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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47J 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47J |
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管理番号 | 1372234 |
審判番号 | 不服2019-6381 |
総通号数 | 257 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-05-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-05-15 |
確定日 | 2021-03-17 |
事件の表示 | 特願2017-515770「炊飯器用の蓋体ユニット及びそれを備える炊飯器」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月24日国際公開、WO2016/041338、平成29年10月 5日国内公表、特表2017-529166〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2015年4月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年9月19日、中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 平成30年5月14日付けで拒絶理由の通知 平成30年8月22日に意見書及び手続補正書の提出 平成31年1月7日付けで拒絶査定 令和元年5月15日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出 令和元年6月24日に審判請求書の請求の理由を補正する手続補正書(方式)の提出 令和元年8月30日に上申書の提出 令和2年2月18日付けで当審における拒絶理由の通知 令和2年6月8日に意見書及び手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1ないし7に係る発明は、令和2年6月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに願書に最初に添付された明細書及び図面の記載によれば、特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 炊飯器本体(100)と、前記炊飯器本体(100)上に設けられた蓋体ユニット(200)とから構成された炊飯器であって、 前記炊飯器本体(100)と前記蓋体ユニット(200)とから調理室(1001)が構成されており、 前記蓋体ユニット(200)は、 蓋体(1)と、 前記蓋体(1)の内側に設けられ、貫通するベントホール(221)が形成される蓋プレート(2)と、 前記蓋体(1)における前記蓋プレート(2)に向く側に設けられる保温板(12)と、 前記保温板(12)と前記蓋プレート(2)との間に設けられ、前記保温板(12)及び前記蓋プレート(2)と共に、前記ベントホール(221)と連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティ(201)を区画する密封ユニット(3)と、 前記蓋体ユニット(200)に設けられ、前記収容キャビティ(201)を加熱する為に、前記収容キャビティ(201)に接して配置された発熱素子(4)と、を含み、 前記蓋体(1)の内側には、前記蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ、 前記収容キャビティ(201)内の蒸気が、前記発熱素子(4)によって加熱されることによって、前記ベントホール(221)を通って調理室(1001)に戻るように構成されており、 前記蓋プレート(2)には、略半円形状の凸部(21)が形成され、前記凸部(21)は、前記蓋プレート(2)の外面から内面の方向に突出しており、前記凸部(21)には、略半円形状の外周に沿って、前記保温板(12)の方向に凹んだ複数の凹部(22)が形成され、前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されていることを特徴とする炊飯器。」 第3 令和2年2月18日付けで通知した拒絶の理由 当審において、令和2年2月18日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願の請求項1に係る発明についての理由は、概略以下のとおりである。 1 理由1(進歩性) 本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前(優先日前)に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 2 理由2(拡大先願) 本願の請求項1に係る発明は、その出願の日前(優先日前)の他の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の特許出願(以下「先願」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、本願の発明者がその出願の日前(優先日前)の他の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本願の出願時において、その出願人が上記他の特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 引用文献1:特開2009-285231号公報 引用文献2:特開2013-22332号公報 先願:特願2014-106646号(特開2015-221118号) 第4 理由1(進歩性)についての検討 1 引用文献 (1)引用文献1について ア 引用文献1の記載 当審において通知した拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の優先日前に頒布された引用文献1(特開2009-285231号公報)には、「炊飯器」に関し、次の記載がある。 なお、「・・・」は記載の省略を示し、下線は当審において付したものである(以下同様。)。 「【0001】 本発明は、本体内に収納した内鍋内に炊飯中に発生する結露水を貯溜する結露受け部を設け、蒸らし中及び保温中に前記結露受け部から発生する蒸気でご飯を蒸らし、保温時のごはんの乾燥を低減する炊飯器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から美味しいご飯を炊き上げ、保温中の乾燥を低減するために、内鍋内に蒸気を送り込む炊飯器が提案されている。 【0003】 このような炊飯器として、本体又は内鍋の一部に水タンク(貯水部)を備え、炊飯の開始前に前記水タンクに水を入れ、該水タンクを加熱手段で加熱することによって蒸気を発生させ、該蒸気を内鍋内の空間に供給する構成や、内鍋の上面開口部を塞ぐ内蓋の下面に皿状の露受部を設け、炊飯の進行に伴って内鍋で発生する蒸気を前記露受部に溜め、保温時に露受部を保温ヒータで加熱してその中に溜まっている水を加熱して内鍋内に蒸気として供給するものが知られている。 【0004】 前者の方式として、特許文献1,2,3等が知られおり、また、後者の方式として特許文献4,5等が知られている。 ・・・ 【0007】 さらに、特許文献4,5に示すものは、内鍋の上面開口部を覆う内蓋と、該内蓋の上面に設けた外蓋と、外蓋の下面に垂設され上記内蓋を挿通する支持軸と、前記内蓋の下方に位置して前記支持軸に固定した皿状の露受皿を備え、炊飯時に内鍋で発生する蒸気を露受皿に溜め、保温時に適宜蒸気化して内鍋に供給する構成である。 【0008】 【特許文献1】特開2003-144308号公報 【特許文献2】特開2007-325681号公報 【特許文献3】特開2007-313138号公報 【特許文献4】実開昭57-140209号公報 【特許文献5】特開昭57-209016号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0011】 また、特許文献4,5に示すものは、内蓋の内鍋側中央部に取り付けられた露受皿が内蓋全体の面積に比べて極めて小さく、内蓋の下面全体が内鍋内に露出した状態となっており、また、露受皿の外周面の全周と内鍋下面との間に隙間が形成されているため、炊飯中に内蓋、露受皿とも内鍋から発生する高温蒸気により同一温度に加熱されて結露せず、該高温蒸気は内鍋の中心部側に開けた蒸気抜き孔から本体外に放出されてしまう。この結果、露受皿には結露水が溜まることはなく、保温時に内鍋内に蒸気を供給してご飯の乾燥を低減することはできないものであった。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、請求項1では、本体と、該本体の上面開口部を覆う外蓋と、前記本体内に着脱自在に収納される内鍋と、該内鍋の上面開口部を覆う内蓋と、該内蓋の略中央部に設けられた内蓋蒸気通路と、前記外蓋に設けられた外蓋蒸気通路と、該外蓋蒸気通路と前記内蓋蒸気通路との間で蒸気の通過を制限する制限手段を有し、前記外蓋には内蓋を加熱する蓋加熱手段を備えた炊飯器において、前記内蓋の下面に該内蓋のほぼ全面を覆う結露受け皿を設け、該結露受け皿は前記内蓋より熱容量が小さい材料で構成され、その外周面がシールパッキンを介して前記内蓋の下面に密接し、かつ、前記結露受け皿は、外周側より前記内蓋蒸気通路側に近い位置に前記内蓋側に突出する略リング状の膨出部を有し、該膨出部にリング状に沿って複数個の蒸気流通路を設けたものである。 