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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 G08B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G08B
管理番号 1372300
審判番号 不服2020-9406  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-06 
確定日 2021-04-06 
事件の表示 特願2016-176460「地域防災情報システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月15日出願公開,特開2018- 41372,請求項の数(3)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由
第1 手続の経緯

本願は,平成28年9月9日の出願であって,平成31年3月25日に手続補正がなされ,令和2年2月10日付けで拒絶理由通知がされ,令和2年4月1日に手続補正がされ,令和2年4月24日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がされ,これに対し,令和2年7月6日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。


第2 補正の却下の決定

1.補正の却下の決定の結論

令和2年7月6日の手続補正(以下,「本件補正」という)を却下する。

2.補正の却下の決定の理由

(1)本件補正の内容

本件補正は,請求項1を

「所定の地域内の住戸に設けられ,火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と,
前記住戸に設けられ,前記警報器から送信された前記火災警報信号を受信して,前記火災警報信号と共に自身のIDを送信し,また火災が事実であることを確定する火災確認ボタンを有し,前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信する警報装置と,
前記警報装置と通信回線を介して接続されるサーバーと,を備え,
前記サーバーは,
前記警報装置のID及び前記警報装置が設置された住戸の設置ユーザーの名称が対応付けされた端末情報テーブルと,前記設置ユーザーの名称,前記設置ユーザーのメールアドレス及び前記設置ユーザーの住所が対応づけされたユーザーテーブルと,信号の種類及び消防機関宛て緊急通報を促すメッセージが対応づけされたメッセージテーブルと,を記憶する記憶手段と,
前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,前記端末情報テーブルからIDに対応する設置ユーザーの名称を読み出す第1の読出手段と,
前記ユーザーテーブルから前記第1の読出手段によって読み出された設置ユーザーに対応する住所を読み出す第2の読出手段と,
前記メッセージテーブルから信号の種類に応じたメッセージを読み出し,前記メッセージに前記第2の読出手段によって読み出された住所を付加するメッセージ作成手段と,
前記ユーザーテーブルから所定の前記メールアドレスを読み出し,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを,ネットワークを介して前記メールアドレス宛で送信する送信手段と,を有し,
前記メッセージテーブルは,
火災が事実であることを確定する確定用リンクを含むメッセージを記憶するものであり,
前記送信手段は,
前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛で,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを送信するものである
ことを特徴とする地域防災情報システム。」

から

「所定の地域内の住戸に設けられ,火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と,
前記住戸に設けられ,前記警報器から送信された前記火災警報信号を受信して,前記火災警報信号と共に自身のIDを送信し,また火災が事実であることを確定する火災確認ボタンを有し,前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信する警報装置と,
前記警報装置と通信回線を介して接続されるサーバーと,を備え,
前記サーバーは,
前記警報装置のID及び前記警報装置が設置された住戸の設置ユーザーの名称が対応付けされた端末情報テーブルと,前記設置ユーザーの名称,前記設置ユーザーのメールアドレス及び前記設置ユーザーの住所が対応づけされたユーザーテーブルと,信号の種類及び消防機関宛て緊急通報を促すメッセージが対応づけされたメッセージテーブルと,を記憶する記憶手段と,
前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,前記端末情報テーブルからIDに対応する設置ユーザーの名称を読み出す第1の読出手段と,
前記ユーザーテーブルから前記第1の読出手段によって読み出された設置ユーザーに対応する住所を読み出す第2の読出手段と,
前記メッセージテーブルから信号の種類に応じたメッセージを読み出し,前記メッセージに前記第2の読出手段によって読み出された住所を付加するメッセージ作成手段と,
前記ユーザーテーブルから所定の前記メールアドレスを読み出し,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを,ネットワークを介して前記メールアドレス宛で送信する送信手段と,を有し,
前記メッセージテーブルは,
火災が事実であることを確定する確定用リンクを含むメッセージを記憶するものであり,
前記送信手段は,
前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛にのみ,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを送信するものである
ことを特徴とする地域防災情報システム。」(下線は,請求人が付与。)

に補正するものである。

(2)本件補正の適否の判断

本件補正は,「消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージ」について,補正前は「前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛」のメッセージを送信するものであるのに対し,補正後は「前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛にのみ」送信するものである。

一方,本件明細書(下線は,当審が付与。)には,

「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された地域防災情報システムは,火災が検出されたとき,地域内の住人が所有する情報端末に電子メールを送信して,火災が検出されたことを地域内の住人に周知させる。その際,地域内の住人に対し,消防機関宛て緊急通報を促し,緊急通報時に火災が検出された場所の住所を確実に伝えることが望まれている。」

「【0032】
通報半径は,警報信号が送信された場所(発報元)からの距離であり,ユーザーテーブルに記憶された緯度,経度を基準として算出される。一次通報(火災警報信号)であれば,例えば通報半径7m及び10mを境に,電子メール用メッセージ及び音声用メッセージが変更される。即ち,通報半径7m以内にある住戸2の設置ユーザーの場合,火災警報信号の発報元から近いため,現地に急行し易い。このため,即時火災の有無の確認を促す電子メール用メッセージが送信される。また,通報半径が7mを超え10m以内にある住戸2の設置ユーザーの場合,火災警報信号の発報元から少し離れているため,可能であれば火災の有無の確認をすることを促す電子メール用メッセージが設定される。
【0033】
また,本実施の形態1では,通報半径7m以内にある住戸2の設置ユーザーには,即時火災の有無の確認を促す音声メッセージが設定されている。一方,通報半径が7mを超え10m以内にある住戸2の設置ユーザーには音声メッセージは設定されておらず,固定電話16への通知はされない。なお,リモートコントローラ4による火災通報の場合,最初の信号が火災確定信号であり,後述する(図6の)二次通報に相当するため,上述した(図6の)一次通報の動作は住宅用火災警報器3による火災検出の場合の動作である。また,一次通報における電子メール用メッセージには,火災が事実であることを確定する確定用リンク(火災確定操作URL)が含まれており,電子メールを受信した住人が確定用リンクをクリックすることによって,火災が確定する。」

「【0043】
また,本実施の形態1では,電子メールの送付先を,通報半径で区切ることができる。このため,火災を確認し易い比較的近隣の住人に,消防機関宛て緊急通報を依頼することが容易になる。また,逆に火災発生場所から少し離れた住戸2の住人に消防機関宛て緊急通報を依頼するようにしてもよい。火災発生現場は緊迫しており,対応する事項も多いため,少し離れた住人に消防機関宛て緊急通報を依頼することにより,確実に通報がされる。このときにも,火災発生場所の住所が表示されるので,火災発生場所から離れた住戸2の住人でも正確に住所を伝えることができる。また,確定用リンクが操作された情報端末15のメールアドレス宛で,メッセージ作成手段23によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージが送信されてもよい。これにより,実際に火災を確認した住人本人が,消防機関宛て緊急通報を行うことができる。」

