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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62M
管理番号 1374128
審判番号 不服2020-15697  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-13 
確定日 2021-06-01 
事件の表示 特願2016-180401号「電動補助車両」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月22日出願公開、特開2018- 43663号、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年9月15日の出願であって、令和2年5月11日付けで拒絶理由が通知され、同年7月21日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月5日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年11月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


・請求項1?9 ;引用文献1?3
・請求項10?16;引用文献1?4
<刊行物等一覧>
引用文献1.特開2015-85919号公報
引用文献2.特開2004-142703号公報
引用文献3.特開2009-288751号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2001-99489号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願請求項1?16に係る発明(以下「本願発明1」?「本願発明16」という。)は、令和2年7月21日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、
複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤と
を備え、
前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、
前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行し、
前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し、
前記電源ロックモードでは、前記制御回路は、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し、前記補助力設定ボタンに操作が行われたときには前記操作を受け付ける、電動補助自転車。
【請求項2】
乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、
複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤と
を備え、
前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、
前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行し、
前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し、
前記電源ロックモードでは、前記制御回路は、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し、前記補助力設定ボタンに操作が行われたときには前記操作を受け付け、
前記制御回路は、前記補助力設定ボタンに行われた操作が、前記電動モータの補助力を0にするための操作である場合には、前記操作の受け付けを禁止する、電動補助自転車。
【請求項3】
乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、
複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤と
を備えた電動補助自転車であって、
前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、
前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行し、
前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し、
前記電動補助自転車は、ヘッドランプをさらに備え、
前記操作盤は、前記ヘッドランプの点灯および消灯を行うためのライトボタンをさらに有しており、
前記電源ロックモードで、かつ前記ヘッドランプが消灯している場合には、前記制御回路は、前記ライトボタンへの前記通常の操作に応答して前記ヘッドランプを点灯させ、
前記電源ロックモードで、前記ヘッドランプが点灯しており、かつ前記ライトボタンに前記通常の操作が行われたときは、前記制御回路は、前記ヘッドランプの点灯を維持する、電動補助自転車。
【請求項4】
前記制御回路は、前記特定の操作として、前記少なくとも1つのボタンが所定時間以上継続して押下され続ける操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行する、請求項1から3のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項5】
前記操作盤は、前記電動補助自転車の走行状態に関する情報を表示することが可能な表示装置、および、前記走行状態に関する情報を切り替えて表示するための切替ボタンをさらに備えており、
前記制御回路は、前記特定の操作として、前記切替ボタンが所定時間以上継続して押下され続ける操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行する、請求項1から3のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項6】
前記表示装置は、液晶パネル、有機ELパネルおよび電子ペーパパネルのいずれかを有する、請求項5に記載の電動補助自転車。
【請求項7】
前記少なくとも1つのボタンは前記電源ボタンであり、
前記制御回路は、前記特定の操作として、前記電源ボタンが所定時間以上継続して押下され続ける操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行する、請求項1から3のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項8】
前記制御回路は、前記特定の操作として、あらかじめ定められた2つのボタンが同時に押下される操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行する、請求項1から3のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項9】
前記あらかじめ定められた2つのボタンの一方は前記電源ボタンである、請求項8に記載の電動補助自転車。
【請求項10】
前記操作盤は、前記電動補助自転車の走行状態に関する情報を表示することが可能な表示装置をさらに備え、
前記電源ロックモードに移行したとき、前記制御回路は、前記表示装置に前記電源ロックモード中であることを示す画像を表示させる、請求項1から9のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項11】
前記電源ロックモード中に前記電源ボタンに前記通常操作が行われたときは、前記制御回路は、前記表示装置における前記画像の表示態様を変更させる、請求項10に記載の電動補助自転車。
【請求項12】
前記制御回路は前記画像を点滅させる、請求項11に記載の電動補助自転車。
【請求項13】
前記電源ロックモード中に前記電源ボタンに前記通常操作が行われたときは、前記制御回路は、前記表示装置の表示領域の一部または全部を点滅させる、請求項10に記載の電動補助自転車。
【請求項14】
前記電源ロックモード中に点灯するランプをさらに備え、
前記電源ロックモード中に前記電源ボタンに前記通常操作が行われたときは、前記制御回路は、前記ランプを点滅させる、請求項1から9のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項15】
音声を出力するスピーカをさらに備え、
前記電源ロックモード中に前記電源ボタンに前記通常操作が行われたときは、前記制御回路は、前記スピーカから音声を出力させる、請求項10から14のいずれかに記載の電動補助自転車。
【請求項16】
前記操作盤の前記制御回路は、前記少なくとも1つのボタンの押下による、前記操作盤内の電気回路のオン、および、前記少なくとも1つのボタンが離れたことによる、前記電気回路のオフが検出された場合、前記特定の操作を受け付ける、請求項1から15のいずれかに記載の電動補助自転車。」

