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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61G
管理番号 1374616
審判番号 不服2020-17456  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-21 
確定日 2021-06-22 
事件の表示 特願2019- 72180号「ベッド操作装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月27日出願公開、特開2019-103901号、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 理 由
第1 手続きの経緯
本願は、平成25年4月12日に出願した特願2013-084215号の一部を平成29年8月30日に新たに出願した特願2017-165368号の一部を平成31年4月4日に新たに出願したものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 2年 3月18日付け:拒絶理由通知書
同年 5月20日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月16日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
同年12月21日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1?4
・引用文献等 1?3(請求項1);
1?4(請求項2?4)

引用文献等一覧
1.特開2011-125552号公報
2.特開2002-99303号公報
3.特開平5-200075号公報
4.特開平5-200073号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願の請求項1?3に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」?「本願発明3」という。)は、令和2年12月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ベッド装置を操作制御するベッド操作装置において、
前記ベッド操作装置は
複数の操作ボタンと、情報が表示可能な表示部とを備え、
前記表示部に操作ロック中と表示されているときに、前記複数の操作ボタンのうち、任意の一の操作ボタンが選択され、当該一の操作ボタンの選択状態が所定時間維持された後、選択された状態が解除された場合に前記ベッド装置の操作のロックを解除し、
前記ベッド装置の操作のロックが解除された場合には、前記表示部にベッド装置の操作のロックが解除されたことを前記表示部に表示し、
前記操作のロックが解除され、ベッド装置の操作が可能となった後には、前記ベッド装置の状態を前記表示部に表示することを特徴とするベッド操作装置。
【請求項2】
前記所定時間は、少なくとも3秒であることを特徴とする請求項1に記載のベッド操作装置。
【請求項3】
操作可能ランプを更に備え、
前記ベッド装置の操作のロックを解除した場合に、前記操作可能ランプを点灯することを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド操作装置。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は、当審が付した。以下同様である。)。
「【請求項1】
電動式作動台に備えたアクチュエータを駆動させるコントローラに、スイッチの操作により入力指令を出力して前記アクチュエータを遠隔操作するリモコンスイッチ装置であって、
操作により生じる状態の変化を検出する状態検出センサと、
前記検出センサが検出した変化に基づいて静止状態又は動作状態を判定し、判定結果に応じて前記スイッチの操作による入力指令を前記コントローラに出力するか否かを決定するスイッチ操作判定部とを備えることを特徴とするリモコンスイッチ装置。
【請求項2】
前記状態検出センサが角度センサであることを特徴とする請求項1に記載のリモコンスイッチ装置。
【請求項3】
現在の時点から所定の時間前までにおける前記角度センサの検出した角度の平均値を基準角度として、前記角度センサが現在検出する角度が、前記基準角度より所定角度以上大きいか、又は前記基準角度よりも所定角度以上小さい場合に前記動作状態が検出されたとして、入力指令を前記コントローラに出力する判定をするスイッチ状態変化検出部を備え、
前記スイッチ操作判定部が、前記スイッチ状態変化検出部が前記動作状態を検出した場合、前記入力指令を前記コントローラに出力する判定をし、前記入力指令をコントローラに出力することを特徴とする請求項2に記載のリモコンスイッチ装置。
【請求項4】
前記状態検出センサが加速度センサであり、
前記加速度センサにより検出される加速度が予め定められた範囲内の加速度である場合、前記動作状態が検出されたとして、入力指令を前記コントローラに出力する判定をするスイッチ状態変化検出部を備え、
前記スイッチ操作判定部が、前記スイッチ状態変化検出部が前記動作状態を検出した場合、前記入力指令を前記コントローラに出力する判定をし、前記入力指令を前記コントローラに出力することを特徴とする請求項1に記載のリモコンスイッチ装置。
【請求項5】
複数のボタンスイッチが配列され、該複数のボタンスイッチのうちいずれかが押下されると、押下されたボタンスイッチに応じたボタン信号を出力するボタン入力部を備え、
前記スイッチ操作判定部は、
前記スイッチ状態変化検出部によりリモコンスイッチ装置の角度変化が検出されるのを待つ角度変化待ち状態Aと、
前記角度変化待ち状態Aにおいて角度変化が検出された場合に遷移する状態であって、所定のマスク時間に渡りボタン信号の受付を禁止するボタン信号マスク状態Bと、
前記ボタン信号マスク状態B において前記所定のマスク時間が経過した場合に遷移する状態であって、ボタン信号の受付を許可するボタン信号受付状態Cと、
前記ボタン信号受付状態Cにおいてボタン信号が入力された場合に遷移する状態であって、入力されたボタン信号を前記コントローラに出力する状態であるボタンON状態Dと、の4つの遷移モードを備え、
前記リモコンスイッチ装置の角度変化の情報と、前記ボタンスイッチのオン・オフ状態とに応じて前記4つの判定モードの間を遷移して、前記ボタン信号を受け付けるか否かを判定することを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載のリモコンスイッチ装置。」

