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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1371968
審判番号 不服2019-11994  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-11 
確定日 2021-03-10 
事件の表示 特願2016-542194「手術可視化システム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月 2日国際公開、WO2015/100310、平成29年 3月23日国内公表、特表2017-507680〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)12月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年(平成25年)12月23日 (US)アメリカ合衆国、2013年(平成25年)12月26日 (US)アメリカ合衆国、2013年(平成25年)12月27日 (US)アメリカ合衆国、2013年(平成25年)12月30日 (US)アメリカ合衆国、2014年(平成26年)1月2日 (US)アメリカ合衆国、2014年(平成26年)12月5日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
平成28年 8月23日 :手続補正書の提出
平成29年12月18日 :手続補正書の提出
平成30年10月24日付け:拒絶理由通知書
平成31年 3月14日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 1年 5月 7日付け:拒絶査定
令和 1年 9月11日 :審判請求書、同時に手続補正書の提出

第2 令和1年9月11日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和1年9月11日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所であり、当審が付与したものである。)
「【請求項1】
医療装置であって、
少なくとも1つのディスプレイデバイスと、
第1の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第1のディスプレイ部分と、
第2の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第2のディスプレイ部分と、
複数のソースからの画像に対応する1つ以上の信号を受信するとともに、前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分を駆動して、前記複数のソースからの前記画像に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の画像及び前記第2の画像を生成するように構成されている電子機器と、
前記第1の画像及び前記第2の画像を前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分から受け取るとともに、視認者が見るために前記第1の画像及び前記第2の画像を組み合わせるように構成されている第1のビームコンバイナと、
第3の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第3のディスプレイ部分と、
第4の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第4のディスプレイ部分と、
前記第3の画像及び前記第4の画像を前記第3のディスプレイ部分及び前記第4のディスプレイ部分から受け取るとともに、前記視認者が見るために前記第3の画像及び前記第4の画像を組み合わせるように構成されている第2のビームコンバイナと、
を備える、医療装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成31年3月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
医療装置であって、
少なくとも1つのディスプレイデバイスと、
第1の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第1のディスプレイ部分と、
第2の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第2のディスプレイ部分と、
複数のソースからの画像に対応する1つ以上の信号を受信するとともに、前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分を駆動して、前記複数のソースからの前記画像に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の画像及び前記第2の画像を生成するように構成されている電子機器と、
前記第1の画像及び前記第2の画像を前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分から受け取るとともに、視認者が見るために前記第1の画像及び前記第2の画像を組み合わせるように構成されている第1のビームコンバイナと、
を備える、医療装置。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「少なくとも1つのディスプレイデバイス」について、第3及び第4のディスプレイ部分とを備える点、並びに、当該第3及び第4のディスプレイ部分に表示される第3及び第4の画像を視認者が見るために組み合わせるように構成する第2のビームコンバイナを更に備えるとする限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載した事項により特定されるとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2004/0070822号明細書(2004年4月15日出願公開。以下「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(括弧内に当審訳を付記した。また、下線は、当審が付与したものである。以下同様。)
(ア)「[0221] Although the operating microscope is used as the first observational means and the image of the second observational means is superposed on the microscopic optical image according to the first to third embodiments, the present invention is not limited to this arrangement. It is to be understood that quite the same effects can be produced if the display image of the first observational means is a TV monitor.
(また、第1実施形態から第3実施形態では、手術用顕微鏡は第1観察手段として使用され、第2観察手段の像は顕微鏡光学像に重畳されたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1観察手段の表示画像がTVモニターであっても、全く同等の効果が得られることが理解されるべきである。)」

(イ)「[0249] FIGS. 22 and 23 show a configuration according to a fifth embodiment. Since left- and right-hand observational images of an affected region are processed in the same manner, the way of processing the left-hand observational image will now be described representatively.
(図22及び図23に第5実施形態に関する構成を示す。病変部の左右の観察像は同じ方法で処理されるので、ここでは、代表して、左側の観察像の処理方法について説明する。)

