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審決分類 審判 査定不服 特29条の2 取り消して特許、登録 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G02B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1372325
審判番号 不服2020-3984  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-25 
確定日 2021-04-14 
事件の表示 特願2017-503778「接着性を改善するためのガラス表面の処理」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月 8日国際公開、WO2015/153706、平成29年 7月13日国内公表、特表2017-519249、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続等の経緯
特願2017-503778号(以下「本件出願」という。)は、2015年(平成27年)4月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年(平成26年)4月4日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。

平成31年 3月15日付け:拒絶理由通知書
令和 元年 6月25日提出:意見書
令和 元年 6月25日提出:手続補正書
令和 元年11月22日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 2年 3月25日提出:審判請求書
令和 2年 3月25日提出:手続補正書
令和 2年10月28日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 1月29日提出:意見書
令和 3年 1月29日提出:手続補正書


第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

1 理由1(明確性要件)
本件出願は、特許請求の範囲の記載が明確であるということができないから、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。

2 理由2(進歩性)
本件出願の請求項1?15に係る発明は、本件出願の優先権主張の日(以下「本件優先日」という。)前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、本件優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2000-221485号公報
2.特開2013-114249号公報
3.特開平9-292512号公報
4.特開平5-173015号公報
5.特開2002-220258号公報
(当合議体注:引用文献1は、主引例であり、引用文献2?5は、周知技術を示す文献である。)

3 理由3(拡大先願)
本件出願の請求項1?4、10?15に係る発明は、本件優先日前の日本語特許出願であって、本件優先日後に国際公開がされた下記の日本語特許出願の国際出願日における国際特許出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者が本件優先日前の日本語特許出願に係る上記の発明をした者と同一でなく、またこの出願時において、その出願人が上記日本語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法184条の13参照。)。

特願2015-510074号(PCT/JP2014/059413、国際公開第2014/163035号)


第3 本件発明
本件出願の請求項1?11に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明11」という。)は、令和3年1月29日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定されるところ、本件発明1、本件発明7及び本件発明11は、それぞれ、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
ガラス基板;
ブラックマトリクスセグメントであって、前記ブラックマトリクスセグメントは、あるパターンの形態であり、前記セグメントのうちの少なくとも1つの線幅は8μm未満である、ブラックマトリクスセグメント;及び
前記ガラス基板と前記ブラックマトリクスセグメントとの間に配置された接着剤を備える、パターン形成済み物品であって、
前記接着剤は、水及びジヨードメタン接触角測定によって決定した場合に:
65mN/m以下のガラス基板の合計表面エネルギ;及び
5%?35%の表面極性のうちの少なくとも一方をもたらし、かつ、前記接着剤は、未処理の対照ガラス基板の表面の水接触角を少なくとも40°増大させるものであり、前記接着剤は、第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである、パターン形成済み物品。」

「 【請求項7】
ガラス基板上へのブラックマトリクスの接着性を改善する方法であって、
前記ガラス基板を提供するステップ;
前記ガラス基板の表面を接着剤で処理するステップであって、前記接着剤は、未処理の対照ガラス基板の表面の水接触角を少なくとも40°増大させて、かつ、水及びジヨードメタン接触角測定によって決定した場合に、65mN/m以下の合計表面エネルギをもたらすものであり、前記接着剤は、第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキル を含む置換アルキルシランである、ステップ;
前記接着剤で処理された前記ガラス基板の表面に対してブラックマトリクス材料を適用するステップ;並びに
前記ブラックマトリクス材料内にパターンを生成するステップであって、前記パターンはブラックマトリクスセグメントを含み、前記ブラックマトリクスセグメントのうちの少なくとも1つの線幅は8μm未満である、ステップ
を含む、方法。」

「 【請求項11】
ガラス基板に対するブラックマトリクスの接着性を改善する方法であって、
前記ガラス基板を提供するステップ;
接着剤で前記ガラス基板の表面を処理するステップであって、前記接着剤は、前記ガラス表面の水接触角を少なくとも40°増大させるものであり、前記接着剤は、第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである、ステップ;
前記接着剤で処理された前記ガラス基板の前記表面に対して前記ブラックマトリクスを適用するステップ;及び
前記ブラックマトリクス内にパターンを生成するステップであって、前記パターンは、1つ又は複数のブラックマトリクスセグメントを含み、また少なくとも1つ又は複数の前記ブラックマトリクスセグメントの線幅は8μm未満である、ステップ
を含む、方法。」

なお、本件発明2?6は、本件発明1に対してさらに他の発明特定事項を付加したものである。
また、本件発明8?10は、本件発明7に対してさらに他の発明特定事項を付加したものである。


第4 引用文献、引用発明、先願、先願発明
1 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本件優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である特開2000-221485号公報(以下、同じく「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。なお、当合議体が発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。

(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜が被覆された液晶ディスプレー用基板。
【請求項2】 前記疎水性の有機珪素化合物の膜は、下記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレー用基板。
一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)
但し、一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である。
【請求項3】 前記透明ガラス基板のガラスにアルカリ成分を含有し、かつ前記透明ガラス基板と前記有機珪素化合物の膜の間に二酸化珪素膜が介在するように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶ディスプレー用基板。
【請求項4】 請求項1?3のいずれかに記載の液晶ディスプレー用基板の前記疎水性の有機珪素化合物の膜表面に、樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導電膜が順次設けられたカラー液晶ディスプレー用基板。
【請求項5】 前記樹脂製ブラックマトリックスは、黒色物質がアクリル樹脂中に混入されたものであることを特徴とする請求項4に記載のカラー液晶ディスプレー用基板。
【請求項6】 透明ガラス基板上に有機珪素化合物の膜が被覆された液晶ディスプレー用基板の製造方法において、前記有機珪素化合物の膜を、前記透明ガラス基板上に下記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させて被覆することを特徴とする液晶ディスプレー用基板の製造方法。
一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)
但し、一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である。
【請求項7】 前記有機珪素化合物の膜を被覆するに先立ち、前記透明ガラス板を二酸化珪素が過飽和状態にある珪フッ化水素酸を含む液に浸漬して、前記二酸化珪素膜を被覆することを特徴とする請求項6に記載の液晶ディスプレー用基板の製造方法。」

