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審決分類 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  H02J
審判 一部申し立て 特174条1項  H02J
審判 一部申し立て 2項進歩性  H02J
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  H02J
管理番号 1371713
異議申立番号 異議2020-700412  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-06-16 
確定日 2021-01-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6621892号発明「制御装置、充放電制御システムおよび制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6621892号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、5、6、7について訂正することを認める。 特許第6621892号の請求項1、5、6、7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6621892号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成27年5月18日に出願した特願2015-100907号の一部を平成30年10月4日に新たな特許出願としたものであって、令和元年11月29日にその特許権の設定登録がされ、令和元年12月18日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

令和 2年 6月16日:特許異議申立人による特許異議の申立て
令和 2年 7月31日:取消理由通知書
令和 2年10月 1日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出

なお、訂正請求に対し、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えたが、意見書は提出されなかった。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)?(4)のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、
「前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替える、」
と記載されているのを、
「前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、」
に訂正する。
なお、下線は、訂正箇所を示す。以下、同様。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5において、
「前記制御装置は、ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定する、」
と記載されているのを
「前記制御装置は、
ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、
前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、 」
に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6において、
「前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替える、」
と記載されているのを、
「前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、 」
に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項7において、
「前記制御方法は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替えることをさらに含む、」
と記載されているのを、
「前記制御方法は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替えることをさらに含み、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、 」
に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1について、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御」が「前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」点を限定するものであるから、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、明細書の段落【0028】、【0029】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり、発明特定事項を限定するものであり、カテゴリーを変更するものでなく、かつ発明の対象や目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第6項に適合する。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項5について、「制御装置」が「前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する」点を限定するものであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、明細書の段落【0045】、【0047】、【0050】および図7の記載に基づくものであるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、上記アのとおり、発明特定事項を限定するものであり、カテゴリーを変更するものでなく、かつ発明の対象や目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第6項に適合する。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項6について、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御」が「前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」点を限定するものであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、明細書の段落【0028】、【0029】の記載に基づくものであるから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、上記アのとおり、発明特定事項を限定するものであり、カテゴリーを変更するものでなく、かつ発明の対象や目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第6項に適合する。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項7について、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御」が「前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」点を限定するものであるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、明細書の段落【0028】、【0029】の記載に基づくものであるから、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、上記アのとおり、発明特定事項を限定するものであり、カテゴリーを変更するものでなく、かつ発明の対象や目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第6項に適合する。

(5)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1、5、6、7について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1、5、6、7に係る発明(以下「本件発明1」、「本件発明5」、「本件発明6」、「本件発明7」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1、5、6、7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
ただし、(1A)?(7F)は当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件1A」?「構成要件7F」という。

(本件発明1)
(1A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(1B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(1C)前記制御装置は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
(1D)前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
(1E)前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
(1F)前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、
(1A)制御装置。

(本件発明5)
(5A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(5B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(5C)前記制御装置は、
ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、
前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、
(5A)制御装置。

(本件発明6)
(6A)充放電制御システムであって、
(6B)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置と、
(6C)前記蓄電装置に接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
(6D)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(6E)予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
(6F)前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
(6G)前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
(6H)前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、
(6A)充放電制御システム。

(本件発明7)
(7A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置の制御方法であって、
(7B)前記制御装置は、前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを有し、
(7C)前記制御方法は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行することを含み、
(7D)前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
(7E)前記制御方法は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替えることをさらに含み、
(7F)前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、
(7A)制御方法。

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1、5、6、7に係る特許に対して平成31年3月29日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

A(進歩性)本件特許の請求項1、5、6、7に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


甲第1号証:国際公開第2014/068874号
甲第2号証:特開2012-235541号公報
甲第4号証:特開2002-328177号公報

3 甲各号証の記載及び甲各号証に記載された発明
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証の記載事項
[0061]
分電盤100は、系統電源11と、太陽光発電パネル(PVパネル)13、燃料電池(FC)14、および蓄電池(SB)15等の電力供給装置とから供給される電力を建物に設けられる負荷(機器124?126および自立機器121?123)に供給する制御を行う分電盤である。特に、分電盤100は、系統電源11が電力を供給していない場合でも、自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給する。また、分電盤100は、図1に示すように主分電盤101、自立分電盤102、および自立切り替え器103を備えている。
[0062]
主分電盤101は、分岐回路を有する分電盤であり、系統電源11、太陽光発電パネル13、燃料電池14、および蓄電池15から供給される電力を機器124?126それぞれに供給する制御を行う。また、主分電盤101は、制御部104、蓄電部105、停電準備スイッチ106、ブレーカー134?136、142、主幹ブレーカー141、リレー143、および変流器(CT)144を備えている。

