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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01S
管理番号 1371977
審判番号 不服2019-16704  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-12-10 
確定日 2021-03-10 
事件の表示 特願2018-530950「光増幅器」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月16日国際公開、WO2017/041206、平成30年10月18日国内公表、特表2018-530929〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成28年)9月7日を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

平成31年 2月28日付け:拒絶理由通知書(同年3月5日発送)
平成31年 4月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年 8月30日付け:拒絶査定(同年9月10日送達)
令和 元年12月10日 :審判請求書の提出

第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成31年4月23日に提出された手続補正書に記載された請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「光増幅器であって、
入力光信号を受信する入力ポートと、
入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている第1の一体化部品であって、該第1の一体化部品は、前記入力光信号の第1の部分を分離し、該第1の部分を第1の光検出器に向け、前記入力光信号の第2の部分を波長分割マルチプレクサに向けるように構成されており、かつ前記第1の一体化部品は、前記波長分割マルチプレクサから受信した光信号を減衰するように構成されており、前記波長分割マルチプレクサは、前記第1の一体化部品の出力に結合された第1の入力、ポンプ源に結合された第2の入力、及び増幅ファイバに結合された出力を有する、第1の一体化部品と、
出力モニタリング及びアイソレーションを提供するように構成されている第2の一体化部品であって、該第2の一体化部品は、前記増幅ファイバからの入力光の第1の部分を分離し、該第1の部分を第2の光検出器に向け、前記増幅ファイバからの入力光の第2の部分を出力ポートに向けるように構成されており、かつ前記第2の一体化部品は、前記出力ポートから受信された光信号を減衰するように構成されている、第2の一体化部品と、
前記第1の光検出器からの第1の電気信号と前記第2の光検出器から受信された第2の電気信号とを受信し、かつ前記受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に少なくとも部分的に基づき前記ポンプ源の出力パワーを制御するように構成されているコントローラとを備え、
前記第1及び第2の一体化部品は、
共通パッケージに保持されている入力光ファイバ及び出力光ファイバと、 前記入力光ファイバと前記出力光ファイバとの端部に対向する第1の面及び波長板に対向する第2の面を有する複屈折性結晶であって、前記波長板は前記複屈折性結晶の一部分を覆う、複屈折性結晶と、
前記波長板とファラデー回転子との間に光学的に配置されたレンズと、
前記ファラデー回転子と光検出器との間に配置されたプリズムと、を含み、
前記入力光ファイバが受信した入力光信号は、プリズムに送られており、該プリズムは、前記入力光信号の一部分を前記第1及び第2の光検出器に通過させ、前記入力光信号の一部分を前記出力光ファイバに向けて反射し、 前記出力光ファイバが受信した入力光信号は、光信号が前記入力光ファイバを通過しないように、前記一体化部品の素子を通過する、光増幅器。」

第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

1.米国特許出願公開第2002/0181100号明細書
2.米国特許出願公開第2006/0158718号明細書
6.特開2008-3211号公報(周知技術を示す文献)
7.特開平8-262374号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
(1) 引用文献1に記載された事項
引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「[0117] An optical isolator can be one of a set of optical passive components within an optical amplifier system. FIG. 16 is a basic block diagram of an optical fiber amplifier system showing the assembly of conventional optical passive components within an Er-doped fiber optical amplifier system (EDFA) 1600. In FIG. 16, an optional input tap 1602 optionally directs a small proportion 1601A (i.e., 5%) of the input signal light 1601 along optical pathway 1603 to first photo-detector 1604. Taken together, the input tap 1602, pathway 1603 and photo-detector 1604 comprise the input monitor component 1605 of the amplifier system. The remaining portion 1601B of the input signal light, which comprises the majority of the input signal, is directed to first optical isolator 1606, which only permits signal light transmission in the forward direction. After passing through isolator 1606, the signal light 1601B is directed to the first Wavelength Division Multiplexer (WDM) 1607. First laser light 1608 from co-pump laser 1609 is also directed to WDM 1607. The function of WDM 1607 is to direct the pathways and directions of three separate lights-signal light 1601B, first laser light 1608, and residual second laser light 1611 - according to their respective wavelengths. The origin of second laser light 1611, which passes through fiber 1610 in the reverse direction, is discussed further below. In WDM 1607, signal light 1601B is passed together with laser light 1608 into the Er-doped fiber 1610 in the forward direction. A further function of WDM 1607 is to direct residual second laser light 1611 along pathway 1616 in the reverse direction.
(日本語仮訳:光アイソレータは、光増幅器システム内の光受動部品のセットの1つであり得る。図16は、Erドープファイバ光増幅システム(EDFA)1600内の従来の光受動部品の組み立てを示す光ファイバ増幅システムの基本ブロック図である。図16において、任意の入力タップ1602は、任意に、光経路1603に沿って入力信号光1601の小割合1601A(すなわち、5%)を第1の光検出器1604に向ける。これにより、入力タップ1602、経路1603、および受光素子1604は、増幅器システムの入力モニタコンポーネント1605を構成する。入力信号の大部分を構成する入力信号光の残りの部分1601bは、前方方向への信号光の伝送のみを許可する第1の光アイソレータ1606に向けられる。アイソレータ1606を通過した後、信号光1601bは、第1の波長分割多重化装置(WDM)1607に向けられる。コポンプレーザ1609からの第1のレーザ光1608もまた、WDM1607に向けられる。WDM1607の機能は、信号光1601B、第1レーザ光1608、残留第2レーザ光1611の3つの別々の光の経路および方向を、それぞれの波長に応じて指示することである。ファイバ1610を逆方向に通過する第2レーザ光1611の出所については、さらに後述する。WDM1607において、信号光1601Bは、レーザ光1608とともに、順方向にErドープされたファイバ1610に渡される。WDM1607のさらなる機能は、残留第2レーザ光1611を逆方向の経路1616に沿って導くことである。)」

「[0118] The signal light 1601B and the laser light 1608 propagate together in the forward direction through Er-doped fiber 1610. Also propagating through Er-doped fiber 1610 in the reverse direction is laser light 1611 that originates from counter-pump laser 1612. The wavelength of laser light 1608 is ordinarily 980 nm whereas the wavelength of laser light 1611 is ordinarily 1480 nm. The wavelength of the signal light 1601B is always greater than the wavelength of either of the laser lights 1608 or 1611.
(日本語仮訳:信号光1601Bとレーザ光1608は、Erドープファイバ1610を介して順方向に一緒に伝搬する。また、Erドープファイバ1610を逆方向に伝搬するのは、カウンタポンプレーザ1612に由来するレーザ光1611である。レーザ光1608の波長は通常980nmであるのに対し、レーザ光1611の波長は通常1480nmである。信号光1601bの波長は、レーザ光1608、1611のいずれか一方の波長よりも常に大きい。)」

「[0019] As shown in FIG. 16, signal light 1601B becomes amplified by the optical gain of the Er-doped fiber under the condition of laser light excitation and is therein transformed into amplified signal 1601C. Amplified signal light 1601C and residual laser light 1608 are passed from the Er-doped fiber 1610 to the second WDM 1613. The second WDM 1613 separates the pathways of the three lights 1601C, 1608, and 1611 according to their respective wavelengths. Amplified signal 1601C is directed in the forward direction along pathway 1614 whereas residual laser light 1608 is directed in the forward direction along path 1615. Moreover, laser light 1611 from counter-pump laser 1612 enters WDM 1613 in the reverse direction via path 1615, and therefore a further function of WDM 1613 is to direct light 1611 into Er-doped fiber 1610 in the reverse direction.
(日本語仮訳:図16に示すように、信号光1601Bは、レーザ光励起の条件でErドープファイバの光利得によって増幅され、そこでは増幅信号光1601Cに変換される。増幅された信号光1601Cおよび残留レーザ光1608は、Erドープファイバ1610から第2のWDM1613に渡される。第2のWDM1613は、3つの光1601C、1608、1611の経路をそれぞれの波長に応じて分離する。増幅信号1601cは経路1614に沿って順方向に向けられ、残留レーザ光1608は経路1615に沿って順方向に向けられる。さらに、カウンタポンプレーザ1612からのレーザ光1611は、経路1615を介して逆方向にWDM1613に入り、したがって、WDM1613のさらなる機能は、光1611を逆方向にErドープファイバ1610に向けることである。)」

