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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61B
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61B
管理番号 1372351
審判番号 不服2019-11727  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-06 
確定日 2021-03-24 
事件の表示 特願2017-564874「後方散乱反射光測定を用いて医療デバイスの位置及び/又は形状を感知するための光学的形状感知システム並びに方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月22日国際公開、WO2016/202649、平成30年 9月20日国内公表、特表2018-527041〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)6月8日(パリ条約による優先権主張 2015年(平成27年)6月15日、(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2017-564874号であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

平成30年 12月17日:手続補正書の提出
平成31年 1月9日付け:拒絶理由通知
平成31年 4月19日:意見書、手続補正書の提出
令和 元年 5月9日付け:拒絶査定
令和 元年 9月6日:審判請求、手続補正書の提出
令和 2年 3月9日付け:拒絶理由通知
令和 2年 6月4日:意見書、手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。) の提出

第2 本願発明
本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「後方散乱反射光測定を用いて医療デバイスの位置及び/又は形状を感知するための光学的形状感知システムであって、前記光学的形状感知システムは、
広帯域スペクトルの複数の波長の入力光を発生させるための広帯域光源と、
マルチコア光ファイバを含む複数の干渉計を備える干渉計装置と、を備え、
前記マルチコア光ファイバは、少なくとも2つのコアを備え、前記干渉計の各々は、前記入力光から分割された複数の入力光ビームのうちの対応するものを用いて前記後方散乱反射光測定を別個に遂行し、前記干渉計の各々は、
対応する前記入力光ビームを参照ビームとデバイスビームとに分割するためのファイバスプリッタと、
前記参照ビームを案内するための追加の光ファイバと、
前記デバイスビームを前記医療デバイス内で反射されるように案内し、反射された前記デバイスビームを案内するための前記マルチコア光ファイバの対応するファイバコアと、
反射された前記デバイスビームを前記参照ビームと結合し、出力光ビームを形成するためのファイバ結合器と、を備え、
前記光学的形状感知システムは、
各干渉計からの前記出力光ビームを受光及び分散するための分光計を更に備え、前記分光計は、各干渉計からの前記出力光ビームを検出するための検出器ユニットを備える、光学的形状感知システム。」

第3 拒絶の理由
令和2年3月9日付けで当審が通知した拒絶理由のうちの理由3は、次のとおりのものである。
本件補正前の請求項1?15(請求項1が上記本願発明に対応。)に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特表2013-505441号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2001/0021843号明細書

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1の記載事項
(1)引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。


「【0004】
光ファイバ等のような、長くて細身の変形したシリンダ形状のセンシングは、例えば、製造、および建設から、医療、および航空宇宙等の分野にわたる多くの応用において有用である。これらの応用の多くの場合において、形状センシングシステムは、ファイバの位置を正確に(例えば、その長さの1パーセントより小さく、また多くの場合には、その長さの0.1パーセントより小さく)決定することができなければならない。形状測定問題には多くの数の手法が存在する。しかし、いずれの手法も、多くの応用に対する要求条件を的確に解決するものではない。これは、これらの手法が、あまりにも速度が遅い、要求される精度には届かない、曲率半径が小さいベンド(曲がり)がある場合には機能しないか、またはファイバのツイストを的確に考慮することができないということに起因する。多くの応用では、ファイバをツイストさせるよじり力が存在するために、測定の正確さが損なわれ、したがって、これらの手法の有用性が損なわれる。」


