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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1374706 |
審判番号 | 不服2020-9722 |
総通号数 | 259 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-07-10 |
確定日 | 2021-06-10 |
事件の表示 | 特願2016- 47665「LEDモジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 9月14日出願公開、特開2017-163058〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年3月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 元年10月11日付け:拒絶理由通知書 令和 元年11月20日 :意見書、手続補正書の提出 令和 2年 4月15日付け:拒絶査定 令和 2年 7月10日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和2年7月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年7月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであり、本件補正前後で特許請求の範囲の記載は以下のとおりである(下線は当審で付加。以下同様。)。 (1)補正前の特許請求の範囲 本件補正前の特許請求の範囲(令和元年11月20日にされた手続補正により補正されたもの)の記載は以下のとおりである。 「【請求項1】 樹脂基材と、 前記樹脂基材の上方に形成された金属層と、 前記金属層の上方に形成された複数層からなるレジスト層と、 前記レジスト層の上に接着材を介して実装されたLEDチップとを有し、 前記レジスト層は、エポキシアクリル系又はシリコン系の樹脂材料によって構成されており、 前記接着材は、白色であり、 前記接着材は、水分及び酸素が当該接着材を透過しないバリア性を有する含有量の白色顔料を含む LEDモジュール。 【請求項2】 前記金属層と前記LEDチップとを電気的に接続するワイヤを有し、 前記レジスト層は、前記金属層を露出させる開口部を有し、 前記ワイヤは、前記開口部を介して前記金属層に電気的に接続されている 請求項1に記載のLEDモジュール。 【請求項3】 前記開口部の外側周辺部分における前記レジスト層は、1層のみである 請求項2に記載のLEDモジュール。 【請求項4】 前記レジスト層は、エポキシアクリル系の樹脂材料によって構成されている 請求項1?3のいずれか1項に記載のLEDモジュール。 【請求項5】 前記金属層は、銅によって構成されている 請求項1?4のいずれか1項に記載のLEDモジュール。 【請求項6】 さらに、前記LEDチップを封止する封止部材を備える 請求項1?5のいずれか1項に記載のLEDモジュール。」 (2)補正後の特許請求の範囲 本件補正後の特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。 「【請求項1】 樹脂基材と、 前記樹脂基材の上方に形成された金属層と、 前記金属層の上方に形成された複数層からなるレジスト層と、 前記レジスト層の上に接着材を介して実装されたLEDチップとを有し、 前記レジスト層は、エポキシアクリル系又はシリコン系の樹脂材料によって構成されており、 前記レジスト層を構成する複数層の各々は、白色であり、 前記接着材は、白色であり、 前記接着材は、水分及び酸素が当該接着材を透過しないバリア性を有する含有量の白色顔料を含む LEDモジュール。 【請求項2】 前記金属層と前記LEDチップとを電気的に接続するワイヤを有し、 前記レジスト層は、前記金属層を露出させる開口部を有し、 前記ワイヤは、前記開口部を介して前記金属層に電気的に接続されている 請求項1に記載のLEDモジュール。 【請求項3】 前記開口部の外側周辺部分における前記レジスト層は、1層のみである 請求項2に記載のLEDモジュール。 【請求項4】 前記レジスト層は、エポキシアクリル系の樹脂材料によって構成されている 請求項1?3のいずれか1項に記載のLEDモジュール。 【請求項5】 前記金属層は、銅によって構成されている 請求項1?4のいずれか1項に記載のLEDモジュール。 【請求項6】 さらに、前記LEDチップを封止する封止部材を備える 請求項1?5のいずれか1項に記載のLEDモジュール。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「複数層からなるレジスト層」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 よって、以下においては、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項に規定する独立特許要件を満たすか)どうかについて検討する。 (1)補正後の本願発明 本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献 ア 引用文献1 (ア)原査定の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-187081号公報(以下「引用文献1」という。)には、図とともに、以下の記載がある。 「【請求項1】 金属部材と、 前記金属部材の上に接して配置された白色レジストと、を有し、 接合面が絶縁性の部材からなる発光素子が、前記白色レジストの上に接合部材を介して配置されることを特徴とする発光装置。」 「【請求項3】 前記金属部材は、絶縁性基板上に配置された金属層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。」 「【0007】 そこで、本発明は、発光素子の下にも白色レジストを設けることで、発光素子からの光を反射し、光取り出し効率を向上することが可能な発光装置を提供することを目的とする。」 「【0017】 白色レジスト20の材料は、例えば、TiO_(2)等の反射性粒子と有機物ないし無機物のバインダーとを混錬したものである。いわゆる白色レジストや白色インク、セラミックスインク等が該当する。 有機物のバインダーとしては、好ましくは耐熱性・耐光性に優れたシリコーン樹脂やフッ素樹脂等が用いられ、フッ素樹脂を用いることが特に好ましい。