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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1371503
審判番号 不服2019-15844  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-26 
確定日 2021-02-25 
事件の表示 特願2018- 59110「システム及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月13日出願公開、特開2018-142329〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年11月1日に出願した特願2013-228298号の一部を平成30年3月27日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成31年 2月15日付け:拒絶理由通知書
平成31年 4月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年 8月21日付け:拒絶査定
令和 元年11月26日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和元年11月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年11月26日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
音声認識の開始のイベントが発生した際に、当該音声認識を行う制限時間に関するフレーズの音声を出力させる制御を行うこと
を特徴とするシステム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成31年4月16日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
音声認識の完了または開始の少なくともいずれかのイベントが発生した際に、当該音声認識を行う制限時間に関するフレーズの音声を出力させる制御を行うこと
を特徴とするシステム。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「音声認識の完了または開始の少なくともいずれかのイベント」について、音声認識の「完了」のイベントという選択肢を削除し、「音声認識の開始のイベント」のみに限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献1の記載及び引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された、特開2000-194391号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審で付加。以下同様。)。

「【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例である音声認識制御装置20の概略を示す構成図である。実施例の音声認識制御装置20は、車載される空調装置40とオーディオ装置50とを音声により操作するためのものである。
【0012】図示するように、音声認識制御装置20は、音声入力手段としてのマイク22と、音声認識の開始を入力する認識開始スイッチ24と、種々のアナウンスを発生するスピーカ26と、現在選択可能なコマンドを表示する液晶ディスプレイ28と、音声認識制御装置20全体を制御する電子制御ユニット30とを備える。
【0013】電子制御ユニット30は、CPU32を中心として構成された1チップマイクロコンピュータであり、その内部には処理プログラムや図2に例示する階層構造のコマンドを予め記憶した内部ROM34と、データを一時的に記憶する内部RAM36と、各種入力ポートおよび出力ポートとが備えられている。入力ポートには、マイク22により入力された音声信号VSや認識開始スイッチ24からのスイッチ信号SWの他、図示しないクロック発振回路から出力されるクロック信号などが入力されており、出力ポートからは、スピーカ26へのアナウンス信号ASや液晶ディスプレイ28へのディスプレイ信号DS,空調装置40への制御信号C1,オーディオ装置50への制御信号C2など出力されている。なお、説明の容易のために、マイク22やスピーカ26等と電子制御ユニット30とに介在する増幅回路やアナログ信号をデジタル信号に変換する符号化回路,デジタル信号をアナログ信号に変換する復号化回路、電子制御ユニット30と液晶ディスプレイ28とに介在するグラフィックコントローラなどは、入力ポートや出力ポートに含めてその図示は省略した。
【0014】こうして構成された実施例の音声認識制御装置20は、内部ROM34に予め記憶された図3に例示する音声認識制御ルーチンを実行することによってマイク22から入力された音声をコマンドとして認識しこれを実行することにより空調装置40やオーディオ装置50を操作する。なお、図示する音声認識制御ルーチンは、認識開始スイッチ24が操作されて電子制御ユニット30へ入力されるスイッチ信号SWのON状態を検出した後、再び認識開始スイッチ24が操作されてスイッチ信号SWがOFF状態とされるまで繰り返し実行される。以下、この音声認識制御ルーチンに基づき音声認識制御装置20の動作について説明する。
【0015】音声認識制御ルーチンが実行されると、CPU32は、まず、内部RAM36に記憶されている階層構造のコマンドの現在の位置を位置ポインタPとして読み込む処理を実行する(ステップS100)。この位置ポインタPは、認識開始スイッチ24が操作されてスイッチ信号SWがONとされた直後に本ルーチンが実行されたときには、この本ルーチンの実行に先立ってCPU32により実行される図示しない初期化ルーチンにより図2中の階層構造のコマンドのうちの最上階の位置B1に設定されている。なお、本ルーチンが繰り返し実行されているときには、後述するステップS200の処理で設定される。
【0016】位置ポインタPが読み込まれると、この読み込んだ位置ポインタPが示す階層構造のコマンドにおける位置のコマンドを内部ROM34から読み込み、これを液晶ディスプレイ28に表示する処理を実行する(ステップS110)。例えば、位置ポインタPに位置B1が設定されているときには、内部ROM34に記憶されている階層構造のコマンドの位置B1に相当する最上階のコマンド「空調」,「フロントデフ」,「フロントデフオフ」,「内気」,「外気」,「ミュート」,「CD」,「テープ」,「FM」,「AM」,「オーディオ」を液晶ディスプレイ28に表示する。
【0017】そして、入力待ちのアナウンス(例えば、「音声認識を開始します。」や「表示されたコマンドの入力を待っています。」などのアナウンス)をスピーカ26から出力する処理を実行する(ステップS120)。実施例では、これらのアナウンスは位置ポインタPに対応するアナウンスとして内部ROM34に予め記憶されており、CPU32が位置ポインタPの値に対応するアナウンスを内部ROM34から読み取ってスピーカ26に出力することによって実行される。
【0018】次に所定時間内(例えば、10秒内など)にマイク22からの音声入力がなされたか否かを判定し(ステップS130,S140)、音声入力がなされなかったと判定したときには、認識できなかった旨のアナウンス(例えば、「音声認識はされておりません。」などのアナウンス)をスピーカ26から出力して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。
【0019】一方、所定時間内にマイク22から音声入力がなされたと判定したときには、コマンドの認識処理を実行する(ステップS150)。コマンドの認識処理は、入力された音声信号の波形が、位置ポインタPの位置に属するいずれかのコマンドの音声信号の波形の許容範囲内にあるか否かを判定することにより行なう。実施例では、入力された音声信号の波形がいずれかのコマンドの波形の許容範囲内にあるときには、許容範囲内にあるそのコマンドを認識結果として出力し、いずれのコマンドの波形の許容範囲にないときには、認識不可の信号を認識結果として出力する。なお、各コマンドの波形とその許容範囲は、予め内部ROM34の所定アドレスに記憶されている。」

