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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1373450
審判番号 不服2019-8950  
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-07-03 
確定日 2021-05-11 
事件の表示 特願2016-543974「通信コンテンツの結合」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月26日国際公開、WO2015/042177、平成28年10月27日国内公表、特表2016-533601、請求項の数(17)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2014年(平成26年)9月17日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年9月18日、中国)を国際出願日とする出願であり、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 7月 3日付け:拒絶理由通知書
平成30年10月10日 :意見書、手続補正書の提出
平成31年 3月 5日付け:拒絶査定(原査定)
令和 元年 7月 3日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 2年 9月28日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由」
という。)
令和 2年12月28日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成31年3月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、以下の引用文献に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


・請求項 1、11、17、18
・引用文献等 1

・請求項 2?6
・引用文献等 1、2

・請求項 7、8、14?16
・引用文献等 1-3

・請求項 9、10、12、13
・引用文献等 1-4

引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2013/0204888号明細書
2.特表2011-515737号公報
3.特開2002-117019号公報
4.特開平10-98471号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

理由1(明確性)この出願は、請求項1?18の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

理由2(サポート要件)この出願は、請求項1?18の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1-17に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明17」という。)は、令和2年12月28日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-17に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-17は以下のとおりの発明である(補正箇所に下線を付した)。

「 【請求項1】
通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得し、前記2以上の通信主体は、同一のアカウントを使用して、同一のシステム内の異なる通信ツールにログインし、前記通信参加者との通信を確立するものであり、
前記通信履歴に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の履歴通信コンテンツをそれぞれ取得し、
前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合し、前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含む
ことを含む方法。
【請求項2】
前記2以上の通信主体は同一のアカウントを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2以上の通信主体には、前記通信参加者と通信を確立している現行の通信主体と、以前に前記通信参加者と別の通信を確立した別の通信主体とが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信履歴の取得は、
前記通信参加者と、前記2以上の通信主体との前記通信履歴を、データベースにおいて検索し、
前記データベースにおいて前記通信履歴が見つかった場合、前記通信参加者と前記2以上の通信主体との前記通信履歴を取得する
ことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信履歴の取得は、前記通信参加者と前記現行の通信主体との通信履歴が前記データベースにおいて見つからない場合、前記通信参加者と前記現行の通信主体との前記通信履歴を保存することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記履歴通信コンテンツの結合は、
前記履歴通信コンテンツの1以上の境界を探し出し、
履歴通信コンテンツを前記1以上の境界に従ってセグメント化し、
前記のセグメント化された履歴通信コンテンツを結合する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記履歴通信コンテンツの結合は、
前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを、前記通信参加者がウェブページを訪問した時に、前記通信参加者が残すセッションログに記録された時間情報の時系列に従ってセグメント化し、
各時間セグメントにおける、前記通信参加者と2以上の他の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを取得し、
各時間セグメントにおける前記履歴通信コンテンツを、1つのセグメントとして結合し、
通信コンテンツの各セグメントを通信の時系列に従って順位付けし、
前記通信コンテンツの前記の順位付けされたセグメントを、前記の結合された通信コンテンツとして使用する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記の結合された通信コンテンツを保存することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の結合された履歴通信コンテンツの保存は、前記の結合された通信コンテンツを記憶するためのキーと値のデータベースを構築することを含み、そして値は前記の結合された通信コンテンツを表す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の結合された通信コンテンツを表示することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記表示は、前記の結合された通信コンテンツを現行の通信ウィンドウにおいて異なる色で表示することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記表示は、前記の結合された通信コンテンツを表示するために、現行の通信ウィンドウから新たな表示エリアを拡張することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記履歴通信コンテンツの結合は、各時間セグメントにおける前記履歴通信コンテンツを、1つのセグメントとして結合することを含み、
前記表示は、デフォルトで通信コンテンツの各セグメントを表示することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記履歴通信コンテンツの結合は、各時間セグメントにおける前記履歴通信コンテンツを、1つのセグメントとして結合することを含み、
前記表示は、現行の通信ウィンドウの通信コンテンツに関連する通信コンテンツの1以上のセグメントを表示することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記表示は、前記の現行の通信ウィンドウの前記通信コンテンツに関連する通信コンテンツの前のセグメント及び通信コンテンツの次のセグメントのプロンプトメッセージを表示することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得する通信履歴取得モジュールであり、前記2以上の通信主体は、同一のアカウントを使用して、同一のシステム内の異なる通信ツールにログインし、前記通信参加者との通信を確立するものである、通信履歴取得モジュールと、
前記通信履歴に従って、前記通信参加者と前記の2以上の通信主体間の履歴通信コンテンツをそれぞれ取得する通信コンテンツ取得モジュールと、
前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記の2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合する通信コンテンツ結合モジュールであって、前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含む、通信コンテンツ結合モジュールと、
前記の結合した通信コンテンツを保存する通信コンテンツ保存モジュールと、
前記の結合した通信コンテンツを表示する通信コンテンツプッシュ表示モジュールと
を備えるシステム。
【請求項17】
1以上のプロセッサにより実行可能なコンピュータ実行可能命令を記憶する1以上のコンピュータ可読媒体であって、前記1以上のプロセッサは前記コンピュータ実行可能命令により、
通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得し、前記2以上の通信主体は、同一のアカウントを使用して、同一のシステム内の異なる通信ツールにログインし、前記通信参加者との通信を確立するものであり、前記2以上の通信主体には、前記通信参加者と通信を確立している現行の通信主体と、以前に前記通信参加者と別の通信を確立した別の通信主体とが含まれ、
前記通信履歴に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の履歴通信コンテンツをそれぞれ取得し、
前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合し、前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含み、
前記の結合した通信コンテンツを保存し、
前記の結合した通信コンテンツを表示する
ことを含む処理を実行する、前記1以上のコンピュータ可読媒体。」