「【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の請求項1に係わるリモコンスイッチ装置は、電動式作動台に備えたアクチュエータを駆動させるコントローラに、スイッチの操作により入力指令を出力して前記アクチュエータを遠隔操作するリモコンスイッチ装置であって、操作により生じる状態の変化を検出する状態検出センサと、前記検出センサが検出した変化に基づいて静止状態又は動作状態を判定し、判定結果に応じて前記スイッチの操作による入力指令を前記コントローラに出力するか否かを決定するスイッチ操作判定部とを備えることを特徴とする。 このリモコンスイッチ装置では、人がリモコンスイッチを操作する場合は、手に持って操作するためリモコンスイッチ装置の状態(例えば、傾き)が変化することを状態検出センサにより検出し、この状態検出センサが検出結果に基づいて、静止状態又は動作状態を判定し、判定結果に応じてスイッチの操作を受け付けるか否かを決定する。 これにより、人が手に持たずにリモコン操作が行われた場合、すなわち、人の意図としない状況でリモコン操作が行われた場合、電動式作動台が作動することなく、かつ、人の意図とする状況での操作を複雑化しない、リモコンスイッチ装置を実現できる。」

「【0016】
(リモコンスイッチ装置と電動ベッド装置の構成の説明)
図1は、本発明の実施の形態に係わるリモコンスイッチ装置10と、このリモコンスイッチ装置10を用いた電動ベッド装置(電動式作動台)1の構成を示す図である。
図1に示す電動ベッド装置1は、電動ベッド2と、この電動ベッド2を遠隔操作する手元スイッチとなるリモコンスイッチ装置10とで構成される。
電動ベッド2は、使用者の体を支えるベッド本体5と、このベッド本体5の起倒機構を駆動するアクチュエータとなるモータ4と、モータ4を駆動制御するコントローラ3と、で構成される。リモコンスイッチ装置10は、コントローラ3に通信ケーブル等で有線接続される。なお、電動ベッド2は、複数のモータを設けた構成でもよい。」

「【0019】
リモコンスイッチ装置10は、コントローラ3を遠隔操作するための複数の種類のスイッチ(ボタンスイッチ)が配列されたスイッチ入力機器である。このリモコンスイッチ装置10は、図2に示すような外観構成のものであり、通信ケーブル3Aによりコントローラ3に有線接続されている。このリモコンスイッチ装置10の表面上には、複数の押下式のボタンスイッチ(単に「ボタン」とも呼ぶ)が配列されたボタン入力部11と、発光ダイオードで構成される表示部16とが配置されている。また、リモコンスイッチ装置10には、リモコンスイッチ装置10の電源をON/OFFする電源スイッチ18の他に、解除スイッチ17を備えている。この解除スイッチ17は、後述するリモコンスイッチ装置10おけるボタン信号マスク機能を解除するためのスイッチである。
【0020】
図1戻って、リモコンスイッチ装置10は、各種のボタン(スイッチ)が配列されたボタン入力部11と、リモコンスイッチ装置10の傾き(姿勢)を検出する状態検出センサである角度センサ12と、角度センサ12から出力される信号によりリモコンスイッチ装置10の傾き(角度)を検出する角度検出部13と、リモコンスイッチ装置10の動き(加速度)を検出する状態検出センサである加速度センサ14と、加速度センサ14から出力される信号によりリモコンスイッチ装置10の動き(加速度)を検出する加速度検出部15と、を備えている。」

「【0024】
スイッチ状態変化検出部23は、角度検出部13から出力される信号が示す角度情報、又は角度検出部13から出力される信号が示す加速度情報のいずれか、又は両方の情報に基づいて、リモコンスイッチ装置10自身に状態の変化(傾きの角度変化、又は動きによる加速度の発生)が生じたか否かを判定する。
スイッチ操作判定部24は、上記角度情報に基づき、後述する判定モードを設定し、この判定モードに応じて、ボタン入力部11から送信されるボタン信号を受け付ける否かを判定する処理を行う。」