[0250] As in the case of the fourth embodiment, illumination or excitation light is applied to the affected region, and an image of the affected region is obtained by means of an image-pickup device 121L. The device 121L is connected to a video signal processor 135L for converting an image into a video signal. An output signal from the processor 135L is applied to a left-hand memory 136L. The memory 136L serves to binary-code the image, and its signal is applied to a left-hand mixer 137L that can superpose a plurality of video images. Output signals from the left-hand mixer 137L and a right-hand mixer 137R are applied to a 3D converter 139 to be converted into a three-dimensional video image thereby, whereupon the video image can be displayed on a 3D monitor 140.
(第4実施形態と同様に、照明光または励起光が病変部に照射され、その病変部の映像を撮像素子121Lによって得られる。撮像素子121Lは、映像をビデオ信号に変換するためビデオ信号処理部135Lに接続される。ビデオ信号処理部135Lからの出力信号は左側メモリ136Lに入力される。左側メモリ136Lはその映像を2値符号化する役割を果たし、その信号は複数のビデオ映像を重ね合わせることのできる左側ミキサー137Lに入力される。左側ミキサー137Lと右側ミキサー137Rの出力信号は3Dコンバータ139に入力されて3次元ビデオ映像に変換され、これによってそのビデオ映像は3Dモニター140に映し出される。)

[0251] Further, output signals from the left-hand video signal processor 135L and a right-hand video signal processor 135R are applied to the 3D converter 139 to be converted into a three-dimensional video image thereby, and the image can be displayed on the 3D monitor 140.
(また、左側ビデオ信号処理部135Lと右側ビデオ信号処理部135Rの出力信号は3Dコンバータ139に入力されて、3次元ビデオ映像に変換され、その映像は3Dモニター140に表示される。)

[0252] The WS 125 can apply the three-dimensional video image to bilateral screen dividing means 138, which can divide the three-dimensional video image into images with a lateral parallax. A left-hand video image is generated and applied to the left-hand mixer 137L. The mixer 137L is connected to a left-hand monitor 134L. Further, a lens 133L and a beam splitter 132L are arranged in order to guide the video image on the monitor 134L to the eyepiece 117L (see FIG. 22).
(WS125は、3次元ビデオ映像を、水平方向に視差のあるビデオ画像に分割処理できる左右画面分割手段138に入力する。左側ビデオ映像が生成され、左側ミキサー137Lに入力される。左側ミキサー137Lは左側モニター134Lに接続される。さらに、接眼レンズ117Lに左側モニター134Lのビデオ映像を導くため、レンズ133Lとビームスプリッタ132Lが配置される(図22参照)。)

[0253] With the arrangement described above, fluorescence is excited, and the resulting fluorescent image is delivered to left- and right-hand image-pickup devices 121L and 121R, as in the case of the fourth embodiment. Since video images applied to the image-pickup devices 121L and 121R are processed in the same manner, only the processing on the left-hand side will now be described. The fluorescent image obtained by means of the image-pickup device 121L is applied to the left-hand video signal processor 135L to be converted into a video signal thereby, and applied to the left-hand memory 136L and the 3D converter 139.
(上述のとおり配置されているので、第4実施形態と同様に、蛍光が励起されると、その蛍光像は左右の撮像素子121L及び121Rに送達されることとなる。撮像素子121L及び121Rに入力されたビデオ映像は同様に処理されるので、ここでは左側での処理についてのみ説明する。撮像素子121Lで得られた蛍光像は左側ビデオ映像信号処理部135Lに入力されてビデオ映像信号に変換され、左側メモリ136Lと3Dコンバータ139に入力される。)

[0254] In order to divide stereoscopic image information, based on the preoperative tomographic image information recorded in the WS 125, into images with a lateral parallax, moreover, the preoperative tomographic image is applied to the bilateral screen dividing means 138. In the left-hand mixer 137L, a left-hand image produced by the dividing means 138 is superposed on the signal from the left-hand memory 136L that binary-codes the signal from the left-hand video signal processor 135L.
(さらに、WS125に記録されている術前断層画像情報に基づいて、立体視的な画像情報を水平方向に視差のある画像に分割するために、術前断層画像は左右画面分割手段138に入力される。左側ミキサー137Lでは、左右画面分割処理手段138で生成された左側画像は、左側ビデオ映像信号処理部135Lの信号を2値符号化した左側メモリ136Lの信号の上に重ね合わせられる。)