第5 引用文献、引用発明等
1.原査定で引用された引用文献
(1)引用文献1、引用発明について
(ア)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審により付与した。以下、同様。)

「[0085] In some embodiments, a communication application such as unified messaging app 145 can provide the functionality to facilitate a communication session between two or more participants. Unified messaging app 145 can allow a sender to conveniently identify an intended recipient account address across multiple electronic communication services to send a message. Unified messaging app 145 of some embodiments can determine a sender account from which to send the message based on the electronic communication service associated with the selected recipient account addresses. Further, unified messaging app 145 can facilitate a communication session for a group of three or more participants and determine an appropriate electronic communication service for the communication session. The user can enjoy a seamless communication experience with any of her contacts on any electronic communication service they happen to be connected to, without having to switch applications or adapt to different user interfaces.」

(当審訳:[0085] いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145などの通信アプリケーションは、2名以上の参加者間の通信セッションを円滑にする機能を提供し得る。統合メッセージ処理アプリ145は、送信者が複数の電子通信サービスを横断して指定受信者のアカウントアドレスを適宜に特定してメッセージを送信することを可能にし得る。いくつかの実施形態の統合メッセージ処理アプリ145は、選択された受信者アカウントアドレスに関連付けられる電子通信サービスに基づいて、メッセージを送信する送信者アカウントを決定し得る。更に、統合メッセージ処理アプリ145は、3名以上の参加者のグループの通信セッションを円滑にし、通信セッションに適切な電子通信サービスを決定し得る。ユーザは、アプリケーションを切り替え、又は異なるユーザインターフェースに適合させる必要なくして、たまたま接続された任意の電子通信サービス上の連絡先のいずれかともシームレスな通信体験を楽しむことができる。)

「[0087]Electronic communication services can be hosted by different providers and/or on different servers, and some electronic communication services can maintain records of past communication, e.g., e-mail archives or chat history files. FIG. 8 is a system diagram 800 that illustrates local and remote storage of electronic communication session files that can be located and aggregated to generate a communication history between users. In some embodiments, user device 100 can communicate via a wide area network 805 (e.g., the Internet) with various servers. As shown, the servers can include instant messaging service #1 server 810, SMS service server 815, and instant messaging service #2 server 820. Other servers (not shown) hosted by other providers of electronic communication services can also be connected to network 805. In this embodiment, each of servers 810, 815, and 820 stores communication history files in an associated data repository 825, 830, 835.」

(当審訳:[0087] 電子通信サービスは、異なるプロバイダによって及び/又は異なるサーバ上でホスティングされ得、一部の電子通信サービスは、例えば、電子メールアーカイブ又はチャット履歴ファイルなどの、過去の通信の記録を保持し得る。図8は、ユーザ間の通信履歴を生成するように配置及び集約され得る電子通信セッションファイルのローカル及びリモートストレージを示す系統図800である。いくつかの実施形態において、ユーザ装置100は、広域ネットワーク805(例えば、インターネット)を介して様々なサーバと通信し得る。図示の様に、サーバは、インスタントメッセージングサービス#1サーバ810と、SMSサービスサーバ815と、インスタントメッセージングサービス#2サーバ820とを含み得る。電子通信サービスの他のプロバイダからホスティングされるその他のサーバ(図示せず)もネットワーク805に接続し得る。この実施形態において、サーバ810、815、及び820それぞれは、通信履歴ファイルを関連するデータリポジトリ825、830、835に記憶する。)」

「[0091] FIG. 9 is an example of creating a communication history page 900 by aggregating multiple communication session files according to an embodiment of the present invention. In this example, a user has requested the communication history with another user (Johnny Appleseed). In response to receiving the user's request, user device 100 can obtain communication session files between the user and the other user. The files can be obtained for any electronic communication service that the requesting user has used to communicate with the other person. Different files can be obtained for different services, and one or more files can be obtained from the same service. In the example of FIG. 9, the communication history includes three communication session files: a chat session file from an instant message service 910, an instant message/VOIP service 915, and a text message (SMS) service 920. While only three communication session files are retrieved for this particular example, there could be many more session files included in two users' communication history across various electronic communication services. Session files can be stored locally at user device 100 and/or remotely (e.g., at servers 810, 815, 820 as shown in FIG. 8). Remotely stored files can be retrieved in response to a user request.」

(当審訳:[0091] 図9は、本発明の一実施形態に係る、複数の通信セッションファイルを集約することによって通信履歴ページ900を作成する実施例を示す。この実施例において、ユーザは、別のユーザ(Johnny Appleseed)との通信履歴を要求している。ユーザの要求の受け取りに応じて、ユーザ装置100は、ユーザと別のユーザとの間の通信セッションファイルを取得し得る。ファイルは、要求しているユーザが他のユーザとの通信に使用した任意の電子通信サービスのファイルであり得る。異なるファイルが異なるサービスについて取得でき、1つ以上のファイルを同じサービスから取得し得る。図9の実施例において、通信履歴は、3つの通信セッションファイル、つまり、インスタントメッセージサービスからのチャットセッションファイル910、インスタントメッセージ/VOIPサービス915、テキストメッセージ(SMS)サービス920を含む。この特定の実施例については3つの通信セッションファイルしか取得されていないが、様々な電子通信サービスを横断する2名のユーザの通信履歴には更に多くの通信履歴が含まれ得る。セッションファイルは、ローカルでユーザ装置100に及び/又はリモートで(例えば、図8に示すサーバ810、815、820に)記憶し得る。リモートで記憶されたファイルはユーザの要求に応じて取得し得る。」

