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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1372608
審判番号 不服2020-3376  
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-11 
確定日 2021-04-20 
事件の表示 特願2018- 81510「ウェハ処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月 6日出願公開,特開2018-195805,請求項の数(25)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成30年4月20日の出願(パリ条約による優先権主張:2017年5月18日,ドイツ連邦共和国)であって,平成30年8月29日付けで手続補正がされ,平成31年3月26日付けで拒絶理由通知がされ,令和元年5月27日付けで手続補正がされ,令和元年7月1日付けで拒絶理由通知がされ,令和元年11月5日付けで手続補正がされ,令和元年12月10日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和2年3月11日に拒絶査定不服審判の請求がされ,令和2年11月11日付けで拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,令和3年1月14日付けで手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和元年12月10日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1ないし23に係る発明は,以下の引用文献AないしDに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2003-037155号公報
B.国際公開第2017/036512号
C.特開2005-340796号公報
D.特開昭57-173135号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし23に係る発明は,以下の引用文献1ないし3に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2002-203821号公報(当審において新たに引用した文献)
2.特開2003-037155号公報(拒絶査定時の引用文献A)
3.国際公開第2017/036512号(対応する日本語公報として特表2018-526826号公報参照)(拒絶査定時の引用文献B)

第4 本願発明
本願請求項1ないし25に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明25」という。)は,令和3年1月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし25に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1ないし25は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
保護フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップであって,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記保護フィルム(4)を加熱するステップであって,前記保護フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられ,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され,前記保護フィルム(4)の前記裏の面(4b)は前記保護フィルム(4)の前記表の面(4a)の反対側にある,前記ステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記保護フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

「【請求項2】
複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
保護フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップであって,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記保護フィルム(4)を加熱するステップであって,前記保護フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられ,前記表の面(4a)の反対側の前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)にクッション層(8)が付けられ, 前記デバイス領域(2)は,前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され, 前記ウェハ(W)の前記平坦な面から突出する前記突出部(14)は,前記クッション層(8)に埋め込まれる,前記ステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記保護フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

なお,本願発明16及び17は,それぞれ本願発明1及び2に対応する物の発明であり,本願発明1及び2とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
さらに,本願発明3ないし15,及び,本願発明18ないし25は,それぞれ,本願発明1,2,及び,本願発明16,17を減縮した発明である。

第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
令和2年11月11日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【請求項1】 半導体ウェハー(a) の回路面(A面)と保持基板(b) とを接着フィルム(c) で接着した後,半導体ウェハーの裏面(B面)を研削,研磨してウェハーを薄層化する方法において,接着フィルムとして熱可塑性樹脂フィルムを使用し,その接着温度は該熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点の+10?+90℃,または融点のマイナス40?+20℃の温度にて接着する接着および剥離法。」

「【請求項3】 該接着を圧力0.05?5MPa,減圧下,時間 3?90分の条件にて熱圧着する請求項1記載の接着および剥離法。」

「【0008】発明者等は先に,特願平2000-194077 において,半導体ウェハーの薄層化法を提案した。本発明は該特願を更に進展させたものである。即ち,半導体ウェハーと硬質の保持基板を熱可塑性樹脂フィルムで接着する。 粘着剤を使用しないため,研削後の面精度が非常に高く,剥離後の粘着剤残りもない。接着温度は,該熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点の+10?+90℃,または融点のマイナス40?+20℃の温度で接着する。この温度範囲を選択すれば,接着強度は十分で,かつ剥離も容易である。保持基板としては,耐熱性樹脂を含浸,硬化してなる樹脂複合無機基板を使用すると,熱膨張率の差が小さいため,接着後,研削後のソリを小さくできる。本発明法では,,薄層化後の剥離を温水で実施するためコスト面,環境面で有利である。」

