• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部無効 1項3号刊行物記載  G09F
審判 一部無効 2項進歩性  G09F
管理番号 1377025
審判番号 無効2019-800076  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2019-10-03 
確定日 2021-07-02 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第5547792号発明「シート貼付構造体及びシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5547792号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-5〕、6について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許に係る出願は、平成24年12月6日(優先権主張 平成24年7月31日(以下「本件優先日」という。))に出願され、平成26年5月23日に特許第5547792号として設定登録がされたものである。
本件無効審判事件における手続の経緯は、以下のとおりである。
令和元年10月 3日 本件無効審判の請求(請求項1、3、6に対して)
令和元年10月24日付 当審から請求人に対し手続方式指令書
令和元年10月30日 審判請求書を補正する手続補正書
令和元年12月26日 被請求人から審判事件答弁書及び訂正の請求(以下「本件訂正」という。)
令和2年 3月 4日 請求人から審判事件弁駁書の提出
令和2年 6月30日付 当審から書面審理通知書
令和2年11月10日付 請求の理由の変更についての補正許否の決定
令和2年12月11日 請求人から上申書の提出
令和2年12月16日 被請求人から審判事件答弁書(第2回)の提出
令和3年 3月24日 当審から審理終結通知書

第2 本件訂正について
令和元年12月26日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、訂正の内容を「本件訂正」という。)について検討する。
1 訂正事項
本件訂正は、以下の訂正事項からなるものである(下線は当審が付した。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための仮止部と」と記載されているのを、「前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、請求項3、請求項4及び請求項5も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に「前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な仮止部と」と記載されているのを、「前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と」に訂正する。
2 一群の請求項について
訂正事項1により訂正される訂正前の請求項1?5のうち請求項2?5は、いずれも、直接または間接的に請求項1を引用するものであるから、請求項1?5は、一群の請求項であり、訂正事項1は一群の請求項ごとにされたものであって、特許法第134条の2第3項の規定に適合する。
3 訂正の適否について
(1)訂正の目的の適否
ア 訂正事項1
訂正前の請求項1では、「仮止部」の大きさ、数について特定されていない。これに対して、訂正後の請求項1では、当該「仮止部」の大きさと数について、第1剥離部より小さいこと、1箇所であることを特定することでより具体的な構成を明らかにして特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1は、特許法134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
イ 訂正事項2
訂正前の請求項6では、「仮止部」の大きさ、数について特定されていない。これに対して、訂正後の請求項6では、当該「仮止部」の大きさと数について、第1剥離部より小さいこと、1箇所であることを特定することでより具体的な構成を明らかにして特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項2は、特許法134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
(2)実質上拡張・変更の有無
ア 訂正事項1
前記(1)アのとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2、3、4及び5の記載について訂正するものではなく、請求項2、3、4及び5のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもない。よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものといえる。
イ 訂正事項2
前記(1)イのとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第134条の2第9項で準用する特許法126条第6項の規定に適合するものといえる。
(3)新規事項の追加の有無
ア 訂正事項1
(ア)仮止部が「第1剥離部より小さい」ことについて、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0068】に「仮止貼付部30の大きさは、第1剥離部21の大きさよりも小さい。そのため、保護シート10を位置決めする際のシート貼付構造体1の取り扱いが容易である。」と記載されており、また、同段落【0023】に「仮止貼付部30(仮止部)」と記載されていることから、仮止部が「第1剥離部より小さい」という特定を加える訂正は、本件特許の願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内の訂正といえる。
(イ)仮止部が「1箇所」に設けられることは、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0100】に「仮止貼付部30を第1剥離部21の1箇所に設ける構成とした」と記載されており、仮止部を「1箇所」に設けるという訂正は本件特許の願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内の訂正といえる。
(ウ)以上から、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法特許法134条の2第9項で準用する特許法126条第5項の規定に適合するものといえる。
イ 訂正事項2
前記アと同様に、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第134条の2第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものといえる。
(4)独立特許要件
ア 訂正事項1により訂正された請求項2、4、5に対しては、無効審判が請求されていないから、特許法第134条の2第9項の規定により読み替えて準用される同法第126条第7項の要件を満たす必要があるから、独立特許要件について検討する。
イ 訂正後の請求項2、4、5に係る発明は、いずれも訂正後の請求項1に係る発明を包含し、さらに請求項2、4、5に記載された事項をそれぞれ特定するものであるから、後記「第7 当審の判断」における訂正後の請求項1に係る発明と同様に、請求人が主張している無効理由には無効とすべき理由がなく、他に無効とすべき理由も発見できない。また、請求人も、本件訂正後の請求項2、5、6に係る発明について、独立特許要件を充足しない、との主張はしていない。
ウ なお、本件特許に対する別件無効審判である無効2019-800085号事件において、当合議体は、「令和3年3月24日」付け審決の予告において、請求項2及び4に係る特許は進歩性を欠き無効理由があると判断した。
エ しかしながら、前記ウの判断は確定していないから、訂正事項による請求項2、4の訂正の独立特許要件を満たさないことも確定したものではない。
オ よって、訂正事項1による訂正後の請求項2、4、5について、独立特許要件を欠く理由は発見できず、訂正事項1は特許法第134条の2第9項の規定により読み替えて準用される同法第126条第7項の規定を満たすものといえる。
4 訂正についての小括
以上のように、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を訂正特許請求の範囲の記載のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、6について訂正することを認める。

第3 本件発明
本件訂正後の請求項1?6に係る発明は、以下のとおりの発明である。なお、請求項1、3、6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明3」、「本件発明6」といい、まとめて「本件発明」ということもある。)には、分説のための記号(A?P)を当審が付した。なお、請求項2、4、5に係る発明は、審判請求の対象ではないが、参考のため摘記した。
「【請求項1】
A 装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって、接着面を有する保護シートと、
B 前記接着面を覆うと共に、分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
C 前記第1剥離部及び前記第2剥離部それぞれから前記保護シートの外側に延びる延出部と、
D 前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられる仮止部であって、
E 前記第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され、前記装置に貼り付け可能であって、前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と、を備えることを特徴とする保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項2】
前記仮止部は、前記第1剥離部における前記分離ライン寄りに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項3】
F 前記延出部は、前記第1剥離部から前記保護シートの外側に延びる第1延出部と、前記第2剥離部から前記保護シートの外側に延びる第2延出部と、を有する
G ことを特徴とする請求項1又は2に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項4】
前記第1延出部は、前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びており、
前記第2延出部は、前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びている
ことを特徴とする請求項3に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項5】
前記第1延出部は、前記第1剥離部の前記保護シート側の面につながる面が外側に配置されるように折り返されると共に、前記分離ラインに交差する方向で且つ前記第2剥離部から遠ざかる方向に延びており、
前記第2延出部は、前記第2剥離部の前記保護シート側の面につながる面が外側に配置されるように折り返されると共に、前記分離ラインに交差する方向で且つ前記第1剥離部から遠ざかる方向に延びている
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項6】
H 装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって接着面を有する保護シートと、
I 前記接着面を覆うと共に分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
J 前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第1延出部と、前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第2延出部と、
K 前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられ且つ前記第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と、
L を備える保護シート貼付用のシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法であって、
M 前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程と、
N 前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を前記第2延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程と、
O 前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を前記第1延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程と、
P を備えるシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法。」

