパッド12への操作は、ポインタアイコン110をオブジェクト上に移動させるだけで良く』と記載しており、アイコンによる選択の操作が直ちにアプリケーションを起動させるものであることを示しております。」及び「すなわち、本願明細書の段落0016に記載のように、アプリケーションを起動する際、タッチパッドによる操作はポインタアイコンをアイコン上に移動させるだけでよく、アプリケーションを起動する際の操作を容易にすることが可能となるものです。」と主張している。
本願発明において、「アイコンを選択するためのポインタアイコン」及び「選択によりアプリケーションが起動されるアイコン」における「選択」とは、どのような操作又は動作であるのか明示していないが、本願明細書の【0016】及び【0061】の記載並びに請求人の上記主張からすれば、「ポインタアイコン」を「アイコン」上に移動させる操作又は動作と解釈することができる。そうすると、本願発明は、ポインタアイコンをアイコンの上に移動させる操作又は動作が「選択」であり、「前記ユーザの腕に装着した状態で、前記表示画面がユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッド」への「操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示する」「ウェアラブル情報端末」という構成を前提に、「ポインタアイコン」が表示された位置が「アイコン」の上である場合に「選択によりアプリケーションが起動される」、すなわちアプリケーションが直ちに起動されるものと理解することができる。
また、明細書又は図面に複数の課題が提示されている場合、そのすべてを解決するための手段が請求項の記載に反映されていなければ当該請求項に係る発明が課題解決手段を備えないということにはならないから、本願発明は、本願明細書の【0006】に記載されていた2つの課題のうち「操作性を向上させる」という課題を解決するための手段の一つとして、「選択によりアプリケーションが起動されるアイコン」という構成を採用しているものと理解することができる。(なお、補足すると、令和2年6月18日付けの手続補正により、本願明細書の【0006】から「消費電力を抑える」ことが課題である旨の記載は削除されている。)
よって、本願発明は、課題解決手段を反映したものであり、発明の詳細な説明に記載したものであるから、当審拒絶理由の理由1は解消した。

2 理由2(明確性要件違反)について
当審拒絶理由の理由2は、請求項1における「前記ディスプレイ」との誤記を指摘するものであるが、令和2年6月18日提出の手続補正により「前記表示画面」と補正されたことにより解消した。

3 理由3(進歩性欠如)について
(1) 引用文献、引用発明等
ア 引用文献1について
(ア)引用文献1の記載事項
当審拒絶理由で引用した引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0017】
前記機器本体2は、各部の動作を制御するCPUおよびメモリなどから形成された制御部4と、情報の表示を行うディスプレイ5が搭載あるいは接続されているとともに、入力装置3から出力される出力信号、すなわち、入力操作の情報の無線通信を受信するための通信手段としての受信デバイス6とを備えており、受信した入力操作の情報に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、本実施形態の入力装置3は、人の手首などの被装着物7に着脱可能に装着される筒状に形成された装着基体8を有している。すなわち、本実施形態の入力装置3は、被装着物7に装着可能に形成されている。
…(中略)…
【0020】
前記装着基体8の外周には、複数の入力検出面9が装着基体8の外周を周回するように、装着基体8の周方向に沿って配列されている。また、各入力検出面9は、それぞれほぼ平板状に形成されており、その長手方向が装着基体8の軸方向に沿って配置されている。さらに、各入力検出面9のそれぞれの背面には、入力検出素子10が配設されている。したがって、複数の入力検出面9は、曲面に配列されている。」

「【0024】
前記入力検出素子10は、人物の指先やスタイラスなどの入力操作体の接近あるいは接触によって情報の入力操作を検出し、その検出信号を出力するためのものであり、静電容量型検出素子や接点接触型検出素子などから設計コンセプトなどの必要に応じて選択使用することができる。」

「【0036】
つぎに、手首に装着した入力装置3の入力検出面9に、人物の右手の指先や右手で把持したスタイラスなどの入力操作体を接近あるいは接触させて、例えば、図2の破線矢印にて示すように、複数の入力検出面9上を移動する。すると、図3に示すように、ディスプレイ5の画面上を破線矢印にて示すようにポインタが移動する。これにより、画面に表示されているメニュの選択を容易かつ簡単に行うことができる。」

