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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C11D
管理番号 1374525
審判番号 不服2020-12536  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-09-08 
確定日 2021-06-15 
事件の表示 特願2017-532544「液体洗浄剤」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日国際公開、WO2017/022624、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
この出願は、平成28年7月28日(優先権主張 平成27年7月31日 日本国)を国際出願日とする出願であって、令和2年1月6日付けで拒絶理由が通知され、同年5月13日に意見書が提出され、同年6月4日付けで拒絶査定がされ、同年9月8日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和2年6月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1 本願請求項1に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 本願請求項1に係る発明は、下記の引用文献1又は引用文献2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2015-74762号公報
2.特開2003-171700号公報

第3 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、特許法第184条の6第2項の規定により、本願の願書に添付して提出されたものとみなされた特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりの発明である。

「【請求項1】
(a)成分:下記式(1)で表される化合物からなり、下記式(1)中におけるmの平均値が5?20であり、R1が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が(a)成分全体に対して45質量%以上であり、R1が二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が、R1が不飽和炭化水素である化合物全体に対して4質量%以上であるノニオン界面活性剤と、
(b)成分:アニオン界面活性剤と、
を含有する液体洗浄剤。
R^(1)CO(EO)_(m)OR^(2) ・・・(1)
(式(1)中、R^(1)は炭素数15?17の飽和又は不飽和炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、mは正の整数であり、R^(2)は炭素数1?3のアルキル基である。)」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。
(1-1)「【請求項1】
下記チクソトロピーインデックスが、5?2であることを特徴とする流動性洗浄剤。
チクソトロピーインデックス:50℃でB型粘度計を用いて測定された回転数6rpmにおける粘度ηαと、回転数30rpmにおける粘度ηβとの粘度比(ηα/ηβ)。
【請求項2】
下記式(1)で表されるノニオン界面活性剤(A)と、
質量平均分子量が9000?20万のポリエチレングリコールおよびメトキシ化ポリエチレングリコールから選ばれる1種以上の(B)成分と、
アルカリ剤および無機ビルダーからなる群より選ばれる1種以上の(C)成分と、
水(D)とを少なくとも含有し、
前記(A)成分の含有量が40?70質量%、前記(B)成分の含有量が0.5?3質量%、前記(C)成分の含有量が10?40質量%、水(D)の含有量が0を超え10質量%以下であることを特徴とする請求項1の流動性洗浄剤。
【化1】

(式(1)中、Rは炭素数9?17のアルキル基またはアルケニル基を示す。nはオキシエチレン基の平均繰り返し数を示し、10?20である。)」
(1-2)「【0048】
<実施例および比較例>
表1?表3に示す比率で各成分を混合し、各例の洗浄剤を製造し、上述の方法にて評価を行った。結果を表1?表3に示す。
なお、表中の各成分は以下のとおりである。
【0049】
(a-3):ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの[MEE(C12/14-15EO)]、合成品、ナロー率30%。
式(1)中、Rが炭素数11、13のアルキル基、n=15の化合物であり、以下のようにして製造した。
特許文献2に記載の合成方法(サンプルDに対応するもの)に準じて合成した。すなわち、化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業社製の商品名「キョーワード300」)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3×10^(5)Paに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾別助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加した後、触媒と副生物を濾別し、MEE(C12/14-15EO)を得た。
・・・
【0052】
(a-6):原料としてヤシ脂肪酸メチルの代わりにパーム脂肪酸メチルを用い、かつ、エチレンオキシドの導入量を変更した以外は、上記(a-3)と同様にして製造した。式(1)中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物。
【0053】
(b-1):質量平均分子量8000のポリエチレングリコール
(b-2):質量平均分子量7万のポリエチレングリコール
(b-3):質量平均分子量21万ポリエチレングリコール
【0054】
(c-1):炭酸ナトリウム
(c-2):A型ゼオライト
【0055】
AE(C12/C14-15EO):ヤシ高級アルコールに15モル相当の酸化エチレンを付加したもの
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
酵素:プロテアーゼ
漂白活性化剤:炭素数8?12のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸
蛍光増白剤:4,4’-ビス-(2-スルホスチリル)-ビフェニル塩
【0056】
【表1】