第4 請求人の主張の概要
請求人は、特許第5547792号の特許請求の範囲の請求項1、3、6に記載された発明についての特許を無効とする、審判請求費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由として以下の無効理由を主張している。なお、令和2年3月4日付け審判事件弁駁書において、審判請求の理由は変更されたが、当審は、同年11月10日付けで補正許否の決定をし、当該変更を認めたため、補正後の主張及び証拠を示す。
1 無効理由
(1)無効理由1(甲1+甲6?8、新規性進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲6?8における被請求人の主張を考慮すると、甲1に記載された発明であるか、甲1に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号又は同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(2)無効理由2(甲1+周知技術[甲2?5]、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲1に記載された発明及び周知技術(甲2、甲3、甲4及び甲5)に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(3)無効理由3(甲2+甲1、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(4)無効理由4(甲1+設計事項、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲1に記載された発明及び設計事項(第2粘着層40及び第2剥離シート50を第1剥離シートよりも小さくすること)に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(5)無効理由5(甲1+仮止部に関する周知技術[甲9?13] 、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲1に記載された発明及び甲9?13に記載の周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(6)無効理由6(甲1+延出部に関する周知技術+設計事項、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲6?8における被請求人の主張及び設計事項(第2粘着層40及び第2剥離シート50を第1剥離シートよりも小さくすること)を考慮すると、甲1に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(7)無効理由7(甲1+延出部に関する周知技術+仮止部に関する周知技術、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲6?8における被請求人の主張を考慮すると、甲1に記載された発明及び甲9?13に記載の周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(8)無効理由8(甲2+甲1+設計事項、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、設計事項(第2粘着層40及び第2剥離シート50を第1剥離シートよりも小さくすること)を考慮すると、甲2に記載された発明及び甲1に記載された技術事項に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(9)無効理由9(甲2+甲1+仮止部に関する周知技術、進歩性欠如)
本件発明1、3、6は、甲2に記載された発明並びに甲1に記載された技術事項及び甲9?13に記載の周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1、3、6に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
2 証拠について
請求人の提示した証拠は、以下のとおりである(以下、甲第1号証を甲1などという)。
(1)審判請求書に添付された証拠
甲1:特開2012-46713号公報
甲2:登録実用新案第3141815号公報(主任メモ:審査ハンドブック1207)
甲3:登録実用新案第3142562号公報
甲4:登録実用新案第3142328号公報
甲5:特開2006-168344号公報
甲6:被請求人作成の平成31年4月25日付け訴状
甲7:被請求人作成の令和元年5月13日付け訴状訂正申立書
甲8:被請求人作成の令和元年8月26日付け準備書面(1)
(2)審判事件弁駁書に添付された証拠
甲9:特開2000-299722号公報
甲10:特開2000-298434号公報
甲11:登録実用新案第3061870号公報
甲12:登録実用新案第3069314号公報
甲13:特開2006-206782号公報

第5 被請求人の主張の概要
被請求人は、「本審判の請求は成り立たない。」「審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、請求人の主張は何れも理由がないとして、以下の主張をしている。なお、被請求人からは証拠が提出されていない。
1 無効理由1、2、4?7に対する反論
本件発明1、3、6は、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。したがって、無効理由1、2、4?7は理由がない。
2 無効理由3、8、9に対する反論
本件発明1、3、6は、甲2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。したがって、無効理由3、8、9は理由がない。