「【0027】
また、表示部16は、リモコンスイッチ装置10がボタン信号の受付可能状態であることを示すためのものであり、例えば、緑色の発光ダイオード等である。また、解除スイッチ17は、後述するリモコンスイッチ装置10におけるボタン信号マスク機能を解除するためのスイッチである。この、解除スイッチ17をONにすることにより、スイッチ入力判定部21におけるボタン信号のマスク機能は解除され、ボタン入力部11から出力されるボタン信号(コントローラ3に対する入力指令)が、マスクされずにそのままコントローラ3に出力される。」

「【0029】
また、図2に示す例では、電動ベッド2を3台のモータ4A、4B、4Cで駆動する例を示したが、これに限定されない。電動式作動台の種類、構造、機能等に応じて使用するモータ台数が適宜に決められる。また、表示部16としては、LEDを用いる他に、液晶ディスプレイであってもよい。さらには、ボタン信号受付可能状態にあることを、音声又は楽曲により知らせるようにしてもよい。」

「【0033】
一方、ボタン信号受付状態Cにおいて、時刻t4にボタン信号がON(ONエッジ有り)になると、このボタンON信号はスイッチ入力判定部21に受け付けられ、ボタンON状態Dとなる。このボタンON状態Dにおいては、ボタンON信号がコントローラ3に出力される(符号aで示すボタンON信号)。
その後、時刻t5において、「角度変化無し」の状態において、スイッチ入力判定部21は、ボタン信号がOFFになると、受付許可時間タイマ27を起動し、時刻t6までの受付許可時間T2を計測し、この受付許可時間T2の間は、ボタン信号受付状態Cを維持する。すなわち、「角度変化無し」及び「ボタンOFF」の状態で所定の受付許可時間T2が経過するまでは、ボタン信号の受付を許可する。そして、時刻t6以後、スイッチ入力判定部21は、再び、角度変化待ち状態Aに移行する。
従って、時刻t7において、ボタンON信号(ONエッジ有り)が入力されても、角度変化待ち状態Aであるため、このボタンON信号は受け付けられず、コントローラ3にボタンON信号が出力されることはない。」

また、以下に示すように図1、2にはリモコンスイッチ装置10および電動ベッド2の構成を示す図が図示されている。


(2)上記(1)から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「 使用者の体を支えるベッド本体5と、このベッド本体5の起倒機構を駆動するアクチュエータとなるモータ4と、モータ4を駆動制御するコントローラ3とで構成される電動ベッド2を遠隔操作するリモコンスイッチ装置10であって、
リモコンスイッチ装置10の表面上には、発光ダイオードで構成される表示部16が配置され、
表示部16は、リモコンスイッチ装置10がボタン信号の受付可能状態であることを示すためのものであり、表示部16としては液晶ディスプレイであってもよく、
複数のボタンスイッチが配列され、該複数のボタンスイッチのうちいずれかが押下されると、押下されたボタンスイッチに応じたボタン信号を出力するボタン入力部11と、
操作により生じる状態の変化を検出する状態検出センサと、
前記検出センサが検出した変化に基づいて静止状態又は動作状態を判定し、判定結果に応じて前記ボタンスイッチの操作による入力指令を前記コントローラ3に出力するか否かを決定するスイッチ操作判定部24とを備え、
前記状態検出センサが角度センサ12であり、
現在の時点から所定の時間前までにおける前記角度センサ12の検出した角度の平均値を基準角度として、前記角度センサ12が現在検出する角度が、前記基準角度より所定角度以上大きいか、又は前記基準角度よりも所定角度以上小さい場合に前記動作状態が検出されたとして、入力指令を前記コントローラ3に出力する判定をするスイッチ状態変化検出部23を備え、
前記スイッチ操作判定部24が、前記スイッチ状態変化検出部23が前記動作状態を検出した場合、前記入力指令を前記コントローラ3に出力する判定をし、前記入力指令をコントローラ3に出力し、
前記スイッチ操作判定部24は、
前記スイッチ状態変化検出部23によりリモコンスイッチ装置10の角度変化が検出されるのを待つ角度変化待ち状態Aと、
前記角度変化待ち状態Aにおいて角度変化が検出された場合に遷移する状態であって、所定のマスク時間に渡りボタン信号の受付を禁止するボタン信号マスク状態Bと、
前記ボタン信号マスク状態Bにおいて前記所定のマスク時間が経過した場合に遷移する状態であって、ボタン信号の受付を許可するボタン信号受付状態Cと、
前記ボタン信号受付状態Cにおいてボタン信号が入力された場合に遷移する状態であって、入力されたボタン信号を前記コントローラに出力する状態であるボタンON状態Dと、の4つの遷移モードを備え、
前記リモコンスイッチ装置10の角度変化の情報と、前記ボタンスイッチのオン・オフ状態とに応じて前記4つの判定モードの間を遷移して、前記ボタン信号を受け付けるか否かを判定し、
角度変化待ち状態Aであると、ボタンON信号は受け付けられず、コントローラ3にボタンON信号が出力されることはない、
リモコンスイッチ装置10。」