[0255] A synthetic image delivered from the left-hand mixer 137L is applied to the 3D converter 139 and the left-hand monitor 134L. The converter 139 can convert the video image from the left- and right-hand mixers 137L and 137R into a three-dimensional image and display the image on the 3D monitor 140.
(左側ミキサー137Lから送達された合成画像は、3Dコンバータ139及び左側モニター134Lに入力される。3Dコンバータ139は左側ミキサー137L及び右側ミキサー137Rのビデオ映像を3次元画像に変換して、3Dモニター140にその画像を映し出すことができる。)

[0256] The light applied to the left-hand monitor 134L is guided to the eyepiece 117L via the lens 133L and the beam splitter 132L.
(また、左側モニター134Lに入力された光は、レンズ133L及びズームスプリッタ132Lを介して接眼レンズ117Lに導かれる。)」

(ウ)「[0266] FIG. 29 is a schematic view of an optical system of the body 205 of the operating microscope 201, and FIG. 30 is a block diagram of an electric circuit of the microscope 201. As shown in FIG. 29, the optical system of the body 205 of the operating microscope 201 according to the present embodiment is provided with a beam splitter 212 for dividing a microscopic image (incident light) into two parts for an operator-side optical system La and a mate-side optical system Lb. The light incident upon the beam splitter 212 is divided into two light beams, transmitted and reflected. The transmitted and reflected light beams, divided from the microscopic image by means of the beam splitter 212, are landed on the operator- and mate-side optical systems La and Lb, respectively.
(また、図29は、手術用顕微鏡201の本体205の光学系の概略構成図であり、図30は、手術用顕微鏡201の電気回路のブロック図である。図29に示すように、本実施形態の手術用顕微鏡201の本体205の光学系には、顕微鏡画像(入射光)を術者側光学系Laと助手側光学系Lbの2つの部位に分割するビームスプリッター212が設けられている。このとき、ビームスプリッター212への入射光は透過光と反射光の2つの光ビームに分割される。そして、顕微鏡の像はビームスプリッター212により分割された透過光と反射光は、それぞれ、術者側光学系Laと助手側光学系Lbに到達する。)

[0267] Further, the operator-side optical system La includes a main image display optical system La1 for displaying a main microscopic image and an in-field display optical system La2 for projecting an index and a sub-image, which is different from the main image, on a part of the microscopic field. The main image display optical system La1 is provided with an objective lens 213a, LCD 214a for microscopic image masking, total-reflection mirror 215a, imaging lens 216a, prism 217a, and eyepiece 218a. The LCD 214a is located on a first imaging point 213a1 of the objective lens 213a.
(さらに、術者側光学系Laは、顕微鏡像の主画像を表示する主画像表示光学系La1と、顕微鏡像の視野内の一部に指標と、主画像とは異なる副画像とを投影する視野内表示光学系La2とを含む。ここで、主画像表示光学系La1には、対物レンズ213a、顕微鏡像マスキング用LCD214a、全反射ミラー215a、結像レンズ216a、プリズム217a及び接眼レンズ218aが設けられている。対物レンズ213aによる第1結像点213a1には、顕微鏡像マスク用LCD214aが配置されている。)

[0268] The in-field display optical system La2 is provided with an LCD (in-field monitor) 219a for in-field display, imaging lens 220a, prism 217a, and eyepiece 218a. The prism 217a and the eyepiece 218a are used in common in the main image display optical system La1 and the in-field display optical system La2. The microscopic image from the main image display optical system La1 and an in-field display image from the in-field display optical system La2 are superposed and landed on the side of the eyepiece 218a by means of the prism 217a.
(視野内表示光学系La2には、視野内表示用LCD(視野内モニター)219a、結像レンズ220a、プリズム217a及び接眼レンズ218aが設けられている。プリズム217aと接眼レンズ218aとは、主画像表示光学系La1と視野内表示光学系La2とで共通に使用される。プリズム217aによって、主画像表示光学系La1の顕微鏡像と視野内表示光学系La2の視野内表示像は重ね合わせられ、接眼レンズ218a側に到達する。)

(中略)

[0271] In the operating microscope 201 according to the present embodiment, an endoscopic image from an endoscope 221 shown in FIG. 30 is displayed on the respective LCD's 219a and 219b for in-field display of the operator- and mate-side optical systems La and Lb. A TV camera head 222 is coupled to the endoscope 221. A CCTV unit 223 is connected to the camera head 222. The endoscopic image of the endoscope 221 is picked up by means of the camera head 222, and the resulting optical video image is photoelectrically converted by means of an image-pickup device (not shown) in the camera head 222. Thereafter, the image is applied as an electrical signal to the CCTV unit 223 and processed, whereupon a TV signal is outputted.
(また、本実施形態の手術用顕微鏡201では、術者側および助手側光学系LaおよびLbの視野内表示のための各視野内表示用LCD219aおよび219bには、図30に示す内視鏡221からの内視鏡像が表示される。内視鏡221にTVカメラヘッド222が接続される。TVカメラヘッド222にCCTVユニット223が接続される。内視鏡221の内視鏡像はカメラヘッド222によって撮像され、その光学ビデオ映像はTVカメラヘッド222に内蔵された撮像素子(図示しない)によって光電変換される。そののち、その画像は、電気信号としてCCTVユニット223に入力されて処理され、そこでTV信号が出力される。)

[0272] As shown in FIG. 30, moreover, an electric circuit block of the operating microscope 201 according to the present embodiment is provided with an operator-side processing system Ka and a mate-side processing system Kb. The CCTV unit 223 is connected with an in-field image generator circuit 224a of the operator-side processing system Ka and an in-field image generator circuit 224b of the mate-side processing system Kb.
(さらに、図30に示すように、本実施形態の手術用顕微鏡201の電気回路ブロックには、術者側処理系Kaと助手側処理系Kbとが設けられている。CCTVユニット223は、術者側処理系Kaの視野内画像生成回路224aと助手側処理系Kbの視野内画像生成回路224bとに接続されている。)

[0273] The operator-side processing system Ka is provided with a first LCD driver 225a for driving the LCD 214a for microscopic image masking, a second LCD driver 226a for driving the LCD 219a for in-field display, a display changing circuit 227a, the in-field image generator circuit 224a, and a microscopic image masking processor 228a. Further, the in-field image generator circuit 224a and the microscopic image masking processor 228a are connected with an in-field display controller (input means) 229 for inputting observation conditions in which the size, position, etc. of images to be displayed on the LCD's 219a and 219b for in-field display are changed.
(また、術者側処理系Kaは、顕微鏡像マスキング用LCD214aを駆動する第1のLCDドライバー225a、視野内表示用LCD219aを駆動する第2のLCDドライバー226a、表示切り替え処理回路227a、視野内画像生成回路224a及び顕微鏡像マスキング処理部228aが設けられている。さらに、視野内画像生成回路224aおよび顕微鏡像マスク処理部228aは、視野内表示用LCD219aおよび219bに表示する画像の大きさや位置などが変更される観察条件を入力する視野内表示コントローラー(入力手段)229に接続されている。)

[0274] Furthermore, the in-field image generator circuit 224a and the microscopic image masking processor 228a are connected to the input side of the display changing circuit 227a. The first and second LCD drivers 225a and 226a are connected to the output side of the circuit 227a.
(さらにまた、視野内画像生成回路224aおよび顕微鏡像マスキング処理部228aは表示切り替え処理回路227aの入力側に接続されている。第1および第2のLCDドライバー225aおよび226aが表示切り替え処理回路227aの出力側に接続されている。)

[0275] The output of the CCTV unit 223 is applied to the in-field image generator circuit 224a of the operator-side processing system Ka, the output of which is applied to the display changing circuit 227a. An output signal from the microscopic image masking processor 228a is also applied to the circuit 227a, the output of which is applied to the LCD drivers 225a and 226a. Further, output signals from the LCD drivers 225a and 226a are applied to the LCD 214a for microscopic image masking and the LCD 219a for in-field display, respectively.
(CCTVユニット223の出力は、術者側処理系Kaの視野内画像生成回路224aに入力され、その出力は表示切り替え処理回路227aに入力される。顕微鏡像マスキング処理部228aの出力信号も表示切り替え処理回路227aに入力され、その出力はLCDドライバー225aおよび226aに入力される。さらに、LCDドライバー225aおよび226aの出力信号は、顕微鏡像マスキング用LCD214aおよび視野内表示用LCD219aにそれぞれ入力される。)

(中略)

[0280] The position detecting encoder 211 is connected to the first and second rotation computing circuits 230 and 231. An output signal from the encoder 211 is applied to the circuits 230 and 231, while the control output of the in-field display controller 229 is applied to the in-field image generator circuits 224a and 224b and the microscopic image masking processors 228a and 228b.
(また、位置検出エンコーダー211は第1および第2の回転演算処理回路230および231にそれぞれ接続される。そして、位置検出エンコーダー211の出力信号が回転演算処理回路230および231に入力される一方で、視野内表示コントローラー229の制御出力が、視野内画像生成回路224aおよび224b、顕微鏡像マスキング処理部228aおよび228bに入力される。)

[0281] The following is a description of the function of the operating microscope 201. In starting the operation of the operating microscope 201 of the present embodiment, a microscopic image of an affected region in an operative field j (see FIG. 74) as an object of surgical operation is divided into two parts for the operator- and mate-side optical systems La and Lb by means of the beam splitter 212. The divided image for the operator-side optical system La is focused on the first imaging point 213a1 of the objective lens 213a, whereupon a microscopic image 232a for the optical system La is formed, as shown in FIG. 31A. Further, the image for the mate-side optical system Lb, divided by means of the beam splitter 212, is focused on the first imaging point 213b1 of the objective lens 213b, whereupon a microscopic image 232b for the optical system Lb is formed, as shown in FIG. 31A.
(次に、手術用顕微鏡201の機能について説明する。本実施形態の手術用顕微鏡201の使用開始時に、手術野j(図74参照)の病変部の顕微鏡像は外科手術の対象としてビームスプリッター212によって術者側および助手側光学系LaおよびLbに分割される。術者側光学系Laに分割された像は対物レンズ213aの第1結像点213a1に結像され、そこで、図31Aに示すように、術者側光学系Laの顕微鏡像232aが形成される。さらに、ビームスプリッター212によって分割された助手側光学系Lbの像は、対物レンズ213bの第1結像点213b1に結像され、そこで、図31Aに示すように、助手側光学系Lbの顕微鏡像232bが形成される。)

[0282] In FIG. 30, the endoscopic image shot by means of the endoscope 221 is picked up by means of the camera head 222. The resulting optical video image is photoelectrically converted by means of the image-pickup device (not shown) in the camera head 222. Thereafter, the image is applied as an electrical signal to the CCTV unit 223 and processed, whereupon a TV signal is outputted. The TV signal delivered from the CCTV unit 223 is applied to the respective in-field image generator circuits 224a and 224b of the operator and mate-side processing system Ka and Kb.
(図30において、内視鏡221によって撮影された内視鏡像はカメラヘッド222によって撮像される。その光学ビデオ映像はTVカメラヘッド222に内蔵された撮像素子(図示しない)によって光電変換される。そののち、その映像は電気信号としてCCTVユニット223に入力されて処理され、そこで、TV信号が出力される。このCCTVユニット223から出力されるTV信号は、術者側および助手側処理系KaおよびKbの視野内画像生成回路224aおよび224bのそれぞれに入力される。)

[0283] The output signal processed in the in-field image generator circuit 224a of the operator-side processing system Ka is applied to the display changing circuit 227a. As this is done, the output signal from the microscopic image masking processor 228a is also applied to the circuit 227a. Further, the output signal from the circuit 227a is applied to the LCD drivers 225a and 226a. The control signals from the LCD drivers 225a and 226a are applied to the LCD 214a for microscopic image masking and the LCD 219a for in-field display, respectively.
(術者側処理系Kaの視野内画像生成回路224aで処理された出力信号は、表示切り替え処理回路227aに入力される。このとき、顕微鏡像マスキング処理部228aの出力信号も表示切り替え処理回路227aに入力される。さらに、この表示切り替え処理回路227aの出力信号はLCDドライバー225aおよび226aに入力される。LCDドライバー225aおよび226aの制御信号は、顕微鏡像マスキング用LCD214aおよび視野内表示用LCD219aにそれぞれ入力される。)

[0284] Since the LCD 214a for microscopic image masking is located on the first imaging point 213a1 of the objective lens 213a, a mask portion 233a for sub-image is inserted into a part of the microscopic image 232a for the operator-side optical system La by means of the LCD 214a, as shown in FIG. 31A. As this is done, moreover, an endoscopic image 234a is partially displayed on a part of the whole LCD screen of the LCD 219a for in-field display, and the remaining part is left as a shielding portion 235a, as shown in FIG. 31B.
(顕微鏡像マスキング用LCD214aは対物レンズ213aの第1結像点213a1に配置されているので、図31Aに示すように、術者側光学系Laの顕微鏡像232aの一部分に副画像用のマスク部分233aが、このLCD214aによって挿入される。さらに、このとき、図31Bに示すように、内視鏡画像234aが、視野内表示用LCD219aのLCD画面全体の中の一部分に部分的に表示され、それ以外の部分は遮光部235aとなる。)

[0285] The image of FIG. 31A that combines the microscopic image 232a and the mask portion 233a for sub-image inserted therein and the image of FIG. 31B that combines the endoscopic image 234a and the shielding portion 235a are superposed by means of the prism 217a. Thereupon, a composite image 238a is formed having an endoscopic image (sub-image) 237a inserted in a microscopic image (main image) 236a, as shown in FIG. 32A.
(顕微鏡像232aに副画像用のマスク部分233aが挿入されるように組み合わせた図31Aの画像と、内視鏡画像234aと遮光部235aとを組み合わせた図31Bの画像とは、プリズム217aによって重ね合わせられる。そこで、図32Aに示すように、複合画像238aが、顕微鏡像(主画像)236aの中に内視鏡画像(副画像)237aを挿入させるように形成される。)

(中略)

[0289] As the in-field display controller 229 is operated, the observation conditions in which the size, position, etc. of the images to be displayed on the LCD's 219a and 219b for in-field display are changed are inputted. Depending on the conditions inputted by means of the controller 229, the in-field image generator circuits 224a and 224b output control signals for changing the size, position, etc. of the images to be displayed on the LCD's 219a and 219b.
(視野内表示コントローラー229の操作にともない、視野内表示用LCD219aおよび219bに表示する画像の大きさや位置などが変更される観察条件が入力される。視野内表示コントローラー29で入力された条件に応じて、視野内画像生成回路224aおよび224bは、視野内表示用LCD219aおよび219bに表示される画像の大きさや位置などを変更するための制御信号を出力する。)

[0290] In the microscopic image masking processors 228a and 228b, moreover, the mask portions 233a and 233b are formed having the same size and position as the endoscopic images 234a and 234b that are generated by means of the in-field image generator circuits 224a and 224b, as shown in FIG. 31A. Thus, the mask portion 233a of FIG. 31A and the endoscopic image 234a of FIG. 31B are equal in size.
(図31Aで示すように、顕微鏡像マスキング処理部228aおよび228bでは、マスク部分233aおよび233bが、視野内画像生成回路224aおよび224bによって生成された内視鏡画像234aおよび234bと同じ大きさや位置となるように形成される。このように、図31Aのマスク部分233aと図31Bの内視鏡画像234aとは同じ大きさに形成される。)」





」(図22、23)





」(図29、30)

イ 上記アの摘記事項から、次の事項が認められる。
(ア)上記ア(ウ)の段落[0284]の「図31Bに示すように、内視鏡画像234aが、視野内表示用LCD219aのLCD画面全体の中の一部分に部分的に表示され、それ以外の部分は遮光部235aとなる。」という記載、同段落[0285]の「内視鏡画像234aと遮光部235aとを組み合わせた図31Bの画像」という記載から、視野内表示用LCD219aは、内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を表示するといえる。

(イ)上記ア(ウ)の段落[0271]の「内視鏡221の内視鏡像はカメラヘッド222によって撮像され、その光学ビデオ映像はTVカメラヘッド222に内蔵された撮像素子(図示しない)によって光電変換される。そののち、その画像は、電気信号としてCCTVユニット223に入力されて処理され、そこでTV信号が出力される。」という記載から、TV信号は、TVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像が光電変換されたのち、電気信号としてCCTVユニット223に入力されて処理され、出力されたものであるといえる。

(ウ)上記ア(ウ)の段落[0273]の「術者側処理系Kaは、・・・視野内表示用LCD219aを駆動する第2のLCDドライバー226a、・・・視野内画像生成回路224a・・・が設けられている。」という記載、同段落[0275]の「CCTVユニット223の出力は、術者側処理系Kaの視野内画像生成回路224aに入力され」という記載及び上記(イ)の認定事項を踏まえると、術者側処理系Kaは、TV信号が入力されるとともに、視野内表示用LCD219aを駆動するといえる。また、上記(ア)の認定事項を併せて踏まえると、術者側処理系Kaは、内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を生成するといえ、当該生成はTVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像に基づいて行われるといえる。

(エ)上記ア(ウ)の段落[0285]の「顕微鏡像232aに副画像用のマスク部分233aが挿入されるように組み合わせた図31Aの画像と、内視鏡画像234aと遮光部235aとを組み合わせた図31Bの画像とは、プリズム217aによって重ね合わせられる。そこで、図32Aに示すように、複合画像238aが、顕微鏡像(主画像)236aの中に内視鏡画像(副画像)237aが挿入させるように形成される。」という記載からみて、プリズム217aは、顕微鏡像232aの一部分に副画像用のマスク部分233aが挿入された画像を顕微鏡像マスキング用LCD214aから受け取り、内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を視野内表示用LCD219aから受け取るとともに、これらの画像を重ね合わせるものであるといえ、この重ね合わせた画像は、術者が見るためのものであることは明らかである。

ウ 上記ア及びイから、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「手術用顕微鏡201であって、
顕微鏡像232aの一部分に副画像用のマスク部分233aが挿入された画像を表示する顕微鏡像マスキング用LCD214aと、
内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を表示する視野内表示用LCD219aと、
TVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像が光電変換されたのち、電気信号としてCCTVユニット223に入力されて処理され、出力されたものであるTV信号が入力されるともに、視野内表示用LCD219aを駆動して、TVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像に基づいて、内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を生成する術者側処理系Kaを含む電気回路と、
顕微鏡像232aの一部分に副画像用のマスク部分233aが挿入された画像を前記顕微鏡像マスキング用LCD214aから受け取り、内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像を前記視野内表示用LCD219aから受け取るとともに、術者が見るために、これらの画像を重ね合わせるプリズム217aと
を備える、手術用顕微鏡201。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「手術用顕微鏡201」は、その機能、作用及び構造からみて、本件補正発明の「医療装置」に相当し、以下同様に、「顕微鏡像232aの一部分に副画像用のマスク部分233aが挿入された画像」は「第1の画像」に、「顕微鏡像マスキング用LCD214a」は「第1のディスプレイ部分」に、「表示する」は「表示するように構成されている」に、「内視鏡画像234aと遮光部235aとが表示された画像」は「第2の画像」に、「視野内表示用LCD219a」は「第2のディスプレイ部分」に、「TVカメラヘッド222」は「ソース」に、「TVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像」は「ソースからの画像」に、「TV信号」は「1つ以上の信号」に、「入力される」は「受信する」に、「術者側処理系Kaを含む電気回路」は「電子機器」に、「術者」は「視認者」に、「重ね合わせる」は「組み合わせるように構成されている」に、「プリズム217a」は「第1のビームコンバイナ」に、それぞれ相当する。
また、本件補正発明の「少なくとも1つのディスプレイデバイス」は、独立した表示器として機能する「第1のディスプレイ部分」と「第2のディスプレイ部分」を有するものを含むといえる。してみると、引用発明の「顕微鏡像マスキング用LCD214a」と「視野内表示用LCD219a」は、いずれも表示器として機能していることから、これらは本件補正発明の「少なくとも1つのディスプレイデバイス」に相当する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(ア)一致点
「医療装置であって、
少なくとも1つのディスプレイデバイスと、
第1の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第1のディスプレイ部分と、
第2の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第2のディスプレイ部分と、
ソースからの画像に対応する1つ以上の信号を受信するとともに、前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分を駆動して、前記ソースからの前記画像に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の画像及び前記第2の画像を生成するように構成されている電子機器と、
前記第1の画像及び前記第2の画像を前記第1のディスプレイ部分及び前記第2のディスプレイ部分から受け取るとともに、視認者が見るために前記第1の画像及び前記第2の画像を組み合わせるように構成されている第1のビームコンバイナと、
を備える、医療装置。」

(イ)相違点1
電子機器が受信する1つ以上の信号について、本件補正発明では、複数のソースからの画像に対応するのに対し、引用発明では、TVカメラヘッド222によって撮像された内視鏡221の内視鏡像に対応するだけで、顕微鏡像232aは光学像であって、該顕微鏡像232aに対応する信号は生成されない点。

(ウ)相違点2
本件補正発明では、第3の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第3のディスプレイ部分と、第4の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第4のディスプレイ部分と、前記第3の画像及び前記第4の画像を前記第3のディスプレイ部分及び前記第4のディスプレイ部分から受け取るとともに、前記視認者が見るために前記第3の画像及び前記第4の画像を組み合わせるように構成されている第2のビームコンバイナと、を備えるのに対し、引用発明では、そのような構成を備えていない点。

(4)判断
以下、各相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用発明の顕微鏡像232aは、光学像であるところ、顕微鏡の像をディスプレイデバイスに表示することは、上記(2)ア(ア)の段落[0221]に記載のように、「手術用顕微鏡は第1観察手段として使用され・・・たが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1観察手段の表示画像がTVモニターであっても、全く同等の効果が得られる」ことを踏まえれば、顕微鏡像232aをTVカメラで撮像して顕微鏡像マスキング用LCD214aに表示することは、当業者にとって何ら困難性はない。
よって、引用発明について、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について
上記(2)ア(イ)の記載から、引用文献には、手術用顕微鏡において、病変部の左側及び右側の観察像を生成するため、左側の撮像素子121Lで得た映像を左側の信号処理部135Lで信号処理し、左側のモニター134Lから左側の接眼レンズ117Lに導くとともに、右側の撮像素子121Rで得た映像を右側の信号処理部135Rで信号処理し、右側のモニター134Rから右側の接眼レンズ117Rに導く技術(以下「引用文献に記載の技術」という。)が記載されており、この技術は、手術顕微鏡において、術者の左右の眼に病変部の映像を導くにあたり、撮像素子とディスプレイを左眼用及び右眼用ごとに配置したものであるといえる。
引用発明の手術用顕微鏡201において、引用文献に記載の技術のように、術者の左右の眼に病変部の映像を導くにあたって、顕微鏡像と内視鏡像のそれぞれについて撮像素子とディスプレイを左眼用及び右眼用ごとに配置することで、左眼に顕微鏡像の画像(第1の画像)と内視鏡像の画像(第2の画像)を組み合わせて提供し、右眼に顕微鏡像の画像(第3の画像)と内視鏡像の画像(第4の画像)を組み合わせて提供して、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、同一技術分野に属する技術を付加したに過ぎないので、当業者にとって何ら困難性はない。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献に記載の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献に記載の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、平成31年3月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?30に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、上記引用文献に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(本審決において「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)で記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2(1)で検討した本件補正発明から、「第3の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第3のディスプレイ部分と、第4の画像を表示するように構成されている、前記少なくとも1つのディスプレイデバイスの第4のディスプレイ部分と、前記第3の画像及び前記第4の画像を前記第3のディスプレイ部分及び前記第4のディスプレイ部分から受け取るとともに、前記視認者が見るために前記第3の画像及び前記第4の画像を組み合わせるように構成されている第2のビームコンバイナと、」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献に記載の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。



 
別掲
 
審理終結日 2020-09-29 
結審通知日 2020-10-06 
審決日 2020-10-26 
出願番号 特願2016-542194(P2016-542194)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮下 浩次  
特許庁審判長 芦原 康裕
特許庁審判官 栗山 卓也
和田 将彦
発明の名称 手術可視化システム  
代理人 藤田 和子  

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