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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1376197
審判番号 不服2019-14430  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-29 
確定日 2021-08-03 
事件の表示 特願2016-513414「可撓性発光フィルム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月20日国際公開、WO2014/184440、平成28年 9月 1日国内公表、特表2016-526209、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続きの経緯

本願は、2014年(平成26年)5月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年5月14日(以下、「優先日」という。) フィンランド)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 1月25日付け :拒絶理由通知書
平成30年 7月 2日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年 9月11日付け :拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成31年 4月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和元年 6月26日付け :平成31年4月2日の手続補正について
の補正の却下の決定、拒絶査定(以下、
「原査定」という。)
令和元年 10月29日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和2年 11月25日付け :拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」とい
う。)通知書
令和3年 5月 6日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和元年6月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1:
本願請求項1?14に係る発明は、以下の引用文献A?Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特表2012-524323号公報
B.特開2011-204664号公報
C.米国特許出願公開第2011/0007012号明細書

理由2:
本願の請求項9には、「前記発光能動層」との記載があるが、この記載よりも前に「発光能動層」が存在しておらず、「前記」が指すものが不明であるから、請求項9に係る発明は明確でない。また、請求項9を引用する請求項10?15に係る発明も同様に明確でない。したがって、請求項9?15に係る発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項1?8に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2011/0007012号明細書
(拒絶査定時の引用文献C)
2.特表2012-524323号公報(拒絶査定時の引用文献A)

第4 本願発明

本願の請求項1?14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明14」という。)は、令和3年5月6日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1及び本願発明8は、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
発光フィルムであって、
形成可能で引き伸ばし可能な発光能動層、
前記能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、透明であり、そして、HARM-構造(高アスペクト比分子構造)、単結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極、および、
少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能で引き伸ばし可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え、
形成可能で引き伸ばし可能な前記発光能動層は、形成可能で引き伸ばし可能な基板に埋め込まれるかまたは取り付けられる有機発光ダイオード能動層を含む層であり、
3D形状の構造の周りを包むように構成され、電磁放射線を伝送することができ、タッチ感度を有する形成可能で引き伸ばし可能な発光フィルム。」

「 【請求項8】
遮光フィルムであって、
形成可能な遮光能動層、
前記遮光能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、高アスペクト比分子(HARM)構造、単分子層結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極、および、
少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え、
3D形状の構造の周りを包むように構成され、電磁放射線を遮光することができ、タッチ感度を有する形成可能な遮光フィルム。」

また、本願発明2?7は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明9?14は、本願発明8を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等

1.当審拒絶理由に引用された引用文献

(1)引用文献1、引用発明について
令和2年11月25日付けの当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審にて付与)

「【0002】The present disclosure relates to a display panel and a touch-responsive display assembly, and more particularly to a display panel and a touch-responsive display assembly including the display panel having at least one electrode that includes a nanomaterial.」
(対訳)
「【0002】本開示は、表示パネルと、タッチ感応ディスプレイ組立体に係り、特に、表示パネルおよびナノ材料を含む少なくとも1つの電極を有する表示パネルを備えたタッチ感応ディスプレイ組立体に関する。」

「DETAILED DESCRIPTION
【0017】Reference will now be made to the drawings to describe various embodiments in detail.
【0018】Referring to FIG. 1, in combination with FIGS. 2A to 2D, the first exemplary embodiment of a display panel of the present disclosure includes: a lower substrate 100; an anode 200 disposed on the lower substrate 100; a cathode 300 disposed over the anode 200; and an organic layered structure 400 disposed between the anode 200 and the cathode 300 and including a hole transport layer 410, an electron transport layer 430, and an organic electroluminescent layer 420 that is sandwiched between the hole transport layer 410 and the electron transport layer 430 and that is emissive when a voltage is applied across the anode 200 and the cathode 300. The anode 200 is sandwiched between the lower substrate 100 and the hole transport layer 410.」
(対訳)
「詳細な説明
【0017】以下、図面を参照し、種々の実施形態を詳細に説明する。
【0018】図2Aから図2Dの図面を組み合わせて、図1を参照すると、本発明の表示パネルの第1の例示的な実施形態は、下部基板100と、下部基板100上に配置された陽極200と、陽極200の上方に配置された陰極300と、陽極200と陰極300との間に配置された有機積層構造400とを含み、有機積層構造400は、正孔輸送層410と、電子輸送層430と、正孔輸送層410と電子輸送層430との間に挟まれ、陽極 200と陰極300間に電圧を印加すると発光する性質のある有機EL層420を含む。 陽極200は、下部基板100と正孔輸送層410との間に挟まれている。」