[0065]
制御部104は、後述するように停電の検知および分電盤100の動作を制御する。
[0066]
蓄電部105は、例えば蓄電池であり、系統電源11から供給される電力を充電する。そして、蓄電部105は、停電時に、分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給する。なお、蓄電部105は、停電時に、太陽光発電パネル13、燃料電池14、および蓄電池15から供給される電力を充電してもよい。
[0067]
停電準備スイッチ106は、通常充電と停電準備充電とを切り替えるためのスイッチである。例えば、電力会社等からの情報により停電が予想される場合に、ユーザが停電準備スイッチ106をオンにすることにより、停電準備充電に切り替わる。

[0080]
制御部104は、図2に示すように充電制御部151、検知部152、および切替制御部153を備えている。
[0081]
充電制御部151は、系統電源11から蓄電部105へ充電する際、蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)に蓄電部105への充電を抑制(制御)する通常充電と、蓄電部105への充電を総充電容量まで行う停電準備充電とを、切り替えて蓄電部105への充電を行う。また、充電制御部151は、停電準備スイッチ106がオンされた場合に、停電準備充電に切り替えて蓄電部105への充電を行い、停電準備スイッチ106がオフされた場合に、通常充電に切り替えて蓄電部105への充電を行う。
[0082]
検知部152は、系統電源11から電力が供給されない状態である停電を検知する。
[0083]
切替制御部153は、検知部152で検知された情報に基づいて、リレー143および自立切り替え器103を制御する。

[0087]
一方、電力供給装置からの電力だけを供給する場合、太陽光発電パネル13、燃料電池14、および蓄電池15は、主分電盤101に電力を供給しない。
[0088]
パワーコンディショナー12は、自立切り替え器103を介して自立分電盤102に電力を供給する。自立分電盤102は、自立機器121?123に電力を供給する。

[0092]
充電制御部151は、停電準備スイッチ106がオフであるか否かを判定する(ステップS101)。この判定の結果、停電準備スイッチ106がオフである場合(ステップS101でYES)、充電制御部151は、蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)に蓄電部105への充電を抑制する通常充電で、蓄電部105への充電を行う(ステップS102)。充電制御部151は、総充電容量に対して低い所定の充電割合(例えば7割)に蓄電部105への充電を抑制するように、図4Aに示すように定電流充電401を行った後、充電電圧Aで定電圧充電402を行う。充電制御部151は、蓄電部105への充電が所定の充電割合(第1割合)になったか否かを判定する(ステップS103)。所定の充電割合になった場合(ステップS103でYES)、充電制御部151は、蓄電部105への充電を停止する(ステップS104)。所定の充電割合になっていない場合(ステップS103でNO)、充電制御部151は、通常充電で蓄電部105への充電を行う(ステップS102)。
[0093]
一方、停電準備スイッチ106がオフでない、すなわちオンである場合(ステップS101でNO)、充電制御部151は、蓄電部105への充電を総充電容量まで行う停電準備充電で、蓄電部105への充電を行う(ステップS105)。充電制御部151は、充電の抑制を行わず、総充電容量まで充電を行うように、図4Bに示すように定電流充電403を行った後、充電電圧Bで定電圧充電404を行う。充電制御部151は、蓄電部105への充電が満充電になったか否かを判定する(ステップS106)。満充電になった場合(ステップS106でYES)、充電制御部151は、蓄電部105への充電を停止する(ステップS104)。満充電になっていない場合(ステップS106でNO)、充電制御部151は、停電準備充電で蓄電部105への充電を行う(ステップS105)。なお、ここでは、停電準備充電において、充電の抑制を行わず、総充電容量まで充電を行っているが、例えば、通常充電における所定の充電割合(第1割合:例えば7割)より大きい所定の充電割合(第2割合:例えば9割)に蓄電部105への充電を抑制しても構わない。
[0094]
充電制御部151は、蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下したか否かを判定する(ステップS107)。この判定の結果、所定の充電割合まで低下している場合(ステップS107でYES)、停電準備スイッチ106がオフであるか否かの判定処理(ステップS101)に戻る。一方、所定の充電割合まで低下していない場合(ステップS107でNO)、所定の充電割合まで低下したか否かの判定処理(ステップS107)を繰り返す。

