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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02J
管理番号 1375328
審判番号 不服2020-12956  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-09-16 
確定日 2021-06-17 
事件の表示 特願2017-537684「情報出力装置、情報出力方法、及び、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日国際公開、WO2017/038364〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)8月4日(優先権主張 2015年(平成27年)9月3日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 5月14日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 6月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 7月31日付け:拒絶査定
令和 2年 9月16日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和2年9月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年9月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおり補正された。
「【請求項1】
電気機器の価格帯、設置年及び販売年の中の少なくとも1つを示す属性情報に基づいてグループを作成し、複数の前記電気機器の消費電流または消費電力の時系列データを前記グループごとに表示する手段を有する情報出力装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和2年6月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
電気機器のメーカー、価格帯、設置年及び販売年の中の少なくとも1つを示す属性情報に基づいてグループを作成し、複数の前記電気機器の消費電流または消費電力の時系列データを前記グループごとに表示する手段を有する情報出力装置。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「属性情報」がとりうる選択肢から「電気機器のメーカ」を削除することによって、「属性情報」の範囲を限定するものであり、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2013-134740号公報(平成25年7月8日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、「使用電力管理システム」について、図面とともに、次の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

「【0049】
〔エネルギー管理サーバの機能ブロック構成〕
図6に、エネルギー管理サーバ3の機能ブロック図を例示する。エネルギー管理サーバ3は、電源接続機器設定部301、電力計測部302、接続機器判定部303、カテゴリ集計部304、比較表示部305の各機能部を有し、本使用電力管理システムの管理機能を提供する。以上の各機能部は、エネルギー管理サーバ3が主記憶装置上に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行することで提供される。」

「【0056】
接続機器判定部303は、接続機器データベース313からそれぞれの電源接続機器1のそれぞれのコンセントのセンサID、それぞれのコンセントに接続されている機器、および各センサIDと対応する利用者ID、即ちコンセントを利用する利用者を示す情報を読み出す。また、接続機器判定部303は、接続機器データベース313からそれぞれのコンセントに接続されている機器の属する機器ID、機器が属する目的別グループID等を読み出す。そして、接続機器判定部303は、センサID、利用者ID、機器ID、目的別グループIDをカテゴリ集計部304に引き渡す。機器IDとは、コンセントに接続されている機器の種類をオフィス内でユニークに特定する情報である。例えば、複数のデスクトップパーソナルコンピュータに対して、同一の機器ID、例えばAが付与される。また、複数のノートブックパーソナルコンピュータに対して、他の同一の機器ID、例えば、Bが付与される。本実施形態では、センサIDで特定されるコンセントと、そのコンセントに接続される機器との関係は、固定であると見なされる。したがって、本実施形態の処理は、コンセントに接続される機器が変更されない限度において正確に使用電力の情報を処理できる。また、以下の処理では、センサIDごとに集計される情報を「機器ごと」の情報、「コンセントに接続される機器ごと」の情報、あるいは「コンセントごと」の情報のように表現する場合がある。
【0057】
カテゴリ集計部304は、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を基に使用電力の推移に関するカテゴリ別のデータの集計処理を行う。ここで、カテゴリとは、例えば、利用者の所属部門、電源接続機器1の各コンセントに関連付けられた接続機器、使用目的等による分類である。カテゴリ集計部304は、所属データベース314の所属情報及び、接続機器データベース313の電源接続機器1に関連付けられた接続機器、目的別機器グループデータベース316の目的別機器グループ等の情報を取得し、各カテゴリの使用電力の推移を所定の期間で集計する。使用電力の推移を集計するための所定の期間は、例えば、週単位、月単位、年単位が提示できる。カテゴリ集計部304で集計された使用電力の集計結果は、カテゴリ別に使用電力推移データベース315に格納される。カテゴリ集計部304で集計された結果は、例えば、機器ごと、機器の使用目的ごと、利用者ごとに使用電力の比較ができる客観的な基準(指標)となる。
【0058】
なお、使用電力の集計には、例えば、電源接続機器1の各コンセントに関連付けされた接続機器の属性(型番、製造メーカ、製造年等)を含めてもよい。また、電源接続機器1の各コンセントに関連付けされた接続機器がパソコン等の情報処理装置である場合には、例えば、プロセッサ等の動作速度等を含めてもよい。さらに、使用電力を集計する期間には、季節単位を含むことができる。電源接続機器1に接続される機器の、季節ごとの使用電力推移が取得できる。
【0059】
カテゴリ集計部304は、使用電力の集計に際して、例えば、以下の集計機能を提供する。
(1)機器使用総電力推移情報
カテゴリ集計部304は、接続機器データベース313の機器IDを基に、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。機器IDに基づいて集計された使用電力値は、機器ID別に分類された機器使用総電力値である。ここで、機器IDは、電源接続機器1のコンセントと関連付けられた機器の種別を示す識別情報である。機器IDは、複数台の機器が共有可能である。従って、機器ID別に集計された機器使用総電力値は、同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計となる。例えば、デスクトップAの機器IDを共有する情報処理装置が10台の場合には、それぞれの情報処理装置の使用電力値を足し合わせた、10台分の総計が機器IDの集計値となる。
【0060】(省略)
【0061】(省略)
【0062】(省略)
【0063】(省略)
【0064】
(2)目的別使用総電力推移情報
カテゴリ集計部304は、上述した機器使用総電力の集計と同様に、目的別の機器グループIDについて電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。ここで、機器グループIDとは、電源接続機器1のコンセントに接続される機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である。使用目的別の分類例として、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称す)、冷房機器、暖房機器、調理機器等が例示できる。PCには、例えば、デスクトップ、ノートブック、タブレット等の目的別の機器が含まれる。冷房機器には、エアコン,扇風機,サーキュレータ(送風機)等の機器が含まれる。暖房機器には、ファンヒータ,オイルヒータ,ハロゲンヒータ,ホットカーペット,コタツ等の機器が含まれる。調理機器には、炊飯器,電子レンジ,オーブンレンジ等の機器が含まれる。このように、目的別機器グループは、電源接続機器1が配置されるオフィスの作業環境等に合わせ、機器の使用目的別に任意に形成できる。
【0065】
カテゴリ集計部304は、目的別機器グループデータベース316の機器グループID情報を基に、電力値データベース312に保存された機器ごとの電力値を集計する。機器グループID情報に基づいて集計された機器ごとの電力値は、機器グループID別に分類された目的別使用総電力値である。機器グループIDは、複数台の機器が共有できる。従って、機器グループIDごとに集計された目的別使用総電力値は、同じ機器グループIDを共有する複数台の機器の使用電力値の総計となる。例えば、冷房機器が機器グループIDを共有する、2台のエアコン,12台の扇風機,4台のサーキュレータで構成される場合、それぞれの使用電力値を足し合わせた累計値が、冷房機器としての目的別使用総電力値となる。」