「[0092] In some embodiments, unified messaging app 145 can arrange individual communications from the communication session files in an order (e.g., a chronological order) such that the generated page displays the communication history in the order in which the communications between the two users took place. As shown in FIG. 9, each communication line (corresponding to a message) in a communication session file can have a timestamp indicating when that message was sent. Based on the timestamps, unified messaging app 145 can sort the communication lines from all the communication session files across the different communication services and present a single page with the entire communication history arranged in chronological order. (In some embodiments, the communication lines can be sorted in a reverse chronological order or any other order, as desired.)」

(当審訳:[0092] いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145は、生成されたページが2名のユーザ間の通信が発生した順序で通信履歴を表示するように、通信セッションファイルの個々の通信を順序で(例えば、古い順に)配列し得る。図9に示すように、通信セッションファイルの(メッセージに対応する)各通信行は、そのメッセージが送信された時を示すタイムスタンプを有し得る。タイムスタンプに基づいて、統合メッセージ処理アプリ145は、異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴を古い順に配列した単一のページを提示し得る。(いくつかの実施形態において、通信行は、必要に応じて、新しい順又は他の任意の順序にソートし得る))

「[0093]Page 900 in FIG. 9, which is generated by aggregating communication session files from instant message service 910, VOIP service 915, and text message service 920, shows the aggregated communication history between the user and Johnny Appleseed. The aggregated communication history shows all chat lines and text exchanges between the user and Johnny Appleseed, sorted by timestamps, without regard for which service was used. Because “Hey Mandy” from VOIP service 915 has a timestamp of 10:56:33 and is the first communication between the user and Johnny Appleseed, it is displayed as the first chat line in the aggregated communication history. The next communication occurred when Johnny Appleseed sent “Hello!” to the user via instant message service 910 at 13:20:05. Hence, it is displayed as the second chat line in the aggregated communication history. In this way, all the chat lines from instant message service 910 and VOIP service 915 are sorted by each of their associated timestamp. Communication lines from the different communication session files can be interleaved depending on each communication line's timestamp. Moreover, page 900 also includes the communication history between the user and Johnny Appleseed from SMS service 920. As indicated by their associated timestamps, the text messages were exchanged later in the day. Consequently, the text message exchanges are displayed at the bottom of page 900, below the communication history from instant message service 910 and VOIP service 915.」

(当審訳:[0093] 図9のページ900は、インスタントメッセージサービス910、VOIPサービス915、テキストメッセージサービス920から通信セッションファイルを集約して生成したものであるが、ユーザとJohnny Appleseedとの間の集約された通信履歴を示す。集約された通信履歴は、使用したサービスに関係なく、タイムスタンプを基準にソートしたユーザとJohnny Appleseedとの間のすべてのチャット行とテキストの交換を示す。VOIPサービス915からの「Hey Mandy」は、10:56:33というタイムスタンプを有し、ユーザとJohnny Appleseedとの間の最初の通信であるので、集約された通信履歴で最初のチャット行として表示される。次の通信は、Johnny Appleseedが、13:20:05にインスタントメッセージサービス910を介してユーザに「Hello」を送信した時に発生した。したがって、この通信は、集約された通信履歴で2番目のチャット行として表示される。このようにして、インスタントメッセージサービス910及びVOIPサービス915からのすべてのチャット行は関連するタイムスタンプそれぞれを基準にしてソートされる。異なる通信セッションファイルからの通信行は、それぞれの通信行のタイムスタンプによって、交互に配置し得る。更に、900ページは、SMSサービス920からのユーザとJohnny Appleseedとの間の通信履歴も含み得る。関連するタイムスタンプで示されるように、テキストメッセージがその日の後に交換されている。この結果、テキストメッセージの交換は、インスタントメッセージサービス910とVOIPサービス915の下で、ページ900の下部に表示される。)

「[0094]It will be appreciated that page 900 is illustrative and that variations and modifications are possible. In some embodiments, messages sent using different services can be visually distinguished from each other, e.g., by font, background color, service-identifying annotations (as shown in FIG. 9), and so on. In some embodiments, a communication history can include other message formats in addition to or instead of text. For example, if a record of an audio conversation is available, the record can be inserted at an appropriate point in the communication history page (e.g., based on a timestamp associated with the beginning or end of the record). This can be indicated, e.g., by providing a visual cue at the appropriate location in the page and/or playback control elements to allow the user to play the audio. Video can be handled similarly, and a frame from the video can be included as an indicator that video is available.」
(当審訳:[0094] ページ900は、説明上のものであって、変更や修正が可能であることが理解されよう。いくつかの実施形態において、異なるサービスを利用して送信されたメッセージは、視覚的に(例えば、フォント、背景色、(図9に示すような)サービス特定注釈によって)、互いに区別し得る。いくつかの実施形態において、通信履歴には、テキストに加えて又はその代わりに他のメッセージフォーマットを含み得る。例えば、オーディオ会話の記録がある場合、その記録を通信履歴ページの適切な箇所に(例えば、記録の開始又は終了に関連付けられるタイムスタンプに基づいて)挿入し得る。これは、例えば、ページの適当な位置にビジュアルキー及び/又は再生制御要素を設けてユーザがオーディオを再生できるように表示し得る。映像は同様に扱うことができ、映像のフレームは映像が利用できることを示すインジケータとして含め得る。)