[0103]
(実施の形態2)
実施の形態1では、充電制御部は、停電準備スイッチ106のオンオフに応じて通常充電と停電準備充電との切り替えを行っているのに対して、本実施の形態2では、停電準備スイッチ106のオンオフに加え、電力会社等からの停電情報に応じて通常充電と停電準備充電との切り替えを行っている。ここで、本実施の形態2における分電盤の構成は図1に示す実施の形態1と同様であり、制御部104の構成が制御部200の構成となる。

[0105]
制御部200は、図6に示すように停電情報取得部201、充電制御部202、検知部152、および切替制御部153を備えている。
[0106]
停電情報取得部201は、ネットワークを介して例えば電力会社等から停電の予定を示す停電情報を取得する。
[0107]
充電制御部202は、系統電源11から蓄電部105へ充電する際、蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)に蓄電部105への充電を抑制する通常充電と、蓄電部105への充電を総充電容量まで行う停電準備充電とを、切り替えて蓄電部105への充電を行う。また、充電制御部202は、停電準備スイッチ106がオンされた場合に、停電準備充電に切り替えて蓄電部105への充電を行い、停電準備スイッチ106がオフされた場合に、通常充電に切り替えて蓄電部105への充電を行う。さらに、充電制御部202は、停電情報取得部201によって停電情報が取得された場合に、停電準備充電に切り替えて蓄電部105への充電を行い、停電情報取得部201によって停電情報が取得されていない場合に、通常充電に切り替えて蓄電部105への充電を行う。

[0109]
充電制御部202は、停電準備スイッチ106がオフであるか否かを判定する(ステップS101)。この判定の結果、停電準備スイッチ106がオフである場合(ステップS101でYES)、充電制御部202は、停電情報取得部201によって停電情報が取得されているか否かを判定する(ステップS201)。この判定の結果、停電情報が取得されていない場合(ステップS201でNO)、充電制御部202は、蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)に蓄電部105への充電を抑制する通常充電で、蓄電部105への充電を行う(ステップS102)。
[0110]
一方、停電準備スイッチ106がオフでない、すなわちオンである場合(ステップS101でNO)および停電情報取得部201によって停電情報が取得されている場合(ステップS201でYES)、充電制御部202は、蓄電部105への充電を総充電容量まで行う停電準備充電で、蓄電部105への充電を行う(ステップS105)。
[0111]
通常充電および停電準備充電を行った場合ともに、以降の処理は上記実施の形態1と同様である。

[0114]
また、本実施の形態では、停電情報取得部201が、ネットワークを介して例えば電力会社等から停電の予定を示す停電情報を取得する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、停電情報取得部201が台風シーズン等のカレンダ情報を取得し、充電制御部202が台風シーズンには停電準備充電を行い、台風シーズン以外には通常充電を行うように制御しても構わない。また、例えば、停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば充電制御部202が停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ通常充電を行うように制御しても構わない。

[0121]
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4における分電盤を含む電力供給システムの構成を示す図である。なお、図1に示す実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
[0122]
図9に示された電力供給システム20は、機器124?126および自立機器121?123へ電力を供給する。以下に、図9に示された各構成要素を具体的に説明する。
[0123]
分電盤400は、系統電源11から供給される電力を建物に設けられる負荷(機器124?126および自立機器121?123)に供給する制御を行う分電盤である。また、分電盤400は、系統電源11が電力を供給していない場合に、蓄電部(蓄電池パック)から供給される電力を自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給する。また、分電盤400は、図9に示すように主分電盤401、自立分電盤402、および自立切り替え器403を備えている。

[0156]
以上、一つまたは複数の態様に係る分電盤および蓄電池パックについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。

イ 甲第1号証に記載された発明
実施の形態2における制御部200を甲第1号証に記載された発明(以下「甲1発明」という。)として認定する。
構成を区別するために符号1a?1hを付与した。以下各構成を「構成1a」?「構成1h」という。また、各構成の末尾に対応する甲第1号証の段落番号を付した。