「【0110】
形状センシングシステムの1つの限定的でない例を、図27を使用して説明する。他の実施形態および/または要素を使用することもできる。さらに、ここに示した全ての要素は必ずしも必須ではない。システム制御器およびデータプロセッサ(A)は、規定された波長範囲および同調速度にわたって、波長可変レーザ(B)の2回の連続したスイープを開始する。波長可変レーザーから放射された光は、光カップラ(C)を介して、2つの光ネットワークに導かれる。これら2つの光ネットワークの内の第1のネットワークは、レーザー監視ネットワーク(E)であり、また第2のネットワークは、質問器(インテロゲータ)ネットワーク(D)と呼ばれる。レーザー監視ネットワーク(E)の中で、光は、光カップラ(F)を介して2つに分けられ、ガス(例えば、シアン化水素)セル参照(G)に送られる。このガスセル参照はCバンド波長の較正に使用される。ガスセルのスペクトラムは、データ捕捉ネットワーク(U)に接続されたフォトダイオード検出器(L)によって捕捉される。
【0111】
光カップラ(F)のところで分離された光の残りの部分は、2つのファラデー回転子ミラー(I、J)に接続された光カップラ(H)から構成される干渉計に導かれる。第1のファラデー回転子ミラー(FRM)(I)は干渉計の基準アームとして動作し、また第2のファラデー回転子ミラー(J)は、光ファイバの遅延スプール(K)だけ離されて置かれる。この干渉計は、監視信号を生成し、この監視信号は、レーザーの同調非線形を修正するために使用され、フォトダイオード検出器(M)を介してデータ捕捉ネットワーク(U)によって捕捉される。
【0112】
光カップラ(C)によって質問器ネットワーク(D)に導かれた光は、偏波制御器(N)に入り、偏波制御器(N)はレーザー光を回転させて、2つの連続したレーザスキャンの間で直交した状態になるようにする。その後、この光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割される。中心コアに対する捕捉干渉計の中では、光は光カップラ(AA)によって基準パスと測定パスとの間に分割される。カップラ(AA)からの「プローブ」レーザー光は、光サーキュレータ(T)を通過して、形状センシングファイバ(W)に対するマルチコアファンアウト(V)の中心コアリードを通して、形状センシングファイバ(W)の中心コアに入る。形状センシングファイバ(W)は、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを含む。ファイバ(X)の断面は、外側コア(Z)は等しく離して置かれ、同心状で、中心コア(Y)から所与の半径距離だけ離れていることを示している。レーザスキャンによって生ずる中心光コア(Y)のレーリー後方散乱は、光サーキュレータ(T)を通過して、光カップラ(BB)のところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる。
【0113】
干渉パターンは光偏波ビームスプリッタ(DD)を通過し、光偏波ビームスプリッタ(DD)は、干渉信号を2つの主要偏波状態(Sl、Pl)に分離する。それぞれ2つの偏波状態は、2つのフォトダイオード検出器(EE、FF)を使用して、データ捕捉ネットワーク(U)によって捕捉される。偏波回転器(CC)は、信号がフォトダイオード検出器のところで平衡するように調整することができる。形状センシングファイバの外側光コアは、対応する捕捉干渉計(Q、R、S)を使用して、同様の様式で測定される。システム制御器およびデータプロセッサ(A)は、4つの個々の光コアの信号を解析して、形状センシングファイバ(W)の長さ方向に沿って位置と向きとの測定値を生成する。その後、データはシステム制御器(A)から表示および/または使用(GG)に対して送られる。」

ウ 図27


(2)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア 上記(1)(引1?イ)の
「【0110】
形状センシングシステムの1つの限定的でない例を、図27を使用して説明する。」から、引用文献1には、「形状センシングシステム」が記載されているものと認められる。
そして、上記(1)(引1?イ)の
「【0112】
・・・レーザスキャンによって生ずる中心光コア(Y)のレーリー後方散乱は、光サーキュレータ(T)を通過して、光カップラ(BB)のところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる。」
から、「形状センシングシステム」は、「レーリー後方散乱」を用いて形状センシングを行うことが読み取れる。
また、上記(1)(引1?ア)の
「光ファイバ等のような、長くて細身の変形したシリンダ形状のセンシングは、例えば、製造、および建設から、医療、および航空宇宙等の分野にわたる多くの応用において有用である。」
「形状センシングシステム」は、「医療」デバイスの形状センシングを行うことが読み取れる。
以上のことから、引用文献1には、
「レーリー後方散乱を用いて、医療デバイスの形状センシングを行う形状センシングシステム」が記載されているものと認められる。