「[0120] After leaving second WDM 1613 and propagating along path 1614 in the forward direction, amplified signal 1601C passes through an optional gain-flattening filter 1619 and thence to second optical isolator 1620. Optical isolator 1620 only permits signal light transmission in the forward direction away from the Er-doped fiber 1610 so that spurious back-reflected signals do not become amplified. After passing through the second isolator 1620, amplified signal 1601C passes through an optional output tap 1621 that optionally directs a small proportion 1601D (i.e., 1%) of the amplified signal along pathway 1622 to second photo-detector 1623. Taken together, the output tap 1621, pathway 1622 and photo-detector 1623 comprise the output monitor component 1624 of the amplifier system. The remainder of the amplified signal 1601E exits the amplifier system after passing through optional output tap 1621.
(日本語仮訳:第2のWDM1613を出て、順方向に経路1614に沿って伝搬した後、増幅された信号1601cは、オプションの利得平坦化フィルタ1619を通過して、第2の光アイソレータ1620に至る。光アイソレータ1620は、スプリアスで逆反射された信号が増幅されないように、Erドープファイバ1610から離れた順方向の信号光の伝送のみを許可する。第2の光アイソレータ1620を通過した後、増幅された信号1601cは、増幅された信号の小割合(すなわち、1%)1601dを経路1622に沿って第2の光検出器1623に向ける任意の出力タップ1621を通過する。合わせて、出力タップ1621、経路1622および光検出器1623は、増幅システムの出力モニタコンポーネント1624を構成する。増幅された信号1601Eの残りは、任意の出力タップ1621を通過した後、増幅システムを出る。)」

「[0125] Finally, also shown in FIG. 16 is an optional comparison and control logic system 1625 which represents a set of electronic or computer systems together with decision-making software or firmware which monitors the electronic outputs of both optional photo-detectors 1604 and 1623, and controls the outputs of the two lasers 1609 and 1612 accordingly so as to obtain optimal amplification performance. The system 1625 is only shown to illustrate the context of the present invention and is not a component of the present invention or necessarily of optical amplifiers in general.
(日本語仮訳:最後に、図16にも示されている任意の比較制御ロジックシステム1625は、両方の任意の光検出器1604、1623の電子出力を監視し、最適な増幅性能を得るように2つのレーザ1609、1612の出力をそれに応じて制御する意思決定ソフトウェアまたはファームウェアと共に、電子システムまたはコンピュータシステムのセットを表すものである。システム1625は、本発明の文脈を説明するために示されているに過ぎず、本発明の構成要素ではなく、必ずしも一般的な光増幅器の構成要素ではない。)」

「Figure 16



(2) 引用発明1
上記(1)から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「Erドープファイバ光増幅システムであって、
入力タップ1602は、光経路1603に沿って入力信号光1601の小割合1601Aを第1の光検出器1604に向け、
入力信号の大部分を構成する入力信号光の残りの部分1601bは、前方方向への信号光の伝送のみを許可する第1の光アイソレータ1606に向けられ、
アイソレータ1606を通過した後、信号光1601bは、第1の波長分割多重化装置(WDM)1607に向けられ、
コポンプレーザ1609からの第1のレーザ光1608もまた、WDM1607に向けられ、
WDM1607において、信号光1601Bは、レーザ光1608とともに、順方向にErドープされたファイバ1610に渡され、
信号光1601Bとレーザ光1608は、Erドープファイバ1610を介して順方向に一緒に伝搬し、
信号光1601Bは、レーザ光励起の条件でErドープファイバの光利得によって増幅され、そこでは増幅信号光1601Cに変換され、
増幅された信号光1601Cは、Erドープファイバ1610から第2のWDM1613に渡され、
カウンタポンプレーザ1612からのレーザ光1611は、経路1615を介して逆方向にWDM1613に入り、
第2のWDM1613を出て、順方向に経路1614に沿って伝搬した後、増幅された信号1601cは、第2の光アイソレータ1620に至り、
光アイソレータ1620は、Erドープファイバ1610から離れた順方向の信号光の伝送のみを許可し、
第2の光アイソレータ1620を通過した後、増幅された信号1601cは、増幅された信号の小割合1601dを経路1622に沿って第2の光検出器1623に向ける出力タップ1621を通過し、
増幅された信号1601Eの残りは、出力タップ1621を通過した後、増幅システムを出、
両方の光検出器1604、1623の電子出力を監視し、最適な増幅性能を得るように2つのレーザ1609、1612の出力をそれに応じて制御する、比較制御ロジックシステム1625を備える、
Erドープファイバ光増幅システム。」

2 引用文献2
(1) 引用文献2に記載された事項
引用文献2には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「[0020] FIG. 1 illustrates the general features, organization and operation of an EDFA between two parts 18 and 19 of an optical fiber carrying signals. The EDFA is formed by a section 10 of erbium-doped fiber, which amplifies the optical signals passing through the section 10. To provide the amplification energy for the EDF section 10, an optical pump in the form of a laser 11 is connected to one end of the section 10 by a WDM (Wavelength Division Multiplexer) 12. The WDM 12 is connected to the input optical fiber 18 which carries the optical signals into the EDFA and an output fiber from the pump laser 11. To block signals in the #wrong# direction and to monitor the operation of the EDFA, an optical isolator 13 and a tap coupler 14 are inserted between the other end of the EDF section 10 and the output optical fiber 19. The tap coupler 14 sends a small fraction of the signals from the section 10 to a photodiode 15. In the drawings fiber splices are indicated by the symbol, #X#.
(日本語仮訳:図1は、信号を伝送する光ファイバの2つの部分18と19の間に設けられたEDFAの一般的な特徴、構成、および動作を説明するための図である。EDFAは、エルビウムドープファイバのセクション10によって形成され、このセクション10を通過する光信号を増幅する。EDF部10に増幅エネルギーを供給するために、レーザ11の形態の光ポンプが、WDM(Wavelength Division Multiplexer)12によって、EDF部10の一端に接続されている。WDM12には、EDFAに光信号を伝送する入力光ファイバ18と、ポンプレーザ11からの出力光ファイバが接続されている。EDF部10の他端と出力光ファイバ19との間には、誤った方向の信号を遮断し、EDFAの動作を監視するために、光アイソレータ13とタップカプラ14とが挿入されている。タップカプラ14は、EDF部10からの信号のごく一部をフォトダイオード15に送る。なお、図面では、ファイバ接続を記号「X」で示している。)」