「【0020】In the first exemplary embodiment, the anode 200 is transparent and is made of a flexible film 3 (see FIGS. 2C and 2D) of a conductive nanomaterial that contains strings 31 of interconnected nanounits 21 (see FIG. 2B). The flexible film 3 exhibits electric anisotropy (i.e., the flexible film 3 exhibits different resistivities in different directions). The interconnected nanounits 21 may be nanotube bundles, nanotubes or nanoparticles. In the embodiment, the interconnected nanounits 21 are carbon nanotube bundles.」
(対訳)
「【0020】第1の例示的な実施形態では、陽極200は、透明で、相互接続されたナノ構造21のひも31(図2(b)参照)を含む導電性ナノ材料の可撓性フィルム3(図2C及び図2Dを参照されたい)で構成される。可撓性フィルム3は、電気的異方性(すなわち、可撓性膜3は異なる方向に異なる抵抗率を示す)を示す。相互接続されたナノ構造21は、ナノチューブバンドル、ナノチューブ又はナノ粒子であってもよい。一実施形態では、相互接続されたナノ構造21はカーボンナノチューブの束である。」

「【0021】The cathode 300 includes a conductive material having a low working function for enhancing injection rate of electrons given by the cathode 300 to the organic electroluminescent layer 420. The conductive material is made of metal or an alloy. Examples of metal suitable for the cathode 300 include but are not limited to Ag, Al, Li, Mg, Ca, In, for example.」
(対訳)
「【0021】陰極300は、有機EL層420への電子注入速度を向上させるための低仕事関数を有する導電性材料を含む。導電性材料は、金属又は合金で形成されている。陰極300に適切な金属の例としては、Ag、Al、Li、Mg、Ca、In、であるが、これらに限定されない。」

「【0022】Alternatively, the cathode 300 can include a conductive material, such as the aforesaid nanomaterial of the flexible film 3, instead of the metal or alloy.」
(対訳)
「【0022】また、陰極300は、金属又は合金の代わりに、可撓性フィルム3の前記ナノ材料のような、導電性材料を含むことができる。」

「【0032】By replacing the ITO film used in the conventional display panel with the flexible film of the nanomaterial for the anode 200, the display panel thus formed can be bent without the problem as encountered in the prior art that causes damage to the flexible film and the manufacturing costs can be reduced.」
(対訳)
「【0032】陽極200として、従来の表示パネルに用いられるITOフィルムに代えて、ナノ材料の可撓性フィルムで形成された表示パネルは、従来技術で見られるような問題もなく、可撓性フィルムに損傷を起こすことなく曲げることができて、製造コストを低減することができる。」

