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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C25D 審判 全部申し立て 2項進歩性 C25D 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 C25D |
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管理番号 | 1371665 |
異議申立番号 | 異議2019-701058 |
総通号数 | 256 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2021-04-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-12-25 |
確定日 | 2020-12-14 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6534391号発明「三価クロムを含有する電気めっき浴及びクロムを析出させる方法」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6534391号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1?23〕について訂正することを認める。 特許第6534391号の請求項1?23に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6534391号(請求項の数23。以下,「本件特許」という。)は,2015年(平成27年)1月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理:2014年1月24日,欧州特許庁(EP))を国際出願日とする特許出願(特願2016-548141号)に係るものであって,令和1年6月7日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は,令和1年6月26日である。)。 その後,令和1年12月25日に,本件特許の請求項1?23に係る特許に対して,特許異議申立人であるアトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー(以下,「申立人」という。)により,特許異議の申立てがされた。 本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は,以下のとおりである。 令和1年12月25日 特許異議申立書 令和2年 3月12日付け 取消理由通知書 6月10日 上申書(特許権者)(ファクシミリにて提出) 6月17日付け 通知書(指定期間の延長を認める旨の通知) 7月 6日 上申書(特許権者)(ファクシミリにて提出) 7月 6日付け 通知書(指定期間の延長を認める旨の通知) 8月13日 意見書,訂正請求書 8月31日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知) 10月27日 意見書(申立人) 第2 訂正の請求について 1 訂正の内容 令和2年8月13日提出の訂正請求書による訂正(以下,「本件訂正」という。)の請求は,本件特許の特許請求の範囲を上記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1?23について訂正することを求めるものであり,その内容は,以下のとおりである。下線は,訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に,「当該電気めっき浴は,4?7のpHを有し,二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず,且つ,錯化剤と三価クロム塩のモル比が,8:1?15:1である」と記載されているのを,「当該電気めっき浴は,4?7のpHを有し,二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず,塩化物イオンを実質的に含まず,且つ,錯化剤と三価クロム塩のモル比が,8:1?15:1である」と訂正する。 請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2?23についても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2から「塩化クロム(III),」を削除する。 請求項2の記載を直接又は間接的に引用する請求項3?23についても同様に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項13から「塩化物,」を削除する。 請求項13の記載を直接又は間接的に引用する請求項14?23についても同様に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項19に,「前記電気めっき浴が,塩化物イオンを実質的に含まない,及び/又は,アルミニウムイオンを実質的に含まない」と記載されているのを,「前記電気めっき浴が,アルミニウムイオンを実質的に含まない」と訂正する。 