(甲1発明)
(1a)系統電源11と、太陽光発電パネル(PVパネル)13、燃料電池(FC)14、および蓄電池(SB)15等の電力供給装置とから供給される電力を機器124?126および自立機器121?123に供給する制御を行う分電盤100であり、蓄電部105を備えた主分電盤101、自立分電盤102および自立切り替え器103を備えた分電盤100を制御する制御部200[0061、0062、0065、0103]であって、
(1b)前記分電盤100は、前記系統電源11が電力を供給していない場合でも、前記自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給し[0061]、
(1c)前記蓄電部105は、停電時に、前記分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給し[0066]、
(1d)前記制御部200は、停電情報取得部201、充電制御部202、検知部152、切替制御部153を備え[0105]、
(1e)前記切替制御部153は、前記検知部152で検知された停電情報に基づいて、自立切り替え部103を制御することにより、自立機器121?123に電力を供給し[0082、0083、0088]、
(1f)前記充電制御部202は、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得された場合に、停電準備充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得されていない場合に、通常充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、ここで、前記通常充電は、前記蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)の充電であり、前記停電準備充電は、満充電時の総充電容量の充電であり[0107]、
(1g)前記充電制御部202は、前記蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下している場合、前記蓄電部105への前記通常充電又は前記停電準備充電を行い[0111、0094]、
(1h)前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ前記蓄電部105への通常充電を行うように制御する[0114]、
(1a)制御部。

ウ 甲第1号証に記載された技術事項
甲第1号証の段落[0123]によると、甲第1号証の実施の形態4には次の技術(以下「甲1技術」という。)が記載されている。

(甲1技術)
「系統電源11から供給される電力を機器124?126および自立機器121?123に供給する制御を行い、系統電源11が電力を供給していない場合に、蓄電部から供給される電力を自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給する技術」

(2)甲第2号証
ア 甲第2号証の記載事項
【0045】
具体的には、緊急度が「高」であることを表す緊急度情報と、蓄電量が満充電量であることを表す蓄電量情報と、蓄電池220の放電を抑制するように充放電装置210を制御すること(以下、放電抑制制御という)を表す制御情報とが対応付けられている。これは、蓄電池220の蓄電量を満充電量のまま維持することで、電気機器140及び電気設備150へ停電時に供給される電力を最大限確保するためである。

イ 甲第2号証に記載された技術
上記アの記載事項によると、甲第2号証には次の技術(以下「甲2技術」という。)が記載されている。

(甲2技術)
「電気機器140及び電気設備150へ停電時に供給される電力を最大限確保するために、蓄電池220の蓄電量を満充電量のまま維持する技術」

(3)甲第4号証
ア 甲第4号証の記載事項
【0007】即ち、本発明は、予め、気象情報の提供を受ける利用者に、希望する気象監視条件を設定させ、気象情報提供システムが取得した最新の気象情報が、前記気象監視条件に適合した時に、この気象情報を、利用者が保有する利用者端末装置に送信する気象情報提供システムを提供することを目的とする。

【0028】また、このシステムでは、前記気象監視条件が、例えば、短期予報情報および週間予報情報に於ける監視地域と監視予報日と監視予報時刻と監視気象とを内容とする対象情報指定、アメダス地域情報に於ける監視地域と1時間監視降水量とを内容とする対象情報指定、アメダス時系列情報に於ける監視地域と1時間監視降水量と24時間積算監視降水量とを内容とする対象情報指定、気象レーダー情報に於ける監視地域と雨雲の監視強度とを内容とする対象情報指定、注意報警報情報に於ける監視地域と監視注意報警報を内容とする対象情報指定、台風情報に於ける監視予報時刻と監視地域と監視気象を内容とする対象情報指定とから選択される。また、要すれば、前記利用者によって特定された領域についてそれらを設定できる構成になっている。

イ 甲4周知技術
上記アの記載事項によると、甲第4号証には、以下の周知技術(以下、「甲4周知技術」という。)が記載されている。

(甲4周知技術)
注意報警報情報に於ける監視地域と監視注意報警報を内容とする対象情報指定、台風情報に於ける監視予報時刻と監視地域と監視気象を内容とする対象情報指定などの気象監視条件の領域を、気象情報の提供を受ける利用者が指定する技術

(4)甲第3号証
ア 甲第3号証の記載事項
特許異義申立ての証拠として提出された特開2002-328177号公報(甲第3号証)には、次の事項が記載されている。

【0013】
本発明は、電力系統が瞬低から正常復帰した場合に瞬低発生直前の状態に迅速に復帰させることができるパワーコンディショナの瞬低回復時の運転安定化方法、パワーコンディショナ、パワーコンディショナの瞬低回復時の運転安定化用プログラムを提供することを目的とする。