「【0014】この目的に合致する熱可塑性樹脂は,ある温度以上で軟化し,粘着力が強すぎなければ,結晶性でも非晶性でも使用できる。具体的にはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリビニルアルコール,トリアセチルセルロース,メタクリル樹脂,ポリスチレン,ポリフッ化ビニリデン他が使用できる。接着に用いる熱可塑性樹脂の選択は,薄層化後工程の使用薬品,加工温度を吟味して選択する。後工程に 350℃以上の工程がある場合は,上記樹脂フィルムは使用できない。しかしながら,化合物半導体の場合,後工程の温度は低いので上記樹脂フィルムを有利に使用できる。」

「【0018】
【実施例】以下,実施例により本発明を詳しく説明する。尚,実施例中の「部」,「%」は特に断らない限り重量基準である。
実施例1
保持基板の作製
特願2000-194077 の実施例1と同様にして保持基板を作製した。
即ち,窒化アルミニウム?窒化硼素気孔焼結体(h-BN 13 %,嵩密度2.45,真気孔率20.6 vol%,平均気孔径0.66μm)の円板(厚さ0.65mm,直径 125mm)を用い,焼成した。アルミニウムトリス(エチルアセチルアセテネート)による含侵・焼成熱分解処理し,ラダー型シリコーンオリゴマーを含浸し,硬化した後,表面を研磨して,厚み=0.625mm ,表面粗さRa=0.3 μmの保持基板を得た。
【0019】ウェハーの接着と研削
ポリスチレンフィルム(厚み30μm;ガラス転移点= 100℃)を直径 125mmに切り抜いた。保持基板に本フィルムをのせ,その上にシリコン・ウェハー(厚み 625μm,直径 125mm)をのせた。アルミ製治具に入れ,真空プレスの熱盤間に配置した。 熱盤温度は,事前に 130℃に昇温しておいた。雰囲気を10mmHg以下に減圧後,面圧 0.2 MPaでプレスし,その圧力,温度で10分間保持した。雰囲気を大気開放し,放冷してウェハーの接着された保持基板(Si/保持基板と記す)を得た。シリコン・ウェハー側を凸としてソリを生じており,反対端部を結んだ直線と中央部分との距離(ソリ)は 120μmであった。得られたSi/保持基板を水中に入れ,超音波振動を30分かけたが,剥離はしなかった。次に,研削機でウェハー厚み 100μmまで研削した。
【0020】ウェハーの剥離
Si/保持基板を80℃の純水に入れ,3時間保持した。その後,剥離機にかけて薄層化ウェハーを保持基板から剥離した。保持基板とポリスチレンフィルムも簡単に剥離できた。薄層化ウェハーの厚みバラツキは 100±2μmであった。」

したがって,上記引用文献1には,引用文献1の請求項1に係る発明の実施例である次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「半導体ウェハー(a) の回路面(A面)と保持基板(b) とを接着フィルム(c) で接着した後,半導体ウェハーの裏面(B面)を研削,研磨してウェハーを薄層化する方法において,接着フィルムとして熱可塑性樹脂フィルムを使用し,その接着温度は該熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点の+10?+90℃,または融点のマイナス40?+20℃の温度にて接着する接着および剥離法であって,
厚み=0.625mm ,表面粗さRa=0.3 μmの前記保持基板(b)を準備する工程と,
前記接着フィルム(c)として,直径 125mmに切り抜いたポリスチレンフィルム(厚み30μm;ガラス転移点= 100℃)を準備する工程と,
前記保持基板(b)に,前記接着フィルム(c)をのせ,その上に半導体ウェハー(a) としてシリコン・ウェハー(厚み 625μm,直径 125mm)をのせる工程と,
アルミ製治具に入れ,真空プレスの熱盤間に配置する工程であって,前記熱盤温度は,事前に 130℃に昇温しておく工程と,
雰囲気を10mmHg以下に減圧後,面圧 0.2 MPaでプレスし,その圧力,温度で10分間保持する工程と,
雰囲気を大気開放し,放冷して前記半導体ウェハー(a) の接着された保持基板(Si/保持基板と記す)を得る工程と,
研削機で前記半導体ウェハー(a) の裏面(B面)を研削,研磨してウェハー厚み 100μmまで研削する工程と,
Si/保持基板を80℃の純水に入れ,3時間保持し,その後,剥離機にかけて薄層化ウェハーを保持基板から剥離する工程と,
を含む方法。」