請求項19の記載を直接又は間接的に引用する請求項20?23についても同様に訂正する。 (5)一群の請求項について 訂正前の請求項1?23について,請求項2?23は,請求項1を直接又は間接的に引用するものであり,上記の訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1?23は,一群の請求項である。そして,本件訂正は,その一群の請求項ごとに請求がされたものである。 2 訂正の適否についての当審の判断 (1)訂正事項1について 訂正事項1に係る訂正は,訂正前の請求項1に対して,「塩化物イオンを実質的に含まず,」との記載を追加するものである。 この訂正は,訂正前の請求項1における「電気めっき浴」について,塩化物イオンを実質的に含まないものに限定するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面には,「前記電気めっき浴が,塩化物イオンを実質的に含まない,及び/又は,アルミニウムイオンを実質的に含まない,請求項1?18のいずれか1項に記載の電気めっき浴。」(請求項19)との記載があるから,この訂正は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (2)訂正事項2及び3について 訂正事項2に係る訂正は,訂正前の請求項2における「三価クロム塩」について,選択肢の一部を削除するものであり,また,訂正事項3に係る訂正は,訂正前の請求項13における「ハロゲン塩」について,選択肢の一部を削除するものであるから,いずれも,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また,これらの訂正は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (3)訂正事項4について 訂正事項4に係る訂正は,訂正前の請求項19から,「塩化物イオンを実質的に含まない,及び/又は,」との記載を削除し,「前記電気めっき浴が,アルミニウムイオンを実質的に含まない」とするものである。 この訂正は,訂正事項1に係る訂正により,請求項19が塩化物イオンを実質的に含まない場合に限定されたことに伴い,請求項19において重ねて記載する必要がなくなった,「塩化物イオンを実質的に含まない,」との記載を削除するとともに,「又は,」として塩化物イオンを実質的に含まない場合と択一的に記載されていた,アルミニウムイオンを実質的に含まない場合を削除するものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また,この訂正は,訂正前の請求項19における「電気めっき浴」について,塩化物イオンを実質的に含まない場合,アルミニウムイオンを実質的に含まない場合,塩化物イオンを実質的に含まず,アルミニウムイオンを実質的に含まない場合の3つの場合のうち,塩化物イオンを実質的に含まず,アルミニウムイオンを実質的に含まない場合に限定するものである(訂正事項1に係る訂正により,請求項19は,塩化物イオンを実質的に含まない場合に限定されている。)から,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして,この訂正は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。 (4)独立特許要件について 本件においては,訂正前の請求項1?23の全てについて特許異議の申立てがされているので,特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。 3 まとめ 上記2のとおり,各訂正事項に係る訂正は,特許法120条の5第2項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とするものに該当し,同条9項において準用する同法126条5項及び6項に適合するものであるから,結論のとおり,本件訂正を認める。 第3 本件発明 前記第2で述べたとおり,本件訂正は認められるので,本件特許の請求項1?23に係る発明は,本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?23に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下,それぞれ「本件発明1」等という。また,本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。 【請求項1】 クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴であって, a)100?400g/Lの少なくとも1種の三価クロム塩, b)100?400g/Lの少なくとも1種の錯化剤, c)1?50g/Lの少なくとも1種のハロゲン塩, d)0?10g/Lの添加剤, を含み,ここで,当該電気めっき浴は,4?7のpHを有し,二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず,塩化物イオンを実質的に含まず,且つ,錯化剤と三価クロム塩のモル比が,8:1?15:1である,電気めっき浴。 