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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1373050
審判番号 不服2020-2947  
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-03 
確定日 2021-04-08 
事件の表示 特願2015-236255「タンデム印刷システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年6月8日出願公開、特開2017-100389〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成27年12月3日の出願であって、平成31年4月19日付けで拒絶の理由が通知され、令和1年7月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月29日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、令和2年3月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

2 審判請求時の補正について
(1)補正の内容
令和2年3月3日に審判の請求と同時になされた補正(以下「本件補正」という。)は、本件補正前の令和1年7月5日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、6及び11並びに明細書の段落【0009】、【0010】及び【0011】のそれぞれに記載された「前記ラスタデータを奇数の第1種ページのラスタデータと偶数の第2種ページのラスタデータとに分類し、」を、「前記ラスタデータを奇数番目の第1種ページのラスタデータと偶数番目の第2種ページのラスタデータとに分類し、」とするものである(下線部は補正箇所を示す。)。

(2)補正の適否
ア 請求項1、6及び11に係る補正
補正前の請求項1、6及び11に記載された発明特定事項である「前記ラスタデータを奇数の第1種ページのラスタデータと偶数の第2種ページのラスタデータとに分類し、」との記載を、「前記ラスタデータを奇数番目の第1種ページのラスタデータと偶数番目の第2種ページのラスタデータとに分類し、」との記載とする補正は、令和1年11月29日付けの拒絶査定において、「前記ラスタデータを奇数の第1種ページのラスタデータと偶数の第2種ページのラスタデータとに分類し、」との記載は、文字通りに読むと「第1種ページ」に分類されるページが「奇数」あり、「第2種ページ」に分類されるページが「偶数」あるものを意味することになるが、発明の詳細な説明の記載や意見書の文脈からして、「前記ラスタデータを奇数番目のページと偶数番目のページとに分類し」との意味であるものとして新規性及び進歩性を判断したことが付記されたことに対応してなされたものであることは明らかであり、「第1種ページ」が「奇数番目」の「ページ」であり、「第2種ページ」が「偶数番目」の「ページ」であることを特定して明確にしたものである。
したがって、請求項1、6及び11に係る補正は、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明りようでない記載の釈明を目的とするものということができる。
また、請求項1、6及び11に係る補正は、本願の願書の最初に添付した明細書の段落【0033】等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

イ 明細書の段落【0009】、【0010】及び【0011】に係る補正
明細書の段落【0009】、【0010】及び【0011】に係る補正は、上記アと同様に、本願の願書の最初に添付した明細書の記載に基づいており、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

ウ 以上、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第5項の要件を満たす適法な補正である。

3 本願発明
本願の請求項1ないし15に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
用紙の一方の面に印刷する第1印刷エンジンと、前記用紙の他方の面に印刷し、前記用紙の表裏を反転して出力可能な第2印刷エンジンと、前記第1印刷エンジン及び前記第2印刷エンジンを制御する制御装置と、を含むタンデム印刷システムであって、
印刷データに基づく初回印刷時には、
前記制御装置は、受信した印刷データを解析してページ構成を取得すると共に前記印刷データをラスタライズして各ページのラスタデータを生成し、前記ラスタデータを奇数番目の第1種ページのラスタデータと偶数番目の第2種ページのラスタデータとに分類し、前記第1印刷エンジンに前記第1種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに前記第2種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、
前記第1印刷エンジンは、受信した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷すると共に、前記第1種ページのラスタデータを保持し、
前記第2印刷エンジンは、受信した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記第2種ページのラスタデータを保持し、
ページ編集後の前記印刷データに基づく再印刷時には、
前記制御装置は、前記初回印刷時のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定し、前記第1印刷エンジンに再印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに再印刷を指示すると共に前記反転排紙対象の用紙の表裏反転を指示し、
前記第1印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、
前記第2印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する、
ことを特徴とするタンデム印刷システム。」

ここで、請求項1の「前記初回印刷時のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」するとは、両ページ構成をどのように比較して、どのように判定するものなのか、必ずしも明らかでないことから、以下、検討するに、これに関して発明の詳細な説明には以下の記載がある(下線は当審で付与した。)。
「【0064】
以下、再印刷時の印刷制御の具体例を示す。図12(a)は、5ページのラスタデータを印刷及び保存する場合の例を示しており、初回印刷時は、第1画像形成装置30(上流機)で奇数ページが印刷されて保存され、第2画像形成装置40(下流機)で偶数ページが印刷されて保存される。また、ページ編集が行われなかった場合は、再印刷時において、第1画像形成装置30(上流機)で、初回印刷時に保存された表面データを用いて奇数ページが印刷され、第2画像形成装置40(下流機)で、初回印刷時に保存された裏面データを用いて偶数ページが印刷される。
【0065】
ここで、図12(b)に示すように、偶数ページ(ここでは第2ページ)とその次の奇数ページ(ここでは第3ページ)の間に、連続する奇数の白紙(ここでは1ページの白紙)を挿入するページ編集が行われた後に再印刷が指示された場合、白紙挿入箇所より後のページの奇数/偶数が入れ替わり、上流機/下流機に保存されたラスタデータでは印刷ができなくなる。この場合は、上流機では第4ページの印刷が指示されるが、上流機には奇数ページのラスタデータしか保存していないため、第4ページの印刷ができない。また、下流機では第3ページ及び第5ページの印刷が指示されるが、下流機には偶数ページのラスタデータしか保存していないため、第3ページ及び第5ページの印刷ができない。
【0066】
そこで、本実施例では、図12(c)に示すように、上流機では奇数ページを印刷し、下流機では偶数ページを印刷し、両面印刷後に用紙を反転して表裏を入れ替えることにより、再度ラスタデータを受信することなく、初回印刷時に保存していたラスタデータのみで再印刷ができるようにする。この例では、第3ページは下流機ではなく上流機で印刷し、下流機で用紙を反転して排紙することにより、表面側を白紙、裏面側を第3ページにすることができる。また、第4ページは上流機ではなく下流機で印刷し、第5ページは下流機ではなく上流機で印刷し、下流機で用紙を反転して排紙することにより、表面側を第4ページ、裏面側を第5ページにすることができる。」

発明の詳細な説明の上記記載を参酌すれば、請求項1の「前記初回印刷時のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」するとは、「ページ編集後のページ構成」において、「用紙の一方の面が」初回印刷時のページ構成における「偶数番目の」「第2種ページ」になる「及び/又は」「用紙の他方の面が」初回印刷時のページ構成における「奇数番目の」「第1種ページになる」用紙を、「反転排紙対象の用紙」と「判定」することを意味するものと解する。
なお、請求項1の「前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる」とは、「反転対象の用紙を判定」するために用いる「ページ編集後のページ構成」であって、このページ構成のまま印刷するのではなく、「反転排紙対象の用紙を判定」した後の印刷時には、「第1印刷エンジン」が「用紙の一方の面に」「第1種ページを印刷し」、「第2印刷エンジン」が「用紙の他方の面に」「第2種ページを印刷すると共に」「反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する」ものである。

4 原査定の拒絶の理由
原査定の理由のうち、請求項1の進歩性に係る拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・特開2012-101477号公報(以下「引用文献」という。)