(2)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレーに用いる基板およびその製造方法に関する。とりわけカラーフィルター層に先立ち設けられる樹脂製ブラックマトリックスを有するカラー液晶ディスプレー用の基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレーに用いる基板の基本的な構造は、透明ガラス基板、ブラックマトリックス及びカラーフィルター層、オーバーコート層、透明導電膜を設けたものである。このうちブラックマトリックスは、有効領域以外からのもれ光を抑制して表示特性を向上させる役割を持つ。近年では樹脂製のブラックマトリックス材料が多く使われる様になり、特にフォトリソプロセスによってパターニングされるのが一般的である。しかしながら、ブラックマトリックスとして樹脂材料を用いた場合、無機材料である透明ガラス基板と樹脂材料との相互作用が小さいために密着性が不十分となり、その結果ブラックマトリックスのパターニングプロセスにおいて、ブラックマトリックスに剥離が生じやすいとの問題点があった。すなわち、ブラックマトリックス原料をコーティングした後に露光,現像するプロセスにおいて、現像条件のばらつきにより局部的にブラックマトリックスの剥離が生じることがあった。これによって、特に工業的に生産する際には工程のあらゆる条件を厳しく管理する必要が生じ、また場合によっては歩留りの低下を導いていた。これを回避するため、例えば樹脂材料からなるブラックマトリックスに透明ガラス基板との相互作用が大きい官能基を付与するなどの方法で透明ガラス基板との密着性を向上させる対策が実施されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、カラー液晶ディスプレーが高精細化されるに伴い、ブラックマトリックスにより微細なパターン形成が要求されるようになり、パターニング時の剥離がさらに発生しやすくなってきた。さらに、樹脂材料においても密着性を考慮した材料に制限されるため、近年のブラックマトリックスの高遮光性化、低反射化、低コスト化への要求に対応する上で障壁になっていた。
【0004】本発明は、従来のカラー液晶ディスプレー用基板における上記課題を解決して、製造を容易に実施可能とするものであり、さらにはコストダウンやディスプレーの高精細化が行える基板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶ディスプレー用基板は、透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜が被覆されたことを特徴とする。本発明における疎水性とは、清浄なガラス表面よりもより疎水化された性質を有する性質をいい、これにより有機樹脂と清浄なガラスとの密着性が増加する。
【0006】ガラス表面を疎水化する有機珪素化合物の膜は、下記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであることが好ましい。
一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)
但し、一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である。
・・・省略・・・
【0009】本発明のカラー液晶ディスプレー用基板は、請求項1?4のいずれかに記載の液晶ディスプレー用基板の一方の表面に、樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導電膜が順次設けられたことを特徴とする。
・・・省略・・・
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の透明ガラス基板としては、透明で平坦な表面を有するものであれば特に限定されない。たとえば二酸化珪素および酸化アルミニウムを主成分とするアルミノ珪酸系の無アルカリガラスや、二酸化珪素と酸化ナトリウムと酸化カルシウムを主成分とするソーダライムシリカ系のガラスなどを用いることができる。
【0014】しかしながら、アルカリ金属酸化物を含有するガラス基板を用いる場合には、アルカリ金属イオンが表面に拡散するのを防ぐために、有機珪素化合物の膜とガラス基板との密着性をよくするために、二酸化珪素あるいは二酸化珪素を主成分とする膜を被覆するのが好ましい。
【0015】本発明の樹脂製ブラックマトリックスとしては、微粉カーボンのような黒色物質が樹脂内に分散混入されたものが用いることができる。黒色物質の担体となる樹脂マトリックスとしては、有機珪素化合物の膜との密着性がよく、そのパターン形成工程で剥離が生じることなく、寸法精度よくパターン形成できるという観点から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等が例示でき、とりわけアクリル樹脂が透明性が良いので好ましい。また、アクリル樹脂を親水性の官能基であるカルボン酸等で変性させたものは、上記の有機珪素化合物の膜との結合が強いので好ましい。
・・・省略・・・
【0018】本発明の有機珪素化合物の膜は、無機化合物であるガラスあるいは二酸化珪素膜の表面を改質して、樹脂製ブラックマトリックスの密着性を向上させる。有機珪素化合物の材料は、樹脂製ブラックマトリックスの材料に合わせて密着性が好適になるよう材料を選定するのが好ましい。材料の選定においては、後述するように樹脂材料と有機珪素化合物の表面自由エネルギーができるだけ近い材料を選定するのが望ましい。
【0019】本発明の有機珪素化合物をガラス基板上に被覆する方法としては、透明ガラス基板上に、上記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布,乾燥場合により加熱する方法があげられる。
【0020】通常、揮発性の分散媒、例えば、水、アルコール類に有機珪素化合物またはその加水分解物を溶解させた後、ディッピング、シャワー等の方法で基板表面にこの液を塗布した後、温風乾燥等の乾燥手段を用いて形成することができる。
【0021】また、前記一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)で表わされる有機珪素化合物としては、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(βアミノエチル)-γ-アミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカトプロピルトリメトキシシラン、3.3.3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3.4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、テトラクロロシラン等がその代表例としてあげられる。
【0022】これらの一般式で表わされる有機珪素化合物の加水分解物とは、上記有機珪素化合物中のアルコキシ基、アセトキシ基、塩素元素の一部または全部が水酸基に置換されたもの、および置換された水酸基同士が一部自然に結合したものを含んでいる。これらの加水分解物は、例えば水、もしくは水とアルコール等の混合液中で得ることができ、加水分解を促進させるために酸を添加することもできる。
【0023】なかでも、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、水を溶媒として均質な溶液とすることができるので、液の調整が容易かつ安価であり、また樹脂製ブラックマトリックスとの密着性が広い濃度範囲で良好な結果を得ることができるので好ましい。
・・・省略・・・
【0028】有機珪素化合物の膜を被覆することで密着性を制御できる理由は、界面化学理論から以下のように推察される。物質表面は表面自由エネルギーで表わされる固有の表面状態を有し、2種類の物質を接触させた場合、互いの表面自由エネルギーが近いほど相互作用が大きくなる。すなわち、よく似た物質間ほど密着力が強くなることが界面化学で知られている。
・・・省略・・・
【0030】そこで、上述の有機珪素化合物でガラス表面を処理することで、ガラスの表面状態、すなわち表面自由エネルギーを樹脂ブラックマトリックスに近づけることで、有機珪素化合物の膜が実質上接着剤と同じような働きを示し、高い密着力を得ることができるようになる。その結果、樹脂製ブラックマトリックスのより細かいパターンを形成を歩留り良くすることができるようになり、高精細な液晶ディスプレーの作製が可能になる。」