「【0046】
本実施形態の電子機器1Aは、機器本体2Aと入力装置3Aとを一体に形成したものである。
【0047】
すなわち、本実施形態の電子機器1Aにおいては、図4および図5に示すように、装着基体8Aの外周に、ディスプレイ5Aを具備する機器本体2A(図4)と、この機器本体2Aの配設部位を除く部分に配列された複数の入力検出面9A(図5)とを有している。
【0048】
前記電子機器1Aとしては、携帯情報端末、ナビゲーション装置などを挙げることができる。
【0049】
その他の構成については、前述した第1実施形態の電子機器1と同様とされているので、前述した第1実施形態の電子機器1と同一ないし相当する構成については図面中に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。
【0050】
このような構成の本実施形態の電子機器1Aおよび入力装置3Aによれば、前述した第1実施形態の電子機器1および入力装置と同様の効果を奏することができるとともに、電子機器1Aを手首などの被装着物7に容易に装着することができので、携帯性をより向上することができる。
【0051】
なお、本実施形態の電子機器1Aにおいては、入力装置3Aと機器本体2Aとが近接しているので、無線信号による通信手段を設けずに、有線通信を行う構成としたほうが小型化および軽量化をより容易に図ることができるという意味で好ましい。」

「【0066】
なお、本発明の入力装置を用いた電子機器としては、パーソナルコンピュータ、ナビゲーションシステム、ヘッドマウントディスプレイ、携帯情報端末、リモートコントロール装置を有する各種の電子機器などの多種多様のものに用いることができる。」

「【図4】



「【図5】



(イ)引用発明
前記(ア)より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。(なお、括弧内は、引用文献1の段落番号又は図面番号を示す。)

「 機器本体2Aと入力装置3Aとを一体に形成した電子機器1Aであって(【0046】、図4、図5)、
前記電子機器1Aは、手首などの被装着物7に着脱可能に装着される筒状に形成された装着基体8Aの外周に、ディスプレイ5Aを具備する機器本体2Aと、この機器本体2Aの配設部位を除く部分に配列された複数の入力検出面9Aとからなる入力装置3Aを有したものであり(【0018】、【0047】、【0049】)、
機器本体2Aは、入力装置3Aから出力される出力信号を無線又は有線により受信し、受信した入力操作の情報に基づいて各部の動作を制御する制御部4を備え(【0017】、【0049】、【0051】)、
入力検出面9Aには、入力操作体(人物の指先等)の接近又は接触によって情報の入力操作を検出する複数の入力検出素子10が配設されており(【0020】、【0024】、【0049】、図5)、
ディスプレイ5Aの表示画面には、メニュが表示され、入力検出面9Aに入力操作体を接近又は接触させて、複数の入力検出面9上を移動させると、ディスプレイ5Aの表示画面上をポインタが移動し、これにより表示画面に表示されているメニュを選択することができる(【0036】、【0049】、図4、図5)、
手首などの被装着物7に容易に装着することができ、携帯性をより向上させた電子機器1A(【0050】)。
なお、電子機器1Aは、パーソナルコンピュータとして用いることができる(【0066】)。」

イ 引用文献2について
当審拒絶理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0016】図2は、実施形態における携帯端末装置の装置本体11を手で保持した状態の外観の一部を示している。図2(1)に示すように、装置本体11の前面側には、表示パネル12が設けられ、一方の側面には、決定キースイッチ13が設けられている。また、図2(2)に示すように、装置本体11の背面側には、タッチパネル14が設けられている。そして、表示パネル12とたタッチパネル14とは、ほぼ同一サイズでかつ同じ位置に配置されている。したがって、タッチパネル14において任意の位置に指をタッチすると、その位置に対応する表示パネル12の位置の画像が変化する。例えば、その位置の画像が反転表示に変化したり、その位置の画像の色が変化する。
【0017】例えば、図2(1)に示すように、表示パネル12に複数のアイコン画像が表示されている状態で、選択しようとする所望のアイコン画像の位置に対応するタッチパネル14の位置に指をタッチさせることにより、そのアイコン画像を選択することができる。すなわち、「メール」のアイコン画像が反転表示されている状態で指を右側に移動すると、「アドレス帳」のアイコン画像が反転表示され、さらに右側に移動すると、「地図」のアイコン画像が反転表示される。このとき決定キースイッチ13をオンにすると、「地図」のアプリケーションソフトが起動する。」

「【図2】



そうすると、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。

「 装置本体の背面側に設けられるタッチパネルをタッチすると、タッチした位置に対応して装置本体の表面側に設けられる表示パネルに表示され『メール』、『アドレス帳』、『地図』等のアプリケーションソフトを起動するためのアイコン画像を選択することができる携帯端末装置。」

2 対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 「手首」は腕の一部であるから、引用発明において、「手首などの被装着物7に容易に装着することができ、携帯性をより向上させた電子機器1A」は、本願発明の「ユーザの腕に巻回して装着可能」である「ウェアラブル情報端末」に相当する。

イ 引用発明の「ディスプレイ5A」、「ディスプレイ5Aの表示画面」及び「ポインタ」はそれぞれ、後述する相違点に関する部分を除いて、本願発明の「ディスプレイ」、「表示画面」及び「ポインタアイコン」に相当する。