第6 刊行物の記載事項
1 甲1の記載事項
甲1には次の記載がある。(下線は当審が付した。)
(1)「【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話や液晶テレビなどの電子機器の表示画面には、さまざまな目的でフィルムシートを貼り付ける傾向にある。フィルムシートの種類としては、偏光シート、位相差シート、光学補償シート、輝度向上シート等、さまざまなもの存在する。プライバシーフィルム等の特殊な目的で利用される着色フィルムシート以外は、複数層の透明なシートが用いられている。
図20に示す従来のフィルムシートAは、電子機器の表示画面に貼付後に露出する図示しない露出面と表示画面に装着する貼付面とからなる基材シート10と、基材シート10の前記貼付面に粘着剤(接着剤)を塗布して形成する粘着層20と、フィルムシートAを表示画面に装着する前の粘着層20を一時的にカバーする剥離シート30とで構成するのが一般的である(特許文献1)。
【0003】
このようなフィルムシートAは、光学シートとして、例えば、表示画面に貼り付ける場合に、その全体を一挙に貼り付けようとすると焦点が外れたりして位置決めが難しい。また、中央部に気泡が封じ込まれ易く熟練を要する。
【0004】
これらの問題を解決するために、剥離シート30にスリット加工(背割れスリット)を施した剥離シート30を採用し、左半分を位置決めして貼り付け、その後、右半分を貼り付ける方法を採用している。すなわち図20に示すように、スリット加工を利用して、剥離シート30を横断するハーフカットHを施した剥離シート30を利用している。しかし、ハーフカットHを施す距離が長くなる欠点がある。そして、ハーフカットHを施す距離が長くなると剥離シート30の切りカスが発生し粘着面20に付着する可能性も高くなる
【0005】
また、ハーフカットHを施す際、粘着層20までナイフが入って気泡が混ざる結果、剥離シート30を剥がした後に白濁ラインJが生じることもある(図21参照)
更に、ハーフカットHを施す際、粘着層20を突き抜けるまで深くナイフが入って、基材シート10が傷つくことが多い(図20の拡大部の状態からさらに深く基材シート10にまでナイフが入る)。極端には、フィルムシートAを横断するハーフカットHの全長に渡って基材シート10にナイフ跡が入る場合があり、品質に大きく影響する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-156066号公報」
(2)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点を背景に開発されたものである。すなわち、本発明の目的は、基材シートと該基材シートの裏面に形成された粘着層と該粘着層に仮付着され剥離シートとを有するフィルムシートにおいて、剥離シートに強い引き裂き方向性のあるシートを用いることで、任意部分の粘着層の露出を可能とし、表示画面等への貼り付け位置の設定と貼り付け作業を容易にすることである。また、基材シートに傷が付くことなく、また切りカスも粘着層に付着せず、且つほぼ真っ直ぐに正確に裂き易いフィルムシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、剥離シートの分子の配向性に着目することで、引き裂きの方向性を定めることを見出し、この知見に基づいてなされたものであり、本発明に係るフィルムシートは、基材シートと、該基材シートの裏面に形成された粘着層と、該粘着層に仮付着され剥離シートと、を有するフィルムシートであって、該剥離シートが強い引き裂き方向性のあるシートよりなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るフィルムシートは、上記の構成に加え、粘着層に仮付着した剥離シートの反対面上に積層した第2粘着層と、第2粘着層上に仮付着する第2剥離シートとを加えても良い。
・・・
【0012】
また、剥離シートを基材シートより大きく形成することも可能であり、切り込みの一部を剥離シートの基材シートと重ならない部分に形成することも可能である。」
(3)「【0018】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態のフィルムシートAの斜視図を示し、図2は第1実施形態のフィルムシートAのY-Y断面図を示す。
この実施例におけるフィルムシートAは、矩形状であり、基材シート10、粘着層20、剥離シート30(通常「セパ」)という)よりなる。
基材シート10の一方の面(裏面)には粘着層20が形成されており、その粘着層20には剥離シート30が仮付着されている。
【0019】
ここで基材シート10としては、例えば、反射シート、偏光シート、装飾シート、半透過シート、位相差シート、輝度向上シート、保護シート、反射防止シート、電磁波シールドシート、光学補償シート、近赤外線カットシート、調色シート等が採用可能である。
【0020】
一方、剥離シート30の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂シートを用いることができる。特に、本発明の剥離シート30としては、強い引き裂き方向性のあるシート、例えば、一軸延伸シート(一方方向に多く延伸させたもの)が好ましい。剥離シート30は、延伸方向には配向されるためその方向に裂き易くなる。本実施例において、後述するように切り込みSは、引き裂き易い方向に、すなわち、一軸延伸シートの配向方向に沿って形成されている。剥離シート30は透明であることが望ましく、また粘着層20から剥離し易くするため、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理をすることが好ましい。剥離シート30の厚さは、特に限定するものではないが、例えば一般的に5μm以上、200μm以下、好ましくは20μm以上、200μm以下のものが使用される。
【0021】
粘着層20の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、アクリル系接着材、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が使用される。コスト、透明性、耐久性等の観点から、特にアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。粘着層2の厚さは、特に限定するものではないが、例えば10μm以上、1mm以下のものが使用される。
【0022】
ところで、この実施形態ではフィルムシートAの1つの辺縁の中央位置に切り込み長が短い切り込みS(いわゆるスリット)が形成されており、この切り込みSは、深さ方向でいうと、剥離シート30にのみに施されている。そして切り込みSは剥離シート3の引き裂き易い方向に沿って形成される。例えば、一軸延伸シートの配向方向に沿って形成されている。
因みに、フィルムシートAの製造時に、切り込みSを入れるためには、例えば、トムソンプレス刃型などを用いるが、端面の仕上がりの良好さの観点からはレーザーカッターが採用される。
【0023】
図3は第1実施形態のフィルムシートにおける左半分の剥離シート30を剥がす状態を示し、図4は左半分の剥離シート30が剥がれた状態を示す図である。
まず、貼り付け操作としては、図3に示すように左半分の剥離シート30を切り裂いて剥がす。この剥離シート30は、その横断する方向(図でいう上下方向矢印参照)に配向方向をあわせているので、切り込みSから簡単に引き裂くことができる。すなわち剥離シート30の切り込みS部付近を指で摘んで引き剥がすと、切り込みSから裂き目が次々に伝達していきほぼ真っ直ぐに且つ正確に切断され、粘着剤から離脱される。
剥離シート30の切断は、ほぼ真っ直ぐであることが望ましいが、図における剥離シート30の切り込みS部から垂直方向に引き裂き、対辺に到達する前に剥離シート30の左右の辺で切り終えない程度に真っ直ぐである必要がある。
【0024】
この場合、剥離シート30には、基材シート10の裏面に積層された粘着層20が付着しているので、左半分を切り裂いて基材シート10から離して行く際、右半分の粘着層20の粘着剤は基材シート10の裏面に付着している状態なので、剪断力が効率よく働いてより正確に引き裂き易い
これで剥離シート30が取り除かれて左半分の粘着層20が露出する(図4参照)。そして露出した左半分の粘着層20の面を対象となる表示画面に貼り付ける。
次に右半分の剥離シート30を剥がす(図5参照)。これで残りの右半分の粘着層20が露出するので(図6参照)、この面を表示画面に貼り付ける。
以上でフィルムシート全面が液晶画面に貼り付けられる。
【0025】
このような貼り付け方であるので、貼り付ける際、位置決めがし易く、貼り付け操作も簡単である。
しかも、切り込み長(スリット長)が短いので、フィルムシートA製造工程で切り込みSを施す際、基材シート10に至るまでナイフが深く入っても、局部的であり基材シート10の殆どの部分は傷が付かない。
また切りカスが粘着剤に付着することもほとんど無い。
また切り込み長(スリット長)は短くても、その方向が一軸延伸シートの配向方向に沿って形成されているので、剥離シート30は簡単に引き裂けるのである。」
(4)「【0032】
〔第7実施形態〕
図18は本発明の第7実施形態のフィルムシートAの斜視図を示し、図19は第7実施形態のフィルムシートAのY-Y断面図を示す。
この第7実施形態のフィルムシートAは、前述の実施例の剥離シート30の粘着層20(第1粘着層)と接する面の裏側の面に第2粘着層40を積層し、その上に第2剥離シート50を仮付着してなる。本実施例の切り込みSの深さは、第2剥離シート50から第2粘着層40、第一剥離シート30まで達している。その他の構成は第1実施形態と同様である
【0033】
本実施形態のフィルムシートAの貼り方は、左半分の第2剥離シート50を切り裂いて剥がす。この第2剥離シート50は、その横断する方向(図でいう上下方向矢印参照)に配向方向をあわせているので、切り込みSから簡単に引き裂くことができる。すなわち第2剥離シート50の切り込みS部付近を指で摘んで引き剥がすと、切り込みSから裂き目が次々に伝達していきほぼ真っ直ぐに且つ正確に切断され、粘着剤から離脱される。
この場合、第2剥離シート50には、第1剥離シート30の裏面に積層された第2粘着層40が付着しているので、左半分を切り裂いて第1剥離シート30から離して行く際、右半分の第2粘着層40の粘着剤は第1剥離シート30の裏面に付着している状態なので、剪断力が効率よく働いてより正確に引き裂き易い。
これで第2剥離シート50が取り除かれて左半分の第2粘着層40が露出する。そして露出した左半分の第2粘着層40の面を対象となる表示画面に貼り付ける。
次に右半分の第2剥離シート50を剥がす。これで残りの右半分の第2粘着層40が露出するので、この面を表示画面に貼り付ける。これで第2粘着層40が表示画面全体を覆った状態になる。
次に左半分の表示画面上のフィルムシートAを再び表示画面上から剥がし、左半分の第1剥離シート30を切り込みSから切り裂いて剥がし、左半分の第1粘着層20が露出した状態で表示画面に張り付ける。右半分のフィルムシートAも左半分と同様の工程を経て表示画面上に貼る。第2粘着層が表示画面に接触する前に表示画面上にほこりや塵が残っていたとしても、第2粘着層を表示画面に仮付着させ、表示画面から剥がす際に、ほこりや塵を第2粘着層とともに取り除く、クリーニング機能を発揮する。以上でフィルムシート全面が液晶画面に貼り付けられる。」
(5)「【0034】
〔第8実施形態〕
図22は本発明の第8実施形態のフィルムシートAの斜視図を示し、図23は第8実施形態のフィルムシートAのX-X断面図を示す。本実施例では剥離シート30を基材シート10より大きめに形成し、図22に示すようにスリットSを剥離シート30の上辺に切り込む。本実施例では剥離シート30のスリットSから左右何れかの部分を切り離し、表示画面に貼付、残りの半分の剥離シート30を剥がし、残りの表示画面部分に貼りつける。」
(6)「【0036】
〔第10実施形態〕
図26は本発明の第10実施形態のフィルムシートAの断面図を示す。本実施例におけるフィルムシートは、基材シート10と、その上に積層した粘着層20と、粘着層20上の剥離シート30と、剥離シート30上に積層した第二粘着層40と、第二粘着層40上に重ねた第二剥離シート50とで構成する。剥離シート30は基材シート10より大きく、第一及び第二剥離シート30,50の基材シート10から露出した部分にスリットSを切り込む。フィルムシートAの貼付は実施例7と同様である。」
(7)「【0038】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述の発明の実施の形態に限らず、種々の変形例が可能である。例えば、非使用領域P2の形状は上記の実施例に限定されるものではない。切り込みSはミシン目のような切り込みとすることもでき、それが断面方向の全部切り込みSの場合は、V字溝形とすることも可能である。境界スリットDもミシン目とすることも可能である。また例えば、第7実施形態で説明したフィルムシートAが、第2-6実施例に記載の形態を採用することも勿論可能である。
また、粘着層としている層は、粘着剤のほかに接着剤の層を含むことはいうまでもない。
また、例えば基材シートの粘着層面に貼る剥離シート30に、貼り付け対象となる液晶画面の縁に合わせた案内部を設けてもよい。
また、これまで第一剥離シート30と第二剥離シート50を引き裂き分離する実施例を説明してきたが、剥離シート30,40には引き裂き方向性のあるシートを採用せず、実施例7に記載した第2粘着層のクリーニング機能のみを採用することもできる。」
(8)「【0039】
本発明は、基材シート10に傷が付くことがなく、また切りカスも粘着剤に付着せず、且つ真っ直ぐに正確に裂き易いフィルムシートAであるが、この引き裂き原理を利用する限り、光学以外の分野、例えば、貼膏薬等の医療分野、壁紙等の建築分野にも適用可能である。」
(9)図1?図6関連
ア 段落【0016】の説明
「【図1】図1は、本発明の第1実施形態のフィルムシートの斜視図を示す。
【図2】図2は、第1実施形態のフィルムシートのY-Y断面図を示す。
【図3】図3は、第1実施形態のフィルムシートにおける左半分の剥離シート3を剥がす状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、第1実施形態のフィルムシートにおける左半分の剥離シート3を剥がした後を示す斜視図である。
【図5】図5は、第1実施形態のフィルムシートにおける右半分の剥離シート3を剥がす状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、第1実施形態のフィルムシートにおける右半分の剥離シート3を剥がした後を示す斜視図である。」
イ 「【図1】


ウ 「【図2】


エ 「【図3】



オ 「【図4】



カ 「【図5】


キ 「【図6】


(10)図18?19関連
ア 段落【0016】の説明
「【図18】図18は、第7実施形態のフィルムシートの斜視図を示す。
【図19】図19は、第7実施形態のフィルムシートのY-Y断面図を示す。」
イ 「【図18】


ウ 「【図19】


(11)図20?21関連
ア 段落【0016】の説明
「【図20】図20は、従来のフィルムシートの斜視図を示す。
【図21】図21は、図20の剥離シート剥がす図を示す。」
イ 「【図20】


ウ 「【図21】


(12)図22?23関連
ア 段落【0016】の説明
「【図22】図22は、第8実施形態のフィルムシートの斜視図を示す。
【図23】図23は、第8実施形態のフィルムシートのY-Y断面図を示す。」
イ 「【図22】