「[0095] As described, some embodiments can also sort the communication history in an order based on each file's timestamp or timestamps associated with various communication units defined by the service. A “communication unit” can include, e.g., a single message, a group of messages, all messages within a certain time interval, a block of conversation without a pause longer than twenty seconds, etc. This allows the user who requested the communication history to be able to readily view the entire communication history between the two users in a single page, regardless of the account addresses or the communication service used by either party when each communication took place. Further, the user can perform searches within the page to identify a dialogue the user is looking for, instead of having to open each communication session file and search the content of each file individually. In some instances, the communication history can be quite long and might not fit in the available display space. Page 900 can be scrollable to allow the user to view different portions of the history.」
(当審訳:[0095] 上記のように、いくつかの実施形態においては、通信履歴は、各ファイルのタイムスタンプ又はサービスによって定義される様々な通信単位に関連付けられるタイムスタンプに基づいた順序でソートし得る。「通信単位」は、例えば、単一のメッセージ、メッセージのグループ、特定の時間インターバル内のすべてのメッセージ、20秒以上の休止がない会話のブロック等を含み得る。これによって、通信履歴を要求したユーザは、各通信が発生した時にいずれかのパーティが使用しているアカウントアドレス又は通信サービスに関係なく、単一ページの2名のユーザ間の通信履歴を全体を容易に見ることができる。更に、ユーザは、ページ内を検索してユーザが探している対話を特定することができ、各通信セッションファイルを開いて各ファイルのコンテンツを個別に検索する必要がない。場合によっては、通信履歴は、非常に長くて、利用できる表示空間に適合しない場合があり得る。ページ900はスクロールが可能であり、ユーザは履歴の異なる部分を見ることができる。)

「「0096] FIG. 10 is a flow diagram of a process 1000 for aggregating a communication history that stores communications between two users according to an embodiment of the present invention. Process 1000 can be implemented, e.g., in user device 100 of FIG. 1 executing unified messaging app 145.」

(当審訳:[0096] 図10は、本発明の一実施形態に係る、2人のユーザ間の通信を記憶した通信履歴を集約するプロセス1000を説明するためのフローチャートである。プロセス1000は、例えば、統合メッセージ処理アプリ145を実行する図1のユーザ装置100において実施し得る。)

「[0097] At block 1002, unified messaging app 145 can receive a request for a communication history between a user and another person. The user can be a user of user device 100 requesting to view a communication history between herself and the other person. In some embodiments, the user can request to view the communication history by selecting a button in unified messaging app 145, making a selection from a pull down menu, etc. The user can specify one or more people with whom she has communicated in the past and request the communication history (e.g., video chat data, instant message exchanges, voice chat recordings, etc.) between them.」

(当審訳:[0097] ブロック1002において、統合メッセージ処理アプリ145は、ユーザと相手との間の通信履歴に対する要求を受け取り得る。ユーザは、ユーザと相手との間の通信履歴の見ることを要求するユーザ装置100のユーザであり得る。いくつかの実施形態において、ユーザは、統合メッセージ処理アプリ145のボタンを選択し、プルダウンメニューから選択して通信履歴の見ることを要求し得る。ユーザは、過去に通信した1人以上の人を指定し、その人たちとの通信履歴(例えば、映像チャットデータ、インスタントメッセージ交換、音声チャット録音等)を要求し得る。)

「[0098] At block 1004, unified messaging app 145 can receive a user identifier for the other person. In some embodiments, the user identifier for the other person can be received as part of the received request for the communication history. Any of the recipient identification techniques described above can be used to assist the user in providing the other person's user identifier.」

(当審訳:[0098] ブロック1004において、統合メッセージ処理アプリ145は、相手のユーザ識別子を受け取り得る。いくつかの実施形態において、相手のユーザ識別子は、通信履歴に対する受け取った要求の一部として受け取り得る。上記の受信者特定技術のいずれかを用いて相手のユーザ識別子を入力する際にユーザを支援し得る。)

「[0099] At block 1006, unified messaging app 145 can identify a set of account addresses for the requesting user. In some embodiments, unified messaging app 145 can identify a set of account addresses for the user by accessing program files on user device 100 that store this information for unified messaging app 145. In some embodiments, the user's account address information is stored in a program file when the user creates and registers a new account with any one of an electronic communication service. Some embodiments allow the user to input this information into unified messaging app 145, which can store the information along with other user-specific settings. Further, some embodiments track the user's account address information in a remote server, and this server can be accessed when unified messaging app 145 requests the information.」

(当審訳:[0099] ブロック1006において、統合メッセージ処理アプリ145は、要求しているユーザの一組のアカウントアドレスを特定し得る。いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145は、統合メッセージ処理アプリ145のこの情報を記憶しているユーザ装置100上のプログラムファイルにアクセスすることによってユーザの一組のアカウントアドレスを特定し得る。いくつかの実施形態において、ユーザのアカウントアドレス情報は、ユーザは電子通信サービスの任意の1つを利用して新しいアカウントを作成し、登録した時に、プログラムファイルに記憶される。いくつかの実施形態においては、ユーザは、この情報を統合メッセージ処理アプリ145に入力でき、統合メッセージ処理アプリ145は、この情報を他のユーザ固有の設定とともに記憶し得る。更に、いくつかの実施形態においては、リモートサーバ内のユーザのアカウントアドレス情報を追跡でき、このサーバは、統合メッセージ処理アプリ145が情報を要求する時にアクセスし得る。)