「【図3】



以上の記載より、特に下線部に着目すると、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「音声認識制御装置20は、音声入力手段としてのマイク22と、音声認識の開始を入力する認識開始スイッチ24と、種々のアナウンスを発生するスピーカ26と、現在選択可能なコマンドを表示する液晶ディスプレイ28と、音声認識制御装置20全体を制御する電子制御ユニット30とを備え、
電子制御ユニット30は、CPU32を中心として構成された1チップマイクロコンピュータであり、その内部には処理プログラムや図2に例示する階層構造のコマンドを予め記憶した内部ROM34と、データを一時的に記憶する内部RAM36と、各種入力ポートおよび出力ポートとが備えられており、
音声認識制御装置20は、内部ROM34に予め記憶された図3に例示する音声認識制御ルーチンを実行することによってマイク22から入力された音声をコマンドとして認識しこれを実行することにより空調装置40やオーディオ装置50を操作し、
音声認識制御ルーチンは、認識開始スイッチ24が操作されて電子制御ユニット30へ入力されるスイッチ信号SWのON状態を検出した後、再び認識開始スイッチ24が操作されてスイッチ信号SWがOFF状態とされるまで繰り返し実行され、
音声認識制御ルーチンが実行されると、CPU32は、まず、内部RAM36に記憶されている階層構造のコマンドの現在の位置を位置ポインタPとして読み込む処理を実行し、
位置ポインタPが読み込まれると、この読み込んだ位置ポインタPが示す階層構造のコマンドにおける位置のコマンドを内部ROM34から読み込み、これを液晶ディスプレイ28に表示する処理を実行し、
入力待ちのアナウンス(例えば、「音声認識を開始します。」や「表示されたコマンドの入力を待っています。」などのアナウンス)をスピーカ26から出力する処理を実行し、
次に所定時間内(例えば、10秒内など)にマイク22からの音声入力がなされたか否かを判定し(ステップS130,S140)、音声入力がなされなかったと判定したときには、認識できなかった旨のアナウンス(例えば、「音声認識はされておりません。」などのアナウンス)をスピーカ26から出力して(ステップS240)、本ルーチンを終了し、
一方、所定時間内にマイク22から音声入力がなされたと判定したときには、コマンドの認識処理を実行し、コマンドの認識処理は、入力された音声信号の波形が、位置ポインタPの位置に属するいずれかのコマンドの音声信号の波形の許容範囲内にあるか否かを判定することにより行なう、
音声認識制御装置20。」