2 引用文献2について
(1)引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0003】図2において、介護用ベッド1は、中央部で屈曲可能なベッド本体2と、このベッド本体2の下部に設けられた足部3内に配置され、ベッド本体2の昇降動作、あるいは、ベッド本体2の上半身部の昇降動作させるアクチュエータ4と、このアクチュエータ4にケーブル5によって接続され、アクチュエータ4の動作を操作、制御するリモコン6等で構成されている。」

「【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明によれば、電源を投入した際、あるいは投入した後に、リモコンの任意のキーが押された状態にし、その後、このキーを解放した時に、アクチュエータを起動するように設定したことを特徴とするアクチュエータの制御方法を提供する。」

「【0010】
【発明の実施の形態】本発明における実施例を介護用ベッドに使用されるアクチュエータの制御方法を例に図1?図2を用いて説明する。図1は、本発明における電源投入からアクチュエータの起動までのフローチャート図である。
【0011】図1および図2において、電源を投入する際にリモコン6の任意のキー6aが押されているか、あるいはキー6aが押されたか確認する。(STEP1)
【0012】次に、リモコン6のキー6aが押されている時、あるいは押された時は、その後、リモコン6のキー6aが解放されたか確認する。(STEP2)
【0013】キー6aが解放されず押し続けられている場合は、解放されるまで待機する。そして、リモコン6のキー6aが解放されたときに、アクチュエータ4を起動する。あるいは、キー6aが解放され、さらに任意のキー6aを押したときに、アクチュエータ4を起動する。(STEP3)
【0014】以上の方法により、誤ってリモコンのキーの上に物が置いてあっても、アクチュエータが起動することがなく、安全性を向上させることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の制御方法を用いることによって、電源を投入する時の介護用ベッド等の機器の安全性を向上させることができる。」

また、以下に示すように図1には電源投入からアクチュエータの起動までのフローチャート図が、図2には介護用ベッドとリモコン部の簡略図が図示されている。



(2) 引用文献2の認定事項
上記(1)の摘示から、次のことが認定できる。
ア 段落【0008】、図1から、「リモコン6の任意のキー6aが押された」ことの「確認」が、電源を投入した後に行われること。

イ 段落【0003】の「アクチュエータ4の動作を操作、制御するリモコン6」との記載から、段落【0013】に記載の「アクチュエータ4」の「起動」は「リモコン6」が行うこと。

(3)引用文献2技術事項
上記(1)及び(2)より、引用文献2には次の技術的事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されているものと認める。
「 介護用ベッドに使用されるアクチュエータ4の動作を操作、制御するリモコン6において、
電源を投入した後、リモコン6の任意のキー6aが押されたか確認し、リモコン6のキー6aが押された時は、その後、リモコン6のキー6aが解放されたか確認し、キー6aが解放されず押し続けられている場合は、解放されるまで待機し、リモコン6のキー6aが解放され、さらに任意のキー6aを押したときに、アクチュエータ4を起動するリモコン6。」

3 引用文献3について
(1)引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。
「【0002】
【従来の技術】産婦人科用の検診装置は、一般に、患者の腰を受ける腰マットおよび患者の背を受ける背マットを備える検診台と、医師に対する患者の高さを調節すべく検診台を昇降させる昇降機構と、医師に対する患者の向きを調節すべく検診台を垂直軸線の周りに角度的に回転させる回転機構と、患者を任意な角度の仰臥状態におくべく背マットを腰マットに対し任意な角度に倒す傾動機構とを含む(たとえば、特開平3-49462号公報、実開平3-40995号公報)。検診時、患者が検診台に着座すると、検診台は、更衣領域の側から検診領域の側に向けられる。次いで、患者を所定の高さにおくべく検診台が所定の高さに上昇され、患者を任意な角度の仰臥状態におくべく背マットが腰マットに対し所定の角度に倒される。この状態で、検診が行われる。検診が終了すると、背マットが起され、検診台が下降され、検診台が初期の位置に向けられる。検診時における検診台の高さおよび腰マットに対する背マットの角度の最適な値は、医師によって異なる。」