「[0100] At block 1008, unified messaging app 145 can determine a set of communication services associated with the first set of account addresses. This set can include any communication service that is associated with at least one of the requesting user's account addresses. In some embodiments, some services can be excluded from the set, e.g., if the service does not maintain communication session records or if the user has indicated that certain services (e.g., e-mail) should be excluded.」

(当審訳:[0100] ブロック1008において、統合メッセージ処理アプリ145は、第1の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信サービスを決定し得る。この一組の通信サービスには、要求しているユーザのアカウントアドレスの少なくとも1つに関連付けられる任意の通信サービスを含み得る。いくつかの実施形態において、例えば、サービスが通信セッション記録を保持していない場合、又はユーザが特定のサービス(例えば電子メール)は除外すべきであると指示した場合、一部のサービスはこの一組の通信サービスから除外され得る。)

「[0101] At block 1010, unified messaging app 145 can identify a second set of account addresses for the other person. In some embodiments, unified messaging app 145 can determine the second set of account addresses for the other person by searching user contacts database 150 (also referred to as an address book). For example, the user can identify the other person by providing a name or an account address or by selecting a record from the user's address book, and unified messaging app 145 can retrieve all of the contact's account addresses from the address book. Referring to FIG. 5, if the received user identifier at block 1004 is “Johnny Appleseed” (actual name) or one of his accounts, e.g., johnny@co.com, then unified messaging app 145 can search the address book to find matching entry 500 and extract all of the account addresses, including account addresses 510, 506, 508, 512, 518, 514, and 516. Some embodiments can filter the extracted account addresses to include only accounts or services that are in the set defined at block 1006.」

(当審訳:[0101] ブロック1010において、統合メッセージ処理アプリ145は、相手の第2の組のアカウントアドレスを特定し得る。いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145は、ユーザ連絡先データベース150(アドレス帳とも呼ぶ)を検索して相手の第2の組のアカウントアドレスを決定し得る。例えば、ユーザは、名前又はアカウントアドレスを入力するか、又はユーザのアドレス帳から記録を選択することによって相手を特定でき、統合メッセージ処理アプリ145は、アドレス帳から連絡先のアカウントアドレスすべてを取得し得る。図5を参照すると、ブロック1004における受け取ったユーザ識別子が「Johnny Appleseed」(実名)又は彼のアカウントの1つ、例えば、johnny@co.comである場合、統合メッセージ処理アプリ145は、アドレス帳を検索し、一致するエントリ500を見つけ、アカウントアドレス510、506、508、512、518、514、及び516を含むアカウントアドレスすべてを抽出し得る。いくつかの実施形態においては、抽出されたアカウントアドレスにフィルターをかけて、ブロック1006で定義されている1組のアカウントアドレスにあるアカウント又はサービスのみを含めることができる。)

「[0102] At block 1012, unified messaging app 145 can retrieve a set of communication session files associated with the first and second sets of account addresses, either from the servers or local storage. In some embodiments, unified messaging app 145 can identify all instances where the user and the other person both have accounts on the same electronic communication service. For each such pair of accounts, unified messaging app 145 can request, from the server of that electronic communication service, all the session files for that pair of account identifiers and retrieve any session files containing communications between those two accounts. In instances where the user or the other person (or both) has multiple accounts on a single service, multiple pairs of account identifiers can be used to obtain session files for that service. In instances where session files are stored locally, unified messaging app 145 can obtain the session files from local storage rather than requesting them from a server.」
(当審訳:[0102] ブロック1012において、統合メッセージ処理アプリ145は、サーバ又はローカルストレージから、第1及び第2の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信セッションファイルを取得し得る。いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145は、ユーザと相手両方が同じ電子通信サービスにアカウントを有するすべての場合を特定し得る。このような対のアカウントそれぞれについては、統合メッセージ処理アプリ145は、その電子通信サービスのサーバから、対のアカウント識別子のすべてのセッションファイルを要求し、これら2つのアカウント間の通信を含むすべてのセッションを取得し得る。ユーザ又は相手(又は、両方)が単一のサービス上で複数のアカウントを有する場合、複数の対のアカウント識別子を用いてそのサービスのセッションファイルを取得し得る。セッションファイルがローカルで記憶されている場合、統合メッセージ処理アプリ145は、セッションファイルをサーバから要求せず、ローカルストレージから取得し得る。)

「[0103] At block 1014, unified messaging app 145 can arrange the conversation units or lines from all of the retrieved communication session files in an order based on the associated timestamps. As described above with reference to FIG. 9, unified messaging app 145 can arrange the conversation line in a chronological order such that all of the conversation lines in all the communication session files are displayed in a single page and ordered based on their respective timestamps. This allows the user to view the communication history with the other person chronologically across all the communication services.」
(当審訳:[0103] ブロック1014において、統合メッセージ処理アプリ145は、取得した通信セッションファイルすべてから会話単位又は内容を、関連するタイムスタンプに基づく順序で配列し得る。図9を参照して上述しているように、統合メッセージ処理アプリ145は、すべての通信セッションファイル内の会話内容すべてが単一のページに表示され、それぞれのタイムスタンプに基づいて順序付けられるように、会話内容を古い順に順序付け得る。これによって、ユーザは、相手との通信履歴をすべての通信サービスを横断して古い順に見ることができる。)