ウ 「【図23】


(13)図26関係
ア 段落【0016】の説明
「【図26】図26は、第10実施形態のフィルムシートの断面図を示す。」
イ 「【図26】


2 甲2の記載事項
甲2には次の記載がある。下線は当審が付した。
(1)「【考案が解決しようとする課題】
【0003】
本考案は、液晶画面等に保護フィルムを貼り付ける際の埃除去と位置設定を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本考案は保護フィルムの粘着層面に分割したセパレータを貼り、該セパレータの裏面にも粘着層を設ける事で、保護フィルムを貼り付ける際の埃除去を解決し、また貼り付け位置の設定を容易に行うという課題を解決する。」
(2)「【考案の効果】
【0005】
上記のように本考案の保護フィルムとセパレータはセパレータにも粘着層が設けられている。従ってセパレータの粘着層には剥離シートが貼られ、3層のフィルム構造になっている。使用者は分割された最下層の剥離シートを一部剥がし、粘着材付きセパレータを液晶画面等に位置設定しながら貼り付ける。一度に全面に貼る必要がないので、この段階で貼り付け位置を調整しながら作業する。次に最下層の剥離シートの残りを剥がす。こうして貼り終えた粘着材付きセパレータにも切れ目が入れてあるので、さらに粘着材付きセパレータを保護フィルムから一部剥がす。このとき埃は該セパレータの粘着層面に付着して除去される。次に残った粘着材付きセパレータを保護フィルムから剥がす。半分又は一部を残しながらの作業になり保護フィルムと液晶画面の位置関係は保たれる。このように保護フィルムと剥離シートの間に粘着材付きセパレータを加えることで、保護フィルム貼り付け時の埃付着を防止し、また容易に正確な位置決めを行うことが可能になる。
【考案を実施するための最良の形態】
【0006】
保護フィルムの粘着層面に貼る粘着材付きセパレータを該保護フィルムより一部又は全体を大きく作る。粘着材付きセパレータは該保護フィルムに粘着される面と反対の面に粘着層を設ける。粘着材付きセパレータの中央付近に切れ目を入れて分離可能にするか複数枚に分割して粘着材付きセパレータを形成する。剥離シートは粘着材付きセパレータより一部又は全体を大きくし剥離しやすい形状に形成する。」
(3)「【0007】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明する。
図1は本考案の粘着セパレータ付き保護フィルムの断面図である。1は保護フィルム、1aは粘着層、2及び3はセパレータ、2a及び3aはセパレータの粘着層を示す。4は該粘着材付きセパレータの分離部分を示す。5はセパレータの粘着面に貼る剥離シートを示す。
【0008】
図2は保護フィルムと粘着材付きセパレータと剥離シートの構成を示す平面図である。図3は保護フィルムと同じ大きさの粘着材付きセパレータ、剥離シートとし、一部をそれぞれの剥離の為のガイドとして外側に張り出した形状の断面図である。2b、3b、5b、6bはそれぞれガイドを示す。実施例では剥離シートも分割して、剥離が容易に出来る形態にある。4,7はセパレータと剥離シートのそれぞれの分離部分を示す。
【0009】
図4は図3の実施例の平面図である。セパレータを剥がす位置が明確になり、また液晶画面への位置決めも正確に行える。
【0010】
図5は保護フィルムを液晶画面に貼るために剥離シート5,6を剥がし、粘着材付きセパレータ2、3の粘着面を液晶画面に貼着した状態を示す断面図である。この状態で保護フィルムと保護される液晶画面の位置関係を微調整する。埃が液晶画面上に多少残っていても問題にならない。
【0011】
図6は保護フィルム1から粘着材付きセパレータ2を剥がしている状態の断面図である。保護フィルム1は粘着材付きセパレータ3を介して半面が液晶画面に粘着しているため該液晶画面との位置関係は保たれている。粘着材付きセパレータ2が保護フィルム1と液晶画面9から剥がされる際、液晶画面9の表面の埃は粘着層2aに粘着され移動する。
【0012】
図7は保護フィルム1の半面が液晶画面上に貼着された状態を示す。この状態で粘着材付きセパレータ3は該液晶画面上にまだ残っている。図8は粘着材付きセパレータ3を剥がしている状態を示す。図9は粘着材付きセパレータ2及び3が完全に剥がされ、保護フィルム1が液晶画面上に貼着された仕上がり状態の断面である。
【0013】
図10は保護フィルム1から粘着材付きセパレータ2を剥がしている状態の俯瞰図である。」
(4)図1?図2関連
ア 段落【0013】の説明
「【図1】粘着セパレータ付き保護フィルムの断面図である。
【図2】粘着セパレータ付き保護フィルムの平面図である。」
イ 「【図1】


ウ 「【図2】


(5)図3?図4関連
ア 段落【0013】の説明
「【図3】ガイド付き粘着セパレータ付き保護フィルムの断面図である。
【図4】ガイド付き粘着セパレータ付き保護フィルムの平面図である。」
イ 「【図3】


ウ 「【図4】


(6)図5?10関連
ア 段落【0013】の説明
「【図5】保護フィルムを貼着する方法の断面図である。
【図6】保護フィルムを貼着する方法の断面図である。
【図7】保護フィルムを貼着する方法の断面図である。
【図8】保護フィルムを貼着する方法の断面図である。
【図9】保護フィルムを貼着する方法の断面図である。
【図10】保護フィルムを貼着する方法の俯瞰図である。」
イ 「【図5】


ウ 「【図6】


エ 「【図7】


オ 「【図8】


カ 「【図9】


キ 「【図10】


3 甲3の記載事項
甲3には次の記載がある。
(1)「【考案が解決しようとする課題】
【0003】
本考案は、液晶画面等に保護フィルムを貼り付ける際の貼り付け位置設定を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本考案は保護フィルムの粘着層面に貼るセパレータにセパレータ自体を分割、分離するための分割溝を設け、該分割溝部分からセパレータを分割して一部を剥がし貼り付けることで、液晶画面等の保護面へ保護フィルムを貼り付ける際の貼り付け位置の設定を容易に行うという課題を解決する。」
(2)「【考案の効果】
【0005】
液晶画面の縁に合わせて保護フィルムを貼る場合、従来はセパレータを全て剥がして貼り付ける作業を行っていた。この場合、保護フィルムの粘着層面に手の汚れが付着しやすく、また大まかな位置合わせしか出来なかった。本考案では、セパレータに分割溝を設けることで該分割溝から容易にセパレータを複数に分離、分割することが出来る。セパレータの中央部を複数の分割溝に沿って分割して剥がし、残ったセパレータを該液晶画面の縁に合わせて位置決めを行い、粘着層面の露出した保護フィルム中央部を該液晶画面に貼り付ける。その後で残ったセパレータを剥がし、粘着層面を該液晶画面に貼り付ける。こうして位置決めの際に粘着層面に指が触れないため粘着層面が汚れることもなく、容易に正確な位置に保護フィルムを貼り付けることが可能になる。」
(3)「【考案を実施するための最良の形態】
【0006】
保護フィルムの粘着層面に貼るセパレータの中央付近に複数の分割溝を設け、該分割溝からセパレータを分離、分割可能にする。セパレータには貼り付け対象となる液晶画面の縁に合わせた案内部を設ける。セパレータを剥がす際の手がかりとして、セパレータの分割溝部分付近にガイドを貼り付けるか、又はセパレータの一部をガイド形状に形成する。」
(4)「【0007】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明する。
図1は本考案の分割セパレータ付き保護フィルムの断面図である。1は保護フィルム、1aは保護フィルムの粘着層、2はセパレータ、2aは案内部、3はセパレータを分離、分割するために設けた分割溝3を示す。
【0008】
図2は実施例の平面図である。貼り付け対象となる液晶画面の縁に合わせた案内部2aより、保護フィルム1は一回り小さい形状とする。また案内部の一部を抜き穴2bの形状で形成している。セパレータの中央付近にセパレータを分離、分割するために設けた分割溝3を配置し、その周辺にセパレータを剥がす為のガイド2cを該セパレータに貼付している。」
(5)図面
ア 「【図1】


イ 「【図2】


4 甲4の記載事項
甲4には次の記載がある。
(1)「【0005】
液晶画面の縁に合わせて保護フィルムを貼る場合、本考案の保護フィルムとセパレータに於いて、セパレータは貼り付け対象となる液晶画面の縁に合わせた形状に形成され、また分割されている事が特徴である。通常保護フィルムの形状は対象となる液晶画面より一回り小さく形成される。その為、該液晶画面に対して上下左右均等な逃幅で保護フィルムを貼ることが非常に困難であった。
【0006】
本考案ではセパレータを液晶画面の縁に合わせた形状に形成することで、均等な逃幅を確保することが可能になる。分割されているセパレータの中央部を剥がし、残ったセパレータを該液晶画面の縁に合わせて位置決めを行い、糊面の露出した保護フィルムを該液晶画面に貼り付ける。その後で残ったセパレータを剥がし、糊面を該液晶画面に貼り付ける。こうして位置決めの際に糊面に指が触れないため糊面が汚れることもなく、容易に正確な位置に保護フィルムを貼り付けることが可能になる。」
(2)「【0009】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明する。
図1は本考案の分割セパレータ付き保護フィルムの平面図である。1は保護フィルム、2及び3はセパレータ、2a及び3aは案内部、2b及び3bはセパレータに貼り付けたセパレータを剥がすガイド、4はセパレータの分離部分を示す。図1のようにセパレータが2枚の場合1枚を剥がし、残った他の1枚の案内部を液晶画面の縁に合わせて位置決めをする。
【0010】
図2は図1と同じ構成であるが案内部を穴形状とし、画面の縁に2a及び3aの案内部を合わせる。2c及び3cはセパレータの一部をセパレータを剥がすガイド形状に形成した実施例である。」
(3)「【図1】