「[0021] Operationally, the pump laser 11 generates light at energies higher than those of the communication signals in the 1550 nm range. Typically, the output of the pump laser 11 is at 980 nm, but other wavelengths are possible and may be used. The WDM 12 combines signals from the input optical fiber 18 and light of the pump laser 11 and sends both into the EDF section 10 which amplifies the 1550 nm wavelength signals from the energy provided by the 980 nm light. The amplified signals are passed to the output optical fiber 19 with the isolator 13 preventing signals from the output optical fiber 19 from entering the EDF section 10 and causing interference. The EDFA operation is monitored by the photodiode 15 and may be used to provide feedback control of the EDFA, such as for autopower control or autogain control. Likewise, the pump laser 11 often has a rear photodiode (PD) which monitors the output power of a laser diode (LD), the lasing element of the pump laser 11. In other EDFA arrangements, two pump lasers are often used for double pumping of the EDF section.
(日本語仮訳:動作上、ポンプレーザ11は、1550nmの範囲の通信信号よりも高いエネルギーの光を発生する。典型的には、ポンプレーザ11の出力は980nmであるが、他の波長も可能であり、使用してもよい。WDM12は、入力光ファイバ18からの信号とポンプレーザ11の光とを結合し、両者を980nmの光によって提供されるエネルギーから1550nmの波長の信号を増幅するEDF部10に送る。増幅された信号は、アイソレータ13によって出力光ファイバ19からの信号がEDF部10に入り込んで干渉を起こすのを防止した状態で出力光ファイバ19に渡される。EDFAの動作はフォトダイオード15によって監視され、オートパワー制御やオートゲイン制御などのEDFAのフィードバック制御に利用されてもよい。同様に、ポンプレーザ11は、ポンプレーザ11のレーザダイオード(LD)の出力電力を監視するリアフォトダイオード(PD)を有することが多い。他のEDFAの配置では、EDF部のダブルポンピングのために、2つのポンプレーザが使用されることが多い。)」

「[0022] The drawbacks for this configuration is that there are a large number of devices, splicing losses between the SMF-28 optical fiber (e.g., the input optical fiber 18 and output optical fiber 19 of FIG. 1) which is conventionally used to the optical signals and the erbium-doped fiber section, potential noise figure degradation due to the insertion loss from the different single devices and the splicing points. In fact, in most EDFA applications, more optical components are added to the EDFA. Such arrangements are illustrated below.
(日本語仮訳:この構成の欠点は、デバイス数が多いこと、従来から光信号に使用されているSMF-28光ファイバ(例えば、図1の入力光ファイバ18及び出力光ファイバ19)とエルビウムドープファイバ部との間の接続損失、異なる単一デバイスからの挿入損失及び接続点による潜在的な雑音指数の劣化である。実際、ほとんどのEDFA用途では、より多くの光コンポーネントがEDFAに追加されている。そのような配置を以下に図示する。)」

「[0023] In the EDFA arrangement shown in FIG. 2A, an optical isolator is added. This arrangement prevents back reflection to optical signal source and provides the function of optical power monitoring. However, more components imply more insertion loss and splicing loss to the optical signals. To improve EDFA performance and to decrease the size of the package, hybrid integrated devices have been developed. FIGS. 2B-2D show different configurations with hybrid integrated devices.
(日本語仮訳:図2Aに示すEDFA配置では、光アイソレータが追加されている。この配置は、光信号源への逆反射を防止し、光パワー監視の機能を提供する。しかし、より多くのコンポーネントは、光信号に対するより多くの挿入損失および接続損失を意味する。EDFAの性能を向上させ、パッケージのサイズを小さくするために、ハイブリッド集積デバイスが開発されてきました。図2B?2Dは、ハイブリッド集積デバイスを用いた異なる構成を示す。)」

「FIG. 1、FIG. 2A、FIG. 2B


「FIG. 2C、Fig. 2D、FIG. 3



(2) 引用文献2に記載された技術的な事項
[0023]には、「図2Aに示すEDFA配置では、光アイソレータが追加されている。この配置は、光信号源への逆反射を防止し、光パワー監視の機能を提供する。」と記載されており、図1と合わせてみれば、図2Aから、「WDM12と入力光ファイバ18との間に、光アイソレータとタップカプラとが挿入され」、「当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号をフォトダイオードに送り」、「当該フォトダイオードは、光パワー監視の機能を提供している」構成がみてとれる。

(3) 引用発明2
上記(1)?(2)から、引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「信号を伝送する光ファイバの2つの部分18と19の間に設けられたエルビウム添加光ファイバー増幅器(EDFA : Erbium-Doped Fiber Amplifier)であって、
WDM12と入力光ファイバ18との間に、光アイソレータとタップカプラとが挿入され、
当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号をフォトダイオードに送り、当該フォトダイオードは、光パワー監視の機能を提供しており、
EDF部10に増幅エネルギーを供給するために、レーザ11の形態の光ポンプが、WDM(Wavelength Division Multiplexer)12によって、EDF部10の一端に接続され、
WDM12には、EDFAに光信号を伝送する入力光ファイバ18と、ポンプレーザ11からの出力光ファイバが接続され、
WDM12は、入力光ファイバ18からの信号とポンプレーザ11の光とを結合し、両者をEDF部10に送り、
EDF部10の他端と出力光ファイバ19との間には、誤った方向の信号を遮断し、EDFAの動作を監視するために、光アイソレータ13とタップカプラ14とが挿入され、
タップカプラ14は、EDF部10からの信号のごく一部をフォトダイオード15に送り、
EDFAの動作はフォトダイオード15によって監視され、オートパワー制御やオートゲイン制御などのEDFAのフィードバック制御に利用される、
エルビウム添加光ファイバー増幅器。」