イ 上記(1)(引1?イ)の
「【0110】
・・・波長可変レーザーから放射された光は、光カップラ(C)を介して、2つの光ネットワークに導かれる。」
から、上記アの「形状センシングシステム」は「波長可変レーザー」を備えることが読み取れる。

ウ 上記(1)(引1?イ)の
「【0110】
・・・波長可変レーザーから放射された光は、光カップラ(C)を介して、2つの光ネットワークに導かれる。」
と、
「【0112】
光カップラ(C)によって質問器ネットワーク(D)に導かれた光は、偏波制御器(N)に入り、偏波制御器(N)はレーザー光を回転させて、2つの連続したレーザスキャンの間で直交した状態になるようにする。その後、この光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割される。中心コアに対する捕捉干渉計の中では、光は光カップラ(AA)によって基準パスと測定パスとの間に分割される。カップラ(AA)からの「プローブ」レーザー光は、光サーキュレータ(T)を通過して、形状センシングファイバ(W)に対するマルチコアファンアウト(V)の中心コアリードを通して、形状センシングファイバ(W)の中心コアに入る。形状センシングファイバ(W)は、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを含む。
・・・
レーザスキャンによって生ずる中心光コア(Y)のレーリー後方散乱は、光サーキュレータ(T)を通過して、光カップラ(BB)のところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる。」
と、上記(引1-ウ)の図27から、引用文献1には、「質問器ネットワーク(D)は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)を備え、波長可変レーザーから放射された光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され、中心コアに対する捕捉干渉計の中では、光は光カップラ(AA)によって基準パスと測定パスとの間に分割され、カップラ(AA)からの「プローブ」レーザー光は、光サーキュレータ(T)を通過して、形状センシングファイバ(W)に対するマルチコアファンアウト(V)の中心コアリードを通して、形状センシングファイバ(W)の中心光コアに入り、レーザスキャンによって生ずる中心光コア(Y)のレーリー後方散乱は、光サーキュレータ(T)を通過して、光カップラ(BB)のところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる」ことが記載されているものと認められる。
また、引用文献1の上記箇所には、「波長可変レーザーから放射された光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され」た後の、「中心コアに対する」光の経路及び干渉の過程が例示的に記載されているが、「中心コア」のみならず、「3つの外側光コア」に対しても、同様に波長可変レーザーから放射された光が導入され、干渉を生じさせるよう構成されていることは、上記(引1-ウ)の図27からしても明らかである。
そうすると、引用文献1には、「質問器ネットワーク(D)は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)を備え、波長可変レーザーから放射された光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され、光は4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)それぞれの光カップラによって基準パスと測定パスとの間に分割され、カップラからの「プローブ」レーザー光は、光サーキュレータを通過して、形状センシングファイバ(W)に対するマルチコアファンアウト(V)のコアリードを通して、形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コアに入り、レーザスキャンによって生ずるそれぞれの光コアのレーリー後方散乱は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の光サーキュレータをそれぞれ通過して、光カップラのところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる」ことが記載されているものと認められる。

エ 上記(1)(引1?イ)の
「【0112】
・・・
形状センシングファイバ(W)は、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを含む。」
と、上記(引1-ウ)の図27から、引用文献1には、「形状センシングファイバは、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを備える」ことが記載されているものと認められる。

オ 上記ウ、エを踏まえると、上記(引1-ウ)の図27の質問器ネットワーク(D)と、マルチコアファンアウト(V)と、形状センシングファイバ(W)で構成される機構は、干渉計装置をなしており、形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コアからの光が、質問器ネットワーク(D)の4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)に導かれることが読み取れる。

カ 上記(1)(引1?イ)の
「【0113】
干渉パターンは光偏波ビームスプリッタ(DD)を通過し、光偏波ビームスプリッタ(DD)は、干渉信号を2つの主要偏波状態(Sl、Pl)に分離する。それぞれ2つの偏波状態は、2つのフォトダイオード検出器(EE、FF)を使用して、データ捕捉ネットワーク(U)によって捕捉される。」
から、引用文献1には、「光偏波ビームスプリッタ(DD)を通過した干渉パターンを捕捉する2つのフォトダイオード検出器(EE、FF)」が記載されているものと認められる。