2 引用文献2について
令和2年11月11日付けの拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【請求項1】 半導体ウェハー(a)の回路面(A面)と保持基板(b)を接着フィルム(c)で接着した後,半導体ウェハーの裏面(B面)を研削,研磨してウェハーを薄葉化し,所望により該面(B面)の金属化などした後に,薄葉化ウェハーを保持基板(b)から剥離することからなる薄葉化ウェハーの製造法において,接着フィルム(c)として表裏面のガラス転移点又は融点の異なる熱可塑性樹脂フィルムを,該半導体ウェハー(a)の回路面(A面)側をガラス転移点又は融点の高い熱可塑性樹脂側(表側)として用いて接着することを特徴とする薄葉化ウェハーの製造法。
【請求項2】 該接着温度を,該熱可塑性樹脂フィルムの保持基板(b)を接着する側(裏側)の熱可塑性樹脂のガラス転移点の+10?+120℃,又は融点のマイナス40?+20℃から選択する請求項1記載の薄葉化ウェハーの製造法。」

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,半導体ウェハーの裏面をバックグラインドして薄層化し,適宜,該裏面の金属化などを行った後に,薄葉化ウェハーを保持基板(b)から剥離する薄葉化ウェハーの製造法に関する。」

「【0049】
実施例8
接着フィルム(c)として2種のポリイミドフィルム,商品名:カプトン 100KJ (Tg=220 ℃;厚み25μm;東レ・デュポン製,以下「PI-K」と記す) および商品名:ユーピレックス VT441S(Tg= 270?280 ℃;厚み25μm;宇部興産製,以下「PI-U」と記す)を準備した。半導体ウェハー(a)としては,直径 100mm,厚み 625μmのガリウム-ヒ素ミラーウェハー (以下「GaAsウェハー」と記す) を用いた。」

「【0050】実施例3と同様の保持基板(AOB) /ポリイミドフィルムPI-K/ポリイミドフィルムPI-U/GaAsウェハーをこの順序で重ねたものを使用し,接着条件として熱盤温度 340℃,面圧 0.2 MPa,10分で接着した。ソリは 100μmであった。実施例8では研削,薄葉化はしなかった。80℃温水中に3時間保持した後,剥離機で剥離したところ,ウェハーはウェハー/PI-U間で剥離できた。その後,保持基板(AOB) /PI-K間は簡単に剥離できたが,PI-KとPI-Uとは1枚のPIフィルムのように強く接着していた。」

「【0053】
【発明の効果】以上,本発明により,ウェハーの回路面の処理の種類,特に,樹脂製の絶縁膜や保護膜がある場合にも,薄葉化を含む所定の裏面処理工程中に信頼性よく,ウェハーを保持基板に保持し,かつ,裏面工程の終了後,緩和処理を行うことにより,ウェハーと接着フィルムとの界面で剥離でき,フィルムは保持基板に残った接着フィルムも容易に剥離できるものであり,その意義は極めて高い。」

