• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1372360
審判番号 不服2020-3080  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-05 
確定日 2021-04-19 
事件の表示 特願2016-515265「移動通信ネットワークでのセル選択方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月27日国際公開、WO2014/189277、平成28年 6月30日国内公表、特表2016-519553、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)5月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年5月21日 韓国、2013年6月25日 韓国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 7月 9日付け 拒絶理由通知書
平成30年10月23日 意見書、手続補正書の提出
平成31年 2月25日付け 拒絶理由通知書(最後)
令和 元年 6月 3日 意見書、手続補正書の提出
令和 元年10月30日付け 令和元年6月3日にされた手続補正につい
ての補正の却下の決定、拒絶査定
令和 2年 3月 5日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提

令和 2年 6月18日 上申書の提出
令和 2年 9月15日 上申書の提出
令和 2年10月28日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和 3年 1月27日 意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明について
本願請求項1ないし14に係る発明は、令和3年1月27日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
移動通信システムでの端末のセル選択方法において、
ネットワークから第1メッセージを受信する段階と;
前記第1メッセージに基づいて前記端末が接続するセルのCSFB(Circuit Switched Fallback)支援可否を決定する段階と;
前記セルがCSFBを支援するか否かに基づいてセル選択可否を決定する段階とを含み、
前記第1メッセージは、前記セルのCSFB支援可否を示す識別情報を含み、さらに、前記セル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報も含む、前記ネットワークの移動性管理エンティティー(Mobility Management Entity,MME)から伝送されたAttach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである、ことを特徴とするセル選択方法。
【請求項2】
前記AttachまたはTAU Acceptメッセージは、
前記識別情報として、前記セルのCSFB使用可能可否を示す指示子及び前記他のネットワークのセルのCSFB使用不可能を示す指示子を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セル選択可否を決定する段階は、
前記端末が接続するセルが、CSFBを支援しない場合、前記セルを選択せず、前記端末のLTE(Long-Term Evolution)機能を中止(disable)させない段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セル選択可否を決定する段階は、
前記CSFB支援可否を基盤としてセル選択優先順位を変更する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
移動通信システムで移動性管理エンティティー(Mobility ManagementEntity,MME)の端末のためのセル選択を支援する方法において、
端末から第1メッセージを受信する段階と;
前記端末がCSFBを行う必要があるか否か及び前記MMEに対応するネットワークがCSFBを支援するか否かを決定する段階と;
前記端末がCSFBを行うことが必要な場合、前記MMEに対応するネットワークセルがCSFBを支援するか否かを示す情報を含む第2メッセージを前記端末に伝送する段階と;を含み、
前記第2メッセージは、前記端末が接続するセルのCSFB支援可否を示す識別情報を含み、さらに、そのセル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報も含む、接続(Attach)Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記第1メッセージは、結合された接続要請メッセージ及び結合されたTAU要請メッセージのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記接続(Attach)またはTAU Acceptメッセージは、
前記識別情報として、前記セルのCSFB使用可能可否を示す指示子及び前記他のネットワークのセルのCSFB使用不可能を示す指示子を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
移動通信システムでセル選択を行う端末において、
ネットワークに、またはネットワークから情報を送受信する送受信部と;
ネットワークから第1メッセージを受信し、前記第1メッセージに基づいて前記端末が接続するセルのCSFB(Circuit Switched Fallback)支援可否を決定し、前記セルがCSFBを支援するか否かに基づいてセル選択可否を決定することを制御する制御部と;を含み、
前記第1メッセージは、前記セルのCSFB支援可否を示す識別情報を含み、さらに、前記セル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報も含む、前記ネットワークの移動性管理エンティティー(Mobility Management Entity,MME)から伝送されたAttach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである、ことを特徴とする端末。
【請求項9】
前記AttachまたはTAU Acceptメッセージは、
前記識別情報として、前記セルのCSFB使用可能可否を示す指示子及び前記他のネットワークのセルのCSFB使用不可能を示す指示子を含むことを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記セル選択可否を決定することは、
前記端末が接続するセルが、CSFBを支援しない場合、前記セルを選択せず、前記端末のLTE(Long-Term Evolution)機能を中止(disable)させない段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項11】
前記セル選択可否を決定することは、前記CSFB支援可否を基盤としてセル選択優先順位を変更する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項12】
移動通信システムで端末のためのセル選択を支援する移動性管理エンティティー(Mobility Management Entity,MME)において、
端末から、及び端末に信号を送受信する送受信部と;
端末から第1メッセージを受信し、前記端末がCSFBを行う必要があるか否か及び前記MMEに対応するネットワークがCSFBを支援するか否かを決定し、前記端末がCSFBを行うことが必要な場合、前記MMEに対応するネットワークセルがCSFBを支援するか否かを示す情報を含む第2メッセージを前記端末に伝送することを制御する制御部と;を含み、
前記第2メッセージは、前記端末が接続するセルのCSFB支援可否を示す識別情報を含み、さらに、そのセル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報も含む、接続(Attach)Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである、ことを特徴とするMME。
【請求項13】
前記第1メッセージは、
結合された接続要請メッセージ及び結合されたTAU要請メッセージのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載のMME。
【請求項14】
前記接続(Attach)またはTAU Acceptメッセージは、
前記識別情報として、前記セルのCSFB使用可能可否を示す指示子及び前記他のネットワークのセルのCSFB使用不可能を示す指示子を含むことを特徴とする請求項12に記載のMME。」