3 引用文献6
引用文献6には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、インライン型反射型光アイソレータ部と光能動素子とを備えたインライン型ハイブリッド光デバイスに関するものである。」
「【0002】
…(前略)…。一般的に、光ファイバ増幅器は、増幅用の光ファイバの他、偏波無依存型光アイソレータ、励起用半導体レーザ光源、光合波器、光スプリッタ、およびモニタ用受光素子といった光機能素子などから構成され、励起用半導体レーザ光源から出力される励起光(ポンプ光)により光ファイバ中の光信号を増幅する。」
「【0003】
従来、光ファイバ増幅器は、これらの各単機能光部品を光ファイバで相互に接続することで構成されていたが、このようにして光ファイバ増幅器を構成する場合には、部品点数の増加に伴い組立工程が増加すると共に、各光部品の接続箇所の増加に伴い接続損失が増加するといった問題があった。また、このような部品点数や接続箇所の増加は、光ファイバ増幅器の製造原価の上昇や光ファイバ増幅器の大型化の原因にもなっていた。」
「【0005】
そこで、近年では、上記の問題を解消する有効な方策として、光ファイバ増幅器を構成する光部品の一部を一体化した部品、すなわちハイブリッド光デバイスを用いる方策が採用されている。特に、主要部品である光アイソレータと光合分波器や光スプリッタなどの光フィルタとを組み合わせた多機能光デバイス、さらには、光アイソレータと光フィルタと半導体レーザや受光素子といった光能動素子とを組み合わせたハイブリッド光デバイスは、有用である。なお、ここでいう「光能動素子」は、LD(レーザダイオード)やLED(発光ダイオード)、PD(フォトダイオード)などの電気を用いる素子を意味しており、この「光能動素子」に対して、光カプラや光スプリッタなどの電気を用いない素子は「光受動素子」と呼ばれている。このようなハイブリッド光デバイスは、市販品としても幾つかの提供がなされているが、その中でも、反射型のインライン光アイソレータと光能動素子とを直列に接続したインライン型ハイブリッド光デバイスは、組立作業が容易で、入出力光ファイバの取り出しが光デバイスの片側で行なわれるために扱いやすく、装置が小型化して、製造原価が安価になるといった多くの利点を備えている。」
「【0023】
インライン型ハイブリッド光デバイス1は、図1に示すように、インライン型の反射型光アイソレータ2および受光素子3を備えて構成されている。」
「【0024】
反射型光アイソレータ2は、2心フェルール4、ルチル板5、石英ガラス板6(図1では不図示)および半波長板7、集束性ロッドレンズ8、スペーサ9、磁化ガーネット結晶板10、および反射鏡11がこの順に配列されて構成されている。」
「【0025】
2心フェルール4には、光軸が互いに平行な入出力光ファイバ15,16が125[μm]の間隔で平行に配置されて一体化されている。反射型光アイソレータ2は、一方の入出力光ファイバ15(または入出力光ファイバ16)から入射した光信号が、他方の入出力光ファイバ16(または入出力光ファイバ15)から出射する構成になっている。入出力光ファイバ15,16の各一端15a,16aは、図示しない外部の光信号路に接続されており、それぞれ、反射型光アイソレータ2の一端に備えられた光信号の入力端子および出力端子を構成している。また、入出力光ファイバ15,16の他端15b,16bは、
2心フェルール4の端面4aに配置されている。2心フェルール4の端面4aは、入出力光ファイバ15,16のいずれの光軸にも垂直な平面に対して所定角度(例えば、8°)傾けて形成されている。ルチル板5、石英ガラス板6および半波長板7は、それらの各光入出力端面が2心フェルール4の端面4aと平行になるように傾けて配置されている。また、集束性ロッドレンズ8の石英ガラス板6および半波長板7に対峙する端面8aは、2心フェルール4の端面4aとほぼ平行になるように、傾けて形成されている。
【0026】
ルチル板5は、複屈折結晶であるルチル結晶からなり、図2(a)に矢印で示す順方向から入射される光信号Aを常光線Oと異常光線Eとに分離する(図2(a),(b)参照)。ルチル板5の結晶光学軸5cは、図2(b)に矢印で示す方向に配向されており、この結晶光学軸5cに平行な方向の偏波を有する光信号の常光線Oまたは異常光線Eに対して空間変位5dを作用させる。
【0027】
ルチル板5と集束性ロッドレンズ8との間には、入出力光ファイバ15から入射された光信号Aが通過する位置に、順方向または逆方向の伝搬方向によって常光線O及び異常光線Eの偏波方向を逆に回転させる半波長板7が配置されている。また、反射鏡11で反射して入出力光ファイバ16へ入射する光信号(反射光R)が通過する位置に、非晶性光学素子である石英ガラス板6が配置されている。石英ガラス板6は、順方向動作において、反射鏡11から反射された反射光Rのみが通過するように半波長板7と並列配置されている。半波長板7の光軸は、分離されて順方向に進む常光線Oの偏波方向に対して反時計方
向に22.5°の角度で配向されており、半波長板7は、光信号Aが図2(a)に矢示する順方向に伝搬する場合、常光線O及び異常光線Eの偏波方向をそれぞれ反時計方向に45°回転させ、光信号Aが図示しない逆方向に伝搬する場合、常光線O及び異常光線Eの偏波方向をそれぞれ時計方向に45°回転させる。
【0028】
集束性ロッドレンズ8は、位相差が約π/2の屈折率分布型ロッドレンズからなり、常光線O及び異常光線Eが順方向に伝搬するときは、これらの各光線O,Eを平行光線に変換してからレンズ端面8b側において集束中心光軸8cに近接させて集光し、逆方向に伝搬するときは、各光線O,Eを集束中心光軸8cから遠ざけると共にレンズ端面8a側において平行光線に変換する。また、集束性ロッドレンズ8のレンズ端面8bには、断面が凹状をしたガラス板からなるスペーサ9が固定されている。このスペーサ9の凹部には、ファラデー素子からなる磁化ガーネット結晶板10が配置されて固定されている。磁化ガーネット結晶板10は、予め磁化されており、常光線O及び異常光線Eの偏波方向を、その伝搬方向に関係なく非相反に、常に一定の反時計方向に22.5°だけ回転させる。
【0029】
また、スペーサ9の凹部を覆う反射型光アイソレータ2の他端には、反射鏡11がスペーサ9に固定されている。反射鏡11は、一端15aから入射する光信号Aの強度の95[%]を他端16a側へ反射光Rとして反射させると共に、入射した光信号Aの強度の5[%]を透過光Tとして透過させるハーフミラー11bがガラス板11aに設けられて、反射手段を構成している。本実施形態では、ガラス板11aは、一端15aから入射する光信号Aが伝搬する入出力光ファイバ15の光軸と他端16aへ出射される光信号(反射光R)が伝搬する入出力光ファイバ16の光軸とを含む面と直交し、一端15aから入射する光信号Aの進行方向と平行な断面が楔型に形成されており、このガラス板11aの受光素子3と対峙する一方の端面に、上記のハーフミラー11bが反射部材として設けられている。ハーフミラー11bの反射面は、集束性ロッドレンズ8の集束中心光軸8cに垂直な面に対して約1°傾いて形成されている。
【0030】
図1に示すように、光能動素子を構成する受光素子3は、反射鏡11の光透過側において、その受光面3aが反射鏡11の端面とほぼ平行になるように配置されている。…(後略)…。」

「【図2】


4 引用文献7
引用文献7には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ増幅器などに用いられる偏光無依存型光アイソレータに関する。」
「【0024】図1に本発明の第1実施例に係る反射型光アイソレータの構成を示す。なお同図では説明のために光ファイバの配列方向をレンズの研磨方向にしているが、実際の構成では、図に垂直な方向に配列している。」
「【0025】同図において、1は入力用光ファイバ、2は出力用光ファイバであり、先端を8度研磨されている。3は、ルチルなどの複屈折素子で一部に入力光ファイバ1、あるいは出力用光ファイバ2のどちらか一方の光路上にのみ作用するように補償板が貼り付けられている。ここでは、補償板4として1/2波長板を用いている。」
「【0026】5は集束性ロッドレンズで先端を8度斜め研磨し、他端にガーネットなどの磁気光学素子6と反射ミラー7が配置されている。前記磁気光学素子6は、入射する光の偏光面を22.5度だけ回転するような厚みに設定されている。磁気光学素子6の外周には、図示せずも磁界を印加する永久磁石が設けられている。」
「【0033】図6は第2の実施例の光アイソレータの構成を示し、第1の実施例の光アイソレータに光モニター機能を付加したものである。第1の実施例の構成との差異は、第1実施例の反射ミラー7に代えて、反射率が99%程度で1%程度の光が通過する反射ミラー7’を用い、反射ミラー7’を通過した光を8度斜め研磨した集光レンズ5’と傾斜して設けた半導体受光素子9に結合するようにした点である。この構成により、半導体受光素子9の端面と、レンズ5端面間の多重反射による位相の異なる信号光の漏れ込みを低減できる。」