「【0036】FIG. 6 illustrates the first exemplary embodiment of a touch-responsive display assembly of the present disclosure. The display assembly is an application of the display panel of the first exemplary embodiment. The display assembly includes: a first electrode unit 205, a second electrode unit 805 disposed over the first electrode unit 205, a third electrode unit 305 disposed between the first and second electrode units 205, 805, a spacer unit 900 of an insulator disposed between the second and third electrode units 805, 305, and the organic layered structure 400 disposed between the first and third electrode units 205, 305. At least one of the first and second electrode units 205, 805 is transparent. The second electrode unit 805 is electrically coupled to the third electrode unit 305 and cooperates with the third electrode unit 305 to form a touch panel that is touch-responsive. At least one of the first, second and third electrode units 205, 800, 305 includes a flexible film of the aforesaid conductive nanomaterial that contains the interconnected nanounits.」
(対訳)
「【0036】図6は、本発明のタッチ感応ディスプレイ組立体の第1の例示的な実施形態を示す。ディスプレイ組立体は、第1の実施形態の表示パネルの応用である。ディスプレイ組立体は、第1電極部205と、第1電極部205の上方に配置された第2電極部805と、第1及び第2電極部205、805の間に配置された第3 電極部305と、第2及び第3の電極805、305の間に配置された絶縁体のスペーサ部900と、第1及び第3の電極205、305の間に配置された有機積層構造400とを含む。第1及び第2の電極部205、805の少なくとも1つは透明である。第2電極部805は、電気的に第3電極部305に接続され、第3電極部305と協働して、タッチに感応するタッチパネルを形成する。第1、第2および第3の電極ユニット205、800、305のうちの少なくとも1つは、相互接続構造を含む前記導電性ナノ材料の可撓性フィルムを含む。」

「【0037】In this exemplary embodiment, the first electrode unit 205 includes the lower substrate 100 and the anode 200 of the display panel of the first exemplary embodiment, the third electrode unit 305 includes the cathode 300 of the display panel of the first exemplary embodiment, and the second electrode unit 805 includes an upper electrode 800 disposed on the spacer unit 900, and an upper substrate 700 disposed on the upper electrode 800.」
(対訳)
「この例示的な実施形態では、第1電極部205は、第1の実施形態における表示パネルの下部基板100と陽極200を含み、第3の電極部305は、第1実施形態の表示パネルの陰極300を含み、第2の電極部805はスペーサ部900上に配置された上部電極800と、上部電極800上に配置された上部基板 700とを備えている。」

「【0038】In this exemplary embodiment, the upper electrode 800 includes the aforesaid nanomaterial so as to exhibit electric anisotropy, the upper substrate 700 is flexible, and the touch panel thus formed is resistive touch-responsive. As such, when the upper substrate 700 of the touch panel is touched to permit electrical connection between the upper electrode 800 and the cathode 300, which results in generation of a potential difference between two opposite detecting points on the touch panel attributed to the electric anisotropy property of the upper electrode 800, the location of the touch point can be determined based on the measured potential difference and the positions of the two detecting points.」
(対訳)
「【0038】この例示的な実施形態では、上部電極800は、電気的異方性を示す前述のナノ材料を含み、上部基板700は可撓性であり、このように形成されているタッチパネルは、抵抗性タッチ感応である。このように、タッチパネルの上部基板700は、上部電極800と陰極300間の電気的接続を可能にするためにタッチされると、上部電極800の電気的異方性特性に起因してタッチパネル上の2つの対向する検出点間の電位差が生成される結果となり、タッチポイントの位置は、測定された電位差と2つの検出点の位置に基づいて決定されうる。」

「【0041】In sum, by using the conductive nanomaterial instead of the ITO as the material for the anode 200 or the cathode 300 of the flexible display panel of this disclosure, the aforesaid drawback associated with the prior art can be eliminated.」
(対訳)
「つまり、本発明開示の可撓性表示パネルの陽極200又は陰極300として、ITOの代わりに導電性ナノ材料を使用して、従来技術に関連する上記欠点を解消することができる。」





