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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1372077
審判番号 不服2020-4377  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-02 
確定日 2021-03-11 
事件の表示 特願2015-213488「情報処理装置、情報処理方法、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月18日出願公開、特開2017- 80198〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年10月29日の出願であって、令和元年8月14日付けで拒絶理由が通知され、同年10月17日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月20日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)されたところ、令和2年4月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和2年4月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年4月2日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項3の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「 【請求項3】
被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報であって、被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を横から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の横に配置して表示する表示手段と、
前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域の高さ方向の余白ではなく、幅方向の余白を削除することで、当該表示領域の横幅を、当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和元年10月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項3の記載は次のとおりである。

「 【請求項3】
被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報であって、被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を横から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の横に配置して表示する表示手段と、
前記被験者を横から見た骨格情報の表示領域の横幅を調整することで、当該表示領域を当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」

2 補正の適否
本件補正は、「当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段」が調整する「当該表示領域の横幅」を、「骨格情報を表示する表示領域の高さ方向の余白ではなく、幅方向の余白を削除すること」で調整する旨の限定を付加するものであって、補正前の請求項3に記載された発明と補正後の請求項3に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項3に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1について
(ア)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

(引1a)「The term 'images of a motion based on subject-specific motion data' refers to two-dimensional or three-dimensional visualisations containing colour and/ or transparency that are either: (i) rendered directly from subject-specific motion data or (ii) rendered indirectly from other data that is based on subject-specific motion data.
The term 'comprising' as used in this specification means 'consisting at least in part of, that is to say when interpreting statements in this specification which include that term, the features, prefaced by that term in each statement, all need to be present but other features can also be present.
Preferably, a sequence of images rendered from the subject-specific motion data provides an animation performing the motion. In one form, the animation is a stick figure representation of a human performing the motion. In another form, the animation is an outline representation of a human performing the motion. In another form, the animation is a full body representation of a human character performing the motion.」(3頁17行-4頁2行、当審訳:「「対象固有のモーションデータに基づくモーションの画像」という用語は、次のいずれかである色および/または透明度を含む2次元または3次元の視覚化を指します。(i)対象固有のモーションデータから直接レンダリングされるか、(ii)被験者固有のモーションデータに基づく他のデータから間接的にレンダリングされます。
本明細書で使用される「含む」という用語は、「少なくとも一部からなる」を意味する。すなわち、その用語を含む本明細書のステートメントを解釈する場合、各ステートメントでその用語で始まる特徴は、すべて存在する必要がある。ただし、他の機能も存在する可能性があります。
好ましくは、対象固有のモーションデータからレンダリングされた一連の画像は、モーションを実行するアニメーションを提供する。ある形式では、アニメーションは、モーションを実行する人間の棒人間表現です。別の形式では、アニメーションは、モーションを実行する人間の輪郭表現です。別の形式では、アニメーションは、モーションを実行する人間のキャラクターの全身表現です。」)

(引1b)「Referring to Figure 2A, example forms of the images are shown displayed on a display 200. An image of the motion is shown as 202 and may form one of a number of sequential images of an animation performing the motion. In the illustrated form, the animation 202 is a stick figure representation of a human performing the motion. Skilled persons will appreciate that other representations may be used instead. For example, the animation may be an outline representation or a realistic representation of a human (or other character) performing the motion. Also, the animation may be a partial representation (e.g. only of the arms) or a full representation of the motion. The images of the animation 202 in the form shown are overlaid on the images of the user's motion 204. Depending on how the animation 202 is displayed, it may also be possible to overlay images of the user's motion 204 on the images of the animation 202.」(10頁下から3行-11頁8行、当審訳:「図2Aを参照すると、画像の例示的な形態がディスプレイ200に表示されて示されている。モーションの画像は202として示され、動きを実行するアニメーションのいくつかの連続した画像のうちの1つを形成し得る。 図示の形態では、アニメーション202は、動きを実行している人間の棒人間表現である。熟練した人は、代わりに他の表現を使用できることを理解するでしょう。例えば、アニメーションは、動きを実行する人間(または他のキャラクター)の輪郭表現または現実的な表現であり得る。 また、アニメーションは、部分的な表現(例えば、腕のみ)または動きの完全な表現であり得る。示されている形式のアニメーション202の画像は、ユーザの動き204の画像にオーバーレイされる。 アニメーション202がどのように表示されるかに応じて、ユーザの動き204の画像をアニメーション202の画像にオーバーレイすることも可能であり得る。」)