「【図1】


「【図6】



第5 対比、判断
1 引用発明1を主引用発明とした場合
(1) 対比
ア 引用発明1の「Erドープファイバ光増幅システム」、「入力信号光1601」、「第1の波長分割多重化装置(WDM)1607」、「コポンプレーザ1609」及び「Erドープファイバ1610」は、それぞれ本願発明の「光増幅器」、「入力光信号」、「波長分割マルチプレクサ」、「ポンプ源」及び「増幅ファイバ」、に相当する。
イ 引用発明1の「入力タップ1602」には、「入力信号光1601」が入力されていることから、引用発明1は、本願発明の「入力光信号を受信する入力ポート」を備えているといえる。
また、引用発明1において、「増幅された信号1601Eの残りは、出力タップ1621を通過した後、増幅システムを出」るのであるから、引用発明1は、本願発明の「出力ポート」を備えているといえる。
ウ 引用発明1の「入力タップ1602」では、「光経路1603に沿って入力信号光1601の小割合1601Aを第1の光検出器1604に向け」、「入力信号の大部分を構成する入力信号光の残りの部分1601bは、前方方向への信号光の伝送のみを許可する第1の光アイソレータ1606に向けられ」ている。また、「アイソレータ1606を通過した後、信号光1601bは、第1の波長分割多重化装置(WDM)1607に向けられ」ている。
したがって、引用発明1における、上記「入力信号光1601」の伝搬によれば、引用発明1は、本願発明の「前記入力光信号の第1の部分を分離し、該第1の部分を第1の光検出器に向け、前記入力光信号の第2の部分を波長分割マルチプレクサに向けるように構成されており」との構成を備えるものといえる。
エ 引用発明1は「第1の光アイソレータ1606」を備えており、当該「第1の光アイソレータ1606」は「前方方向への信号光の伝送のみを許可する」ものである。
したがって、引用発明1は、本願発明の「かつ前記波長分割マルチプレクサから受信した光信号を減衰するように構成されており」との構成を備えるものといえる。
オ 引用発明1では、「アイソレータ1606を通過した後、信号光1601bは、第1の波長分割多重化装置(WDM)1607に向けられ」、「コポンプレーザ1609からの第1のレーザ光1608もまた、WDM1607に向けられ」ており、「WDM1607において、信号光1601Bは、レーザ光1608とともに、順方向にErドープされたファイバ1610に渡され」ている。
したがって、引用発明1の「第1の波長分割多重化装置(WDM)1607」は、本願発明の「波長分割マルチプレクサ」が備える、「第1の入力、ポンプ源(引用発明1のコポンプレーザ1609が相当)に結合された第2の入力、及び増幅ファイバ(引用発明1のErドープファイバ1610が相当)に結合された出力」に相当する構成を備えるものといえる。
カ 引用発明1では、「増幅された信号光1601Cは、Erドープファイバ1610から第2のWDM1613に渡され」、「第2のWDM1613を出て、順方向に経路1614に沿って伝搬した後、増幅された信号1601cは、第2の光アイソレータ1620に至り」、「第2の光アイソレータ1620を通過した後、増幅された信号1601cは、増幅された信号の小割合1601dを経路1622に沿って第2の光検出器1623に向ける出力タップ1621を通過し」、「増幅された信号1601Eの残りは、出力タップ1621を通過した後、増幅システムを出」ている。
ここで、引用発明1の「増幅された信号光1601C」が、本願発明の「増幅ファイバからの入力光」に相当することは明らかであるから、引用発明1は、本願発明の「前記増幅ファイバからの入力光の第1の部分を分離し、該第1の部分を第2の光検出器に向け、前記増幅ファイバからの入力光の第2の部分を出力ポートに向けるように構成されており」との構成を備えるものといえる。
キ 引用発明1の「光アイソレータ1620」は、「Erドープファイバ1610から離れた順方向の信号光の伝送のみを許可し」ている。
したがって、引用発明1は、本願発明の「かつ前記出力ポートから受信された光信号を減衰するように構成されており」との構成を備えるものといえる。
ク 引用発明1の「比較制御ロジックシステム1625」は、「両方の光検出器1604、1623の電子出力を監視し、最適な増幅性能を得るように2つのレーザ1609、1612の出力をそれに応じて制御する」ものである。
一方、本願発明の「コントローラ」は、「前記第1の光検出器からの第1の電気信号と前記第2の光検出器から受信された第2の電気信号とを受信し、かつ前記受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に少なくとも部分的に基づき前記ポンプ源の出力パワーを制御するように構成されている」ものである。
ここで、両者が行っている制御を対比してみると、同様の制御が行われていることは明らかであるから、引用発明1の「比較制御ロジックシステム1625」は、本願発明の「コントローラ」に相当するものであり、本願発明の「前記第1の光検出器からの第1の電気信号と前記第2の光検出器から受信された第2の電気信号とを受信し、かつ前記受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に少なくとも部分的に基づき前記ポンプ源の出力パワーを制御するように構成されている」ものといえる。
ケ 上記ア?クのとおりであるから、本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「光増幅器であって、
入力光信号を受信する入力ポートと、
前記入力光信号の第1の部分を分離し、該第1の部分を第1の光検出器に向け、前記入力光信号の第2の部分を波長分割マルチプレクサに向けるように構成されており、かつ前記波長分割マルチプレクサから受信した光信号を減衰するように構成されており、前記波長分割マルチプレクサは、第1の入力、ポンプ源に結合された第2の入力、及び増幅ファイバに結合された出力を有し、
前記増幅ファイバからの入力光の第1の部分を分離し、該第1の部分を第2の光検出器に向け、前記増幅ファイバからの入力光の第2の部分を出力ポートに向けるように構成されており、かつ前記出力ポートから受信された光信号を減衰するように構成されており、
前記第1の光検出器からの第1の電気信号と前記第2の光検出器から受信された第2の電気信号とを受信し、かつ前記受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に少なくとも部分的に基づき前記ポンプ源の出力パワーを制御するように構成されているコントローラとを備える、光増幅器。」

<相違点>
本願発明は、「入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている第1の一体化部品」、及び「出力モニタリング及びアイソレーションを提供するように構成されている第2の一体化部品」を備え、当該「第1及び第2の一体化部品」は、「共通パッケージに保持されている入力光ファイバ及び出力光ファイバと、前記入力光ファイバと前記出力光ファイバとの端部に対向する第1の面及び波長板に対向する第2の面を有する複屈折性結晶であって、前記波長板は前記複屈折性結晶の一部分を覆う、複屈折性結晶と、前記波長板とファラデー回転子との間に光学的に配置されたレンズと、前記ファラデー回転子と光検出器との間に配置されたプリズムと、を含み、前記入力光ファイバが受信した入力光信号は、プリズムに送られており、該プリズムは、前記入力光信号の一部分を前記第1及び第2の光検出器に通過させ、前記入力光信号の一部分を前記出力光ファイバに向けて反射し、前記出力光ファイバが受信した入力光信号は、光信号が前記入力光ファイバを通過しないように、前記一体化部品の素子を通過」しているのに対して、引用発明1は、「第1の光検出器1604」及び「第1の光アイソレータ1606」、「第2の光検出器1623」及び「第2の光アイソレータ1620」を備えてはいるものの、それぞれ「一体化部品」として構成されてない点。