したがって、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「表示パネルおよびナノ材料を含む少なくとも1つの電極を有する表示パネルを備えたタッチ感応ディスプレイ組立体に関し、(【0002】)
第1の実施形態は、下部基板100と、下部基板100上に配置された陽極200と、陽極200の上方に配置された陰極300と、陽極200と陰極300との間に配置された有機積層構造400とを含み、有機積層構造400は、正孔輸送層410と、電子輸送層430と、正孔輸送層410と電子輸送層430との間に挟まれ、陽極 200と陰極300間に電圧を印加すると発光する性質のある有機EL層420を含み、陽極200は、下部基板100と正孔輸送層410との間に挟まれ、(【0017】)
陽極200は、透明で、相互接続されたナノ構造21のひも31を含む導電性ナノ材料の可撓性フィルム3で構成され、可撓性フィルム3は、電気的異方性を示し、相互接続されたナノ構造21はカーボンナノチューブの束であり、(【0020】)
陰極300は、有機EL層420への電子注入速度を向上させるための導電性材料を含み、導電性材料は、金属又は合金で形成されており、また、陰極300は、金属又は合金の代わりに、可撓性フィルム3の前記ナノ材料のような、導電性材料を含むことができ、(【0021】、【0022】)
陽極200として、従来の表示パネルに用いられるITOフィルムに代えて、ナノ材料の可撓性フィルムで形成された表示パネルは、可撓性フィルムに損傷を起こすことなく曲げることができ、(【0032】)
タッチ感応ディスプレイ組立体は、第1の実施形態の表示パネルの応用であり、ディスプレイ組立体は、第1電極部205と、第1電極部205の上方に配置された第2電極部805と、第1及び第2電極部205、805の間に配置された第3 電極部305と、第2及び第3の電極805、305の間に配置された絶縁体のスペーサ部900と、第1及び第3の電極205、305の間に配置された有機積層構造400とを含み、第1及び第2の電極部205、805の少なくとも1つは透明であり、第2電極部805は、電気的に第3電極部305に接続され、第3電極部305と協働して、タッチに感応するタッチパネルを形成し、第1、第2および第3の電極ユニット205、800(「805」の誤記と認められる。)、305のうちの少なくとも1つは、相互接続構造を含む前記導電性ナノ材料の可撓性フィルムを含み、(【0036】)
第1電極部205は、第1の実施形態における表示パネルの下部基板100と陽極200を含み、第3の電極部305は、第1実施形態の表示パネルの陰極300を含み、第2の電極部805はスペーサ部900上に配置された上部電極800と、上部電極800上に配置された上部基板 700とを備え、(【0037】)
上部電極800は、電気的異方性を示す前述のナノ材料を含み、上部基板700は可撓性であり、このように形成されているタッチパネルは、抵抗性タッチ感応であり、タッチパネルの上部基板700は、上部電極800と陰極300間の電気的接続を可能にするためにタッチされると、上部電極800の電気的異方性特性に起因してタッチパネル上の2つの対向する検出点間の電位差が生成される結果となり、タッチポイントの位置は、測定された電位差と2つの検出点の位置に基づいて決定されうる、(【0038】)
タッチ感応ディスプレイ組立体に関する表示パネル。」

(2)引用文献2の記載事項について
令和2年11月25日付けの当審拒絶理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0005】
静電容量方式のタッチセンサーは、静電容量の変化によって接触有無と接触位置とを検出する。このような静電容量方式のタッチセンサーは、基板と、透明導電層と、保護層及び電極端子とを含む。ここで、従来の静電容量方式のタッチセンサーを構成する透明導電層としては、通常、ITO(Indium Tin Oxide)を使う。
【0006】
ITOは、100nm以下の薄膜でコーティングしても、優れた導電性を表わし、可視光線領域の光透過性などの光学的特性と、耐環境性などに優れた長所がある。しかし、ITO透明導電層は、ITO自体の柔軟性が弱い性質がある。」

「【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、立体面に接触可能なタッチセンシング用フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、タッチセンサーが立体面に形成されたタッチセンサー組立体を提供することである。」