「【0011】検診台12は、医師に対する患者の向きを調節する図示しない回転機構を介してアーム16に取り付けられており、また前記回転機構により、垂直方向へ伸びる軸線すなわち垂直軸線の周りに角度的に回転される。昇降機構14は、ベローズを用いたケース18内に配置されている。検診台12は、患者の腰を受ける腰マット12aと、患者の背を受ける背マット12bと、患者の足を受ける一対の股受け12cと、患者の肘を受ける一対の肘受け12dとを有する。背マット12bは、患者を任意な角度の仰臥状態におくべく、図示しない傾動機構により腰マット12aに対し任意な角度に傾動される。両股受け12cは、患者を任意な検診状態におくべく、図示しない上下動機構により調整される。昇降機構14および前記傾動機構は、油圧機構のような複数の油圧ジャッキを用いた機構である。これに対し、前記回転機構および前記上下動機構は、駆動源として電動機を用いた機構である。
【0012】図2を参照するに、検診台12のための制御装置20は、検診台12を作動させる指令を入力する第1および第2の入力ユニット22,24と、垂直軸線の周りにおける検診台の回転角度、腰マットの高さ、背マットの角度および股受けの高さからなる現在値を検出しかつ出力する測定装置26と、検診台の回転角度、腰マットの高さ、背マットの角度および股受けの高さを記憶する複数の記憶部を備える記憶回路28と、主制御回路30と、該主制御回路により制御される第1,第2および第3のドライバー32,34および36と、主制御回路30により制御されるメロディー発生器38とを備える。第1の入力ユニット22は、それぞれが第1のスイッチとして作用する複数のフットスイッチを備えており、また検診装置が設置された床に移動可能に配置される。第2の入力ユニット24は、それぞれが第2のスイッチとして作用する複数の指令キーを備えており、また図1に示すようにケース18の上面に取り付けられている。
【0013】第1の入力ユニット22の各フットスイッチは、検診の開始を指令する開始スイッチ、検診が終了したことを指令する終了スイッチ、検診台の上昇を指令する台上昇スイッチ、検診台の下降を指令する台下降スイッチ、背マットを倒すことを指令する背マット傾動スイッチ、背マットを起すことを指令する背マット復帰スイッチ、股受けを上昇させることを指令する股受け上昇スイッチ、股受けを下降させることを指令する股受け下降スイッチ等、検診台を実際に変位させるスイッチに割り当てられている。開始スイッチおよび終了スイッチは、オンにされたことにより対応する指令信号を出力する。これに対し、他のスイッチは、オンに維持されている間、対応する指令信号を出力する。
【0014】第2の入力ユニット24の各指令キーは、図3に示すように、垂直軸線の周りにおける検診台の回転角度の設定値を大きくすることを指令する角度大キー40a、前記垂直軸線の周りにおける検診台の回転角度の設定値を小さくすることを指令する角度小キー40b、各指令キーを無効(キーロック)の状態から解除する解除キー40c、メロディーを発生するモード(メロディモード)への設定とその解除を指令するメロディキー40d、記憶部内への情報の更新が可能のモード(更新モード)に設定する更新モードキー40e、記憶部に対応されかつ対応する記憶部を特定する記憶部指定信号を出力する複数のメモリキー40f,40g,40h,40i,40jを含む。
【0015】第2の入力ユニット24は、また、垂直軸線の周りにおける検診台の回転角度の設定値を表示する表示器42と、キー40c?40jに個々に対応された複数の発光ダイオード44c?44jとを備える。表示器42は、数字を複数のセグメントにより表示する既知のものであり、図示の例では3桁の数字を表示可能である。各発光ダイオード44c?44jは、対応するキー40c?40jが有効とされている間点灯される。」