(3)上記(1)(2)からみて、引用文献1には、以下の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。

「レーリー後方散乱を用いて、医療デバイスの形状センシングを行う形状センシングシステムであって、前記形状センシングシステムは、
波長可変レーザーと、
質問器ネットワーク(D)と、マルチコアファンアウト(V)と、形状センシングファイバ(W)で構成される干渉計装置を備え、
形状センシングファイバは、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを備え、
質問器ネットワーク(D)は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)を備え、
波長可変レーザーから放射された光は、一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され、光は4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)それぞれの光カップラによって基準パスと測定パスとの間に分割され、カップラからの「プローブ」レーザー光は、光サーキュレータを通過して、形状センシングファイバ(W)に対するマルチコアファンアウト(V)のコアリードを通して、形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コアに入り、レーザスキャンによって生ずるそれぞれの光コアのレーリー後方散乱は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の光サーキュレータをそれぞれ通過して、光カップラのところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずるものであり、
光偏波ビームスプリッタ(DD)を通過した干渉パターンを捕捉する2つのフォトダイオード検出器(EE、FF)を備える、
形状センシングシステム。」

2 引用文献2の記載事項
(1)引用文献2には、以下の事項が記載されている。


「[0028] As shown, the gratings 14 , 15 , 16 are designed for different reflected wavelengths Al, A 2 , A 3 . For example, the grating 14 reflects light of the wavelength 815 nm in an unbent (non-deformed) state, the grating 15 reflects the wavelength 820 nm and the grating 16 reflects the wavelength 825 nm.
[0029] In the lower graphic, FIG. 3 shows the effects of a deformation or thermal change given irradiation of a light of the wavelength bandwidth Δλ. The bell-shaped curve I shows a light spectrum of the irradiated light Δλ. The bandwidth Δλ should be between 10 nm and 60 nm. 」

(当審訳)
「[0028] 図示のように、格子14、15 16は、異なる反射波長A1、A2、A3のために設計される。例えば、格子14は、曲がっていない(変形していない状態)では、波長815nmの光を反射し、回折格子15は、波長820nmの光を反射し、格子16は波長825nmの光を反射する。
[0029] 図3の下のグラフにおいて、波長帯域幅Δλの光の照射により与えられる変形や熱変化の効果を示す。ベル形状の曲線Iは、照射される光Δλの光スペクトルを示している。帯域幅Δλは、10nmと60nmとの間であるべきである。」


「[0034] In a schematic diagram,shows an inventive examination or treatment device 22 having an inventive optical navigation system. The examination or treatment device 22 has a medical instrument 23 of the aforementioned type. The example only shows a optical fiber 24 having three fiber Bragg gratings 35 fashioned at three joint areas and a fiber Bragg grating 36 for the temperature compensation. Two or four conductors can be provided. The conductor 24 discharges into an optical coupling element 25, which is preferably fashioned as a plug, so that the instrument 23 can be decoupled. A optical fiber 26, via which light of a light source 27 is led and is inserted into the optical fiber 24, also discharges into the optical coupling element 25. The light source 27 can be a variable frequency laser diode or a LED, for example. Other light sources having a somewhat more broadband emission spectrum can be used. The light of the light source 27 supplied to the coupling element is divided in the coupling element 25 and is supplied to a reference optical fiber 28 with a separate fiber Bragg grating 37, which is encapsulated in the exemplary embodiment, and which is external relative to the instrument 23, for supplying a reference signal for calibrating purposes.
[0035] The light coupled into the optical fibers 24 , 28 is reflected in a wavelength-sensitive fashion at the respective fiber-Bragg gratings. The reflected light of the different wavelengths is forwarded via a further optical fiber 29 to a detection unit 30 . It can be fashioned as a spectrometer or interferometer. In the shown example, the detection unit is a polychromator 31 from where the incident light is thrown onto a CCD sensor 32 , from which it is read out and the respective reflected light wavelengths (represented by #1, #2, #3) can be determined. 」