そうすると、引用文献1の実施例7には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる(摘記1-1参照)。
「a-6(式(1)(RCO(OCH_(2)CH_(2))_(n)OCH_(3))中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物)を50質量%、b-2(質量平均分子量7万のポリエチレングリコール)を2質量%、c-1(炭酸ナトリウム)を15質量%、c-2(A型ゼオライト)を10質量%、水を6質量%、AE(C12/C14-15EO)を5質量%、LASを10質量%、酵素(プロテアーゼ)を1質量%、漂白活性化剤を1質量%含む洗浄剤」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。
(2-1)「【請求項1】 脂肪酸塩と、オキシアルキレンの付加モル数が10以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及び/又はオキシアルキレンの付加モル数が3以上の脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及び/又はオキシアルキレンの付加モル数が3以上の脂肪酸ポリオキシアルキレンエーテルとを含有してなり、前記脂肪酸塩が10質量%を越えかつ50質量%以下となるように配合され、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及び/又は脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及び/又は脂肪酸ポリオキシアルキレンエーテルが6質量%以上、50質量%以下となるように配合されてなる衣料用液体洗浄剤組成物。」
(2-2)「【0007】脂肪酸塩としては、炭素数8?22の飽和または不飽和の、直鎖または分岐脂肪酸塩が好適に用いられ、このうち、炭素数12?18の脂肪酸塩がより好適とされる。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の各脂肪酸より製造される脂肪酸塩が挙げられる。脂肪酸塩の炭素数が12以上であり、かつ不飽和結合を1つ有する不飽和脂肪酸塩の割合が30?99重量%、不飽和結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸塩の割合が10重量%未満であることが、さらに好ましい。」
(2-3)「【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明する。弱アルカリ系の衣料用液体洗浄剤組成物として、表1、表2、表3に示す配合のもの(実施例1?18)と、表4に示す配合のもの(比較例1?6)を製造した。用いた主成分については、以下に示すものとした。
(a)石鹸 (略号:RCOOM Mは中和イオンを示す)
脂肪酸メチルエステルである、パステルM181[ライオンオレオケミカル(株)製])を定法により加水分解し、水酸化カリウム、またはモノエタノ-ルアミン、ジエタノ-ルアミン、トリエタノ-ルアミンで中和した。(それぞれ、カリウム塩、モノエタノ-ルアミン塩、ジエタノ-ルアミン塩、トリエタノ-ルアミン塩として、表1、表2、表3中に記す。)
(b)非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
「高級アルコ-ルエトキシレ-ト(商品名;ダイヤド-ル13[三菱化学(株)製]をライオン(株)実験室にて定法によりEOを付加したもの)」(略号:AEnとして、表1、表2、表3、表4中に記す。ただし、nは平均EO付加モル数)
「パステルM181メチルエステル[ライオンオレオケミカル(株)製]をライオン(株)実験室にて定法によりEOを付加したもの」(略号:MEEnとして、表1、表2、表3、表4中に記す。ただし、nは平均EO付加モル数)
それぞれ、nで示す平均エチレンオキサイト付加モル数として、実施例ではn=5?30のものを使用した。なお、「パステルM181」のアルキル分布は以下に示す通りである。

【0021】
【表1】



そうすると、引用文献2の実施例1には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているといえる(摘記2-3参照)。
「脂肪酸メチルエステルである、パステルM181[ライオンオレオケミカル(株)製])を定法により加水分解し中和して得たカリウム塩を13%、MEE15(パステルM181メチルエステル[ライオンオレオケミカル(株)製]をライオン(株)実験室にて定法によりEOを15モル付加したもの)を23%、エタノールを9%、エチレングリコールを15%、香料を0.2%、水分を残部含む衣料用液体洗浄剤組成物」