(引1c)「A further form of the device of the present invention is shown generally as 300 in Figure 3. The device 300 includes an LCD display 302, three video cameras 304a, 304b, 304c that are arranged to capture different views of a user 303 performing a motion, a navigation tool 305, a storage device 306 and a processor 308. In this form, the LCD display 302, one video camera 304a, the navigation tool 305, the storage device 306 and the processor 308 are located in a single housing 310. The remaining two video cameras are located in individual housings 312 and 314.
The use of more than one camera gives the user 303 the option of viewing the motion from more than one point of view at any one time. Coupled with the ability of the present invention to manipulate the subject-specific motion data to generate images of the motion from any point of view, the form of the present invention illustrated in Figure 3 allows the user to emulate the execution of the motion from more than one point of view at the same time. The ability of display and emulate from different views will be described in detail later in this specification with reference to Figures 8, 9 A and 9B.」(12頁3-16行、当審訳:「本発明の装置のさらなる形態は、一般に、図3に300として示されている。デバイス300は、動作を実行するユーザ303の異なるビューをキャプチャするように配置されたLCDディスプレイ302、3つのビデオカメラ304a、304b、304c、ナビゲーションツール305、記憶デバイス306、およびプロセッサ308を含む。この形態では、LCDディスプレイ302、1つのビデオカメラ304a、ナビゲーションツール305、記憶装置306、およびプロセッサ308は、単一のハウジング310内に配置されている。残りの2つのビデオカメラは、個々のハウジング312および314に配置されている。
複数のカメラを使用することにより、ユーザは、一度に複数の視点から動きを見ることができる。被験者固有のモーションデータを操作して任意の視点からモーションの画像を生成する本発明の能力と相まって、図3に示される本発明の形態は、ユーザがより多くからモーションの実行をエミュレートすることを可能にする。同時に1つの視点より。異なるビューから表示およびエミュレートする機能については、図8、9A、および9Bを参照して、この仕様の後半で詳しく説明する。」)

(引1d)「In one form, the motion data comprises continuous three-dimensional positional information for each relevant human joint as functions of time. The three-dimensional positional information is represented by continuous functions of rime using, for example, cubic B-splines. The continuous functions of time are either specified directly or obtained through curve-fitting a continuous function to discrete data.」(19頁6-10行、当審訳:「一形態では、モーションデータは、時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である。3次元位置情報は、例えば、立方晶のB-スプラインを用いて時間の連続関数で表される。時間の連続関数は、直接的に指定し、或いは、連続関数を曲線当てはめの離散データを経て得られた。」)