(当審訳)
「[0034] 概略図において本発明の光ナビゲーションシステムを有する本発明の検査または治療装置22を示す。検査または治療装置22は、冒頭に述べた形式の医療器具23を備えている。この例は、温度補償のための3つの接合部及びファイバー・ブラッグ・グレーティング36に形成され3つのファイバー・ブラッグ・グレーティング35を有する光ファイバ24のみを示している。2本または4本の導体を設けることができる。導体24は、好ましくはプラグとして形成される光結合素子25に開口しており、装置23は連結解除することができる。また、光源27の光が導かれ、光ファイバ24に挿入された光ファイバ26は光結合素子25に開口している。光源27は、例えば、可変周波数レーザダイオード又はLEDとすることができる。より広帯域の発光スペクトルを有する他の光源を使用することができる。結合素子に供給された光源27の光は、光結合素子25に分割され、別個のファイバー・ブラッグ・グレーティング37は、例示的な実施形態ではカプセル化されている、器具23に対して外部と参照用光ファイバ28に供給され、較正目的のために基準信号を供給するためのものである。
[0035] 光ファイバ24、28に結合された光はそれぞれのファイバー・ブラッグ・グレーティングで波長感受性の様式で反射される。異なる波長の反射光は、光ファイバ29を介して検出部30に転送される。これは、分光計または干渉計として構成することができる。図示の例では、検出ユニットは、読み出されて、各反射光の波長( #1, #2, #3で表される)を決定することができるCCDセンサ32に、入射光が到達するポリクロメータ31である。」


「[0036] The determined reflected light wavelengths are subsequently forwarded to a computing unit 33, in which the positions of the sections 2, on the basis of a corresponding calculating algorithm, are determined relative to one another and the position of the instrument 23 overall in the respective coordinate system of the navigation system.」

(当審訳)
「[0036] 決定された反射光の波長は、計算ユニット33に転送され、部位2の位置は、対応する計算アルゴリズムに基づいて、ナビゲーションシステムのそれぞれの座標系において器具23全体の位置に対して互いに相対的に決定される。」


「[0038] Instead of the combination LED-polychromator, a variable frequency laser diode generating light with an exactly determinable wavelength can also be utilized as a light source. This laser diode can be operated such that it sweeps a specific wavelength range, so that the broadband light is emitted in this way.」

(当審訳)
「[0038] LED-ポリクロメータの組み合わせの代わりに、光源として、正確に決定可能な波長をもつ光を発生する可変周波数レーザダイオードを利用することができる。このレーザダイオードは、特定の波長範囲を掃引するよう操作することができ、このようにして広帯域光が放射される。」

オ 図4


(2)上記記載から、引用文献2には、次の技術的事項(以下、「引用文献2技術事項」という。)が記載されているものと認められる。

「光源27からの光が、3つのファイバー・ブラッグ・グレーティング35を有する光ファイバ24に導かれ、反射光の波長は、計算ユニット33に転送され、対応する計算アルゴリズムに基づいて、器具23の部位2の位置が決定される光ナビゲーションシステムであって、光源27は、可変周波数レーザダイオード、LED、または、より広帯域の発光スペクトルを有する他の光源を使用することができ、LED-ポリクロメータの組み合わせの代わりに、光源として、正確に決定可能な波長をもつ光を発生する可変周波数レーザダイオードを利用することができ、上記光源27からの光の波長帯域幅Δλは、10nmと60nmの間である、光ナビゲーションシステム。」


第5 対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。

1 引用発明の「レーリー後方散乱を用いて、医療デバイスの形状センシングを行う形状センシングシステム」は、本願発明の「後方散乱反射光測定を用いて医療デバイスの位置及び/又は形状を感知するための光学的形状感知システム」に相当する。

2 引用発明の「波長可変レーザー」と、本願発明の「広帯域スペクトルの複数の波長の入力光を発生させるための広帯域光源」とは、「複数の波長の入力光を発生させるための」「光源」である点で共通する。