「【0024】垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値、すなわち基準位置からの回転角度の設定値は、第2の入力ユニット24の表示器42に表示される。メロディーを発生させるべく(メロディモードに)設定されていると、検診台12が変位している間、制御回路30はメロディー発生指令をメロディー発生器38に供給し、それによりメロディーが発生される。
【0025】次に、図4?図9を参照して、第2の入力ユニット24のキーが圧下されたときの制御回路の動作について説明する。
【0026】第2の入力ユニット24の各指令キーのうち、解除キー40c以外の各指令キーは、圧下されても無効すなわちキーロックのモードに常におかれている。このため、解除キー40c以外のいずれかの指令キーが誤って圧下されても、検診台12は動作しない。すなわち、第2の入力ユニット24の各指令キーは、医師および看護婦以外に、患者が無意識のうちに誤って圧下することがある。もし、各指令キーが有効すなわちキーロック解除のモードに常時おかれていると、患者等が検診中に誤っていずれかの指令キーを圧下することにより、検診台が作動するから、危険である。しかし、各指令キーが常時キーロックのモードにおかれていると、患者等が検診中に誤っていずれかの指令キーを圧下しても、検診台が作動しないから、安全である。
【0027】図4に示すように、解除キー40cが圧下されると、制御回路30は、解除キー40cが圧下された状態が一定時間たとえば2秒連続していたか否かを判定する(ステップ100)。ステップ100における判定の結果、解除キー40cが圧下された状態が一定時間連続していなかったときは、制御回路30は待機状態に戻る。しかし、解除キー40cが圧下された状態が一定時間連続していると、制御回路30は、第2の入力ユニット24の各キーをキーロック解除の状態におき、解除キー40cに対応する発光ダイオード44cを点灯させる(ステップ101)。このため、解除キーが所定時間連続して操作状態に維持されない限り、指令キーが誤って操作されても、検診台が作動せず、安全である。次いで、制御回路30は、解除キー40cが圧下されてから一定時間たとえば3秒経過したか否かを判定する(ステップ102)。この判定の結果、3秒経過していると、制御回路30は、第2の入力ユニット24の各キーを無効すなわちキーロックの状態におき、解除キー40cに対応する発光ダイオード44cを消灯状態においた後(ステップ103)、待機状態に戻る。このため、第2の入力ユニット24の各キーは、再びキーロックの状態におかれ、安全性が高められる。ステップ102における判定の結果、3秒経過していないと、制御回路30は、他のキーが圧下されたか否かを判定する(ステップ104)。この判定の結果、他のキーが圧下されていないと、制御回路30は、ステップ102に戻る。このため、解除キー40cが圧下されてから一定時間の間に他のキーが圧下されないと、制御回路30はステップ103を実行した後待機状態に戻り、第2の入力ユニット24の各キーは再びキーロックの状態におかれ、安全性が高められる。ステップ104における判定の結果、他のキーが圧下されていると、制御回路30は、圧下されたキーに対応する処理をした後(ステップ105)、その他のキーが圧下されてから一定時間たとえば3秒経過しているか否かを判定する(ステップ106)。制御回路30は、ステップ106における判定の結果、一定時間を経過していないと、ステップ104に戻るが、一定時間を経過していると、ステップ103を実行した後、待機状態に戻る。このため、他のキーが圧下されてから一定時間の間に、複数の指令キーにより次々と制御指令を入力することができる。また、他のキーが圧下されてから一定時間の間にさらに他のキーが圧下されないと、各指令キーは再びキーロックの状態におかれ、安全性が高められる。」

また、以下に示すように図3には、第2の入力ユニット24が図示されている。



(2)引用文献3技術事項
上記(1)より、引用文献3には次の技術的事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されているものと認める。
「 回転機構により垂直軸線の周りに角度的に回転される検診台12のための制御装置20は、検診台12を作動させる指令を入力する第1および第2の入力ユニット22,24を備え、
第2の入力ユニット24は、それぞれが第2のスイッチとして作用する複数の指令キーを備えており、
第2の入力ユニット24の各指令キーは、垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値を大きくすることを指令する角度大キー40a、前記垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値を小さくすることを指令する角度小キー40b、各指令キーを無効(キーロック)の状態から解除する解除キー40cを含み、
第2の入力ユニット24は、垂直軸線の周りにおける検診台12の基準位置からの回転角度の設定値を表示する表示器42と、解除キー40cに対応された発光ダイオード44cとを備え、
垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値は、第2の入力ユニット24の表示器42に表示され、
解除キー40cが圧下された状態が一定時間連続していると、第2の入力ユニット24の各キーをキーロック解除の状態におき、解除キー40cに対応する発光ダイオード44cを点灯させる
検診台12のための制御装置20。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「電動ベッド2」、「リモコンスイッチ装置10」、「ボタンスイッチ」、及び、「表示部16」は、それぞれ、本願発明1の「ベッド装置」、「ベッド操作装置」、「操作ボタン」、及び、「表示部」に相当する。