(引1e)「Referring to Figures 9A and 9B, a schematic of the user interface of Figure 8 is shown. In particular, Figure 9A shows the displaying of a front view 902, a side view 904 and top view 906 of the user's motion 908 and the motion 910. Alternatively, as shown in Figure 9B, the display 902 may selectively display one point of view at a time. Because the present invention generates images of the motion from motion data, and given that the motion data represents the motion in three-dimensional space (which may be continuous in time), it is possible for the present invention to generate images of the motion from any point of view at an arbitrary frame rate, resolution and smoothness. For instance, the point of view displayed may be a predetermined point of view (e.g. by the processor) or a point of view selected or requested by the user. This ability allows the present invention to generate images of the motion to correspond to the images of the user, as shown in Figure 9A. Also, this ability allows the user to check the posture or motion from another point of view or an unconventional point of view. Further, it is possible for the point of view to be continuously changed throughout the motion to create a fly-through effect.」(21頁下から4行-22頁10行、当審訳:「図9Aおよび9Bを参照すると、図8のユーザインターフェースの概略図が示されている。詳しくは、図9Aは、ユーザのモーション908およびモーション910の正面図902、側面図904、および上面図906の表示を示している。 あるいは、図9Bに示されるように、ディスプレイ902は、一度に1つの視点を選択的に表示することができる。本発明は、モーションデータからモーションの画像を生成し、モーションデータが(時間的に連続し得る)3次元空間における動きを表すとすると、本発明は、任意のフレームレート、解像度、滑らかさで、任意の視点モーションの画像を生成することが可能である。例えば、表示される視点は、(例えば、プロセッサによって)所定の視点、またはユーザによって選択または要求された視点であり得る。この能力により、本発明は、図9Aに示されるように、ユーザの画像に対応する動きの画像を生成することができる。また、この機能により、ユーザは別の視点または従来と異なる視点から姿勢や動きを確認できる。」)

(引1f)「



(引1g)「



(イ)引用文献1に記載された発明
a 上記(引1g)より、「正面図902」に比べて「側面図904」を示す図の幅方向の余白が少ないことから、「側面図904」の表示領域の横幅は、幅方向の余白を削除することで、「ユーザのモーション908及びモーション910」の大きさに合わせて調整されている点が見て取れる。また、「上面図906」は、「ユーザのモーション908及びモーション910」が、「上面図906」の中央に無駄なく配置されていることから、「上面図906」の表示領域は、「ユーザのモーション908及びモーション910」の大きさに合わせて調整されている点が見て取れる。そして、「側面図904」及び「上面図906」が表示される表示領域は、「正面図902」が表示される表示領域の上に配置している点が見て取れる。

b 上記(引1a)には、「対象固有のモーションデータに基づくモーションの画像」は、「対象固有のモーションデータからレンダリングされる」「2次元または3次元の視覚化」であり、「対象固有のモーションデータからレンダリングされた一連の画像」は、「モーションを実行する人間の棒人間表現で」ある「アニメーション」である旨記載されている。

c 上記(引1b)には、「モーションの画像は202として示され、動きを実行するアニメーションのいくつかの連続した画像のうちの1つを形成し得る」ものであり、「アニメーション202は、動きを実行している人間の棒人間表現である」旨記載されている。

d 上記(引1d)には、「モーションデータは、時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である」旨記載されている。

e 上記b?dより、「モーションの画像202」は、「時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である」「対象固有のモーションデータからレンダリングされる」「2次元または3次元の視覚化」であって「動きを実行している人間の棒人間表現である」といえる。

f 上記(引1f)及び(引1g)より、図9Aの「モーション910」は、図2Aの「モーションの画像202」と同じ「人間の棒人間表現」である点が見て取れる。

g 上記e及びfを踏まえると、(引1d)の「モーション910」は、「時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である」「対象固有のモーションデータからレンダリングされる」「2次元または3次元の視覚化」であって「動きを実行している人間の棒人間表現である」といえる。

h 以上a?gを踏まえると、上記(引1a)?(引1f)より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「一度に複数の視点から動きを見ることができるデバイス300において、
ユーザインターフェースに、
ユーザのモーション908および
時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である対象固有のモーションデータからレンダリングされる2次元または3次元の視覚化であって動きを実行している人間の棒人間表現であるモーション910の、
正面図902、側面図904、および上面図906を表示し、
側面図904の表示領域の横幅は、幅方向の余白が削除することで、ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整され、
上面図906の表示領域は、ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整され、
側面図904及び上面図906が表示される表示領域は、正面図902が表示される表示領域の上に配置されている
デバイス300。」