第5 判断
1 引用発明1
(1)対比
引用発明1の「LAS」、「洗浄剤」は、それぞれ、本願発明の「(b)成分:アニオン界面活性剤」、「液体洗浄剤」に相当する。
引用発明1の(a-6)(式(1)(RCO(OCH_(2)CH_(2))_(n)OCH_(3))中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物)は、本願発明の「(a)成分:下記式(1)で表される化合物からなり、下記式(1)中におけるmの平均値が5?20であり、R^(1)が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が(a)成分全体に対して45質量%以上であり、R^(1)が二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が、R^(1)が不飽和炭化水素である化合物全体に対して4質量%以上であるノニオン界面活性剤
・・・
R^(1)CO(EO)_(m)OR^(2) ・・・(1)
(式(1)中、R^(1)は炭素数15?17の飽和又は不飽和炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、mは正の整数であり、R^(2)は炭素数1?3のアルキル基である。)」と、ノニオン界面活性剤の限りにおいて一致する。
そうすると、本願発明と引用発明1との間には、次の一致点及び相違点を認めることができる。
(一致点)
「(a)成分:ノニオン界面活性剤と
(b)成分:アニオン界面活性剤と、
を含有する液体洗浄剤。」

(相違点1)
ノニオン界面活性剤が、本願発明では下記式(1)で表される化合物からなり、下記式(1)中におけるmの平均値が5?20であり、R^(1)が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物の割合(以下、「不飽和脂肪酸残基率」ともいう。)が(a)成分全体に対して45質量%以上であり、R^(1)が二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基である化合物の割合(以下、「ポリ不飽和脂肪残基率」ともいう。)が、R^(1)が不飽和炭化水素である化合物全体に対して4質量%以上であるノニオン界面活性剤
・・・
R^(1)CO(EO)_(m)OR^(2) ・・・(1)
(式(1)中、R^(1)は炭素数15?17の飽和又は不飽和炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、mは正の整数であり、R^(2)は炭素数1?3のアルキル基である。)であるのに対し、引用発明1では(a-6)(RCO(OCH_(2)CH_(2))_(n)OCH_(3))中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物)である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討すると、引用発明1の(a-6)は、引用文献1の式(1)中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物であるから、本願発明の式(1)中、R^(1)が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物とは、実質的に相違する。
また、引用発明1の(a-6)の原料であるパーム油それ自体はオレイン酸及びリノール酸を含んでいるが、引用文献1の【0052】の記載では、原料のパーム脂肪酸メチルの調製方法の詳細が説明されておらず、一般に脂肪酸エステル類の調製に当たっては「分留」などの操作が行われており、引用文献1の【0049】の(a-3)の化合物の調製においても、ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルを8/2にしたヤシ油脂肪酸メチルを原料として用いていることをも勘案すると、引用発明1の(a-6)の化合物が「分留」などの操作を行わずに調製されていると解することはできない。そして、同【0052】には(a-6)の化合物が「式(1)中、Rが炭素数15、17のアルキル基、n=15の化合物」であると明記されているので、引用発明1の(a-6)の化合物において、アルケニル基などの不飽和炭化水素基が含まれているとは解し得ない。
また、引用文献1には、その式(1)のRが炭素数9?17のアルケニル基(1つの二重結合を含む不飽和炭化水素基)であるものを使用できることについての記載はあるが、二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基を有する化合物については、示唆を含めて記載がないから、引用発明1において、ノニオン界面活性剤として、不飽和脂肪酸残基率が45質量%以上、ポリ不飽和脂肪酸残基率が4質量%以上のものを採用することは、当業者が容易になし得ることではない。
そして、本願発明は、ノニオン界面活性剤として、不飽和脂肪酸残基率が45質量%以上、ポリ不飽和脂肪酸残基率が4質量%以上のものを採用することにより、カーボン汚れの再汚染抑制効果及び洗浄性と、低温安定性とを両立できるという効果を奏するものであり(本願明細書の【表1】?【表3】を参照。)、引用発明1からは予測し得ない格別の作用効果を奏するものと認められる。
よって、本願発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 引用発明2
引用発明2の「脂肪酸メチルエステルである、パステルM181[ライオンオレオケミカル(株)製])を定法により加水分解し中和して得たカリウム塩」、「衣料用液体洗浄剤組成物」は、それぞれ、本願発明の「(b)成分:アニオン界面活性剤」、「液体洗浄剤」に相当する。
引用発明2のMEE15(パステルM181メチルエステル[ライオンオレオケミカル(株)製]をライオン(株)実験室にて定法によりEOを15モル付加したもの)は、本願発明の「(a)成分:下記式(1)で表される化合物からなり、下記式(1)中におけるmの平均値が5?20であり、R^(1)が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が(a)成分全体に対して45質量%以上であり、R^(1)が二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が、R^(1)が不飽和炭化水素である化合物全体に対して4質量%以上であるノニオン界面活性剤
・・・
R^(1)CO(EO)_(m)OR^(2) ・・・(1)
(式(1)中、R^(1)は炭素数15?17の飽和又は不飽和炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、mは正の整数であり、R^(2)は炭素数1?3のアルキル基である。)」と、ノニオン界面活性剤の限りにおいて一致する。
そうすると、本願発明と引用発明2との間には、次の一致点及び相違点を認めることができる。