イ 引用発明1の「電動ベッド2を遠隔操作するリモコンスイッチ装置10」は、上記アも踏まえると、本願発明1の「ベッド装置を操作制御するベッド操作装置」に相当する。

ウ 引用発明1の「ボタン入力部11」には「複数のボタンスイッチが配列され」ている。また、引用発明1の「リモコンスイッチ装置10の表面上」に「配置され」た「表示部16」は「液晶ディスプレイ」でもよく、「液晶ディスプレイ」が情報を表示可能であることは明らかである。そうすると、引用発明1のかかる事項は、上記アも踏まえると、本願発明1の「複数の操作ボタンと、情報が表示可能な表示部とを備え」る事項に相当する。

エ 引用発明1において、「角度変化待ち状態Aであると、ボタンON信号は受け付けられず、コントローラ3にボタンON信号が出力されることはな」く、「ボタン信号受付状態C」では「ボタン信号の受付を許可する」から、前記「角度変化待ち状態A」では「電動ベッド2」の「操作」がロックされており、前記「ボタン信号受付状態C」では「電動ベッド2」の「操作」のロックが解除されているといえる。そうすると、引用発明1の「角度変化待ち状態Aにおいて角度変化が検出された場合に」「ボタン信号マスク状態B」に「遷移」して「ボタン信号マスク状態Bにおいて」「所定のマスク時間が経過した場合」に、「ボタン信号受付状態C」に「遷移」する事項と、本願発明1の「前記表示部に操作ロック中と表示されているときに、前記複数の操作ボタンのうち、任意の一の操作ボタンが選択され、当該一の操作ボタンの選択状態が所定時間維持された後、選択された状態が解除された場合に前記ベッド装置の操作のロックを解除」する事項とは、上記アも踏まえると、「ベッド装置の操作のロックを解除」するという点で共通する。

オ 引用発明1の「表示部16」は、「リモコンスイッチ装置10がボタン信号の受付可能状態であることを示すためのものであ」って「ボタン信号受付状態C」であることを示すものである。そして、上記エで述べたように「ボタン信号受付状態C」では「電動ベッド2」の「操作」のロックが解除されている。そうすると、引用発明1の「表示部16」が「リモコンスイッチ装置10がボタン信号の受付可能状態であることを示す」事項は、本願発明1の「ベッド装置の操作のロックが解除された場合には、前記表示部にベッド装置の操作のロックが解除されたことを前記表示部に表示」する事項に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で一致し、また、以下の点で相違する。
<一致点>
「 ベッド装置を操作制御するベッド操作装置において、
前記ベッド操作装置は
複数の操作ボタンと、情報が表示可能な表示部とを備え、
前記ベッド装置の操作のロックを解除し、
前記ベッド装置の操作のロックが解除された場合には、前記表示部にベッド装置の操作のロックが解除されたことを前記表示部に表示する、
ベッド操作装置。」

<相違点>
上記「ベッド装置の操作のロック」に関して、本願発明1では「前記表示部に操作ロック中と表示されているときに、前記複数の操作ボタンのうち、任意の一の操作ボタンが選択され、当該一の操作ボタンの選択状態が所定時間維持された後、選択された状態が解除された場合に前記ベッド装置の操作のロックを解除し」、「前記操作のロックが解除され、ベッド装置の操作が可能となった後には、前記ベッド装置の状態を前記表示部に表示する」のに対して、引用発明1では「検出センサが検出した変化に基づいて静止状態又は動作状態を判定」するように構成されて「角度変化待ち状態Aにおいて角度変化が検出された場合」に「所定のマスク時間に渡りボタン信号の受付を禁止するボタン信号マスク状態B」に「遷移」し、「前記ボタン信号マスク状態Bにおいて前記所定のマスク時間が経過した場合」に「ボタン信号の受付を許可するボタン信号受付状態C」に「遷移」するものであり、「ボタン信号受付状態C」において電動ベッド2の状態を表示部16に表示するか不明である点。