(2) 判断
ア 周知技術について
上記3、4のとおり、引用文献6及び引用文献7には、光検出及びアイソレーションの機能を備える一体化部品が記載されており、「入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている一体化部品」は、本願の出願時には周知な部品である。
イ 引用文献6に記載された一体化部品について
引用文献6に記載された「インライン型ハイブリッド光デバイス1」の具体的な構成は、上記第4、3に摘記のとおりである。
そこで、当該「インライン型ハイブリッド光デバイス1」と、本願発明の「第1及び第2の一体化部品」との構成を対比すると、以下のとおりである。
(ア) 引用文献6に記載された「インライン型ハイブリッド光デバイス1」は、「2心フェルール4、ルチル板5、石英ガラス板6(図1では不図示)および半波長板7、集束性ロッドレンズ8、スペーサ9、磁化ガーネット結晶板10、および反射鏡11がこの順に配列されて構成されて」おり、「光能動素子を構成する受光素子3は、反射鏡11の光透過側において、その受光面3aが反射鏡11の端面とほぼ平行になるように配置されて」いる。
また、当該「ルチル板5は、複屈折結晶であるルチル結晶からな」っている。
(イ) 上記(ア)から、引用文献6に記載された「インライン型ハイブリッド光デバイス1」の「ルチル板5」、「半波長板7」、「集束性ロッドレンズ8」、「磁化ガーネット結晶板10」及び「受光素子3」は、それぞれ本願発明の「複屈折性結晶」、「波長板」、「レンズ」、「ファラデー回転子」及び「光検出器」に相当するといえる。
(ウ) 引用文献6において「2心フェルール4には、光軸が互いに平行な入出力光ファイバ15,16が125[μm]の間隔で平行に配置されて一体化されている」ことから、当該構成は、本願発明の「共通パッケージに保持されている入力光ファイバ及び出力光ファイバ」に相当する。
(エ) 引用文献6において「ルチル板5と集束性ロッドレンズ8との間には、入出力光ファイバ15から入射された光信号Aが通過する位置に、半波長板7が配置されている。また、反射鏡11で反射して入出力光ファイバ16へ入射する光信号(反射光R)が通過する位置に、非晶性光学素子である石英ガラス板6が配置されている」ことから、当該構成は、本願発明の「前記波長板は前記複屈折性結晶の一部分を覆う」との構成に相当する。
(オ) 上記(ア)より、「反射鏡11」は、「磁化ガーネット結晶板10」と「受光素子3」との間に配置されており、「一端15aから入射する光信号Aの強度の95[%]を他端16a側へ反射光Rとして反射させると共に、入射した光信号Aの強度の5[%]を透過光Tとして透過させるハーフミラー11bがガラス板11aに設けられて、反射手段を構成している。本実施形態では、ガラス板11aは、一端15aから入射する光信号Aが伝搬する入出力光ファイバ15の光軸と他端16aへ出射される光信号(反射光R)が伝搬する入出力光ファイバ16の光軸とを含む面と直交し、一端15aから入射する光信号Aの進行方向と平行な断面が楔型に形成されており、このガラス板11aの受光素子3と対峙する一方の端面に、上記のハーフミラー11bが反射部材として設けられている。ハーフミラー11bの反射面は、集束性ロッドレンズ8の集束中心光軸8cに垂直な面に対して約1°傾いて形成されている」ものであり、「多面体であって、その面のうち少なくとも一組が平行でない光学部品」を一般に「プリズム」と呼称することから、当該「反射鏡11」は、本願発明の「プリズム」に相当するものといえると共に、本願発明の「前記入力光ファイバが受信した入力光信号は、プリズムに送られており、該プリズムは、前記入力光信号の一部分を前記第1及び第2の光検出器に通過させ、前記入力光信号の一部分を前記出力光ファイバに向けて反射し」との機能を奏するものといえる。
(カ) 引用文献6において「反射型光アイソレータ2は、一方の入出力光ファイバ15(または入出力光ファイバ16)から入射した光信号が、他方の入出力光ファイバ16(または入出力光ファイバ15)から出射する構成になっている」ところ、「光アイソレータ」とは「順方向に進む光のみを透過し、逆方向の光を遮断する部品」であるから、当該「反射型光アイソレータ2」は、本願発明の「前記出力光ファイバが受信した入力光信号は、光信号が前記入力光ファイバを通過しないように、前記一体化部品の素子を通過する」との機能を備えているといえる。
上記(ア)?(カ)のとおりであるから、引用文献6に記載された「インライン型ハイブリッド光デバイス1」は、本願発明の「第1及び第2の一体化部品」の構成を有しているといえる。
ウ 一体化部品の用途、効果
また、引用文献6の【0005】、引用文献7の【0001】には、当該一体化部品を適用する機器として「光ファイバ増幅器」が記載されており、その効果として、部品点数の減少、組立作業の容易性や装置の小型化等の利点が記載されている。
エ 課題の内包
一方、引用発明1の「Erドープファイバ光増幅システム」は、光増幅システムにおける基本的な構成であるから、上記ウのとおり、部品点数の増加や大型化等の課題を内包していることは、当業者には明らかである。
また、引用文献1の図15には、一体型の「アイソレータ/モニタ1500」も開示されており、このような「一体化部品」の用途として、光増幅器システムが示唆されている(下記、「引用文献1に記載された事項」参照。)。
オ 判断
上記ウ?エのとおり、引用発明1は、部品点数の減少や小型化等の要請を内包するものであるから、そのような要請に応えるために、周知技術、公知技術を適宜採用することは、当業者が、通常行うことである。
そして、上記ア?イのとおり、「入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている一体化部品」は周知な部品であり、その具体的な一体化部品としては、例えば、引用文献6に記載される如き公知の一体化部品があること、また、一体化部品を採用して構成することにより、上記要請が満たされることは明らかであることから、このような周知技術、公知技術を採用することは、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎないものである。
したがって、上記相違点に係る構成は、引用発明1において、引用文献6に記載された一体化部品(インライン型ハイブリッド光デバイス)を、単に採用して構成したにすぎないものであるから、引用発明1において、上記相違点に係る構成のようにすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

・引用文献1に記載された事項
「[0113] In view of the discussion in the above paragraph, there is provided a fifth embodiment of the present invention that comprises an integrated single-stage polarization independent isolator and monitor as illustrated in FIG. 15.
(日本語仮訳:上記の段落での議論の観点から、図15に示されるように、一体化された単段の偏波独立アイソレータおよびモニタからなる本発明の第5の実施形態が提供される。)」
「[0115] In addition to its polarization independent optical isolator function, the isolator/monitor 1500 also provides a signal monitoring function.
(日本語仮訳:アイソレータ/モニタ1500は、偏波に依存しない光アイソレータ機能に加えて、信号監視機能も備えている。)」
「[0117] An optical isolator can be one of a set of optical passive components within an optical amplifier system.
(日本語仮訳:光アイソレータは、光増幅器システム内の光受動部品のセットの一つとすることができる。)」

(3) 小括
上記(1)?(2)のとおりであるから、本願発明は、引用発明1、引用文献6の記載事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