(4)「【図2】


5 甲5の記載事項
甲5には次の記載がある。
(1)「【請求項1】
スクリーン保護膜と、
前記スクリーン保護膜の表面上に設けられる粘着層と、
前記粘着層上に貼り付けられ、スリットを含む離型膜と、
を有する
スクリーン保護シート。
【請求項2】
前記離型膜のサイズは、前記スクリーン保護シートのサイズと同じであり、前記離型膜は突起部を含む
請求項1に記載のスクリーン保護シート。
【請求項3】
前記スリットは、前記離型膜を第一の離型膜と第二の保護膜に分割し、当該第一の離型膜は第一の突起部を含み、当該第二の離型膜は第二の突起部を含む
請求項2に記載のスクリーン保護シート。」
(2)「【0005】
しかし、上述した方法は一般的に小スクリーンに適する。例えば、スクリーンのサイズは1.5インチから7インチまでの場合、あまり問題が生じない。しかし、スクリーンのサイズは7インチ以上の場合、スクリーン全体の面積が大きくなり、対応するスクリーン保護シートが大きくなり、離型膜の面積も大きくなる。使用者は大きなサイズの離型膜を連続的に剥がした後に、スクリーン保護膜を直接スクリーンに貼り付けるときに、スクリーン保護膜に皺と泡が生じやすく、スクリーン膜の透光性と外観に影響することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、使用者がスクリーンにスクリーン保護膜を貼り付ける時に、大きなサイズのスクリーン保護膜を一回に貼り付ける場合に、スクリーン保護膜に皺と泡が生じる欠点を克服することができるスクリーン保護シート及びその製作方法を提供することにある。」
(3)「【0024】
実施形態
図3は、本発明の実施形態に係る図であり、具体的に、本発明のスクリーン保護シート3がスクリーンに貼り付けられていない時の断面図である。図3に示すように、本発明のスクリーン保護シート3は、スクリーン保護膜30、粘着層32、第一の離型膜341及び第二の離型膜342を含む。スクリーン保護膜30は、従来技術のようにゴム類の材料から形成され、透光性と柔軟性を有する。スクリーン保護膜30の表面上に粘着層12を設け、スクリーン保護膜30に粘着性を持たせることにより、スクリーン保護膜30は、スクリーンに直接貼り付けることができる。また、スクリーン保護幕30がスクリーンに貼り付けられていないときには、スクリーン保護膜30の粘着層31上に第一の離型膜341と第二の離型膜342を有する。第一の離型膜341と第二の離型膜342との間にスリット35を有する。
【0025】
好ましくは、図4に示すように、第一の離型膜341は第一の突起部343を含む。第一の突起部343は第一の離型膜341の所定位置から延伸されるものであり、当該所定位置は、使用者が手で第一の突起部343を持って、第一の離型膜341を便利に剥がせることができれば、どこでも良い。第一の突起部343と第一の離型膜341とは、材料が同じであり、且つ互いに連接し、製作プロセスにおいては、一体成型により形成される。また、第一の突起部343と第一の離型膜341とは、それぞれの材料が異なっても良い。しかし、この場合、第一の突起部343は第一の離型膜341と異なり、粘着層32上に貼り付けられないので、使用者は手で第一の突起部343を持って便利に剥すことができる。同様に、第二の離型膜342は第二の突起部344を含み、第二の突起部344の機能と形成方法は第一の突起部343の機能と形成方法と同じである。」
(4)「【0026】
図5と図6は、本発明のスクリーン保護シート3の使用方法を詳細に説明するための図である。本発明のスクリーン保護シート3は、第一の離型膜341と第二の離型膜342を含む。使用時に、使用者はまず第一の離型膜341を一辺から剥す。好ましくは、使用者は手で第一の突起部343を剥してから第一の離型膜341を一辺から剥す。これにより、スクリーン保護膜30の一辺の粘着層32を露出させ、スクリーン保護膜30の当該一辺を電子デバイス4のスクリーン40の一辺と合わせて、スクリーン保護膜30を直接スクリーン40の当該一辺に貼り付ける。そして、図5に示すように、使用者は徐々に第一の離型膜341を剥しながら、スクリーン保護膜30を伸ばして平らにすることで、スクリーン保護膜341の一部の貼り付け作業を完成する。続いて、使用者は手で第二の離型膜342を剥す。より好ましくは、使用者は手で第二の突起部344を剥してから第二の離型膜342を一辺から剥す。その後、図6に示すように、私用者は徐々に第二の離型膜342を剥しながら、スクリーン保護膜30を伸ばして平らにすることで、スクリーン保護膜30の全体の貼り付け作業を完成する。これにより、スクリーン保護膜30は、完全に電子デバイス4のスクリーン40に貼り付けられる。
【0027】
本発明の実施形態は、例えば、上述した方法でスクリーン保護膜30を電子デバイス4のスクリーン40に貼り付ける。前記方法は、順番に第一の離型膜341と第二の離型膜342を剥すことにより、元々大きなサイズのスクリーン保護膜を段階にスクリーン40に貼り付ける。これにより、大きなサイズのスクリーン保護膜の貼り付け作業の欠点(例えば、皺と泡等が生じる)を克服し、従来技術のような問題が生じない。また、本実施形態に開示された技術特徴は、二つ以上の離型膜を含むスクリーン保護シートにおいて用いられることが可能であり、スクリーン保護シートのサイズの増大により生じる欠点を克服することが可能である。」
(5)図面
ア 「【図3】