「[0104] At block 1016, unified messaging app 145 can present at least a portion of the arranged conversation lines to the user. The arranged conversation lines can be presented in a single page or window where the user can view the entire communication history between the first user and the second user by simply scrolling through the page.」
(当審訳:[0104] ブロック1016において、統合メッセージ処理アプリ145は、配列した会話内容の少なくとも一部をユーザに提示し得る。配列した会話内容は、単一のページ又はウインドウに提示し得、ユーザは、単にページをスクロールすることによって第1のユーザと第2のユーザとの間の通信履歴全体を見ることができる。)

「[0105] Systems and methods in accordance with various embodiments can present a communication history between two or more users using a page in a window, in response to receiving a user request for a communication history. In some embodiments, unified messaging app 145 can load communication history retrieved from various servers (e.g., servers 810, 815, and 820) into system memory and display the communication history to the user. Unified messaging app 145 of some embodiments can provide a seamless scrolling experience for the user if the communication lines currently visible to the user along with some adjacent lines are already loaded into system memory when the user is scrolling through the page. However, in some embodiments, the memory constraints can prevent unified messaging app 145 from loading the entire communication history into system memory. Some embodiments implement intelligent memory caching by dynamically loading and unloading portions of the communication history page into and out of system memory, based at least in part on the portion within the page that the user is viewing at any given time.」
(当審訳:[0105] 様々な実施形態に係るシステム及び方法は、通信履歴に対するユーザ要求の受け取りに応じて、2名以上のユーザ間の通信履歴をウインドウのページを使って提示し得る。いくつかの実施形態において、統合メッセージ処理アプリ145は、様々なサーバ(例えば、サーバ810、815、及び820)から取得した通信履歴をシステムメモリにロードし、通信履歴をユーザに表示し得る。いくつかの実施形態の統合メッセージ処理アプリケーション145は、ユーザがページをスクロールすると、いくつかの隣接する行とともに現在ユーザに可視な通信行が既にシステムメモリにロードされている場合、ユーザにシームレスなスクロール体験を提供し得る。但し、いくつかの実施形態において、メモリの制約によって、統合メッセージ処理アプリケーション145が通信履歴全体をシステムメモリにロードできない場合がある。いくつかの実施形態においては、少なくとも部分的にユーザが所与の時間に見ているページ内の一部に基づいて、通信履歴ページの一部分をシステムメモリに動的にロード及びアンロードすることによってインテリジェントメモリなキャッシングが実行される。)

「[0112] In some embodiments, certain portions of the communication history (e.g., one or more cells corresponding to the most recent communications) can be kept in memory at all times while other portions of the history are dynamically loaded and unloaded.」
(当審訳:[0112] いくつかの実施形態では、履歴の他の部分が動的にロードされかつアンロードされる間、通信履歴(例えば、最新の通信に対応する1つまたは複数のセル)の特定の部分は、常にメモリに保持することができる。)


「図8



「図9



「図10



(イ)上記下線部の記載によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

〈引用発明〉
「統合メッセージ処理アプリ145は、3名以上の参加者のグループの通信セッションを円滑にし、通信セッションに適切な電子通信サービスを決定し、
ユーザ装置100は、広域ネットワーク805を介して様々なサーバと通信し、
サーバは、インスタントメッセージングサービス#1サーバ810と、SMSサービスサーバ815と、インスタントメッセージングサービス#2サーバ820とを含み、
サーバ810、815、及び820それぞれは、通信履歴ファイルを関連するデータリポジトリ825、830、835に記憶し、
複数の通信セッションファイルを集約することによって通信履歴ページ900を作成し、
ユーザは、別のユーザ(Johnny Appleseed)との通信履歴を要求し、
ユーザの要求の受け取りに応じて、ユーザ装置100は、ユーザと別のユーザとの間の通信セッションファイルを取得し、
通信履歴は、3つの通信セッションファイル、つまり、インスタントメッセージサービスからのチャットセッションファイル910、インスタントメッセージ/VOIPサービス915、テキストメッセージ(SMS)サービス920を含み、
セッションファイルは、ローカルでユーザ装置100に及び/又はリモートで記憶し、
リモートで記憶されたファイルはユーザの要求に応じて取得し、
タイムスタンプに基づいて、統合メッセージ処理アプリ145は、異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴を古い順に配列した単一のページを提示し、
異なるサービスを利用して送信されたメッセージは、視覚的に、フォント、背景色、によって、互いに区別し、
2人のユーザ間の通信を記憶した通信履歴を集約するプロセスにおいて、
統合メッセージ処理アプリ145は、ユーザと相手との間の通信履歴に対する要求を受け取り、
ユーザは、過去に通信した1人以上の人を指定し、その人たちとの通信履歴を要求し、
統合メッセージ処理アプリ145は、相手のユーザ識別子を受け取り、
統合メッセージ処理アプリ145は、要求しているユーザの一組のアカウントアドレスを特定し、
統合メッセージ処理アプリ145は、第1の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信サービスを決定し、
統合メッセージ処理アプリ145は、相手の第2の組のアカウントアドレスを特定し、
統合メッセージ処理アプリ145は、サーバ又はローカルストレージから、第1及び第2の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信セッションファイルを取得し、ユーザと相手両方が同じ電子通信サービスにアカウントを有するすべての場合を特定し、
ユーザ又は相手(又は、両方)が単一のサービス上で複数のアカウントを有する場合、複数の対のアカウント識別子を用いてそのサービスのセッションファイルを取得し、
統合メッセージ処理アプリ145は、取得した通信セッションファイルすべてから会話単位又は内容を、関連するタイムスタンプに基づく順序で配列し、
すべての通信セッションファイル内の会話内容すべてが単一のページに表示され、
配列した会話内容は、単一のページ又はウインドウに提示し得、ユーザは、単にページをスクロールすることによって第1のユーザと第2のユーザとの間の通信履歴全体を見ることができ、
通信履歴に対するユーザ要求の受け取りに応じて、2名以上のユーザ間の通信履歴をウインドウのページを使って提示し、
統合メッセージ処理アプリ145は、様々なサーバから取得した通信履歴をシステムメモリにロードし、通信履歴をユーザに表示し、
履歴の他の部分が動的にロードされかつアンロードされる間、通信履歴(例えば、最新の通信に対応する1つまたは複数のセル)の特定の部分は、常にメモリに保持することができる、
通信履歴を集約する方法。」