第3 原査定の概要
原査定(令和元年10月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。


●理由1(サポート要件)について
・請求項1-22
・備考
請求項1には、
「前記第1メッセージは、前記セルのCSFB支援可否を示す識別情報を含み、さらに、前記セル以外の前記セルの隣接セルのCSFB支援可否を示す識別情報も含む」と記載されている。
ところで、請求項1に記載された「第1メッセージ」がどのよう種類のメッセージか特段の特定がないことから、報知情報も含まれる。
ここで、発明の詳細な説明には、特に、
「端末からcombined attach/TAU requestメッセージを受信したMMEは、510段階で、端末がCSFBを行おうとする端末であることが分かる。しかし、ネットワークがCSFBを支援しない場合、MMEは、515段階で、端末にattach acceptを送りながらattachの結果がEPS(Evolved Packet System)onlyであることを通知するか、またはTAU acceptを送りながら結果がTA updatedであることを通知し、CSサービスに対する登録は、行われなかったことを通知することができる。また、追加的に、MMEは、端末にcause valueとして#18、CS domain not availableを伝達するか、当該ネットワーク(または領域)ではCSFB使用が不可能であることを通知する新しいcauseを伝達することもできる。」(段落[0046])
「MMEは、ユーザ端末に追加的にCSFBが支援されないLTE網の情報、例えばCSFBが支援されない他のLTE網のPLMN IDのリストまたはTAIのリストを提供することもできる。この情報は、attach acceptメッセージやTAU acceptメッセージに含まれることができ、これを受信したユーザ端末は、前記情報に含まれたPLMN(またはTAI)を有するLTEセルに対しては、CSFBが支援されないことを判断することができる。」(段落[0049])と記載されている。
これらの記載から、MMEは、端末にattach acceptを送りながらattachの結果がEPS(Evolved Packet System)onlyであることを通知するか、またはTAU acceptを送りながら結果がTA updatedであることを通知し、CSサービスに対する登録は、行われなかったことを通知することができ、追加的に、MMEは、端末にcause valueとして#18、CS domain not availableを伝達するか、当該ネットワーク(または領域)ではCSFB使用が不可能であることを通知する新しいcauseを伝達することもでき、MMEは、ユーザ端末に追加的にCSFBが支援されないLTE網の情報、例えばCSFBが支援されない他のLTE網のPLMN IDのリストまたはTAIのリストを提供することもできる。この情報は、attach acceptメッセージやTAU acceptメッセージに含まれることができることは発明の詳細な説明に記載されているといえる。(なお、「他のLTE網のPLMN IDのリストまたはTAIのリスト」が隣接セルであることは記載されていない。)

