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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04J |
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管理番号 | 1374445 |
審判番号 | 不服2018-16663 |
総通号数 | 259 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-12-13 |
確定日 | 2021-05-25 |
事件の表示 | 特願2015-540605「LTEアドバンスト用送信モード10のPDSCH用アンテナポートの送信スキーム及び準共同-位置仮定」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月 8日国際公開,WO2014/069937,平成28年 2月 4日国内公表,特表2016-503604〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は,2013年11月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年11月1日 米国,2013年7月15日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成29年12月4日付けで拒絶理由が通知され,平成30年3月12日に手続補正がなされ,平成30年8月2日付けで拒絶査定がされ,平成30年12月13日に拒絶査定不服審判が請求されると共に同時に手続補正がなされ,令和元年10月11日付けで当審が拒絶理由を通知し,令和2年1月15日に手続補正がなされ,令和2年2月17日付けで拒絶理由が通知され,令和2年5月25日に手続補正がなされ,令和2年7月28日付けで拒絶理由が通知され,令和2年11月4日に手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,令和2年11月4日の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものと認める。 「移動通信システム内の端末におけるPDSCH(physical downlink shared channel)受信方法において, QCL CSI-RS(quasi co-located channel state information reference signal)情報を含む上位階層信号(higher layer signaling)を受信する段階と, ダウンリンク制御情報(以下,DCI,downlink control information)フォーマット1AによってスケジューリングされたPDSCHを受信する段階と,を含み, 前記端末に送信モード10(以下,TM10,transmission mode 10)及びQCL type Bが設定され,前記DCIフォーマット1Aに対応する物理的ダウンリンク制御チャンネル(以下,PDCCH,physical downlink control channel)のCRC(cyclical redundancy check)がC-RNTI(cell radio network temporary identifier)によってスクランブリングされ,前記PDSCHの送信スキーム(scheme)がnon-MBSFN(multicast broadcast single frequency network)サブフレーム(subframe)ではなく,MBSFNサブフレームでアンテナポート7を用いると,前記PDSCHの受信時において,前記PDSCHのためのDMRS(demodulation reference signal)と前記QCL CSI-RS情報によって指示されるCSI-RSとをQCLと判断する,又は, 前記端末に前記送信モード10及び前記QCL type Bが設定され,前記DCIフォーマット1Aに対応する前記PDCCHのCRCがSPS(semi persistent scheduling) C-RNTIによってスクランブリングされると,前記PDSCHの受信時において,前記PDSCHのための前記DMRSと前記QCL CSI-RS情報によって指示されるCSI-RSとをQCLと判断することを特徴とする,PDSCH受信方法。」 3.当審の拒絶理由 当審において令和2年7月28日付けで通知した拒絶理由の概要は,下記のとおりである。 1(サポート要件)この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 ■理由1(サポート要件) ●請求項:1 (1)QCL CSI-RS設定情報を含むRRCメッセージを受信することについて (中略) 明細書【0024】には,「QCL-CSI-RS-Index」が記載されているが,「QCL-CSI-RS-Index」は,「E-PDCCHのDMRS」に対するQCLのための情報である。 一方,請求項のQCLは,「PDSCHのDMRS」に対するQCLであるから,「QCL-CSI-RS-Index」が「QCL CSI-RS設定情報」であると理解することはできない。 さらに,明細書【0024】には,QCL-CSI-RS-Indexが高位レイヤ信号(より高い階層信号)で送信されること,が記載されているが,RRCメッセージで送信されることは記載されていない。 RRCメッセージが高位レイヤ信号の一つであることが周知であるとしても,QCL-CSI-RS-IndexがRRCメッセージで送信されること,が記載されているとは理解されない。 (後略) 4.請求人の主張 審判請求人は,令和2年11月4日の意見書において, (3)理由1(サポート要件)について (3-1)審判長殿は,請求項1の「QCL CSI-RS設定情報」が明細書に記載されているどの情報であるのかを理解できない,と指摘されました。 「QCL CSI-RS設定情報」は,段落[0024]の「QCL-CSI-RS-Index」に相当しますので,該当請求項の「QCL CSI-RS設定情報」を「QCL CSI-RS情報」に補正しました。 と主張している。 5.当審の判断 本願発明は,「PDSCH受信方法」であるから,「PDSCH」におけるQCLについての発明である。 一方,明細書【0024】(下線は,当審が付与。)には, 「【0024】 E-PDCCH DMRSに対して準-共同位置構成で,端末(UE)が送信モード10(TM10)から構成されると,より高い階層信号,QCL-CSI-RS-IndexはE-PDCCH DMRSに対してQCL仮定を指示するために送信されることができる。QCL-CSI-RS-IndexはE-PDCCHセットごとに構成される(例えば,動作B1は次のように定義される。E-PDCCH DMRSポートは次の事項,すなわち,各分散したE-PDCCHセット又は各局所化されたE-PDCCHセット内のすべてのE-PDCCH DMRSポートは構成可能なNZP CSI-RSリソースとその大規模チャンネル特性(例えば,遅延広がり,ドップラースプレッド,ドップラーシフト,平均利得及び平均遅延)に対して準共同-位置されたことで仮定されることができるという事項を除いては,任意のRSポートと準共同-位置されたことで仮定されない。信号が提供される時,E-PDCCH DMRSポートは,E-PDCCHセット内のすべてのE-PDCCH DMRSポートがQCL-CSI-RS-Indexによって指示された非-ゼロ電力(NZP)CSI-RSリソースとその大規模チャンネル特性(例えば,遅延広がり,ドップラースプレッド,ドップラーシフト,平均利得及び平均遅延)に対して準共同-位置されたことで仮定されることができるということを除いては,任意のRSポートと準共同-位置されたことで仮定されない。QCL仮定に用いられたすべてのNZP-CSI-RSリソースはCoMP測定セットから構成されたNZP-CSI-RSリソースである。この信号が提供されなかったら,すべてのE-PDCCH DMRSポートは,サービングセルのためのCRSとその大規模チャンネル特性(例えば,遅延広がり,ドップラースプレッド,ドップラーシフト,平均利得及び平均遅延)に対して準共同-位置されたことで仮定されることができる(例えば,動作A)。E-PDCCHはさらにTM1乃至TM9に対して構成されることもでき,TM1乃至TM9に対するE-PDCCH DMRSQCL動作は動作Aである。」 と記載されるように,「QCL-CSI-RS-Index」は,「E-PDCCH DMRSに対してQCL仮定を指示するために送信され」,「E-PDCCHセットごとに構成される」のであるから,【0024】は,「E-PDCCH」におけるQCLについて記載されているに過ぎず,本願発明の「PDSCH」におけるQCLについて記載したものではない。 したがって,明細書【0024】は,本願発明における「QCL CSI-RS情報」の記載の根拠とはいえない。 また,発明の詳細な説明のその他の箇所を参照しても,「PDSCH」における「QCL CSI-RS情報」については記載されていないから,本願発明の「QCL CSI-RS設定情報を含む上位階層信号を受信すること」については,発明の詳細な説明に記載されていない。 6.むすび 以上のとおりであるから,本願発明は,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 したがって,他の請求項について論及するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-12-07 |
結審通知日 | 2020-12-14 |
審決日 | 2021-01-07 |
出願番号 | 特願2015-540605(P2015-540605) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(H04J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 北村 智彦 |
特許庁審判長 |
佐藤 智康 |
特許庁審判官 |
吉田 隆之 丸山 高政 |
発明の名称 | LTEアドバンスト用送信モード10のPDSCH用アンテナポートの送信スキーム及び準共同-位置仮定 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 崔 允辰 |
代理人 | 木内 敬二 |
代理人 | 阿部 達彦 |