との記載がある。

【0043】の「また,確定用リンクが操作された情報端末15のメールアドレス宛で,メッセージ作成手段23によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージが送信されてもよい。」の記載によれば,「消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージ」を「確定用リンクが操作された情報端末15のメールアドレス宛」に送信することは記載されているが,該記載は「また」で始まっているから,該記載の前に記載されている「消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージ」は,「火災を確認し易い比較的近隣の住人」に対して,あるいは逆に,「火災発生場所から少し離れた住戸2の住人」に対して,消防機関宛て緊急通報を依頼することに加えて,「確定用リンクが操作された情報端末15のメールアドレス宛」にメッセージが送信されても良い,と解されるのであって,確定用リンクが操作された情報端末15のメールアドレス宛「のみ」に送信されるとは解されない。
この解釈は,本願発明が「地域内の住人に対し,消防機関宛て緊急通報を促」す(【0004】)ことを解決すべき課題として意図していることとも整合する。

上記のとおり,「前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛にのみ,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを送信する」ことは,当初明細書等から自明でもなく,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものである。

(3)結論

したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないので,上記のとおり本件補正を却下する。


第3 原査定の概要

原査定の概要は次のとおりである。

●理由1(特許法第29条第2項)について
・請求項 1-3
・引用文献等 1-3

<引用文献等一覧>
1.特開2016-076129号公報
2.特開2008-282181号公報
3.特開2006-235663号公報


第4 本願発明

本件補正は,上記「第2 補正の却下の決定」のとおり,却下された。
したがって,本願の請求項1-3に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」といい,全体をまとめて「本願発明」という。)は,令和2年4月1日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり,本願発明は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
所定の地域内の住戸に設けられ,火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と,
前記住戸に設けられ,前記警報器から送信された前記火災警報信号を受信して,前記火災警報信号と共に自身のIDを送信し,また火災が事実であることを確定する火災確認ボタンを有し,前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信する警報装置と,
前記警報装置と通信回線を介して接続されるサーバーと,を備え,
前記サーバーは,
前記警報装置のID及び前記警報装置が設置された住戸の設置ユーザーの名称が対応付けされた端末情報テーブルと,前記設置ユーザーの名称,前記設置ユーザーのメールアドレス及び前記設置ユーザーの住所が対応づけされたユーザーテーブルと,信号の種類及び消防機関宛て緊急通報を促すメッセージが対応づけされたメッセージテーブルと,を記憶する記憶手段と,
前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,前記端末情報テーブルからIDに対応する設置ユーザーの名称を読み出す第1の読出手段と,
前記ユーザーテーブルから前記第1の読出手段によって読み出された設置ユーザーに対応する住所を読み出す第2の読出手段と,
前記メッセージテーブルから信号の種類に応じたメッセージを読み出し,前記メッセージに前記第2の読出手段によって読み出された住所を付加するメッセージ作成手段と,
前記ユーザーテーブルから所定の前記メールアドレスを読み出し,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを,ネットワークを介して前記メールアドレス宛で送信する送信手段と,を有し,
前記メッセージテーブルは,
火災が事実であることを確定する確定用リンクを含むメッセージを記憶するものであり,
前記送信手段は,
前記確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛で,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを送信するものである
ことを特徴とする地域防災情報システム。
【請求項2】
前記送信手段は,
火災の発生場所から所定の距離離れた住戸の設置ユーザーのメールアドレス宛で,消防機関宛て緊急通報を促すメッセージを送信する
ことを特徴とする請求項1記載の地域防災情報システム。
【請求項3】
前記メッセージテーブルは,
通報半径及びメッセージが対応づけされたものであり,
前記送信手段は,
前記ユーザーテーブルから前記通報半径内の設置ユーザーの前記メールアドレスを読み出し,前記メッセージ作成手段によって作成された消防機関宛て緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを,ネットワークを介して前記メールアドレス宛で送信するものである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の地域防災情報システム。」


第5 引用文献,引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2016-076129号公報(以下,「引用文献1」という。下線は当審が付与。)には,

「【0011】
実施の形態1.
(地域防災情報システムの構成)
図1は本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システムの構成を示す図である。本実施の形態の地域防災情報システムは,火災警報器10と,移報アダプタ20と,子機30と,中継機40と,親機50と,ゲートウェイ60と,クラウドサーバー70とを備えている。なお,本実施の形態1では,子機30は,屋外に設置された屋外警報装置30である。
【0012】
火災警報器10,及び移報アダプタ20は,所定の地域内における住戸Hにそれぞれ1つ又は複数設けられる。これら1つ又は複数の火災警報器10及び移報アダプタ20は,無線信号の送受信を行うことができる機器によりグループを構成しており,本実施の形態では,親となる火災警報器10をグループ内に1台設け,残りの機器を子としている。図1では住戸H内を1グループとしているが,例えば住戸H内に複数のグループを構成することもできる。また,特に限定するものではないが,基本的には親となる火災警報器10は,グループ内のすべての機器と通信できる位置に設けられている。そして,他の火災警報器10等からの警報信号等を受信すると,グループ内の他の機器に対して再送信して確実に連動させるようにする。また,例えばグループ内の各機器は,通信元,通信先を特定するために,グループ内において固有に設定されたアドレスをそれぞれ有する。
【0013】
火災警報器10は,例えば火災等を検出すると音,表示等による警報を行い,利用者(例えば居住者)に報知する。また,グループ内の他の火災警報器10から火災に係る警報信号を受信すると,連動して警報を発する。
【0014】
移報アダプタ20は,火災に係る信号(警報信号)を屋外警報装置30に移報(出力)するための装置である。本実施の形態の移報アダプタ20は,火災等を検出する機能は有していないが,火災警報器10からの信号に基づいて,連動して警報を行うことができるものとする。また,移報アダプタ20にも火災警報器10と同様に固有のアドレスが設定されており,通信においては子の機器として扱われる。
【0015】
屋外警報装置30は,所定の地域内における住戸Hの屋外に設けられる。例えば,屋外警報装置30は,住戸Hの外壁面や住戸Hの近傍の構造物等に設置される。また,屋外警報装置30は,前面に設けられた火災確認ボタン331等に人の手が届く位置に設置される。この屋外警報装置30は,移報アダプタ20から移報された警報信号を含む通信情報,火災確定信号を含む通信情報,及び誤報信号を含む通信情報の少なくとも1つを無線通信により送信する装置である。屋外警報装置30から送信される通信情報には,各種の信号とともに,当該屋外警報装置30の識別IDが付加される。なお,屋外警報装置30の識別IDに代えて又はこれに加えて,当該住戸Hにおける火災警報器10のグループに固有に設定されたアドレス(グループID)を付加しても良い。
【0016】
中継機40は,所定の地域内に設けられ,屋外警報装置30からの通信情報を受信して再送信する装置である。親機50は,例えば地域内においてネットワーク71への接続環境が整っている管理部Cに設けられ,屋外警報装置30及び中継機40の少なくとも一方からの通信情報を受信する装置である。この親機50は,ゲートウェイ60を介して通信回線(例えばネットワーク71)に接続される。ゲートウェイ60は,親機50が取得した警報信号を含む通信情報のプロトコル変換を行い,通信回線(例えばネットワーク71)を経由してクラウドサーバー70へ通信情報を送信する。」
【図1】

「【0023】
(火災警報器10)
図3は本発明の実施の形態1に係る火災警報器10の回路構成を示す図である。図3において,火災を検出する警報器10である火災警報器10は,制御回路101,電池102,電源回路103,電池電圧検出回路104,送受信回路105,アンテナ106,火災検出回路107,警報音制御回路108,表示回路109及び点検・警報停止スイッチ120を備える。」

「【0031】
(移報アダプタ20)
図4は本発明の実施の形態1に係る移報アダプタ20の回路構成を示す図である。図4において,移報アダプタ20は,火災警報器10と同様に,制御回路201,電池202,電源回路203,電池電圧検出回路204,送受信回路205,アンテナ206,警報音制御回路208,表示回路209及び点検・警報停止スイッチ220を備える。これらの回路等は,前述した火災警報器10の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし,システムにおける役割の違いから,制御回路201は,火災警報器10の制御回路101の処理とは異なる処理を行う場合がある。また,制御回路201は記憶素子221を有し,制御回路201が実行する処理のプログラム,自己及びグループ内の他の機器に設定されたアドレス等の各種データを格納している。そして,火災警報器10と異なり,火災等の検出を行うものではないため,本実施の形態の移報アダプタ20は,火災検出回路107に対応する回路は有していないものとする。」

「【0035】
(屋外警報装置30)
図5は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30の回路構成を示す図である。図5において,屋外警報装置30は,制御回路301,電池302,電源回路303,電池電圧検出回路304,送受信回路305,アンテナ306,警報音制御回路308,表示回路309,火災確認ボタン331,誤報確認ボタン332,及び移報入力回路330を備える。
【0036】
制御回路301は,入力される信号等に基づいて処理を行い,屋外警報装置30が有する回路等の制御を行う。例えば,移報入力回路330からの信号に基づいて,警報音制御回路308,表示回路309を動作させて音,表示によって火災に係る警報等を行う。また制御回路301は,例えば,移報入力回路330からの信号に基づいて,警報信号又は誤報信号と識別IDとを含む通信情報を生成する。生成した通信情報は,送受信回路305を介して,中継機40及び親機50との通信処理を行う。記憶素子321は,例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり,制御回路301が実行する処理に係るプログラム,自己に設定されたアドレス(識別ID)等の各種データを格納している。なお,屋外警報装置30の識別IDは,システム内の屋外警報装置30において固有に設定される。」

「【0041】
移報入力回路330は移報アダプタ20からの火災に係る警報信号等を含む移報信号を入力(受信)するための構成である。なお,移報入力回路330は移報アダプタ20に有線接続されているが,無線接続であってもよい。
【0042】
火災確認ボタン331は,住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。火災確認ボタン331は,住戸Hの屋外からの操作により,火災確定信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。誤報確認ボタン332は,住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。誤報確認ボタン332は,住戸Hの屋外からの操作により,火災警報器10からの警報信号が誤報であった旨の誤報信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。」

「【0052】
(親機50)
図8は本発明の実施の形態1に係る親機50の回路構成を示す図である。図8において,親機50は,中継機40と同様に,制御回路501,充電電池502,電源回路503,電池電圧検出回路504,送受信回路505,アンテナ506,太陽電池507,及び充電切換回路508を備える。これらの回路等は,前述した中継機40の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし,システムにおける役割の違いから,制御回路501は,中継機40の制御回路401の処理とは異なる処理を行う場合がある。また,制御回路501は記憶素子521を有し,制御回路501が実行する処理のプログラム,自己に設定されたアドレス等の各種データを格納している。また,親機50は,情報出力回路530を有している。情報出力回路530は,ゲートウェイ60に通信情報を出力(送信)するための構成である。情報出力回路530は,例えば,RS232C等のシリアル通信方式のインターフェースにより構成される。なお,情報出力回路530とゲートウェイ60との間は有線接続されているが,無線接続であってもよい。
【0053】
(クラウドサーバー70)
図9は本発明の実施の形態1に係るクラウドサーバー70を示すブロック図である。図9に示すように,クラウドサーバー70は,記憶手段72,作成手段73,送信手段74,火災確定手段75及び対処完了手段76を有している。記憶手段72は,所定の地域内の住人が所持する情報端末80の電子メールアドレスの情報を予め記憶するものである。作成手段73は,各電子メールを作成するものであり,送信手段74は,作成手段73において作成された各電子メールを情報端末80に送信するものである。また,火災確定手段75は,火災が事実であることを確定するものであり,対処完了手段76は,火災対処が完了したことを知らせるものである。また,図10は本発明の実施の形態1に係るクラウドサーバー70の記憶情報700の構成を示す図である。本実施の形態において,サーバー70は,クラウドサーバー70である。図10において,クラウドサーバー70には,屋外警報装置30の識別IDと,住戸名と,電子メールアドレスの情報とを有する記憶情報700が予め記憶されている。屋外警報装置30の識別IDは,屋外警報装置30固有の識別情報であり,屋外警報装置30が送信する警報情報に付加される情報である。住戸名は,屋外警報装置30の識別IDに対応する住戸を識別する情報である。例えば住人の氏名等の情報である。なお,住戸名の情報は省略しても良い。電子メールアドレスは,屋外警報装置30の識別IDに対応して記憶され,所定の地域内の住人が所持する1つ又は複数の情報端末80の電子メールアドレスの情報である。ここで,「住人が所持する」とは,地域内の住人及びこれに準ずるものが電子メールの情報内容を確認しうる情報端末80をいうものであり,住人が実際に手にしている情報端末80に限定されるものではない。また,必ずしも情報端末80が常に地域内に存在している場合に限定されるものではない。例えば携帯可能な情報端末80であれば地域外に存在する場合があり得ることは勿論のことである。」
【図10】

「【0056】
(動作)
次に,本実施の形態1における地域防災情報システムの動作について説明する。
【0057】
(警報動作)
火災警報器10の制御回路101は,火災検出回路107から信号が入力されたかどうかを判断する。火災検出による信号が入力されたものと判断すると,警報音制御回路108を動作させて,火元となる火災である旨の音声等を発生させ,表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる火元警報を行わせる。そして,送受信回路105に,グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を,アンテナ106を介して送信させる。一方,火災警報器10の制御回路101は,アンテナ106,送受信回路105を介して,他の火災警報器10からの連動制御信号を受信すると,警報音制御回路108を動作させて他の場所での火災である旨の音等を発生させ,表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる連動警報を行わせる。」

「【0059】
移報アダプタ20の制御回路201は,アンテナ206,送受信回路205を介して,火災警報器10からの連動制御信号を受信すると,移報出力回路230に火災に係る警報の移報信号(警報信号)を出力させる。また,このとき,火災警報音出力設定スイッチ231がオンになっている場合には,警報音制御回路208,表示回路209を動作させて連動警報を行わせる。」

「【0061】
次に,クラウドサーバー70が送信する電子メールについて詳細に説明する。図11は,本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システムの動作を示すフローチャートである。
【0062】
(警報信号の配信動作)
屋外警報装置30の制御回路301は,移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると,警報音制御回路308を動作させて当該住戸Hで火災が発生した旨の音等を発生させるとともに,警報信号と当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させる。なお,このとき,表示回路309を動作させて警報信号を送信している旨を表示させるようにしても良い。」

「【0064】
親機50の制御回路501は,アンテナ506,送受信回路505を介して,屋外警報装置30又は中継機40からの通信情報を受信すると,情報出力回路530に通信情報を出力させる。ゲートウェイ60は,親機50から入力された通信情報のプロトコル変換を行い,ネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に当該通信情報を送信する。
【0065】
クラウドサーバー70は,親機50から取得した通信情報を解析し,通信情報に含まれる信号と識別IDと,予め記憶した記憶情報700とに基づき,作動電子メールを生成して,情報端末80の少なくとも1つである1次通報先に送信する(図11のステップST1)。通信情報に含まれる信号が警報信号である場合,当該住戸の火災警報器10が火災等を検出した旨の情報と,屋外警報装置30の識別IDの情報と,操作されたときに火災が事実であることを確定する火災確定信号を送信する確定用リンクとを電子メールの本文とし,屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする作動電子メールを生成する。なお,確定用リンクは,例えばURLが記載されたものである。」
【図11】

「【0067】
図12は,本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する作動電子メールの一例を示す図である。例えば図12に示すように,通信情報に含まれる信号が警報信号である場合には,作動電子メールの件名を「緊急メール」とし,屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして,作動電子メール本文には,記憶情報700から取得した住宅名と,中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と,予め設定された文章(テンプレート)とを合成して,「○○さん宅から火災通報を受信しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」等の文章を生成する。また,クラウドサーバー70は,作動電子メール本文の末尾に,操作されたときに火災確定信号を送信する確定用リンクを付加する。」

「【0071】
(火災確定信号の配信動作)
上述した警報信号の配信動作における作動電子メールによって,地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した住人は,所定の時間,例えば60秒以内に(ステップST2),直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する(ステップST3)。そして,住人は,住戸Hにおいて実際に火災等が発生しているか否かを判断し(ステップST4),火災等が発生している場合,作動電子メールに添付された確定用リンクを選択する(ステップST5)。確定用リンクが選択されると,火災確定信号がクラウドサーバー70に送信される。
【0072】
また,住人は,屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作することもできる(ステップST6)。なお,作動電子メールを確認した住人に限らず,住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作しても良い。火災確認ボタン331が操作されると,屋外警報装置30の制御回路301は,火災確定信号と,当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させる。屋外警報装置30から送信された通信情報は,上述した警報信号の配信動作と同様に,中継機40,親機50,ゲートウェイ60,およびネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に伝送される。
【0073】
クラウドサーバー70は,親機50から取得した通信情報を解析し,通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合,火災確定手段75が,火災が事実であることを確定する。そして,クラウドサーバー70は,当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と,屋外警報装置30の識別IDの情報と,操作されたときに,火災対処が完了したことを知らせる対処完了信号を送信する完了用リンクとを電子メールの本文とし,火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする確定電子メールを生成して,情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST8)。なお,完了用リンクは,例えばURLが記載されたものである。また,「電子メールアドレスの全て」とは,火災確定信号の配信先として予め設定した電子メールアドレスの全てをいうものであり,クラウドサーバー70に記憶されている電子メールアドレスの全てに限定されるものではない。少なくとも,当該住戸Hの屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレス以外の電子メールアドレスを含んでいれば良く,例えば,クラウドサーバー70に当該住戸Hと同一地域(市町村等)として登録されている電子メールアドレスの全てに送信する。
【0074】
図13は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する確定電子メールの一例を示す図である。例えば図13に示すように,通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合には,確定電子メールの件名を「火災発生メール」とし,火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして,確定電子メール本文には,記憶情報700から取得した住宅名と,中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と,予め設定された文章(テンプレート)とを合成して,「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。また,クラウドサーバー70は,確定電子メール本文の末尾に,操作されたときに対処完了信号を送信する完了用リンクを付加する。」

「【0076】
情報端末80は,ネットワーク71を介して,クラウドサーバー70から配信された確定電子メールを受信する。そして,情報端末80を所持する住人は,受信した確定電子メールの内容から,地域内の住戸で火災等が発生した旨を確認する。なお,作動電子メールが送信された後,所定時間,例えば60秒経過すると,確定用リンクの選択又は火災確認ボタン331の操作にかかわらず,火災が確定したものとされ(ステップST7),ステップST8に進む。
【0077】
住戸Hへ駆け付けた住人および住戸Hの周辺に居合わせた者は,火災対応マニュアルに従って,初期消火活動や避難誘導等を迅速に実施すると共に,公設消防等へ連絡する(ステップST9)。
【0078】
以上のように本実施の形態においては,確定用リンクが選択されるか火災確認ボタン331が操作されると,地域内の住戸で火災等が発生した旨の情報を含む確定電子メールを,所定の地域内の住人が所持する情報端末80の全てに送信する。このように,本実施の形態は,作動電子メールに,火災が事実であることを確定する確定用リンクが含まれているため,火災等が事実であるかを,簡便に伝達することができる。そして,クラウドサーバー70の火災確定手段75が,確定用リンクが操作されたときに火災が事実であることを確定するため,消防活動が迅速に行われる。また,火災等の警報の確実性を向上することができる。」

の記載があるから,

「A 地域防災情報システムは,火災警報器10と,移報アダプタ20と,子機30と,中継機40と,親機50と,ゲートウェイ60と,クラウドサーバー70とを備えており,(【0011】)
B 火災警報器10,及び移報アダプタ20は,所定の地域内における住戸Hにそれぞれ1つ又は複数設けられ,(【0012】)
C 火災警報器10は,火災等を検出すると音,表示等による警報を行い,利用者に報知し,グループ内の他の火災警報器10から火災に係る警報信号を受信すると,連動して警報を発し,(【0013】)
D 移報アダプタ20は,火災に係る信号(警報信号)を屋外警報装置30に移報(出力)するための装置であり,(【0014】)
E 屋外警報装置30は,所定の地域内における住戸Hの屋外に設けられ,移報アダプタ20から移報された警報信号を含む通信情報,火災確定信号を含む通信情報,及び誤報信号を含む通信情報の少なくとも1つを無線通信により送信する装置であり,屋外警報装置30から送信される通信情報には,各種の信号とともに,当該屋外警報装置30の識別IDが付加され,(【0015】)
F 親機50は,屋外警報装置30及び中継機40の少なくとも一方からの通信情報を受信する装置であり,ゲートウェイ60を介して通信回線に接続され,(【0016】)
G ゲートウェイ60は,親機50が取得した警報信号を含む通信情報のプロトコル変換を行い,通信回線を経由してクラウドサーバー70へ通信情報を送信し,(【0016】)
C1 火災を検出する警報器10である火災警報器10は,制御回路101,電池102,電源回路103,電池電圧検出回路104,送受信回路105,アンテナ106,火災検出回路107,警報音制御回路108,表示回路109及び点検・警報停止スイッチ120を備え,(【0023】)
D1 移報アダプタ20は,制御回路201,電池202,電源回路203,電池電圧検出回路204,送受信回路205,アンテナ206,警報音制御回路208,表示回路209及び点検・警報停止スイッチ220を備え,(【0031】)
E1 屋外警報装置30は,制御回路301,電池302,電源回路303,電池電圧検出回路304,送受信回路305,アンテナ306,警報音制御回路308,表示回路309,火災確認ボタン331,誤報確認ボタン332,及び移報入力回路330を備え,(【0035】)
E1a 制御回路301は,移報入力回路330からの信号に基づいて,警報信号又は誤報信号と識別IDとを含む通信情報を生成し,生成した通信情報は,送受信回路305を介して,中継機40及び親機50との通信処理を行い,(【0036】)
E1b 移報入力回路330は移報アダプタ20からの火災に係る警報信号等を含む移報信号を入力(受信)するための構成であり,(【0041】)
F1 親機50は,制御回路501,充電電池502,電源回路503,電池電圧検出回路504,送受信回路505,アンテナ506,太陽電池507,及び充電切換回路508を備え,(【0052】)
H クラウドサーバー70は,記憶手段72,作成手段73,送信手段74,火災確定手段75及び対処完了手段76を有し,(【0053】)
H1 作成手段73は,各電子メールを作成するものであり,送信手段74は,作成手段73において作成された各電子メールを情報端末80に送信するものであり,(【0053】)
H2 クラウドサーバー70には,屋外警報装置30の識別IDと,住戸名と,電子メールアドレスの情報とを有する記憶情報700が予め記憶されており,(【0053】)
E2 屋外警報装置30の識別IDは,屋外警報装置30固有の識別情報であり,屋外警報装置30が送信する警報情報に付加される情報であり,住戸名は,屋外警報装置30の識別IDに対応する住戸を識別する情報であって例えば住人の氏名等の情報であり,電子メールアドレスは,屋外警報装置30の識別IDに対応して記憶され,所定の地域内の住人が所持する1つ又は複数の情報端末80の電子メールアドレスの情報であり,(【0053】)
C1a 火災警報器10の制御回路101は,火災検出回路107から信号が入力されたかどうかを判断し,火災検出による信号が入力されたものと判断すると,警報音制御回路108を動作させて,火元となる火災である旨の音声等を発生させ,表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる火元警報を行わせ,送受信回路105に,グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を,アンテナ106を介して送信させ,(【0057】)
D1a 移報アダプタ20の制御回路201は,アンテナ206,送受信回路205を介して,火災警報器10からの連動制御信号を受信すると,移報出力回路230に火災に係る警報の移報信号(警報信号)を出力させ,(【0059】)
E1a1 屋外警報装置30の制御回路301は,移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると,警報信号と当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させ,(【0062】)
F1a 親機50の制御回路501は,アンテナ506,送受信回路505を介して,屋外警報装置30からの通信情報を受信すると,情報出力回路530に通信情報を出力させ,(【0064】)
G1 ゲートウェイ60は,親機50から入力された通信情報のプロトコル変換を行い,ネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に当該通信情報を送信し,(【0064】)
H3 クラウドサーバー70は,親機50から取得した通信情報を解析し,通信情報に含まれる信号と識別IDと,予め記憶した記憶情報700とに基づき,作動電子メールを生成して,情報端末80の少なくとも1つである1次通報先に送信し,通信情報に含まれる信号が警報信号である場合,当該住戸の火災警報器10が火災等を検出した旨の情報と,屋外警報装置30の識別IDの情報と,操作されたときに火災が事実であることを確定する火災確定信号を送信する確定用リンクとを電子メールの本文とし,屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする作動電子メールを生成し,(【0065】)
H3a 情報端末80が受信する作動電子メール本文には,記憶情報700から取得した住宅名と,中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と,予め設定された文章とを合成して,「○○さん宅から火災通報を受信しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」等の文章を生成し,クラウドサーバー70は,作動電子メール本文の末尾に,操作されたときに火災確定信号を送信する確定用リンクを付加し,(【0067】)
H3b 上述した警報信号の配信動作における作動電子メールによって,地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した住人は,所定の時間以内に,直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認し,(【0071】)
H3c 火災等が発生している場合,作動電子メールに添付された確定用リンクを選択し,また,住人は,屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作することもでき,(【0071】,【0072】)
H3d 火災確認ボタン331が操作されると,屋外警報装置30の制御回路301は,火災確定信号と,当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させ,屋外警報装置30から送信された通信情報は,中継機40,親機50,ゲートウェイ60,およびネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に伝送され,(【0072】)
H4 クラウドサーバー70は,親機50から取得した通信情報を解析し,通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合,火災確定手段75が,火災が事実であることを確定し,当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と,屋外警報装置30の識別IDの情報と,操作されたときに,火災対処が完了したことを知らせる対処完了信号を送信する完了用リンクとを電子メールの本文とし,火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする確定電子メールを生成して,情報端末80の全てである2次通報先に送信し,(【0073】)
H4a 情報端末80が受信する確定電子メールの件名を「火災発生メール」とし,火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とし,確定電子メール本文には,記憶情報700から取得した住宅名と,中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と,予め設定された文章とを合成して,「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成し,クラウドサーバー70は,確定電子メール本文の末尾に,操作されたときに対処完了信号を送信する完了用リンクを付加し,(【0074】)
I 情報端末80は,ネットワーク71を介して,クラウドサーバー70から配信された確定電子メールを受信し,情報端末80を所持する住人は,受信した確定電子メールの内容から,地域内の住戸で火災等が発生した旨を確認し,住戸Hへ駆け付けた住人および住戸Hの周辺に居合わせた者は,火災対応マニュアルに従って,初期消火活動や避難誘導等を迅速に実施すると共に,公設消防等へ連絡する,(【0076】,【0077】)
J 地域防災情報システム。」(以下,「引用発明」という。なお,A?Jの記号は,後に「構成A」?「構成J」のように参照するために付した。)

が記載されている。

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-282181号公報(以下,「引用文献2」という。下線は当審が付与。)には,

「【0180】
図8は,本発明の第3の実施例である火災報知システムSS3の構成を示す図である。
【0181】
防災サービスシステムSS3は,火災報知装置300と中継器330,340,350とを有し,火災報知装置300と中継器330,340,350とが,通信回線320を介して互いに接続されている。
【0182】
火災報知装置300は,CPU301とROM302とメモリ303とLCD304とキーボード305とハンドセット306とを有する。
【0183】
CPU301は,火災報知装置300の全体を制御するものであり,ROM302は,火災報知装置300の動作を制御する制御プログラムを格納しているメモリであり,メモリ303は,中継器330,340,350が設置されている建物B33,B34,B35の宛先を記憶しているメモリである。
【0184】
ここで,ROM302が格納している制御プログラムは,建物B33,B34,B35それぞれに設置されている火災感知器334,344,354のうちの1つの火災感知器から,通信回線320を介して,火災信号を受信した場合,メモリ303に記憶されている宛先の中から,火災を通報する対象となる建物,すなわち,上記受信した火災信号を送信した火災感知器が設置されている建物である火災発生建物の近くに位置する建物の宛先を全て選択し,この選択した宛先に,通信回線320を介して,上記受信した火災信号と,上記火災発生建物の宛先とを送出するように火災報知装置300を動作させるプログラムである。」

の記載があるから,

「1つの火災感知器から,通信回線320を介して,火災信号を受信した場合,メモリ303に記憶されている宛先の中から,火災を通報する対象となる建物,すなわち,火災発生建物の近くに位置する建物の宛先を全て選択し,この選択した宛先に,通信回線320を介して,上記受信した火災信号と,上記火災発生建物の宛先とを送出する」

という技術事項が記載されている。

3.引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-235663号公報(以下,「引用文献3」という。下線は当審が付与。)には,

「【0009】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では,図2に示した構成から状況登録部3および作業メッセージ特定部4を外した構成の緊急通知装置が,危険・災害等の緊急事態の発生場所から発生通知情報として発生場所の位置情報などを受信したとき,その位置情報の発生場所から所定半径のエリアに存在する複数の受信装置を特定し,その受信装置へ緊急通知を連続的にまたは一斉に自動送信する。図4に,第1の実施形態の動作フローを示す。以下,図4などにより,第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態では,危険や災害など緊急事態が発生したとき,緊急発信受信部1が携帯電話機など電話機,ファクシミリ装置,パーソナルコンピュータなどから前記したような発生通知情報を受信するものとする。緊急発信受信部1は発生通知情報を受信すると(S1),その発生通知情報をRAM13またはHDD14に格納する(S2)。なお,発生通知情報に音声信号を含む場合,この格納に際して,緊急発信受信部1は音声信号をPCM化する。
このあと,エリア別受信機把握部5はHDD14から受信装置登録テーブルを読み出し,各受信装置の位置情報と発生場所の位置情報とから各受信装置の発生場所からの距離を計算する(S3)。つまり,X方向(経度方向)とY方向(緯度方向の距離から斜辺の距離を計算するのである。
続いて,エリア別受信機把握部5は,その発生場所を中心として,予め設定してある所定の複数の半径のエリアごとに,正確には,最も内側のエリアと,それぞれの内側エリアの外側に当たるそれぞれの外周エリアごとに,各エリア内に存在する宅内固定電話機,携帯電話機,ファクシミリ装置,パーソナルコンピュータ(情報処理装置)など受信装置を求める(図5参照)(S4)。つまり,計算した各受信装置の発生場所からの距離をそれぞれのエリアの半径と比較して属するエリアを決定するのである。なお,図5において,矢印は矢印の方向へ移動していることを示す。
こうして,各エリア内に存在する受信装置がエリア別受信機把握部5により決定されると,緊急連絡発信部2はHDD14から発生場所およびその周辺を含む地図情報を取り出し,RAM13に表示形式で展開する(S5)。そして,展開された地図上の発生場所位置に発生場所であることを示すマーク(例えば×印)を重ね書きする(S6)。」
【図5】

「【0012】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では,図2に示した構成の緊急通知装置において,危険・災害等といった緊急事態の発生現場の詳細状況(階層化された危険・災害状況の種類)とそれぞれの詳細状況に対応づけて助けるのに必要な作業メッセージを登録しておき,発生通知情報の内容から登録された該当詳細状況を特定し,その該当詳細状況に対応づけられた作業メッセージを選択してその作業メッセージを緊急通知情報として受信装置へ送信する。なお,緊急発信受信部1には,音声認識手段および文字認識手段を備える。
この第2の実施形態の動作フローは,図4に示した第1の実施形態の動作フローと同様である。動作が異なるところはステップS1とS5である。
ステップS1では,音声信号を受信した場合,音声認識手段により音声認識を行う。図6に緊急事態の種類(危機の種類)として示したような言葉を音声信号中に含む場合,それを認識するのである。例えば「人が倒れています」「呼吸がない」「呼吸はない」「呼吸はありません」などというような特定の言葉を認識するわけで,特定語であるがゆえに認識率はきわめて高くなる。この際,「人が倒れています」というような言葉を認識したならば,直ちに登録しておいた「呼吸はありますか」というような音声信号を相手側へ送信し,その回答を取得する構成も可能で,このような構成では予想されるタイミングで予想される言葉を取得するので,さらに認識率が向上するし,作業メッセージの特定のために必要な情報を取得できる。
また,ファクシミリ装置からの画情報を受信した場合には,文字認識手段により同様の言葉の文字認識を行う。また,テキスト(文字コード列)を受信した場合には単に同様の言葉を抽出する。
一方,ステップS5で緊急通知を行う際には,状況登録部3にあらかじめ登録してある作業メッセージを選択してその作業メッセージを緊急通知情報として受信装置へ送信する。作業メッセージの選択に際しては,緊急事態の種類と,エリア別受信機把握部5により把握されたエリア区分を用いて作業メッセージ特定部4が作業メッセージを特定する。
【0013】
図6に示したように作業メッセージをエリアごとに緊急事態の種類と対応づけて登録しておき,緊急発信受信部1により認識・抽出された言葉に基づいて例えば緊急事態の種類が火事・ボヤと特定され,且つエリア1(発生場所から一番近いエリア)の場合,その組み合わせに対応づけられた「消火器またはバケツが必要」という作業メッセージを特定するのである。そして,特定した作業メッセージを添付して第1の実施の形態と同様に近いエリア順に緊急通知を行う。
あらかじめ登録しておく緊急事態の種類の小分類は図6に示した例では,2階層しかないが,4,5階層まで種類を定義しておくことも可能である。なお,図6に示した例は緊急事態に遭遇した本人または目撃者が通知するものとして作成している。また,図6に示した対応づけテーブルは更新が可能であり,新たな事例が生じればその内容をテーブルに盛り込んでいく。
こうして,第2の実施形態によれば,あらかじめ登録した作業メッセージも緊急通知として通知されるので,適切な救援が可能になる。
なお,前記において作業メッセージの代わりに予測される緊急事態の内容を登録しておく構成も可能である。緊急事態の種類に対応づけて予測される緊急事態の内容を登録しておき,発生通知情報の内容から緊急事態の種類を特定し,特定された緊急事態の種類に対応づけられた予測される緊急事態の内容を抽出し,抽出された予測される緊急事態内容を緊急通知情報として受信装置へ送信するのである。このような構成では,予測される緊急事態を未然に防ぐ効果も期待できるし,予測される緊急事態が実際に起こってしまったとしても迅速な対応が可能になり,被害を小さくすることもできる。」
【図6】

の記載がある。
そして,図6には,危機の種類が「火事」「拡大」の場合でエリア分類が「エリア3」の場合に「消防車を呼んでください」が記載されている。

第2の実施形態の動作フローは,ステップS1とS5が異なるほかは第1の実施形態の動作フローと同様であるから,第2の実施形態においても「計算した各受信装置の発生場所からの距離をそれぞれのエリアの半径と比較して属するエリアを決定」しているといえる。
したがって,引用文献3には,

「緊急事態の発生現場の詳細状況(階層化された危険・災害状況の種類)とそれぞれの詳細状況に対応づけて助けるのに必要な作業メッセージを登録して,発生場所からの距離に応じたエリア別にあらかじめ登録してある作業メッセージを緊急通知するものであって,
作業メッセージは,「消防車を呼んでください」という内容を含むこと。」(以下,「引用文献3技術事項」という。)

という技術事項が記載されている。

第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると,

ア 引用発明の「火災警報器10」は「所定の地域内における住戸Hにそれぞれ1つ又は複数設けられ」ている。(構成B)
そして,「火災等を検出すると音,表示等による警報を行い,利用者に報知し,グループ内の他の火災警報器10から火災に係る警報信号を受信すると,連動して警報を発」するものであって(構成C),「火災警報器10の制御回路101」が,「火災検出回路107」から「火災検出による信号が入力されたものと判断する」と,「送受信回路105に,グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を,アンテナ106を介して送信」させる(構成C1a)のであるから,「火災警報信号を送信する警報器」であるといえる。
つまり,引用発明における「火災警報器10」は,「所定の地域内の住戸に設けられ,火災を検出して火災警報信号を送信する警報器」であるといえる。

イ 引用発明の「屋外警報装置30」は,「所定の地域内における住戸Hの屋外に設けられ」ており(構成E),「住戸H」は,火災警報器10が設けられている住戸であるから(構成B),「住戸H」は「前記住戸」である。
そして,「屋外警報装置30の制御回路301」は,「移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると,警報信号と当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させ」るものであって(構成E1a1),「移報アダプタ20からの移報信号」は,「火災警報器10からの連動制御信号が入力される」と送信されるものである(構成D1a)から,「火災警報器10から送信された前記火災警報信号に基づく信号」である。
つまり,「屋外警報装置30」は,「火災警報器10から送信された前記火災警報信号に基づく信号を受信して,前記火災警報信号と自身の識別IDとを含む通信情報」を生成しているといえる。
さらに,「屋外警報装置30」は,「火災確認ボタン331」を備えており,当該火災確認ボタン331は,住人が該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認して,火災等が発生している場合に操作するのであるから,「火災が事実であることを確定する火災確認ボタン」であるいえる。
そして,「火災確認ボタン331が操作されると,屋外警報装置30の制御回路301は,火災確定信号と,当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し,送受信回路305に送信させ」ている(構成H3d)から,「前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信」しているといえる。
上記によれば,引用発明の「屋外警報装置30」は,「前記住戸に設けられ,前記警報器から送信された前記火災警報信号に基づく信号を受信して,前記火災警報信号と共に自身のIDを送信し,また火災が事実であることを確定する火災確認ボタンを有し,前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信する警報装置」であるといえる。

ウ 引用発明は,「屋外警報装置30から送信された通信情報は,中継機40,親機50,ゲートウェイ60,およびネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に伝送され」る(構成H3d)から,「クラウドサーバー70」は,「屋外警報装置30」と「通信回線を介して接続されるサーバー」であるといえる。

エ 引用発明の「クラウドサーバー70」は,「屋外警報装置30の識別IDと,住戸名と,電子メールアドレスの情報とを有する記憶情報700が予め記憶されて」おり(構成H2),「住戸名は,屋外警報装置30の識別IDに対応する住戸を識別する情報であって例えば住人の氏名等の情報」であり(構成E2),「電子メールアドレスは,屋外警報装置30の識別IDに対応して記憶され」ている(構成E2)から,「屋外警報装置の識別IDと及び住人の氏名が対応付け」られると共に,「屋外警報装置の識別IDと電子メールアドレスが対応付け」られた情報が記憶されているといえ,記憶手段72に記憶されていることは明らかである。
したがって,引用発明の「クラウドサーバー70」は,「屋外警報装置の識別ID及び住人の氏名が対応付け」された情報と,「屋外警報装置の識別IDと電子メールアドレスが対応付け」された情報と,を記憶する記憶手段を有しているといえる。

オ さらに,引用発明の「クラウドサーバー70」は,「親機50から取得した通信情報を解析し,通信情報に含まれる信号と識別IDと,予め記憶した記憶情報700とに基づき,作動電子メールを生成」するもの(構成H3)であって,「通信情報に含まれる信号が警報信号である場合」(構成H3)には,記憶情報700から取得した住宅名と,中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と,予め設定された文章とを合成して,「○○さん宅から火災通報を受信しました。」という文章を含む電子メールを送信する(構成H3a)から,「住戸名(住民の氏名)」を読み出していることは明らかである。

カ また,引用発明の「クラウドサーバー70」は,予め設定された文章を用いて送信するメールの文章を送信するものであって(構成H3a,H4a),「警報信号」を受信した場合の「作動電子メール」を1次通報先に送信し(構成H3),あるいは「火災確定信号」を受信した場合の「確定電子メール」を2次通報先に送信する(構成H4)から,「警報信号」か「火災確定信号」かによって,「予め設定された文章」が異なっているといえ,クラウドサーバー70の送信手段74が,該電子メールを送信するために,ネットワークを介して1次通報先や2次通報先に送信していることは明らかである。
すなわち,引用発明の「クラウドサーバー70」は,「信号の種類に応じたメッセージを読み出し」ているといえる。
しかし,引用発明のメッセージは,「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章であって,消防機関宛て緊急通報を促す記載はなく,住民の氏名は記載されているが住所は記載されていない。

キ 引用発明の「確定用リンク」は,「火災発生の有無を確認」して「操作されたときに火災確定信号を送信する」から(構成H3,H3a),「火災が事実であることを確定する確定用リンク」であるといえるが,クラウドサーバー70は,識別IDの情報と予め設定された文章とを合成して作成した作動電子メール本文の末尾に,操作されたときに火災確定信号を送信する確定用リンクを「付加」しているから,「予め設定された文章」には,「確定用リンク」は含まれていないと解される。

ク また,引用発明は「火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全て」にメッセージを送信している(構成H4)が,「火災確定信号の配信先」に「前記確定用リンクが操作された情報端末」が含まれているかどうかは記載がなく,不明である。

ケ したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「所定の地域内の住戸に設けられ,火災を検出して火災警報信号を送信する警報器と,
前記住戸に設けられ,前記警報器から送信された前記火災警報信号を受信して,前記火災警報信号と共に自身のIDを送信し,また火災が事実であることを確定する火災確認ボタンを有し,前記火災確認ボタンが押下されたとき,火災確定信号と共に自身のIDを送信する警報装置と,
前記警報装置と通信回線を介して接続されるサーバーと,を備え,
前記サーバーは,
前記警報装置のID及び前記警報装置が設置された住戸の設置ユーザーの名称が対応付けされた情報と,信号の種類及びメッセージが対応づけされたメッセージテーブルと,を記憶する記憶手段と,
前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,IDに対応する設置ユーザーの名称を読み出す手段と,
前記メッセージテーブルから信号の種類に応じたメッセージを読み出すメッセージ作成手段と,
前記ユーザーテーブルから所定の前記メールアドレスを読み出し,前記メッセージ作成手段によって作成されたメッセージを,ネットワークを介して前記メールアドレス宛で送信する送信手段と,を有し,
前記送信手段は,
前記メッセージ作成手段によって作成されたメッセージを送信するものである
ことを特徴とする地域防災情報システム。」


(相違点)
(相違点1)
本願発明1は,記憶手段に「前記警報装置のID及び前記警報装置が設置された住戸の設置ユーザーの名称が対応付けされた端末情報テーブルと,前記設置ユーザーの名称,前記設置ユーザーのメールアドレス及び前記設置ユーザーの住所が対応づけされたユーザーテーブルと,信号の種類及び消防機関宛て緊急通報を促すメッセージが対応づけされたメッセージテーブル」を記憶しているのに対し,引用発明は,「屋外警報装置の識別IDと及び住人の氏名が対応付け」された情報と,「屋外警報装置の識別IDと電子メールアドレスが対応付け」された情報を記憶しているが,前記設置ユーザーの住所に関する情報は記憶しておらず,メッセージの種類に応じたメッセージを読み出しているが,消防機関宛て緊急通報を促すメッセージではない点。

(相違点2)
本願発明1は,前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,前記端末情報テーブルからIDに対応する設置ユーザーの名称を読み出す第1の読出手段を有しているのに対し,引用発明は,前記警報装置から送信された前記火災警報信号又は前記火災確定信号及びIDを受信したとき,設置ユーザーの名称を読み出しているものの,「端末情報テーブル」からIDに対応する設置ユーザーの名称を読み出している記載はない点。

(相違点3)
本願発明1は,前記ユーザーテーブルから前記第1の読出手段によって読み出された設置ユーザーに対応する住所を読み出す第2の読出手段を有し,信号の種類に応じて読み出した消防機関宛て緊急通報を促すメッセージに,第2の読み出し手段によって読み出された住所を付加するのに対し,引用発明は,住所を対応づけされた情報を有しておらず,住所を読み出さない点。

(相違点4)
本願発明1は,メッセージテーブルが,「火災が事実であることを確定する確定用リンクを含むメッセージ」を記憶しているが,引用発明は「予め設定された文章」に確定用リンクを付加するのであって,「確定用リンクを含むメッセージ」は記憶されていない点。

(相違点5)
本願発明1は,メッセージとして,「確定用リンクが操作された情報端末のメールアドレス宛」でメッセージを送信するのに対し,引用発明は,「火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全て」に送信する点。


(2)相違点についての判断

事案に鑑み,まず,相違点1,3について検討する。
引用文献3技術事項は,緊急通知を送信するにあたり,「消防車を呼んでください。」とのメッセージを通知することは記載されているが,住所は読み出さず,メッセージに読み出しされた住所を付加もしない。
本願発明は,前記設置ユーザーの名称,前記設置ユーザーのメールアドレス及び前記設置ユーザーの住所が対応付けされたユーザーテーブルを有し,ユーザーテーブルを用いて信号の種類に応じて読み出した消防機関宛て緊急通報を促すメッセージに住所を付加することにより,緊急通報を促すと共に住所が記載されたメッセージを送信することによって,本願明細書の【0042】に「メッセージを受信した住人は,火災発生時のような緊迫した状況で動揺した場合であっても,忘れずに消防機関に緊急通報することができ,その際,メッセージに記載された住所を確認しつつ消防機関に緊急通報することができる。従って,消防機関宛て緊急通報時に火災が検出された場所の住所を確実に伝えることができる。このように,本実施の形態1は,火災発生時のような緊迫した状況で動揺した場合であっても,消防機関宛て緊急通報時に,火災発生場所を正確に伝えることができる。」と記載される効果を有するものである。

したがって,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2,3について

本願発明2,3も,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第7 むすび

以上のとおり,本願発明1-3は,当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-03-18 
出願番号 特願2016-176460(P2016-176460)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G08B)
P 1 8・ 561- WY (G08B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 永田 義仁藤江 大望  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 吉田 隆之
丸山 高政
発明の名称 地域防災情報システム  
代理人 特許業務法人きさ特許商標事務所  
代理人 特許業務法人きさ特許商標事務所  
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