したがって,上記引用文献2には次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「半導体ウェハー(a)の回路面(A面)と保持基板(b)を接着フィルム(c)で接着した後,半導体ウェハーの裏面(B面)を研削,研磨してウェハーを薄葉化し,所望により該面(B面)の金属化などした後に,薄葉化ウェハーを保持基板(b)から剥離することからなる薄葉化ウェハーの製造法において,接着フィルム(c)として表裏面のガラス転移点又は融点の異なる熱可塑性樹脂フィルムを,該半導体ウェハー(a)の回路面(A面)側をガラス転移点又は融点の高い熱可塑性樹脂側(表側)として用いて接着することを特徴とする薄葉化ウェハーの製造法であって,
前記接着フィルム(c)として2種のポリイミドフィルム,商品名:カプトン 100KJ (Tg=220 ℃;厚み25μm;東レ・デュポン製,以下「PI-K」と記す) および商品名:ユーピレックス VT441S(Tg= 270?280 ℃;厚み25μm;宇部興産製,以下「PI-U」と記す)を準備し,
前記半導体ウェハー(a)としては,直径 100mm,厚み 625μmのガリウム-ヒ素ミラーウェハー (以下「GaAsウェハー」と記す) を用い,
保持基板(AOB) /ポリイミドフィルムPI-K/ポリイミドフィルムPI-U/GaAsウェハーをこの順序で重ねたものを使用し,
接着条件として熱盤温度 340℃,面圧 0.2 MPa,10分で接着し,
80℃温水中に3時間保持した後,剥離機で剥離する方法。」

3 引用文献3について
令和2年11月11日付けの拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。(日本語訳は,対応する日本語公報である特表2018-526826号公報による。)
「Technical Field
The present invention relates to a method of processing a wafer, such as a semiconductor wafer, having on one side a device area with a plurality of devices, partitioned by a plurality of division lines, and a peripheral marginal area having no devices and being formed around the device area, wherein the device area is formed with a plurality of protrusions protruding from a plane surface of the wafer. Further, the present invention relates to a protective sheeting for use in such a method.
Technical Background
In a semiconductor device fabrication process, a wafer having a device area with a plurality of devices partitioned by a plurality of division lines is divided into individual dies or chips. This fabrication process generally comprises a grinding step for adjusting the wafer thickness and a cutting step of cutting the wafer along the division lines to obtain the individual dies or chips. The grinding step is performed from a back side of the wafer which is opposite to a wafer front side on which the device area is formed. 」(明細書第1ページ3?22行)(日本語訳:【技術分野】本発明は,半導体ウェーハなどのウェーハを処理する方法であって,ウェーハが,片側に複数の分割線で区切られた複数のデバイスを備えたデバイス領域と,デバイスを含まずにデバイス領域の周囲に形成された周縁領域とを有し,デバイス領域がウェーハの平坦面から出っ張った複数の凸部で形成されている,方法に関する。さらに本発明は,このような方法で使用するための保護シートに関する。【技術的背景】半導体デバイス製造プロセスでは,複数の分割線で区切られた複数のデバイスを備えたデバイス領域を有するウェーハを個々のダイまたはチップに分割する。この製造プロセスは概して,ウェーハの厚さを調整するための研削ステップと,ウェーハを分割線に沿って切断して個々のダイまたはチップを得る切断ステップとを含む。研削ステップは,デバイス領域が形成されているウェーハ表側とは反対のウェーハの裏側から行われる。)

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用文献1を主引例とした進歩性の検討
ア 対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると,次のことがいえる。
(ア)引用発明1における「半導体ウェハー(a)」は,本願発明1における「ウェハ(W)」に相当する。
そして,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)に,デバイスを備えたデバイス領域が存在することは明らかである。
そうすると,引用発明1の「半導体ウェハー(a) の回路面(A面)」と,本願発明1の「『ウェハ(W)』の『複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」とは,「『ウェハ(W)』の『デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」である点で一致する。

(イ)引用発明1の「『半導体ウェハー(a) の回路面(A面)と保持基板(b) とを』接着する『接着フィルム(c)』」と,本願発明1の「『前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され』る『保護フィルム(4)』」とは,「フィルム」である点で一致する。

(ウ)引用発明1の「接着フィルム(c)」は,「ガラス転移点= 100℃」であって,「アルミ製治具に入れ,真空プレスの熱盤間に配置する工程であって,前記熱盤温度は,事前に 130℃に昇温しておく工程と,雰囲気を10mmHg以下に減圧後,面圧 0.2 MPaでプレスし,その圧力,温度で10分間保持する工程」を経るのであるから,引用発明1の「接着フィルム(c)」が,「加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている」ことは明らかである。