(3)「【0032】以下に本発明を実施例と比較例により詳述する。
(樹脂製ブラックマトリックスのパターン形成実験)
実施例1
100mm×100mmのアルミノシリケート系の無アルカリガラス基板を、市販のアルカリ洗剤及び純水で洗浄し乾燥した。続いて、0.01重量%濃度のγ-アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液にガラス基板を室温で1分間浸漬して基板表面に吸着させた後、過剰の塗布液を乾燥空気を用いて除去した。乾燥後、アルカリ洗剤及び純水を用いて再度洗浄を行い、未反応のγ-アミノプロピルトリエトキシシランを除去した。次にアクリル樹脂系液に黒色物質としてカーボンブラックを混入させたブラックマトリックス原料液をその使用条件でスピンコーティングした後に、マスクを介して露光、現像し、未露光部分のブラックマトリックスをアルカリ剥離溶液でエッチング除去して、幅30μm、間隔100μmのストライプ状の光遮蔽性のブラックパターンを形成しサンプル1を得た。また、現像時にパターンが形成された時間およびブラックマトリックスの剥離が開始した時間を測定した。パターン形成が完了(未露光ブラックマトリックスが完全に除去される時点)して後、充分経過してから露光部分と未露光部分の主として境界で剥離が開始することが認められた。処理条件と結果を表1にまとめて示す。
【0033】実施例2
実施例1とは、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液の濃度を0.001重量%とした以外は同じようにして、ブラックマトリックスのパターンを形成し、良好なサンプル2を得た。また、現像時にパターンが形成された時間およびブラックマトリックスの剥離が開始した時間を測定した結果を表1に示す。この場合においても、パターン形成が完了後充分経過してから、ブラックマトリックスの剥離が開始することが認められた。
【0034】実施例3
実施例1とは、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液の濃度を0.1重量%とした以外は同じようにして、ブラックマトリックスのパターンを形成し、サンプル3を得た。現像時にパターンが形成された時間およびブラックマトリックスの剥離が開始した時間を測定した結果を表1に示す。パターン形成が完了してから剥離が開始することが認められた。また、このブラックマトリックスには、残渣が局部的に認められた。
【0035】実施例4100mm×100mmのソーダライム製ガラス基板(組成:SiO_(2)、72.6%、Al_(2)O_(3)1.8%、Na_(2)O13.5%、CaO8.9%、MgO3.09%、Fe_(2)O_(3)0.1%)を実施例2と同様の方法で洗浄した後に、二酸化珪素が過飽和状態になった2.6mol/lの濃度の珪フッ化水素酸水溶液に所定の時間浸漬し、約40nm厚の二酸化珪素膜を形成した。この時の処理液の温度は30℃であった。続いて、このガラス基板を0.01重量%のγ-アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液に室温で1分間浸漬した後、乾燥空気で乾燥させた。次に、実施例2と同じようにしてブラックマトリックスのパターンを形成し、良好なサンプル4を得た。現像時にパターンが形成された時間およびブラックマトリックスの剥離が開始した時間を測定した結果を表1に示す。パターン形成が完了してから充分経過してブラックマトリックスの剥離が開始することが認められた。
【0036】実施例5
実施例4とは、有機珪素化合物として0.1重量%のγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いたことのほかは同じようにして、パターン形成を行った。表1に示すように良好な結果が得られた。
【0037】実施例6
実施例4とは、有機珪素化合物として1.0重量%のγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いたことのほかは同じようにして、パターン形成を行った。表1に示すように良好な結果が得られた。
・・・省略・・・
【0043】
【発明の効果】本発明の液晶ディスプレー用基板は、透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜を被覆するようにしたので、カラーフィルター層に先立って設ける樹脂製ブラックマトリックスは、それと親和性のある有機珪素化合物の膜の上に設けられる。
【0044】その結果、樹脂製ブラックマトリックスとガラス基板との密着力が大きくなる。この密着力の増大は、樹脂製ブラックマトリックスのパターン形成時に、ブラックマトリックスの剥離の発生の抑制効果を生じ、寸法精度の優れたパターン形成をすることができる。
【0045】本発明の液晶ディスプレー用基板の製造方法によれば、有機珪素化合物の膜を所定のシラン化合物またはその加水分解物を含有する溶液を、ガラス基板表面に塗布、乾燥させて有機珪素化合物の膜とするので、親水性のガラス表面を経済的に疎水性に改質することができる。
【0046】また、ガラス基板を有機珪素化合物の膜を被覆するに先立ち、二酸化珪素が過飽和状態にある珪フッ化水素酸を含む液にガラス基板を浸漬して、二酸化珪素膜を被覆すると、ガラス基板に樹脂製ブラックマトリックスを密着力が大きく、かつガラス中のアルカリによる汚染がない基板を経済的に得ることができる。
【0047】本発明の液晶ディスプレー用基板の樹脂製ブラックマトリックスのガラス基板への密着性は大きいので、パターン形成時に剥離やピンホールが生じにくい。このため、表示欠陥のないカラー液晶表示素子を歩留り良く製造することができる。」