「【0073】
カテゴリ集計部304で処理された集計結果は、機器使用総電力推移情報、目的別使用総電力推移情報、部門使用総電力推移情報として使用電力推移データベース315に保存される。機器使用総電力推移情報には、機器ID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値、機器使用電力値の最大値、最小値が含まれる。目的別使用総電力推移情報には、機器グループID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値、機器使用電力値の最大値、最小値が含まれる。部門使用総電力推移情報には、部門ID別の、所定の集計期間ごとの利用者の使用総電力値、利用者の使用電力値の最大値、最小値が含まれる。
【0074】
次に、比較表示部305は、使用電力推移表示の対象となるコンセントに接続された機器(以下、対象機器と称する)が属するカテゴリ別の各使用総電力推移情報に基づいて、当該使用電力推移表示時のゴースト表示処理を行う。ここで、ゴースト表示とは、表示目的の情報とともに、表示目的の情報に関連する情報を表示目的の情報と重ね合わせて、かつ、表示目的の情報が認識できる限度で表示することをいう。例えば、対象機器の使用電力推移表示に重ね合わせて、当該対象機器が属する各カテゴリの使用総電力推移情報を、表示装置37等の画面上に同時に表示する。」

(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 段落【0049】には、カテゴリ集計部304と比較表示部305とを有するエネルギー管理サーバ3が記載されている。
b 段落【0057】には、カテゴリ集計部304が、接続機器、使用目的等による分類であるカテゴリを用いて、機器毎の電力値を基に使用電力の推移に関するカテゴリ別のデータの集計を行うことが記載されている。
また、段落【0056】及び【0059】には、カテゴリ集計部304が、機器の種別を示す識別情報である機器IDを基に、同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計である機器使用総電力値を機器ID別に集計する集計機能を提供することが記載され、段落【0064】及び【0065】には、機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である機器グループIDを基に、同じ機器グループIDを共有する複数機器の使用電力値の総計である目的別使用総電力値を機器グループIDごとに集計する集計機能を提供することが記載されている。
c 段落【0073】には、カテゴリ集計部304で処理された集計結果が、機器ID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値を含む機器使用総電力推移情報、及び、機器グループID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値を含む目的別使用総電力推移情報として保存されることが記載されている。
d 段落【0074】には、比較表示部305が、カテゴリ別の各使用総電力推移情報に基づいて、各カテゴリの使用総電力推移情報を表示することが記載されている。