(3)引用文献3の記載
原査定の拒絶の理由において、周知技術を示す文献として引用された、特開2000-047689号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「【0011】
【実施例】図3は音声認識装置の構成を示すブロック図である。以下、図に従って説明する。・・・(中略)・・・3は認識処理部2の認識結果に基いて操作されるナビゲーション装置等のメインシステムで、人工衛星からの電波を受信するGPS受信機31、地図情報が記憶されたCD-ROM及びその読取装置からなる地図データベース32、車両の位置を特定する処理及びメインシステム全体の制御を行うマイクロコンピュータにより構成された制御部33、地図情報を表示する液晶表示器等で構成された表示部34、キースイッチ等により入力指示を行う操作部35、音声認識結果に基づき適切なメッセージを音声合成して音声出力部37に出力する音声合成部36、音声合成されたメッセージを音声出力する増幅器、スピーカ等から構成される音声出力部37から構成される。」

「【0017】ステップS5では、発声開始がタイムアウトの直前であるか否かを判断してタイムアウトの直前であればステップS7に移り、タイムアウトの直前でなければステップS6に移る。・・・(以下、略)
【0018】(略)
【0019】ステップS7では、「ピッという音の後○○秒以内にお話し下さい。」とメッセージを発して処理を終える。つまり、発声開始が極端に遅く、そのために発声終了がタイムアウト(受付終了)を超えてしまったので再発声を要求するメッセージに「ピッという音の○○秒以内」という言葉を用いて、発話者に具体的に発声のタイミングを指示する。・・・(以下、略)
【0020】このように、発声終了の遅さの程度に応じて発話者へのメッセージの内容を変更する。発話者は適切なメッセージにより発声開始(結果として発声終了)のタイミングの調整を図ることができ、認識処理の確率が向上する。・・・(以下、略)」

以上の記載より、引用文献3には、次の技術事項が記載されていると認められる。

「音声出力部37を備えた音声認識装置において、再発声を要求するメッセージとして「ピッという音の後○○秒以内にお話し下さい。」とメッセージを発し、発声開始のタイミングの調整を図ることができるようにすること」

(4)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「音声認識制御装置20」は、本件補正発明の「システム」に相当する。

イ 引用発明の「認識開始スイッチ24」は、「音声認識の開始を入力」するものであるから、引用発明の「認識開始スイッチ24が操作され」た時は、本件補正発明の「音声認識の開始のイベントが発生した際」に相当する。

ウ 引用発明は、「所定時間内(例えば、10秒内など)にマイク22からの音声入力がなされたか否かを判定」するものであり、引用発明における「音声入力」は、「音声認識」を目的としたものであるから、引用発明の「所定時間」は、本件補正発明の「音声認識を行う制限時間」に含まれる。
よって、引用発明の「音声認識制御装置20」と、本件補正発明の「システム」とは、「当該音声認識を行う制限時間」が設けられている点で共通する。

エ 引用発明の「入力待ちのアナウンス(例えば、「音声認識を開始します。」や「表示されたコマンドの入力を待っています。」などのアナウンス)」は、「認識開始スイッチ24が操作され」て、「音声認識制御ルーチン」が実行されると、「スピーカ26から出力」されるものであるから、引用発明の「入力待ちのアナウンス(例えば、「音声認識を開始します。」や「表示されたコマンドの入力を待っています。」などのアナウンス)をスピーカ26から出力する処理を実行し」と、本件補正発明の「音声認識の開始のイベントが発生した際に、当該音声認識を行う制限時間に関するフレーズの音声を出力させる制御を行うこと」とは、「音声認識の開始のイベントが発生した際に、当該音声認識に関するフレーズの音声を出力させる制御を行うこと」である点で共通する。