イ 引用文献4?6について
(ア)引用文献4
原査定の拒絶の理由で周知例として引用された本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2000-3384号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(引4a)「【0246】ステップS186の後、前記2次元図面の種々の図が、ステップS188でグループ化され且つそれそれ定義される。この発明の1つの側面によれば、サーバモジュール32は、図22(b)及び23(a)に示されるような平面図(上面図)及び正面図、右側面の配置のごとき、予め定められた或いは標準的な図と向きをサポートする。平面図及び正面或いは背面図及び右或いは左図のような他の図及びレイアウトもまたサポートされ得る。更に以下に記載されるように、サーバモジュール32はまた前記2次元図面の図を前記パーツの3次元表現へ加工するために、回転された図(例えば図23(a)を見よ)もサポートする。いずれにしても、パーツの3次元モデルが構成されるためには、厚さ表現を有するパーツの少なくとも2つ(そして好ましくは3つ)の異なる図が提供される必要がある。連結性グラフ構造において前記エンティティーの連結性及びグループ化を解析することにより、サーバモジュール32は、複数の図の各々の相対的位置及び/又は座標位置に基づいて前記複数の図を分類し且つ定義する。」

(引4b)「【図22】



(イ)引用文献5
原査定の拒絶の理由で周知例として引用された本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2001-184373号公報(以下「引用文献5」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(引5a)「【0010】図5は補助投影図作成の例を示している。補助投影図は3次元モデルデータで、面上に形状データあるいはフィーチャデータが定義されている面に対して作成する。図5の3次元モデルデータ5から、3面図の基本レイアウトの図面500を作成する場合、3次元モデル形状データから面の情報を取り出す。取り出した面の情報から面が基本レイアウトの各図と平行かどうか調べ、平行な面は候補から外す。面53は右側面図と平行なため候補から外される。次に、面上に形状、フィーチャがあるか調べ、ない場合は候補から外す。面52は、面上に形状、フィーチャが無いため候補から外される。したがって、基本レイアウト5の各図と平行ではなく、面上に形状のある面51が補助投影図作成の候補となり、表示装置501に補助投影図作成候補面51として表示する。ユーザは補助投影図の生成をする場合には、生成面として面51を指示する。システムが補助投影図及び3面図を作成し、図をレイアウトし、出力図面502を作成する。」

(引5b)「



(ウ)引用文献6
原査定の拒絶の理由で周知例として引用された本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、登録実用新案第3037934号公報(以下「引用文献6」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(引6a)「 【0012】
22は正方形で無色透明な第4水平仕切板であって、隅部を中心として円弧6を画き、270゜から360゜の角度13を10゜ピッチで記入し、更に前記方眼19を設け、隅部を交点側にしてX軸3の取付溝3bとY軸4の取付溝4bに挿設している。
このようにZ軸を垂直としX軸3・Y軸4を水平にして各上部仕切板5,8,10,11と下部仕切板12,14,16,17と水平仕切板18,20,21,22を設けて上部4箇所に上部仕切空間23,24,25,26と下部4箇所に下部仕切空間27,28,29,30の8箇所を形成している。 31は正面図31aの下に平面図31bを、正面図31aの右側に左側面図31cを画いた一角法を表す基本形シートであって、折曲線32,33を設けて折曲げを可能としている。
34は正面図34aの上に平面図34bを、正面図34aの右側に右側面図34cを画いた三角法を表す基本形シートであって、折曲線35,36を設けて折曲げを可能としている。」