3 引用発明の「質問器ネットワーク(D)と、マルチコアファンアウト(V)と、形状センシングファイバ(W)で構成される干渉計装置」の、「形状センシングファイバ」は、「中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを備え」ており、「質問器ネットワーク(D)」は、「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)を備え」るものであるので、「質問器ネットワーク(D)と、マルチコアファンアウト(V)と、形状センシングファイバ(W)で構成される干渉計装置」は、本願発明の「マルチコア光ファイバを含む複数の干渉計を備える干渉計装置」に相当する。
また、引用発明の「形状センシングファイバは、中心光コアとそれに同心状に螺旋形に巻かれた3つの外側光コアを備え」は、本願発明の「前記マルチコア光ファイバは、少なくとも2つのコアを備え」に相当する。

4 引用発明の「一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され」た「波長可変レーザーから放射された光」は、本願発明の「前記入力光から分割された複数の入力光ビーム」に相当する。
そして、引用発明の「波長可変レーザーから放射された光」が、「一連の光カップラ(O)を介して、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され、・・・(中略)・・・形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コアに入り、レーザスキャンによって生ずるそれぞれの光コアのレーリー後方散乱は、4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の光サーキュレータをそれぞれ通過して、光カップラのところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずる」ことは、本願発明の「前記干渉計の各々は、前記入力光から分割された複数の入力光ビームのうちの対応するものを用いて前記後方散乱反射光測定を別個に遂行」することに相当する。

5 引用発明の「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の間に等しく分割され」た「波長可変レーザーから放射された光」を、「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)それぞれ」において、「基準パスと測定パスとの間に分割」する「光カップラ」は、本願発明の「対応する前記入力光ビームを参照ビームとデバイスビームとに分割するためのファイバスプリッタ」に相当する。
また、引用発明の「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)」は、「それぞれの光カップラによって基準パスと測定パスとの間に分割され」るものであり、上記第4 1(1)ウの図27からして、「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)」は、それぞれ「基準パス」に参照ビームを案内するための追加の光ファイバを備えることは明らかであり、引用発明は、本願発明の「前記参照ビームを案内するための追加の光ファイバ」に相当する構成を備えるものである。

6 引用発明の「カップラからの「プローブ」レーザー光」は、本願発明の「デバイスビーム」に相当する。
そして、引用発明の「カップラからの「プローブ」レーザー光」は、「形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コアに入り」、「それぞれの光コアのレーリー後方散乱」を生じさせるものであるから、引用発明の「形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コア」は、本願発明の「前記デバイスビームを前記医療デバイス内で反射されるように案内」する「前記マルチコア光ファイバの対応するファイバコア」に相当する。
また、引用発明の「それぞれの光コアのレーリー後方散乱」は、本願発明の「反射された前記デバイスビーム」に相当し、引用発明の「それぞれの光コアのレーリー後方散乱」は、「形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コア」を通過して、「4つの捕捉干渉計(P、Q、R、S)の光サーキュレータをそれぞれ通過」するものであることは明らかであり、引用発明の「形状センシングファイバ(W)の中心光コア、及び、3つの外側光コア」は、本願発明の「反射された前記デバイスビームを案内するための前記マルチコア光ファイバの対応するファイバコア」に相当する。

7 引用発明の「それぞれの光コアのレーリー後方散乱」は、「光カップラのところで捕捉干渉計の基準パス光と再結合するときに、それとの干渉が生ずるもの」であるから、引用発明の上記「光カップラ」は、本願発明の「反射された前記デバイスビームを前記参照ビームと結合し、出力光ビームを形成するためのファイバ結合器」に相当する。

8 引用発明の「光偏波ビームスプリッタ(DD)を通過した干渉パターンを捕捉する2つのフォトダイオード検出器(EE、FF)」は、本願発明の「各干渉計からの前記出力光ビームを検出するための検出器ユニット」に相当する。