イ 「【図4】


ウ 「【図5】


エ 「【図6】


6 甲9の記載事項
甲9には次の記載がある。
(1)第1頁、(31)欄
「優先権主張番号 実願平11-567」
(2)「【0016】
【発明の実施の形態】本発明の携帯電話機用装飾装飾粘着シール(以下、装飾粘着シールと記す)は、表面に装飾用の印刷層を設け、裏面に粘着剤層を設けた粘着フィルムまたはシートの粘着剤層の面に透明剥離材を接着してなり、該粘着フィルムまたはシートに外周縁の内側の周囲に切断線を設けて形成した外周剥離領域と、携帯電話機の表面に設けられた各機能部分の位置に相当する各部分の周囲に切断線を設けて形成した機能部分表示領域とを有し、かつ該透明剥離材の一部に端縁と少なくとも2本の一方の端縁から他方の端縁にかけて設けた切断線とにより囲まれた位置決め用剥離領域を有することを特徴とする。
【0017】図1は本発明の装飾粘着シールの一例を示す概略平面図、図2は図1のAA’線断面図を示す。同図1は、透明剥離材を用いた装飾粘着シールを示す。
【0018】同図1に示す様に、本発明の装飾粘着シール10は、フィルムまたはシート8の表面に文字、記号、色彩、図形または模様を印刷した印刷層7を設け、また裏面に粘着剤層2を設けて粘着フィルムまたはシート1を形成し、該粘着フィルムまたはシート1の粘着剤層2の面に透明剥離材33を接着してなる。また、粘着フィルムまたはシート1の外周縁15の内側の周囲に切断線12を設けて外周剥離領域14を形成し、また粘着フィルムまたはシート1の切断線12の内側には、携帯電話機の表面に設けられたディスプレイ表示部42、各操作用ボタン43、受話口41、送話口44からなる各機能部分46の位置に相当する各部分16の周囲に切断線13を設けて機能部分表示領域17が形成されている。また、透明剥離材33の一部に、2本の一方の端縁9aから他方の端縁9bにかけて設けた切断線11a、11bと、該切断線11a、11b間の端縁19a、19bにより囲まれた位置決め用剥離領域4が設けられている。
【0019】前記位置決め用剥離領域4は、装飾粘着シールを貼り付ける際に、透明剥離材33から独立して剥離し、指定位置に位置合わせした後、露出した粘着フィルムまたはシートの粘着剤層の粘着面2aを携帯電話機に仮止めして位置決めを行なうために用いられる。」
(3)「【0020】次に、前記構成より成る本発明の装飾粘着シールの貼り付け方法について説明する。図3?図6は本発明の装飾粘着シールの貼り付け方法の工程を示す工程図である。
【0021】先ず、上記の図1,2に示す装飾粘着シールを用意する。次に、図3に示す様に、粘着フィルムまたはシート1の外周縁15に設けられた切断線12で囲まれた外周剥離領域14を剥離する。また、携帯電話機の各機能部分46を露出するために設けられた切断線13で囲まれた機能部分表示領域17を剥離する。この場合、外周剥離領域14と機能部分表示領域17は手で一つずつ剥離してもよいが、粘着性のあるメンディングテープ等を用いて複数個を同時に剥離してもよい。
【0022】次に、透明剥離材33の位置決め用剥離領域4を剥離し、露出した粘着フィルムまたはシート1の粘着剤層の粘着面2aを露出させる。次に、携帯電話機の表面に、透明剥離材33を透して、携帯電話機の各機能部分46の位置に、相当する機能部分表示領域17の穴が合う様に装飾粘着シールを移動して携帯電話機の指定位置に合わせ全体の位置合わせを行う。
【0023】前記全体の位置合わせを行った後、前記露出した粘着面2aを粘着フィルムまたはシート1の上より軽く押さ、粘着面2aを携帯電話機5に仮止めして指定位置に位置決めする。
【0024】そして、図4に示すように、前記仮止め後に左右に分割された一方の側の透明剥離材33aを前記位置決め用剥離領域4側から徐々に剥がしつつ、携帯電話機の表面に設けられた各機能部分を露出する様に、指または押さえローラーで圧着して接着する。
【0025】その後、図5に示すように、他方の側の透明剥離材33bを前記と同様方法で徐々に剥がしつつ、携帯電話機の表面に設けられた各機能部分を露出する様に、接着する。最後に全体を手または押さえローラーで圧着して、装飾粘着シールの貼り付け作業が完了する。
【0026】図6に装飾粘着シールを貼り付けた後の携帯電話機を示す。同図6に示す様に、装飾粘着シールは携帯電話機の表面に設けられた各機能部分を露出する様に貼り付けられている。」
(4)「【0027】本発明において、位置決め用剥離領域4は仮止めできる大きさであればよく、また切断線11a、11bは、通常の方法で透明剥離材3をカッティングすることにより形成することができる。切断線は、少なくとも2本以上あればよく、切断線の数また引き方により位置決め用剥離領域の幅、形状は任意に形成することができる。図1に示す位置決め用剥離領域は、端縁と2本の切断線により囲まれた帯状の領域からなる例を示したが、例えば、4本の切断線を用いて、平行な2本の切断線とそれに直交した平行な2本の切断線と剥離材の端縁により囲まれた2つの位置決め用剥離領域からなるものでもよい。また、交差した2本の切断線と剥離材の端縁により囲まれた2つの領域からなるものでもよい。
【0028】また、位置決め用剥離領域は、透明剥離材の一部に形成されていればよく、その位置は特に制限はないが、特に中央部に設けるのが位置決めおよび透明剥離材を剥離する上で好ましい。」
(5)「【図1】


(6)「【図2】


(7)「【図3】


7 甲10の記載事項
甲10には次の記載がある。
(1)第1頁、(31)欄
「優先権主張番号 実願平11-566」
(2)「【0014】
【発明の実施の形態】本発明の指定位置接着用粘着シール(以下、位置用粘着シールと記す)は、一方の面に粘着剤層を設けた粘着フィルムまたはシートの粘着剤層の面に剥離材を接着してなる粘着シールにおいて、該剥離材の一部に少なくとも2本の一方の端縁から他方の端縁にかけて設けた切断線と該切断線間の端縁により囲まれた位置決め用剥離領域を有することを特徴とする。
【0015】図1は本発明の位置用粘着シールの一例を示す概略図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はAA′線断面図を示す。同図1に示す様に、本発明の位置用粘着シール10は、フィルムまたはシート8の表面に文字、記号、色彩、図形または模様を印刷した印刷層7を設け、また裏面に粘着剤層2を設けて粘着フィルムまたはシート1を形成し、該粘着フィルムまたはシート1の粘着剤層2の下面に剥離材3を接着してなり、該剥離材3の一部に、2本の一方の端縁9aから他方の端縁9bにかけて設けた切断線11a、11bと、該切断線11a、11b間の端縁19a、19bにより囲まれた位置決め用剥離領域4を有することを特徴とする。
【0016】前記位置決め用剥離領域4は、位置用粘着シールを貼り付ける際に、剥離材3から独立して剥離し、指定位置に位置合わせした後、露出した粘着フィルムまたはシートの粘着剤層の粘着面2aを被粘着物に仮止めして位置決めを行なうために用いられる。」
(3)「【0017】次に、前記構成より成る本発明の位置用粘着シールの貼り付け方法につき説明する。図2は本発明の位置用粘着シールの貼り付け方法の前半の工程を示す工程図であり、図3は貼り付け方法の後半の工程を示す工程図である。
【0018】先ず、図2(a),(b)に示すように、位置用粘着シール10の位置決め用剥離領域4を剥がし、露出した粘着フィルムまたはシート1の粘着剤層の粘着面2aを露出させる。なお、図中では印刷層は省略してある。次に、図2(c)に示すように、剥離材3の端縁9を被粘着物5の指定位置に合わせ全体の位置合わせを行う。
【0019】前記全体の位置合わせを行った後、図2(d)に示すように、前記露出した粘着面2aを粘着フィルムまたはシート1の上より軽く押さ、粘着面2aを被粘着物5に仮止めして指定位置に位置決めする。そして、図2(e)に示すように、前記仮止め後に左右に分割された一方の側の剥離材3aを前記位置決め用剥離領域4側から徐々に剥がしつつ、図3(f)に示すように、指または押さえローラー6で圧着して接着する。
【0020】その後、図3(g)に示すように、他方の側の剥離材3bを前記と同様方法で徐々に剥がしつつ接着し、図3(h)に示すように、最後に全体を手または押さえローラー6で圧着して、位置用粘着シールの貼り付け作業が完了する。」
(4)「【0021】本発明において、切断線11a、11bは、通常の方法で剥離材3をカッティングすることにより形成することができる。切断線は、少なくとも2本以上あればよく、切断線の数また引き方により位置決め用剥離領域の形状は任意に形成することができる。図1に示す位置決め用剥離領域は、端縁と2本の切断線により囲まれた帯状の領域からなる例を示したが、例えば図4に示す様に、4本の切断線と剥離材の端縁により囲まれた2つの位置決め用剥離領域4a、4bからなるものでもよい。また、図5に示す様に、2本の切断線が交差して剥離材の端縁により囲まれた2つの領域4c、4dからなるものでもよい。
【0022】また、位置決め用剥離領域は、剥離材の一部に形成されていればよく、その位置は特に制限はないが、特に中央部に設けるのが位置決めおよび剥離材を剥離する上で好ましい。剥離材には、特に制限はなく通常のものを用いることができ、例えば剥離紙や樹脂製の剥離シート等を用いことができる。」
(5)「【図1】