(引6b)「図11



(エ)周知の構成について
a 引用文献4には、「サーバモジュール32は、図22(b)・・・に示されるような平面図(上面図)及び正面図、右側面の配置・・・をサポートする」旨記載され(上記(引4a)参照)、上記(引4b)の図22(b)より、正面図の表示領域の横に右側図の表示領域が配置されている点が見て取れる。

b 引用文献5には、「3次元モデルデータ5から、3面図の基本レイアウトの図面500を作成する」旨記載され(上記(引5a)参照)、(引5b)の図面500には、正面図の表示領域の横に右側面図の表示領域が配置されている点が見て取れる。

c 引用文献6には、「34は・・・、正面図34aの右側に右側面図34cを画いた三角法を表す基本形シートであって」と記載され(上記(引6a)参照)、上記(引6b)より「正面図34a」の表示領域の横に「右側面図34c」の表示領域が配置されている点が見て取れる。

d 引用文献4の「右側図」、引用文献5の「右側面図」及び引用文献6の「右側面図34c」は、いずれも「側面図」であって、これらの「側面図」の表示領域は、いずれも「正面図」の表示領域の横に配置されていることから、側面図の表示領域を、正面図の表示領域の横に配置することは、周知の構成であるといえる。

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「デバイス300」は、「対象固有のモーションデータ」を処理していることから、本件補正発明の「情報処理装置」に相当する。

(イ)引用発明の「対象固有のモーションデータ」は、「時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である」から、本件補正発明の「被験者の関節の座標情報」に相当する。そして、引用発明の「モーション910」は、「時間の関数として、ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である対象固有のモーションデータからレンダリングされる2次元または3次元の視覚化であって動きを実行している人間の棒人間表現である」から、引用発明の、「ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である対象固有のモーションデータからレンダリングされる」「モーション910」は、本件補正発明の「被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報」に相当する。

(ウ)上記(イ)を踏まえると、引用発明の「モーション910」の、「正面図902」及び「側面図904」は、それぞれ、本件補正発明の「被験者を正面から見た骨格情報」及び「被験者を横から見た骨格情報」に相当する。そして、引用発明は、「ユーザインターフェース」に、「モーション910」の、「正面図902」及び「側面図904」を表示しているから、引用発明は、「モーション910」の、「正面図902」及び「側面図904」を表示する表示手段を有していることは明らかであり、該表示手段は、「側面図904」が「表示される表示領域」を、「正面図902が表示される表示領域の上に配置」して表示しているから、引用発明の「モーション910」の、「正面図902」及び「側面図904」を表示し、「側面図904」が「表示される表示領域」を、「正面図902が表示される表示領域の上に配置」して表示する表示手段と、本件補正発明の「被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を上から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を上から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の上に配置して表示する表示手段」とは、「被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を上から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を上から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の周辺に配置して表示する表示手段」である点で共通する。

(エ)引用発明の「側面図904の表示領域の横幅は、幅方向の余白が削除することで、ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整され」ていることから、引用発明には、「側面図904の表示領域の横幅」を「ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整」する調整手段を有していることは明らかであるから、引用発明の該調整手段は、本件補正発明の「前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域の高さ方向の余白ではなく、幅方向の余白を削除することで、当該表示領域の横幅を、当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段」に相当する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)「被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報であって、被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を横から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の周辺に配置して表示する表示手段と、
前記被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域の高さ方向の余白ではなく、幅方向の余白を削除することで、当該表示領域の横幅を、当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段と、
を備える情報処理装置。」

(相違点1)被験者を横から見た骨格情報を表示する表示領域の配置が、本件補正発明は、「被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の横」であるのに対し、引用発明は、「正面図902が表示される表示領域の上」である点。

(4)判断
以下、上記相違点1について検討する。
対象物の異なる方向からの画像を表示する表示領域の配置をどのような配置とするかは、表示される対象物や、表示される環境等によって、適宜設定されるものであって、上記(2)イで検討したとおり、側面図の表示領域を、正面図の表示領域の横に配置することは周知の構成であるから、引用発明において、「側面図904の表示領域」を「正面図902が表示される表示領域の横」に配置することは、の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到できたことであるといえるから、本件補正発明は、引用発明から、当業者が容易に想到できたことであるといえる。
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用文献1に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年4月2日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年10月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。