2 引用発明
引用文献1の上記1の記載に基づけば、引用文献1には、請求項1を引用する請求項2をさらに引用する請求項4に係る発明として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜が被覆された液晶ディスプレー用基板であって、
前記疎水性の有機珪素化合物の膜は、下記の一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであり、
前記疎水性の有機珪素化合物の膜表面に、樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導電膜が順次設けられたカラー液晶ディスプレー用基板。
一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)
但し、一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である。」

3 先願
原査定の拒絶の理由に引用された特願2015-510074号(PCT/JP2014/059413、国際公開第2014/163035号)(以下「先願1」という。)の国際特許出願の明細書及び請求の範囲には、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、先願発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。

(1)「発明の名称:被膜付きガラス基板およびその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は被膜付きガラス基板およびその製造方法に係り、特に、ガラス基板表面の樹脂密着力を改善する被膜を有してなる被膜付きガラス基板およびその製造方法に関する。
背景技術
[0002] カラー液晶ディスプレイに用いる基板は、通常、透明ガラス板上に画素の間から光が漏洩するのを防止するために、遮光層をマトリックス状としたブラックマトリックスを形成している。さらに、画素となる領域に、カラーフィルター層を設け、カラーフィルター層の上にさらに表面を平坦化するためのオーバーコート(通常有機樹脂が用いられる)層が設けられる。そしてこのオーバーコート層の表面に、ITO透明導電膜が設けられて形成される。ブラックマトリックスは、画素有効領域以外から漏れる光を抑制して、表示特性を向上させる役割をもつ。
[0003] 近年では、このブラックマトリックスとして樹脂材料が使われるようになってきており、この場合、一般にフォトリソグラフィー技術によるパターニングにより形成される。ところが、この樹脂製のブラックマトリックスとブラックマトリックスを形成する透明ガラス基板との相互作用が小さいために密着性が不十分となることがあり、パターニングプロセスにおいて、局部的にブラックマトリックスの剥離が生じることがあった。したがって、液晶ディスプレイの生産歩留まりが低下してしまったり、この剥離を抑制しようと、生産工程の条件を厳格に管理して、管理の手間や製造コストが増大してしまったり、していた。
[0004] このような問題を解消するため、例えば、樹脂材料とガラス基板との相互作用を改善して密着性を向上するために、ガラス基板に有機官能基を付与したり、二酸化ケイ素膜を形成したりするなどの方法が知られている(特許文献1?3参照)。
先行技術文献
特許文献
[0005] 特開2000-221485号公報
特開2000-302487号公報
特開2001-192235号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0006] しかしながら、カラー液晶ディスプレイが高精細化されるに伴い、ブラックマトリックスにより微細なパターン形成が要求されるようになってきている。すなわち、ブラックマトリックスのパターニング時の剥離をより効果的に抑制でき、さらに製造時の管理やコストの負担をも抑制できるようなガラス基板が求められてきている。
[0007] そこで、本発明は、従来のカラー液晶ディスプレイ用基板における上記問題点を解決すべく、ブラックマトリックス原料である樹脂との密着性が良好で、解像性も高く、かつ、製造管理やコストの負担を軽減できるガラス基板の提供を目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明の被膜付きガラス基板は、基板上に樹脂領域が形成されるガラス基板であって、前記ガラス基板の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーからなる被膜を有することを特徴とする。
[0009] また、本発明の被膜付きガラス基板の製造方法は、ガラス基板の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーを含有する溶液を接触、乾燥させて、前記陽イオン界面活性剤又は前記カチオンポリマーからなる被膜を形成する工程を有することを特徴とする。
発明の効果
[0010] 本発明の被膜付きガラス基板及びその製造方法によれば、ガラス基板の表面に、樹脂材料との密着性を改善する被膜が設けられており、樹脂材料をガラス表面に安定して形成できる。特に、カラー液晶ディスプレイの製造時に安定してブラックマトリックスを形成できる。また、この被膜を設けたガラス基板は、ブラックマトリックス形成の解像性も改善でき、高精細な液晶ディスプレイを安定して製造できる。
・・・省略・・・
[0012] 本発明の被膜付きガラス基板について、以下、図面を参照しながら説明する。なお、図1は、本発明の被膜付きガラス基板の概略構成を示す断面図であり、本発明の被膜付きガラス基板1は、ガラス基板2と、その表面に形成された被膜3で構成される。
[0013] ここで用いられるガラス基板2は、その表面に樹脂領域を形成するガラス基板であれば特に限定されずに挙げられる。このガラス基板2としては、透明で平坦な表面を有するものが好ましく、例えば、樹脂製のブラックマトリックス等を表面に形成するカラー液晶ディスプレイ用のガラス基板が好ましいものとして挙げられる。
[0014] このガラス基板2の素材としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物等が挙げられ、特に、二酸化ケイ素および酸化ホウ素を主成分とするボロシリケート系の無アルカリガラスや、二酸化ケイ素と酸化ナトリウムと酸化カルシウムを主成分とするソーダライムシリカ系のガラス等が好ましく挙げられる。
[0015] 本発明に用いられる被膜3は、ガラス基板2の表面に設けられた単層構造の膜である。ここで、被膜3は、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーから構成される膜である。