5 引用文献の記載
引用文献には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

ア 「【発明が解決しようとする課題】
・・・
【0009】
図13(a)では頁順にA,B,C,D,E,F,G,…という画像データが存在している場合に、図13(b)に示すように、前段の画像形成装置10では記憶部15に、A,C,E,G,…という奇数頁を記憶しておき、後段の画像形成装置20では記憶部25に、B,D,F,…という偶数頁を記憶しておくことで、タンデム画像形成の際に無駄のない画像データの記憶を実現できる。
【0010】
ところで、このような状態において、図13(c)に示すように、AとBとの間にXという画像データが追加され、頁順にA,X,B,C,D,E,F,G,…という画像データになった場合には、図13(d)に示すように、前段の画像形成装置10では記憶部15に、A,B,D,F,…という奇数頁を記憶し、後段の画像形成装置20では記憶部25に、X,C,E,G,…という偶数頁を記憶する必要が生じる。
【0011】
すなわち、Xの追加に伴い、それ以降の全ての頁の画像データを互いに入れ替える必要が生じる。この場合、記憶部15と記憶部25との間でX以降の頁の画像データを転送して互いに入れ替えるか、あるいは、外部からX以降の頁の画像データを全て送信しなおす必要が生じる。
【0012】
なお、このような大量の画像データの入れ替えは、奇数頁数分の画像データの追加や、奇数頁数分の画像データの削除によって発生する。
【0013】
このように、頁(画像データ)の追加や削除に伴って大量の画像データの入れ替えが発生することは、画像形成の開始を遅らせることになり、また、通信トラフィックの観点から望ましくない。
【0014】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、記録紙の表裏を分担して画像形成することが可能に複数の画像形成装置が直列に接続された状態において、各画像形成装置が担当頁の画像データを記憶しつつ、頁の追加や削除が発生した場合でも画像データの転送を最小限に抑えることが可能な画像形成システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
【0016】
(1)第1の発明は、記録紙の表裏を分担して画像形成することが可能に複数の画像形成装置が直列に接続された画像形成システムであって、前記画像形成装置は、画像形成を担当する頁の画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した前記画像データを用いて画像形成を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、画像形成する頁の追加もしくは削除があった場合には、前記追加された頁もしくはその隣接頁、あるいは前記削除された隣接頁の最大1頁の画像データを複数の画像形成装置間で移動すると共に、各画像形成装置における表裏の担当を変更する、ことを特徴とする画像形成システムである。
・・・
【0019】
(4)第4の発明は、上記(1)-(3)において、表裏の画像形成がされた後の記録紙を反転させる反転装置を備え、前記制御部は、前記各画像形成装置における表裏の担当を変更する場合には、表裏の画像形成がされた後の前記記録紙について、前記反転装置の使用の有無を逆に切り替えるよう制御する、ことを特徴とする。