したがって,本願発明1と引用発明1との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記フィルム(4)を加えるステップであって,前記フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記フィルム(4)を加熱するステップであって,前記フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられ,前記フィルム(4)の前記裏の面(4b)は前記フィルム(4)の前記表の面(4a)の反対側にある,前記ステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1のウェハ(W)は,「複数の」デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するという構成を備えるのに対し,引用発明1はそのような構成が特定されていない点。

(相違点2)本願発明1が,「『前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され』る『保護フィルム(4)』」を備えるのに対して,引用発明1は,「『半導体ウェハー(a) の回路面(A面)と保持基板(b) とを』接着する『接着フィルム(c)』」を備える点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて,上記相違点2について先に検討すると,引用発明1において,接着フィルム(c)として,相違点2に係る本願発明1の構成である,「前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され」るという構成を採用すると,当該接着フィルム(c)が,もはや,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)と保持基板(b) とを接着するという機能を果たさなくなることから,引用発明1において,相違点2について本願発明1の構成を採用することには阻害事由が存在する。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)引用文献2を主引例とした進歩性の検討
ア 対比
本願発明1と引用発明2とを対比すると,次のことがいえる。
(ア)引用発明2における「半導体ウェハー(a)」は,本願発明1における「ウェハ(W)」に相当する。
そして,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)に,デバイスを備えたデバイス領域が存在することは明らかである。
そうすると,引用発明2の「半導体ウェハー(a) の回路面(A面)」と,本願発明1の「『ウェハ(W)』の『複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」とは,「『ウェハ(W)』の『デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」である点で一致する。

(イ)引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,本願発明1の「保護フィルム(4)」に相当する。

(ウ)引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,「Tg= 270?280 ℃」であって,「接着条件として熱盤温度 340℃,面圧 0.2 MPa,10分で接着」するのであるから,引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」が,「加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている」ことは明らかである。

したがって,本願発明1と引用発明2との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
保護フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップであって,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記保護フィルム(4)を加熱するステップであって,前記保護フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられ,前記保護フィルム(4)の前記裏の面(4b)は前記保護フィルム(4)の前記表の面(4a)の反対側にある,前記ステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記保護フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

(相違点)
(相違点3)本願発明1のウェハ(W)は,「複数の」デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するという構成を備えるのに対し,引用発明2はそのような構成が特定されていない点。

(相違点4)本願発明1の保護フィルム(4)が,「前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され」るという構成を備えるのに対して,引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,そのような構成を備えていない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて,上記相違点4について先に検討すると,引用発明2において,ポリイミドフィルムPI-Uとして,相違点4に係る本願発明1の構成である,「前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され」るという構成を採用すると,引用発明2は,もはや,「接着フィルム(c)として表裏面のガラス転移点又は融点の異なる熱可塑性樹脂フィルムを,該半導体ウェハー(a)の回路面(A面)側をガラス転移点又は融点の高い熱可塑性樹脂側(表側)として用いて接着する」という構成を備えることができなくなることから,引用発明2において,相違点4について本願発明1の構成を採用することには阻害事由が存在する。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明2,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2について
(1)引用文献1を主引例とした進歩性の検討
ア 対比
本願発明2と引用発明1とを対比すると,次のことがいえる。
(ア)引用発明1における「半導体ウェハー(a)」は,本願発明2における「ウェハ(W)」に相当する。
そして,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)に,デバイスを備えたデバイス領域が存在することは明らかである。
そうすると,引用発明1の「半導体ウェハー(a) の回路面(A面)」と,本願発明2の「『ウェハ(W)』の『複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」とは,「『ウェハ(W)』の『デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」である点で一致する。