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「カテゴリ集計部304と比較表示部305とを有するエネルギー管理サーバ3であって、
カテゴリ集計部304は、接続機器、使用目的等による分類であるカテゴリを用いて、機器毎の電力値を基に使用電力の推移に関するカテゴリ別のデータの集計を行うものであって、
機器の種別を示す識別情報である機器IDを基に、同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計である機器使用総電力値を機器ID別に集計する集計機能、及び、
機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である機器グループIDを基に、同じ機器グループIDを共有する複数機器の使用電力値の総計である目的別使用総電力値を機器グループIDごとに集計する集計機能を提供し、
カテゴリ集計部304で処理された集計結果は、機器ID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値を含む機器使用総電力推移情報、及び、機器グループID別の、所定の集計期間ごとの機器使用総電力値を含む目的別使用総電力推移情報として保存され、
比較表示部305は、カテゴリ別の各使用総電力推移情報に基づいて、各カテゴリの使用総電力推移情報を表示する、
エネルギー管理サーバ3。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「機器」は電力を消費する機器であり、本件補正発明の「電気機器」に相当する。
(イ)引用発明の「機器の種類」と「機器の使用目的」は、いずれも機器の属性情報といえる。
よって、引用発明の「機器の種別を示す識別情報である機器ID」及び「機器の使用目的別に分類された機器グループの識別情報である機器グループID」と、本件補正発明の「電気機器の価格帯、設置年及び販売年の中の少なくとも1つを示す属性情報」とは、「電気機器の属性情報」といえる点で共通する。
ただし、「電気機器の属性情報」が、本件補正発明では「電気機器の価格帯、設置年及び販売年の中の少なくとも1つ」であるのに対し、引用発明にはその旨の特定がない点で相違する。
(ウ)引用発明の「カテゴリ集計部304」は、「接続機器、使用目的等による分類であるカテゴリを用いて、機器毎の電力値を基に使用電力の推移に関するカテゴリ別のデータの集計を行う」ものであって、「機器IDを基に、同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計である機器使用総電力値を機器ID別に集計する集計機能」及び「機器グループID情報を基に、同じ機器グループIDを共有する複数機器の使用電力値の総計である目的別使用総電力値を機器グループIDごとに集計する集計機能」を提供するものであり、機器を「同じ機器IDを共有する複数機器」及び「同じ機器グループIDを共有する複数機器」に基づいてカテゴリに分類するから、機器ID及び機器グループIDに基づいてグループを作成しているといえる。
よって、引用発明の「カテゴリ集計部304」が提供する上記集計機能は、本件補正発明の「電気機器の属性情報に基づいて、グループを作成」する処理を含む。
(エ)引用発明の「比較表示部305」が「表示する」「各カテゴリの使用総電力推移情報」である「機器使用総電力推移情報」は「同じ機器IDを共有する複数機器の使用電力値の総計である機器使用総電力値」「を含」み、また、「目的別使用総電力推移情報」は「同じ機器グループIDを共有する複数機器の使用電力値の総計である目的別使用総電力値」「を含む」から、当該「各カテゴリの使用総電力推移情報」は、複数の機器の消費電力の総計の推移を示す時系列データである。
よって、引用発明の「カテゴリ別の各使用総電力推移情報に基づいて、各カテゴリの使用総電力推移情報を表示する」「比較表示部305」は、本件補正発明の「複数の前記電気機器の消費電流又は消費電力の時系列データを前記グループ毎に表示する手段」に相当する。

(オ)引用発明の「エネルギー管理サーバ」は、本件補正発明の「情報出力装置」に相当する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「電気機器の属性情報に基づいてグループを作成し、複数の前記電気機器の消費電流又は消費電力の時系列データを前記グループ毎に表示する表示手段を有する情報出力装置。」

(相違点)
「電気機器の属性情報」が、本件補正発明では、「電気機器の価格帯、設置年及び販売年の中の少なくとも1つ」であるのに対し、引用発明にはその旨の特定がない点。

(4)判断
相違点について検討する。
ア 引用文献1の段落【0058】には、「なお、使用電力の集計には、例えば、電源接続機器1の各コンセントに関連付けされた接続機器の属性(型番、製造メーカ、製造年等)を含めてもよい。」と記載がある。
ここで、同段落【0058】に「接続機器の属性」として例示される「製造年」は、機器管理において、機器の設置年や機器の販売年と共に、機器の使用に関する期間を示す情報として一般に利用されているものであり、いずれを用いるかは、当業者或いは引用発明のエネルギー管理サーバ3の利用者が適宜定めうる事項にすぎないものである。
してみると、同段落【0058】の上記記載に基づき引用発明において、「カテゴリ集計部304」において、機器をカテゴリに分類するための情報として、機器の設置年あるいは販売年を採用して、相違点に係る構成とすることは当業者が容易になしえたことである。

イ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

ウ したがって、本件補正発明は、引用発明に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年9月16日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年6月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2013-134740号公報

3 引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の「属性情報」がとりうる情報に「電気機器のメーカー」を追加したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含む本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2021-04-06 
結審通知日 2021-04-13 
審決日 2021-04-28 
出願番号 特願2017-537684(P2017-537684)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H02J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 卓馬  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 山本 章裕
永井 啓司
発明の名称 情報出力装置、情報出力方法、及び、プログラム  
代理人 速水 進治  

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