【請求項2】 前記三価クロム塩が,酸性又はアルカリ性形態の硫酸クロム(III),酢酸クロム(III),ヒドロキシ酢酸クロム(III),ギ酸クロム(III),ヒドロキシギ酸クロム(III),炭酸クロム(III),メタンスルホン酸クロム(III),硫酸クロムカリウム(III),及びそれらの混合物からなる群より選択される,請求項1に記載の電気めっき浴。 【請求項3】 前記三価クロム塩が120?160g/Lの量で存在する,請求項1または2に記載の電気めっき浴。 【請求項4】 前記三価クロム塩のアニオンが,揮発性又は電気化学的に消費される酸のアニオンである,請求項1?3のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項5】 前記三価クロム塩のアニオンが,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,グリコール酸,シュウ酸,炭酸,クエン酸,又はそれらの混合物からなる群より選択される,請求項4に記載の電気めっき浴。 【請求項6】 電気めっき浴が,バナジウム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,モリブデン,及びタングステン,及びそれらの混合物からなる群より選択される合金形成剤を含む,請求項1?5のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項7】 前記電気めっき浴が,さらに,電気めっき浴中の有機成分及びアンモニアから供給される,炭素,酸素,及び窒素を含む,請求項1?6のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項8】 前記電気めっき浴が,アンモニアを,前記少なくとも1種の錯化剤のモル濃度以下のモル濃度で含む,請求項7に記載の電気めっき浴。 【請求項9】 前記錯化剤が,カルボン酸及びカルボン酸塩からなる群より選択される,請求項1?8のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項10】 前記錯化剤が,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,グリコール酸,乳酸,シュウ酸,リンゴ酸,クエン酸,酒石酸,コハク酸,グルコン酸,グリシン,アスパラギン酸,マロン酸,コハク酸,及びそれらの混合物,又はそれらの塩及びその混合物からなる群より選択される,請求項9に記載の電気めっき浴。 【請求項11】 前記錯化剤が,100?300g/Lの量で存在し,及び/又は,前記錯化剤と前記三価クロム塩のモル比が,10:1?13:1である,請求項1?10のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項12】 前記錯化剤が,150?250g/Lの量で存在する,請求項11に記載の電気めっき浴。 【請求項13】 前記ハロゲン塩が,臭化物,ヨウ化物,及びフッ化物塩からなる群より選択され,及び,前記ハロゲン塩が,5?50g/Lの量で存在する,請求項1?12のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項14】 前記ハロゲン塩が,臭化カリウム,臭化ナトリウム,臭化アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択される,請求項13に記載の電気めっき浴。 【請求項15】 前記電気めっき浴が,さらに,少なくとも1種のさらなる錯化剤として及び/又は少なくとも1種のさらなるハロゲン塩として,フッ化物を含む,請求項1?14のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項16】 前記添加剤が,光沢剤及び湿潤剤からなる群より選択される,請求項1?15のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項17】 前記光沢剤が,四級アンモニウム化合物を含むポリアミン又はポリアミンの混合物からなる群より選択される,請求項16に記載の電気めっき浴。 【請求項18】 前記湿潤剤が,電気的中性,カチオン性,両性の界面活性剤からなる群より選択される,請求項16に記載の電気めっき浴。 【請求項19】 前記電気めっき浴が,アルミニウムイオンを実質的に含まない,請求項1?18のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項20】 ・請求項1?19のいずれか1項に記載の電気めっき浴を準備する, ・前記電気めっき浴中に基材を浸漬させる,及び ・電流を流し,前記基材上に三価クロムを析出させる 工程を含む,基材上にクロムを析出させる方法。 【請求項21】 前記電気めっき浴が,陽極液と陰極液を区別する膜によって,アノードから分離されている,請求項20に記載の方法。 【請求項22】 前記電気めっき浴が,陰イオンもしくは陽イオン交換膜又は多孔質膜によって,アノードから分離されている,請求項21に記載の方法。 【請求項23】 前記陽極液が硫酸クロム(III)を含む,請求項21に記載の方法。 第4 特許異議の申立ての理由及び取消理由の概要 1 特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由 本件特許の請求項1?23に係る特許は,下記(1)?(3)のとおり,特許法113条2号及び4号に該当する。