【0017】
したがって、内部直流電圧Vdcに基づいて電力系統の瞬時電圧低下現象を検出すると、運転モードが通常モードから瞬低モードに切り換えられる。瞬低モードでは、出力電流iacが瞬低発生直前の値になるようにインバータ回路を制御するので、瞬低期間中にも出力電流iacを瞬低直前の値に維持することができる(出力電流一定制御)。また、出力電流iacを瞬低直前の値に維持することで、内部直流電圧Vdcの過大な上昇が予想されるが、内部直流電圧Vdcが予め設定された目標値になるように昇圧チョッパ部を操作して直流入力電流iinを変化させることで、内部直流電圧Vdcの過大な上昇を抑制することができる(内部直流電圧Vdc一定制御)。
【0018】
そして、内部直流電圧Vdcに基づいて瞬時電圧低下現象の収束を検出すると、運転モードが瞬低モードから通常モードに戻される。これにより、インバータ回路側は出力電流一定制御を解除し、内部直流電圧Vdcに基づく制御に復帰する。また、昇圧チョッパ部側は内部直流電圧Vdc一定制御が解除され、最大電力追従制御に復帰する。

イ 甲3周知技術
上記アの記載事項によると、甲第3号証には、以下の周知技術(以下、「甲3周知技術」という。)が記載されている。

(甲3周知技術)
電力系統の瞬時電圧低下現象を検出すると、パワーコンディショナの運転モードを通常モードから瞬低モードに切り換え、その後、瞬時電圧低下現象の収束を検出すると、運転モードを瞬低モードから通常モードに戻す技術

4 判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について(進歩性)
ア 本件発明1
(ア)本件発明1、甲1発明
本件発明1と甲1発明とを対比するにあたり、本件発明1と甲1発明とを再掲する。

(本件発明1)
(1A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(1B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(1C)前記制御装置は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
(1D)前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
(1E)前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
(1F)前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、
(1A)制御装置。

(甲1発明)
(1a)系統電源11と、太陽光発電パネル(PVパネル)13、燃料電池(FC)14、および蓄電池(SB)15等の電力供給装置とから供給される電力を機器124?126および自立機器121?123に供給する制御を行う分電盤100であり、蓄電部105を備えた主分電盤101、自立分電盤102および自立切り替え器103を備えた分電盤100を制御する制御部200であって、
(1b)前記分電盤100は、前記系統電源11が電力を供給していない場合でも、前記自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給し、
(1c)前記蓄電部105は、停電時に、前記分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給し、
(1d)前記制御部200は、停電情報取得部201、充電制御部202、検知部152、切替制御部153を備え、
(1e)前記切替制御部153は、前記検知部152で検知された停電情報に基づいて、自立切り替え部103を制御することにより、自立機器121?123に電力を供給し、
(1f)前記充電制御部202は、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得された場合に、停電準備充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得されていない場合に、通常充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、ここで、前記通常充電は、前記蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)の充電であり、前記停電準備充電は、満充電時の総充電容量の充電であり、
(1g)前記充電制御部202は、前記蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下している場合、前記蓄電部105への前記通常充電又は前記停電準備充電を行い、
(1h)前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ前記蓄電部105への通常充電を行うように制御する、
(1a)制御部。

(イ)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。

a 構成要件1Aについて
構成1aの「制御部200」、「蓄電部105」は、それぞれ構成要件1Aの「制御装置」、「蓄電装置」に相当する。
甲1発明の「制御部200」は、構成1d、1fによると、蓄電部105への充電を行うから、「蓄電部105」に接続されているといえる。
甲1発明の「蓄電部105」は、構成1cによると、「前記分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給」するから、「1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置」といえる。
したがって、本件発明1と甲1発明とは、「1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置」として一致する。

b 構成要件1B、1Cについて
甲1発明は、「前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ前記蓄電部105への通常充電を行うように制御する」(構成1h)ものである。
当該制御は、「前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含む」(構成要件1B)といえ、本件発明1の「制御装置」に相当する甲1発明の「制御部200」は、「予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行」する(構成要件1C)といえる。

c 構成要件1Dについて
甲1発明は、「前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行う」ものであり(構成1h)、構成1fによると、「停電準備充電」は「満充電時の総充電容量の充電」であるから、「前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電する制御」である点で、構成要件1Dと共通する。
しかしながら、「満充電にする制御」が、本件発明1においては、「満充電になるとその状態を維持する制御」であるのに対し、甲1発明は、「前記蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下している場合、前記蓄電部105への前記通常充電又は前記停電準備充電を行う」制御(構成1g)である点で相違する。

d 構成要件1Eについて
構成1fは、「前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ通常充電を行うように制御する」であり、当該制御は、「前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象梢報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替える」(構成要件1E)ものといえる。

e 構成要件1Fについて
甲1発明は、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」(構成要件1F)ものでなく、本件発明1と相違する。