(6)「【図2】


(7)「【図3】


(8)「【図4】


(9)「【図5】


8 甲11について
甲11は、実願平11-566号に係る登録実用新案公報であり、前記7(1)に摘記したように、甲11を優先権の基礎として出願された甲10にすべて記載されているため摘記を省略する。
9 甲12について
甲12は、実願平11-567号に係る登録実用新案公報であり、前記6(1)に摘記したように、甲12を優先権の基礎として出願された甲9にすべて記載されているため摘記を省略する。
10 甲13の記載事項
甲13には次の記載がある。
(1)「【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、貼付作業性が良好で、貼付位置の位置決め精度が良く、しかも空気の入り込みを抑制することができる平面ディスプレイ貼付用機能性フィルム及びその貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明における第1の発明の平面ディスプレイ貼付用機能性フィルムは、被着体としての平面ディスプレイの貼付面に貼付されて機能を発現する平面ディスプレイ貼付用機能性フィルムであって、基材フィルム層の一方の面に機能層を設け、他方の面に第1粘着剤層を設けるとともに、その第1粘着剤層上に剥離層を備え、前記第1粘着剤層を仮止め用粘着剤層と本止め用粘着剤層とに区分し、前記仮止め用粘着剤層上に仮止め用剥離層を設け、本止め用粘着剤層上に本止め用剥離層を備えることを特徴とするものである。」
(2)「【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、本実施形態の平面ディスプレイ貼付用機能性フィルムについて述べる。
本実施形態の平面ディスプレイ貼付用機能性フィルムは、被着体の貼付面に貼付されて光反射防止、紫外線吸収、電磁波シールド等の機能を発現するためのフィルムである。図1(a)、(b)及び(c)に示すように、平面ディスプレイ貼付用機能性フィルム(以下、単に機能性フィルムともいう)10は平面矩形状をなし、基材フィルム層11の一方の面(上面)に機能層12が設けられ、機能層12上には第2粘着剤層13を介して保護層14が設けられている。基材フィルム層の他方の面(下面)には第1粘着剤層15が設けられ、その第1粘着剤層15上には剥離層16が設けられている。第1粘着剤層15は仮止め用粘着剤層15aと本止め用粘着剤層15bとに区分されている。そして、仮止め用粘着剤層15a上に仮止め用剥離層16a、本止め用粘着剤層15b上に本止め用剥離層16bが設けられている。仮止め用剥離層16aと本止め用剥離層16bとの間には切り込み17が設けられ、仮止め用剥離層16aと本止め用剥離層16bとをそれぞれ単独で引き剥がしできるようになっている。なお、機能性フィルム10は、各図において理解を容易にするために、厚さを実際より厚く誇張して描かれている。
【0017】
そして、機能性フィルム10を被着体としての平面ディスプレイ19の貼付面20へ貼付する際に、剥離層16側を貼付面20上に置いて位置決めを行い、その後仮止め用剥離層16aを仮止め用粘着剤層15aから剥離し、それを平面ディスプレイ19へ貼付して仮止めする。その後、本止め用剥離層16bを本止め用粘着剤層15aから剥離し、貼付面20へ貼付する2段階の貼付方法をとることにより所望の位置へ貼付けることができる。従って、機能性フィルム10の仮止め用粘着剤層15a側が仮止め部10aとなり、本止め用粘着剤層15b側が本止め部10bとなっている。」
(3)「【0022】
剥離層16は、従来からこの種の機能性フィルム10で使用されているものと同様のものを何れも使用することができる。例えば、シリコーン、ワックス、フッ素樹脂等の公知の離型剤で処理した離型性が良好な紙、プラスチック、繊維、金属等のフィルムやそれ自体剥離可能な合成樹脂フィルム等が使用できる。その厚さは、通常5?300μm、好ましくは10?200μmである。
【0023】
また、剥離層16には前述のように仮止め用剥離層16aと本止め用剥離層16bとに2分割されるように切り込み17が設けられている。そして、機能性フィルム10を平面ディスプレイ19の貼付面20へ貼付する際に、位置決めを行い、手等で機能性フィルム10を押さえてずれないようにしながら、仮止め用剥離層16aを第1粘着剤層15から剥離し、それを貼付面20へ貼付することで貼り付け位置が決定されるようになっている。この分割された仮止め用剥離層16aの大きさは、上記した作業を満足するものであれば良いが、仮止め用剥離層16aの幅は、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上である。その幅が1mm未満では決められた位置を保持する粘着力としては不十分となり、例えば次の本止め用剥離層16bを剥離した後の貼付作業時に機能性フィルム10が剥がれてしまう可能性が高くなる傾向にある。
【0024】
また、その上限は次の点を考慮して決められる。つまり、仮止め用粘着剤層15aと本止め用粘着剤層15bの面積比において仮止め用粘着剤層15aの貼付けは仮止めであることから貼付の位置決めが不適切であった場合の張り直しや、本止め用粘着剤層15b側の貼付まで終えた機能性フィルム10の貼付面20内における気泡の残留を抑制する観点より決定される。従って、仮止め用粘着剤層15aは本止め用粘着剤層15bよりも面積が小さい方が好ましく、具体的には上記好ましい幅を満たす中で、本止め用粘着剤層15bと仮止め用粘着剤層15aとの合計面積に対する仮止め用粘着剤層15aの面積の割合が好ましくは1?40%、より好ましくは1?30%、さらに好ましくは1?20%である。その割合が40%を越えると、仮止め用剥離層16a側の貼付の位置決めが不適切であった場合に貼り直しが困難となり、また機能性フィルム10貼付終了時の貼付面20内において気泡が残留する確率がより高まる傾向にある。仮止め用剥離層16a及び本止め用剥離層16bのそれぞれには、各層を剥がし易くするためのタブを装着したり、切り込みを入れるなどの加工がなされていても良い。」
(4)「【0034】
平面ディスプレイ貼付用機能性フィルム10は、以下に示す手順により平面ディスプレイ19の貼付面20に貼付される。
(1)機能性フィルム10の剥離層16を平面ディスプレイ19の貼付面(画面)20上に置いて位置決めする。
(2)続いて、その位置を固定して仮止め用剥離層16aを剥離し、それにより出現した仮止め用粘着剤層15aを平面ディスプレイ19の貼付面20に貼付して仮止めする。
(3)次いで、その仮止め部10aを固定して本止め用剥離層16bを剥離し、それにより出現した本止め用粘着剤層15bを(2)の手順にて貼付した仮止め部10aに近い側から遠い側に向けて順に貼付する。
【0035】
係る貼付作業を容易かつ迅速に行うためにヘラ等の道具を使用しても良い。そのような道具としては、貼付作業を容易にするものであれば特に限定されず、何れの道具も使用できる。ヘラに代わる道具としては、例えば紙、プラスチック、布類等が挙げられる。また、それらの形状については、上記貼付作業を補助できるような形状であれば何れの形状でも良い。」
(5)「【0045】
・・・
(実施例1)
縦246mm、横185mmに裁断された日本油脂(株)製 ReaLook7702UV-Sの剥離層16に切り込み17(キスカット、剥離層16のみをカット)を入れて仮止め用剥離層16aと本止め用剥離層16bとして分離させた。そして、タブレットPC((株)東芝製 Daynabook SS 3500 DSIEP/2)への貼付を次の通りに行った。
【0046】
まず、仮止め用剥離層16a側を貼付面(液晶画面)20の周辺部21の長辺に沿うように貼付面20上に置いて位置決めした。その位置が動かないように手で固定して仮止め用剥離層16aを剥離し、出現した仮止め用粘着剤層15aを貼付面に貼付した。次に、仮止め部10aを手で押さえながら残りの本止め用剥離層16bを剥離し、出現した本止め用粘着剤層15bを先ほど貼付した仮止め部10aに近い側から遠い側に向けて順に貼付した。その後、保護層14を剥離した。」
(6)「【0054】
・ 仮止め用剥離層16aと本止め用剥離層16bとの境界部分に、ミシン目を設けたり、その部分を薄く形成したりして切り離し可能に構成することもできる。
・ 仮止め用剥離層16aを機能性フィルム10からはみ出すようにした把持部や折り曲げるようにした把持部等を設けることもできる。その場合、仮止め前に仮止め用剥離層16aを把持部を持って簡単に剥がすことができる。」
(7)「【図1】