証拠方法は,下記(4)の甲第1号証?甲第6号証(以下,単に「甲1」等という。)である。 (1)申立理由1(新規性) 本件訂正前の請求項1,2,7?14及び19?22に係る発明は,甲1に記載された発明であり,特許法29条1項3号に該当し,特許を受けることができないものであるから,本件特許の請求項1,2,7?14及び19?22に係る特許は,同法113条2号に該当する。 (2)申立理由2(進歩性) 本件訂正前の請求項1?23に係る発明は,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから,本件特許の請求項1?23に係る特許は,同法113条2号に該当する。 (3)申立理由3(サポート要件) 本件訂正前の請求項1?23に係る発明については,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に適合するものではないから,本件特許の請求項1?23に係る特許は,同法113条4号に該当する。 (4)証拠方法 ・甲1 特表2010-540781号公報 ・甲2 SIFCO Applied Surface Conceptsによる「Chromium (Dense Trivalent)」の商品説明及び安全データシート ・甲3 METAL FINISHING, 2001,Vol.99, No.1A,p.360,362,364,366-368,370,371,373 ・甲4 米国特許第4054494号明細書 ・甲5 特表2009-532580号公報 ・甲6 特開昭53-26741号公報 2 意見書(申立人)とともに提出された証拠方法 ・甲7 特開2012-82475号公報 ・甲8 国際公開第2012/150198号 ・甲9 特表2014-513214号公報 ・甲10 アトテック社の実験成績証明書 3 取消理由通知書に記載した取消理由 (1)取消理由1(新規性) 上記1の申立理由1(新規性)(ただし,本件訂正前の請求項1,2,7?14,19及び20に係る発明に対するもの)と同旨 (2)取消理由2(進歩性) 上記1の申立理由2(進歩性)(ただし,本件訂正前の請求項21?23に係る発明に対するもの)と同旨 第5 当審の判断 以下に述べるように,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?23に係る特許を取り消すことはできない。 以下,まず,申立理由1(新規性),取消理由1(新規性),申立理由2(進歩性),取消理由2(進歩性)についてまとめて検討し,その後,申立理由3(サポート要件)について検討する。 1 申立理由1(新規性),取消理由1(新規性),申立理由2(進歩性),取消理由2(進歩性) (1)甲1に記載された発明 甲1の記載(【0186】?【0188】)によれば,特にCIA(2価硫黄源(【0207】))を含まないコントロールの電析浴(【0188】)に着目すると,甲1には,以下の発明が記載されていると認められる。 「コントロールの電析浴であって, Cr^(+3) イオン 20g/L(Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)=118.5g/Lとして), 90% ギ酸 180mL/L, NH_(4)Cl 30g/L,NH_(4)Br 10g/L, の成分を組み合わせることにより調整され,pHが5.5である,コントロールの電析浴。」(以下,「甲1発明」という。) (2)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明における「コントロールの電析浴」は,その成分からみて,クロム(Cr^(+3)イオン)を電析させるためのものであることは明らかであるから,本件発明1における「クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴」に相当する。 (イ)甲1発明における「Cr^(+3) イオン 20g/L」は,「Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)=118.5g/L」として含まれるものであるところ,Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)が三価クロム塩であることは明らかであるから,甲1発明における「Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)=118.5g/L」は,本件発明1における「a)100?400g/Lの少なくとも1種の三価クロム塩」に相当する。 (ウ)甲1発明における「90% ギ酸 180mL/L」は,ギ酸の密度が1.2g/mLであるから,電析浴の単位体積あたりの重量に換算すると,「194.4g/L」(=180mL/L×90%/100%×1.2g/mL)となる。一方,本件明細書には,本件発明1における錯化剤として,ギ酸が例示されているから(【0024】),甲1発明における「90%ギ酸 180mL/L」は,本件発明1における「b)100?400g/Lの少なくとも1種の錯化剤」に相当する。 (エ)甲1発明における「NH_(4)Cl 30g/L」,「NH_(4)Br 10g/L」は,本件発明1における「c)1?50g/Lの少なくとも1種のハロゲン塩」に相当する。 (オ)甲1発明における「pHが5.5」は,本件発明1における「4?7のpH」に相当する。 (カ)甲1発明におけるギ酸,Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)の分子量に基づいて1モルあたりの重量を計算すると,それぞれ,46g/mol,307g/molであるから,それらの電析浴の単位体積あたりのモル数,すなわち,モル濃度は,それぞれ,4.226mol/L(=194.4g/L÷46g/mol),0.386mol/L(118.5g/L÷307g/mol)となる。そうすると,ギ酸とCr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4)のモル比は,「10.95:1」となるから,本件発明1における錯化剤と三価クロム塩のモル比が「8:1?15:1」であることに相当する。 (キ)甲1発明に係る電析浴は,Cr(OH)SO_(4)・Na_(2)SO_(4),ギ酸,NH_(4)Cl,NH_(4)Br以外の成分を含まないから,本件発明1における「d)0?10g/Lの添加剤を含み」,「二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず」を満たす。 (ク)以上によれば,本件発明1と甲1発明とは, 「クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴であって, a)100?400g/Lの少なくとも1種の三価クロム塩, b)100?400g/Lの少なくとも1種の錯化剤, c)1?50g/Lの少なくとも1種のハロゲン塩, d)0?10g/Lの添加剤, を含み,ここで,当該電気めっき浴は,4?7のpHを有し,二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず,且つ,錯化剤と三価クロム塩のモル比が,8:1?15:1である,電気めっき浴。」 の点で一致し,以下の点で相違する。 ・相違点1 本件発明1では,電気めっき浴が「塩化物イオンを実質的に含ま」ないのに対して,甲1発明では,コントロールの電析浴が「NH_(4)Cl」を含む点。 イ 相違点1の検討 (ア)まず,相違点1が実質的な相違点であるか否かについて検討する。 甲1発明は,コントロールの電析浴が「NH_(4)Cl」を含むものであるが,当該電析浴中では,「NH_(4)Cl」は電離し塩化物イオンが生じると解されるから,当該電析浴は塩化物イオンを含むものと認められる。 以上によれば,相違点1は実質的な相違点である。 したがって,本件発明1は,甲1に記載された発明であるとはいえない。 (イ)次に,相違点1の容易想到性について検討する。 甲1には,ナノ粒状の結晶質機能的クロム合金堆積物を電析させるための電析浴として,6価クロムを実質的に含まない3価クロム源,カルボン酸,sp^(3)窒素源,2価硫黄源を含み,pHが5から約6.5までの範囲である,電析浴(請求項26)について記載されている。 また,甲1には,6価クロムを実質的に含まない3価クロム浴由来のナノ粒状の結晶質機能的クロム合金堆積物を電析させるための浴を見出したこと(【0006】),これらの浴で得られる堆積物は,6価クロムの浴から得られるクロム堆積物の性能特性に匹敵するか又は超えること(【0006】),3価クロム浴に2価硫黄含有化合物を他の添加剤の特定の組み合わせと一緒に添加することにより,結晶質クロム堆積物を析出させること(【0162】)が記載されている そして,甲1には,一実施形態として,CIA(2価硫黄源(【0207】))のほか,Cr^(+3) イオン,ギ酸,NH_(4)Cl,NH_(4)Brを含み,pHが5.5である,高pH電析浴を調製すること(【0186】,【0187】)が記載されているが,その一方で,コントロールの電析浴として,CIAを含まないこと以外,同様に調製すること(【0188】)も記載されている。 ところで,甲1発明は,上記(1)のとおり,上記のCIAを含まないコントロールの電析浴に着目して認定したものであるが,このCIAを含まないコントロールの電析浴は,上記のCIAを含む高pH電析浴と比較するために調製された単なる対照例として,甲1に記載されているにすぎない。 そうすると,このような単なる対照例として記載されているにすぎないコントロールの電析浴について,そもそも,その成分を変更する動機付けがあるとはいえず,ましてや,ここで比較すべき高pH電析浴に含まれる「NH_(4)Cl」を含まないようにすることが動機付けられるとはいえない。また,このようなことは,甲1のほか,甲2?6や甲7?10の記載を考慮したとしても,変わるものではない。 以上によれば,甲1発明において,電析浴に含まれる「NH_(4)Cl」を含まないようにし,「塩化物イオンを実質的に含ま」ないものとすることが,当業者が容易に想到することができたこととはいえない。 したがって,本件発明1は,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 申立人の主張について 申立人は,塩化物イオンを含まない電気めっき浴は,周知な事項にすぎず(甲7,8),また,甲1の【0086】には,塩化アンモニウムの代わりに臭化アンモニウムを利用できることが記載されているから,甲1発明におけるNH_(4)Cl,NH_(4)Brのうち,NH_(4)Clを使用しないこと,又は,NH_(4)Clを他のハロゲン塩に置換することは,周知慣用技術の付加,削除,転換等にすぎないものであり,本件発明1は新規性を有しないか,仮に本件発明1が新規性を有しているとしても,本件明細書には,塩化物イオンを実質的に含まないことによる作用又は効果については何ら記載されていないから,本件発明1は進歩性を有しないと主張する(意見書2?4頁)。