(イ)引用発明1の「接着フィルム(c)」と,本願発明2の「保護フィルム(4)」とは,「フィルム」である点で一致する。

(ウ)引用発明1の「接着フィルム(c)」は,「ガラス転移点= 100℃」であって,「アルミ製治具に入れ,真空プレスの熱盤間に配置する工程であって,前記熱盤温度は,事前に 130℃に昇温しておく工程と,雰囲気を10mmHg以下に減圧後,面圧 0.2 MPaでプレスし,その圧力,温度で10分間保持する工程」を経るのであるから,引用発明1の「接着フィルム(c)」が,「加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている」ことは明らかである。

したがって,本願発明2と引用発明1との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記フィルム(4)を加えるステップであって,前記フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記フィルム(4)を加熱するステップであって,前記フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられるステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記保護フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

(相違点)
(相違点5)本願発明2のウェハ(W)は,「複数の」デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するという構成を備えるのに対し,引用発明1はそのような構成が特定されていない点。

(相違点6)本願発明2のフィルムが,「裏の面(4b)にクッション層(8)が付けられ」るものであって,「前記デバイス領域(2)は,前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され, 前記ウェハ(W)の前記平坦な面から突出する前記突出部(14)は,前記クッション層(8)に埋め込まれる」ものであるのに対して,引用発明1は,そのような構成を備えていない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて,上記相違点6について先に検討すると,引用文献1には,引用発明1の半導体ウェハー(a) の回路面(A面)が,「前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され」るものであることが記載も示唆もされていない。
しかも,引用発明1において,接着温度が,該熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移点の+10?+90℃,または融点のマイナス40?+20℃の温度に特定されているのは,この温度範囲を選択すれば,接着強度は十分で,かつ剥離も容易であるとの理由(【0008】)によるものであり,さらに,接着フィルム(c)として,直径 125mmに切り抜いたポリスチレンフィルム(厚み30μm;ガラス転移点= 100℃)が特定されているのは,ある温度以上で軟化し,粘着力が強すぎないという理由(【0014】)によるものであるところ,引用発明1において,仮に,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)を,「前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され」るものに変更すると,前記複数の突出部(14)と,接着フィルム(c)である前記ポリスチレンフィルムとの間の接着強度,及び,剥離の容易さが著しく変化して,引用発明1において解決しようとする課題を解決することができなくなることは当業者にとって明らかである。
すなわち,引用発明1において,相違点6について本願発明2の構成を採用することは当業者が容易になし得たことであるとは認められない。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明2は,当業者であっても引用発明1,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)引用文献2を主引例とした進歩性の検討
ア 対比
本願発明2と引用発明2とを対比すると,次のことがいえる。
(ア)引用発明2における「半導体ウェハー(a)」は,本願発明2における「ウェハ(W)」に相当する。
そして,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)に,デバイスを備えたデバイス領域が存在することは明らかである。
そうすると,引用発明2の「半導体ウェハー(a) の回路面(A面)」と,本願発明2の「『ウェハ(W)』の『複数のデバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」とは,「『ウェハ(W)』の『デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を』有する『一面(1)』」である点で一致する。

(イ)引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,本願発明2の「保護フィルム(4)」に相当する。

(ウ)引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,「Tg= 270?280 ℃」であって,「接着条件として熱盤温度 340℃,面圧 0.2 MPa,10分で接着」するのであるから,引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」が,「加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている」ことは明らかである。

したがって,本願発明2と引用発明2との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するウェハ(W)を処理する方法であって,
保護フィルム(4)を準備するステップと,
前記ウェハ(W)上の前記デバイス(7)を覆う為に,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップであって,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)は,前記ウェハ(W)の前記一面(1)と直接接触し,前記保護フィルム(4)の表の面(4a)と前記ウェハ(W)の前記一面との間に接着材が存在しない,前記ステップと,
前記ウェハ(W)の前記一面(1)に前記保護フィルム(4)を加えるステップの間および/または加えるステップの後,前記保護フィルム(4)を加熱するステップであって,前記保護フィルム(4)が,前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられる,前記ステップと,
前記一面(1)の反対側にある前記ウェハ(W)の面(6)を処理するステップと,
を含み,
前記保護フィルムは,加熱された状態にあるときに弾性があり,前記ウェハの前記一面上のウェハ表面に適合するように構成されている,方法。」