第4 引用文献の記載事項等
1 引用文献1
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付与。以下同様。)。
(1a)「【請求項1】
補助駆動機構を有する電動補助自転車であって、
ステムと、
グリップを有しかつ前記ステムから車両幅方向に延びるハンドルと、
装置本体、および前記装置本体に設けられかつ前記ハンドルの外周面を保持するように前記ハンドルに取り付けられる取付部を含む操作装置とを備え、
前記装置本体は、前記ハンドルに対向しないように設けられる操作面と、前記補助駆動機構を操作するための操作部と、周囲の光を取り込むために前記操作面に設けられる受光窓と、前記受光窓からの光に基づいて周囲の環境照度を検出する照度検出部とを含み、
前記受光部は、前記ハンドルのうち前記取付部の取付箇所の軸方向において、前記操作面の重心点よりも前記ステム側に位置する、電動補助自転車。」
・・・
【請求項4】
前記操作装置は、表示部をさらに有する表示操作装置である、請求項1から3のいずれかに記載の電動補助自転車。」(合議体注;請求項1の「前記受光部」は「前記受光窓」の誤記と認める。)

(1b)「【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態の電動補助自転車を示す右方からみた側面図である。
【図2】図1に示す電動補助自転車の主な構成部品を示すブロック図である。
【図3】図1に示す電動補助自転車のハンドルおよびその周囲を示す図解図である。
【図4】ハンドルおよび表示操作装置を示す一部省略平面図である。
【図5】ハンドルおよび表示操作装置を示す一部省略背面図である。
【図6】図4のI-I線断面図解図である。
【図7】ハンドルおよび表示操作装置を示す図解図である。
【図8】この発明の他の実施形態の電動補助自転車のハンドルおよびその周囲を示す図解
図である。
【図9】図8に示す実施形態においてハンドルに取り付けられた表示操作装置を示す図解
図である。
・・・」

(1c)「【0020】
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の鞍乗型車両としての電動補助自転車10は、スタンダードモデルの電動補助自転車であり、車体フレーム12を含む。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方斜め下方に延びるダウンチューブ16と、ダウンチューブ16の後端から後方斜め上方に延びるシートチューブ18と、シートチューブ18の下端付近から後方に略水平に延びる左右一対のチェーンステー20と、両チェーンステー20の後端部とシートチューブ18の上部とを連結する左右一対のシートステー22とを含む。
【0021】
ヘッドパイプ14にはステム24が左右に回動可能に軸支されている。ステム24の下端にはフロントフォーク26が設けられ、フロントフォーク26の下端には前輪28が回転自在に軸支されている。フロントフォーク26によって前照灯30が支持されている。ステム24の上端にはハンドル32が設けられている。
【0022】
図3から図5を参照して、ハンドル32は、ステム24から車両幅方向の両側(左方向および右方向)に略水平に延びた後、斜め上方に延び、さらに斜め後方にやや開くように延びている。ハンドル32は、その左右両端部にそれぞれ、グリップ34,36を有する。ハンドル32の左部分において、グリップ34のステム側端部の近傍に、後輪ブレーキレバー38および表示操作装置40がこの順で取り付けられている。また、ハンドル32の右部分において、グリップ36のステム側端部の近傍に、変速グリップ42、前輪ブレーキレバー44およびベル46がこの順で取り付けられている。ハンドル32の前方には、かご48が設けられている。
・・・
【0024】
電動補助自転車10は、人力駆動機構54と補助駆動機構56とを有する。
人力駆動機構54は、クランクアーム58と、クランクアーム58の一端に設けられるペダル60と、クランクアーム58の他端に取り付けられるクランク軸62と、クランク軸62に装着される駆動スプロケット64とを含む。運転者によってペダル60からクランクアーム58を介してクランク軸62に与えられたペダル踏力(トルク)は、駆動スプロケット64を介してチェーン66に供給される。
【0025 】
補助駆動機構56は、シートチューブ18と後輪52の前縁との間に設けられるバッテリ68と、駆動ユニット70とを含む。駆動ユニット70は、電動モータ72と、コントロールユニット74と、補助スプロケット76と、踏力検知センサ78とを含む。電動モータ72はクランク軸62の後側に設けられている。コントロールユニット74は車体フレーム12に取り付けられている。補助スプロケット76は、電動モータ72に取り付けられ、チェーン66に噛合されている。踏力検知センサ78は、運転者によってクランク軸62に与えられたペダル踏力(トルク)を検出するために、クランク軸62と駆動スプロケット64との間に設けられている。」