「【0016】
本発明のさらに他の側面でのタッチセンシング用フィルムは、立体面を含むベース部材に接触されて外部の接触を感知するタッチセンシング用フィルムであって、基底層と、透明導電層と、発光素子と、少なくとも一つの第1電源供給端子と、少なくとも一つの第2電源供給端子と、を含む。基底層は、軟性でありながら絶縁性である素材からなるものであって、前記ベース部材の立体面に接触するように、前記立体面と対応する形状からなる。透明導電層は、前記基底層に形成されて外部の接触による静電容量の変化を感知する。発光素子は、前記透明導電層と電気的に連結されて外部の接触時に発光する。第1電源供給端子は、前記透明導電層と電気的に連結されて、前記透明導電層に電源を供給する。第2電源供給端子は、前記透明導電層と電気的に連結されて、前記発光素子に電源を供給する。」

「【発明の効果】
【0019】
本発明によるタッチセンシング用フィルムは、透明導電層が炭素ナノチューブからなることによって、立体面上に形成される。
【0020】
本発明によるタッチセンサー組立体は、タッチセンシング用フィルムがベース部材の立体面と一体に形成される過程で圧力と熱とを受けて反っても、タッチセンシング用フィルムの面抵抗のような電気的特性はほとんど変化されず、タッチセンシング用フィルムに熱変形が発生しない。また、透明導電層にクラックが発生せず、製造社の設計によって特定形状に変形されうる。」

したがって、当該引用文献2には、
「立体面を含むベース部材に接触されて外部の接触を感知するタッチセンシング用フィルムであって、基底層と、透明導電層と、発光素子と、少なくとも一つの第1電源供給端子と、少なくとも一つの第2電源供給端子と、を含み、基底層は、軟性でありながら絶縁性である素材からなるものであって、前記ベース部材の立体面に接触するように、前記立体面と対応する形状からなり、透明導電層は、前記基底層に形成されて外部の接触による静電容量の変化を感知し、発光素子は、前記透明導電層と電気的に連結されて外部の接触時に発光し、
透明導電層が炭素ナノチューブからなることによって、立体面上に形成される、タッチセンシング用フィルム」
という技術的事項が、記載されていると認められる。

2.原査定の拒絶の理由に引用された引用文献

(1)引用文献Bの記載事項について
原査定に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0084】
第2の実施の形態に係る有機EL装置2において、基板構成を上述の通りフレキシブル化し、基板10を曲面形状に湾曲させた状態を示す模式的鳥瞰構造は、図11に示すように表される。図11は、ボトムエミッション型の例であるが、トップエミッション型、或いは、トップおよびボトムエミッション型として構成することも可能である。
【0085】
第2の実施の形態に係る有機EL装置2においては、フレキシブル化することによって、グラデーション発光する発光面を利用して、ブレスレット型曲面発光照明、グラデーション発光を利用した絵画、美術工芸品の展示照明など照明のバリエーションを増加することが可能である。」

「【図11】



したがって、当該引用文献Bには、
「有機EL装置2において、基板構成をフレキシブル化し、基板10を曲面形状に湾曲させ、フレキシブル化することによって、グラデーション発光する発光面を利用して、ブレスレット型曲面発光照明、グラデーション発光を利用した絵画、美術工芸品の展示照明など照明のバリエーションを増加することが可能な有機EL装置2」
という技術的事項が、記載されていると認められる。

第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア.引用発明の「表示パネル」は、「下部基板100と、下部基板100上に配置された陽極200と、陽極200の上方に配置された陰極300と、陽極200と陰極300との間に配置された有機積層構造400とを含み」、当該「有機積層構造400」は、「陽極 200と陰極300間に電圧を印加すると発光する性質のある有機EL層420を含」むものであるから発光するものでありり、また、「損傷を起こすことなく曲げることができ」るものであるからフィルム状であるといえる。よって、引用発明の「表示パネル」は、本願発明1の「発光フィルム」に相当するといえる。

イ.引用発明の前記「有機EL層420」は、「発光する性質のある」層であり、また、「損傷を起こすことなく曲げることができ」る引用発明の「表示パネル」を構成する層であるから、本願発明1の「形成可能で引き伸ばし可能な発光能動層」とは「形成可能な発光能動層」である点で共通している。