(2)引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2の段落【0040】には、以下の技術的事項が記載されている。
「インスタントメッセージングアカウントのグループ化インターフェースにおいて、主要インスタントメッセージングアカウントと対応する付属アカウントとを有すること。」

(3)引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3の段落【0011】-段落【0012】には、以下の技術的事項が記載されている。
「分割対象となる電子化された文書1を受け取ると、文書部分間の類似度を測定し、類似度曲線を生成し、類似度曲線から各文末位置における分割点尤度を計算し、分割点尤度を用いて、最も大きな文書セグメントの中でもっともよい分割点尤度を持った位置を分割点として選択すること。」

(4)引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4の段落【0007】-段落【0008】、段落【0017】-段落【0019】には、図面とともに次の事項が記載されている。
「複数の端末10,20 と、それらを接続するサーバ機40とからなるシステムにおいて、通信履歴データベース41は、各人が他の人とコミュニケーションを行った履歴を蓄積し、通信相手44-5をキーにして通信履歴データベース41をソートし、(通信相手44-5)であるAさんとコミュニケーションした履歴が読み出すこと。」

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。
(ア)引用発明の「統合メッセージ処理アプリ145」は、「3名以上の参加者のグループの通信セッションを円滑にし、通信セッションに適切な電子通信サービスを決定し」、「タイムスタンプに基づいて」、「異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴を古い順に配列した単一のページを提示し」ており、「3名以上の参加者」は、「通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体」といいうるものであり、「異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴」を「提示」しているから、通信履歴をそれぞれ取得しているといえる。
したがって、引用発明の「統合メッセージ処理アプリ145」は、「3名以上の参加者のグループの通信セッションを円滑にし、通信セッションに適切な電子通信サービスを決定し」、「タイムスタンプに基づいて、」、「異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴を古い順に配列した単一のページを提示し」することと、本願発明の「通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得し、前記2以上の通信主体は、同一のアカウントを使用して、同一のシステム内の異なる通信ツールにログインし、前記通信参加者との通信を確立するものであ」ることと、「通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得し」ている点で共通している。

(イ)引用発明では、「統合メッセージ処理アプリ145」は、「ユーザと相手との間の通信履歴に対する要求を受け取り」、「ユーザは、過去に通信した1人以上の人を指定し、その人たちとの通信履歴を要求し」、また、「統合メッセージ処理アプリ145は、相手のユーザ識別子を受け取り、統合メッセージ処理アプリ145は、要求しているユーザの一組のアカウントアドレスを特定し、統合メッセージ処理アプリ145は、第1の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信サービスを決定し、統合メッセージ処理アプリ145は、相手の第2の組のアカウントアドレスを特定し、統合メッセージ処理アプリ145は、サーバ又はローカルストレージから、第1及び第2の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信セッションファイルを取得し、ユーザと相手両方が同じ電子通信サービスにアカウントを有するすべての場合を特定し、ユーザ又は相手(又は、両方)が単一のサービス上で複数のアカウントを有する場合、複数の対のアカウント識別子を用いてそのサービスのセッションファイルを取得し、統合メッセージ処理アプリ145は、取得した通信セッションファイルすべてから会話単位又は内容を、関連するタイムスタンプに基づく順序で配列し、すべての通信セッションファイル内の会話内容すべてが単一のページに表示」しており、通信履歴に関するファイルである「通信セッションファイル」は、「履歴通信コンテンツ」といいうるものであるから、引用発明の「ユーザ」が「過去に通信した1人以上の人を指定し」、「統一メッセージ処理アプリ145」が「サーバ又はローカルストレージから」、指定された人に対応した「第1及び第2の組のアカウントアドレスに関連付けられる一組の通信セッションファイルを取得」することは、本願発明1の「前記通信履歴に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の履歴通信コンテンツをそれぞれ取得」することに相当する。

(ウ)引用発明は「統合メッセージ処理アプリ145」が、「取得した通信セッションファイルすべてから会話単位又は内容を、関連するタイムスタンプに基づく順序で配列し」、「すべての通信セッションファイル内の会話内容すべてが単一のページに表示」されるものであり、ここで、「通信セッションファイル」は、履歴通信コンテンツといいうるものであり、タイムスタンプに基づいて単一のページに表示させていることから、時系列に従って結合しているといえる。
よって、引用発明の「統合メッセージ処理アプリ145」が「取得した通信セッションファイルすべてから会話単位又は内容を、関連するタイムスタンプに基づく順序で配列し」、「すべての通信セッションファイル内の会話内容すべてが単一のページに表示」されることは、本願発明1の「前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合し、前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含む」ことと、「前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを結合」している点で共通している。