(1d)「【0030】
図4から図6を参照して、表示操作装置40は、装置本体86と、取付部88とを含む。・・・
・・・
【0032】
図2をも参照して、装置本体86はさらに、操作面90と、制御部92と、補助駆動機構56を操作するための操作部94と、各種情報を表示するための表示部96と、周囲の光を取り込むための受光窓98と、受光窓98からの光に基づいて周囲の環境照度を検出する照度検出部100とを含む。
・・・
【0034】
図7を参照して、操作部94は、運転者がオン/オフ操作を行う電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108とを含む。電源ボタン102は、装置本体86の操作面90においてステム側かつハンドル内側の角部近傍に配置されている。ライトボタン104は、電源ボタン102のグリップ側の横に配置されている。アシストモード切替ボタン106aは、装置本体86の操作面90においてグリップ側かつハンドル内側に配置され、アシストモード切替ボタン106bは、アシストモード切替ボタン106aのハンドル外側に配置されている。メータ表示切替ボタン108は、装置本体86の操作面90においてステム側かつハンドル外側の角部近傍に配置されている。
・・・
【0036】
電源ボタン102をオンすると、まずオートライトモードに入り、周囲の環境照度に基づいて前照灯30を自動で点消灯する。その後、ライトボタン104を押すとマニュアルライトモードに入る。・・・」

(1e)「【0044】
また、この発明は、図8に示すチャイルドシート付きの電動補助自転車10aにも適用できる。
【0045】
電動アシスト二輪車10aのハンドル32aは、ステム(図示せず)から車両幅方向の両側(左方向および右方向)に略水平に延びた後、略上方に延び、さらに略後方に延びている。ハンドル32aは、その左右両端部にそれぞれ、グリップ34a,36aを有する。ハンドル32aの左部分において、グリップ34aのステム側端部の近傍に、ベル46a、後輪ブレーキレバー38aおよび表示操作装置40がこの順で取り付けられている。また、ハンドル32aの右部分において、グリップ36aのステム側端部の近傍に、変速グリップ42a、前輪ブレーキレバー44a、およびハンドル32aをロックするための操作レバー120がこの順で取り付けられている。ハンドル32aの左右の部分に挟まれるようにチャイルドシート122が設けられている。
【0046】
電動補助自転車10aでは、表示操作装置40は、ハンドル32aの左部分の略車両前後方向に延びている箇所に取り付けられ、表示操作装置40の取り付け態様は略、図9に示すような状態となる。この実施形態においても、図1に示す電動補助自転車10と同様の効果が得られる。」

(1f)【図7】?【図9】は次のとおりである。

【図7】


【図8】

【図9】



(2)引用発明
図8、9に係る「他の実施形態」である「チャイルドシート付きの電動補助自転車10a」においても、「表示操作装置40」は、図1?7に係る「一実施形態」と同様のものであることは明らかである。
そうすると、引用文献1には、上記「他の実施形態」に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(なお、「他の実施形態」を説明する記載事項(1e)や図8、9に符号が記載されていない部材には、便宜上「一実施形態」と同じ符号を用いた。)。
「補助駆動機構56を有するチャイルドシート122付きの電動補助自転車10aであって、
ステム24と、
グリップ34a、36aを有しかつ前記ステム24から車両幅方向に延びるハンドル32aと、
装置本体86、および前記装置本体86に設けられかつ前記ハンドル32aの外周面を保持するように前記ハンドル32aに取り付けられる取付部88を含む表示操作装置40とを備え、
前記装置本体86は、前記ハンドル32aに対向しないように設けられる操作面90と、制御部92と、前記補助駆動機構56を操作するための操作部94と、各種情報を表示するための表示部96と、周囲の光を取り込むために前記操作面90に設けられる受光窓98と、前記受光窓98からの光に基づいて周囲の環境照度を検出する照度検出部100とを含み、
前記受光窓98は、前記ハンドル32aのうち前記取付部88の取付箇所の軸方向において、前記操作面90の重心点よりも前記ステム24側に位置するものであり、
前記補助駆動機構56は、バッテリ68と、駆動ユニット70とを含み、前記駆動ユニット70は、電動モータ72と、コントロールユニット74とを含むものであり、
前記操作部94は、運転者がオン/オフ操作を行う電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108とを含むものであり、
フロントフォーク26によって前照灯30が支持される、チャイルドシート122付きの電動補助自転車10a。」