(相違点)
(相違点7)本願発明2のウェハ(W)は,「複数の」デバイス(7)を備えたデバイス領域(2)を一面(1)に有するという構成を備えるのに対し,引用発明2はそのような構成が特定されていない点。

(相違点8)本願発明2の保護フィルム(4)が,「前記表の面(4a)の反対側の前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)にクッション層(8)が付けられ」るものであって,「前記デバイス領域(2)は,前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され, 前記ウェハ(W)の前記平坦な面から突出する前記突出部(14)は,前記クッション層(8)に埋め込まれ」るものであるのに対して,引用発明2の「ポリイミドフィルムPI-U」は,そのような構成を備えていない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて,上記相違点8について先に検討すると,引用文献2には,引用発明2の半導体ウェハー(a) の回路面(A面)が,「前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され」るものであることが記載も示唆もされていない。
しかも,引用発明2において,接着フィルム(c)として2種のポリイミドフィルム,商品名:カプトン 100KJ (Tg=220 ℃;厚み25μm;東レ・デュポン製,および商品名:ユーピレックス VT441S(Tg= 270?280 ℃;厚み25μm;宇部興産製,を準備し,接着条件として熱盤温度 340℃,面圧 0.2 MPa,10分で接着したのは,ウェハーの回路面の処理の種類,特に,樹脂製の絶縁膜や保護膜がある場合にも,薄葉化を含む所定の裏面処理工程中に信頼性よく,ウェハーを保持基板に保持し,かつ,裏面工程の終了後,緩和処理を行うことにより,ウェハーと接着フィルムとの界面で剥離でき,フィルムは保持基板に残った接着フィルムも容易に剥離できるようにしたことを理由(【0053】)とするものであるところ,引用発明2において,仮に,半導体ウェハー(a) の回路面(A面)を,「前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され」るものに変更すると,前記複数の突出部(14)と,ポリイミドフィルムPI-Uとの間の接着強度,及び,剥離の容易さが著しく変化して,引用発明2において解決しようとする課題を解決することができなくなることは当業者にとって明らかである。
すなわち,引用発明2において,相違点8について本願発明2の構成を採用することは当業者が容易になし得たことであるとは認められない。
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明2は,当業者であっても引用発明2,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明3ないし25について
本願発明3ないし25も,本願発明1の「前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され」るという構成,又は,本願発明2の「前記デバイス領域(2)は,前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され, 前記ウェハ(W)の前記平坦な面から突出する前記突出部(14)は,前記クッション層(8)に埋め込まれる」という構成と同一又は相当する構成を備えるものであるから,本願発明1又は2と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1又は2,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
令和3年1月14日付けの補正により,補正後の請求項1ないし25は,「前記ウェハ(W)の前記一面(1)に付けられた前記保護フィルム(4)の裏の面(4b)が外側に露出され」るという構成,又は,「前記デバイス領域(2)は,前記ウェハ(W)の平坦な面から突出する複数の突出部(14)で形成され, 前記ウェハ(W)の前記平坦な面から突出する前記突出部(14)は,前記クッション層(8)に埋め込まれる」という構成を有するものとなった。そして,引用発明2(原査定における引用文献Aに記載された発明)において,これらの構成を採用することは,当業者が容易になし得たことでないことは,上記第6の1(2)及び2(2)で判断したとおりであるから,本願発明1ないし25は,当業者であっても,原査定における引用文献AないしDに基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-03-31 
出願番号 特願2018-81510(P2018-81510)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 杢 哲次  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 井上 和俊
加藤 浩一
発明の名称 ウェハ処理方法  
代理人 阿部 寛  
代理人 池田 成人  
代理人 野田 雅一  
代理人 山田 行一  
代理人 酒巻 順一郎  
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