(2)一致点・相違点
したがって、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点と相違点があるといえる。

(一致点)
「通信参加者と、別の通信参加者を務める2以上の通信主体との通信履歴をそれぞれ取得し、
前記通信履歴に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の履歴通信コンテンツをそれぞれ取得し、
前記履歴通信コンテンツの時系列に従って、前記通信参加者と前記2以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを結合する、
方法。」

(相違点1)
本願発明1が、「同一のアカウントを使用して、同一のシステム内の異なる通信ツールにログインし、前記通信参加者との通信を確立するものであ」ると特定される別の通信参加者を務める2以上の通信主体と通信参加者との通信履歴を取得しているのに対して、引用発明は、通信履歴を取得する3名以上の通信参加者ののうち、「別のユーザ」に関して、そのように特定されていない点。

(相違点2)
前記履歴通信コンテンツを結合することに関して、本願発明1が、「複数のウィンドウからリアルタイムに」結合しているのに対して、引用発明には、そのようなことが特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1が、「前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含む」のに対して、引用発明には、そのようなことが特定されていない点。

(3)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点3について先に検討を行う。相違点3は、「ウィンドウ」についての相違点であるから、相違点2についても併せて検討する。
引用発明は、「ユーザと別のユーザとの間の通信セッションファイルを取得し、通信履歴は、3つの通信セッションファイル、つまり、インスタントメッセージサービスからのチャットセッションファイル910、インスタントメッセージ/VOIPサービス915、テキストメッセージ(SMS)サービス920を含み、セッションファイルは、ローカルでユーザ装置100に及び/又はリモートで記憶し、リモートで記憶されたファイルはユーザの要求に応じて取得し、タイムスタンプに基づいて、統合メッセージ処理アプリ145は、異なる通信サービスを横断するすべての通信セッションファイルから通信行をソートし、全体の通信履歴を古い順に配列した単一のページを提示し」ている。
ここで、「インスタントメッセージサービス」、「VoIP」、「テキストメッセージ(SMS)サービス」などの「異なる通信サービス」の「通信セッションファイル」は、各サービスが異なる通信方法(ツール)を用いているといえるから、異なる通信ツールのローカル又はリモートで記憶されたセッションファイルを単一のページに結合しているといえる。
また、引用発明は、「異なるサービスを利用して送信されたメッセージは、視覚的に、フォント、背景色、によって、互いに区別し」、「通信履歴(例えば、最新の通信に対応する1つまたは複数のセル)の特定の部分は、常にメモリに保持することができる」から、サービス(通信ツール)を区別して表示すること、最新の通信履歴を取得して表示することができることが示唆されているといえる。
しかしながら、引用文献1には、結合される「通信履歴」は、ローカル又はリモートに記憶されたセッションファイルを結合しており、「通信ツールのそれぞれのウィンドウ」である「複数のウィンドウからリアルタイムに」通信履歴コンテンツを結合することは、記載も示唆もされていない。
そして、引用文献2-4にも「前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含」み、「複数のウィンドウからリアルタイムに」通信履歴コンテンツを結合することは記載されておらず、本願優先日前において周知技術であったともいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-15について
本願発明2-15も、上記相違点2,3に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明16-17について
本願発明16は、本願発明1に対応するシステムの発明であり、また、本願発明17は、本願発明1に対応するコンピュータ可読媒体の発明であり、本願発明16および本願発明17は、上記相違点2,3に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 当審拒絶理由についての判断
1 理由1(明確性要件)について
令和2年12月28日付けの補正により、補正後の請求項1-17に「前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含む」との構成を追加する補正がなされた結果、当審拒絶理由で示した請求項1-18に係る発明の「前記通信参加者と前記1以上の通信主体間の前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合する」について、「ウィンドウ」及び「前記履歴通信コンテンツを複数のウィンドウからリアルタイムに結合する」がどのようなものであるか不明確である、との拒絶理由は、解消した。

2 理由2(サポート要件)について
(1)令和2年12月28日付けの補正により、補正後の請求項1-17に「2以上の通信主体」との補正がなされた結果、当審拒絶理由で示した段落【0005】-段落【0006】に記載された課題を解決するための構成を反映しておらず、発明の詳細な説明に記載されたものではない、との拒絶理由は、解消した。

(2)令和2年12月28日付けの補正により、請求項2を削除する補正がなされた結果、当審拒絶理由で示した請求項2に係る発明が発明の詳細な説明に記載されていない、との拒絶理由は、解消した。

第8 原査定についての判断
令和2年12月28日付けの補正により、補正後の請求項1-17は、「前記複数のウィンドウは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウを含み、前記履歴通信コンテンツは前記異なる通信ツールのそれぞれのウィンドウにおける最新の履歴通信コンテンツを含」み、前記履歴通信コンテンツを「複数のウィンドウからリアルタイムに」結合するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献1-4には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-17は、当業者であっても、原査定における引用文献1-4に基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-04-21 
出願番号 特願2016-543974(P2016-543974)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 北川 純次  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 富澤 哲生
太田 龍一
発明の名称 通信コンテンツの結合  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
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