[0016] ここで使用する陽イオン界面活性剤としては、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤であれば特に限定されずに使用できる。この陽イオン界面活性剤としては、アミン塩型または第4級アンモニウム塩型のいずれでもよく、例えば、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム等のトリメチルアンモニウム塩;塩化テトラデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化オクタデシルピリジニウム等のピリジニウム塩;等が挙げられる。この陽イオン界面活性剤により、樹脂材料とガラス基板との密着性を改善させることができる。
[0017] また、ここで使用されるカチオンポリマーとしては、平均分子量が500?1000万であって分子中にカチオン性基を有するポリマーであればよい。なお、本明細書において平均分子量は、重量平均分子量を意味する。
[0018] ここで使用するカチオンポリマーとしては、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDACまたはPDADMAC)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド4級塩)、トリメチルアンモニウムアルキルアクリルアミド重合体塩、ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合体塩、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
[0019] カチオンポリマーとしては、カチオン性基の個数が分子量1000当たり4?25個を持つことが好ましい。カチオン性基とは、水等の溶媒に溶解させたときにカチオンとなる基であり、例えば、アミノ基、4級アンモニウム基等が挙げられる。このとき、アミノ基はアンモニア、1級アミン、2級アミンから水素を除去した1価の官能基であり、それぞれ1級アミン、2級アミン、3級アミンを形成する。また、4級アンモニウム基は4級アンモニウムカチオンを形成する。
[0020] 上記の被膜3は単層構造の被膜であり、その製造操作が簡便で構造も簡素でありながら、ガラス表面の樹脂材料との密着性を改善する機能を有する。また、ここで形成される被膜3は界面活性剤からなり、ガラス基板の表面とは静電結合により結合されており、純水やアルカリ洗剤を使用した洗浄で容易に除去できる。
[0021] 次に、被膜付きガラス基板の製造方法について説明する。
本発明における被膜3を形成する方法としては、ガラス基板2の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーを含有する溶液を接触、乾燥させて、陽イオン界面活性剤又はカチオンポリマーからなる被膜を形成すればよい。
[0022] このとき、陽イオン界面活性剤又はカチオンポリマーは、溶媒として純水又はエタノール等の水溶性有機溶剤の水溶液を用いて、これに溶解して溶液とする。このとき、カチオン性基の濃度(当量)は0.01meq/L?100meq/Lが好ましく、ガラス製品表面を適度に覆いながら過剰とならないようにするため0.1?10meq/Lがより好ましい。ちなみに、溶液1L中にカチオン性基を1mol有する場合に、その濃度を1eq/Lと表す。また、溶液のpHは酸性?アルカリ性(例えば、pH4?12程度)で使用が可能であるが、ガラス表面のシラノール基の電離を促進しマイナス帯電させることで静電的な結合力をより強固にしつつ付着量を増加できる点で、溶液のpHは8?12が好ましく、10?11がより好ましい。
[0023] このようにして得られた溶液を、被膜を形成するガラス基板表面に接触させて塗布する。このとき、塗布方法は、ディップコート、スプレーコート、スポンジ等による塗布の公知の膜形成方法に使用される塗布方法が挙げられる。また、この工程では、溶液中に含まれる陽イオン界面活性剤又はカチオンポリマーが、接触させるだけで陽イオン界面活性剤の親水性基又はカチオンポリマーのカチオン部分がガラス基板の表面側に、陽イオン界面活性剤の疎水性基又はカチオンポリマーのカチオン部分を繋ぐポリマーの主鎖部分がその反対側である雰囲気中に向かって、整列する。これは、ガラス基板の表面に存在するシラノール基(-Si-OH)が-電荷に帯電しやすいため、接触させるだけで+電荷を帯びている陽イオン界面活性剤の親水性基又はカチオンポリマーのカチオン部分がガラス基板の表面側に静電的にひきつけられるためである。
[0024] このように陽イオン界面活性剤又はカチオンポリマーを整列させた状態で、加熱やエアブロー等により溶媒を除去すると、均質な第1の膜を容易に形成できる。このとき、加熱乾燥では、50?90℃に加熱することが好ましく、エアブローでは15?30℃のエアーを吹き付けることが好ましい。
[0025] また、この被膜を形成する場合、溶液を室温で塗布する簡便な操作で達成でき、さらに、排水規制に抵触することもなく、環境負荷を増大させることのないガラス基板の表面改質を達成できる。
[0026] そして、このようにして得られた被膜付きガラス基板は、その表面に被膜を介して樹脂領域を安定して形成できる。そのため、基板表面に樹脂領域を形成する場合に、樹脂領域の精度が高く、かつ、歩留まりが良好な製品が製造できる。
[0027] 例えば、カラー液晶ディスプレイを製造する場合には、ボロシリケート系の無アルカリガラスやソーダライムシリカ系のガラスの透明ガラス基板を用意し、その表面に上記被膜を形成して被膜付きのガラス基板を形成し、次いで、上記ガラス基板上に、上記被膜を介して樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導電膜を順次設ければよい。
[0028] ここで、樹脂製ブラックマトリックスとしては、寸法精度良くパターン形成できるアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等に微粉カーボン等の黒色物質を分散混合されてなる樹脂を用い、公知のパターン形成によりブラックマトリックスを形成する。また、カラーフィルター層も、カラー液晶ディスプレイに使用される公知の材料を、公知の方法、例えば、顔料分散法、フィルム転写法、染色法、印刷法、電着法等により形成すればよい。
[0029] また、オーバーコート層は、樹脂製のブラックマトリックスの上に設けられるカラーフィルター層のR,G,Bがその境界で生じる凹凸を平坦化するために設けられ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の公知のものを公知の方法で形成すればよい。さらに、公知の方法でITO透明電極膜を形成すればよい。
[0030] このようにして得られたカラー液晶ディスプレイは、上記本発明の被膜付きガラス基板を使用しているため、製造時、使用時におけるブラックマトリックス等の樹脂剥がれが生じにくく、製品歩留まりが良好で、性能の安定したものとなる。