反射性粒子は、発光素子10からの光を吸収しにくく、かつ母体となる樹脂に対する屈折率差の大きい反射部材( 例えばTiO_(2),Al _(2)O_(3),ZrO_(2),MgO等の無機材料) 等の粉末を分散することで、効率よく光を反射させることができる。 【0018】 白色レジスト20の厚みは、5μm?50μmであることが好ましい。白色レジスト20は2層以上の積層により形成されていてもよい。」 「【0026】 [絶縁性基板] 絶縁性基板12には、ある程度の強度を有する材料を好ましく用いることができる。このような絶縁性部材としては、例えば、FR-4、セラミックス(Al_(2)O_(3)、AlNなど)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)などの樹脂を一例として挙げることができる。これらの樹脂に、ガラス繊維や、SiO_(2)、TiO_(2)、Al_(2)O_(3)などの無機フィラーを混合すれば、機械的強度の向上、熱膨張率の低減、及び光反射率の向上などを図ることができる。」 「【0031】 [発光素子] 発光素子10には、例えば発光ダイオードを用いることができる。発光素子10は、サファイアなどの絶縁性の成長基板( 絶縁性の部材) に半導体層( 例えば窒化物半導体層)が積層された発光素子が好適に用いられ、絶縁性の部材を白色レジスト側に配置し、接合部材28を介して実装する。本実施形態において、発光素子10は絶縁性の白色レジスト20の上に載置されるため、発光素子10の電極は白色レジストとの接合面となる面の反対側の面に、正負一対以上の電極を有することが好ましい。この電極にワイヤボンドすることにより、導電部材14と発光素子10とが電気的に接続される。複数の発光素子を使用する場合にあっては、発光素子の電極同士をワイヤ24 で接合してもよい。ワイヤ24は、電気伝導性を有する金属等の各種材料であってよい。好ましくは、金、銅、アルミニウム、銀、または金合金、銀合金などからなる。」 「【0033】 [接合部材] 接合部材28は、発光素子10を白色レジスト20に接合する部材である。本実施形態においては、接合部材が導電性である必要はなく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂や不飽和ポリエステルなどの樹脂などが好適に挙げられる。これらは、単独又は2 種類以上混合して使用することもできる。また、金、銀、銅やカーボンなどの導電性材料を含有させても良い。」 (イ)上記(ア)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「絶縁性基板上に配置された金属層である金属部材と、 前記金属部材の上に接して配置された白色レジストと、 を有し、 接合面が絶縁性の部材からなる発光素子が、前記白色レジストの上に接合部材を介して配置され、 絶縁性基板には、FR-4、セラミックス(Al_(2)O_(3)、AlNなど)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)などの樹脂からなる材料を用い、 白色レジストの材料は、反射性粒子と有機物ないし無機物のバインダーとを混錬したものであり、有機物のバインダーとしては、好ましくは耐熱性・耐光性に優れたシリコーン樹脂やフッ素樹脂等が用いられ 白色レジストは2層以上の積層により形成され、 発光素子は、発光ダイオードである、 発光装置。」 イ 引用文献2 (ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-109404号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【0044】 載置部材17は、シリコン樹脂製であって、透明であり、屈折率がLED基材よりも大きく、封止材と同等あるいは、それ以上である。ただし、透明でなくとも、光反射部材16に劣らない反射率を有していれば、白色等に着色されていてもよい。また、シリコン樹脂でなくとも、光や熱による変色等の劣化が抑制された材料であれば、エポキシ樹脂等であってもよい。 載置部材17は、発光素子11の搭載後の樹脂の厚みが、熱抵抗の観点から、薄ければ薄いほどよく、接着の観点も含め、1?3μm程度に設定される。 従って、載置部材17が透明または光反射部材16以上の反射率を有することにより、載置部材17による光吸収が抑制されて効率的に光を反射できる。」 (イ)また、図1は次のとおりのものである。 ![]() 17 載置部材 (ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる。 <引用文献2に記載の技術事項1> 「発光素子を搭載する、載置部材を白色等に着色し、載置部材による光吸収を抑制し、発光素子からの光を効率的に反射すること。」 ウ 引用文献3 (ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2007-324205号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 「【請求項2】 前記レジスト部は、白色粉末を含有することにより白色を呈していることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。」 「【請求項4】 前記発光素子は、前記レジスト部上に設けられる白色のダイボンドペースト上に搭載されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。」 「【0035】 また、前記実施形態においては、ダイボンドペースト6が透明の樹脂であるものを示したが、例えば、図5に示すように、ダイボンドペースト206が白色の樹脂であってもよい。図5にはダイボンドペースト206に白色粉末を混入させた発光装置201を図示している。白色粉末としては、セラミックを用いたものが反射率及び熱伝導率が高くなり好ましい。白色粉末としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ボロンナイトライド等の白色粉末を用いることができる。 【0036】 この発光装置201によれば、ダイボンドペースト206が白色であるので、LEDチップ3から基板2側に出射した光の一部はダイボンドペースト206にて反射する。そして、ダイボンドペースト206を透過した光は被覆レジスト部27にて反射する。これにより、LEDチップ3から出射する光を確実に反射させることができる。」 (イ)また、図5は次のとおりのものである。 ![]() (ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献3には、次の技術事項が記載されていると認められる。 <引用文献3に記載の技術事項1> 「LEDチップをレジスト部上に設けられる白色のダイボンドペースト上に搭載し、LEDチップから基板2側に出射した光の一部をダイボンドペーストにて反射すること。」 <引用文献3に記載の技術事項2> 「白色のダイボンドペーストを得るのに、ダイボンドペーストに酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ボロンナイトライド等の白色粉末を混入させること。」 (3)対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「絶縁性基板」には、樹脂からなる材料が用いられるから、これは、本件補正発明の「樹脂基材」に相当する。 (イ)引用発明の「金属部材」は、絶縁性基板上に配置された金属層であるから、これは、本件補正発明の「樹脂基材の上方に形成された金属層」に相当する。 (ウ)引用発明の「白色レジスト」は、金属部材の上に接して配置され、材料は、反射性粒子と有機物バインダーとを混錬したものであり、有機物のバインダーとして、耐熱性・耐光性に優れたシリコーン樹脂やフッ素樹脂等が用いられ、2層以上の積層により形成されるから、これは、本件補正発明の「金属層の上方に形成された複数層からなるレジスト層」であって、(レジスト層は)「エポキシアクリル系又はシリコン系の樹脂材料によって構成されており」、「レジスト層を構成する複数層の各々は、白色であ」ることに相当する。 (エ)引用発明の「接合部材」、「発光素子」は、それぞれ、本件補正発明の「接着材」、「LEDチップ」に相当し、また、引用発明における「接合面が絶縁性の部材からなる発光素子が、白色レジストの上に接合部材を介して配置され」ることは、本件補正発明における「レジスト層の上に接着材を介して実装されたLEDチップとを有」することに相当する。 (オ)引用発明の「発光装置」は、本件補正発明の「LEDモジュール」に相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 樹脂基材と、 前記樹脂基材の上方に形成された金属層と、 前記金属層の上方に形成された複数層からなるレジスト層と、 前記レジスト層の上に接着材を介して実装されたLEDチップとを有し、 前記レジスト層は、エポキシアクリル系又はシリコン系の樹脂材料によって構成されており、 前記レジスト層を構成する複数層の各々は、白色である、 LEDモジュール。 <相違点> 接着材につき、本件補正発明が白色とし、水分及び酸素が当該接着材を透過しないバリア性を有する含有量の白色顔料を含むようにしたのに対し引用発明がこのような構成を採用していない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 レジスト層の上にLEDチップを、接着材を介して実装するに際して、LEDチップからの光を効率的に反射するべく、接着材を白色にすることは、従来周知の技術(以下「周知技術1」という。)である(上記の「引用文献2に記載の技術事項1」および「引用文献3に記載の技術事項1」を参照のこと。)。そして、引用発明は、発光素子から基板側に向かう光を効率よく反射させようとするものである(2.(2) ア (ア)【0007】、【0017】の記載参照)から、当業者は、引用発明に上記の周知技術1を適用する動機があるというべきである。 そして、白色の接着材を得るのに、接着材に白色顔料を含むようにすることも従来周知の技術(以下「周知技術2」という。)であり(上記の「引用文献3に記載の技術事項2」を参照のこと。)、また、顔料が水分及び酸素を透過しないバリア性を有することは自明の事項であるから、接着材に十分な白色顔料を含ませ、接着材がバリア性を有するものとなるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 そうすると、引用発明に、上記周知技術1及び2を適用し、本件補正発明とすることは、当業者が容易に想到することが出来たものである。 (5)審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において「引用文献1-5には、レジスト層の各層も接着材も白色とした上で、レジスト層の材料としてエポキシアクリル系又はシリコン系の樹脂材料を用いつつ、接着材の材料として、水分及水分及び酸素が接着材を透過しないバリア性を有する含有量の白色顔料を含むものを用いるという構成については開示されておりません。」、「樹脂製の白色のレジスト層の上に樹脂製の接着材を配置する場合、通常、白色のレジスト層の上にさらに白色の接着材を重ねるということはいたしません。」(5頁7行?19行から抜粋)と主張する。 しかしながら、そもそも、引用文献3には、白色を呈するレジスト部上に設けられる白色のダイボンド上に発光素子を搭載することが記載されており(第2 2 (2) ウ (ア))、また、白色のレジスト層の上に白色の接着材を重ねれば、「発光素子からの光を反射し、光取り出し効率を向上する」ことに資することはあっても阻害することはないことは明らかであるといえ、審判請求人の上記主張には理由がない。 (6)小活 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和2年7月10日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年11月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 記 1 特開2014-187081号公報 2 特開2012-109404号公報 3 特開2007-324205号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし3及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「複数層からなるレジスト層」に係る限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2021-03-30 |
結審通知日 | 2021-04-06 |
審決日 | 2021-04-19 |
出願番号 | 特願2016-47665(P2016-47665) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 百瀬 正之 |
特許庁審判長 |
井上 博之 |
特許庁審判官 |
瀬川 勝久 吉野 三寛 |
発明の名称 | LEDモジュール |
代理人 | 寺谷 英作 |
代理人 | 新居 広守 |
代理人 | 道坂 伸一 |