イ 「【図面の簡単な説明】
・・・
【図13】タンデム画像形成システムの動作を示す説明図である。」

ウ 「【発明を実施するための形態】
・・・
【0031】
ここでは、記録紙の表裏を分担して画像形成することが可能に複数の画像形成装置が直列にタンデム接続された画像形成システム、またこの画像形成システムに使用される画像形成装置、について説明する。」
【0033】
ここでは、画像形成される記録紙を供給する給紙装置50、給紙装置50からの記録紙の表裏を分担して画像形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して反転などの中処理を行ってから後段の画像形成装置300に供給する中処理装置200、中処理装置200からの記録紙の表裏を分担して画像形成する画像形成装置300、画像形成装置100,300で画像形成された記録紙に各種後処理(パンチ処理、ステイプル処理、バインド処理など)を施す後処理装置400、が記録紙の流れに沿って直列接続されている。
【0034】
すなわち、画像形成装置100,300は、図2に示されるように、記録紙の流れに沿って直列接続されており、前段の画像形成装置100で一部の領域に画像形成がなされた記録紙を続けて後段の画像形成装置300に入力し、後段の画像形成装置300で記録紙の他の領域に画像形成を行う画像形成システムである。
【0040】
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に画像形成システムとしてシステム全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、利用者による操作入力と画像形成装置100の状態とを行う操作表示部105と、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令と画像データとに基づいて画像形成を実行する画像形成部150と、を備えて構成されている。
・・・
【0042】
画像形成装置300は、画像形成装置300内の各部を制御する制御部301と、接続されている他の装置と通信するための通信部302と、利用者による操作入力と画像形成装置300の状態とを行う操作表示部305と、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する記憶部330と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部340と、画像形成命令と画像データとに基づいて画像形成を実行する画像形成部350と、を備えて構成されている。
・・・
【0044】
以下、本実施形態の画像形成システムにおける記録紙の両面に画像形成する際の画像形成モードについて説明する。なお、この実施形態では、記録紙において頁順で先になる第一面の画像を表面記録紙において頁順で後になる第二面の画像を裏面と呼ぶことにする。
【0045】
この場合、図3(a)のように、前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成することで、表面の画像が下向きになるフェイスダウンとして記録紙が出力される。なお、このような画像形成モードを、本実施形態では、「モード1」と呼ぶことにする。
【0046】
また、この場合、図3(b)のように、前段の画像形成装置100で記録紙に対して裏面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して表面の画像を形成し、その記録紙を後処理装置400で反転することでも、表面の画像が下向きになるフェイスダウンとして記録紙が出力される。なお、このような画像形成モードを、本実施形態では、「モード2」と呼ぶことにする。
【0047】
なお、モード1もモード2もフェイスダウンで共通するが、後処理での反転が不要となるモード1をフェイスダウンの標準モードとして使用することが望ましい。
【0048】
また、この場合、図3(c)のように、前段の画像形成装置100で記録紙に対して裏面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して表面の画像を形成することで、表面の画像が上向きになるフェイスアップとして記録紙が出力される。なお、この場合は、最終頁から第1頁に向かって画像形成を実行する。なお、このような画像形成モードを、本実施形態では、「モード3」と呼ぶことにする。
【0049】
また、この場合、図3(d)のように、前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成し、その記録紙を後処理装置400で反転することでも、表面の画像が上向きになるフェイスアップとして記録紙が出力される。なお、この場合は、最終頁から第1頁に向かって画像形成を実行する。なお、このような画像形成モードを、本実施形態では、「モード4」と呼ぶことにする。
【0050】
なお、モード3もモード4もフェイスアップで共通するが、後処理での反転が不要となるモード3をフェイスアップの標準モードとして使用することが望ましい。
【0051】
なお、以上の画像形成モードが後述する「モード情報」として扱われる。すなわち、モード情報は、どちらの画像形成装置が表/裏を担当し、どのように反転処理をして、フェイスアップ/ダウンで出力するかを意味している。
【0052】
〈画像形成システムの動作〉
以下、図4と図5のフローチャート、図6以降のジョブテーブル説明図を参照して画像形成システムの第一実施形態の動作説明を行う。
【0053】
なお、以下の説明では、画像形成装置100と画像形成装置300とが担当する頁の画像データを保持している状態における頁編集として、頁追加、頁削除を具体例に用いるが、頁移動は移動元頁の頁削除と移動先頁の頁追加の組合せとして扱うことが可能である。
【0054】
また、以下の具体例では、画像形成装置100の操作者が操作表示部105から頁編集に関する各種操作を行うものとするが、画像形成装置300の操作者が操作表示部305から頁編集に関する各種操作を行うことも可能である。また、以下の具体例では、画像形成装置100の制御部101が、画像形成システム全体を制御するものとするが、画像形成装置300の制御部301システム全体を制御する(当審注:「画像形成装置300の制御部301システム全体を制御する」は、「画像形成装置300の制御部301が、画像形成システム全体を制御する」の誤記と認められる。)ことも可能である。
【0055】
また、以下の具体例では、装置情報において、前段の画像形成装置100を装置1、後段の画像形成装置300を装置2と称する。
【0056】
まず、画像形成装置100と画像形成装置300とが担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶した状態で画像形成実行開始前であるとする。この場合、たとえば、図6に示されるジョブテーブルが存在している。
【0057】
ここでは、A,B,C,D,E,Fの6つの「画像データ」のそれぞれについて、1頁,2頁,3頁,4頁,5頁,6頁目に画像形成されることを示す「頁情報」と、装置1,装置2,装置1,装置2,装置1,装置2が画像形成を担当し画像データを保持することを示す「装置情報」と、モード1,モード1,モード1,モード1,モード1,モード1の画像形成モード(図3参照)で画像形成を実行することを示す「モード情報」が対応付けられて、全体で「ジョブデータ」を構成している。
【0058】
また、この図6は、図示されていないが、画像形成出力設定がフェイスダウンの設定である場合を想定している。よって、図7以降も同様にフェイスダウンであるものとする。また、この図6では、6頁目までを示しているが、これ以降に7頁、8頁と連続していてもよい。
【0059】
この状態において、操作者が操作表示部105から、頁追加あるいは頁削除といった頁編集の操作を行う。この場合、画像形成しようとする一連の画像データ(ジョブ)の何頁目の位置に、所望の頁の画像データを追加あるいは削除する、といった操作を行う。この場合、追加する頁の画像データは、記憶部130に既に記憶されているものであってもよいし、この時点で外部から入力されるものであってもよい。
【0060】
ここで、制御部101は操作表示部105から頁編集の要求を受け付ける(図4中のステップS101でYES)と、上述した何頁目の位置に頁を追加するか削除するかといった頁編集情報を取得する(図4中のステップS102)。
【0061】
そして、制御部101は頁編集情報の要求が頁追加要求であるか頁削除要求であるかを判断する(図4中のステップS103)。なお、頁移動であれば、移動元の頁削除と移動先の頁追加の2要求であるとして扱う。
【0062】
頁追加要求であれば(図4中のステップS103でYES)、制御部101は、要求された画像データを要求された頁位置に追加する(図4中のステップS104)。たとえば、画像データXを2頁目に追加する要求が操作表示部105からなされた場合には、制御部101は、画像データXをジョブテーブルの2頁目に追加する(図7参照)。この場合、画像データXが2頁目になるため、画像データB以降を順に1頁分ずつ後ろにずらし、A,X,B,C,D,E,Fの順になる。
【0063】
この時点では、頁追加要求により追加された頁の装置情報について、追加の要求がなされた画像形成装置の番号が付される(図4中のステップS105)。この具体例では、画像形成装置100の操作表示部105から頁追加要求があったので、図7の2頁目の画像データXについて、装置1と情報が入力される。
【0064】
一方、頁削除要求であれば(図4中のステップS103でNO)、制御部101は、要求された頁の画像データを削除する(図4中のステップS106)。たとえば、2頁目の画像データBを削除する要求が操作表示部105からなされた場合には、制御部101は、画像データBを削除する(図10参照)。この場合、2頁目の削除に伴い、画像データC以降を順に1頁分ずつ前にずらし、A,C,D,E,Fの順になる。
【0065】
また、制御部101は、以上の頁追加あるいは頁削除に連動して、頁情報を修正する(図4中のステップS107)。頁追加があった場合には、制御部101は、画像データB?Fについての頁情報の2頁?6頁であった部分(図6参照)を、3頁?7頁に修正する(図7参照)。また、頁削除があった場合には、制御部101は、画像データC?Fについての頁情報の3頁?6頁であった部分(図6参照)を、2頁?5頁に修正する(図10参照)。なお、これらの図において、修正のなかった頁情報は細枠で、修正のあった頁情報については太枠で示している。
【0066】
そして、制御部101は、頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力、あるいは、頁削除についての頁情報の削除に関して、頁編集要求のあったもの全てについて完了しているかを調べ(図4中のステップS108)、編集残があれば(図4中のステップS108でYES)以上の処理を繰り返す。なお、頁移動については、移動元の頁削除と移動先の頁追加として2処理を実行する。
【0067】
制御部101は、頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力と、頁削除についての頁情報の削除とを、頁編集要求のあったもの全てについて完了した場合には(図4中のステップS108でNO)、装置情報の修正とモード情報の修正(図4中のステップS109)を実行する。
【0068】
以下、各画像形成装置が担当頁の画像データを記憶しつつ頁の追加や削除が発生した場合でも画像データの転送を最小限に抑えることを可能にすべく、装置情報の修正とモード情報の修正を実行(図4中のステップS109)することについて、図5のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0069】
まず、制御部101は、ジョブ全体として画像形成する頁が2頁以上存在するかを確認する(図5中のステップS201)。2頁以上存在していなければ(図5中のステップS201でNO)、すなわち1頁だけであった場合には、以下の処理が不要であるため終了する。
【0070】
ここで、2頁以上存在していれば(図5中のステップS201でYES)、制御部101は、現在の処理頁番号を示すパラメタであるNを初期値として1に設定する(図5中のステップS202)。
【0071】
そして、制御部101は、ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報を参照し、装置情報が同一になっているか否かを確認する(図5中のステップS203)。ここで、N頁とN+1頁とは記録紙の表と裏に画像形成されるべきものであるため、装置情報が異なっている必要がある。
【0072】
そこで、制御部101は、ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報が異なっていれば(図5中のステップS203でNO)そのまま次の処理に進み、ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報が同一になっていれば(図5中のステップS203でYES)、N頁もしくはN+1頁のいずれか一方の装置情報を変更する(図5中のステップS204)。
【0073】
画像データXを2頁目に追加した図7の具体例では、N頁の画像データAとN+1頁の画像データXとが共に装置1と設定されているため、図8に示すごとくN頁の画像データAについて装置情報を1から2に変更するか、図9に示すごとくN+1頁の画像データXについて装置情報を1から2に変更する。なお、画像データXが画像形成装置300から入力された場合には、画像データXの装置情報は当初から装置2と設定されて図9相当になるため、変更は不要になる。
・・・
【0075】
次に、制御部101は、画像形成出力設定がフェイスダウンであるかフェイスアップであるかを確認し(図5中のステップS205)、フェイスダウンである場合(図5中のステップS205でYES)、N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断する(図5中のステップS206)。ここで、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であれば(図5中のステップS206でYES)、図3(a)相当の状態であるため、モード情報をモード1に設定する(図5中のステップS207)。また、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(図5中のステップS206でNO)、図3(b)相当の状態であるため、モード情報をモード2に設定する(図5中のステップS208)。
【0076】
一方、制御部101は、画像形成出力設定がフェイスダウンであるかフェイスアップであるかを確認し(図5中のステップS205)、フェイスアップである場合(図5中のステップS205でNO)、N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断する(図5中のステップS209)。ここで、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であれば(図5中のステップS209でYES)、図3(d)相当の状態であるため、モード情報をモード4に設定する(図5中のステップS211)。また、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(図5中のステップS209でNO)、図3(c)相当の状態であるため、モード情報をモード3に設定する(図5中のステップS210)。
【0077】
図8の画像データAと画像データXの具体例の場合には、フェイスダウンの画像形成出力設定であって、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であり(図5中のステップS206でNO)、図3(b)相当の状態であるため、モード情報をモード2に設定する(図5中のステップS208)。図9の画像データAと画像データXの具体例の場合には、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であり(図5中のステップS206でYES)、図3(a)相当の状態であるため、モード情報をモード1に設定する(図5中のステップS207)。
・・・
【0079】
そして、制御部101は、以上のステップS202?S211の処理を、次頁がある限り(図5中のステップS212でYES)、現在の処理頁番号を示すパラメタNに2を加えて(図5中のステップS213)2頁毎に処理を繰り返し、次頁がなくなれば(図5中のステップS212でNO)、図5の処理を終了して図4に戻る(図5でリターン)。
【0080】
図8と図9の画像データBと画像データC、およびそれ以降の場合には、フェイスダウンの画像形成出力設定であって、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であり(図5中のステップS203でNO(装置情報変更不要)、S205でYES(フェイスダウン)、S206でNO)、図3(b)相当の状態であるため、モード情報をモード2に設定する(図5中のステップS208)。・・・
・・・
【0082】
以上のようにして、装置情報の修正とモード情報の修正(図4中のステップS109、図5全体)を終了すると、制御部101は、装置情報の修正(図5中のステップS204)に従って移動が必要になる画像データについて画像形成装置間で移動を行う(図4中のステップS110)。
【0083】
図8の場合には、画像データAについて装置情報を装置1から装置2に変更しているため、制御部101は、画像データAを画像形成装置100の記憶部130から画像形成装置300の記憶部330に移動するよう制御する。また、図9の場合には、画像データXについて装置情報を装置1から装置2に変更しているため、制御部101は、画像データAを画像形成装置100の記憶部130から画像形成装置300の記憶部330に移動するよう制御する。なお、画像データXが画像形成装置300から入力されて元々装置2である場合にはデータ移動は不要である。」