実施例
[0031] 以下、実施例及び比較例に基づいてさらに本発明を詳細に説明する。
[0032] [各種溶液の調製]
<被膜形成用の溶液1>
陽イオン性界面活性剤である塩化オクチルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液1を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
<被膜形成用の溶液2>
陽イオン性界面活性剤である塩化デシルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液2を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
[0033] <被膜形成用の溶液3>
陽イオン性界面活性剤である塩化ドデシルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液3を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
<被膜形成用の溶液4>
陽イオン性界面活性剤である塩化テトラデシルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液4を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
[0034] <被膜形成用の溶液5>
陽イオン性界面活性剤である塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液5を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
<被膜形成用の溶液6>
陽イオン性界面活性剤である塩化オクタデシルトリメチルアンモニウムが2mmol/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液6を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
[0035] <被膜形成用の溶液7>
陽イオン性界面活性剤である塩化ヘキサデシルピリジニウム(CPC)が2mmol/LM及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液7を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
[0036] <被膜形成用の溶液8>
カチオンポリマーであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDACまたはPDADMAC;和光純薬工業社製コロイド滴定用標準液、分子量6万?11万)が2meq/L及びアンモニアが10mmol/Lの濃度となるように、各成分を純水に溶解して、被膜形成用の溶液8を調製した。この溶液のpHは約10.5である。
[0037] (比較例1)
表面研磨をした、縦50mm×横50mm×厚さ0.7mmの無アルカリボロシリケートガラス製のガラス板を、上記被膜形成用の溶液1中に10秒間浸漬して引き上げた後、表面の溶液をエアブローで乾燥するディップコート法により、ガラス板の表面に被膜を形成し、被膜付きのガラス基板とした。
[0038] (比較例2?3)
被膜形成用の溶液1の代わりに、被膜形成用の溶液2(比較例2)又は被膜形成用の溶液3(比較例3)を使用した以外は、比較例1と同様の操作により被膜付きガラス基板を製造した。
[0039] (実施例1)
表面研磨をした、縦50mm×横50mm×厚さ0.7mmの無アルカリボロシリケートガラス製のガラス板を、上記被膜形成用の溶液4中に10秒間浸漬して引き上げた後、表面の溶液をエアブローで乾燥するディップコート法により、ガラス板の表面に被膜を形成し、被膜付きのガラス基板とした。
[0040] (実施例2?5)
被膜形成用の溶液4の代わりに、被膜形成用の溶液5(実施例2)、被膜形成用の溶液6(実施例3)、被膜形成用の溶液7(実施例4)又は被膜形成用の溶液8(実施例5)を使用した以外は、実施例1と同様の操作により被膜付きガラス基板を製造した。
[0041] (試験例)
被膜を形成していないガラス基板、実施例1?5及び比較例1?3のガラス基板の表面の水の接触角を測定し、その結果を図2に示した。この結果から、形成された被膜の疎水性基の炭素数が長くなることで撥水性が向上することがわかった。カチオンポリマーを塗布した場合は、一部のカチオン基がガラスの反対側に向いているため、接触角はやや小さくなる。
また、被膜を形成していないガラス基板、実施例1?5及び比較例3のガラス基板の表面に、それぞれ所定のフォトレジストのパターニングを形成し、残し解像度試験を行い、その結果を図3に示した。この結果から、疎水基の炭素数が14以上となる陽イオン界面活性剤およびカチオンポリマーを用いた実施例においては残し解像性が向上し、ガラス基板への樹脂の密着力が向上し、安定した樹脂パターンが形成でき、より高精細なカラー液晶ディスプレイを製造できることがわかった。なお、比較例3の疎水性基の炭素数が12のものは、被膜なしのガラス基板と同程度の解像性であり、解像性の向上効果がほとんどなかった。
[0042] また、陰イオン界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム、非イオン界面活性剤としてTriton X-100(ポリエチレングリコールpオクチルフェニルエーテル)についても、上記と同様にガラス基板上への被膜形成処理を行い、残し解像度試験を行ったが、被膜を形成しないガラス基板と同様の残し解像度であった。
[0043] [接触角]
測定対象のガラス基板の表面に純水を1滴滴下し、その表面の水滴を基板側面から撮像したデータに基づいて、5点の測定結果を平均して各基板における純水との接触角を算出した。
[0044] [残し解像度]
測定対象のガラス基板の表面に、ネガ型フォトレジストを塗布し、レジスト幅が2μm、5μm、7μm、9μm、10μm、13μm、15μm、20μmの線幅となるようにフォトリソグラフィー工程により水酸化カリウム(KOH)で現像を行い、剥離せずガラス基板上に残ったレジストの最小線幅を残し解像度とした。
[0045] これらの結果から、本発明の被膜付きガラス基板は、ガラス基板への撥水性を調整し、樹脂のガラス基板への密着力を改善でき、また、残し解像度も良好で、微細なパターンの形成も可能であることがわかった。
産業上の利用可能性
[0046] 本発明の被膜付きガラス基板及びその製造方法は、広くガラス基板に適用でき、使用する疎水性基の炭素数に応じてその特性の大小を調整でき、使用目的に応じて適宜材料を選択することで最適な被膜付きのガラス基板を製造できる。本発明は、特に、カラー液晶ディスプレイに使用されるガラス基板に好適である。