ウ 引用発明において、使用者が指をディスプレイに接触させた場合、その指によってディスプレイの表示画面の少なくとも一部が隠れることは自明であるから、引用発明は、本願発明の「前記ディスプレイに接触する前記ユーザの指によって前記表示画面が隠れる」との構成を備えている。

エ 引用発明において、入力装置3A(複数の入力検出面9A)は、機器本体2Aの配設部位を除く部分に配列されており、図4、図5を参酌すれば、手の甲側にディスプレイ5Aを備えた機器本体2Aが、また、手のひら側に入力装置3A(複数の入力検出面9A)が配設されている構造が見て取れる。

よって、引用発明の「入力装置3A」は、本願発明の「前記ユーザの腕に装着した状態で、前記ディスプレイがユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッド」に相当する。

オ 前記イを考慮すれば、引用発明の「入力検出面9Aに入力操作体を接近又は接触させて、複数の入力検出面9上を移動させると、ディスプレイ5Aの表示画面上をポインタが移動し」は、本願発明の「前記タッチパッドへの操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示する」に相当する。
また、引用発明の「入力装置3Aから出力される出力信号を無線又は有線により受信し、受信した入力操作の情報に基づいて各部の動作を制御する制御部4」は、前記の表示を制御するものであることは明らかであるから、本願発明の「コントローラ」に相当する。

カ 引用発明の「メニュ」と本願発明の「アイコン」とは、「ディスプレイ」ないし「表示画面」に表示され、「タッチパッド」(入力装置3A)により選択されるオブジェクトである点において共通する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、「表示画面に、選択されるオブジェクトが表示されるディスプレイを有し、前記ディスプレイは、前記表示画面の前記オブジェクトを選択するためのポインタアイコンを表示し」との構成を備える点において共通する。

したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「 ユーザの腕に巻回して装着可能であり、表示画面に、選択されるオブジェクトが表示されるディスプレイを有し、前記ディスプレイは、前記表示画面の前記オブジェクトを選択するためのポインタアイコンを表示し、前記ディスプレイに接触する前記ユーザの指によって前記表示画面が隠れるウェアラブル情報端末であって、前記ユーザの腕に装着した状態で、前記表示画面がユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッドと、前記タッチパッドへの操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示するコントローラと、を有することを特徴とするウェアラブル情報端末。」

[相違点]
「ディスプレイ」に表示され「ポインタアイコン」によって選択される「オブジェクト」が、本願発明は、「選択によりアプリケーションが起動されるアイコン」であるのに対し、引用発明は、「メニュ」であって、その「選択」によって「アプリケーション」が起動されるものではない点。

(2)相違点についての判断
引用発明と引用文献2記載事項とは、ディスプレイないし表示画面とは異なる側面に設けられた入力装置によって、表示画面に表示されたオブジェクトを選択する携帯型の装置である点において共通するから、引用発明に引用文献2記載事項を適用することは当業者が容易に想到し得たことである。
しかしながら、引用文献2記載事項において、表示画面に表示される「アイコン」は、「選択によりアプリケーションが起動される」もの、すなわち、「ポインタアイコン」を「アイコン」上に移動させるだけでアプリケーションが起動されるもの(前記「第5」の「1」参照のこと。)ではない。よって、引用発明に引用文献2記載事項を適用しても、相違点に係る本願発明の構成には至らない。
仮に、「ポインタアイコン」を「アイコン」上に移動させるだけでアプリケーションが起動されるユーザインタフェースが本願の優先日前における公知技術ないし周知技術であったとしても、引用発明に引用文献2記載事項を適用することで得られる「アイコンが表示される」、「前記ユーザの腕に装着した状態で、前記表示画面がユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッド」への「操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示する」「ウェアラブル情報端末」という構成に、さらに、前記公知技術ないし周知技術を適用する動機付けは見出し難い。
したがって、本願発明は、当業者であっても引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定についての判断
平成30年12月5日付けの補正により、補正後の請求項1は、「選択によりアプリケーションが起動されるアイコン」という技術的事項を有するものとなり、また、令和2年6月18日に提出された意見書により「選択」の技術的意義が明らかとなった。
また、前記ユーザの腕に装着した状態で、前記表示画面がユーザの指によって隠れることなく操作が可能な外側面に存在するタッチパッド」への「操作を検出した場合、前記ディスプレイにおける当該操作位置に対応する位置に前記ポインタアイコンを表示する」「ウェアラブル情報端末」という構成を前提とした「選択によりアプリケーションが起動されるアイコン」という技術的事項は、原査定における引用文献AないしEには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明は、当業者であっても、原査定における引用文献AないしEに基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-02-16 
出願番号 特願2017-125292(P2017-125292)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐伯 憲太郎桜井 茂行円子 英紀  
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 林 毅
野崎 大進
発明の名称 ウェアラブル情報端末  
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