「 【請求項1】
被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報であって、被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を上から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を上から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の上に配置して表示する表示手段と、
前記被験者を上から見た骨格情報の表示領域の高さを調整することで、当該表示領域を当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、補正前の請求項1、4?5、7及び9に係る発明は、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当するか、又は、下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:国際公開第2008/023250号
引用文献2:特開2008-289091号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特開平1-206467号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2000-3384号公報(周知技術を示す文献)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。

ア 前記第2の[理由]2(3)ア(ア)及び(イ)で検討したとおり引用発明の「デバイス300」及び「ヒトの関節に対して連続的な3次元の位置情報である対象固有のモーションデータからレンダリングされる」「モーション910」は、それぞれ、本願発明の「情報処理装置」及び「被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報」に相当する。そして、引用発明の「モーション910」の、「正面図902」及び「上面図906」は、それぞれ、本願発明の「被験者を正面から見た骨格情報」及び「被験者を上から見た骨格情報」に相当する。

イ 引用発明は、「ユーザインターフェース」に、「モーション910」の、「正面図902」及び「上面図906」を表示しているから、引用発明は、「モーション910」の、「正面図902」及び「上面図906」を表示する表示手段を有していることは明らかであり、該表示手段は、「上面図906」が「表示される表示領域」を、「正面図902が表示される表示領域の上に配置」して表示しているから、引用発明の「モーション910」の、「正面図902」及び「上面図906」を表示し、「上面図906」が「表示される表示領域」を、「正面図902が表示される表示領域の上に配置」して表示する表示手段は、本願発明の「被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を上から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を上から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の上に配置して表示する表示手段」に相当する。

ウ 引用発明の「上面図906の表示領域は、ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整され」ていることから、引用発明には、「上面図906の表示領域」を「ユーザのモーション908及びモーション910の大きさに合わせて調整」する調整手段を有していることは明らかであるから、引用発明の該調整手段と、本願発明の「前記被験者を上から見た骨格情報の表示領域の高さを調整することで、当該表示領域を当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段」とは、「前記被験者を上から見た骨格情報の表示領域を調整することで、当該表示領域を当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段」である点で共通する。

エ 以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)「被験者の関節の座標情報に基づき生成される骨格情報であって、被験者を正面から見た骨格情報と、被験者を上から見た骨格情報と、を表示し、前記被験者を上から見た骨格情報を表示する表示領域を、被験者を正面から見た骨格情報を表示する表示領域の上に配置して表示する表示手段と、
前記被験者を上から見た骨格情報の表示領域を調整することで、当該表示領域を当該骨格情報の大きさに合わせて調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。」

(相違点2)前記被験者を上から見た骨格情報の表示領域の調整が、本願発明は「高さを調整する」のに対し、引用発明は、そのような特定がない点。

(2)判断
上記相違点2について検討する。
表示領域の調整は、表示する画像等を考慮して高さ方向や幅方向に対し適宜行うものであって、引用発明の「上面図906の表示領域」の調整においても同様に、高さ方向や幅方向に対し適宜行われているものであるから、上記相違点2は、実質的な相違点とはならない。
仮に、上記相違点2が実質的な相違点であったとしても、上記相違点2に係る構成は、引用発明から当業者が容易に想到できたものであるといえる。

そうすると、本願発明は、引用発明であるといえるから、特許法29条1項3号に該当するか、又は、引用発明から当業者が容易に想到できたものであるといえるから、特許法29条2項の既定により、特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条1項3号に該当するか、又は、同条2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-12-25 
結審通知日 2021-01-05 
審決日 2021-01-20 
出願番号 特願2015-213488(P2015-213488)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
P 1 8・ 113- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 秀樹  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 磯野 光司
福島 浩司
発明の名称 情報処理装置、情報処理方法、プログラム  
代理人 木村 友輔  
代理人 木村 友輔  

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