ウ.引用発明の前記「陽極200」及び「陰極300」は、前記「有機EL層420」を挟むように配置されており、いずれも「導電性材料」で構成されていること、また、これらの電極のうち「陽極200」は、「透明で、相互接続されたナノ構造21のひも31を含む導電性ナノ材料の可撓性フィルム3で構成」され、「可撓性フィルム3」は、「カーボンナノチューブの束」であること、また、「陰極300」においても、「可撓性フィルム3の前記ナノ材料のような、導電性材料を含むことができ」ること、さらに、「カーボンナノチューブ」は、いわゆる「HARM-構造」であることから、
引用発明の前記「陽極200」及び「陰極300」は、本願発明1の「前記能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、透明であり、そして、HARM-構造(高アスペクト比分子構造)、単結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極」に相当する。

エ.引用発明の「表示パネル」は、「タッチ感応ディスプレイ組立体」を構成し、当該「表示パネル」は、「第1電極部205と、第1電極部205の上方に配置された第2電極部805と、第1及び第2電極部205、805の間に配置された第3 電極部305と、第2及び第3の電極805、305の間に配置された絶縁体のスペーサ部900と、第1及び第3の電極205、305の間に配置された有機積層構造400とを含み、」「第2電極部805は、電気的に第3電極部305に接続され、第3電極部305と協働して、タッチに感応するタッチパネルを形成」することから、本願発明1の「発光フィルム」とは、「少なくとも1つのタッチ感知領域」を備える点で共通している。また、引用発明の「表示パネル」は、「第1、第2および第3の電極ユニット205、805、305のうちの少なくとも1つは、相互接続構造を含む前記導電性ナノ材料の可撓性フィルムを含」むことから、「形成可能で引き伸ばし可能なタッチ感知材料の1つ以上の層」を含む本願発明1の「発光フィルム」とは、「形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層」を含む点で共通している。
したがって、引用発明の「タッチ感応ディスプレイ組立体」を構成する「表示パネル」と、
本願発明1の「少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能で引き伸ばし可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え」る「発光フィルム」とは、
「少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え」る点で共通している。

オ.引用発明の「下部基板100」及び「上部基板700」は、いずれも本願発明1の「基板」に相当する。そして、引用発明の前記「上部基板700」は「可撓性であり、」また、引用発明の「表示パネル」は、「損傷を起こすことなく曲げることができ」ることから、引用発明の「表示パネル」を構成する「下部基板100」及び「上部基板700」と、本願発明1の「形成可能で引き伸ばし可能な基板」とは、「形成可能な基板」である点で共通している。

カ.引用発明の「有機EL層420」と、本願発明1の「有機発光ダイオード能動層」とは、「有機発光能動層」である点で共通している。そして、引用発明の「有機積層構造400」は、当該「有機EL層420」を含み、上記ア.に示したように、「陽極200」及び「陰極300」とともに、「下部基板100」及び「上部基板700」の間に挟まれるように配置される層である。そして、上記オ.を踏まえると、引用発明の「有機EL層420」と、本願発明1の「形成可能で引き伸ばし可能な基板に埋め込まれるかまたは取り付けられる有機発光ダイオード能動層を含む層」とは、「形成可能な基板に埋め込まれるかまたは取り付けられる有機発光能動層を含む層」である点で共通している。

キ.引用発明の「タッチ感応ディスプレイ組立体」を構成する「表示パネル」は、「第1及び第2の電極部205、805の少なくとも1つは透明であ」ることから、可視光線、すなわち「電磁放射線を伝送することができ」るといえる。したがって、上記エ.を踏まえると、引用発明の当該「表示パネル」は、本願発明1の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、電磁放射線を伝送することができ、タッチ感度を有する形成可能で引き伸ばし可能な発光フィルム」とは、「電磁放射線を伝送することができ、タッチ感度を有する形成可能な発光フィルム」である点で共通している。