(2)「 請求の範囲
[請求項1] 基板上に樹脂領域が形成されるガラス基板であって、
前記ガラス基板の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーからなる被膜を有することを特徴とする被膜付きガラス基板。
[請求項2] 前記陽イオン界面活性剤の疎水性基の炭素数が16?18である請求項1記載の被膜付きガラス基板。
[請求項3] 前記カチオンポリマーが、分子量1000あたり、4?25個のカチオン性基を有する請求項1記載の被膜付きガラス基板。
[請求項4] 前記被膜付きガラス基板の、純水との接触角が20?90度である請求項1?3のいずれか1項記載の被膜付きガラス基板。
[請求項5] 前記ガラス基板が、カラー液晶ディスプレイ用である請求項1?4のいずれか1項記載の被膜付きガラス基板。
[請求項6] ガラス基板の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーを含有する溶液を接触、乾燥させて、前記陽イオン界面活性剤又は前記カチオンポリマーからなる被膜を形成する工程を有することを特徴とする被膜付きガラス基板の製造方法。
[請求項7] 前記被膜を形成する際に使用する溶液が、pH8?12の水溶液である請求項6記載の被膜付きガラス基板の製造方法。」

4 先願発明
先願1の上記3の記載に基づけば、先願1には、請求項1に係る発明として、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。

「基板上に樹脂領域が形成されるガラス基板であって、
前記ガラス基板の表面に、炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーからなる被膜を有する被膜付きガラス基板。」


第5 対比・判断
1 引用発明
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と引用発明とを対比する。

(ア)ガラス基板
引用発明の「カラー液晶ディスプレー用基板」は、「透明ガラス基板上に疎水性の有機珪素化合物の膜が被覆された」ものである。
上記構成からみて、引用発明の「透明基板」は、本件発明1の「ガラス基板」に相当する。

(イ)ブラックマトリクスセグメント
引用発明の「カラー液晶ディスプレー用基板」は、「前記疎水性の有機珪素化合物の膜表面に、樹脂製ブラックマトリックス、カラーフィルター層、オーバーコート層、ITO透明導電膜が順次設けられた」ものである。
ここで、引用発明の「樹脂製ブラックマトリックス」が、ブラックマトリクスとして機能するセグメントであって、あるパターンの形態であることは、技術的に自明のことである。
そうしてみると、引用発明の「樹脂製ブラックマトリックス」は、本件発明1の「ブラックマトリクスセグメント」に相当する。また、引用発明の「樹脂製ブラックマトリックス」は、本件発明1の「ブラックマトリクスセグメント」の「あるパターンの形態であり」との要件を満たす。

(ウ)接着剤
引用発明の「疎水性の有機珪素化合物の膜」は、「透明ガラス基板上に」「被覆された」ものであって、「一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)」で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであり」、その「表面に、樹脂製ブラックマトリックス」が「設けられた」ものである(当合議体注:一般式において、R_(1)、R_(2)、nの説明は省略した。)。
上記構成からみて、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物」は、接着剤として機能する(当合議体注:このことは、引用文献1の【0003】の課題、【0005】の課題を解決する手段、【0030】の「有機珪素化合物の膜が実質上接着剤と同じような働きを示し、高い密着力を得ることができるようになる」という記載、【0044】の発明の効果等の記載からも確認できる。)。
そうしてみると、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物」は、本件発明1の「接着剤」に相当する。また、上記構成からみて、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物」は、本件発明の「接着剤」における、「前記ガラス基板と前記ブラックマトリクスセグメントとの間に配置された」との要件を満たす。

(エ)パターン形成済み物品
上記(ア)?(ウ)を総合すると、引用発明の「カラー液晶ディスプレー用基板」は、本件発明1の「パターン形成済み物品」に相当する。
また、引用発明の「カラー液晶ディスプレー用基板」は、「透明ガラス基板」、「樹脂製ブラックマトリックス」及び「疎水性の有機珪素化合物」を備えるといえる。そうしてみると、引用発明は、本件発明1の「ガラス基板」、「ブラックマトリクスセグメント」及び「接着剤を備える」との要件を満たす。

イ 一致点及び相違点
以上より、本件発明1と引用発明とは、
「 ガラス基板;
ブラックマトリクスセグメントであって、前記ブラックマトリクスセグメントは、あるパターンの形態である、ブラックマトリクスセグメント;及び
前記ガラス基板と前記ブラックマトリクスセグメントとの間に配置された接着剤を備える、パターン形成済み物品。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
「ブラックマトリクスセグメント」が、本件発明1は、「前記セグメントのうちの少なくとも1つの線幅は8μm未満である」のに対して、引用発明の「樹脂製ブラックマトリックス」は、そのような特定がなされていない点。