2 引用発明2を主引用発明とした場合
(1) 対比
ア 引用発明2の「エルビウム添加光ファイバー増幅器」、「光信号」、「WDM12」、「ポンプレーザ11」及び「EDF部10」は、それぞれ本願発明の「光増幅器」、「入力光信号」、「波長分割マルチプレクサ」、「ポンプ源」及び「増幅ファイバ」、に相当する。
イ 引用発明2では、「WDM12と入力光ファイバ18との間に、光アイソレータとタップカプラとが挿入され、当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号を」受けていることから、引用発明2は、本願発明の「入力光信号を受信する入力ポート」を備えているといえる
また、引用発明2において、「EDF部10の他端と出力光ファイバ19との間には、誤った方向の信号を遮断し、EDFAの動作を監視するために、光アイソレータ13とタップカプラ14とが挿入され」ていることから、「光アイソレータ13」を伝搬する光は「出力光ファイバ19」へ出力されるので、引用発明2は、本願発明の「出力ポート」を備えているといえる。
ウ 引用発明2では、「WDM12と入力光ファイバ18との間に、光アイソレータとタップカプラとが挿入され」ており、「当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号をフォトダイオードに送」っている。
したがって、引用発明2は、本願発明の「前記入力光信号の第1の部分を分離し、該第1の部分を第1の光検出器に向け、前記入力光信号の第2の部分を波長分割マルチプレクサに向けるように構成されており」との構成を備えるものといえる。
エ 引用発明2では、「WDM12と入力光ファイバ18との間に」「光アイソレータ」が挿入されているのであるから、引用発明1は、本願発明の「かつ前記波長分割マルチプレクサから受信した光信号を減衰するように構成されており」との構成を備えるものといえる。
オ 引用発明2の「WDM12」は、「EDFAに光信号を伝送する入力光ファイバ18と、ポンプレーザ11からの出力光ファイバが接続され」ており、「入力光ファイバ18からの信号とポンプレーザ11の光とを結合し、両者をEDF部10に送」る構成を備えている。
したがって、引用発明2の「WDM12」は、本願発明の「波長分割マルチプレクサ」が備える、「第1の入力、ポンプ源(引用発明2のポンプレーザ11が相当)に結合された第2の入力、及び増幅ファイバ(引用発明2のEDF部10が相当)に結合された出力」に相当する構成を備えるものといえる。
カ 引用発明2では、「EDF部10の他端と出力光ファイバ19との間には、誤った方向の信号を遮断し、EDFAの動作を監視するために、光アイソレータ13とタップカプラ14とが挿入され」ており、「タップカプラ14は、EDF部10からの信号のごく一部をフォトダイオード15に送」る構成を備えている。
したがって、引用発明2の「タップカプラ14」は、本願発明の「前記増幅ファイバからの入力光の第1の部分を分離し、該第1の部分を第2の光検出器に向け、前記増幅ファイバからの入力光の第2の部分を出力ポートに向けるように構成されており」との構成を備えるものといえる。
キ 引用発明2の「光アイソレータ13」は、「誤った方向の信号を遮断」するものであるから、引用発明2は、本願発明の「かつ前記出力ポートから受信された光信号を減衰するように構成されており」との構成を備えるものといえる。
ク 上記ア?キのとおりであるから、本願発明と引用発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「光増幅器であって、
入力光信号を受信する入力ポートと、
前記入力光信号の第1の部分を分離し、該第1の部分を第1の光検出器に向け、前記入力光信号の第2の部分を波長分割マルチプレクサに向けるように構成されており、かつ前記波長分割マルチプレクサから受信した光信号を減衰するように構成されており、前記波長分割マルチプレクサは、前記第1の一体化部品の出力に結合された第1の入力、ポンプ源に結合された第2の入力、及び増幅ファイバに結合された出力を有し、
前記増幅ファイバからの入力光の第1の部分を分離し、該第1の部分を第2の光検出器に向け、前記増幅ファイバからの入力光の第2の部分を出力ポートに向けるように構成されており、かつ前記出力ポートから受信された光信号を減衰するように構成されている、光増幅器。」

<相違点>
・相違点1
本願発明は、「入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている第1の一体化部品」、及び「出力モニタリング及びアイソレーションを提供するように構成されている第2の一体化部品」を備え、当該「第1及び第2の一体化部品」は、「共通パッケージに保持されている入力光ファイバ及び出力光ファイバと、前記入力光ファイバと前記出力光ファイバとの端部に対向する第1の面及び波長板に対向する第2の面を有する複屈折性結晶であって、前記波長板は前記複屈折性結晶の一部分を覆う、複屈折性結晶と、前記波長板とファラデー回転子との間に光学的に配置されたレンズと、前記ファラデー回転子と光検出器との間に配置されたプリズムと、を含み、前記入力光ファイバが受信した入力光信号は、プリズムに送られており、該プリズムは、前記入力光信号の一部分を前記第1及び第2の光検出器に通過させ、前記入力光信号の一部分を前記出力光ファイバに向けて反射し、前記出力光ファイバが受信した入力光信号は、光信号が前記入力光ファイバを通過しないように、前記一体化部品の素子を通過して」いるのに対して、引用発明2は、「タップカプラ」及び「光アイソレータ」、「第2の光検出器1623」及び「第2の光アイソレータ1620」は備えているものの、それぞれ「一体化部品」として構成されてない点。
・相違点2
本願発明は、「前記第1の光検出器からの第1の電気信号と前記第2の光検出器から受信された第2の電気信号とを受信し、かつ前記受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に少なくとも部分的に基づき前記ポンプ源の出力パワーを制御するように構成されているコントローラ」を備えているのに対して、引用発明2では、「当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号をフォトダイオードに送り、当該フォトダイオードは、光パワー監視の機能を提供しており」、「EDFAの動作はフォトダイオード15によって監視され、オートパワー制御やオートゲイン制御などのEDFAのフィードバック制御に利用され」ているものの、「ポンプレーザ11」の制御や「コントローラ」について、明示的に特定されてはいない点。

(2) 判断
ア 相違点1について
引用発明2は、「増幅ファイバ」を備える「光増幅器」であり、引用発明1の「Erドープファイバ光増幅システム」と同じく、光増幅システムにおける基本的な構成を備えるものであるから、上記1、(2)、ウ?エで指摘したことと同様に、引用発明2についても、部品点数の減少や小型化等の要請を内包するものであり、そのような要請に応えるために、周知技術、公知技術を適宜採用することは、当業者が、通常行うことである。
そして、上記1、(2)、ア?イのとおり、「入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている一体化部品」は周知な部品であり、その具体的な一体化部品としては、例えば、引用文献6に記載される如き公知の一体化部品があること、また、一体化部品を採用して構成することにより、上記要請が満たされることは明らかであることから、このような周知技術、公知技術を採用することは、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎないものである。
したがって、上記相違点に係る構成は、引用発明2において、引用文献6に記載された一体化部品(インライン型ハイブリッド光デバイス)を、単に採用して構成したにすぎないものであるから、引用発明2において、上記相違点に係る構成のようにすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

ウ 相違点2について
引用発明2では、「当該タップカプラは、入力光ファイバ18からの信号をフォトダイオードに送り、当該フォトダイオードは、光パワー監視の機能を提供しており」、「EDFAの動作はフォトダイオード15によって監視され、オートパワー制御やオートゲイン制御などのEDFAのフィードバック制御に利用され」ている。
そして、「フィードバック制御」が、「オートパワー制御やオートゲイン制御」などであることに鑑みれば、「ポンプレーザ11」の出力パワーを制御していることは明らかである。
また、「オートゲイン制御」の場合は、光ファイバー増幅器の「利得」を制御するものであるから、その「フィードバック制御」に入力信号のレベルと出力信号のレベルとが必要であることも明らかである。
してみると、引用発明2において、WDM12と入力光ファイバ18との間に挿入された「フォトダイオード」からの信号と、「フォトダイオード15」からの信号に基づき、「ポンプレーザ11」の出力パワーを制御するよう構成することは、当業者にとって格別困難な事項ではなく、「フィードバック制御」を行う部品として、いわゆる「コントローラ」が配されることは明らかである。

・引用文献2に記載された事項
「[0027] To ameliorate these problems, the present invention provides for an EDFA system, such as illustrated in FIG. 3, according to one embodiment of the present invention. The EDFA system has an erbium-doped fiber section 20, an integrated input module 21 and an integrated output module 22 . The integrated input module 21 receives a optical signals on an input optical fiber 28, generates pump light, and sends the combined pump light and signals to the EDF section 20, while an integrated output module 22 which transmits the signals from the EDF section 20 to an output optical fiber 29 while monitoring the strength of the amplified optical signals. The integrated output module 22 also blocks signals in the reverse direction from the output optical fiber 29 to the EDF section 20 and also blocks residual pump power light from the EDF section 20 to the optical fiber 29. The input and output fiber sections 28A and 24 respectively of the integrated input module 21 are formed from different optical fibers. The input fiber section 28A is formed from a single mode fiber to match the input optical fiber 28 to which the input fiber section 28A is spliced. This reduces the insertion loss of the splice. Likewise, the output fiber section 24 is formed from an HI-980 optical fiber, which better matches the EDF section 20 than a single mode fiber.
(日本語仮訳:これらの問題を改善するために、本発明の一実施形態によれば、図3に図示されているようなEDFAシステムが提供される。このEDFAシステムは、エルビウムドープファイバセクション20と、一体化入力モジュール21と、一体化出力モジュール22とを有する。一体化入力モジュール21は、入力光ファイバ28上の光信号を受信し、ポンプ光を生成し、ポンプ光と信号を合成してEDF部20に送り、増幅された光信号の強度を監視しながらEDF部20からの信号を出力光ファイバ29に伝送する一体化出力モジュール22は、増幅された光信号の強度を監視する。また、一体化出力モジュール22は、出力光ファイバ29からEDF部20への逆方向の信号を遮断するとともに、EDF部20から出力光ファイバ29への残留ポンプ電力光を遮断する。一体化入力モジュール21の入力ファイバ部28a及び出力ファイバ部24は、それぞれ異なる光ファイバで形成されている。入力ファイバ部28aは、入力ファイバ部28aが接続される入力光ファイバ28に合わせてシングルモードファイバで形成されている。これにより、スプライスの挿入損失を低減することができる。同様に、出力ファイバ部24は、シングルモードファイバよりもEDF部20とのマッチングが良いHI-980光ファイバから形成されている。)」