(2)一致点・相違点
以上のことから、本願発明1と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。

[一致点]
「発光フィルムであって、
形成可能な発光能動層、
前記能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、透明であり、そして、HARM-構造(高アスペクト比分子構造)、単結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極、および、
少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能で引き伸ばし可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え、
形成可能な前記発光能動層は、形成可能な基板に埋め込まれるかまたは取り付けられる有機発光能動層を含む層であり、
電磁放射線を伝送することができ、タッチ感度を有する形成可能な発光フィルム。」

[相違点]
(相違点1)
「形成可能な発光能動層」は、本願発明1では、「引き伸ばし可能」であるのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。

(相違点2)
形成可能な発光能動層が埋め込まれるかまたは取り付けられる「形成可能な基板」は、本願発明1では、「引き伸ばし可能」であるのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。

(相違点3)
有機発光能動層は、本願発明1では、「有機発光ダイオード能動層」であるのに対し、引用発明では、「有機EL層420」であって、「有機発光ダイオード能動層」であるとの特定はされていない点。

(相違点4)
電磁放射線を伝送することができ、タッチ感度を有する形成可能な発光フィルムは、本願発明1では、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「引き伸ばし可能」であるのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。

(3)相違点についての検討
事案に鑑み、相違点4について先に検討する。
相違点4に係る本願発明1の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「引き伸ばし可能」な発光フィルムという構成は、上記引用文献2及び引用文献Bのいずれにも記載されておらず、また、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
特に、上記引用文献2には、炭素ナノチューブからなる透明導電層からなるタッチセンシング用フィルムが立体面上に形成される技術的事項が特定されているものの、当該タッチセンシング用フィルムは、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「引き伸ばし可能」であるとの特定はされていない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2、引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明8について

(1)対比
本願発明8と引用発明とを対比する。

ア.引用発明の「表示パネル」は、「損傷を起こすことなく曲げることができ」るものであるからフィルム状であるといえる。よって、引用発明の「表示パネル」と、本願発明8の「遮光フィルム」とは、「フィルム」である点で共通している。

イ.引用発明の前記「有機EL層420」は、「発光する性質のある」層であり、また、「損傷を起こすことなく曲げることができ」る引用発明の「表示パネル」を構成する層であるから、光(発光を)を調整可能な能動層ということができる。そうすると、引用発明の「有機EL層420」と、本願発明8の「形成可能な遮光能動層」とは「形成可能な光を調整可能な能動層」である点で共通している。

ウ.引用発明の前記「陽極200」及び「陰極300」は、前記「有機EL層420」を挟むように配置されており、いずれも「導電性材料」で構成されていること、また、これらの電極のうち「陽極200」は、「透明で、相互接続されたナノ構造21のひも31を含む導電性ナノ材料の可撓性フィルム3で構成」され、「可撓性フィルム3」は、「カーボンナノチューブの束」であること、また、「陰極300」においても、「可撓性フィルム3の前記ナノ材料のような、導電性材料を含むことができ」ること、さらに、「カーボンナノチューブ」は、いわゆる「HARM-構造」であることから、
引用発明の前記「陽極200」及び「陰極300」と、本願発明8の「前記遮光能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、高アスペクト比分子(HARM)構造、単結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極」とは、「前記能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、高アスペクト比分子(HARM)構造、単結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極」である点で共通している。

エ.引用発明の「表示パネル」は、「タッチ感応ディスプレイ組立体」を構成し、当該「表示パネル」は、「第1電極部205と、第1電極部205の上方に配置された第2電極部805と、第1及び第2電極部205、805の間に配置された第3 電極部305と、第2及び第3の電極805、305の間に配置された絶縁体のスペーサ部900と、第1及び第3の電極205、305の間に配置された有機積層構造400とを含み、」「第2電極部805は、電気的に第3電極部305に接続され、第3電極部305と協働して、タッチに感応するタッチパネルを形成」することから、本願発明8の「遮光フィルム」とは、「少なくとも1つのタッチ感知領域」を備える点で共通している。また、引用発明の「表示パネル」は、「第1、第2および第3の電極ユニット205、805、305のうちの少なくとも1つは、相互接続構造を含む前記導電性ナノ材料の可撓性フィルムを含」むことから、本願発明8の「遮光フィルム」とは、「形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層」を含む点で共通している。
したがって、引用発明の「タッチ感応ディスプレイ組立体」を構成する「表示パネル」と、
本願発明8の「遮光フィルム」とは、
「少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え」る点で共通している。