また,本件発明2?23についても同様に主張する。 しかしながら,相違点1が実質的な相違点であることは,上記イ(ア)で述べたとおりであり,また,単なる対照例として記載されているにすぎないコントロールの電析浴について,そもそも,その成分を変更する動機付けがあるとはいえないことは,上記イ(イ)で述べたとおりであるから,申立人の主張は採用できない。 エ 小括 以上のとおり,本件発明1は,甲1に記載された発明であるとはいえず,また,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明2?23について 本件発明2?23は,本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるが,上記(2)で述べたとおり,本件発明1が,甲1に記載された発明であるとはいえず,また,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件発明2?23についても同様に,甲1に記載された発明であるとはいえず,また,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない (4)まとめ 以上のとおり,本件発明1,2,7?14及び19?22は,甲1に記載された発明であるとはいえない。 また,本件発明1?23は,甲1に記載された発明及び甲1?6に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって,申立理由1(新規性),取消理由1(新規性),申立理由2(進歩性),取消理由2(進歩性)によっては,本件特許の請求項1?23に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立理由3(サポート要件) 特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり,明細書のサポート要件の存在は,特許権者が証明責任を負うと解するのが相当である(知的財産高等裁判所,平成17年(行ケ)第10042号,同年11月11日特別部判決)。以下,検討する。 (1)本件発明1?23について ア 本件発明1は,所定量の三価クロム塩,錯化剤,ハロゲン塩,添加剤を含み,所定のpHを有する,クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴に関するものである。 本件明細書の記載(【0002】?【0013】)によれば,本件発明1の課題は,高い摩耗及び/又は腐食耐性のために使用可能にする,密で均一な構造の厚みを有するクロム層を提供する電気めっき浴を提供することであると認められる。 イ 本件明細書の記載(【0015】?【0019】,【0024】?【0028】)によれば,本件発明1の課題は,クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴において,「a)100?400g/Lの少なくとも1種の三価クロム塩,b)100?400g/Lの少なくとも1種の錯化剤,c)1?50g/Lの少なくとも1種のハロゲン塩,d)0?10g/Lの添加剤」を含むものとし,「錯化剤と三価クロム塩のモル比」を「8:1?15:1」とし,「4?7のpH」を有するものとし,「二価の硫黄化合物及びホウ酸,その塩及び/又は誘導体を実質的に含まない」ものとすることによって解決できるとされている。 ウ そして,本件明細書には,クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴に関する各種の実施例(実施例1?4)及び参照例が記載されているところ(【0040】?【0046】,表1,2,図1,2),実施例は,いずれも,三価クロム塩である塩基性硫酸クロム(【0018】),錯化剤であるギ酸(【0024】),ハロゲン塩であるKBr(臭化カリウム)(【0026】),添加剤(湿潤剤)であるPEG400(ポリエチレングリコール400)(【0027】),添加剤(光沢剤)である四級アンモニウム化合物(【0027】)を含むものであって,上記イの各要件を備えるものである。 本件明細書の表2には,上記の各実施例及び参照例の電気めっき浴から得られた析出物(クロム層)の特性が示されているが,表2によれば,実施例において,厚みが130μmで,硬さが750?2100Hvである析出物(クロム層)が得られている。 ここで,高い摩耗及び/又は腐食耐性の用途のために必要とされる厚みは,「0.1?300μm」(【0004】)であること,また,得られた析出物(クロム層)が所定の硬さを有するものであることを踏まえると,実施例において,高い摩耗及び/又は腐食耐性のために使用可能にする,密で均一な構造の厚みを有する析出物(クロム層)が得られることが示されているといえる。 