2 引用文献2
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
(2a)「【請求項1】
動力源として電動補助装置による動力を併用し、ハンドルに前記電動補助装置の電源スイッチを設けた電動補助自転車であって、補助動力を発生することが可能な状態において、前記状態を維持するためのロック機構を具備したことを特徴とする電動補助自転車。」

(2b)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の電動補助自転車においては、補助シートに搭乗した幼児から電源スイッチは十分手の届く範囲内であり、電源スイッチを『おもちゃ』として搭乗に飽きた幼児が操作することも多く、このような状態で、急な坂道等の運転者にとって負荷を要する場所を走行中、前記幼児がハンドルに設けた電源スイッチを操作し、補助動力を『切』の状態にする場合もあった。
【0006】
かかる場合、運転者には急激に大きな負荷が作用し、ハンドル側にその重心が存在しているためバランスを崩し、運転者によっては転倒する場合もあった。」

(2c)「【0014】
(実施例1)
図1は本発明の電動補助自転車を示すものであり、これは電動補助自転車1の本体中央に二次電池3および電動補助装置5を配置し、かつハンドル7には電源スイッチ8を設けた構成を有しており、このような構成により、その重心を中央にすることができ、取り扱い等の利便性を飛躍的に向上させることが可能となる。
・・・
【0016】
本実施例の電動補助自転車1は図2に示すように、ハンドル7のグリップ部11に圧力センサ13を設けた構成を有している。
【0017】
これは補助動力を発生することが可能な状態を、運転者がグリップ部11を握ることで発生する圧力を圧力センサ13が検出し、当該情報を電源スイッチ8の『切』選択と比較し優先して適用するように電動補助装置に内蔵するマイコン等にプログラムしておくことで、運転者がグリップ部11を握り運転している限り、補助動力の発生を維持することができるようにするものである。
【0018】
すなわち、補助動力を発生することが可能な状態において、圧力センサ13が圧力を検出しつづける限り、電源スイッチ8の状態に関係なく前記状態を維持するものである。
【0019】
かかる場合、圧力センサ13を設けるグリップ部11は電源スイッチ8が取り付けられている側にすると良い。電源スイッチ8を運転者の意思によって『切』とする場合、そちら側の手で行うためであり、このときグリップ部11から手を離すためである。」

(2d)「【0022】
(実施例2)
当該実施例は、ペダルにかかる負荷を基に、補助動力を発生することが可能な状態を維持することとしたものである。
【0023】
図1に示す電動補助装置5にはペダル踏力を検出するトルク検出器が内蔵されている。これはトルク検出器から出力される情報をもとに踏力に応じた補助力を出力するためのものである。
【0024】
すなわち、換言すればトルク検出器により踏力が検出されている場合においては、運転者が補助力を要求しているものとみなすことができる。
【0025】
したがって、トルク検出器が踏力を検出している限りにおいて、つまりペダルにかかる踏力が所定値以上の場合、当該情報を電源スイッチ8の『切』選択と比較し優先して適用するように電動補助装置に内蔵するマイコン等にプログラムしておくことで、補助動力の発生を維持することができる。」

(2e)「【0030】
(実施例3)
図3は電源スイッチを示すものであり、電源スイッチ20は、補助動力『切』および『入』」等が選択できるように選択レバー24から構成されており、かつこの電源スイッチの補助動力『入』を維持するためのロックスイッチ25が電源スイッチ20の側面に具備されている。これにより、運転者の意思のみによって補助動力を『切』にすることができるようになる。なお、補助動力『切』および『入』等の選択は選択レバーに、またはロックスイッチ25の配置は電源スイッチ20の側面に限定されるものではなく、押ボタン形式、または電源スイッチ20の背面でも良い。」

3 引用文献3
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。
(3a)「【請求項1】
離れた位置に画像を投写するプロジェクタであって、
投写領域に存在する人を検知する検知部と、前記検知部による人の検知に応じて眩惑防止のための処理を行う眩惑防止手段と、前記眩惑防止手段による処理を停止して通常画像の投写を再開させる再開スイッチとを備え、
前記眩惑防止手段は、前記検知部による人の検知があった場合に、通常画像の投写に代えて、前記通常画像の投写が停止したことを示すミュート画像を投写するとともに、前記再開スイッチの操作を促す表示に切替えることを特徴とするプロジェクタ。」

(3b)「【0003】
しかしながら、前記いずれの従来技術においても、前記眩惑防止機能が作動した場合に、突然、通常画像を投写する光が減光又は消灯するため、プロジェクタの操作者や視聴者などを戸惑わせてしまうおそれがある。すなわち、操作者や視聴者などが、どのような行為や操作をしたらよいのか、戸惑ってしまう場合がある。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、眩惑防止機能の作動によって操作者や視聴者などが戸惑うようなことを軽減することができるプロジェクタを提供することにある。」

(3c)「【0025】
また、チャイルドロック手段は、図示しない記憶装置に記憶されてCPU10を機能させるプログラムであり、操作スイッチ52に対してあらかじめ定められた特定の操作があった場合に、プロジェクタ1に対する一部の操作を無効にするとともに、後述する眩惑防止手段を実行する。
前記特定の操作とは、例えば、電源スイッチを所定時間長押しする操作や、二つ以上のスイッチの同時操作等とすればよい。また、他例としては、専用のチャイルドロックスイッチを具備し、このチャイルドロックスイッチが操作されることにより前記チャイルドロック手段が実行されるようにしてもよい。」

(3d)「【0028】
次に、ステップ2では、操作スイッチ52に対する特定の操作によってチャイルドロック手段が実行中にあるか否かが判断され、実行中であれば次のステップ3へ処理を進め、そうでなければ当該ステップ2を繰り返してチャイルドロック手段が実行されるのを待つ(チャイルドロックされるまで待ち状態となる)。すなわち、操作スイッチ52に対する特定の操作によってチャイルドロック手段が実行された場合のみ眩惑防止手段が実行されることになる。
【0029】
なお、フローチャートによる図示を省略するが、チャイルドロック手段が実行された場合には、例えば停止スイッチに対する操作が無効になるなど、プロジェクタ1に対する一部の操作が無効にされる。」

4 引用文献4
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献4には、次の事項が記載されている。
(4a)「【請求項1】 暖房機器に組み込まれた各種機能の制御を指示する複数のスイッチと、チャイルドロックスイッチと、チャイルドロック表示手段と、警報音を発生させる警報音発生手段と、前記チャイルドロックスイッチの操作に基づいてチャイルドロック中であることをチャイ
ルドロック表示手段で表示し、かつ、前記複数のスイッチの指示を禁止する制御装置とを備え、前記制御装置はチャイルドロック中に前記複数のスイッチのうち何れかのスイッチが操作されたとき、前記警報音発生手段を駆動させるとともにチャイルドロック表示手段の表示状態を変化させることを特徴とする暖房機器。」

(4b)「【0014】前記制御装置1は、運転停止中で、かつ、チャイルドロックスイッチ12の操作に基づくチャイルドロック中に前記運転スイッチ2が操作されたときから一定時間(約5秒間)の間、チャイルドロック中警報処理を行い、前記ブザー14を「ピッ」「ピッ」「ピッ」と間欠的に駆動させるとともにチャイルドロック表示ランプ13を点灯から点滅に変化させるが、チャイルドロックスイッチ12の操作に基づくチャイルドロック中に前記各種スイッチ2、4、6A、6B、8、10うち何れかのスイッチが操作されたときから一定時間(約5秒間)の間、チャイルドロック中警報処理を行うようにしても良い。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 後者の「運転者」は前者の「乗員」に相当し、以下同様に、「電動モータ72」は「電動モータ」に、「コントロールユニット74」は「制御ユニット」に、「電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108」は「複数のボタン」に、「制御部92」は「制御回路」に、「表示操作装置40」は「操作盤」に、「電源ボタン102」は「電源ボタン」に、「アシストモード切替ボタン106a,106b」は「補助力設定ボタン」に、「電動補助自転車10a」は「電動補助自転車」に、それぞれ相当する。

イ 後者の「電動モータ72」は、「電動補助自転車10a」に用いるものであるから、「運転者」の人力を補助するための補助力を生成するものであることは明らかである。
また、後者の「補助駆動機構56」に含まれる「駆動ユニット70」は、「電動モータ72と、コントロールユニット74とを含むものであ」り、システムを構成することは明らかであるので、前者の「駆動システム」に相当するといえる。
そうすると、上記アも踏まえると、後者の「補助駆動機構56を有するチャイルドシート122付きの電動補助自転車10aであって、」「前記補助駆動機構56は、バッテリ68と、駆動ユニット70とを含み、前記駆動ユニット70は、電動モータ72と、コントロールユニット74とを含むものであ」ることは、前者の「乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、」「を備え」ることに相当するといえる。

ウ 後者の「オン/オフ操作を行う電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108」は、【図9】(摘示(1f))の各ボタンの記載や、段落【0036】(摘示(1d))の「ライトボタン104を押す」という記載を踏まえれば、各ボタンは押下により操作されることは技術的に明らかである。
そして、後者の「制御部92」は、各ボタンの操作を受け付けて、それぞれのボタンに応じたあらかじめ定められた処理を実行するものであることも技術的に明らかである。
そうすると、上記アも踏まえると、後者の「装置本体86、および前記装置本体86に設けられかつ前記ハンドル32aの外周面を保持するように前記ハンドル32aに取り付けられる取付部88を含む表示操作装置40とを備え、」「前記装置本体86は、前記ハンドル32aに対向しないように設けられる操作面90と、制御部92と、前記補助駆動機構56を操作するための操作部94と、各種情報を表示するための表示部96と、周囲の光を取り込むために前記操作面90に設けられる受光窓98と、前記受光窓98からの光に基づいて周囲の環境照度を検出する照度検出部100とを含み、」「前記操作部94は、運転者がオン/オフ操作を行う電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108とを含むものであ」るということは、前者の「複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤とを備え、」「前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行し」ていることに相当するといえる。

エ 以上のことより、本願発明1と引用発明とは、次の一致点1で一致し、相違点1で相違するものと認める。
〔一致点1〕
「乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、
複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤と
を備え、
前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、
前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行している、電動補助自転車。」

〔相違点1〕
本願発明1が
「前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し、
前記電源ロックモードでは、前記制御回路は、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し、前記補助力設定ボタンに操作が行われたときには前記操作を受け付ける」
という事項を有するものであるのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。

(2)判断
上記相違点1について検討する。
ア 引用文献2には、「発明が解決しようとする課題」として、「従来の電動補助自転車においては、補助シートに搭乗した幼児から電源スイッチは十分手の届く範囲内であり、電源スイッチを『おもちゃ』として搭乗に飽きた幼児が操作することも多く、このような状態で、急な坂道等の運転者にとって負荷を要する場所を走行中、前記幼児がハンドルに設けた電源スイッチを操作し、補助動力を『切』の状態にする場合もあった。」として、「かかる場合、運転者には急激に大きな負荷が作用し、ハンドル側にその重心が存在しているためバランスを崩し、運転者によっては転倒する場合もあった。」ということが記載されている(摘示(2b))。
そして、引用発明は「補助駆動機構56を有するチャイルドシート122付きの電動補助自転車10a」であるから、引用文献2と同様の課題を内包しているともいえる。

イ しかしながら、引用文献2において、当該課題を解決するために採用したのは、請求項1に記載される「補助動力を発生することが可能な状態において、前記状態を維持するためのロック機構を具備したこと」(摘示(2a))という手段であるが、具体的に記載されているのは、実施例1の「ハンドル7のグリップ部11に圧力センサ13を設け」、「補助動力を発生することが可能な状態において、圧力センサ13が圧力を検出しつづける限り、電源スイッチ8の状態に関係なく前記状態を維持するもの」(摘示(2c))であるか、実施例2の「電動補助装置5にはペダル踏力を検出するトルク検出器が内蔵され」、「トルク検出器が踏力を検出している限りにおいて、つまりペダルにかかる踏力が所定値以上の場合、当該情報を電源スイッチ8の『切』選択と比較し優先して適用するように電動補助装置に内蔵するマイコン等にプログラムしておくことで、補助動力の発生を維持する」もの(摘示(2d))であるか、実施例3の「電源スイッチの補助動力『入』を維持するためのロックスイッチ25が電源スイッチ20の側面に具備され」、「これにより、運転者の意思のみによって補助動力を『切』にすることができる」というもの(摘示(2e))であって、いずれであっても、上記相違点1に係る本願発明1の事項とは、課題の解決手段を異にするものである。

ウ また、引用文献3には、摘示(3c)、(3d)より、「眩惑防止手段」を有する「離れた位置に画像を投写するプロジェクタ」において、「操作スイッチ52に対してあらかじめ定められた特定の操作があった場合に、プロジェクタ1に対する一部の操作を無効にするとともに、」「眩惑防止手段を実行する」「チャイルドロック手段」が記載され、「特定の操作」として「電源スイッチを所定時間長押しする操作や、二つ以上のスイッチの同時操作等」が例示され、「チャイルドロック手段が実行された場合には、例えば停止スイッチに対する操作が無効になるなど、プロジェクタ1に対する一部の操作が無効にされる」技術が記載されている。

エ ここで、引用文献2に記載された課題(上記ア参照。)に鑑みて、引用発明においても、「チャイルドシート122」に載せた子供が、同様に「電源ボタン102」を操作してしまう可能性があるから、上記引用文献3に記載された技術の適用について検討する。
上記ウのとおり、引用文献3に記載された技術は、「プロジェクタ」に関するものであって、引用発明の「電動補助自転車10a」とは技術分野を異にするものである上、解決しようとする課題(摘示(3b))も異なるものである。さらに、チャイルドロック手段が実行された場合に無効になることが具体的に記載されているスイッチは「停止スイッチ」であって、「電源スイッチ」ではないし、また、「電源ロックモード」に係る技術が開示されているともいえない。
そうすると、引用発明に対し、引用文献3に記載された技術を適用することは、容易であるとは直ちにはいえないし、仮に適用したとしても、上記相違点1に係る本願発明1の事項を有するものには至らない。

オ なお、原査定において、請求項10?16に対して引用された引用文献4について検討しても、上記「第4 4」から明らかなように、上記相違点1に係る本願発明1の事項に係る開示はない。

カ したがって、本願発明1は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術(周知技術)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2について
(1)対比
ア 本願発明2と引用発明とを対比すると、上記「1(1)」と同様のことがいえる。

イ そうすると、本願発明2と引用発明とは、上記一致点1で一致し、次の相違点2、3で相違するものと認める。
〔相違点2〕
本願発明2が
「前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し、
前記電源ロックモードでは、前記制御回路は、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し、前記補助力設定ボタンに操作が行われたときには前記操作を受け付け」る
という事項を有するものであるのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。

〔相違点3〕
本願発明2が
「前記制御回路は、前記補助力設定ボタンに行われた操作が、前記電動モータの補助力を0にするための操作である場合には、前記操作の受け付けを禁止する」
という事項を有するものであるのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。

(2)判断
上記相違点2について検討する。
上記相違点2は、上記相違点1と実質的に同様のものであり、その判断についても、上記「1(2)」と同様である。
したがって、相違点3について検討するまでもなく、本願発明2は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術(周知技術)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明3について
(1)対比
ア 本願発明3と引用発明とを対比すると、上記「1(1)」と同様のことがいえる。

イ 上記ア(特に上記「1(1)イ」参照。)を踏まえると、後者の「補助駆動機構56を有するチャイルドシート122付きの電動補助自転車10aであって、」「前記補助駆動機構56は、バッテリ68と、駆動ユニット70とを含み、前記駆動ユニット70は、電動モータ72と、コントロールユニット74とを含むものであ」ることは、前者の「乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、」「を備えた電動自転車であって」ということに相当するといえる。

ウ 後者の「前照灯30」は前者の「ヘッドランプ」に相当する。
そうすると、上記アも踏まえると、後者の「電動補助自転車10a」の「フロントフォーク26によって前照灯30が支持される」ということは、前者の「前記電動補助自転車は、ヘッドランプをさらに備え」ていることに相当するといえる。

エ 後者の「ライトボタン104」は前者の「ライトボタン」に相当する。
そうすると、上記ア、ウも踏まえると、後者の「表示操作装置40」の「前記操作部94は、運転者がオン/オフ操作を行う電源ボタン102と、ライトボタン104と、アシストモード切替ボタン106a,106bと、メータ表示切替ボタン108とを含むものであ」ることは、前者の「前記操作盤は、前記ヘッドランプの点灯および消灯を行うためのライトボタンをさらに有して」いることに相当するといえる。

エ 以上のことより、本願発明3と引用発明とは、次の一致点2で一致し、次の相違点4、5で相違するものと認める。
〔一致点2〕
「乗員の人力を補助するための補助力を生成する電動モータ、および、前記電動モータの動作を制御する制御ユニットを含む駆動システムと、
複数のボタンおよび制御回路を有する操作盤と
を備えた電動補助自転車であって、
前記複数のボタンは、前記駆動システムの電源のオンおよびオフを行うための電源ボタン、および、前記電動モータの補助力を設定する補助力設定ボタンを含み、
前記制御回路は、前記複数のボタンの各々の押下を受け付けてあらかじめ定められた処理を実行し、
前記電動補助自転車は、ヘッドランプをさらに備え、
前記操作盤は、前記ヘッドランプの点灯および消灯を行うためのライトボタンをさらに有している、電動補助自転車。」

〔相違点4〕
本願発明3が
「前記駆動システムに電力が供給され、前記制御回路が通常操作モードで動作しているときにおいて、前記制御回路は、前記複数のボタンのうちの少なくとも1つのボタンに対する通常の操作とは異なる特定の操作を受け付けたとき、前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、通常操作モードおよび電源ロックモードの一方で動作することが可能であり、
前記通常操作モードでは、前記電源ボタンが押下されるたびに、前記電源のオンおよびオフを交互に行い、
前記電源ロックモードでは、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われた場合の前記電源のオフを禁止し、
前記制御回路は、前記通常操作モードにおいて前記少なくとも1つのボタンに対する前記特定の操作を受け付けたとき、前記通常操作モードから前記電源ロックモードに移行し」
ているという事項を有するのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。

〔相違点5〕
本願発明3が
「前記電源ロックモードで、かつ前記ヘッドランプが消灯している場合には、前記制御回路は、前記ライトボタンへの前記通常の操作に応答して前記ヘッドランプを点灯させ、
前記電源ロックモードで、前記ヘッドランプが点灯しており、かつ前記ライトボタンに前記通常の操作が行われたときは、前記制御回路は、前記ヘッドランプの点灯を維持する」
という事項を有するのに対し、引用発明は当該事項を有していない点。

(2)判断
上記相違点4について検討する。
上記相違点4は上記相違点1から「前記電源ロックモードでは、前記制御回路は、前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し、前記補助力設定ボタンに操作が行われたときには前記操作を受け付ける」という事項を省いたものである。
しかしながら、引用発明への引用文献2及び3に記載された技術の適用については、上記「1(2)」と同様のことがいえる(ただし、上記「1(2)エ」のうち、本願発明1、2にはあるが、本願発明3にはない「前記電源ボタンに前記通常の操作が行われたときには前記電源のオフを禁止し」という事項に対応する「チャイルドロック手段が実行された場合に無効になることが具体的に記載されているスイッチは『停止スイッチ』であって、『電源スイッチ』ではない」ということを除く。)。
したがって、相違点5について検討するまでもなく、本願発明3は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術(周知技術)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明4?16について
本願発明4?16は、本願発明1?3のいずれかの発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えたものであるから、本願発明1?3と同様の理由により、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術(周知技術)に基いて、あるいは、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3、4に記載された技術(周知技術)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1?16は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術(周知技術)に基いて、あるいは、引用発明、引用文献2に記載された技術及び引用文献3、4に記載された技術(周知技術)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-05-13 
出願番号 特願2016-180401(P2016-180401)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B62M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 畔津 圭介  
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 一ノ瀬 覚
島田 信一
発明の名称 電動補助車両  
代理人 梶谷 美道  
代理人 奥田 誠司  
代理人 山下 亮司  
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