(一致点)
「(a)成分:ノニオン界面活性剤と
(b)成分:アニオン界面活性剤と、
を含有する液体洗浄剤。」

(相違点2)
ノニオン界面活性剤が、本願発明では下記式(1)で表される化合物からなり、下記式(1)中におけるmの平均値が5?20であり、R^(1)が二重結合を含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が(a)成分全体に対して45質量%以上であり、R^(1)が二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素基である化合物の割合が、R^(1)が不飽和炭化水素である化合物全体に対して4質量%以上であるノニオン界面活性剤
・・・
R^(1)CO(EO)_(m)OR^(2) ・・・(1)
(式(1)中、R^(1)は炭素数15?17の飽和又は不飽和炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、mは正の整数であり、R^(2)は炭素数1?3のアルキル基である。)であるのに対し、引用発明ではMEE15(パステルM181メチルエステル[ライオンオレオケミカル(株)製]をライオン(株)実験室にて定法によりEOを15モル付加したもの)である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点2について検討すると、引用発明2のMEE15は、ポリ不飽和脂肪酸であるC18不飽和2を1質量%未満含む「パステルM181」を原料とするものであるから(摘記2-3参照)、本願発明のノニオン界面活性剤におけるポリ不飽和脂肪酸残基率4質量%以上という構成を充足するものではない。
また、引用文献2の[0007]の記載は脂肪酸塩のポリ不飽和脂肪酸の割合に関するものであり、MEE15のような非イオン界面活性剤のポリ不飽和脂肪酸の割合に関するものではないから、ノニオン界面活性剤において二重結合を2つ以上有するポリ不飽和脂肪酸の割合を10質量%未満の範囲で調整しうることが示されているとはいえない。
そうすると、引用発明2において、ノニオン界面活性剤として、不飽和脂肪酸残基率が45質量%以上、ポリ不飽和脂肪酸残基率が4質量%以上のものを採用することは、当業者が容易になし得ることではない。
そして、本願発明は、ノニオン界面活性剤として、不飽和脂肪酸残基率が45質量%以上、ポリ不飽和脂肪酸残基率が4質量%以上のものを採用することにより、カーボン汚れの再汚染抑制効果及び洗浄性と、低温安定性とを両立できるという効果を奏するものであり(本願明細書の【表1】?【表3】を参照。)、引用発明2からは予測し得ない格別の作用効果を奏するものと認められる。
よって、本願発明は、当業者であっても、引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 小括
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載されたものではなく、当業者が引用文献1又は引用文献2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-05-26 
出願番号 特願2017-532544(P2017-532544)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C11D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 林 建二  
特許庁審判長 蔵野 雅昭
特許庁審判官 瀬下 浩一
木村 敏康
発明の名称 液体洗浄剤  
代理人 田▲崎▼ 聡  
代理人 加藤 広之  
代理人 川越 雄一郎  
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