そうすると,当業者であれば,実施例以外の場合であっても,上記イの各要件を備えるクロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴であれば,実施例の場合と同様に,高い摩耗及び/又は腐食耐性のために使用可能にする,密で均一な構造の厚みを有する析出物(クロム層)が得られることが理解できるといえる。 エ 以上のとおり,本件明細書の記載を総合すれば,上記イの各要件を備える本件発明1は,本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであって,当業者が出願時の技術常識に照らして発明の詳細な説明の記載により本件発明1の課題を解決できると認識できる範囲のものということができる。 以上のとおりであるから,本件発明1については,特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものである。 また,本件発明1を直接又は間接的に引用する本件発明2?23についても同様であり,特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものである。 (2)申立人の主張について 申立人は,本件明細書の実施例では,「三価クロム塩」として「塩基性硫酸クロム」のみ,「錯化剤」として「ギ酸」のみ,「ハロゲン塩」として「KBr」のみ,「錯化剤と三価クロム塩のモル比」として「11.8:1」のみが開示されているが,これら以外のものを採用した場合に,実施例と同様の結果が得られることは,本件明細書全体を参照したとしても,導き出すことはできないと主張する。また,本件発明2?23についても同様に主張する。 しかしながら,上記(1)のとおり,本件発明1?23は,上記(1)イの各要件を備えるクロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴によって,高い摩耗及び/又は腐食耐性のために使用可能にする,密で均一な構造の厚みを有するクロム層が得られるものである。 そして,本件明細書には,三価クロム塩の種類及び含有量(【0018】,【0019】),錯化剤の種類及び含有量(【0024】,【0025】),ハロゲン塩の種類及び含有量(【0026】),錯化剤と三価クロム塩のモル比(【0025】)の各事項について,必要な説明がなされている。 そうすると,当業者であれば,実施例以外の場合であっても,高い摩耗及び/又は腐食耐性のために使用可能にする,密で均一な構造の厚みを有する析出物(クロム層)が得られることが理解できる この点,申立人は,本件明細書の実施例で,「三価クロム塩」として「塩基性硫酸クロム」のみ,「錯化剤」として「ギ酸」のみ,「ハロゲン塩」として「KBr」のみ,「錯化剤と三価クロム塩のモル比」として「11.8:1」のみが開示されているだけでは,なぜ,本件発明1?23について,特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合しないといえるのか,合理的な疑いが生じる程の具体的な根拠に基づいてその理由を主張するものではない。 以上によれば,本件明細書の実施例で,「三価クロム塩」として「塩基性硫酸クロム」のみ,「錯化剤」として「ギ酸」のみ,「ハロゲン塩」として「KBr」のみ,「錯化剤と三価クロム塩のモル比」として「11.8:1」のみが開示されているからといって,本件発明1?23について,特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合しないとはいえない。 よって,申立人の主張は採用できない。 (3)まとめ したがって,申立理由3(サポート要件)によっては,本件特許の請求項1?23に係る特許を取り消すことはできない。 第6 むすび 以上のとおり,取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1?23に係る特許を取り消すことはできない。 また,他に本件特許の請求項1?23に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クロム又はクロム合金を析出させるための電気めっき浴であって、 a)100?400g/Lの少なくとも1種の三価クロム塩、 b)100?400g/Lの少なくとも1種の錯化剤、 c)1?50g/Lの少なくとも1種のハロゲン塩、 d)0?10g/Lの添加剤、 を含み、ここで、当該電気めっき浴は、4?7のpHを有し、二価の硫黄化合物及びホウ酸、その塩及び/又は誘導体を実質的に含まず、塩化物イオンを実質的に含まず、且つ、錯化剤と三価クロム塩のモル比が、8:1?15:1である、電気めっき浴。 【請求項2】 前記三価クロム塩が、酸性又はアルカリ性形態の硫酸クロム(III)、酢酸クロム(III)、ヒドロキシ酢酸クロム(III)、ギ酸クロム(III)、ヒドロキシギ酸クロム(III)、炭酸クロム(III)、メタンスルホン酸クロム(III)、硫酸クロムカリウム(III)、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の電気めっき浴。 【請求項3】 前記三価クロム塩が120?160g/Lの量で存在する、請求項1または2に記載の電気めっき浴。 