(2)相違点についての判断
ア 引用文献2技術事項との組み合わせについて
引用発明1は、段落【0007】に記載されているように「人が手に持たずにリモコン操作が行われた場合、すなわち、人の意図としない状況でリモコン操作が行われた場合、電動式作動台が作動することなく、かつ、人の意図とする状況での操作を複雑化しない、リモコンスイッチ装置を実現」することを課題としている。そして、引用発明1は、前記「人が手に持たずにリモコン操作が行われた場合」を判定すべく、「検出センサが検出した変化に基づいて静止状態又は動作状態を判定」するものであり、具体的には、「操作により生じる状態の変化を検出する状態検出センサ」である「角度センサ12」により「検出」した「リモコンスイッチ装置10の角度変化」に基づいて「静止状態又は動作状態を判定」するものである。
引用発明2技術事項において、「リモコン6のキー6aが解放され、さらに任意のキー6aを押したときに、アクチュエータ4を起動する」ことから、「電源を投入した後」、「リモコン6のキー6aが押され」、「リモコン6のキー6aが解放され」た状態となるまでは、「キー6aを押し」ても「アクチュエータ4を起動する」ことはできないといえる。
そうすると、「電源を投入した後」は「キー6a」の操作はロックされており、「リモコン6の任意のキー6aが押されたか確認し、リモコン6のキー6aが押された時は、その後、リモコン6のキー6aが解放されたか確認し、キー6aが解放されず押し続けられている場合は、解放されるまで待機し、リモコン6のキー6aが解放され」ときに前記ロックが解除されるといえる。
しかしながら、引用発明2技術事項は、上記ロックの解除に関して、単に「任意のキー6a」が「押されたか」及び「解放されたか」を確認するものであり、リモコン6の操作により生じる状態の変化、すなわちリモコン6の静止状態又は動作状態を判定するものではない。
そうすると、引用発明1においてロックを解除する操作の構成を引用文献2技術事項の構成に代えると、リモコンスイッチ装置10の静止状態又は動作状態を判定することができないから、人が手に持たずにリモコン操作が行われた場合に電動ベッド2が作動し得ることとなり、引用発明1において解決しようとする課題を解決することができなくなる。
したがって、引用発明1において、そのように変更をする動機付けがあるとはいえず、むしろ阻害要因があるといえる。

イ 引用発明3技術事項との組み合わせについて
(ア) 引用文献3技術事項において「検診台12」を「回転機構により垂直軸線の周りに角度的に回転」させる事項は、「医師に対する患者の向きを調節す」るために行われるものである(段落【0002】参照)。また、「表示器42に表示され」る「設定値」は「基準位置からの回転角度の設定値」である。
一方、引用発明1の「リモコンスイッチ装置10」が「遠隔操作する」「電動ベッド2」の「ベッド本体5」は垂直軸線の周りに角度的に回転されることはないから、「ベッド本体5」に横たわる人間と、「リモコンスイッチ装置10」の使用者との向きが変わるものではない。さらに、引用発明1の「電動ベッド2」は基準位置なる位置が存在するか不明である。
そうすると、引用発明1に引用文献3技術事項の「表示器42」により「垂直軸線の周りにおける検診台12の基準位置からの回転角度の設定値を表示する」事項を適用する動機付けはない。

(イ) 引用文献3技術事項は、「表示器42」により「垂直軸線の周りにおける検診台12の基準位置からの回転角度の設定値を表示」し、「キーロック解除の状態」において「解除キー40cに対応する発光ダイオード44cを点灯させる」ものである。しかしながら、「垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値」は、検診台12の状態とはいえないし、操作のロックが解除され、検診台12の操作が可能となった後に表示されるか不明である。また、「発光ダイオード44c」の「点灯」も検診台12の状態を表示するものとはいえない。
そうすると、仮に引用発明1に引用文献3技術事項の「表示器42」により「垂直軸線の周りにおける検診台12の回転角度の設定値を表示する」事項、ないし、「キーロック解除の状態」において「解除キー40cに対応する発光ダイオード44cを点灯させる」事項を適用したとしても、上記相違点における本願発明1の構成のうち、少なくとも「前記操作のロックが解除され、ベッド装置の操作が可能となった後には、前記ベッド装置の状態を前記表示部に表示する」との構成には至らない。

ウ 小括
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2、3について
本願発明2、3は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 まとめ
上記1、2のとおり、本願発明1?3は、引用発明1及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
令和2年12月21日に提出された手続補正書による補正により、本願発明1?3は、上記相違点に係る本願発明1の構成を有するものとなっており、上記第5で述べたとおり、拒絶査定において引用された、引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。




 
審決日 2021-06-03 
出願番号 特願2019-72180(P2019-72180)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 井出 和水  
特許庁審判長 一ノ瀬 覚
特許庁審判官 畔津 圭介
氏原 康宏
発明の名称 ベッド操作装置  
代理人 馬場 信幸  
代理人 宮尾 明茂  
代理人 神田 正義  
代理人 藤本 英介  

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