(ウ)一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
(1A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(1B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(1C)前記制御装置は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
(1D’)前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電する制御であり、
(1E)前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替える、
(1A)制御装置。

(相違点1)
「満充電にする制御」が、本件発明1においては、「満充電になるとその状態を維持する制御」であるのに対し、甲1発明は、「前記蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下している場合、前記蓄電部105への前記通常充電又は前記停電準備充電を行う」制御である点

(相違点2)
本件発明1は、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」ものであるのに対し、甲1発明は、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」ものでない点

(エ)判断
相違点2について検討する。
甲1発明は、停電時に、蓄電部が分電盤に含まれる各構成要素電力供給するものであって、構成1hのとおり、雷や大雨などの警報もしくは注意情報を取得し、当該情報により蓄電部への停電準備充電又は通常充電をするように制御するものであり、このような制御において、「前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む」制御にする動機は見当たらない。
上記3(2)イのとおり、甲第2号証には、「電気機器140及び電気設備150へ停電時に供給される電力を最大限確保するために、蓄電池220の蓄電量を満充電量のまま維持する技術」が記載され、上記3(4)イのとおり、「電力系統の瞬時電圧低下現象を検出すると、パワーコンディショナの運転モードを通常モードから瞬低モードに切り換え、その後、瞬時電圧低下現象の収束を検出すると、運転モードを瞬低モードから通常モードに戻す技術」は周知技術であるが、甲1発明に、甲2技術、周知技術を適用しても構成要件1Fの構成を導き出すことはできない。
したがって、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。

イ 本件発明7
本件発明7は、本件発明1の装置の発明をカテゴリーの異なる方法の発明としたものである。
甲第1号証に甲1発明が記載されていることは上記3(1)イのとおりであり、甲第1号証には甲1発明の動作も記載されていると認められ、甲1発明の動作を方法の発明として認定することができる。以下当該方法の発明を「甲1発明2」という。
本件発明7と甲1発明2とを対比すると、上記ア(ウ)の相違点1、2と同様な相違点1、2があり、相違点2の判断は、上記ア(エ)と同様である。
したがって、本件発明7は、甲1発明2に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。

ウ 本件発明6について
本件発明6は、本件発明1の制御装置と、当該制御装置の充放電制御の対象の蓄電装置とを備える充放電システムである。
本件発明1の制御装置が甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められないことは、上記アのとおりであるから、本件発明6も同様に甲1発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。

エ 本件発明5について
(ア)本件発明5、甲1発明
本件発明5と甲1発明とを対比するにあたり、本件発明5と甲1発明とを再掲する。

(本件発明5)
(5A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(5B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
(5C)前記制御装置は、
ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、
前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、
(5A)制御装置。

(甲1発明)
(1a)系統電源11と、太陽光発電パネル(PVパネル)13、燃料電池(FC)14、および蓄電池(SB)15等の電力供給装置とから供給される電力を機器124?126および自立機器121?123に供給する制御を行う分電盤100であり、蓄電部105を備えた主分電盤101、自立分電盤102および自立切り替え器103を備えた分電盤100を制御する制御部200であって、
(1b)前記分電盤100は、前記系統電源11が電力を供給していない場合でも、前記自立機器121?123のそれぞれへ電力を供給し、
(1c)前記蓄電部105は、停電時に、前記分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給し、
(1d)前記制御部200は、停電情報取得部201、充電制御部202、検知部152、切替制御部153を備え、
(1e)前記切替制御部153は、前記検知部152で検知された停電情報に基づいて、自立切り替え部103を制御することにより、自立機器121?123に電力を供給し、
(1f)前記充電制御部202は、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得された場合に、停電準備充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、前記停電情報取得部201によって停電情報が取得されていない場合に、通常充電に切り替えて前記蓄電部105への充電を行い、ここで、前記通常充電は、前記蓄電部105の満充電時の総充電容量に対して低い所定の充電割合(第1割合)の充電であり、前記停電準備充電は、満充電時の総充電容量の充電であり、
(1g)前記充電制御部202は、前記蓄電部105の充電容量が充電を必要とする所定の充電割合(例えば5割)まで低下している場合、前記蓄電部105への前記通常充電又は前記停電準備充電を行い、
(1h)前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ前記蓄電部105への通常充電を行うように制御する、
(1a)制御部。