オ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「音声認識を行う制限時間が設けられており、
音声認識の開始のイベントが発生した際に、当該音声認識に関するフレーズの音声を出力させる制御を行うこと
を特徴とするシステム。」

(相違点)
本件補正発明は、出力されるフレーズが「当該音声認識を行う制限時間に関する」ものであるのに対し、引用発明の「アナウンス」は、「当該音声認識を行う制限時間に関する」ものであることについて特定されていない点。

(5)相違点についての判断
上記(3)で示した引用文献3に記載された技術事項において、再発声を要求するメッセージ「ピッという音の後○○秒以内にお話し下さい。」のうち、「ピッという音の後○○秒以内」は、「音声認識を行う制限時間」と言い得るものである。よって、音声認識装置において、音声認識を行う制限時間に関するフレーズを音声として出力することは、本願の出願日前における周知技術である。
そして、ユーザに対するアナウンスに注意事項を含めようとすることは、初回又は2回目以降に関わらず、通常行われることであるし、また、引用文献3には、「発声開始のタイミングの調整を図ることができ」との記載があり、メッセージの出力を「発声開始」時に行うことが示唆されているといえる。
そうすると、音声認識に関する発明である引用発明において、同じ技術分野に属する上記周知技術を適用し、引用発明において、音声認識の開始時に出力される入力待ちのアナウンス(例えば、「音声認識を開始します。」や「表示されたコマンドの入力を待っています。」などのアナウンス)(メッセージ)に音声認識を行う制限時間のフレーズを含めることは、当業者が容易に想到し得たものである。
また、引用発明において、当該相違点に係る構成を採用することによる効果も、当業者が予測し得る範囲内のものであり、格別顕著なものとはいえない。

なお、請求人は、請求の理由において、「このような構成により、音声認識の開始のイベントが発生した際に音声認識の制限事項に沿ったユーザの発話を促すことができ、音声認識を一回で成功させる確率を高めることができるという効果を奏するものである。引用文献3には、本願発明の構成の記載はなく、いずれの引用文献を組み合わせても本願発明には想到しない。引用文献3は、その[0019]に記載のよう「・・つまり、発声開始が極端に遅く、そのために発声終了がタイムアウト(受付終了)を超えてしまったので再発声を要求するメッセージに「ピッという音の○○秒以内」という言葉を用いて、発話者に具体的に発声のタイミングを指示する。」というように、上述した効果を奏しない構成であって、引用文献3と他の引用文献を仮に組み合わせることができたとしても、本願発明には想到しない。」と主張している。
しかしながら、相違点の容易想到性については前述のとおりであるので、請求人の主張は採用できない。また、仮に、請求人の主張を考慮したとしても、音声認識の開始時に出力されるメッセージに制限時間に関するフレーズを含めることも、例えば特開平10-327238号公報の段落[0015]に記載されているように周知技術であるから、本件補正発明の進歩性を認めることはできない。

したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するものであり、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和元年11月26日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成31年4月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし3に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものであり、請求項1に対しては引用文献1、3が利用されている。(当審注:原査定の拒絶の理由では、請求項1及び3に対して、「引用文献等 1-3」を利用しているが、これは「引用文献等 1、3」の誤記と認められる。)

引用文献1.特開2000-194391号公報
引用文献2.特開2003-345391号公報
引用文献3.特開2000-047689号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2003-091299号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5.特開2009-210703号公報(周知技術を示す文献)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び3、並びにその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)及び(3)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の「音声認識の開始のイベント」について、「開始のイベント」を「完了または開始の少なくともいずれかのイベント」との択一的記載にしたものであるから、本願発明の範囲には、本件補正発明が含まれる。
そうすると、本願発明の範囲に含まれる本件補正発明が、前記第2の[理由]2(4)及び(5)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-12-09 
結審通知日 2020-12-15 
審決日 2021-01-06 
出願番号 特願2018-59110(P2018-59110)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩橋 龍太郎  
特許庁審判長 角田 慎治
特許庁審判官 北川 純次
林 毅
発明の名称 システム及びプログラム  

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