(認定事項1)
上記段落【0033】の「記録紙の表裏を分担して画像形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して反転などの中処理を行ってから後段の画像形成装置300に供給する中処理装置200、中処理装置200からの記録紙の表裏を分担して画像形成する画像形成装置300、画像形成装置100,300で画像形成された記録紙に各種後処理・・・を施す後処理装置400、が記録紙の流れに沿って直列接続されている」との記載から、画像形成装置100は記録紙の表裏の一方を分担して画像形成するものであり、画像形成装置300は記録紙の表裏の他方を分担して画像形成するものであるといえる。

(認定事項2)
上記段落【0054】の記載から、画像形成装置100の操作表示部105から頁編集に関する各種操作を行い、画像形成装置100の制御部101が、画像形成システム全体を制御するものに代えて、画像形成装置300の操作表示部305から頁編集に関する各種操作を行い、画像形成装置300の制御部301が、画像形成システム全体を制御するものが引用文献に記載されていると認められる。

(認定事項3)
上記段落【0063】及び【0083】の記載から、画像データXが画像形成装置300から入力される場合には、追加の要求がなされた画像形成装置300の番号が付され、2頁目の画像データXについて、装置2と情報が入力されるものと認められる。

以上の記載事項及び認定事項から、引用文献には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「記録紙の表裏の一方に画像形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して反転などの中処理を行ってから後段の画像形成装置300に供給する中処理装置200、中処理装置200からの記録紙の表裏の他方に画像形成する画像形成装置300、画像形成装置100,300で画像形成された記録紙に各種後処理を施す後処理装置400、が記録紙の流れに沿って直列接続されているタンデム画像形成システムであって、
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、利用者による操作入力を行う操作表示部105と、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令と画像データとに基づいて画像形成を実行する画像形成部150と、を備え、
画像形成装置300は、画像形成装置300内の各部を制御すると共に画像形成システムとしてシステム全体を制御する制御部301と、接続されている他の装置と通信するための通信部302と、利用者による操作入力を行う操作表示部305と、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する記憶部330と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部340と、画像形成命令と画像データとに基づいて画像形成を実行する画像形成部350と、を備え、
モード1は、前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成することで、表面の画像が下向きになるフェイスダウンとして記録紙が出力される画像形成モードであり、
モード2は、前段の画像形成装置100で記録紙に対して裏面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して表面の画像を形成し、その記録紙を後処理装置400で反転することで、表面の画像が下向きになるフェイスダウンとして記録紙が出力される画像形成モードであり、
モード3は、前段の画像形成装置100で記録紙に対して裏面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して表面の画像を形成することで、表面の画像が上向きになるフェイスアップとして記録紙が出力され、最終頁から第1頁に向かって画像形成を実行する画像形成モードであり、
モード4は、前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成し、その記録紙を後処理装置400で反転することで、表面の画像が上向きになるフェイスアップとして記録紙が出力され、最終頁から第1頁に向かって画像形成を実行する画像形成モードであり、
画像形成装置100と画像形成装置300とが担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶した状態で、操作者が操作表示部305から、頁追加あるいは頁削除といった頁編集の操作を行うと、
制御部301は、
操作表示部305から頁編集の要求を受け付け(S101でYES)、頁編集情報を取得し(S102)、
頁編集情報の要求が頁追加要求であるか頁削除要求であるかを判断し(S103)、
頁追加要求であれば(S103でYES)、要求された画像データを要求された頁位置に追加し(S104)、
頁追加要求により追加された頁の装置情報について、前段の画像形成装置100を装置1、後段の画像形成装置300を装置2として、追加の要求がなされた画像形成装置の番号が付され(S105)、
頁削除要求であれば(S103でNO)、要求された頁の画像データを削除し(S106)、
頁追加あるいは頁削除に連動して、頁情報を修正し(S107)、
頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力、あるいは、頁削除についての頁情報の削除に関して、頁編集要求のあったもの全てについて完了しているかを調べ(S108)、編集残があれば(S108でYES)以上の処理を繰り返し、
頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力と、頁削除についての頁情報の削除とを、頁編集要求のあったもの全てについて完了した場合には(S108でNO)、装置情報の修正とモード情報の修正(S109)を実行するものであって、
装置情報の修正とモード情報の修正(S109)として、
ジョブ全体として画像形成する頁が2頁以上存在するかを確認し(S201)、2頁以上存在していなければ(S201でNO)終了し、2頁以上存在していれば(S201でYES)、現在の処理頁番号を示すパラメタであるNを初期値として1に設定し(S202)、
ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報を参照し、装置情報が同一になっているか否かを確認し(ステップS203)、ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報が異なっていれば(S203でNO)そのまま次の処理に進み、ジョブテーブル中のN頁とN+1頁との装置情報が同一になっていれば(S203でYES)、N頁もしくはN+1頁のいずれか一方の装置情報を変更し(S204)、
画像形成出力設定がフェイスダウンであるかフェイスアップであるかを確認し(S205)、フェイスダウンである場合(S205でYES)、N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断し(S206)、ここで、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であれば(S206でYES)、モード情報をモード1に設定し(S207)、また、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(S206でNO)、モード情報をモード2に設定し(S208)、
一方、画像形成出力設定がフェイスダウンであるかフェイスアップであるかを確認し(S205)、フェイスアップである場合(S205でNO)、N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断し(S209)、ここで、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であれば(S209でYES)、モード情報をモード4に設定し(S211)、また、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(S209でNO)、モード情報をモード3に設定し(S210)、
以上のステップS202?S211の処理を、次頁がある限り、現在の処理頁番号を示すパラメタNに2を加えて(S213)2頁毎に処理を繰り返し、次頁がなくなれば(S212でNO)、処理を終了し、
以上のようにして、装置情報の修正とモード情報の修正(S109)を終了すると、装置情報の修正(S204)に従って移動が必要になる画像データについて画像形成装置間で移動を行う(S110)ものであり、
たとえば、A,B,C,D,E,Fの6つの「画像データ」のそれぞれについて、1頁,2頁,3頁,4頁,5頁,6頁目に画像形成されることを示す「頁情報」と、装置1,装置2,装置1,装置2,装置1,装置2が画像形成を担当し画像データを保持することを示す「装置情報」と、モード1,モード1,モード1,モード1,モード1,モード1の画像形成モードで画像形成を実行することを示す「モード情報」が対応付けられて、全体で「ジョブデータ」を構成していて、画像形成出力設定がフェイスダウンの設定であり、画像データXを2ページ目に追加する要求がなされ、画像データXが画像形成装置300から入力された場合には、
制御部301は、
画像データXをジョブテーブルの2頁目に追加し、(S104)、
画像データXの装置情報は装置2と設定され(S105)、
画像データB?Fについての頁情報の2頁?6頁であった部分を、3頁?7頁に修正し(S107)、
画像データAと画像データXの場合には、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であり(S206でYES)、モード情報をモード1に設定し(S207)、
画像データBと画像データC、およびそれ以降の場合には、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であり(S203でNO、S205でYES、S206でNO)、モード情報をモード2に設定し(S208)、
データ移動(S110)は不要である、
タンデム画像形成システム。」