(イ)対比
本件発明5と甲1発明とを対比する。

a 構成要件5Aについて
構成1aの「制御部200」、「蓄電部105」は、それぞれ構成要件5Aの「制御装置」、「蓄電装置」に相当する。
甲1発明の「制御部200」は、構成1d、1fによると、蓄電部105への充電を行うから、「蓄電部105」に接続されているといえる。
甲1発明の「蓄電部105」は、構成1cによると、「前記分電盤100に含まれる各構成要素に電力を供給」するから、「1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置」といえる。
したがって、本件発明5と甲1発明とは、「1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置」として一致する。

b 構成要件5Bについて
甲1発明は、「前記停電情報取得部201が雷や大雨などの警報もしくは注意報の情報を取得し、雷や大雨などの警報もしくは注意報が発令されていれば前記充電制御部202が前記蓄電部105への停電準備充電を行い、警報および注意報が発令されていなければ前記蓄電部105への通常充電を行うように制御する」(構成1h)ものである。
当該制御は、「前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含む」(構成要件5B)といえる。
したがって、本件発明5と甲1発明とは、「前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含む」として一致する。

c 構成要件5Cについて
甲1発明は、「前記制御装置は、ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する」(構成要件5C)ものではなく、本件発明5と相違する。

(ウ)一致点、相違点
以上によると、一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
(5A)1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
(5B)前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含む、
(5A)制御装置。

(相違点)
本件発明5においては、「前記制御装置は、ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する」のに対し、甲1発明においては、当該気象情報の対象とする地域を設定するものではなく、気象情報の種類を設定するものでもない点

(エ)判断
「前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する」ことは、甲第2号証?甲第4号証に開示されていないし、自明なこととも認められない。
したがって、甲1発明に甲第2号証ないし甲4号証に記載された技術事項を適用しても、構成要件5Cの構成を導き出すことはできない。
よって、本件発明5は、甲1発明、甲第2号証ないし甲4号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。

(2)取消理由通知書に記載した取消理由以外の異議申立て理由について
新規性
特許異議申立人は、本件発明1、6、7は、甲第1号証に記載された発明であると主張する。
しかしながら、上記(1)ア、イ、ウのとおり、本件発明1、6、7と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、相違する点がある。
したがって、本件発明1、6、7は、甲第1号証の記載された発明ではないから、特許申立人の主張は採用できない。

イ 新規事項
特許異議申立人は、
「平成30年11月2日付け提出の手続補正書による補正(以下、「第1回補正」という)後の発明では、本件の出願当初の特許請求の範囲に規定されていた「予め規定された期間外部からの気象情報が取得されない場合」または「予め規定された回数外部からの気象情報の取得が不成功であった場合」が「予め規定された種類の気象情報が解除された場合」という全く別の条件に置き換わっており、これでは「気象情報を提供するサーバ等の外部との通信が遮断されても充放電制御の適正化を図る」との課題が解決されないことは、本件の出願当初明細書に接した当業者によって当然に理解される事項である。
したがって、上記構成を特許請求の範囲から削除する第1回補正は、新規事項を追加する補正であるといえる(特許法第17条の2第3項)。」(特許異議申立書15頁20行?16頁1行)
と主張するので、検討する。

本件特許に係る経緯をみると、特許請求の範囲の補正である第1回補正のあとに、特許請求の範囲の補正である令和1年10月10日付け手続補正(以下「第2回補正」という。)がなされている。
そして、本件訂正請求により、特許請求の範囲の請求項1、5、6、7が訂正された。
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1、5、6、7に係る発明は、前記第3の1のとおりであり、請求項2?4に係る発明は、第2回補正の特許請求の範囲の請求項2?4に記載された事項により特定されるとおりのものである。
本件特許の願書に最初に添付した明細書の段落【0027】?【0031】は、次のとおりである。