以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

【一致点】
「後方散乱反射光測定を用いて医療デバイスの位置及び/又は形状を感知するための光学的形状感知システムであって、前記光学的形状感知システムは、
複数の波長の入力光を発生させるための光源と、
マルチコア光ファイバを含む複数の干渉計を備える干渉計装置と、を備え、
前記マルチコア光ファイバは、少なくとも2つのコアを備え、前記干渉計の各々は、前記入力光から分割された複数の入力光ビームのうちの対応するものを用いて前記後方散乱反射光測定を別個に遂行し、前記干渉計の各々は、
対応する前記入力光ビームを参照ビームとデバイスビームとに分割するためのファイバスプリッタと、
前記参照ビームを案内するための追加の光ファイバと、
前記デバイスビームを前記医療デバイス内で反射されるように案内し、反射された前記デバイスビームを案内するための前記マルチコア光ファイバの対応するファイバコアと、
反射された前記デバイスビームを前記参照ビームと結合し、出力光ビームを形成するためのファイバ結合器と、を備え、
前記光学的形状感知システムは、
各干渉計からの前記出力光ビームを検出するための検出器ユニットを備える、光学的形状感知システム。」

【相違点】
本願発明は、複数の波長の入力光を発生させるための光源として、「広帯域スペクトルの」「広帯域」光源を備え、そして、「各干渉計からの前記出力光ビームを受光及び分散するための分光計」を備えているのに対して、引用発明の光源は「波長可変レーザー」であり、「各干渉計からの前記出力光ビームを受光及び分散するための分光計」を備えていない点。

第6 判断
1 相違点について
上記相違点について、検討する。
引用文献2には、上記「第4 2(2)」に記載したとおり「光源27からの光が、3つのファイバー・ブラッグ・グレーティング35を有する光ファイバ24に導かれ、反射光の波長は、計算ユニット33に転送され、対応する計算アルゴリズムに基づいて、器具23の部位2の位置が決定される光ナビゲーションシステムであって、光源27は、可変周波数レーザダイオード、LED、または、より広帯域の発光スペクトルを有する他の光源を使用することができ、LED-ポリクロメータの組み合わせの代わりに、光源として、正確に決定可能な波長をもつ光を発生する可変周波数レーザダイオードを利用することができ、上記光源27からの光の波長帯域幅Δλは、10nmと60nmの間である、光ナビゲーションシステム。」
という引用文献2技術事項が記載されている。
引用文献2記載の「光ナビゲーションシステム」は、引用発明と同様、医療器具の内部に設けられた光ファイバに、光源からの光を導入し、医療器具の内部における光ファイバからの反射光ないし散乱光を、基準光と干渉させた干渉信号を検出することにより、医療器具の形状を測定するものである。
そして、引用文献2には、上記のように、光源として、「可変周波数レーザダイオード、LED、または、より広帯域の発光スペクトルを有する他の光源を使用することができ」ること、および、「LED-ポリクロメータの組み合わせの代わりに、光源として、正確に決定可能な波長をもつ光を発生する可変周波数レーザダイオードを利用することができる」ことが記載されている。
ここで、本願の発明の詳細な説明の以下の記載
「広帯域光源12は、好ましくは、少なくとも20nmの帯域幅を有する連続的光学帯域からの光を発生させるように構成されたスーパールミネッセント発光ダイオード(LED)を備える。」(段落【0052】)
「同じ最小曲率半径を達成するための帯域幅は中心波長に比例する。別の好ましい実施形態では、中心波長を800nm前後として、帯域幅は約10nmである。式(2)に従えば、800nm前後の中心波長及び50μmの空間分解能を有する実施形態は約5nmの帯域幅を有する。」(段落【0054】)
からして、本願発明の「広帯域スペクトルの複数の波長の入力光を発生させるための広帯域光源」は、約5?20nmの帯域幅を有するLEDを少なくとも含むものと認められるところ、上記引用文献2技術事項における「光源27からの光」の「波長帯域幅Δλは、10nmと60nmの間である」から、上記引用文献2技術事項の「LED」は、本願発明の「広帯域スペクトルの複数の波長の入力光を発生させるための広帯域光源」に相当するものといえる。
そうすると、上記引用文献2技術事項は、光源として、「正確に決定可能な波長をもつ光を発生する可変周波数レーザダイオード」を用いる構成と、「広帯域スペクトルの複数の波長の入力光を発生させるための広帯域光源」である「LED」と「ポリクロメータの組み合わせ」を用いる構成は、それぞれ等価な機能を有するものであり、いずれの機構を採用することも当業者が適宜選択することであることを示すものと認められる。
したがって、上記引用文献2技術事項に鑑みて、引用発明において、光源として「波長可変レーザー」ではなく、「広帯域光源」及び「各干渉計からの前記出力光ビームを受光及び分散するための分光計」の方を採用することは、当業者が適宜選択しうることである。