6 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「記録紙」は、本願発明の「用紙」に相当する。
また、引用発明において、「画像形成装置100」及び「画像形成装置300」による「画像形成」は、「記録紙」になされるものであり、印刷に他ならないから、引用発明の「画像形成する」ことは、本願発明の「印刷する」ことに相当する。
さらに、引用発明において、「画像形成装置100」及び「画像形成装置300」は「記録紙の表裏を分担して画像形成する」のであるから、それぞれ、記録紙の一方の面及び他方の面に画像形成するものといえる。
したがって、引用発明の「記録紙の表裏の一方に画像形成する画像形成装置100」は、本願発明の「用紙の一方の面に印刷する第1印刷エンジン」に相当する。
また、引用発明の「後処理装置400」は、「モード2」及び「モード4」において「記録紙を」「反転する」ものであるから、記録紙の表裏を反転して出力可能なものといえる。
したがって、引用発明の「記録紙の表裏の他方に画像形成する画像形成装置300」及び「画像形成装置100,300で画像形成された記録紙に各種後処理を施す後処理装置400」であって「モード2」及び「モード4」において「記録紙を」「反転する」「後処理理装置400」からなるものは、本願発明の「前記用紙の他方の面に印刷し、前記用紙の表裏を反転して出力可能な第2印刷エンジン」に相当する。

(2)引用発明の「画像形成装置300」に「備え」られ「画像形成装置300内の各部を制御すると共に画像形成システムとしてシステム全体を制御する制御部301」は、システム全体を制御することから画像形成装置100をも制御するものといえ、本願発明の「前記第1印刷エンジン及び前記第2印刷エンジンを制御する制御装置」に相当する。

(3)引用発明の「タンデム画像形成システム」は、本願発明の「タンデム印刷システム」に相当する。

(4)引用発明の「操作者が操作表示部305から、頁追加あるいは頁削除といった頁編集の操作を行うと、制御部301」が「操作表示部305から頁編集の要求を受け付け(S101でYES)、頁編集情報を取得し(S102)、頁編集情報の要求が頁追加要求であるか頁削除要求であるかを判断し(S103)、頁追加要求であれば(S103でYES)、要求された画像データを要求された頁位置に追加し(S104)、頁追加要求により追加された頁の装置情報について、追加の要求がなされた画像形成装置の番号が付され(S105)、頁削除要求であれば(S103でNO)、要求された頁の画像データを削除し(S106)、頁追加あるいは頁削除に連動して、頁情報を修正し(S107)、頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力、あるいは、頁削除についての頁情報の削除に関して、頁編集要求のあったもの全てについて完了しているかを調べ(S108)、編集残があれば(S108でYES)以上の処理を繰り返し、頁追加についての頁情報の修正と装置情報の入力と、頁削除についての頁情報の削除とを、頁編集要求のあったもの全てについて完了」「(S108でNO)」すること(以下「頁編集」という。)は、本願発明の「ページ編集」に相当する。

(5)引用発明における頁編集前において、「画像形成モード」が「前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成する」「モード1」の場合に、「画像形成装置100と画像形成装置300とが」「それぞれの記憶部に記憶」している「担当頁の画像データ」は、それぞれ、表面である奇数番目の頁の画像データと、裏面である偶数番目の頁の画像データであることは明らかであり、これらは、それぞれ、本願発明の「奇数番目の第1種ページの」「データ」と、「偶数番目の第2種ページの」「データ」に相当する。
したがって、本願発明の「印刷データに基づく初回印刷時には、前記制御装置は、受信した印刷データを解析してページ構成を取得すると共に前記印刷データをラスタライズして各ページのラスタデータを生成し、前記ラスタデータを奇数番目の第1種ページのラスタデータと偶数番目の第2種ページのラスタデータとに分類し、前記第1印刷エンジンに前記第1種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに前記第2種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、前記第1印刷エンジンは、受信した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷すると共に、前記第1種ページのラスタデータを保持し、前記第2印刷エンジンは、受信した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記第2種ページのラスタデータを保持し」ていることと、引用発明における頁編集前において、「画像形成モード」が「前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成する」「モード1」の場合、「画像形成装置100と画像形成装置300とが担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶」していることとは、本願発明が初回印刷後にページ編集を行うことが特定されていることからすれば、両者は、「ページ編集前には、前記第1印刷エンジンは、奇数番目の第1種ページの」「データを保持し、前記第2印刷エンジンは、偶数番目の第2種ページの」「データを保持し」ている点で共通する。

(6)引用発明の「画像形成システム」は、「画像データ」「に基づいて画像形成を実行する画像形成部150,350」「を備え」る「画像形成装置100,300」を備えるものであることから、頁編集後に画像データに基づく画像形成を行うことは明らかである。
したがって、本願発明の「ページ編集後の前記印刷データに基づく再印刷時」と、引用発明から自明な構成である頁編集後の画像形成時とは、「ページ編集後の印刷時」の点で共通する。

(7)引用発明において、「画像形成装置100」により「画像形成」された「記録紙」の「一方」の面は、本願発明の「第1印刷エンジン」により「印刷」された「用紙の一方の面」に相当し、引用発明の「画像形成装置300」により「画像形成」された「記録紙」の「他方」の面は、本願発明の「第2印刷エンジンにより」「印刷」された「用紙の他方の面」に相当する。
また、引用発明において、「現在の処理頁番号を示すパラメタであるN」は、「初期値として1に設定」され、「次頁がある限り」「2」が「加え」られて「2頁毎に処理」が「繰り返」され、「次頁がなくなれば」「処理」が「終了」されるものであるから、「N頁」は奇数番目の頁であり、「N+1頁」は偶数番目の頁であり、これらは、それぞれ、本願発明の「奇数の第1種のページ」及び「偶数の第2種のページ」に相当する。
そして、引用発明において、「画像形成モード」が、「前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成する」「モード1」の場合に、「制御部301」が、頁編集後に、「N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断し(S206)」、「N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(S206でNO)、モード情報をモード2に設定」「(S208)」することは、制御部301が、装置1により画像形成される面が頁編集前の頁構成における偶数番目のN+1頁(裏面)になる及び/又は装置2により画像形成される面が頁編集前の頁構成における奇数番目のN頁(表面)になる記録紙を、後処理装置400で反転する対象の記録紙と判定していることに他ならず、上記「3」の「ア」の解釈に従えば、本願発明の「ページ編集前のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」することに相当するといえる。
このことは、引用文献1の請求項4並びに段落【0019】及び【0026】に、各画像形成装置における表裏の担当を変更する場合には、表裏の画像形成がされた後の記録紙について、反転装置の使用の有無を逆に切り替えるよう制御することが記載されていることからも、裏付けられる。
したがって、本願発明の「前記制御装置」が「前記初回印刷時のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」することと、引用発明の頁編集前の「画像形成モード」が「モード1」の場合、「制御部301」が、「初期値として1に設定し」「次頁がある限り」「2を加えて」「2頁毎に処理を繰り返し、次頁がなくなれば」「処理を終了」する「現在の処理頁番号を示すパラメタであるN」を用いて、「N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断し(S206)、ここで、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であれば(S206でYES)、モード情報をモード1に設定し(S207)、また、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(S206でNO)、モード情報をモード2に設定」「(S208)」することとは、「ページ編集前のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」する点で共通する。

(8)引用発明において、上記(6)で述べたように頁編集後に画像データに基づく画像形成を実行することは明らかであることに鑑みれば、頁編集前の「画像系形成モード」が「モード1」の場合に、頁編集後に、「制御部301」が、「モード1に設定し」た「N頁」と「N+1頁」からなる「記録紙」に対しては「モード1」で「画像形成」し、「モード2に設定し」た「N頁」と「N+1頁」からなる「記録紙」に対しては「モード2」で「画像形成」するように、「画像形成装置100」に「画像形成」を指示し、「画像形成装置300」に「画像形成」を指示すると共に「後処理装置400」に「モード2に設定」された「記録紙」の「反転」を指示し、「画像形成装置100」が、頁編集前に「記憶」した「N頁」の「画像データ」に基づいて、「記録紙」に「N頁」の「画像」を「形成」し、「画像形成装置300」が、頁編集前に「記憶」した「N+1頁」の「画像データ」に基づいて、「記録紙」に「N+1頁」の「画像」を「形成」すると共に「後処理装置400」が「モード2に設定」された「記録紙」を「反転」して「出力」することは、明らかである。
したがって、本願発明の「前記制御装置」が、「前記第1印刷エンジンに再印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに再印刷を指示すると共に前記反転排紙対象の用紙の表裏反転を指示し、前記第1印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、前記第2印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する」ことと、これら引用発明から自明の構成とは、「前記制御装置」が、「前記第1印刷エンジンに」「印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに」「印刷を指示すると共に前記反転排紙対象の用紙の表裏反転を指示し、前記第1印刷エンジンは」、ページ編集前「に保持した前記第1種ページの」「データに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、前記第2印刷エンジンは」、ページ編集前「に保持した前記第2種ページの」「データに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する」点で共通する。

してみると、本願発明と引用発明とは、
「用紙の一方の面に印刷する第1印刷エンジンと、前記用紙の他方の面に印刷し、前記用紙の表裏を反転して出力可能な第2印刷エンジンと、前記第1印刷エンジン及び前記第2印刷エンジンを制御する制御装置と、を含むタンデム印刷システムであって、
ページ編集前には、
前記第1印刷エンジンは、奇数番目の第1種ページのデータを保持し、
前記第2印刷エンジンは、偶数番目の第2種ページのデータを保持し、
ページ編集後の印刷時には、
前記制御装置は、前記ページ編集前のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定し、前記第1印刷エンジンに印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに印刷を指示すると共に前記反転排紙対象の用紙の表裏反転を指示し、
前記第1印刷エンジンは、前記ページ編集前に保持した前記第1種ページのデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、
前記第2印刷エンジンは、前記ページ編集前に保持した前記第2種ページのデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する、
タンデム印刷システム。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
本願発明は、「ページ編集」前に「印刷」を行い、「ページ編集」後の印刷は「再印刷」であって、「ページ編集後のページ構成」と「比較」される対象が「初回印刷時のページ構成」であるのに対し、引用発明は、頁編集後に画像形成を行うものの、頁編集前に画像形成を行うか否か不明であって、頁編集後の頁構成と比較される頁編集前の頁構成が、初回の画像形成時の頁構成か否か不明な点。

(相違点2)
本願発明は、「前記制御装置は、受信した印刷データを解析してページ構成を取得すると共に前記印刷データをラスタライズして各ページのラスタデータを生成し、前記ラスタデータを奇数番目の第1種ページのラスタデータと偶数番目の第2種ページのラスタデータとに分類し、前記第1印刷エンジンに前記第1種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、前記第2印刷エンジンに前記第2種ページのラスタデータを送信して印刷を指示し、前記第1印刷エンジンは、受信した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷すると共に、前記第1種ページのラスタデータを保持し、前記第2印刷エンジンは、受信した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記第2種ページのラスタデータを保持」するものであるのに対し、引用発明は、「記録紙の表裏の一方に画像形成する」「画像形成装置100」と「記録紙の表裏の他方に画像形成する」「画像形成装置300」のそれぞれの記憶部に、どのようにして担当頁の画像データを記憶するのかについて、特定されておらず、また、担当頁の画像データがどのような形式のデータであるのかについても、特定されていない点。

7 判断
(相違点1について)
引用発明においては、頁編集前に「記録紙の表裏の一方に画像形成する画像形成装置100」と「記録紙の表裏の他方に画像形成する画像形成装置300」「とが担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶し」ているのであるから、技術的にみて、初回の画像形成時に「画像形成装置100」と「画像形成装置300」とに「担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶」させて画像形成を行うものであることは当業者に明らかであり、引用発明においても、頁編集前に画像形成を行うものであり、頁編集後の頁構成と比較される頁編集前の頁構成が、初回の画像形成時頁構成であるものといえ、相違点1は、実質的な相違点ではない。
仮に、引用発明が、初回の画像形成時に「画像形成装置100」と「画像形成装置300」とに「担当頁の画像データをそれぞれの記憶部に記憶」させて画像形成を行うものであるとまではいえない場合でも、タンデム画像形成システムにおいて画像形成時に画像データを各画像形成装置の記憶部に記憶させて画像形成を行うことが技術常識であることに鑑みれば、引用発明において相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者が適宜なし得た設計的事項にすぎない。

(相違点2について)
タンデム型の画像形成装置において、制御部が受信した印刷データを解析して頁構成を取得すると共に印刷データをラスタライズして生成して、表裏を分担して各画像形成装置にラスタデータを送信し、受信したラスタデータに基づいて各画像形成装置が表裏を分担した画像を形成することは、例えば、
ア 特開2009-58623号公報(下線は当審で付した。)
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プリンタが2台連結されたプリンタシステムにおいて、各プリンタにおけるトナー消費量が均一化されていないためにトナーの補給時期が異なり、オペレータの作業の効率が低下するという課題を解決するものである。
・・・
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、2台のプリンタが連結されたプリンタシステムの概略をブロック図で示したものである。実線矢印は、印刷ジョブのデータの流れを示し、点線矢印は、制御の相互関連を示す。プリンタシステム1は、第1プリンタ3と、第2プリンタ6と、用紙を給紙する給紙部10と、用紙排出部となる排紙部11と、第1プリンタ3から第2プリンタ6へ用紙を搬送する用紙搬送パス19と、上位装置(図示せず)からの印刷ジョブを第1プリンタ3および第2プリンタ6に送信するプリンタ制御部2とからなる。給紙部10にセットされた用紙は、第1プリンタ3から用紙搬送パス19、第2プリンタ6へと、各装置内部の用紙搬送経路を通過したのち、排紙部11に排出される。
・・・
【0011】
プリンタ制御部2は、ネットワーク通信部12と、ラスタ展開部13と、ジョブ消費トナー算出部14と、操作部16と、トナー残量管理部17と、ページ管理部18とからなる。以下、プリンタ制御部2の各部を説明する。
【0012】
ネットワーク通信部12は、ネットワーク上の上位装置(図示せず)との通信やデータ転送を実行する。ラスタ展開部13は、上位装置から送信されてきた印刷ジョブの印刷データをラスタイメージに展開する。操作部16では、トナー消費量を算出する任意のページ単位を、オペレータが入力して指定する。
【0013】
ジョブ消費トナー算出部14は、ラスタ展開部13でラスタ展開したイメージデータを、操作部16を介してオペレータが指定した任意のページ単位で区切る。そして、ページ単位で区切った前記イメージデータのドット数から、各ページ単位の印刷ジョブのトナー消費量を、奇数ページと偶数ページとに分けて算出する。また、ジョブ消費トナー算出部14は、ジョブ消費トナー情報テーブル15を備え、前記奇数ページと偶数ページとに分けて算出した各ページ単位のトナー消費量を、ジョブ消費トナー情報テーブル15に反映する。
【0015】
ページ管理部18は、ラスタ展開した印刷データの奇数ページと偶数ページを、それぞれプリンタ3またはプリンタ6に振り分ける。振り分ける方法は、ジョブ消費トナー情報テーブル15とトナー残量管理部17から情報を取得し、トナー残量が多いプリンタに、奇数ページと偶数ページのうちトナー消費量の大きい方のページデータを送信する。」

イ 特開2013-146899号公報(下線は当審で付した。)
「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来技術においては、画像形成装置単位での消耗度を均等化することはできるが、直列のタンデム型画像形成装置の親機と子機との消耗度に差が生じることを防止することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、印刷ジョブに含まれる画像データのページ数が奇数の場合に、画像データごとまたは所定の印刷部数ごとに画像データの最終ページが印刷される印刷エンジンを切り換える。これにより、親機と子機とで印刷される印刷部数を均等化し、親機と子機との消耗度に差が生じることを防止する。
・・・
【0040】
ユーザーは、クライアントPC2a、2b、2cにおいてプリンタードライバーにより作成した印刷ジョブをクライアントPC2a、2b、2cからネットワーク4を介してタンデム型画像形成装置3に送信し、タンデム型画像形成装置3から印刷ジョブに基づく印刷物を出力できる。印刷ジョブとは、タンデム型画像形成装置3に対する印刷命令の総称であり、画像データおよび印刷条件等を設定する設定情報が含まれる。印刷ジョブは、ユーザーにより入力または指定された画像データおよび印刷設定に基づいてクライアントPC2a、2b、2cにおいて起動されたプリンタードライバーにより作成される。プリンタードライバーは、指定された文書ファイルを印刷ジョブに変換し、かつ、用紙サイズやタンデム型画像形成装置3に関する設定等の各種設定ができ、タンデム型画像形成装置3に対して印刷指示をすることができるソフトウェアである。
・・・
【0067】
タンデム型画像形成装置3において、CPU31は、クライアントPC2a、2b、2cから受信した印刷ジョブを解析し、印刷ジョブに含まれる設定情報をタンデム型画像形成装置3における印刷設定として反映させる(S401)。
【0068】
画像制御部38は、印刷ジョブに含まれる画像データについて画像形成処理を行う(S402)。すなわち、画像制御部38は、画像データのラスタライズ処理を行うことで画像データを印刷可能なビットマップデータに変換する。
・・・
【0071】
CPU31は、設定情報に均等化設定が含まれていないと判断した場合は(S501:NO)、ステップS402においてラスタライズ処理がされた画像データのページについて、通常の印刷処理を行う。すなわち、現在の印刷処理に係るページが奇数ページの場合は親機である第1印刷部40で印刷し、偶数ページの場合は子機である第2印刷部41で印刷する(S508)。
【0072】
CPU31は、設定情報に均等化設定が含まれていると判断した場合は(S501:YES)、現在の印刷処理に係るページが最終ぺージかつ奇数ページかどうかを判断する(S502)。現在の印刷処理に係るページが最終ページにも奇数ページにも該当しない場合は(S502:NO)、通常の印刷処理を行う(S508)。
【0073】
CPU31は、現在の印刷処理に係るページが最終ぺージかつ奇数ページである場合は(S502:YES)、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した印刷エンジンの情報をHDD34から取得する(S503)。ここで、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した印刷エンジンの情報とは、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した、親機または子機のいずれかの印刷エンジンを特定する情報である。例えば、当該印刷エンジンの情報は、印刷エンジンのMAC(Media Access Control)アドレスとすることができる。
【0075】
CPU31は、HDD34に記憶された情報に基づいて、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した印刷エンジンが親機であるかどうかを判断する(S504)。そして、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した印刷エンジンが親機であると判断した場合は(S504:YES)、現在の印刷処理に係るページを子機で印刷する(S505)。一方、前回印刷処理を行った画像データの最終ページを最後に印刷した印刷エンジンが親機ではないと判断した場合は(S504:NO)、現在の印刷処理に係るページを親機で印刷する(S506)。」
に記載されているように周知技術であり、引用発明においてこれを採用することは、画像形成システムを具体化するために当業者が適宜なし得た設計的事項にすぎない。

(効果について)
本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(請求人の主張について)
請求人は、審判請求書において、
ア 引用文献に記載された発明は、画像形成する頁の追加等によりN頁とN+1頁が同一の装置で画像形成されるかどうかを判断し、N頁とN+1頁が同一の装置で画像形成されることになる場合、ジョブテーブルにおいていずれか一方の装置の登録を変更するが、本願発明の構成である(1)用紙の一方の面が第2種ページ及び/又は用紙の他方の面が第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定する、は引用文献には記載も示唆もされていない、すなわち、引用文献1に記載された発明は、用紙が反転排紙対象かどうか判定していない、

イ 引用文献に記載された発明は、画像形成出力設定がフェイスダウンであるかフェイスアップであるか確認し、画像形成出力設定通りの用紙の向きになるように用紙の反転/非反転に関するモードを設定するが、本願発明の構成である、(2)第1印刷エンジンは、初回印刷時に保持した第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に第1種ページを印刷し、第2印刷エンジンは、初回印刷時に保持した第2種ページのラスタデータに基づいて、用紙の他方の面に第2種ページを印刷すると共に、反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する、という構成は引用文献には記載も示唆もされていない、

ウ 本願発明は、初回印刷時とページ編集後のページ構成を比較することで反転排紙対象の用紙を判定し、反転排紙対象と判定された用紙については第2印刷エンジンで反転して排紙し、従って、引用文献に記載の発明のように、装置情報およびモード情報が登録されるジョブテーブルを必要としない、

エ 本願発明は、ページ編集により表面/裏面が逆転した場合でも、再度のラスタライズ処理や、データ転送を行うことなく、簡単な構成で迅速に再印刷をすることができるという格別な効果を奏する
旨主張する。

しかしながら、請求人の上記アの主張については、上記「6(7)」で検討したように、引用発明において、「画像形成モード」が、「前段の画像形成装置100で記録紙に対して表面の画像を先に形成し、その記録紙を中処理装置200で反転し、更に、後段の画像形成装置300で記録紙に対して裏面の画像を形成する」「モード1」の場合に、「制御部301」が、頁編集後に、「N頁が装置1かつN+1頁が装置2であるかを判断し(S206)」、「N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であれば(S206でNO)、モード情報をモード2に設定」「(S208)」することは、制御部301が、装置1により画像形成される面が頁編集前の頁構成における偶数番目のN+1頁(裏面)になる及び/又は装置2により画像形成される面が頁編集前の頁構成における奇数番目のN頁(表面)になる記録紙を、後処理装置400で反転する対象の記録紙と判定していることに他ならず、本願発明の「ページ編集前のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」することに相当するといえるから、請求人の主張は採用できない。

また、請求人の上記イの主張については、上記「6(8)」で検討したように、引用発明において、頁編集前の「画像系形成モード」が「モード1」の場合に、頁編集後に、「画像形成装置100」が、頁編集前に「記憶」した「N頁」の「画像データ」に基づいて、「記録紙」に「N頁」の「画像」を「形成」し、「画像形成装置300」が、頁編集前に「記憶」した「N+1頁」の「画像データ」に基づいて、「記録紙」に「N+1頁」の「画像」を「形成」すると共に「後処理装置400」が「モード2に設定」された「記録紙」を「反転」して「出力」することは明らかであることから、本願発明の「前記第1印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第1種ページのラスタデータに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、前記第2印刷エンジンは、前記初回印刷時に保持した前記第2種ページのラスタデータに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する」ことと、これら引用発明から自明の構成とは、「前記第1印刷エンジンは」、ページ編集前「に保持した前記第1種ページの」「データに基づいて、用紙の一方の面に前記第1種ページを印刷し、前記第2印刷エンジンは」、ページ編集前「に保持した前記第2種ページの」「データに基づいて、前記用紙の他方の面に前記第2種ページを印刷すると共に、前記反転排紙対象の用紙は、用紙の表裏を反転して排紙する」点で共通し、また、上記(相違点2について)で検討したように、画像形成装置に記憶されるデータをラスタデータとすることは周知技術であり引用発明においてこれを採用することは画像形成システムを具体化するために当業者が適宜なし得た設計的事項にすぎず、さらに上記(相違点1について)で検討したように、引用発明は、頁編集後の頁構成と比較される対象を初回の画像形成時の頁構成とするものであるといえるし、仮に、引用発明が、頁編集後の頁構成と比較される対象を初回の画像形成時の頁構成とするものであるといえない場合でも、頁編集後の頁構成と比較される対象を初回の画像形成時の頁構成とすることは、当業者が適宜なし得た設計的事項にすぎないから、請求人の主張は採用できない。

さらに、請求人の上記ウの主張については、本願発明において、ジョブテーブルを必要としないことは請求項1に特定されていないのであるから、請求人の主張は、請求項1の記載に基づくものではない。
なお、仮に、請求項1の記載から、ジョブテーブルを必要としないことが自明な事項か否か検討すると、上記「3」の「ア」の解釈に従えば、請求項1の「前記初回印刷時のページ構成と前記ページ編集後のページ構成とを比較して、前記用紙の一方の面が前記第2種ページ及び/又は前記用紙の他方の面が前記第1種ページになる反転排紙対象の用紙を判定」するとは、「ページ編集後のページ構成」において、「用紙の一方の面が」初回印刷時のページ構成における「偶数番目の」「第2種ページ」になる「及び/又は」「用紙の他方の面が」初回印刷時のページ構成における「奇数番目の」「第1種ページになる」用紙を、「反転排紙対象の用紙」と「判定」することを意味するから、本願発明は、「ページ編集後のページ構成」において、「用紙の一方の面が」初回印刷時のページ構成における「奇数番目の第1種ページ」になる「及び/又は」「用紙の他方の面が」初回印刷時のページ構成における「偶数番目の第2種ページ」になる反転排紙対象でない用紙か、「用紙の一方の面が」初回印刷時のページ構成における「偶数番目の」「第2種ページ」になる「及び/又は」「用紙の他方の面が」初回印刷時のページ構成における「奇数番目の」「第1種ページになる反転排紙対象の用紙」かの情報を必要とするものであることは明らかである。そして、これらの情報は、各用紙について、奇数番目の第1種ページと偶数番目の第2種ページとがいずれの印刷エンジンに対応するか及び印刷後に反転排紙をするか否かの情報ということができ、引用発明のN頁とN+1頁とがいずれの装置に対応するか及び画像形成後に反転を必要とするモード2か否かを示すジョブテーブルの情報と異なるものではない。したがって、請求項1の記載から、引用発明のジョブテーブルの情報に相当するような情報を必要とすることは自明な事項といえるから、請求人の主張は採用できない。

そのうえ、請求人の上記エの主張については、引用発明においても、「たとえば、A,B,C,D,E,Fの6つの「画像データ」のそれぞれについて、1頁,2頁,3頁,4頁,5頁,6頁目に画像形成されることを示す「頁情報」と、装置1,装置2,装置1,装置2,装置1,装置2が画像形成を担当し画像データを保持することを示す「装置情報」と、モード1,モード1,モード1,モード1,モード1,モード1の画像形成モードで画像形成を実行することを示す「モード情報」が対応付けられて、全体で「ジョブデータ」を構成していて、画像データXを2ページ目に追加する要求がなされ、画像データXが画像形成装置300から入力された場合には」、「制御部301は」、「画像データAと画像データXの場合には、N頁が装置1であり、N+1頁が装置2であり(S203でNO、S205でYES、S206でYES)、モード情報をモード1に設定し(S207)、画像データBと画像データC、およびそれ以降の場合には、N頁が装置2であり、N+1頁が装置1であり(S203でNO、S205でYES、S206でNO)、モード情報をモード2に設定し(S208)、データ移動は不要である(S110)」ことから、頁編集により表面/裏面が逆転した場合でも、再度のラスタライズ処理や、データ転送を行う必要がないことは明らかであり、本願発明と異なるものではないから、請求人の主張は採用できない。

(まとめ)
したがって、本願発明は、引用発明及び周知慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項については検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-01-26 
結審通知日 2021-02-02 
審決日 2021-02-16 
出願番号 特願2015-236255(P2015-236255)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大浜 登世子  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 清水 康司
藤田 年彦
発明の名称 タンデム印刷システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラム  
代理人 八田国際特許業務法人  
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