(相違点2)
「接着剤」が、本件発明1は、「水及びジヨードメタン接触角測定によって決定した場合に:」「65mN/m以下のガラス基板の合計表面エネルギ;及び」「5%?35%の表面極性のうちの少なくとも一方をもたらし、かつ、前記接着剤は、未処理の対照ガラス基板の表面の水接触角を少なくとも40°増大させるものであ」るのに対して、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物」は、そのような特定がなされていない点。

(相違点3)
「接着剤」が、本件発明1は、「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」のに対して、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物の膜」は、「一般式で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであり」、「一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)」、「一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である」点。

ウ 判断
事案に鑑み、上記相違点3について検討する。
引用発明の「疎水性の有機珪素化合物の膜」は、「一般式:(R_(1))_(n)Si(R_(2))_(4-n)」「で表わされる有機珪素化合物またはその加水分解物を含有する溶液を塗布、乾燥させたものであり」、「一般式中、R_(1)は炭素数1?6の炭化水素、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R_(2)はアルコキシ基、アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは0?4である」。そうしてみると、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物の膜」の「R_(1)」が「炭化水素(アルキル基)」の場合、最大の炭素数は6であるから、当業者であっても、引用発明の「疎水性の有機珪素化合物の膜」の「R_(1)」を、炭素数が10以上24以下とすることを想起することはなく、むしろ阻害要因があるといえる。また、引用発明の「R_(1)」の選択肢には「第4級窒素」が含まれていないから、この構成に到ることもなく、さらに「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む」という構成にも到らない。
そして、引用文献1はもとより、原査定の拒絶の理由に示された、特開2013-114249号公報(以下「引用文献2」という。)、特開平9-292512号公報(以下「引用文献3」という。)、特開平5-173015号公報(以下「引用文献4」という。)、特開2002-220258号公報(以下「引用文献5」という。)のいずれの文献にも、上記相違点3に係る本件発明1の構成は、記載されておらず、示唆もされていない。
したがって、当業者であっても、引用発明及び引用文献1?5に記載された事項に基づいて上記相違点3に係る本件発明1の構成とすることが、容易になし得たということはできない。

エ 小括
以上のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者であっても、引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(2)本件発明2?6
本件発明2?6は、本件発明1の構成を全て具備するものであるから、本件発明2?6も、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(3)本件発明7
本件発明7は、本件発明1の「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」「接着剤」と同じ接着剤でガラス基板の表面を処理するものであるから、本件発明7も、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(4)本件発明8?10
本件発明8?10は、本件発明7の構成を全て具備するものであるから、本件発明8?10も、本件発明7と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(5)本件発明11
本件発明11は、本件発明1の「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」「接着剤」と同じ接着剤でガラス基板の表面を処理するものであるから、本件発明11も、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

2 先願発明
(1)本件発明1
本件発明1と先願発明とを対比すると、「接着剤」が、本件発明1は、「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」のに対して、先願発明の「被膜」は、「炭素数が14以上の疎水性基を有する陽イオン界面活性剤又は平均分子量が500?1000万のカチオンポリマーからなる」点で少なくとも相違する。また、本願発明1の「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシラン」は、少なくともガラス基板との結合において、先願発明のものとは異なる効果を奏するものであるから、本願発明1と先願発明が実質同一であるということもできない。
したがって、本件発明1は、先願発明と同一であるということができない。

(2)本件発明2?6
本件発明2?6は、本件発明1の構成を全て具備するものであるから、本件発明2?6も、本件発明1と同じ理由により、先願発明と同一であるということができない。

(3)本件発明7
本件発明7は、本件発明1の「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」「接着剤」と同じ接着剤でガラス基板の表面を処理するものであるから、本件発明7も、本件発明1と同じ理由により、先願発明と同一であるということができない。

(4)本件発明8?10
本件発明8?10は、本件発明7の構成を全て具備するものであるから、本件発明8?10も、本件発明7と同じ理由により、先願発明と同一であるということができない。

(5)本件発明11
本件発明11は、本件発明1の「第4級窒素及びペンダント(C_(10)‐C_(24))アルキルを含む置換アルキルシランである」「接着剤」と同じ接着剤でガラス基板の表面を処理するものであるから、本件発明11も、本件発明1と同じ理由により、先願発明と同一であるということができない。


第6 原査定についての判断
1 理由1(明確性要件)
令和3年1月29日に提出された手続補正書により補正されたので、原査定の拒絶の理由1(明確性要件)は解消した。

2 理由2(進歩性)
上記第5「1」で述べたとおり、本件発明1?11は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1?5に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたということができない。

3 理由3(拡大先願)
上記第5「2」で述べたとおり、本件発明1?11は、先願発明と同一であるということができない。

4 原査定についての判断のまとめ
以上のとおりであるから、原査定を維持することはできない。


第7 当合議体が通知した拒絶の理由について
令和3年1月29日に提出された手続補正書により、当合議体が通知した拒絶の理由は解消した。


第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-03-29 
出願番号 特願2017-503778(P2017-503778)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G02B)
P 1 8・ 16- WY (G02B)
P 1 8・ 537- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小久保 州洋三笠 雄司  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 井亀 諭
井口 猶二
発明の名称 接着性を改善するためのガラス表面の処理  
代理人 柳田 征史  
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