2 請求人の主張について
請求人は、令和2年6月4日付の意見書の「(6)拒絶理由3に対する意見」において、
「つまり、引用文献1は、光源として可変波長レーザを使用するとしており、引用文献1には、本願発明の広帯域光源に対応する光源を使用する動機付けとなる記載も存在しない。また、本願優先日時において、レーリー後方散乱には、通常、狭帯域の光源を用いるという技術常識が存在することからも、引用文献1の構成において、本願発明の広帯域光源に対応する光源を使用する動機付けは存在しない。更に、引用文献1は、本願発明の分光計に対応付けられる構成が開示も示唆もしておらず、そして、上述したように、引用文献1において、本願発明の広帯域光源に対応する光源を使用する動機付けは存在しない以上、本願発明の分光計に対応付けられる構成を設ける動機付けも存在しない。
・・・(中略)・・・
引用文献2における、広帯域の発光スペクトルを有する光源27を、本願発明の広帯域光源に対応付け、また、分光器31及びCCDセンサ32を備える検出器30を、本願発明の分光計に対応付けることができたとしても、上述したように、引用文献1の発明において、本願発明の広帯域光源に対応する光源を使用する動機付け、及び、本願発明の分光計に対応付けられる構成を設ける動機付けは存在しない。つまり、引用文献1の発明に対し、引用文献2に記載される光源27及び検出器30に関する技術を適用する動機付けは存在しない。」
と主張している。
しかしながら、請求人は、同意見書の「(4)拒絶理由1に対する意見」においては、
「本願優先日時、「後方散乱反射光測定」において、波長可変レーザ光源(TLS)を用いることが通常であったものとしても、広帯域スペクトルの複数の波長の光を発生する広帯域光源の光を分光計で分散することで得られる光を、波長可変レーザ光源により生成される狭帯域の波長の光と同程度の狭帯域の波長の光にできることは、本願優先日時において技術常識である。」
と主張しており、これは、狭帯域の波長を検出する構成として、「波長可変レーザ光源」を用いるか、「広帯域スペクトルの複数の波長の光を発生する広帯域光源の光を分光計で分散する」かは、いずれを採用してもよいことは「技術常識」であるとするものであり、このことは、上記1で示したように、引用文献2にも記載されている。
してみれば、上記1で示したように、光源として、「波長可変レーザー」を用いることと、「広帯域光源と分光計の組み合わせ」を用いることは、それぞれ等価な機能を有するものであり、いずれの機構を採用することも当業者が適宜選択することであるから、引用発明において、光源として「波長可変レーザー」ではなく、「広帯域光源」及び「各干渉計からの前記出力光ビームを受光及び分散するための分光計」の方を採用することは、当業者が適宜選択しうることであるとの判断に変わりはない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の拒絶の理由及びその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。



 
別掲
 
審理終結日 2020-09-30 
結審通知日 2020-10-06 
審決日 2020-10-28 
出願番号 特願2017-564874(P2017-564874)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (A61B)
P 1 8・ 121- WZ (A61B)
P 1 8・ 537- WZ (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 永田 浩司  
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 松谷 洋平
森 竜介
発明の名称 後方散乱反射光測定を用いて医療デバイスの位置及び/又は形状を感知するための光学的形状感知システム並びに方法  
代理人 特許業務法人M&Sパートナーズ  

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