【請求項4】 前記三価クロム塩のアニオンが、揮発性又は電気化学的に消費される酸のアニオンである、請求項1?3のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項5】 前記三価クロム塩のアニオンが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、炭酸、クエン酸、又はそれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の電気めっき浴。 【請求項6】 電気めっき浴が、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、及びタングステン、及びそれらの混合物からなる群より選択される合金形成剤を含む、請求項1?5のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項7】 前記電気めっき浴が、さらに、電気めっき浴中の有機成分及びアンモニアから供給される、炭素、酸素、及び窒素を含む、請求項1?6のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項8】 前記電気めっき浴が、アンモニアを、前記少なくとも1種の錯化剤のモル濃度以下のモル濃度で含む、請求項7に記載の電気めっき浴。 【請求項9】 前記錯化剤が、カルボン酸及びカルボン酸塩からなる群より選択される、請求項1?8のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項10】 前記錯化剤が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、グリシン、アスパラギン酸、マロン酸、コハク酸、及びそれらの混合物、又はそれらの塩及びその混合物からなる群より選択される、請求項9に記載の電気めっき浴。 【請求項11】 前記錯化剤が、100?300g/Lの量で存在し、及び/又は、前記錯化剤と前記三価クロム塩のモル比が、10:1?13:1である、請求項1?10のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項12】 前記錯化剤が、150?250g/Lの量で存在する、請求項11に記載の電気めっき浴。 【請求項13】 前記ハロゲン塩が、臭化物、ヨウ化物、及びフッ化物塩からなる群より選択され、及び、前記ハロゲン塩が、5?50g/Lの量で存在する、請求項1?12のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項14】 前記ハロゲン塩が、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の電気めっき浴。 【請求項15】 前記電気めっき浴が、さらに、少なくとも1種のさらなる錯化剤として及び/又は少なくとも1種のさらなるハロゲン塩として、フッ化物を含む、請求項1?14のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項16】 前記添加剤が、光沢剤及び湿潤剤からなる群より選択される、請求項1?15のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項17】 前記光沢剤が、四級アンモニウム化合物を含むポリアミン又はポリアミンの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の電気めっき浴。 【請求項18】 前記湿潤剤が、電気的中性、カチオン性、両性の界面活性剤からなる群より選択される、請求項16に記載の電気めっき浴。 【請求項19】 前記電気めっき浴が、アルミニウムイオンを実質的に含まない、請求項1?18のいずれか1項に記載の電気めっき浴。 【請求項20】 ・請求項1?19のいずれか1項に記載の電気めっき浴を準備する、 ・前記電気めっき浴中に基材を浸漬させる、及び ・電流を流し、前記基材上に三価クロムを析出させる 工程を含む、基材上にクロムを析出させる方法。 【請求項21】 前記電気めっき浴が、陽極液と陰極液を区別する膜によって、アノードから分離されている、請求項20に記載の方法。 【請求項22】 前記電気めっき浴が、陰イオンもしくは陽イオン交換膜又は多孔質膜によって、アノードから分離されている、請求項21に記載の方法。 【請求項23】 前記陽極液が硫酸クロム(III)を含む、請求項21に記載の方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-12-02 |
出願番号 | 特願2016-548141(P2016-548141) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(C25D)
P 1 651・ 537- YAA (C25D) P 1 651・ 121- YAA (C25D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 印出 亮太、國方 康伸 |
特許庁審判長 |
粟野 正明 |
特許庁審判官 |
井上 猛 亀ヶ谷 明久 |
登録日 | 2019-06-07 |
登録番号 | 特許第6534391号(P6534391) |
権利者 | コヴェンツィア ソチエタ ペル アツィオーニ |
発明の名称 | 三価クロムを含有する電気めっき浴及びクロムを析出させる方法 |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |