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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1373363
審判番号 不服2020-9855  
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-14 
確定日 2021-04-23 
事件の表示 特願2018-244729号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月 9日出願公開、特開2019- 69214号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年6月13日に出願した特願2014-122761号(以下、「原々出願」という。)の一部を平成29年5月22日に新たな特許出願(特願2017-100595号)と、さらにその一部を平成30年12月27日に新たな特許出願(特願2018-244729号)としたものであって、平成31年3月11日に手続補正書が提出され、同年(令和1年)11月29日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年1月27日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月12日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年7月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
本件補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の概要
(1)本件補正は、
令和2年1月27日に提出された手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「演出を表示する表示手段と、
始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出と、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出とがあり、
前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され、
前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される前記第2特定予告演出の一部の演出態様と共通とされた第1特定予告演出が表示される時間は、第2特定予告演出が表示される時間よりも短い
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、

「演出を表示する表示手段と、
始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、特定の表示態様が表示された場合に遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であり、
前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンと、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンとがあり、
前記特定予告演出が前記第1特定予告演出パターンと前記第2特定予告演出パターンとのいずれのパターンで実行される場合においても、前記特定の表示態様が表示可能とされており、前記第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様と前記第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様は異なる演出態様で実行され、
前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間は、前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間よりも短くされており、
前記特定の表示態様が前記特定予告演出において表示されると、前記特定予告演出が終了した後の前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中に前記特定の表示態様と関連する演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。」
と補正するものである(下線は、補正前後の箇所を明示するために合議体が付した)。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
ア 本件補正前の請求項1の「特定予告演出」について、「前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、特定の表示態様が表示された場合に遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であり」と特定する補正。

イ 本件補正前の請求項1に「前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出と、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出とがあり」とあったものを「前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンと、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンとがあり」とする補正。

ウ 本件補正前の請求項1に「前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され」とあったものを「前記特定予告演出が前記第1特定予告演出パターンと前記第2特定予告演出パターンとのいずれのパターンで実行される場合においても、前記特定の表示態様が表示可能とされており、前記第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様と前記第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様は異なる演出態様で実行され」とする補正。

エ 本件補正前の請求項1に「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される前記第2特定予告演出の一部の演出態様と共通とされた第1特定予告演出が表示される時間は、第2特定予告演出が表示される時間よりも短い」とあったものを「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間は、前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間よりも短くされており」とする補正。

オ 本件補正前の請求項1の「特定の表示態様」について、「前記特定の表示態様が前記特定予告演出において表示されると、前記特定予告演出が終了した後の前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中に前記特定の表示態様と関連する演出を実行する」と特定する補正。

2 新規事項追加の有無について
上記1(2)エの補正は、「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間」と「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間」との関係について、前者が後者より「短くされて」いることを特定するものである。
ここで、本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0741】(審判請求書において、請求人が補正の根拠とした箇所)には、「具体的には、図163に示すように予告回数が3回目(本例では特定予告演出の最後の変動表示)では、変動時間が4秒となる保留数が1個又は2個の場合には『そんなAに玄人たちが襲いかかる』という説明が文字としてメイン液晶表示装置1600に表示されるのに対し、変動時間が13秒となる保留数が4個の場合には『才能を開花させていくAにてだれの玄人たちが襲いかかる』という説明が文字としてメイン液晶表示装置1600に表示され、変動時間が長いことでより詳しい説明がなされるようになっている。また、このような文字による説明に加えて変動時間が4秒となる保留数が1個又は2個の場合に比べて変動時間が13秒となる保留数が4個の場合にはより多くの映像が表示されるようになっている。このように変動時間が長い程演出内容が詳しくなることで遊技者は多くの情報を得ることができるようになっている。また、変動時間が長い程演出内容が詳しくなる説明をしてきたが、この変動時間が長くなって付加される演出によっては、特定予告演出を実行する起因となった保留に対しての期待度示唆を行うようにしても良い。例えば、図163での『才能を開花』の文字色を複数(例えば白・青・赤)用意しておくことで、特定予告演出自体にも期待を持って見ることができる。」と記載されている。当該記載から、「そんなAに玄人たちが襲いかかる」という表示と「才能を開花させていくAにてだれの玄人たちが襲いかかる」という表示は、表示の態様に特段の言及がないことからすれば、一度に全ての文字を表示するものと理解するのが相当である。
また、当初明細書等の他の記載を参照しても、上記1(2)エの補正は、明示的に記載されていない上に、当業者にとって自明な事項であるともいえない。
そうすると、時系列に沿って表示されることが自明であることを前提とした上記1(2)エの補正は、当業者にとって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術事項を超えて、新たな技術事項を導入するものであるから、当初明細書等の記載の範囲内の事項とはいえない。

なお、請求人は、当初明細書等の【0741】の記載をもって、「文字としてメイン液晶表示装置1600に表示される『そんなAに玄人たちが襲いかかる』という表示と『才能を開花させていくAにてだれの玄人たちが襲いかかる』という表示のいずれの表示も一度に全ての文字を表示するものでなく、時系列に沿って表示されるものであることが明らか」であることを主張している。
しかしながら、時系列に沿って表示されること、例えば、「才能を開花させていくAにてだれの玄人たちが襲いかかる」という表示について「才能を開花」という表示と「玄人たちが襲いかかる」という表示とが時系列に沿って表示されることは、【0741】には明示的に記載されていない。また、表示の態様として、一度に全ての文字を表示することも考えられる上に、仮に部分的に表示するとしても、時系列に沿うことなく文字を順次表示すること、例えば、「玄人たちが襲いかかる」という表示を「才能を開花」という表示より先に表示することも考えられることからすれば、時系列に沿って表示されることが、【0741】の記載から当業者にとって自明な事項であるともいえない。

3 本件補正の目的について
(1)上記1(2)アの補正は、当初明細書等の【0713】、【0719】及び【図163】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「特定予告演出」に関し、「前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、特定の表示態様が表示された場合に遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であり」と限定するものである。

(2)上記1(2)イの補正は、当初明細書等の【0741】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「特定予告演出」を「特定予告演出パターン」に限定するものである。

(3)上記1(2)ウの補正は、当初明細書等の【0741】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され」を「前記特定予告演出が前記第1特定予告演出パターンと前記第2特定予告演出パターンとのいずれのパターンで実行される場合においても、前記特定の表示態様が表示可能とされており、前記第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様と前記第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様は異なる演出態様で実行され」と限定するものである。

(4)上記1(2)エの補正は、当初明細書等の【0741】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される前記第2特定予告演出の一部の演出態様と共通とされた第1特定予告演出が表示される時間は、第2特定予告演出が表示される時間よりも短い」を「前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間は、前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間よりも短くされており」と限定するものである。

(5)上記1(2)オの補正は、当初明細書等の【0750】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「特定予告演出」に関し、「前記特定の表示態様が前記特定予告演出において表示されると、前記特定予告演出が終了した後の前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中に前記特定の表示態様と関連する演出を実行する」と限定するものである。

(6)本件補正は、上記(1)ないし(5)のとおり、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定する補正であるともいえる。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、について、以下検討する。

4 独立特許要件について
本願補正発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、について以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしNは、分説するため合議体が付した。

「A 演出を表示する表示手段と、
B 始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
C 該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
D 前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
E 前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
F 前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
G 前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
H 前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、特定の表示態様が表示された場合に遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であり、
I 前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
J 前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンと、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンとがあり、
K 前記特定予告演出が前記第1特定予告演出パターンと前記第2特定予告演出パターンとのいずれのパターンで実行される場合においても、前記特定の表示態様が表示可能とされており、前記第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様と前記第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様は異なる演出態様で実行され、
L 前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間は、前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間よりも短くされており、
M 前記特定の表示態様が前記特定予告演出において表示されると、前記特定予告演出が終了した後の前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中に前記特定の表示態様と関連する演出を実行する
N ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例
ア 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、原々出願の出願(出願日:平成26年6月13日)前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-46669号公報(平成25年3月7日出願公開、以下「引用文献1」という。)には、遊技機に関し、図面とともに次の事項が記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様)。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、第1始動領域を遊技媒体が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第1識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、第2始動領域を遊技媒体が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第2識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示手段とを備え、第2識別情報の可変表示は第1識別情報の可変表示に優先して実行され、第1可変表示手段または第2可変表示手段において導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったことにもとづいて特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機やスロット機等の遊技機に関する。
・・・略・・・
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
・・・略・・・
【0033】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0034】
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
・・・略・・・
【0041】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0042】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
・・・略・・・
【0116】
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
【0117】
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0118】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り)にすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
・・・略・・・
【0188】
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300?S307のうちのいずれかの処理を行う。
・・・略・・・
【0198】
図22は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0199】
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
【0200】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図23参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
【0201】
図23は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図23に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
【0202】
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS216A)。セットされていれば、ステップS219Aに移行する。時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS217A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には(すなわち、大当り遊技状態であれば)、ステップS219Aに移行する。
【0203】
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの可変表示結果をあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS218A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS219A)。
【0204】
なお、ステップS218Aの入賞時判定処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS219Aの処理で、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行う。
【0205】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
【0206】
また、この実施の形態では、ステップS216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態であることを条件に(確変状態でも時短状態でもない場合)ステップS218Aの入賞時判定処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS217Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態でないことを条件にステップS218Aの入賞時判定処理が実行される。
【0207】
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)に亘って大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)から大当り終了処理(ステップS307)までの処理が実行されている状態である。
【0208】
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
【0209】
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
【0210】
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
【0211】
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行し(ステップS218B)、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS219B)。
【0212】
図24は、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS300)において大当りとするか否かを決定したり、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、始動入賞にもとづく可変表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当りやスーパーリーチとなることを予告する連続予告演出を実行する。
【0213】
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされている場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。
【0214】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。
【0215】
CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS225)。具体的には、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には、図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)135Bを選択する。遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上であると判定した場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)135Bを選択する。また、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3未満であると判定した場合には、図11(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)135Aを選択する。そして、ステップS229に移行する。
・・・略・・・
【0243】
この実施の形態では、ステップS95?S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2-3が決定される場合があり、非リーチCA2-3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1-2が決定される(図13参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
・・・略・・・
【0309】
図39は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、特典演出選択処理(ステップS810)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800?S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
・・・略・・・
【0314】
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0315】
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
・・・略・・・
【0386】
入賞時判定結果の中に「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」および「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が存在する場合には、演出制御用CPU101は、連続予告決定用乱数を抽出する(ステップS8005)。そして、連続予告決定テーブルを用いて連続予告演出を実行するか否か決定する(ステップS8005)。
【0387】
図51は、連続予告決定テーブルを示す説明図である。図51(A)には、低確率低ベース状態で使用されるテーブルが示され、図51(B)には、高確率状態または高ベース状態で使用されるテーブルが示されている。連続予告決定テーブルには、連続予告演出を実行することに対応する判定値と、連続予告演出を実行しないことに対応する判定値とが設定されている。ただし、連続予告決定テーブルに連続予告演出を実行することに対応する判定値のみが設定されていてもよい。
・・・略・・・
【0398】
なお、この実施の形態では、大当りに関して「スーパーリーチ大当り」の場合に連続予告演出を実行可能であるようにしたが、「スーパーリーチ大当り」に限らず、入賞時判定結果記憶バッファに大当りの判定結果が存在すれば、連続予告演出を実行するか否かの決定を行うようにしてもよい。
・・・略・・・
【0400】
また、演出制御用CPU101は、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が存在すると判定した場合には、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果に対応する飾り図柄の可変表示(変動)が開始されるまでの各変動においてリーチが実行されるか否かも判定し、各変動においてリーチも実行されないと判定した場合に(すなわち、その判定結果の変動が開始されるまでの各変動について全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に)、ステップS8005?S8009の連続予告演出を決定するための処理を実行することが好ましい。すなわち、連続予告演出の実行中においてリーチ演出が実行されてしまったのでは、連続予告演出の連続性が損なわれて、連続予告演出による演出効果を十分に高めることができない可能性がある。そこで、判定対象となる変動が開始されるまでの各変動においてリーチも実行されないことを条件に連続予告演出を実行する場合があるように制御することが好ましい。なお、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が複数存在する場合には、そのうち最も早く開始条件が成立するものに対して、連続予告演出を決定するための処理を行うようにしてもよい。
【0401】
図52は、連続予告演出の演出態様の一例を示す説明図である。ここでは、第1特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行される場合を例にする。
【0402】
図52(1)に示すように、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、図52(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(図22におけるステップS218A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS219A参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図52(2)に示すように、受信した第1保留記憶数指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1増やす。そして、図52(3)に示すように、変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信し、はずれ図柄を停止表示したとする。
【0403】
演出制御用マイクロコンピュータ100が、次に飾り図柄の変動を開始するときに、図52(4)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らす。そして、図52(4)に示すように、飾り図柄の変動中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント3!」などの文字列を表示してカウントダウンを開始したかのような態様の演出を実行する。変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信すると、図52(5)に示すように、最終停止図柄(図52(5)に示す例でははずれ図柄)を停止表示(導出表示)する。
【0404】
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次に飾り図柄の変動を開始するときに、図52(6)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らす。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント2!」などの文字列を表示して継続してカウントダウンしているような態様の演出を実行する。そして、変動時間が終了して図柄確定指定コマンドを受信すると、図52(7)に示すように、最終停止図柄(図52(7)に示す例でははずれ図柄)を停止表示する。
【0405】
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次に飾り図柄の変動を開始するときに、図52(8)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らす。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント1!」などの文字列を表示して継続してカウントダウンしているような態様の演出を実行する。そして、変動時間が終了して図柄
確定指定コマンドを受信すると、図52(9)に示すように、最終停止図柄(図52(9)に示す例でははずれ図柄)を停止表示する。
【0406】
なお、この実施の形態では、連続予告演出として予告対象の可変表示までの可変表示残り回数を文字列によって報知するいわゆるカウントダウン予告を使用するが、複数回の可変表示に亘って一連のストーリーを形成する演出であれば、カウントダウン予告以外の態様の演出を連続予告演出として使用してもよい。一連のストーリーを形成する演出は、各々の回の可変表示中に実行される演出の内容とそれに続く可変表示中に実行される演出の
内容とが連関している(内容に関連性がある)一連の演出である。」

(イ)「【図11】



(ウ)「【図52】



(エ)上記(ア)の【0243】には、「合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある」ことが記載されているところ、上記(イ)の【図11】(B)の図示内容から、短縮変動の変動表示は、いずれも、はずれ用変動パターンであることは明らかである。また、上記(イ)の【図11】(A)(B)から、はずれ用変動パターンは、合算保留記憶数が0?2である場合の通常用と合算保留記憶数が3以上である場合の短縮用とがあることが見てとれる。さらに、上記(ア)の【0212】ないし【0215】に記載された入賞時判定処理の一連の流れにおいて、「連続予告演出を実行する」(【0212】)ことと、「遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上であると判定した場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)135Bを選択する。また、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3未満であると判定した場合には、図11(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)135Aを選択する」(【0215】)こととが記載されている。ここで、図11(A)及び(B)の図示内容から、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)135Aは、通常用のはずれ用変動パターンを選択するものであって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)135Bは、短縮用のはずれ用変動パターンを選択するものであることが見て取れる。そうすると、引用文献1には、連続予告演出において、それら短縮用と通常用のはずれ用変動パターンを使用可能であることは記載されているに等しい事項であると認められる。

(オ)上記(ア)の【0401】ないし【0405】及び上記(ウ)の【図52】には、連続予告演出の演出態様の一例であって、第1特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行される場合について説明されているところ、それら記載内容と図示内容とから、連続予告演出は、リーチを伴うことなく、はずれ図柄が停止される可変表示中に実行可能なものであることは明らかである。

(カ)上記(ア)の【0200】に、「・・・次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図23参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。・・・」と記載されていることからすれば、CPU56が、カウンタから抽出し、保存領域に格納する値は、「ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)」であることは明らかである。そうすると、引用文献1には、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから大当り判定用乱数などの値を抽出することが記載されていると認められる。
また、同様に、上記(ア)の【0210】に、「そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。」と記載されていることからすれば、CPU56が、カウンタから抽出し、保存領域に格納する値は、「ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)」であることは明らかである。
そうすると、引用文献1には、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから大当り判定用乱数などの値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行することが記載されていると認められる。

(キ)上記(ア)ないし(カ)の記載内容からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、aないしnについては本願補正発明のAないしNに対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

「a 演出表示装置9(【0034】)と、
d 飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う飾り図柄変動停止処理(【0314】)や、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う大当り表示処理(【0315】)など、演出表示装置9の表示状態が制御される演出制御プロセス処理を実行する演出制御用CPU101(【0309】)と、
e 第1保留記憶数または第2保留記憶数の上限値に対応した保存領域が確保されている第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(【0201】)と、
b、c 主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)(【0188】)と、を備え、
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認し、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認し(【0041】、【0199】)、第1保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから大当り判定用乱数などの値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行し(【0200】、上記(カ))、次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行し(【0211】)、入賞時判定処理では、大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較して、それらが一致するか否かを確認し、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりし(【0212】)、
CPU56は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球を検出する第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認し、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認し(【0042】、【0208】)、第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(【0209】)、そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから大当り判定用乱数などの値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行し(【0210】、上記(カ))、次いで、入賞時判定処理を実行し(【0211】)、
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され(【0033】)、
f、g 遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、始動入賞にもとづく可変表示が開始される前に、CPU56が入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認し(【0212】)、入賞時判定結果の中に「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」および「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が存在する場合には、演出制御用CPU101は、連続予告決定用乱数を抽出し、そして、連続予告決定テーブルを用いて連続予告演出を実行するか否か決定し(【0386】)、また、演出制御用CPU101は、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が存在すると判定した場合には、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果に対応する飾り図柄の可変表示(変動)が開始されるまでの各変動において全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に、連続予告演出を決定するための処理を実行し(【0400】)、そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当りやスーパーリーチとなることを予告する連続予告演出を実行し(【0212】)、
h 連続予告演出は、大当りやスーパーリーチとなることを予告するものであり(【0212】)、連続予告演出は、リーチを伴うことなく、はずれ図柄が停止される可変表示中に実行可能なものであり(上記(オ))、
i、j 合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合があり(【0243】)、ここで、短縮変動の変動表示は、いずれも、はずれ用変動パターンであり、はずれ用変動パターンは、合算保留記憶数が0?2である場合の通常用と合算保留記憶数が3以上である場合の短縮用とがあり、連続予告演出において、それら短縮用と通常用のはずれ用変動パターンを使用可能である(上記(エ))、
n パチンコ遊技機1(【0019】)。」

イ 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、原々出願の出願(出願日:平成26年6月13日)前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-64793号公報(平成26年4月17日出願公開、以下「引用文献2」という。)には、遊技機の発明に関し、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した)。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、複数回の当たり判定の結果を報知する間に連続演出を実行する遊技機に関する。
・・・略・・・
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。
・・・略・・・
【0026】
判定結果が大当たりの場合には、リーチ演出を実行する変動パターンが必ず決定される。一方で、判定結果がはずれの場合には、リーチ演出を実行しない「非リーチ」の変動パターンが決定される割合が最も高い。リーチ演出は、複数のデモ図柄のうちの一部を停止させた状態で行われる演出であり、大当たりの可能性があることを示す。本実施形態におけるリーチ演出には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,E、プレミアリーチ演出X,Yの8種類がある。図5に示すように、判定結果が大当たりの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が低くなる。また、プレミアリーチ演出X,Yは、判定結果が大当たりの場合にのみ決定され得る。従って、リーチ演出において示される大当たり判定の結果が大当たりとなる確率(信頼度)は、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,E、プレミアリーチ演出X,Yの順に高くなる。
・・・略・・・
【0049】
図9および図10を参照して、本実施形態において実行される連続演出の態様について説明する。連続演出とは、複数回の報知演出に亘って連続して実行可能な演出である。本実施形態では、主基板41で先読みされた情報に応じて連続演出が制御される。詳細には、大当たり判定の結果がはずれの場合よりも大当たりの場合の方が、多くの報知演出に亘る連続演出が実行され易い。また、信頼度の高い変動パターンが指定された場合の方が、信頼度の低い変動パターンが指定された場合よりも、多くの報知演出に亘る連続演出が実行され易く、且つ、連続演出が実行される割合自体も高くなる。
【0050】
図9および図10に示すように、本実施形態の連続演出は、表示画面28(図2参照)の表示領域80において実行される。本実施形態において、各報知演出において実行される連続演出には、通常連続演出と短時間連続演出が設けられている。通常連続演出は、報知演出の演出時間(変動時間)が所定時間よりも長い場合に実行される連続演出である。短時間連続演出は、報知演出の演出時間が所定時間以下の場合に実行される連続演出である。(以下では、演出時間が所定時間(本実施形態の通常状態では4秒)以下の報知演出を「短縮変動」という場合がある。)なお、時短状態中と通常状態中とでは、短縮変動であるか否かを判断する閾値となる所定時間が異なるのみである。従って、以下では、説明を簡略化するために、通常状態中の処理についてのみ説明を行う。図9で例示する連続演出が通常連続演出であり、図10で例示する連続演出が短時間連続演出である。
【0051】
通常連続演出について説明する。図9に示すように、報知演出において通常連続演出が実行される場合、デモ図柄81の変動が開始した後に、連続演出シナリオ実行領域84が、表示領域80内のデモ図柄81の前面に形成される。連続演出シナリオ実行領域84では、複数回の報知演出に亘って実行され得る連続演出が行われていることを示す連続演出シナリオ映像が表示される。
【0052】
なお、連続演出が行われていることを示す方法は、適宜変更できる。例えば、背景にキャラクタを登場させることで、連続演出が行われていることを遊技者に示してもよい。表示画面28の外部に設けられたLEDの点灯・点滅を用いてもよいし、可動役物30を動作させてもよい。
【0053】
次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示される。本実施形態では、各デモ図柄81には、デモ図柄81と共に変動する付加図柄82が付されている。詳細には、1・4・7には「★」の付加図柄82が、2・5・8には「△」の付加図柄82が、3・6・9には「○」の付加図柄82が付されている。本実施形態のチャンス目は、3つのデモ図柄81のうちの左右のデモ図柄81が同一でなく(つまり、リーチにはならず)、且つ、3つのデモ図柄81の各々に付された付加図柄82が全て同一となる組み合わせである。
【0054】
なお、チャンス目の態様も適宜変更できる。例えば、ゾロ目をチャンス目としてもよい。左・中・右の少なくともいずれかにチャンス図柄を確定表示させることで、チャンス目であることを遊技者に示してもよい。また、本実施形態のパチンコ機1は、チャンス目を確定表示させることで、連続演出が継続することをより分かりやすく遊技者に報知する。しかし、チャンス目を確定表示させずに、連続演出シナリオのみを用いて連続演出を実行することも可能である。
【0055】
次いで、デモ図柄81の前面に、継続表示実行領域86が形成される。継続表示実行領域86には、連続演出が次回の報知演出でも継続することを示す継続表示(本実施形態では「NEXT」の表示)が行われる。以上で、一連の通常連続演出が終了する。なお、連続演出が次回の報知演出まで継続しない場合には、チャンス目は停止せずに、単なるはずれを示すデモ図柄81の組み合わせ、または、リーチの組み合わせ(リーチ演出を実行する場合)が確定表示される。この場合、「NEXT」の表示も行われない。つまり、連続演出を実行する1または複数の報知演出のうちの最後の報知演出では、連続演出が行われていることを示す連続演出シナリオ映像の表示のみが実行される。
【0056】
なお、継続表示の態様が変更できることは言うまでも無い。例えば、継続表示実行領域86を形成せずに、表示領域80上に直接「NEXT」の表示だけを行うことも可能である。また、連続演出が継続することを、LED、可動役物30等を用いて表示してもよい。パチンコ機1は、継続表示を行うことで、連続演出が継続することを容易に遊技者に認識させることができる。
【0057】
短時間連続演出について説明する。図10に示すように、報知演出において短時間連続演出が実行される場合、デモ図柄の変動が開始する時点(つまり、報知演出が開始する時点)から、継続表示実行領域86において「NEXT」の継続表示が実行される。従って、前回の報知演出以前から連続演出が継続している場合には、前回の報知演出の終了時に表示されていた継続表示実行領域86がそのまま継続して表示されることになる。よって、パチンコ機1は、連続演出中に短縮変動を実行する場合でも、連続演出が継続することを分かりやすく遊技者に報知することができる。また、前回の報知演出において連続演出が実行されなかった場合には、短時間連続演出の開始時に継続表示を行うことで、連続演出が開始されたことを容易に遊技者に把握させることができる。
【0058】
次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、継続表示実行領域86が形成されたまま、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示される。また、本実施形態では、演出時間が4秒以下の短縮変動が実行されるのは、「非リーチ」の変動パターンが指定された場合のみである。従って、次回の報知演出まで連続演出が継続しない場合には、チャンス目は停止せずに、単なるはずれを示すデモ図柄81の組み合わせが確定表示される。この場合、継続表示実行領域86は消去されて、連続演出が終了したことが遊技者に報知される。
【0059】
図11および図12を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
【0060】
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から先読み結果通知コマンドを受信したか否かが判断される(S81)。前述したように、主基板41のCPU51は、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞を契機として乱数を新たに取得すると、取得した乱数に基づいて、大当たり判定の結果についての情報、および変動パターンについての情報を先読みする。先読みした情報を、先読み結果通知コマンドによってサブ制御基板58に通知する。サブ制御基板処理では、先読み結果通知コマンドを受信すると(S81:YES)、コマンドによって通知された先読み情報がRAM582に記憶されて(S82)、処理はS83の判断へ移行する。先読み結果通知コマンドを受信していなければ(S81:NO)、処理はそのままS83の判断へ移行する。
【0061】
次いで、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S83)。受信していない場合(S83:NO)、処理はそのままS86の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S83:YES)、報知演出制御処理が実行されて(S84)、処理はS86の判断へ移行する。報知演出制御処理では、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される。また、連続演出を実行するか否かを決定する処理、報知演出において連続演出を実行する処理等も行われる。報知演出制御処理の詳細については、図12を参照して後述する。
【0062】
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S86)。受信していなければ(S86:NO)、処理はS88の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S86:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄81の組み合わせが確定表示されて(S87)、処理はS88の判断へ移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S88)。受信していなければ(S88:NO)、処理はそのままS81の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S88:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S89)、処理はS81の判断へ戻る。
【0063】
図12を参照して、報知演出制御処理について詳細に説明する。前述したように、報知演出制御処理は、変動パターン指定コマンドを受信した場合に実行される。まず、報知演出を開始することに伴い、RAM52に記憶されている保留球数が「1」減算される(S91)。なお、図示しないが、サブ制御基板58のCPU581は、保留球数が増加したことを示すコマンドを主基板41から受信した場合に、保留球数を「1」加算する。これにより、その時点における保留球数を管理する。次いで、連続演出の実行中であるか否かが、連続演出実行回数カウンタNの値によって判断される。連続演出実行回数カウンタNは、連続演出を実行する報知演出の残り回数を計数するカウンタである。カウンタNの値が1以上であり、連続演出の実行中である場合には(S92:YES)、連続演出を伴う報知演出の制御が実行される(S98?S107)。この詳細は後述する。
【0064】
連続演出実行回数カウンタNの値が0であり、連続演出の実行中でないと判断された場合(S92:NO)、連続演出を実行するか否かが、RAM52に記憶されている先読み情報と保留球数に応じて決定される(S93)。S93では、先読みされた大当たり判定の結果が全てはずれである場合(全ての保留球に対する大当たり判定の結果がいずれもはずれである場合)よりも、大当たりとなる保留球が含まれている場合の方が、連続演出が実行される割合が高く、且つ、多くの報知演出に亘る連続演出が実行される割合が高くなるように、処理が行われる。また、信頼度の高い変動パターン(図5参照)が決定されることが先読みされた場合の方が、信頼度の低い変動パターンのみが先読みされている場合よりも、多くの報知演出に亘る連続演出が実行され易く、且つ、連続演出が実行される割合自体も高くなるように、処理が行われる。従って、遊技者は、連続演出が実行されることを期待して遊技を楽しむことができる。また、連続演出が実行されると、より多くの報知演出に亘って連続演出が行われることを期待して、連続演出を楽しむことができる。なお、S93では、1回の報知演出のみで連続演出を終了させる決定(所謂「ガセ演出」)を行ってもよい。
・・・略・・・
【0071】
図13の上部に示す例では、まず、保留球数が2個となった状態で1回目の報知演出が開始される。1回目の報知演出は、「非リーチ」の変動パターンに従って実行される。1回目のデモ図柄81の変動は短縮変動ではないため、通常連続演出が実行される。通常連続演出では、デモ図柄81の変動が開始して高速変動状態とされた後で、連続演出シナリオ実行領域84が形成されて連続演出シナリオ映像が表示される。短縮変動でなければ、連続演出シナリオ映像を表示させる十分な時間があるため、遊技者は、連続演出が実行されている旨を映像によって容易に把握することができる。次いで、チャンス目が停止した後に、「NEXT」の継続表示が行われて、1回目の報知演出が終了する。2回目の報知演出も「非リーチ」の変動パターンに従って実行される。2回目の報知演出が開始されるまでの間に保留球は追加されていないため、2回目の報知演出も短縮変動とはならない。よって、2回目の報知演出および連続演出の態様は、1回目の報知演出および連続演出の態様と同じである。3回目の報知演出は、「リーチ演出E」の変動パターンに従って実行される。3回目の報知演出では、デモ図柄が高速変動状態とされた後で、1回目および2回目と同様に連続演出シナリオ映像が表示される。次いで、デモ図柄81がリーチの組み合わせで停止した後に、「リーチ演出E」が変動パターンに従って実行される。
【0072】
図13の下部に示す例では、まず、保留球数が2個となった状態で1回目の報知演出が開始される。1回目の変動パターンは「非リーチ」の変動パターンであり、短縮変動でもないため、図13の上部に示す1回目の報知演出および連続演出と同じ態様の演出が実行される。しかし、図13の下部に示す例では、1回目の報知演出中に保留球が2個追加されている。その結果、2回目の報知演出が開始される時点で保留球数が3個となり、2回目の「非リーチ」の変動が短縮変動で実行される。従って、2回目の報知演出において実行される連続演出は短時間連続演出となり、1回目の報知演出の最後に表示された「NEXT」の継続表示がそのまま継続される。連続演出は次回の報知演出まで継続されるため、デモ図柄81はチャンス目で停止し、且つ、「NEXT」は2回目の報知演出の最後まで表示される。よって、遊技者は、短縮変動である2回目の報知演出においても、連続演出が実行されていることを容易に認識できる。3回目の変動パターンは「リーチ演出E」の変動パターンであり、図13の上部に示す3回目の報知演出および連続演出と同じ態様の演出が実行される。
・・・略・・・
【0078】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、上記実施形態のパチンコ機1は、「NEXT」または連続演出シナリオ映像を表示画面28の表示領域80内に表示させることで、連続演出の実行中であることを遊技者に報知する。しかし、連続演出の実行中であることを遊技者に報知する方法は、表示画面28を用いる方法に限定されない。例えば、可動役物30、LED等を用いてもよいし、表示画面28とは別の表示装置を用いてもよい。
【0079】
また、連続演出の実行中であることを短縮変動中に遊技者に報知する方法も、適宜変更できる。例えば、短縮変動中には、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させてもよい。」

(イ)「【図9】



(ウ)「【図10】



(エ)「【図13】



(オ)上記(ア)の【0051】ないし【0058】における「・・・報知演出において通常連続演出が実行される場合、デモ図柄81の変動が開始した後に、連続演出シナリオ実行領域84が、表示領域80内のデモ図柄81の前面に形成される。連続演出シナリオ実行領域84では、複数回の報知演出に亘って実行され得る連続演出が行われていることを示す連続演出シナリオ映像が表示される。・・・次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示される。・・・次いで、デモ図柄81の前面に、継続表示実行領域86が形成される。継続表示実行領域86には、連続演出が次回の報知演出でも継続することを示す継続表示(本実施形態では「NEXT」の表示)が行われる。以上で、一連の通常連続演出が終了する。・・・報知演出において短時間連続演出が実行される場合、デモ図柄の変動が開始する時点(つまり、報知演出が開始する時点)から、継続表示実行領域86において「NEXT」の継続表示が実行される。従って、前回の報知演出以前から連続演出が継続している場合には、前回の報知演出の終了時に表示されていた継続表示実行領域86がそのまま継続して表示されることになる。・・・次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、継続表示実行領域86が形成されたまま、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示される。」との記載事項や、上記(ア)の【0071】ないし【0072】の記載事項、上記(イ)ないし(エ)の【図9】、【図10】及び【図13】の図示内容から、短縮変動が入らない場合、すなわち、通常連続演出が実行される場合と、短縮変動が入る場合、すなわち、短時間連続演出が実行される場合との両方において、デモ図柄の確定表示中に「NEXT」の継続表示を行う一方で、通常連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行わないものの、短時間連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行うことが見てとれる。

(カ)上記(ア)ないし(オ)の記載内容からみて、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。

「主基板41で先読みされた情報に応じて連続演出が制御され、連続演出とは、複数回の報知演出に亘って連続して実行可能な演出であり、大当たり判定の結果がはずれの場合よりも大当たりの場合の方が、多くの報知演出に亘る連続演出が実行され易く(【0049】)、各報知演出において実行される連続演出には、通常連続演出と短時間連続演出が設けられており、通常連続演出は、報知演出の演出時間(変動時間)が所定時間よりも長い場合に実行される連続演出であり、短時間連続演出は、報知演出の演出時間が所定時間以下の場合に実行される連続演出であり(【0050】)、
通常連続演出と短時間連続演出との両方において、デモ図柄の確定表示中に「NEXT」の継続表示を行う一方で、通常連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行わないものの、短時間連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行い(上記(オ))、
主基板41のCPU51は、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞を契機として乱数を新たに取得すると、取得した乱数に基づいて、大当たり判定の結果についての情報、および変動パターンについての情報を先読みし、先読みした情報を、先読み結果通知コマンドによってサブ制御基板58に通知し、サブ制御基板処理では、先読み結果通知コマンドを受信されると、コマンドによって通知された先読み情報が記憶され(【0060】)、報知演出制御処理において、連続演出の実行中であるか否かが、連続演出実行回数カウンタNの値によって判断され、連続演出実行回数カウンタNは、連続演出を実行する報知演出の残り回数を計数するカウンタであり、カウンタNの値が1以上であり、連続演出の実行中である場合には、連続演出を伴う報知演出の制御が実行され(【0063】)、連続演出実行回数カウンタNの値が0であり、連続演出の実行中でないと判断された場合、連続演出を実行するか否かが、記憶されている先読み情報と保留球数に応じて決定され(【0064】)、
短縮変動中には、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させてもよい(【0079】)、
パチンコ機1(【0012】)。」

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(n)は、本願補正発明のAないしNに対応させている。

(a)引用発明の「演出表示装置9」は、本願補正発明の「演出を表示する表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項aは、本願補正発明の特定事項Aに相当する。

(b)引用発明の「第1始動条件または第2始動条件」、すなわち、「遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)」することは、本願補正発明の「始動条件」に相当する。そして、引用発明において、CPU56は、第1始動条件または第2始動条件(始動条件)の成立時に、第1保留記憶または第2保留記憶を取得する手段を有するものであるところ、この「第1保留記憶または第2保留記憶」は、本願補正発明の「始動情報」に相当するといえる。そうすると、引用発明の「CPU56」は、本願補正発明の「取得手段」に相当する機能を具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項b、cは、本願補正発明の特定事項Bを具備する。

(c)引用発明の「可変表示の開始条件」、すなわち、「保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態」は、本願補正発明の「開始条件」に相当する。ここで、引用発明において、第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)のうち、可変表示の開始条件(開始条件)が成立した第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)から順次、可変表示が開始されることは技術常識である。そして、引用発明において、CPU56は、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否かを決定する処理を行うものであるところ、この「大当りとするか否かを決定」することは、本願補正発明の「所定の当落抽選を行う」ことに相当するといえる。そうすると、引用発明の「CPU56」は、第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)のうち、可変表示の開始条件(開始条件)が成立した第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)に基づいて大当りとするか否かを決定する(所定の当落抽選を行う)手段を有するものといえるから、本願補正発明の「開始時抽選手段」に相当する機能を具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項b、cは、本願補正発明の特定事項Cを具備する。

(d)引用発明の「大当り」、「ファンファーレ画面」は、それぞれ、本願補正発明の「当選抽選結果」、「特別の表示結果」に相当する。また、引用発明において、大当りか否かを決定(当落抽選)した結果、大当り(当選抽選結果)でない、すなわち、はずれと決まった場合には、演出表示装置9にファンファーレ画面(特別の表示結果)でない表示結果が表示されることは明らかであるところ、この「はずれ」、「ファンファーレ画面でない表示結果」が、それぞれ、本願補正発明の「落選抽選結果」、「非特別の表示結果」に相当するといえる。そうすると、引用発明の「演出制御用CPU101」は、CPU56(開始時抽選手段)によって大当りか否かを決定(当落抽選)した結果、大当り(当選抽選結果)である場合に、演出表示装置9(表示手段)にファンファーレ画面(特別の表示結果)を導出表示させる一方、CPU56(開始時抽選手段)によって大当りか否かを決定(当落抽選)した結果、はずれ(落選抽選結果)である場合に、演出表示装置9(表示手段)にファンファーレ画面でない表示結果(非特別の表示結果)を導出表示させる手段を有するものといえるから、本願補正発明の「表示制御手段」に相当する機能を具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項dは、本願補正発明の特定事項Dを具備する。

(e)引用発明の「第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ」は、第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)の上限値に対応した保存領域が確保されているものであって、格納されている第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)は、可変表示の開始前、すなわち、可変表示の開始条件(開始条件)が成立する前のものであることは明らかである。そうすると、引用発明の「第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ」は、CPU56(取得手段)が取得した第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)のうち、可変表示の開始条件(開始条件)が成立していない第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)を記憶するものであるから、本願補正発明の「記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項eは、本願補正発明の特定事項Eを具備する。

(f)引用発明の「遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング」は、大当りか否かを決定(当落抽選)する以前であることは明らかであるから、本願補正発明の「前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前」に相当する。また、引用発明の「変動パターン」は、本願補正発明の「変動態様」に相当する。ここで、引用発明において、「CPU56が入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認」することは、換言すれば、大当り(当選抽選結果)と判定される値に属しているか否かと、複数の変動パターン(変動態様)のうちいずれの変動パターン(変動態様)で表示制御されることとなるかと、を判別することを意味しているものと認められる。そうすると、引用発明の「CPU56」は、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで(前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に)、その始動入賞した第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)が大当り(当選抽選結果)と判定される値に属しているか否かと、複数の変動パターン(変動態様)のうちいずれの変動パターン(変動態様)で表示制御されることとなるかと、を判別する手段を有するものといえるから、本願補正発明の「事前判別手段」に相当する機能を具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項f、gは、本願補正発明の特定事項Fを具備する。

(g)引用発明において、変動パターン種別が「非リーチはずれ」であることは、大当り(当選抽選結果)でなく、かつ、変動パターン(変動態様)が非リーチだと判別されたことを意味するから、「非リーチはずれ」の態様は、本願補正発明における「通常落選態様」に相当するといえる。そして、引用発明の「抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果に対応する飾り図柄の可変表示が開始されるまでの各変動において全て『非リーチはずれ』と判定されている場合」は、「非リーチはずれ」の態様(通常落選態様)となると判別された第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)だけが第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(記憶手段)に記憶されている状態だといえるから、本願補正発明の「通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態」に相当する。ここで、引用発明において、連続予告演出は、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果に対応する飾り図柄の可変表示が開始されるまでの各変動において全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に(通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で)、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」を示す判定結果が存在すると判定されると、その処理の実行が決定されるものであるところ、この「『スーパーリーチ大当り』を示す判定結果が存在すると判定」した状態が、本願補正発明の「前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態」に相当するといえる。そうすると、引用発明の「連続予告演出」は、本願補正発明の「特定予告演出」に相当し、その結果、引用発明の「演出制御用CPU101」は、連続予告演出(特定予告演出)を実行する手段を有するものであるから、本願補正発明の「予告実行手段」に相当する機能を具備するものといえる。
したがって、引用発明の特定事項f、gは、本願補正発明の特定事項Gを具備する。

(h)上記(g)で説示したとおり、引用発明において、連続予告演出(特定予告演出)は、「非リーチはずれ」の態様(通常落選態様)となると判別された第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)の可変表示の開始条件(開始条件)が成立した際に実行される変動中において実行可能であるといえるから、引用発明は、本願補正発明の「前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされている」ことを具備するものといえる。
また、引用発明において、連続予告演出(特定予告演出)は、大当りやスーパーリーチとなることを予告するものであるから、遊技者に対して第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(記憶手段)に記憶されている第1保留記憶または第2保留記憶(始動情報)が大当りである可能性が高いこと、すなわち、ファンファーレ画面(特別の表示結果)が導出される可能性が高いことを示唆する演出であるといえる。
そうすると、引用発明の特定事項hと、本願補正発明の特定事項Hとは、「『前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、』『遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であ』」る点で共通する。

(i)引用発明において、「合算保留記憶数」は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算したものであるから、「合算保留記憶数が3以上である場合」は、保留記憶バッファ(記憶手段)に記憶される保留記憶(始動情報)の記憶数が3以上である場合といえることは明らかである。また、引用発明において、短縮変動の変動表示は、いずれも、はずれ用変動パターンであるから、ファンファーレ画面でない表示結果(非特別の表示結果)を導出表示させるものであるところ、その表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させるものであることは明らかである。そうすると、引用発明は、合算保留記憶数が3以上であることに応じて、すなわち、保留記憶バッファ(記憶手段)に記憶される保留記憶(始動情報)の記憶数に応じて、ファンファーレ画面でない表示結果(非特別の表示結果)を導出表示させるまでの期間を短縮させる短縮変動の変動表示を実行可能なものであるから、本願補正発明の「前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であ」ることを具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項i、jは、本願補正発明の特定事項Iを具備する。

(j)引用発明は、連続予告演出(特定予告演出)において、通常用と短縮用のはずれ用変動パターンを使用可能なものであって、合算保留記憶数が0?2である場合には通常用のはずれ変動用パターンが用いられ、合算保留記憶数が3以上である場合には短縮用のはずれ用変動パターンが用いられるものである。ここで、その「短縮用のはずれ用変動パターン」は、保留記憶(始動情報)の記憶数に応じてファンファーレ画面でない表示結果(非特別の表示結果)を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行されるものであるから、本願補正発明の「第1特定予告演出パターン」に相当し、さらに、その「通常用のはずれ用変動パターン」は、当該期間が短縮されなかったときに実行されるものであるから、本願補正発明の「第2特定予告演出パターン」相当する。そうすると、引用発明において、連続予告演出(特定予告演出)には、短縮用のはずれ用変動パターン(第1特定演出パターン)と、通常用のはずれ用変動パターン(第2特定演出パターン)とがあるといえるから、引用発明は、本願補正発明の「前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンと、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンとがあ」ることを具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項i、jは、本願補正発明の特定事項Jを具備する。

(n)引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項nは、本願補正発明の特定事項Nに相当する。

イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 演出を表示する表示手段と、
B 始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
C 該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
D 前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
E 前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
F 前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
G 前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
H’前記予告実行手段によって実行される前記特定予告演出は、前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない前記通常落選態様となると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中において実行可能とされているとともに、遊技者に対して前記記憶手段に記憶されている前記始動情報にて前記特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であり、
I 前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
J 前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンと、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンとがある、
N 遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点1(特定事項H)
本願補正発明では、「特定予告演出」は、「特定の表示態様が表示された場合に」特別の表示結果が導出される可能性が高いことを示唆する演出であるのに対して、
引用発明では、連続予告演出(特定予告演出)は、大当りやスーパーリーチとなることを予告するものであるものの、「特定の表示態様が表示された場合に」大当りとなることを予告する演出であることについて特定がない点。

・相違点2(特定事項KないしM)
「特定予告演出」に関し、
本願補正発明では、「前記特定予告演出が前記第1特定予告演出パターンと前記第2特定予告演出パターンとのいずれのパターンで実行される場合においても、前記特定の表示態様が表示可能とされており、前記第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様と前記第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示される場合の演出態様は異なる演出態様で実行され、
前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間は、前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出パターンで前記特定の表示態様が表示されることとなる前記特定予告演出が開始されてから前記特定の表示態様が表示されるまでの時間よりも短くされており、
前記特定の表示態様が前記特定予告演出において表示されると、前記特定予告演出が終了した後の前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された前記始動情報の前記開始条件が成立した際に実行される変動中に前記特定の表示態様と関連する演出を実行する」のに対して、
引用発明では、そのような特定がない点。

(4)判断
ア 相違点1について検討する。
引用発明において、連続予告演出(特定予告演出)は、大当りとなることを予告する演出であることからすれば、当該演出中であることを示す表示態様であればどのような表示態様であっても、その表示態様が表示された場合に、遊技者に対して大当りであることを予告すること、換言すれば、ファンファーレ画面(特別の表示結果)が導出される可能性が高いことを示唆することになることは、当業者にとって自明であるといえる。
そうすると、上記相違点1は実質的には相違点とはいえないものである。

イ 相違点2について検討する。
引用文献2記載事項は、大当たり判定の結果についての情報、および変動パターンについての情報を先読みして、その先読み情報に基づいて連続演出を実行するパチンコ機1において、報知演出の演出時間が所定時間よりも長い場合に実行される通常連続演出と、報知演出の演出時間が所定時間以下の場合に実行される短時間連続演出とがあり、通常連続演出と短時間連続演出との両方において、デモ図柄の確定表示中に「NEXT」の継続表示を行う一方で、通常連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行わないものの、短時間連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行うことや、短縮変動中、すなわち、短時間連続演出中には、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させてもよいというものである。
ここで、引用発明について、上記4(2)ア(ア)の【0406】には、「複数回の可変表示に亘って一連のストーリーを形成する演出・・・を連続予告演出として使用してもよい」ことが記載されている。また、引用文献2記載事項について、上記4(2)イ(ア)の【0051】には、「通常連続演出が実行される場合・・・複数回の報知演出に亘って実行され得る連続演出が行われていることを示す連続演出シナリオ映像が表示される」ことが記載されているところ、上記4(2)イ(ア)の【0071】ないし【0072】の記載事項や、上記4(2)イ(エ)の【図13】の図示内容から、引用文献2記載事項においても、報知演出は可変表示ごとに実行されるものであることは明らかである。
そうすると、引用発明と引用文献2記載事項とは、いずれも、パチンコ遊技機において、複数回の可変表示に亘ってストーリー性のある映像が表示され得る連続予告演出を行う点で共通するから、引用発明において、引用文献2記載事項における通常連続演出と短時間連続演出とを採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。そして、その結果、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示を行うことと、短時間連続演出において通常連続演出で表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生することとは、それぞれ、本願補正発明の「特定の表示態様」と「異なる演出態様」とに相当するといえるから、本願補正発明の特定事項Kを充足することは明らかである。さらに、短時間連続演出の方が、通常連続演出よりも、連続演出が開始されてから、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示(特定の表示態様)を行うまでの時間が短いことは、上記4(2)イ(エ)の【図13】の図示内容から明らかであるから、本願補正発明の特定事項Lを充足することも明らかである。また、上記4(2)イ(ア)の【0071】ないし【0072】の記載事項や上記4(2)イ(エ)の【図13】の図示内容から、連続演出において、3回目の報知演出でリーチ演出E変動パターンが実行される例が示されていることが見て取れるところ、上記4(2)イ(ア)の【0026】に、「判定結果が大当たりの場合には、リーチ演出を実行する変動パターンが必ず決定される。一方で、判定結果がはずれの場合には、リーチ演出を実行しない『非リーチ』の変動パターンが決定される割合が最も高い。リーチ演出は、複数のデモ図柄のうちの一部を停止させた状態で行われる演出であり、大当たりの可能性があることを示す。・・・判定結果が大当たりの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が低くなる。」と記載されていることからすれば、前記3回目の報知演出は、遊技者に対して大当りとなる期待を強く抱かせる演出であると認められる。
そうすると、例示された連続演出において、3回目の報知演出は遊技者に対して大当りとなる期待を強く抱かせる演出であるところ、当該演出は、1、2回目の報知演出で「NEXT」の継続表示が表示されたことに応じて開始された演出であることからすれば、それらの継続表示と関連する演出ともいえるから、本願補正発明の特定事項Mを充足することも明らかである。
また、引用発明に引用文献2記載事項を適用した結果、本願補正発明の特定事項KないしMを充足するか否かについては、次のように考えることもできる。まず、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示を行うことと、通常連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行わないものの、短時間連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行うこととは、それぞれ、本願補正発明の「特定の表示態様」と「異なる演出態様」とに相当するといえるから、本願補正発明の特定事項Kを充足することは明らかである。さらに、上述のように、「NEXT」の継続表示がなされることとなる連続演出が開始されてからデモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示(特定の表示態様)がなされるまでの時間は、短時間連続演出の方が通常連続演出よりも短いといえるから、本願補正発明の特定事項Lを充足することも明らかである。また、上述のように、例示された連続演出において、3回目の報知演出は遊技者に対して大当りとなる期待を強く抱かせる演出であるところ、当該演出は、1、2回目の報知演出で「NEXT」の継続表示が表示されたことに応じて開始された演出であることからすれば、それらの継続表示と関連する演出ともいえるから、前記デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示(特定の表示態様)を行うこととも関連する演出といえる。そうすると、本願補正発明の特定事項Mを充足することも明らかである。

ウ 以上のとおりであるから、引用発明において、相違点2に係る本願補正発明の特定事項のようになすことは、当業者が引用文献2記載事項に基づいて容易に想到し得たことである。

エ また、本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用文献2記載事項の奏する効果から予測することができた程度のものである。

(5)審判請求人の主張について
ア 審判請求人は、審判請求書において、概略以下の通り主張している。
「[4]本願発明が特許されるべき理由
(A)審査官殿のご認定について
・・・略・・・
このため、審査官殿の『保留球数に応じて短縮変動が実行されたときに実行される短時間連続演出と、短縮変動でないときに実行される通常連続演出と、の一部の演出態様を共通とし(「NEXT」の表示)、短時間連続演出において、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させることが記載されている。』というご認定について、前者の「一部の演出態様を共通」という点と後者の「早送りで再生させる」という点のそれぞれについては開示がされていますが、前者と後者が複合されている点については「「NEXT」または連続演出シナリオ映像を・・・」という否定する記載はあっても肯定するような記載は一切されておりません。
そのため、令和2年1月27日付けの手続補正書において、第1特定予告演出(短時間連続演出に相当)と第2特定予告演出(通常連続演出に相当)とで共通されている点と異なる点があることを特定した「前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され、」という補正事項について開示がされていないのではないかと若干の疑問を感じております。
(B)補正後の本願発明について
・・・略・・・
つまり、補正後の本願発明は、補正前においては何ら特定されていなかった「特定予告演出」と「共通する一部の演出態様」、「表示されることのない演出態様」をそれぞれ明確に特定し、ハズレ変動において行われる「特定予告演出」で「特定の表示態様」が表示されたことによって遊技者に対してその後の変動で特別の表示結果が表示されることを示唆することと、「特定予告演出」を変動時間が短縮したときに実行される「第1特定予告演出パターン」で実行する場合と変動時間が短縮されなかったときに実行される「第2特定予告演出パターン」で実行する場合のいずれにおいても「特定の表示態様」が表示されえることを明確に特定しております。
このような補正によって特定した特徴部を有することで、従来の遊技機においてハズレ変動で本願発明における「特定予告演出」に相当する先読み演出が開始された場合、遊技者は先読み演出が開始された契機である始動情報に対応する変動の開始条件の成立を待つだけとなってしまい一時的に興趣が低下してしまうという課題を有するものでありましたが、補正後の本願発明の特徴部により遊技者は先読み演出が開始された場合に先読み演出が開始された契機である始動情報に対応する変動の開始条件の成立までのハズレ変動においても「特定の表示態様」が表示されることを期待することとなり、興趣が低下していたハズレ変動でも遊技興趣の向上を図ることが可能となります。
このような本願特有の効果を奏しえることが可能な補正後の本願発明に対して、引用文献2の記載を確認すると、段落[0005]には「連続演出を実行する際に、演出時間が短い報知演出が実行されると、短い報知演出において十分に連続演出を実行することができない。この場合、遊技者は、連続演出の実行中であるか否かを把握することが困難になり、遊技に対する興趣を失ってしまう可能性があった。」という課題の記載がされており、段落[0006]には「本発明は、複数回の報知演出に亘って連続演出を実行する際に、演出時間が短い報知演出が実行される場合でも、連続演出の実行中であることを遊技者に容易に把握させることができる遊技機を提供することを目的とする。」という目的の記載がされております。加えて、段落[0073]には「以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機1では、報知演出の演出時間が保留球数に応じて変化する。従って、連続演出を伴う報知演出の演出時間が短くなる場合がある。しかし、パチンコ機1は、演出時間が所定時間T以下である報知演出(短縮変動)において、連続演出の実行中であることを表示することができる。従って、複数回の報知演出に亘って連続演出を実行する際に、演出時間が短い報知演出が実行される場合でも、連続演出の実行中であることを遊技者に容易に把握させることができる。」という記載があり、これらの記載から引用文献2は「変動時間が短縮された場合においても連続演出中であることを遊技者に把握可能に構成する」ことを目的としているものであるとともに、前述した「先読み演出が開始された契機である始動情報に対応する変動の開始条件の成立を待つだけとなってしまい一時的に興趣が低下してしまう」という課題が連続演出の実行に伴い発生することは自明であります。
つまり、補正後の本願発明は引用文献2が有する課題を解決可能な発明であるため、引用文献2に記載された技術よりも進歩性を有していることは明らかであります。」

イ 審判請求人の主張について検討すると、上記(2)イ(ア)の【0078】及び【0079】における「本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、上記実施形態のパチンコ機1は、「NEXT」または連続演出シナリオ映像を表示画面28の表示領域80内に表示させることで、連続演出の実行中であることを遊技者に報知する。しかし、連続演出の実行中であることを遊技者に報知する方法は、表示画面28を用いる方法に限定されない。例えば、可動役物30、LED等を用いてもよいし、表示画面28とは別の表示装置を用いてもよい。また、連続演出の実行中であることを短縮変動中に遊技者に報知する方法も、適宜変更できる。例えば、短縮変動中には、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させてもよい。」との記載について、「「NEXT」または連続演出シナリオ映像」は「以上詳述した実施形態」について説明したものであって、連続演出シナリオ映像を早送りで再生させる際について説明したものではない。そして、上記(2)イ(ア)の【0051】ないし【0055】に、「・・・報知演出において通常連続演出が実行される場合、デモ図柄81の変動が開始した後に、連続演出シナリオ実行領域84が、表示領域80内のデモ図柄81の前面に形成される。連続演出シナリオ実行領域84では、複数回の報知演出に亘って実行され得る連続演出が行われていることを示す連続演出シナリオ映像が表示される。・・・次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示される。・・・次いで、デモ図柄81の前面に、継続表示実行領域86が形成される。継続表示実行領域86には、連続演出が次回の報知演出でも継続することを示す継続表示(本実施形態では「NEXT」の表示)が行われる。以上で、一連の通常連続演出が終了する。」と記載されていることからすれば、「短縮変動中には、通常連続演出において表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生させてもよい」とは、報知演出において短時間連続演出が実行される場合、デモ図柄81の変動が開始した後に、表示される連続演出シナリオ映像が早送りで再生され、次いで、次回の報知演出まで連続演出が継続する場合には、左・中・右のデモ図柄81がチャンス目の組み合わせで確定表示され、次いで、デモ図柄81の前面に、継続表示実行領域86が形成されて「NEXT」の継続表示が行われることで、一連の短期間連続演出を行ってもよいことを意味するものと解するのが自然である。そうすると、短時間連続演出で連続演出シナリオ映像を早送りで再生する場合においても、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示が表示されることは明らかである。
また、上記(4)で示したとおり、本願補正発明は、引用発明と引用文献2記載事項とに基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。そして、引用文献2記載事項においても、遊技者は連続演出が開始された場合に連続演出が開始された契機である始動情報に対応する変動の開始条件の成立までのハズレ変動において、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示が行われること(特定の表示態様)を期待することとなるから、興趣が低下していたハズレ変動でも遊技興趣の向上を図ることが可能であるといえる。
したがって、審判請求人の主張を採用することはできない。

(6)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用発明と引用文献2記載事項とに基づいて容易に想到することができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 小括
したがって、上記2のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、上記4のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
(1)本件補正は上記第2〔理由〕のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年1月27日に提出された手続補正書により補正された、上記第2〔理由〕1(1)に請求項1として記載したとおりのものである。

(2)ここで、本願発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしG、I、J-2、K-2、L-2及びNは、分説するため合議体が付した。

「A 演出を表示する表示手段と、
B 始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
C 該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
D 前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の 表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
E 前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
F 前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
G 前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
I 前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
J-2 前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出と、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出とがあり、
K-2 前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され、
L-2 前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される前記第2特定予告演出の一部の演出態様と共通とされた第1特定予告演出が表示される時間は、第2特定予告演出が表示される時間よりも短い
N ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の理由の概略
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。


引用文献1.特開2013-46669号公報
引用文献2.特開2014-64793号公報

3 引用文献
引用文献1の記載事項は、上記第2〔理由〕4(2)アに記載したとおりである。

4 対比・判断
ア 本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明のAないしG、I及びNについては、上記第2〔理由〕4(3)の(a)ないし(g)、(i)及び(n)で示したように、本願補正発明と引用発明との対比結果のとおりであって、本願発明のJ-2については、以下の見出し(j-2)に示すとおりである。

(j-2)上記第2〔理由〕4(3)の(j)から、引用発明は、連続予告演出(特定予告演出)において、通常用と短縮用のはずれ用変動パターンを使用可能なものであって、合算保留記憶数が0?2である場合には通常用のはずれ変動用パターンが用いられ、合算保留記憶数が3以上である場合には短縮用のはずれ用変動パターンが用いられるものである。ここで、その「短縮用のはずれ用変動パターン」を用いる演出は、保留記憶(始動情報)の記憶数に応じてファンファーレ画面でない表示結果(非特別の表示結果)を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行されるものであるから、本願発明の「第1特定予告演出」に相当し、さらに、その「通常用のはずれ用変動パターン」を用いる演出は、当該期間が短縮されなかったときに実行されるものであるから、本願発明の「第2特定予告演出」に相当する。
そうすると、引用発明において、連続予告演出(特定予告演出)には、短縮用のはずれ用変動パターンを用いる演出(第1特定演出)と、通常用のはずれ用変動パターンを用いる演出(第2特定演出)とがあるといえるから、引用発明は、本願発明の「前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出と、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出とがあ」ることを具備するといえる。
したがって、引用発明の特定事項i、jは、本願発明の特定事項J-2を具備する。

イ 上記アからみて、本願発明と引用発明とは、
「A 演出を表示する表示手段と、
B 始動条件の成立時に始動情報を取得する取得手段と、
C 該取得手段が取得した前記始動情報のうち開始条件が成立した始動情報に基づいて所定の当落抽選を行う開始時抽選手段と、
D 前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて当選抽選結果である場合に前記表示手段に特別の 表示結果を導出表示させる一方、前記開始時抽選手段によって前記当落抽選が行われて落選抽選結果である場合に前記表示手段に非特別の表示結果を導出表示させる表示制御手段と、
E 前記取得手段が取得した前記始動情報のうち前記開始条件が成立していない始動情報を記憶する記憶手段と、
F 前記始動条件の成立時に前記取得手段によって取得した始動情報に基づいて前記開始時抽選手段が前記当落抽選を行う以前に、当該始動情報が前記開始時抽選手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属しているか否かと、複数の変動態様のうちいずれの変動態様で表示制御されることとなるかと、を判別する事前判別手段と、を備え、
G 前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していないと判別され、且つ前記変動態様がリーチ態様を伴わない通常落選態様となると判別された落選始動情報だけが前記記憶手段に記憶されている状態で前記取得手段によって新たに取得した前記始動情報が前記事前判別手段によって前記当選抽選結果と判定される値に属していると判別された当選始動情報が記憶された状態において、予告実行手段によって特定予告演出が実行され、
I 前記記憶手段に記憶される前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間を短縮させることが可能であり、
J-2 前記特定予告演出には、前記始動情報の記憶数に応じて前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される第1特定予告演出と、当該期間が短縮されなかったときに実行される第2特定予告演出とがある、
N 遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点3(特定事項K-2、L-2)
「特定予告演出」に関し、
本願発明では、「前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされているとともに、前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され、
前記非特別の表示結果を導出表示させるまでの期間が短縮されたときに実行される前記第2特定予告演出の一部の演出態様と共通とされた第1特定予告演出が表示される時間は、第2特定予告演出が表示される時間よりも短い」のに対して、
引用発明では、そのような特定がない点。

ウ 相違点3について検討する。
上記第2〔理由〕4(4)ウでの相違点2についての検討と同様に、引用発明において、引用文献2記載事項に記載された通常連続演出と短時間連続演出とを採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。そして、その結果、「NEXT」の継続表示を行うことと、短時間連続演出において通常連続演出で表示される連続演出シナリオ映像を早送りで再生することとは、それぞれ、本願発明の「特定の表示態様」と「異なる演出態様」とに相当するといえるから、本願発明の特定事項Kを充足することは明らかである。さらに、短時間連続演出の方が、通常連続演出よりも、連続演出が開始されてからデモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示を行うまでの時間が短いことは、上記4(2)イ(エ)の【図13】の図示内容から明らかであるから、「NEXT」の継続表示がなされることとなる連続演出が開始されてからデモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示(特定の表示態様)がなされるまでの時間は、短時間連続演出の方が通常連続演出よりも短いといえる。そうすると、本願発明の特定事項Lを充足することも明らかである。
なお、引用発明に引用文献2記載事項を適用した結果、本願発明の特定事項K-2及びL-2を充足するか否かについては、次のように考えることもできる。まず、デモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示を行うことと、通常連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行わないものの、短時間連続演出では各報知演出の開始時において「NEXT」の継続表示を行うこととは、それぞれ、本願発明の「前記第1特定予告演出と前記第2特定予告演出との一部の演出態様が共通とされている」ことと「前記第2特定予告演出では表示されることのない演出態様が前記第1特定予告演出において表示され」ることとに相当するといえるから、本願発明の特定事項K-2を充足することは明らかである。さらに、上述のように、「NEXT」の継続表示がなされることとなる連続演出が開始されてからデモ図柄の確定表示と同時に「NEXT」の継続表示(特定の表示態様)がなされるまでの時間は、短時間連続演出の方が通常連続演出よりも短いといえるから、本願発明の特定事項L-2を充足することも明らかである。

エ そうすると、本願発明は、当業者が引用発明と引用文献2記載事項とに基づいて容易に想到することができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明と引用文献2記載事項とに基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2021-02-24 
結審通知日 2021-02-25 
審決日 2021-03-09 
出願番号 特願2018-244729(P2018-244729)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤脇 沙絵  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 澤田 真治
島田 英昭
発明の名称 遊技機  
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