【0027】
<動作概要>
本実施の形態にかかる充放電制御システムは、サーバ200などの外部から提供される気象情報に基づいて蓄電装置300の充放電制御を実行する。気象情報は、たとえば気象庁の発表する気象情報であり、大雨、暴風などのカテゴリごとに特別警報、警報、および注意報などの種類が設定されている。外部装置の一例としてのサーバ200は、気象庁の発表する気象情報を提供するサーバを含み、または、該サーバから気象情報を取得可能なサーバを含む。
【0028】
本充放電制御システムに含まれる制御装置100は、予め規定された種類の気象情報が発令されていない期間は、通常の充放電制御を実行する。通常の充放電制御は、たとえば、夜間などの電力料金が安い時間帯に充電し、昼間などの電力料金が高い時間帯に電気機器400に電力供給(放電)するように蓄電装置300を制御するものである。また、通常の充放電制御は、たとえば、夜間などの電気機器400からの電力需要の少ない時間帯に充電し、昼間などの電気機器400からの電力需要の高まる時間帯に電気機器400に電力供給(放電)するように蓄電装置300を制御するものである。
【0029】
通常の充放電制御を実行し、電気機器400に電力供給(放電)するように蓄電装置300を制御している期間に、予め規定された種類の気象情報をサーバ200から取得することで、制御装置100は、気象情報対応制御に切り替える。気象情報対応制御とは、蓄電池を満充電になるように充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御である。気象情報対応制御中に停電が発生した場合には、放電が開始される。当該気象情報が解除された場合に、制御装置100は、気象情報対応制御を終了して通常の充放電制御、つまり電気機器400に電力供給(放電)する制御に切り替える。
【0030】
この制御を実現するために、制御装置100は、気象情報の種類ごとに実行する充放電制御を予めメモリ13に記憶している。図4は、気象情報の種類ごとの実行する充放電制御の関係の一例を表わした図である。図4を参照して、制御装置100は、たとえば、大雨および暴風(強風)のカテゴリについては、特別警報および警報が発令されると気象情報対応制御を行ない、波浪のカテゴリについては特別警報が発令されると気象情報対応制御を行なうと記憶している。制御装置100は、サーバ200から気象情報を取得するとメモリ13に記憶している図4の関係を参照して実行する充放電制御を決定する。
【0031】
制御装置100は、予め規定された時間間隔でサーバ200に問い合わせて気象情報を取得を試みる。気象情報が取得され、気象情報対応制御を開始してから該当する気象情報の種類の警報等が解除された場合に、制御装置100は速やかに気象情報対応制御を終了して通常の充放電制御、つまり電気機器400に電力供給(放電)する制御に切り替えることができる。

現在の特許請求の範囲は、全て上記の本件特許の願書に最初に添付した明細書の段落【0027】?【0031】に記載されていると認められる。
したがって、現在の特許請求の範囲は、全て願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であると認められ、本件特許は、特許法第17条の2第3項に違反してなされたものではない。
よって、特許異議申立人の主張は採用できない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1、5、6、7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1、5、6、7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
前記制御装置は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、制御装置。
【請求項2】
1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
前記制御装置は、ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記所定の設定画面は、前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類の選択を受け付ける項目を含む、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置であって、
前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
前記制御装置は、
ユーザの入力を受け付ける所定の設定画面に対して入力された内容に基づいて前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の対象とする地域を設定し、
前記ユーザが選択した前記気象情報対応モードでの制御に関連付ける気象情報の種類を設定する、制御装置。
【請求項6】
充放電制御システムであって、
1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置に接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを含み、
予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行し、
前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
前記制御装置は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替え、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、充放電制御システム。
【請求項7】
1以上の電気機器に電力を供給可能な蓄電装置に接続された制御装置の制御方法であって、
前記制御装置は、前記蓄電装置の充放電制御として、外部から取得する気象情報に応じて前記蓄電装置の充放電制御を行なう気象情報対応モードを有し、
前記制御方法は、予め規定された種類の気象情報を外部から取得した場合に、前記気象情報対応モードでの制御を実行することを含み、
前記気象情報対応モードでの制御は、前記蓄電装置の充電を開始し、満充電になるとその状態を維持する制御であり、
前記制御方法は、前記気象情報対応モードでの制御に切り替えた後、前記予め規定された種類の気象情報が解除された場合に、前記気象情報対応モードでの制御から前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御に切り替えることをさらに含み、
前記気象情報対応モードでの制御に切り替える前の充放電制御は、前記1以上の電気機器に電力供給するように前記蓄電装置を制御することを含む、制御方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-12-18 
出願番号 特願2018-188808(P2018-188808)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (H02J)
P 1 652・ 851- YAA (H02J)
P 1 652・ 55- YAA (H02J)
P 1 652・ 113- YAA (H02J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 下林 義明  
特許庁審判長 千葉 輝久
特許庁審判官 小池 正彦
渡辺 努
登録日 2019-11-29 
登録番号 特許第6621892号(P6621892)
権利者 シャープ株式会社
発明の名称 制御装置、充放電制御システムおよび制御方法  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

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