(3) 小括
上記(1)?(2)のとおりであるから、本願発明は、引用発明2、引用文献6の記載事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

3 審判請求人の主張
審判請求人は、審判請求書にて、以下のことを主張している。
(1) 主張1
「請求項1に係る発明と引用文献に記載された発明との対比:請求項1に係る発明は、構成要件C?Lを有する。すなわち、(α)入力モニタリングとアイソレーションとを提供するように構成されている第1の一体化部品であって、…(中略)…。
これに対し、特許庁審査官が請求項1に対して引用した引用文献1、2、6及び7のいずれにも、前記(α)の点を有することについては、何ら記載されておらず、また、示唆もされていない。
…(中略)…。
以上説明したように、請求項1に係る発明は、引用文献1、2、6及び7のいずれにも何ら記載も示唆もされていない前記(α)の点を有し、かつ、これにより格別の効果を奏するものであるから、引用文献1、2、6及び7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。」(【本願発明が特許されるべき理由】、イ 拒絶理由に対する反論)

上記主張1については、下記主張2と合わせて見解を示す。

(2) 主張2
「(b)主引用発明に周知技術を適用する判断における誤り
…(中略)…
すなわち、特許庁審査官は、引用文献6及び7に記載の技術は周知技術であるから、主引用発明である引用文献1に記載の発明、及び、主引用発明である引用文献2に記載の発明と組合せることは容易である、として、引用文献6及び7に記載の技術を引用文献1及び2に記載の発明の各々と組合せることに関する容易想到性についての判断構造を具体的に示していない。
(b2)しかしながら、主引用発明と副引用発明との組合せの容易想到性を判断するに際して、副引用発明が周知技術であっても、容易想到性について必要とされる判断構造を省略することは、許されない。
…(中略)…
(b3)そうであるから、引用文献1及び2に記載の発明を、それぞれ、主引用発明として、それに周知技術である引用文献6及び7に記載された発明を適用することによって本願の請求項1に係る発明に想到することが容易であるとの特許庁審査官の判断は、その判断構造を省略しているものであって、失当である。」(【本願発明が特許されるべき理由】、ウ 拒絶査定における誤り、(b)主引用発明に周知技術を適用する判断における誤り、(b1))

しかしながら、上記第6、1に示したとおり、本願発明が内包している周知な要請(部品点数の減少、組立作業の容易性や装置の小型化等)に応じて、当該要請に応じた周知技術(一体化部品)を適用することは、当業者であれば、容易になし得る事項である。

(3) 主張3
ア 「(c)阻害要因の看過:
…(中略)…。発明の実施の形態であるアイソレータ/モニタ/増幅器1700のアイソレータ1700Aは、従来例であるErドープファイバ光増幅システム1600に適用されることを趣旨として創作されたものであることが明らかである。
換言すると、引用文献1において、Erドープファイバ光増幅システム1600は、専ら発明の実施の形態であるアイソレータ/モニタ/増幅器1700のアイソレータ1700Aが適用されるべき従来例として紹介されているのである。
そうすると、Erドープファイバ光増幅システム1600に発明の実施の形態であるアイソレータ/モニタ/増幅器1700のアイソレータ1700A以外のアイソレータを適用することは、引用文献1の全趣旨からして、あり得ないことである。」(【本願発明が特許されるべき理由】、ウ 拒絶査定における誤り、(c)阻害要因の看過:その1、(c3))

しかしながら、引用文献1の[0001]?[0002]には、
「[0001] 1. Field of the Invention
[0002] The present invention relates to a polarization independent optical isolator and, more particularly, to a reflection type of a polarization independent isolator.
(日本語仮訳:1. 発明の分野
本発明は、偏光独立型光アイソレータに関するものであり、より詳細には、偏光独立型光アイソレータの反射型に関するものである。)」と記載されているとおり、引用文献1に開示される技術は、「偏光独立型光アイソレータの反射型に関するもの」であり、当該「アイソレータ」を適用する装置の一例として、「Erドープファイバ光増幅システム(図16)」が記載されている。
そして、引用文献1の図17に記載された、「一体化された光受動部品」が、図16に記載された「Erドープファイバ光増幅システム」に適用されることを趣旨として創作されたものであるとしても、上記のとおり、引用文献1は「光アイソレータ」に関する技術を開示するものである。
したがって、引用文献1には、当該「光アイソレータ」を適用し得る従来装置として、周知な「Erドープファイバ光増幅システム」が記載されていると解することが相当であり、引用文献1において、種々の「一体化された光受動部品」が記載されているとしても、引用文献1に記載されていない「一体化された光受動部品」の適用を阻害するものではない。

イ 「FIG.3 に示されるEDFAシステムと同様に、引用文献2における発明の実施例乃至実施の形態の1つであって、ツインオプティカルアイソレータ23を含むものであり、従来例であるFIG.2Aに示されるEDFAシステムに代えて、採用されることを趣旨として創作されたものであることが明らかである。
換言すると、引用文献2において、アイソレータを含むFIG.2Aに示されるEDFAシステムは、専ら発明の実施の形態であるツインオプティカルアイソレータ23を含むFIG.8Aに示されるEDFAシステムに取って代わられるべき従来例として紹介されているのである。
そうすると、FIG.2Aに示されるEDFAシステムに、発明の実施の形態であるFIG.8A に示されるEDFAシステムが含むツインオプティカルアイソレータ23以外のアイソレータを適用することは、引用文献2の全趣旨からして、あり得ないことである。」(【本願発明が特許されるべき理由】、ウ 拒絶査定における誤り、(d)阻害要因の看過:その2、(d3))

しかしながら、引用文献2には、従来例である「EDFAシステム」として、5つのEDFAシステム(図1?図2)が記載されていることからみて、従来の「EDFAシステム」として、複数の構成を単に例示しているにすぎないものと解することが相当であり、5つ従来装置の内の1つである図2Aに記載された「EDFAシステム」が、引用文献2に記載された実施例と特別な関係にあるとは解し得ないものである。
したがって、図2Aに示される「EDFAシステム」は、「専ら発明の実施の形態であるツインオプティカルアイソレータ23を含むFIG.8Aに示されるEDFAシステムに取って代わられるべき従来例として紹介されている」ものとはいえないものである。
上記(1)?(3)に示したとおりであるから、請求人の主張は、上記判断を左右するものではない。

第7 むすび
以上のとおり、本件発明は、引用発明1、引用文献6の記載事項及び周知技術、或いは引用発明2、引用文献6の記載事項及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-09-24 
結審通知日 2020-09-29 
審決日 2020-10-14 
出願番号 特願2018-530950(P2018-530950)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 百瀬 正之  
特許庁審判長 井上 博之
特許庁審判官 吉野 三寛
近藤 幸浩
発明の名称 光増幅器  
代理人 青木 俊明  

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