オ.上記エ.を踏まえると、引用発明の当該「表示パネル」は、本願発明8の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、電磁放射線を遮光することができ、タッチ感度を有する形成可能な遮光フィルム」とは、「タッチ感度を有する形成可能なフィルム」である点で共通している。

(2)一致点・相違点
以上のことから、本願発明8と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。

[一致点]
「フィルムであって、
形成可能な光を調整可能な能動層、
前記能動層の各側上に位置する2つの導電性または半導電性電極であって、少なくとも1つの電極は、高アスペクト比分子(HARM)構造、単分子層結晶表面(MCS)構造、導電性または半導電性ポリマー、織られた金属ファブリックおよび金属メッシュのうちの少なくとも1つを含む、2つの導電性または半導電性電極、および、
少なくとも1つのタッチ感知領域であって、前記タッチ感知領域は、以下のグループ、
前記導電性または半導電性電極の少なくとも1つにおけるタッチ感知領域、
形成可能なタッチ感知材料の1つ以上の層、
から選択される、少なくとも1つのタッチ感知領域、
を備え、
タッチ感度を有する形成可能なフィルム。」

[相違点]
(相違点5)
「フィルム」について、本願発明8は、「遮光フィルム」であるのに対し、引用発明は、「発光フィルム」であって、「遮光フィルム」ではない点。

(相違点6)
「形成可能な光を調整可能な能動層」について、本願発明8では、「形成可能な遮光能動層」であるのに対し、引用発明では、「形成可能な発光能動層」であって、「遮光能動層」ではない点。

(相違点7)
タッチ感度を有する形成可能なフィルムは、本願発明8では、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「電磁放射線を遮光することができ」るのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。

(3)相違点についての検討
事案に鑑み、相違点7について先に検討する。
相違点7に係る本願発明8の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「電磁放射線を遮光することのでき」るフィルムの構成は、上記引用文献2及び引用文献Bのいずれにも記載されておらず、また、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
特に、上記引用文献2には、炭素ナノチューブからなる透明導電層からなるタッチセンシング用フィルムが立体面上に形成される技術的事項が特定されているものの、当該タッチセンシング用フィルムは、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「電磁放射線を遮光することのでき」るとの特定はされていない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明8は、当業者であっても引用発明、引用文献2、引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明2?7について

本願発明2?7も、本願発明1の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「引き伸ばし可能」な発光フィルムという構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明、引用文献2、引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本願発明9?14について

本願発明9?14も、本願発明8の「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「電磁放射線を遮光することのでき」るフィルムの構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても引用発明、引用文献2、引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断

1.理由1について

令和3年5月6日になされた手続補正により、補正後の請求項1?7は、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「引き伸ばし可能」な発光フィルムという構成を有し、また、補正後の請求項8?14は、「3D形状の構造の周りを包むように構成され、」「電磁放射線を遮光することのでき」るフィルムの構成を有するものとなった。これらの構成は、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)、引用文献B及び引用文献C(当審拒絶理由における引用文献1)には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1?14は、当業者であっても、原査定における引用文献A?Cに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

2.理由2について

令和3年5月6日になされた手続補正においては、請求項8において、「前記発光能動層」を「前記遮光能動層」と誤記の訂正がなされたことにより、特許法第36条第6項第2号による拒絶理由は解消された。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-07-13 
出願番号 特願2016-513414(P2016-513414)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 野村 和史梅本 章子星野 昌幸  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 小田 浩
角田 慎治
発明の名称 可撓性発光フィルム  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  
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