しかしながら、報知情報に、「前記セル以外の前記セルの隣接セルのCSFB支援可否を示す識別情報も含むこと」は記載されていない。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
なお、請求項2について、上述のように、「他のLTE網のPLMN IDのリストまたはTAIのリスト」が隣接セルであることは発明の詳細な説明に記載されていないから、同様である。
請求項3-22ついても同様である。

第4 原査定についての判断
令和3年1月27日にされた手続補正により、
請求項1及び8では「前記第1メッセージは、・・・前記ネットワークの移動性管理エンティティー(Mobility Management Entity,MME)から伝送されたAttach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである」と補正し、
請求項5及び12では「前記第2メッセージは、・・・接続(Attach)Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージである」と補正することで、第1メッセージ及び第2メッセージが報知情報ではないことが明らかとなり、拒絶の理由は解消した。

また、令和3年1月27日にされた手続補正により、「セルの隣接セル」という記載を「他のネットワーク」と補正することで、拒絶の理由は解消した。

したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

第5 当審拒絶理由の概要及び当審拒絶理由についての判断
1.当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

理由1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
理由2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(1)請求項3の「MIB」と「SIB」と請求項1の「Attach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージ」との関係が不明確であり、また請求項1の端末のセル選択方法における各段階と請求項3の構成がどのように関係しているか不明確であり、そして請求項3の「前記識別情報」が請求項1の「セルのCSFB支援可否を示す識別情報」と「セル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報」のどちらのことか不明確であり、更に請求項3の「前記識別情報に対応する、」という記載は何が識別情報に対応するか不明確であるから、請求項1を引用する請求項3ではどのような方法を規定しているのか不明確である。
また、発明の詳細な説明において、「Attach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージ」が記載されている第3実施形態の図5に関する記載では、MIBやSIBと、Attach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージとが関係していることは記載されておらず、請求項1を引用する請求項3の構成と発明の詳細な説明との対応関係が不明である。
請求項14にも同様の不備がある。
したがって、請求項3、14に係る発明は不明確であるし、請求項3、14に係る発明と発明の詳細な説明との対応関係が不明である。(明確性、サポート要件)

(2)請求項6において、「前記基地局に対応し、」と記載されているが、「基地局に対応し」が文章として繋がっておらず、日本語として不明であり、基地局が行う動作が何なのか不明確である。また、「前記情報は、移動性管理エンティティー(Mobility Management Entity,MME)から前記端末に伝送されたAttach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージに、前記セル以外の他のネットワークのセルのCSFB支援不可能を示す識別情報と共に含まれた、前記セルのCSFB支援可否を示す識別情報に対応する、」と記載されているが、「前記情報は、・・・メッセージに、・・・含まれた、・・・対応する、」という記載であり、日本語として意味不明である。更にこの文章が基地局のどのような動作を限定しているのか意味不明である。よって、請求項6の基地局の動作が不明である。
また、発明の詳細な説明において、「Attach Accept(承認)メッセージまたはTAU(Tracking Area Update)Acceptメッセージ」が記載されている第3実施形態の図5ではeNBは中継しているのみであり、特別な動作を行っていない。したがって、請求項6の構成と発明の詳細な説明との対応関係が不明である。
請求項17及び請求項6、17を引用する請求項にも同様の不備がある。
したがって、請求項6?8、17?19に係る発明は不明確であるし、請求項6?8、17?19に係る発明と発明の詳細な説明との対応関係が不明である。(明確性、サポート要件)

(3)請求項7の構成と請求項6の方法における各段階との関係が不明確であり、請求項7の構成で基地局のどのような動作を規定しようとしているのか不明確である。
請求項18にも同様の不備がある。
したがって、請求項7、18に係る発明は不明確である。(明確性)

2.当審拒絶理由についての判断
令和3年1月27日にされた手続補正により、当審拒絶理由の対象請求項であった請求項3、6?8、14及び17?19は削除されることで、拒絶理由(1)?(3)は解消された。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-03-30 
出願番号 特願2016-515265(P2016-515265)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小林 正明  
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 本郷 彰
中木 努
発明の名称 移動通信ネットワークでのセル選択方法及び装置  
代理人 木内 敬二  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
代理人 崔 允辰  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