【0013】 請求項2では、前記結露受け皿の膨出部に設けられた複数個の蒸気流通路は、前記内蓋に設けられた内蓋蒸気通路と対向しない位置に設けられているものである。 【発明の効果】 【0014】 上記本発明によれば、炊飯時に発生する蒸気を内蓋の下面に結露させ、結露した水を結露受け皿内に水滴として溜め、その水を蒸らしと保温中に用いて蒸気にするので、結露受け皿に炊飯前に毎回水を入れる必要がなく、手間が少なく、蒸気を利用して美味に炊飯,保温のできる炊飯器が実現できる。 【0015】 また、内蓋の下面に設けられた結露受け皿は、外周側より前記内蓋蒸気通路側に近い位置に前記内蓋側に突出する略リング状の膨出部を有し、該膨出部にリング状に沿って複数個の蒸気流通路を設けているので、結露受け皿に溜まった結露水は略リング状の膨出部に沿って結露受け皿の全面に広がり、また、蒸気流通路から内鍋に噴出する蒸気もリング状に沿って内鍋内に噴出するため、内鍋の全体に均一に供給され、内鍋全体を蒸気で充満させることができ、ご飯の乾燥を防ぎ、美味に保温することができる。 【0016】 さらに、結露受け皿の膨出部に蒸気流通路を設けているので、結露受け皿に溜まった結露水は、ご飯を装うために外蓋を開けても蒸気流通路から内鍋内に滴下したり、本体を濡らすことがなく、再度外蓋を閉じれば内鍋の内部を蒸気で加湿してご飯の乾燥を抑えることに有効に使用することができる。」 「【0019】 図1は、本発明に係る炊飯器の全体の縦断面図、図2は、同縦断面図で炊飯中の蒸気の流れを示す図である。図3は、同縦断面図で保温中の蒸気の流れを示す図である。図4は、同蓋部の中央縦断面図である、図5は、同蓋部の内部構造を示す一部破断斜視図である。図6は、同蓋部を上面から見た分解斜視図である。また、図7は、同蓋部を左側から見た分解斜視図である。 【0020】 図において、ジャー炊飯器の本体1は、内側に上面が開口した保護枠11が設けられ、保護枠11内には内鍋3が着脱自在に収納されている。 【0021】 内鍋3は、有底筒状であり、その上端部は、本体1から着脱操作がしやすいように、略水平に折り曲げられている。 【0022】 保護枠11の外側底面部と外側側面部には、内鍋3の底面部を誘導加熱する底面加熱コイルと、側面部を誘導加熱する側面加熱コイルからなる加熱手段12が設けられている。 【0023】 本体1の上面開口部には、該上面開口部を覆う外蓋2が開閉自在に取り付けられており、該外蓋2の下面には、内鍋3の上面開口部を塞ぐステンレス板よりなる内蓋4がシールパッキン4eを介して取り付けられている。なお、内蓋4は、外蓋2に一体に組み込まれていてもよく、又図7に示すように、外周面の上下に着脱部材4a,4bを設けて外蓋2の下面受け部(図示せず)に着脱自在に取り付けてもよい。 【0024】 内蓋4の下面には、該内蓋4のほぼ全面を覆うように結露受け皿5が着脱自在に取り付けられている。該結露受け皿5は、アルミ板よりなり、上面及び下面にフッ素樹脂をコーティングした皿部5aと、皿部5aの外周の立ち上げ壁5bに嵌め込まれた樹脂製の枠体5c及び枠体5cの内周壁面に嵌め込まれシールパッキン5dとで構成されており、シールパッキン5dは、枠体5cの内周壁面より突出した先端部を皿部5aの中心方向に彎曲させて内蓋4の下面に密着させている。従って、内蓋4の下面と結露受け皿5との間には、隙間6が形成されている。また、シールパッキン5dの彎曲部には、外蓋2を開けたときに内蓋4と皿部5aから滴下する結露水を受ける水溜め部5eが形成されている。 【0025】 なお、前記したシールパッキン5dは、必ずしも枠体5cの内周壁面に嵌め込まれる必要はなく、他の方法で固定してもよく、要は皿部5aの立ち上げ壁5bの内壁側に位置していて外蓋2を開けたときに皿部5aから滴下する結露水を受けることができればよい。 【0026】 結露受け皿5の着脱構造は、図5,図6,図7に示すように、内蓋4の外周近傍の上部に上受け具4c、下部に下受け具4dを設け、結露受け皿5の枠体5cの上部にバネ5fによって上方に付勢される上引掛け具5g、下部に下引掛け部5hを設け、結露受け皿5の下引掛け部5hを内蓋4の下受け具4dにはめ込んだ後、上引掛け具5gをバネ5fに抗して下に押し下げて内蓋4の上受け具4cにはめ込み、バネ5fにより上に戻して上受け具4cから外れないようにする。 【0027】 また、結露受け皿5は、上記したようにアルミ板で構成されていて、ステンレス板で構成される内蓋4に比べて材料の比熱,重量,厚さ,熱容量が小さく、温まりやすくなっている。 【0028】 また、結露受け皿5は、半径方向の略中間位置に内蓋4側に突出する膨出部5iが周方向に沿って連続して設けられ、その上面に同じく周方向に沿って小穴からなる複数個の蒸気流通路5jが設けられている。 【0029】 7は、内蓋4に設けられた内蓋蒸気通路で、結露受け皿5の蒸気流通路5jと対向しない位置で、かつ、蒸気流通路5jの全体の開口面積より小さくなるように構成されている。 【0030】 また、内蓋蒸気通路7は、外蓋2に設けられた外蓋蒸気通路8に繋がっており、その経路の間には制限手段9が設けられ、この制限手段9によって内鍋3から結露受け皿5,内蓋蒸気通路7を通して外蓋蒸気通路8に出る蒸気の通過が制限される。 【0031】 制限手段9は機械的に通路を開閉するものであっても良いし、通路を塞ぐ球などを用いて、球の自重と通過する蒸気の圧力で蒸気の通過を制限するものであっても良い。なお、図では、小穴と、この小穴を塞ぐ球の構造を示している。 【0032】 外蓋2には蓋加熱手段10が設けられており、内蓋4を加熱するとともに、内蓋4を介して結露受け皿5も加熱するものである。 【0033】 13は、内鍋3の底面の温度を検知する温度センサ、14は制御回路で、本体1内の下部空間に配置されており、温度センサ13からの温度情報に基づいて加熱手段12,蓋加熱手段10の通電状態を制御する。 【0034】 本実施例は以上の構成よりなり、次にその動作を説明する。 【0035】 使用者が内鍋3に適量の米と水を入れ、外蓋2を閉めると、内鍋3の上部を内蓋4が塞ぎ、密閉した空間となる。このとき、この空間内には内蓋4と結露受け皿5で構成される隙間6も含まれる状態となる。 【0036】 その後、使用者が炊飯操作をすると、炊飯が開始され、加熱手段12に通電されて内鍋3が加熱される。ただし、この時、蓋加熱手段10には通電されていない。 【0037】 内鍋3の内部が60℃を越えるころから、湯気(低温の蒸気)が発生し、内鍋3の内周面に触れてその温度差によって結露する。結露によって結露受け皿5の内鍋3との対向面は熱をもらうことになるので、結露受け皿5の温度は内鍋3内部の湯の温度に近い状態で上昇していく。 【0038】 このとき、内蓋4は、結露受け皿5によりほぼ全面が覆われており、湯気(低温の蒸気)が触れないことと、皿部5aの枠体5cが樹脂で構成されていることにより、結露受け皿5からの放射熱は受けるものの、結露受け皿5からの熱伝導が少なく、結露受け皿5よりも低い温度で推移する。 【0039】 やがて、内鍋3内が沸騰すると、蒸気(100℃)が発生して圧力が高まり、結露受け皿5の蒸気流通路5jから内蓋4と結露受け皿5で構成される隙間6に蒸気が流入する。 【0040】 尚、この時、おかゆ等が炊かれて前記蒸気流通路5jがおねば等で塞がれたり蒸気の流通が悪くなった場合には、内鍋3内の圧力がさらに上昇すると、シールパッキン5dの水溜め部5eが圧力の逃げる方向に変形してその先端部が内蓋4の下面から離れ、その間隙から図4の矢印イのように内鍋3内の蒸気が隙間6,内蓋蒸気通路7側に流れる。 【0041】 さらに、この蒸気は、図2に示すように、制限手段9が開放されていることにより、内蓋蒸気通路7,制限手段9,外蓋蒸気通路8を経て外部へと放出されるが、内蓋蒸気通路7より結露受け皿5の蒸気流通路5jの開口面積が大きいので、内鍋3の内部と結露受け皿5と内蓋4の間隙の圧力はほぼ等しく、結露受け皿5と内蓋4の間の隙間6に蒸気が充満することになる。 【0042】 加えて、結露受け皿5の蒸気流通路5jは、内蓋蒸気通路7と対向しない位置にあるので、直行的に蒸気が内蓋蒸気通路7から出ることがなく、結露受け皿5と内蓋4の隙間6に蒸気が充満することになる。この充満した蒸気は、結露受け皿5に比べて温度が低く、温まりにくい内蓋4の結露受け皿5の対向面に結露し、水滴化して結露受け皿5の上に溜まる。 【0043】 内蓋4は、温まりにくく、かつ、蓋加熱手段10は加熱動作をしていないので、内蓋4に触れた蒸気は放熱され、内蓋4に継続的に結露して水滴化し、結露受け皿5の上に溜まる。 【0044】 やがて、蒸らしに移行すると、蓋加熱手段10に通電されて内蓋4が加熱され、内蓋4の下面から滴下して結露受け皿5に溜まった水滴が加熱され蒸気となる。 【0045】 この蒸気は、図3に示すように制限手段9の働き(閉塞)によって、外蓋蒸気通路8から外部に出ることができないので、蒸気圧によって結露受け皿5の蒸気流通路5jから内鍋3内の全体に均一に供給され、内鍋3の内部を蒸気で充満させることになる。これによって、内鍋3内の全体を十分に蒸らし、ご飯を美味に仕上ることができる。 【0046】 保温中においても、同様に蓋加熱手段10により発生した蒸気が制限手段9の働きにより外気に逃げることがなく、結露受け皿5の蒸気流通路5jから内鍋3内の全体に均一に供給され、内鍋3の内部を蒸気で加湿し、ご飯の乾燥をおさえながら保温ができる。 【0047】 なお、上記した炊飯から保温までの工程における加熱手段12と蓋加熱手段10の通電状態の制御は、内鍋3の温度を検知する温度センサ13と、該温度センサ13からの温度情報を入力する制御回路14によって行われる。 【0048】 一方、ご飯を装うために、外蓋2を開けた場合には、結露受け皿5に内蓋4側に突出する膨出部5iが設けられ、その上面に複数個の蒸気流通路5jが設けられていることと、それまで内蓋4の下面に密接していた結露受け皿5のシールパッキン5dに水溜め部5e(彎曲部)が形成されているため、皿部5aから滴下する結露水は水溜め部5eに溜り、蒸気流通路5jから内鍋3内に滴下したり、本体1等を濡らすことがない。そして、外蓋2を閉じた後は、結露受け皿5に溜まった結露水により内鍋3の内部を蒸気で加湿してご飯の乾燥をおさえることに有効に使用することができる。 【0049】 なお、炊飯器を使用し終わった後に結露受け皿5を清掃する場合には、内蓋4の下面から結露受け皿5を取り外して洗う。結露受け皿5の取り外しは、取り付け時と逆で、結露受け皿5の上部の上引掛け具5gをバネ5fの付勢力に抗して下に押し下げ、内蓋4の上受け具4cから外す。その後、結露受け皿5を幾分上に持ち上げて下引掛け部5hを内蓋4の下受け具4dから外せばよい。 【0050】 この時も皿部5aの上面及び下面にフッ素樹脂がコーティングされているため、皿部5aに結露水が染みとなってこびり付いたり、おねばがこびり付いたりするこがなく、きれいに洗うことができる。 【0051】 上記したように、本実施例によれば、炊飯時に発生する蒸気を内蓋4の下面に結露させ、結露した水を結露受け皿5内に水滴として溜め、その水を蒸らしと保温中に用いて蒸気にするので、従来のように、結露受け皿5に炊飯前に毎回水を入れる必要がなく、手間が少なく、蒸気を利用して美味に炊飯,保温のできる炊飯器が実現することができる。 【0052】 また、内蓋4の下面に設けられた結露受け皿5は、外周側より内蓋4の内蓋蒸気通路7側に近い位置に内蓋4側に突出する略リング状の膨出部5iを有し、該膨出部5iにリング状に沿って複数個の蒸気流通路5jを設けているので、結露受け皿5に溜まった結露水は略リング状の膨出部5iに沿って結露受け皿5の全面に広がり、また、蒸気流通路5jから内鍋3に噴出する蒸気もリング状に沿って噴出するため、内鍋3内の全体に均一に供給され、内鍋3全体を蒸気で充満させることができ、ご飯の乾燥を防ぎ、美味に保温することができる。 【0053】 さらに、結露受け皿5の膨出部5iに蒸気流通路5jを設けているので、結露受け皿5に溜まった結露水は、ご飯を装うために外蓋2を開けても蒸気流通路5jから内鍋3内に滴下したり、本体1を濡らすことがなく、再度外蓋2を閉じれば内鍋3の内部を蒸気で加湿してご飯の乾燥を抑えることに有効に使用することができる。」 「 」 イ 上記アから認められること (ア)上記ア(特に、段落0019及び0023並びに図1?7の記載)によれば、引用文献1には、本体1と、前記本体1上に設けられた外蓋2及び該外蓋2の下面に取り付けられた内蓋4を含む蓋部からなる蓋のユニットとから構成された炊飯器が記載されていることが認められる。 ここで、外蓋2の下面に取り付けられた内蓋4を含む蓋部は図4?7に記載されており、また、この図4?7の蓋部の記載と図1?3の記載を合わせてみると、前記蓋のユニットは、外蓋2と蓋部からなることが看取できる。 (イ)上記ア(特に、段落0020及び0035並びに図1?3の記載)によれば、炊飯器は、本体1の保護枠体11内に内鍋3が着脱自在に収納され、前記外蓋2を閉めると、前記内鍋3の上部を前記内蓋4が塞ぎ、密閉した空間が構成されることが認められる。 (ウ)上記(ア)によれば、蓋のユニットは、内蓋4が取り付けられた外蓋2を含むことが認められる。 (エ)上記ア(特に、段落0012、0015、0024及び0028並びに図1?7の記載)によれば、蓋のユニットは、内蓋4の下面に取り付けられ、小穴からなる蒸気流通路5jが形成される結露受け皿5を含むことが認められる。 (オ)上記(エ)によると、結露受け皿21が内蓋4の下面に取り付けられるから、内蓋4は外蓋2に対して、結露受け皿5に向く側に設けられるものといえ、また、上記アの段落0023には、内蓋4がステンレス板よりなることが記載されていることを合わせてみると、蓋のユニットは、内蓋4が取り付けられた外蓋2における結露受け皿5に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋4を含むことが認められる。 (カ)上記ア(特に、段落0024、0028及び0035?0048並びに図1?7の記載)によれば、蓋のユニットは、内蓋4と結露受け皿5との間に設けられ、前記内蓋4と前記結露受け皿5と共に、蒸気流通路5jから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気流通路5jから前記内鍋3の前記密閉した空間内に供給するための隙間6を形成する枠体5c及びシールパッキン5dを含むことが認められる。 (キ)上記ア(特に、段落0012及び0032並びに図1?3の記載)によれば、蓋のユニットは、外蓋2に設けられ、内蓋4を加熱するとともに、前記内蓋4を介して前記結露受け皿5も加熱する蓋加熱手段10を含むことが認められる。 (ク)上記ア(特に、段落0012?0016、0024、0028、0032及び0035?0046並びに図1?7の記載)によれば、炊飯器は、隙間6内の蒸気が、蓋加熱手段10によって加熱されることによって、蒸気流通路5jを通って内鍋3の密閉した空間に供給されるように構成されることが認められる。 (ケ)上記ア(特に、段落0015、0016、0028、0048及び0052並びに図1?7の記載)によれば、炊飯器において、結露受け皿5には、前記内蓋4の方向に突出した略リング状の膨出部5iが形成され、前記略リング状の膨出部5iに沿って複数の前記蒸気流通路5jが形成されていることが認められる。 ウ 引用発明 上記ア及びイを総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「本体1と、前記本体1上に設けられた外蓋2及び該外蓋2の下面に取り付けられた内蓋4を含む蓋部からなる蓋のユニットとから構成された炊飯器であって、 前記本体1の保護枠体11内に内鍋3が着脱自在に収納され、前記外蓋2を閉めると、前記内鍋3の上部を前記内蓋4が塞ぎ、密閉した空間が構成されており、 前記蓋のユニットは、 前記内蓋4が取り付けられた前記外蓋2と、 前記内蓋4の下面に取り付けられ、小穴からなる蒸気流通路5jが形成される結露受け皿5と、 前記内蓋4が取り付けられた前記外蓋2における前記結露受け皿5に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋4と、 前記内蓋4と前記結露受け皿5との間に設けられ、前記内蓋4と前記結露受け皿5と共に、前記蒸気流通路5jから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気流通路5jから前記内鍋3の前記密閉した空間内に供給するための隙間6を形成する枠体5c及びシールパッキン5dと、 前記外蓋2に設けられ、前記内蓋4を加熱すると共に、前記内蓋4を介して前記結露受け皿5も加熱する蓋加熱手段10と、を含み、 前記隙間6内の蒸気が、前記蓋加熱手段10によって加熱されることによって、前記蒸気流通路5jを通って前記内鍋3の前記密閉した空間に供給されるように構成されており、 前記結露受け皿5には、前記内蓋4の方向に突出した略リング状の膨出部5iが形成され、前記略リング状の膨出部5iに沿って複数の前記蒸気流通路5jが形成されている炊飯器。」 (2)引用文献2について ア 引用文献2の記載 当審において通知した拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献2(特開2013-22332号公報)には、「炊飯器」に関し、次の記載がある。 「【0013】 図1において、炊飯器の本体1は、内側に上面が開口した保護枠12が設けられ、保護枠12内には内釜2が着脱自在に収納されている。保護枠12は、底の中心に後述の鍋底温度センサー20を取付ける穴の開いた有底の耐熱樹脂製の容器を用いたり、または側面に略筒状の真空容器を用いて断熱性を向上するものである。 【0014】 内釜2は、上面が開口した有底筒状であり、その上端部は本体1から着脱操作がしやすいように外向きに略水平に折り曲げられ、本体1の上面の上枠23に載置されている。 【0015】 保護枠12の外側底部には内釜2の底面部を誘導加熱する加熱手段4が設けられ、保護枠12と本体1との間の後面側空間部には制御部5が配置され、該制御部5の働きによって加熱手段4を制御する。 【0016】 外蓋3は、外蓋3の内面を構成する蓋内面部材3a(図3)と外蓋3の側面外観を構成する蓋外面部材3b(図2)と外蓋3の上面外観を構成する蓋外面部材カバー3c(図2)で構成されている。操作部39が外蓋3の上面の蓋外面部材カバー3cに設けられている。蓋内面部材3aには、内釜2の上面開口部を覆う内蓋6が外しつまみ6a(図3)により簡単に取外せるように着脱自在に取付けられ、内蓋6の下面周縁部に取付けられたシールパッキン7を内釜2の上端全周に当接して内釜2と内蓋6とで構成される空間を密閉状態に保持している。 【0017】 内蓋6の略中央部には内釜2と内蓋6とで構成される前記密閉空間に連通する調圧弁8が設けられており、調圧弁8を閉じると、該内釜2内を所定の圧力(本実施例では1.3気圧)に調整しながら蒸気を外蓋3に設けられた蒸気通路9を経て該外蓋3に着脱自在に取付けた蒸気口キャップ18を経て、排気口18aより本体1の外に排出する。調圧弁8を開くと、該内釜2内と外気とは排気口18a(図2)を経て連通状態となり内釜2内には圧力が加わらない。 【0018】 また、本体1にはヒンジ部21を設け、蓋内面部材3aの一方には、外蓋3を本体1と開閉自在に軸支する回転軸22が設けられ、回転軸22と対向する側には本体1に設けたフック受け部17(図9)と係止して外蓋3を開かないようにする略コ字状のフックレバー15がフック軸16を支点として回転自在に軸支されている。」 「 【図1】 」 イ 上記アから認められること (ア)上記アの図3の記載によれば、内蓋6の箇所に「オートスチーマー」と記載されており、図1の記載を合わせてみると、内蓋6の内釜2側には、水分を溜めて、発生した蒸気を内釜2と内蓋6とで構成される密閉状態に保持された空間に供給するためのプレート(以下「蒸気供給用のプレート」という。)を有することが認められる。 (イ)上記アの図3の記載によれば、前記蒸気供給用のプレートは内蓋6の内釜2側のほぼ全面に位置しており、そして、内蓋6が取り付けられた外蓋3の内側には、前記内蓋6の前記蒸気供給用のプレートの外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられることが認められる。 ここで、円弧状の退避空間については、図3において、矢印を追加して示したとおり、外蓋3の左右の内側面に存在することが看取できる。 (ウ)上記アの図1及び図3の記載、並びに、前記蒸気供給用のプレートが水分を溜めて、発生した蒸気を内釜2と内蓋6とで構成される密閉状態に保持された空間に供給するためのものであることを合わせてみると、前記蒸気供給用のプレートには、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記蒸気供給用のプレートの外面から内釜2の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記外蓋3の方向に凹んだ複数の凹部が形成されていることが認められる。 ここで、略半円形状の凸部については、図3において、矢印を追加して示したとおり、内蓋6の蒸気供給用のプレートに形成されていることが看取できる。 (エ)上記アの図1の記載によると、前記蒸気供給用のプレートには外蓋3の方向に凹んだ断面が半円の凹部が形成され、前記凹部の頂点には連通する部分が形成されていることが看取され、上記アの図3における外蓋3の方向に凹んだ複数の凹部の記載を合わせてみると、外蓋3の方向に凹んだ複数の凹部は、略半球体形状であり、前記凹部の頂点には蒸気孔が形成されていることが認められる。 ウ 引用文献2の技術事項1 上記ア及びイを総合すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2の技術事項1」という。)が記載されているものと認める。 「炊飯器において、内蓋6が取り付けられた外蓋3の内側には、前記内蓋6の内釜2側のほぼ全面に位置する蒸気孔が形成された蒸気供給用のプレートの外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられること」 エ 引用文献2の技術事項2 上記ア及びイを総合すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2の技術事項2」という。)が記載されているものと認める。 「炊飯器において、内蓋6が有する蒸気供給用のプレートには、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記蒸気供給用のプレートの外面から内釜2の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記外蓋3の方向に凹んだ複数の凹部が形成され、前記凹部は略半球体形状であり、前記凹部の頂点には蒸気孔が形成されていること」 2 対比 本願発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・後者における「本体1」は、前者における「炊飯器本体(100)」に相当し、同様に、「外蓋2及び該外蓋2の下面に取り付けられた内蓋4を含む蓋部からなる蓋のユニット」は「蓋体ユニット(200)」に、「密閉した空間」は「調理室(1001)」に、「前記内蓋4が取り付けられた前記外蓋2」は「蓋体(1)」に、「小穴からなる蒸気流通路5j」は「貫通するベントホール(221)」に、それぞれ相当する。 ・後者の「前記本体1の保護枠体11内に内鍋3が着脱自在に収納され、前記外蓋2を閉めると、前記内鍋3の上部を前記内蓋4が塞ぎ、密閉した空間が構成されており」との態様は、本体1と閉められた蓋のユニットにより内鍋3内に密閉した空間が構成されるから、前者の「前記炊飯器本体(100)と前記蓋体ユニット(200)とから調理室(1001)が構成されており」との態様に相当する。 ・後者の「前記内蓋4の下面に取り付けられ、小穴からなる蒸気流通路5jが形成される結露受け皿5」は、結露受け皿5が内蓋4が取り付けられた外蓋2の内側に設けられたものといえるから、前者の「前記蓋体(1)の内側に設けられ、貫通するベントホール(221)が形成される蓋プレート(2)」に相当する。 ・後者の「前記内蓋4が取り付けられた前記外蓋2における前記結露受け皿5に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋4」は、外蓋2に設けられた蓋加熱手段10により加熱され、隙間6内の結露水を加熱する機能を有するから、前者の「前記蓋体(1)における前記蓋プレート(2)に向く側に設けられる保温板(12)」に相当する。 ・後者の「前記蒸気流通路5jから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気流通路5jから前記内鍋3の前記密閉した空間内に供給するための隙間6」は、蒸気流通路5jと連通し、蒸気を回収、再利用するものといえるから、前者の「前記ベントホール(221)と連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティ(201)」に相当する。 そして、後者の「前記内蓋4と前記結露受け皿5との間に設けられ、前記内蓋4と前記結露受け皿5と共に、前記蒸気流通路5jから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気流通路5jから前記内鍋3の前記密閉した空間内に供給するための隙間6を形成する枠体5c及びシールパッキン5d」は、前者の「前記保温板(12)と前記蓋プレート(2)との間に設けられ、前記保温板(12)及び前記蓋プレート(2)と共に、前記ベントホール(221)と連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティ(201)を区画する密封ユニット(3)」に相当する。 ・後者の「前記外蓋2に設けられ、前記内蓋4を加熱すると共に、前記内蓋4を介して前記結露受け皿5も加熱する蓋加熱手段10」は、外蓋2が蓋のユニットに含まれており、蓋のユニットに設けられたものといえ、また、隙間6を構成する内蓋4を加熱するものであり、隙間6に接して配置されたものといえるから、前者の「前記蓋体ユニット(200)に設けられ、前記収容キャビティ(201)を加熱する為に、前記収容キャビティ(201)に接して配置された発熱素子(4)」に相当する。 ・後者の「前記隙間6内の蒸気が、前記蓋加熱手段10によって加熱されることによって、前記蒸気流通路5jを通って前記内鍋3の前記密閉した空間に供給されるように構成されており」との態様は、前者の「前記収容キャビティ(201)内の蒸気が、前記発熱素子(4)によって加熱されることによって、前記ベントホール(221)を通って調理室(1001)に戻るように構成されており」との態様に相当する。 ・後者の「前記結露受け皿5には、前記内蓋4の方向に突出した略リング状の膨出部5iが形成され、前記略リング状の膨出部5iに沿って複数の前記蒸気流通路5jが形成されている」態様は、前者の「前記蓋プレート(2)には、略半円形状の凸部(21)が形成され、前記凸部(21)は、前記蓋プレート(2)の外面から内面の方向に突出しており、前記凸部(21)には、略半円形状の外周に沿って、前記保温板(12)の方向に凹んだ複数の凹部(22)が形成され、前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されている」態様に、「前記蓋プレートには、前記保温板の方向に凹んだ凹部が形成され、前記凹部にはベントホールが形成されている」という限りにおいて、一致する。 したがって、両者の間に次の一致点及び相違点が認められる。 [一致点] 「炊飯器本体と、前記炊飯器本体上に設けられた蓋体ユニットとから構成された炊飯器であって、 前記炊飯器本体と前記蓋体ユニットとから調理室が構成されており、 前記蓋体ユニットは、 蓋体と、 前記蓋体の内側に設けられ、貫通するベントホールが形成される蓋プレートと、 前記蓋体における前記蓋プレートに向く側に設けられる保温板と、 前記保温板と前記蓋プレートとの間に設けられ、前記保温板及び前記蓋プレートと共に、前記ベントホールと連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティを区画する密封ユニットと、 前記蓋体ユニットに設けられ、前記収容キャビティを加熱する為に、前記収容キャビティに接して配置された発熱素子と、を含み、 前記収容キャビティ内の蒸気が、前記発熱素子によって加熱されることによって、前記ベントホールを通って調理室に戻るように構成されており、 前記蓋プレートには、前記保温板の方向に凹んだ凹部が形成され、前記凹部にはベントホールが形成されている炊飯器。」 [相違点1] 本願発明では、「前記蓋体(1)の内側には、前記蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ」るのに対して、引用発明では、内蓋4が取り付けられた外蓋2の内側には、そのような円弧状の退避空間が設けられているか不明である点。 [相違点2] 「前記蓋プレートには、前記保温板の方向に凹んだ凹部が形成され、前記凹部にはベントホールが形成されている」ことに関し、本願発明では、「前記蓋プレート(2)には、略半円形状の凸部(21)が形成され、前記凸部(21)は、前記蓋プレート(2)の外面から内面の方向に突出しており、前記凸部(21)には、略半円形状の外周に沿って、前記保温板(12)の方向に凹んだ複数の凹部(22)が形成され、前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されている」のに対して、引用発明では、「前記結露受け皿5には、前記内蓋4の方向に突出した略リング状の膨出部5iが形成され、前記略リング状の膨出部5iに沿って複数の前記蒸気流通路5jが形成されている」ところ、略半円形状の凸部が形成されておらず、また、当該凸部に、略半円形状の外周に沿って、保温板の方向に凹んだ複数の凹部が形成されていない点。 3 判断 (1)相違点の検討 ア 相違点1について 引用文献2記載の技術事項1の「前記内蓋6の内釜2側のほぼ全面に位置する蒸気孔が形成された蒸気供給用のプレートの外周縁部を収容する円弧状の退避空間」は、本願発明の「前記蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間」に相当するから、引用文献2記載の技術事項1は、上記相違点1に係る本願発明の構成を示すものといえる。 そして、引用文献2記載の技術事項1と、引用発明とは、炊飯器という技術分野において共通し、外蓋に内蓋が取り付けられる構造において共通するから、引用発明に引用文献2記載の技術事項1を適用して、内蓋4が取り付けられた外蓋2(蓋体)の内側には、結露受け皿5(蓋プレート)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられるようにし、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって格別困難ではない。 イ 相違点2について 引用文献2記載の技術事項2の「前記凹部は略半球体形状であり、前記凹部の頂点には蒸気孔が形成されている」態様は、本願発明の「前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されている」態様に相当するから、引用文献2記載の技術事項2は、上記相違点2に係る本願発明の構成を示すものといえる。 そして、引用文献2記載の技術事項2と、引用発明とは、炊飯器という技術分野において共通し、蓋体の内側に設けられ、貫通するベントホールが形成される蓋プレートを含む点においても共通することから、引用発明において、蓋プレートの構成として、引用文献2記載の技術事項2を適用し、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって格別困難ではない。 4 効果について そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、引用文献2記載の技術事項1及び引用文献2記載の技術事項2から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 5 請求人の主張について 請求人は、令和2年6月8日に提出された意見書において、次の主張をする。 「3-2.対比 引用文献1の結露受け皿5における、膨出部5i(凹部)に対する蒸気流通路5j(凸部)の凹凸形状(上記参考図1左側)と、本願の蓋プレート(2)の凸部(21)に対する凹部(22)の凹凸形状つまりベントホール形状(上記参考図1右側)とは、凹凸方向が反対です。上記参考図1右側に示す本願のベントホール形状は、蒸気が内鍋から収容キャビティ(201)に入る時に凝縮し、蒸気が収容キャビティ(201)から内鍋に入る時に、蒸気温度を低下させないことに役立ちます。それは、各凹部(22)が、人の口のようなものであり、口を大きく開けて呼気すると、吐き出した気体が熱いものである一方、口を狭くすると、吐き出した気体が涼しいものであるからです。また引用文献1の凹凸方向が本願発明の方向と反対であるので、引用文献1は、補給蒸気が内鍋に戻ると、蒸気の温度が更に下がり、炊飯、蒸し飯に不利となります。 また、本願発明の「蓋体(1)の内側に、蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられている」点はいずれの引用文献等にも開示されておりません。 引用文献2(D2)には、 相違点(1) 「引用文献2の図1及び3の記載によると、炊飯器の内蓋6(保温板)に「オートスチーマー」と表示され、その表示の周辺に略半円形状の外周に沿って、外面の方向に凹んだ複数の凹部が形成され、凹部は側壁と底壁とからなり、凹部の奥に蒸気が通る穴が形成されていることが理解でき」という審査官殿の観点に同意できません。 まず、引用文献2には、「凹部の奥に蒸気が通る穴が形成されている」ことが開示されておらず、これは審査官殿の主観的な理解です。また、「オートスチーマー」が下記の参考図2の矢印が指す開口部分により近く、下記の参考図2の矢印が指す開口部分から出た蒸気を指します。審査官がこのように考えるのは、本願の技術案を読んだ上に先入観により結論を得たからです。 ・・・ 相違点(2) 引用文献2では、下記参考図3上図に示すように、外蓋3における、回転軸22付近の内側面が「平坦」であり、本願のような「円弧状の退避空間」に相当するものは開示も示唆もされておりません。 これに対して本願発明の蓋体(1)の内側には、下記参考図3下図に示すように、蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられております。蓋体ユニット(200)が開状態に位置したとき余分な水が流れ落ちても、この水は円弧状の退避空間の下端側の中央に溜まり、あちこちに流れることがなく、洗浄し易くなります。 ・・・ 補正後の本願請求項1の効果は、各引用文献の奏する効果の総和を超えるものであります。総合的に勘案すると、引用文献1と、他の引用文献等から本願の構成を想到することは、当業者にとって技術的困難性を伴うものと思料致します。」(3頁45行?7頁末行)という主張をする。 しかしながら、引用文献2には、上記1(2)の検討において、引用文献2記載の技術事項2として示したとおり、蓋プレートには、外蓋3の方向に凹んだ複数の凹部が形成され、前記凹部は略半球体形状であり、前記凹部の頂点には蒸気孔が形成されていることが記載されているものと認められ、複数の凹部の蒸気孔から、蒸気を内釜と内蓋とで構成される密閉状態に保持された空間(調理室)に供給するものといえる。 そして、引用発明に引用文献2記載の技術事項2を適用したものにおいては、本願発明の蓋プレートと同様の構成を有することから、「補給蒸気が内鍋に戻ると、蒸気の温度が更に下がり、炊飯、蒸し飯に不利」となるとはいえない。 また、本願発明において、「円弧状の退避空間」が、外蓋2における、回転軸付近の内側面に形成されたものであることは特定されておらず、上記1(2)イ(イ)で述べたところの外蓋2の左右の内側面に形成された「円弧状の退避空間」を除外するものとはいえない。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 6 まとめ したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2記載の技術事項1及び引用文献2記載の技術事項2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第5 理由2(拡大先願)についての検討 1 先願について (1)先願明細書等の記載 当審において通知した拒絶の理由に引用された先願(特願2014-106646号(特開2015-221118号))の先願明細書等には、「炊飯器」に関し、次の記載がある。 「【0001】 本発明は、炊飯器に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、保温時のご飯の乾燥を低減するために、内釜内に蒸気を送り込む炊飯器も数多く提案されている。 【0003】 このような炊飯器として、特許文献1に示された結露受け皿は、凝結した結露水を溜めるフッ素樹脂をコーティングしたアルミ製の皿部と、この皿部の外蓋回転軸側に垂れる露を回収する樹脂製の露回収穴(回収口)とが設けられ、ご飯を加湿する時は、蓋ヒータを通電して結露水を熱し、結露受け皿に設けた蒸気流通路と結露回収穴から蒸気を内釜へと供給するものである。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2011-234996号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記した従来技術において、特許文献1の結露受け皿の構成は、アルミ製の皿部と樹脂製の結露回収穴からなる部品を組み合わせたものである。 【0006】 そのため皿部は、熱容量が小さく熱抵抗の小さいアルミ製のため、炊飯時の内蓋の温度も早い時期に上昇するため、多くの結露水を溜めることができない。 【0007】 本発明の目的は、多くの結露水を溜めて十分な蒸気でご飯を蒸らすことにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、上記課題を解決するためのものであり、例えば特許請求の範囲に記載された構成を採用する。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、多くの結露水を溜めて十分な蒸気でご飯を蒸らすことができる。」 「【0012】 図1は本発明に係る炊飯器の全体斜視図、図2は同炊飯器の蓋が開いている状態の概略斜視図である。 【0013】 図において、1は炊飯器の本体である。本体1内には内釜4が着脱自在に挿入されている。本体1の上面には、本体1と内釜4の上面開口部を覆う内蓋3を備えた外蓋2が開閉自在に設けられている。 【0014】 内蓋3の下面周縁部には、内釜4の上端と密接するパッキン34が設けられ、内釜4の上部開口を閉塞して密閉している。 ・・・ 【0017】 図3は同炊飯器の側面断面図、図4は同炊飯器の結露受け皿を取り付けた内蓋を外蓋から外した状態の斜視図、図5は図4のA-A断面図、図6は同炊飯器の内蓋から外した状態の結露受け皿の内面側の斜視図である。 【0018】 内釜4の下面には主加熱手段14が設けられ、これらは加熱コイルで構成され、これにより内釜4の全面を均等に誘導加熱する。また、外蓋2の下面には蓋加熱手段16が設けられ、外蓋2に取り付けられたステンレス板よりなる内蓋3を均等に加熱するように設けられている。内蓋3は内釜4の上部開口を覆い、内蓋3の周囲に設けたパッキン34と内釜4上端面との当接によって気密を保つように設けられている。 【0019】 内蓋3には内釜4内からの蒸気を外部に排出する内蓋蒸気通路11を有した調圧台13bと、この内蓋蒸気通路11を閉塞する調圧ボール13aからなる調圧手段13が設けられ、この調圧手段13から通り抜けた蒸気は、外蓋2に設けられた外蓋蒸気通路12を経て排気口8から外部に放出される。 【0020】 内釜4内部の蒸気圧が所定圧力より高まると、調圧ボール13aが持ち上がり圧力が抜けて、外蓋蒸気通路12から蒸気口8を通して本体1外に排出される。またその圧力が所定圧力より低くなると、再び調圧ボール13aが内蓋蒸気通路11を塞いで蒸気圧が高まる。この繰り返しで内釜4と内蓋3内の圧力が所定圧力に調整される。 【0021】 また、この調圧ボール13aは、制御部20からの信号によって動作するソレノイドからなる開放手段17によって任意に動かされ、内釜4の圧力を自由に調整できる。 ・・・ 【0024】 内蓋3の下面には結露受け皿21が着脱自在に取り付けられ、結露受け皿21はアルミ材より熱容量が大きく熱抵抗の高い樹脂(例えばSPS樹脂(シンジオタクチックポリスチレン樹脂))からなり、内蓋3の下面をほぼ全面に覆うように取り付けられ、これにより、内蓋3と結露受け皿21の間には空間24を形成している。また結露受け皿21の表面21gは内釜4の上端面より下方(内側)に潜り込んでいる。 【0025】 外蓋2に設けられている蓋加熱手段16は、外蓋2に近接した内蓋3を加熱するとともに、内蓋3を介して結露受け皿21も加熱する構成となっている。 【0026】 結露受け皿21は、皿部21aと、皿部21aの外周に設けられた立ち上げ壁21bと、立ち上げ壁21bの内周壁面に嵌め込まれたシールパッキン21cとで構成されており、シールパッキン21cは立ち上げ壁21bの内周壁面より突出した先端部を、皿部21aの中心方向に彎曲させて内蓋3の下面に密着させている。シールパッキン21cの彎曲部には、外蓋2を開けた時に内蓋3と皿部21aから滴下する結露水を受けとめるように成形されている。 【0027】 また、結露受け皿21の皿部21aには、略半球体形状で内蓋3側に突出する膨出部21fを複数個設け、膨出部21fの頂点には内釜4内部からの蒸気を流入することができる蒸気孔21eが設けられている。 【0028】 蒸気孔21eの穴位置は、内蓋3に設けられた内蓋蒸気通路11とは対向しない位置に設ける。これは、蒸気孔21eから流入した蒸気を内蓋3の表面全体に当て、内蓋3表面に結露が付着する構成となっている。 【0029】 更に外蓋2を開けて結露受け皿21が直立した際に、結露受け皿21の表面21g(内釜4側の面)に付着した露が結露受け皿21の表面21gを流れ、外蓋2を開閉自在に支持するヒンジ軸34側に寄った位置に設けられた回収口22から空間24にある水溜部21dに導かれる。 【0030】 回収口22は、ご飯をよそう時に外蓋2を開くと、結露受け皿21の内釜4側の表面21gに付着した露を空間24内に導き易いように、回収口22に向かうにつれて空間24内側に傾斜した斜面部22aと、回収口22からヒンジ軸35側に結露水を溜める水溜部21dを設けている。そして、回収口22の周囲には空間24内に溜まった結露水が内釜4内にこぼれないように、空間24側に立ち上げた立ち上げ壁21bが設けられている。回収口22も蒸気孔12と同様に、内蓋蒸気通路11と対向しない位置に設けられている。 【0031】 そして、外蓋2を閉めると水溜部21dに溜まった結露水は、回収口22の両脇を流れ皿部21a全体に薄く広がり、蓋加熱手段16によって効率よく加熱される。 【0032】 本実施例は以上の構成となり、次に炊飯工程についてその動作を説明する。 【0033】 まず使用者が内釜4に適量の米と水を入れ、外蓋2を閉めると内釜4の上部を内蓋3が塞ぎ、パッキン34によって密閉した空間となる。このとき、この空間内には内蓋3と結露受け皿21で構成される空間24も含まれる状態となる。 【0034】 使用者が操作部31により炊飯の設定を行うと、制御部20によって炊飯が開始する。 【0035】 制御部20は主加熱手段14の通電を制御して内釜4を加熱して炊飯が進行する。このとき蓋加熱手段16は通電していない。 【0036】 制御部20は、開放手段17を動作させ、調圧ボール13aが調圧弁13bを閉じる。調圧弁13bは内釜4内部が沸騰して蒸気の圧力が高まると、開放して圧力を調整する。 【0037】 内釜4内部が60℃を超えるころから、湯気(低温の蒸気)が発生し、内釜4の内周面に触れてその温度差によって結露する。結露によって結露受け皿21の内釜4との対向面は熱をもらうこととなるので、結露受け皿21の温度は内釜4内部の湯の温度に近い状態で上昇していく。 【0038】 このとき、内蓋3は、結露受け皿21によりほぼ全面が覆われており、湯気(低温の蒸気)が触れないことと、結露受け皿21がSPS樹脂により構成していることにより、結露受け皿21からの放射熱は受けるものの、結露受け皿21からの熱伝導が小さく、結露受け皿21よりも低い温度で推移する。 【0039】 やがて、内釜4内が沸騰すると、蒸気(約100℃)が発生して圧力が高まり、結露受け皿21の蒸気孔21eと回収口22から内蓋3と結露受け皿21で構成されている空間24に蒸気が流入する。 【0040】 内釜4内部から発生した蒸気は、外蓋蒸気通路12から排気口8を通り本体1の外部に放出され、内蓋3には、空間24内部の蒸気が結露し、垂れた水滴が結露受け皿21の上面に落ちていく。 【0041】 このとき内蓋3は、結露受け皿21によりほぼ全面で覆われており、結露受け皿21のシールパッキン21cを介して当接されているため、結露受け皿21の熱は内蓋3には伝わらず、温度差が生じることから、内蓋3表面には蒸気孔21eや回収口22から流入した蒸気が結露し、結露受け皿21の皿部21aに落ちるしくみとなっている。加えて内蓋3は温まりにくく、かつ蓋加熱手段16は加熱動作をしていないので、内蓋3に触れた蒸気は放熱され、内蓋3に継続的に結露して水滴化し、結露受け皿21に溜まっていく。 【0042】 更に結露受け皿21の皿部21aに有する蒸気孔21eは、内蓋蒸気通路11に対向しない位置にあり、かつ略半球体形状で内蓋3側に突出する膨出部21fの頂点にあることから、水滴は内釜4に落ちず、結露受け皿21の皿部21eに溜まる。 【0043】 本発明では結露受け皿21にSPS樹脂を使用した。SPS樹脂は従来技術であるアルミ板の材料よりも熱抵抗が高いため、内釜4内部から発生する熱を受け取った結露受け皿21は、内蓋3側への熱伝動がより小さくなる。これにより、内蓋3と結露受け皿21との温度差が大きく長く維持でき、長く蒸気を結露化することが可能となり、従来技術で使用したアルミ材と比較し結露水が多くなる。 【0044】 炊飯がさらに進行し、内釜4内部の水がなくなると、蒸らしの工程に移行する。蒸らし工程でしっかり蒸らすには十分な蒸気が必要である。制御部20は蓋加熱手段16に通電し、内釜4に対向する内蓋3を加熱する。内蓋3の熱により、結露受け皿21の皿部21eに広がって溜った結露水が効率よく加熱され蒸気化して、蒸気孔12eと回収口22から内釜4の内部へと放出される。これにより十分な蒸気でご飯を蒸らし、ご飯を美味しく仕上げることができる。 【0045】 蒸らし工程が終了すると炊飯が終了し、制御部20は保温の制御を開始する。開放手段17によって、調圧弁13bは開いた状態になり、主加熱手段14、および蓋加熱手段16に間欠的に通電することで、ご飯を74℃程度に保つものである。保温中においても、結露受け皿21に溜まった結露水が加熱され、緩やかに蒸気を発生する。保温中にご飯を食するために外蓋2を開けた場合には、内釜4内部の空気が乾燥した外気と入れ替わるが、外蓋2を閉めると緩やかに発生している蒸気によって加湿され、ご飯から水分を奪って乾燥しないようにすることが出来る。 【0046】 蒸らし時や保湿時における結露受け皿21の加熱は、蓋加熱手段16によって結露受け皿21に溜まった結露水を加熱して気化する。本実施例で使用した結露受け皿21はSPS樹脂を使用したので、従来技術で使用したアルミ板の材料よりも熱容量が大きく熱抵抗が高いため結露受け皿21は加熱しにくい。 【0047】 このため、保温時に必要とする温度を得るために、蓋加熱手段16をON/OFFによる通電制御により平均温度を得た場合でも、SPS樹脂からなる結露受け皿21の温度変化は緩慢となり、蓋加熱手段16をON/OFF通電した時の蓋加熱手段16の温度変化に対して、結露受け皿21の温度変化の幅は小さくなり平均温度とピーク温度との差が小さくなる。その結果、保温時のご飯の温度変化の幅も小さくなり、更にご飯の乾燥を少なくした保温が可能となり、更に美味しくご飯を保温できる炊飯器が提供できる。 【0048】 また、結露受け皿21の材料をSPS樹脂にしたことから、結露水を多く溜められるようになり、保温時に蒸気を長時間内釜のご飯に与えることができ、保湿性能の向上が図れ、更にご飯を美味しく保温が可能となる。 【0049】 さらに、結露受け皿21の材料をSPS樹脂で構成し、内蓋3と結露受け皿21の間には空間24を形成し、結露受け皿21の表面21gが内釜4の上端面より下方(内側)に潜り込んでいることから、内釜4内の保温性能が向上し、保温時の蓋加熱手段16への通電率が小さくなり、省エネやご飯の乾燥を更に少なくすることが図れた。 【0050】 炊飯が終了すると、使用者はご飯を食べるために外蓋2を開く。結露受け皿21の表面には、内釜4に対向する面は露が生じているため、外蓋2を開いくと結露受け皿21の表面21gに付着していた露は下方に流れ、露は傾斜部22aに添って流れ回収口22から水溜部21dへと流れる。 【0051】 また、結露受け皿21の前記露の生じる表面21gには、格子状の粗目処理(図無し)としたので、結露受け皿21の表面21gと、該表面21gに付着した露との表面張力を減らして撥水性を良くし、露を回収口21へと流れやすくしている。 【0052】 また、結露受け皿21の回収口22部と皿部21aとが樹脂で一体成形したことから、継ぎ目や段差が無くなり、結露受け皿21の表面21gに付着した露は回収口22へとスムーズに流れる。このことから内釜4内部のご飯に水滴が垂れたり、結露受け皿21部の土手部22bを乗り越えて、床面に水滴がこぼれる心配はない。 【0053】 使用後は内釜4、内蓋3、結露受け皿21を本体1、および外蓋2から外して清掃する場合でも、結露受け皿21には部品の接合による段差や継ぎ目がないことから、清掃性が良好である。 【0054】 加えて、結露受け皿21の部品点数が少なく、またSPS樹脂により一体成型したことから、従来行っていたフッ素樹脂コーティングも不要となり環境に配慮した構成している。 【0055】 上記した本実施例によれば、ご飯の保温特性を更に向上することができる。」 「 」 (2)上記(1)から認められること ア 上記(1)(特に、段落0001、0012及び0013並びに図1?6の記載)によれば、先願明細書等には、本体1と、該本体1上に設けられた蓋とから構成された炊飯器が記載されていることが認められる。 イ 上記(1)(特に、段落0013及び0033並びに図3の記載)によれば、炊飯器は、本体1内に内釜4が着脱自在に挿入され、蓋を閉めると、前記内釜4内の密閉した空間が構成されることが認められる。 ウ 上記(1)(特に、段落0013並びに図2及び3の記載)によれば、蓋は、内蓋3を備えた外蓋2を含むことが認められる。 エ 上記(1)(特に、段落0024及び0027並びに図2及び4?6の記載)によれば、蓋は、内蓋3の下面に着脱自在に取り付けられ、蒸気孔21eが形成される結露受け皿21を含むことが認められる。 オ 上記エによると、結露受け皿21が内蓋3の下面に取り付けられるから、内蓋3は外蓋2に対して、結露受け皿21に向く側に設けられるものといえ、また、上記(1)の段落0018には、内蓋3がステンレス板よりなることが記載されていることを合わせてみると、蓋は、内蓋3を備えた外蓋2における結露受け皿21に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋3を含むことが認められる。 カ 上記(1)(特に、段落0024?0031、0037?0042及び0044?0046並びに図5及び6の記載)によれば、蓋は、内蓋3と結露受け皿21との間に設けられ、前記内蓋3と前記結露受け皿21と共に、蒸気孔21eから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気孔21eから前記内釜4内の前記密閉した空間内に供給するための空間24を構成するシールパッキン21cを含むことが認められる。 キ 上記(1)(特に、段落0018及び0025並びに図3の記載)によれば、蓋は、外蓋2に設けられ、内蓋3を加熱すると共に、前記内蓋3を介して結露受け皿21も加熱する蓋加熱手段16を含むことが認められる。 ク 上記(1)(特に、段落0012、0013及び0024並びに図2の記載)によれば、炊飯器において、内蓋3を備えた外蓋2の内側には、前記結露受け皿21の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられることが認められる。 ここで、円弧状の退避空間については、図2において、矢印を追加して示したとおり、外蓋2の左右の内側面に存在することが看取できる。 ケ 上記(1)(特に、段落0025、0027、0033、0042及び0044?0046並びに図2?6の記載)によれば、炊飯器は、空間24内の蒸気が、蓋加熱手段16によって加熱されることによって、蒸気孔21eを通って内釜4内の密閉した空間に放出されるように構成されることが認められる。 コ 上記(1)(特に、段落0027、0028及び0042並びに図2?6の記載)によれば、炊飯器において、結露受け皿21には、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記結露受け皿21の外面から内釜4の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記内蓋3の方向に凹んだ複数の膨出部21fが形成され、前記膨出部21fは略半球体形状であり、前記膨出部21fの頂点には前記蒸気孔21eが形成されていることが認められる。 ここで、結露受け皿21には、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記結露受け皿21の外面から内釜4の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記内蓋3の方向に凹んだ複数の膨出部21fが形成されることについては、図2及び4における結露受け皿21の記載から看取できる。 (3)先願発明 上記(1)及び(2)を総合すると、先願明細書等には、次の事項からなる発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認める。 「本体1と、前記本体1上に設けられた蓋とから構成された炊飯器であって、 前記本体1内に内釜4が着脱自在に挿入され、前記蓋を閉めると、前記内釜4内の密閉した空間が構成されており、 前記蓋は、 内蓋3を備えた外蓋2と、 前記内蓋3の下面に着脱自在に取り付けられ、蒸気孔21eが形成される結露受け皿21と、 前記内蓋3を備えた前記外蓋2における前記結露受け皿21に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋3と、 前記内蓋3と前記結露受け皿21との間に設けられ、前記内蓋3と前記結露受け皿21と共に、前記蒸気孔21eから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気孔21eから前記内釜4内の前記密閉した空間内に供給するための空間24を構成するシールパッキン21cと、 前記外蓋2に設けられ、前記内蓋3を加熱すると共に、前記内蓋3を介して前記結露受け皿21も加熱する蓋加熱手段16と、を含み、 前記内蓋3を備えた前記外蓋2の内側には、前記結露受け皿21の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ、 前記空間24内の蒸気が、前記蓋加熱手段16によって加熱されることによって、前記蒸気孔21eを通って前記内釜4内の前記密閉した空間に放出されるように構成されており、 前記結露受け皿21には、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記結露受け皿21の外面から内釜4の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記内蓋3の方向に凹んだ複数の膨出部21fが形成され、前記膨出部21fは略半球体形状であり、前記膨出部21fの頂点には前記蒸気孔21eが形成されている炊飯器。」 2 対比 本願発明と先願発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・後者の「本体1」は、前者の「炊飯器本体(100)」に相当し、同様に、「蓋」は「蓋体ユニット(200)」に、「炊飯器」は「炊飯器」に、「内釜4内の密閉した空間」は「調理室(1001)」に、「内蓋3を備えた外蓋2」は「蓋体(1)」に、「蒸気孔21e」は「貫通するベントホール(221)」に、「略半円形状の凸部」は「略半円形状の凸部(21)」に、「膨出部21f」は「凹部(22)」に、それぞれ相当する。 ・後者の「前記本体1内に内釜4が着脱自在に挿入され、前記蓋を閉めると、前記内釜4内の密閉した空間が構成されており」との態様は、本体1と閉められた蓋により内釜4内の密閉した空間が構成されるから、前者の「前記炊飯器本体(100)と前記蓋体ユニット(200)とから調理室(1001)が構成されており」との態様に相当する。 ・後者の「前記内蓋3の下面に着脱自在に取り付けられ、蒸気孔21eが形成される結露受け皿21」は、結露受け皿21が内蓋3を備えた外蓋2の内側に設けられたものといえるから、前者の「前記蓋体(1)の内側に設けられ、貫通するベントホール(221)が形成される蓋プレート(2)」に相当する。 ・後者の「前記内蓋3を備えた前記外蓋2における前記結露受け皿21に向く側に設けられるステンレス板よりなる前記内蓋3」は、外蓋2に設けられた蓋加熱手段16により加熱され、空間24内の結露水を加熱する機能を有するから、前者の「前記蓋体(1)における前記蓋プレート(2)に向く側に設けられる保温板(12)」に相当する。 ・後者の「前記蒸気孔21eから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気孔21eから前記内釜4内の前記密閉した空間内に供給するための空間24」は、蒸気孔21eと連通し、蒸気を回収、再利用するものといえるから、前者の「前記ベントホール(221)と連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティ(201)」に相当する。 そして、後者の「前記内蓋3と前記結露受け皿21との間に設けられ、前記内蓋3と前記結露受け皿21と共に、前記蒸気孔21eから蒸気が流入し、結露水が溜まり、前記結露水が加熱されて発生した蒸気を、前記蒸気孔21eから前記内釜4内の前記密閉した空間内に供給するための空間24を構成するシールパッキン21c」は、前者の「前記保温板(12)と前記蓋プレート(2)との間に設けられ、前記保温板(12)及び前記蓋プレート(2)と共に、前記ベントホール(221)と連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティ(201)を区画する密封ユニット(3)」に相当する。 ・後者の「前記外蓋2に設けられ、前記内蓋3を加熱すると共に、前記内蓋3を介して前記結露受け皿21も加熱する蓋加熱手段16」は、外蓋2が蓋に含まれており、蓋に設けられたものといえ、また、空間24を構成する内蓋3を加熱するものであり、空間24に接して配置されたものといえるから、前者の「前記蓋体ユニット(200)に設けられ、前記収容キャビティ(201)を加熱する為に、前記収容キャビティ(201)に接して配置された発熱素子(4)」に相当する。 ・後者の「前記内蓋3を備えた前記外蓋2の内側には、前記結露受け皿21の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ」た態様は、前者の「前記蓋体(1)の内側には、前記蓋プレート(2)の外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ」た態様に相当する。 ・後者の「前記空間24内の蒸気が、前記蓋加熱手段16によって加熱されることによって、前記蒸気孔21eを通って前記内釜4内の前記密閉した空間に放出されるように構成されており」との態様は、前者の「前記収容キャビティ(201)内の蒸気が、前記発熱素子(4)によって加熱されることによって、前記ベントホール(221)を通って調理室(1001)に戻るように構成されており」との態様に相当する。 ・後者の「前記膨出部21fは略半球体形状であり」との態様は、その形状からみて膨出部21fが側壁と底壁とからなるものものであり、底壁に「前記膨出部21fの頂点」が位置するものといえる。 そうすると、後者の「前記膨出部21fは略半球体形状であり、前記膨出部21fの頂点には前記蒸気孔21eが形成されている」態様は、前者の「前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されている」態様に相当する。 そして、後者の「前記結露受け皿21には、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記結露受け皿21の外面から内釜4の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記内蓋3の方向に凹んだ複数の膨出部21fが形成され、前記膨出部21fは略半球体形状であり、前記膨出部21fの頂点には前記蒸気孔21eが形成されている」態様は、前者の「前記蓋プレート(2)には、略半円形状の凸部(21)が形成され、前記凸部(21)は、前記蓋プレート(2)の外面から内面の方向に突出しており、前記凸部(21)には、略半円形状の外周に沿って、前記保温板(12)の方向に凹んだ複数の凹部(22)が形成され、前記凹部(22)は側壁と底壁とからなり、前記凹部(22)の底壁にはベントホール(221)が形成されている」態様に相当する。 したがって、両者は次の点で一致し、相違点は認められない。 [一致点] 「炊飯器本体と、前記炊飯器本体上に設けられた蓋体ユニットとから構成された炊飯器であって、 前記炊飯器本体と前記蓋体ユニットとから調理室が構成されており、 前記蓋体ユニットは、 蓋体と、 前記蓋体の内側に設けられ、貫通するベントホールが形成される蓋プレートと、 前記蓋体における前記蓋プレートに向く側に設けられる保温板と、 前記保温板と前記蓋プレートとの間に設けられ、前記保温板及び前記蓋プレートと共に、前記ベントホールと連通する、蒸気を回収、再利用するための収容キャビティを区画する密封ユニットと、 前記蓋体ユニットに設けられ、前記収容キャビティを加熱する為に、前記収容キャビティに接して配置された発熱素子と、を含み、 前記蓋体の内側には、前記蓋プレートの外周縁部を収容する円弧状の退避空間が設けられ、 前記収容キャビティ内の蒸気が、前記発熱素子によって加熱されることによって、前記ベントホールを通って調理室に戻るように構成されており、 前記蓋プレートには、略半円形状の凸部が形成され、前記凸部は、前記蓋プレートの外面から内面の方向に突出しており、前記凸部には、略半円形状の外周に沿って、前記保温板の方向に凹んだ複数の凹部が形成され、前記凹部は側壁と底壁とからなり、前記凹部の底壁にはベントホールが形成されている炊飯器。」 3 判断 上記2の検討によれば、本願発明と先願発明との間に構成上の相違は認められない。 したがって、本願発明は、先願発明と同一である。 4 請求人の主張について 請求人は、令和2年6月8日に提出された意見書において、「5.理由2(拡大先願)について ご指摘の先願発明(引用文献4(特開2015-221118号公報))には、図2に示すように、外蓋2における、回転軸付近の内側面が「平坦」であり、本願のような「円弧状の退避空間」に相当するものは開示されておりません。 したがって、「円弧状の退避空間」がない引用文献4と、「円弧状の退避空間」がある本願発明とは相違します。本願発明の補正により、特許法第29条の2違反は解消されたものと思料致します。」という主張をする。 しかしながら、本願発明において、「円弧状の退避空間」が、外蓋2における、回転軸付近の内側面に形成されたものであることは特定されておらず、上記1(2)クで述べたところの外蓋2の左右の内側面に形成された「円弧状の退避空間」を除外するものとはいえないから、請求人の上記主張は採用することができない。 5 まとめ したがって、本願発明は、先願の先願明細書等に記載された先願発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定又は同法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-10-02 |
結審通知日 | 2020-10-06 |
審決日 | 2020-10-30 |
出願番号 | 特願2017-515770(P2017-515770) |
審決分類 |
P
1
8・
161-
WZ
(A47J)
P 1 8・ 121- WZ (A47J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 谷川 啓亮、西尾 元宏 |
特許庁審判長 |
林 茂樹 |
特許庁審判官 |
山崎 勝司 槙原 進 |
発明の名称 | 炊飯器用の蓋体ユニット及びそれを備える炊飯器 |
代理人 | 野田 雅士 |
代理人 | 堤 健郎 |
代理人 | 小林 由佳 |
代理人 | 中田 健一 |
代理人 | 谷口 洋樹 |
代理人 | 谷口 洋樹 |
代理人 | 杉本 修司 |
代理人 | 小林 由佳 |
代理人 | 杉本 修司 |
代理人 | 中田 健一 |
代理人 | 堤 健郎 |
代理人 | 野田 雅士 |