(8)「【図2】


(9)「【図3】



第7 当審の判断
1 検討の順序
前記第4、1に整理したように、無効理由1?9は、甲1に記載された発明を主引用例とする無効理由1、2、4?7と、甲2に記載された発明を主引用例とする無効理由3、8、9に分けられる。以下、順次検討する。
2 無効理由1、2、4?7についての判断
(1)甲1に記載された発明
ア 当審の認定
(ア)前記第6、1(4)に摘記した甲1の段落【0032】?【0033】及び同(10)に摘記した甲1の【図18】?【図19】に開示されている甲1の「第7実施形態」から次の発明(以下「甲1-1発明」、「甲1-6発明」という。)が認定できる。
(イ)甲1-1発明
「a:電子機器の表示画面に貼り付けられる基材シート10であって、第1粘着層20を有する基材シート10と、
b:基材シート10の第1粘着層20を覆うと共に、切り込みSが形成され、切り込みSから引き裂くことにより右半分と左半分との間で切断可能な第1剥離シート30と、
d:第1剥離シートの第1粘着層20に接する面の裏側の面に設けられた第2粘着層40を有し、
e:第1剥離シート30を表示画面に貼り付け可能であって、基材シート10を表示画面の表面に仮止めするための表示画面全体を覆うことができる第2粘着層40を備えるフィルムシートA」
(ウ)甲1-6発明
「h:電子機器の表示画面に貼り付けられる基材シート10であって、第1粘着層20を有する基材シート10と、
i:基材シート10の第1粘着層20を覆うと共に、切り込みSが形成された第1剥離シート30と、
k:第1剥離シートの第1粘着層20と接する面の裏側の面に表示画面全体を覆うように設けられた第2粘着層40と
l:を有するフィルムシートAを前記表示画面に貼り付ける方法であって、
m:第2粘着層40が表示画面全体を覆った状態となるようにフィルムシートAを表示画面に貼り付け、
n:左半分の表示画面上のフィルムシートAを再び表示画面上から剥がし、左半分の第1剥離シート30を切り込みSから切り裂いて剥がし、左半分の第1粘着層20が露出した状態で表示画面に張り付ける工程と、
o:右半分のフィルムシートAも左半分と同様の工程を経て表示画面上に貼る工程とを有する
p:フィルムシートA全面が表示画面に貼り付けられる貼り付け方法。」
イ 甲1発明の認定についての請求人の主張について
(ア)請求人は、審判請求書(令和元年10月30日付け手続補正書21頁2?10行)において、前記第6、1(1)に摘記した甲1の段落【0002】?【0005】及び同(11)に摘記した甲1の図20?21に、本件発明1の構成A及び本件発明6の構成Hに相当する構成が開示され、前記同(4)に摘記した甲1の段落【0032】?【0033】及び同(10)に摘記した甲1の図18?19に本件発明1の構成要件D、E及び本件発明6の構成要件K、L、M、Pが開示されているなどと主張する。
(イ)しかしながら、前記第6、1(1)に摘記した甲1の段落【0002】?【0005】及び同(11)に摘記した甲1の図20?21の記載は、甲1の段落【0002】に「図20に示す従来のフィルムシートA」と記載されているように、甲1の従来技術を説明するものである。一方、前記第6、1(4)に摘記した甲1の段落【0032】?【0033】及び同(10)に摘記した甲1の図18?19の記載は、甲1の段落【0032】に〔第7実施形態〕と記載されているように、甲1に記載の発明の形態の一つである。そして、甲1に記載の従来のフィルムシートAと第7実施形態とは、それぞれ別の「ひとまとまりの技術思想」なのであるから、それらを合わせた発明が甲1に開示されているといえないから、請求人が主張する発明を引用発明として認定することはできない。請求人の主張は理由がない。
(2)本件発明1、3について
ア 対比
(ア)本件発明1と甲1-1発明とを対比する。
a 甲1-1発明の「電子機器の表示画面」、「基材シート10」、「第1粘着層20」は、表示画面の表面に基材シートを貼り付けることによって、表示画面の表面が当然保護されることを考慮すると、本件発明1の「装置の表面」、「前記表面を保護する保護シート」、「接着面」にそれぞれ相当する。
b 甲1-1発明の「第1粘着剤層20を覆う・・・第1剥離シート30」は、本件発明1の「前記接着面を覆う・・・剥離シート」に相当する。
c 甲1-1発明において、第1剥離シート30をスリットSから引き裂いた後の第1剥離シートの右半分及び左半分が本件発明1の「第1剥離部」及び「第2剥離部」にそれぞれ対応する。そして、右半分及び左半分の両方に第2粘着層40が設けられており、右半分に注目すると、その裏側の面にも第2粘着層40が設けられているから、甲1-1発明の「第1剥離シート30の右半分の第1粘着層20に接する面の裏側の面に設けられた第2粘着層40」は、本件発明1の「前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられる仮止部」に相当する。
d 甲1-1発明の「基材シート10を表示画面の表面に仮止めするための第2粘着層40を備えるフィルムシートA」は、本件発明1の「保護シート貼付用のシート貼付構造体」に相当する。
イ 一致点・相違点
(ア)一致点
以上から、本件発明1と甲1-1発明は次の点で一致する。
「A:装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって、接着面を有する保護シートと、
B’:前記接着面を覆うと共に、配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
D’:前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられる仮止部であって、
前記装置に貼り付け可能であって、前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための仮止部を備える
E:保護シート貼付用のシート貼付構造体。」
(イ)相違点
本件発明1は次の点で甲1-1発明と相違する。
a 相違点1A
本件発明1においては、「第1剥離部及び第2剥離部」が「分離ラインを介して並んで配置される」のに対して、甲1-1発明の構成bにおける第1剥離シートの右半分と左半分とは、切り込みS(スリットS)から引き裂くことで分離されるため、「分離ラインを介して並んで配置され」ているといえない点。
b 相違点1B
本件発明1においては、「前記第1剥離部及び前記第2剥離部それぞれから前記保護シートの外側に延びる延出部」を有するのに対して、甲1-1発明においては第1剥離シートの右半分と左半分のいずれも延出部を有しない点。
c 相違点1C
本件発明1においては、仮止部が「第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され」ており、「前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部」と特定されているのに対して、甲1-1発明における、右半分の第1剥離シート30の第1粘着層20に接する面の裏側の面に設けられた第2粘着層40が、どのように配置されているかが明らかでない点。
ウ 相違点についての判断
事案に鑑み相違点1Cについて検討する。
(ア)甲1-1発明の第2粘着層40について
甲1-1発明における第2粘着層40は、「表示画面全体を覆うことができる」とされており、前記第6、1(4)に摘記した甲1の段落【0033】の「第2粘着層を表示画面に仮付着させ、表示画面から剥がす際に、ほこりや塵を第2粘着層とともに取り除く、クリーニング機能を発揮」という記載とを考慮すると、第2粘着剤層40は、第1剥離シート30の全体に均一に設けられるものと認められる。
(イ)そうすると、第1剥離シート30の右半分についても、その全体に均一に第2粘着剤層40が設けられていることになるから、相違点1Cのうち、仮止部が「第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され」ている構成に関しては、実質的な相違点であるといえない。
(ウ)一方、相違点1Cにおける、本件発明1においては「前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部」であるのに対して、甲1-1発明においては、第2粘着層40が第1剥離シートの右半分の全面に設けられている点は実質的な相違点であるといえる。
(エ)判断
甲1-1発明における第1剥離シートの右半分の全面に設けられている第2粘着剤層40を、第1剥離シートの右半分より小さい1箇所に設けることについて、容易に想到しうることと認めるに足る証拠は、本件審判事件において請求人から提示された証拠からは認めることができない。
(オ)請求人の主張に対して
a 請求人は、令和2年3月4日提出の審判事件弁駁書とともに、甲9?13を提示して、前記相違点1Cは当業者が容易に想到しうる事項であると主張している。
b 甲9について
前記第6、6(3)に摘記した甲9の段落【0019】に「位置決め用剥離領域4は、・・・位置決めを行なうために用いられる。」と記載され、同(4)に摘記した段落【0021】に「位置決め用剥離領域は、透明剥離材の一部に形成されていればよく」と記載されており、また、同(5)、(6)に摘記した甲9の図1、2の記載などから、仮止めのための手段を保護シートの一部とすることが開示されていると主張する。
c 甲10について
前記第6、7(2)に摘記した甲10の段落【0016】に「前記位置決め用剥離領域4は、・・・仮止めして位置決めを行なうために用いられる。」と記載され、同(4)に摘記した段落【0022】に「位置決め用剥離領域は、剥離材の一部に形成されていればよく、その位置は特に制限はない」と記載され、また、同(5)、(6)に摘記した甲10の図1、2の記載などから、仮止めのための手段を保護シートの一部とすることが開示されていると主張する。
d 甲11について
前記第6、8において検討したように、甲11に係る出願は、甲10に係る出願の優先権基礎であるから、摘記及び請求人の主張は前記cと同じである。
e 甲12について
前記第6、9において検討したように、甲12に係る出願は、甲9に係る出願の優先権基礎であるから、摘記及び請求人の主張は前記bと同じである。
f 甲13について
前記第6、10(2)に摘記した甲13の段落【0017】に「剥離層16側を貼付面20上に置いて位置決めを行い、その後仮止め用剥離層16aを仮止め用粘着剤層15aから剥離し、それを平面ディスプレイ19へ貼付して仮止めする。」と記載され、同(7)、(9)に摘記した甲13の図1及び図3の記載から、仮止めのための手段を保護シートの一部とすることが開示されていると主張する。
g 当審の見解
前記b?fにおいて、甲9?13に記載されたものには、仮止めのための手段は設けられているものの、いずれも甲1-1発明における第1粘着層20の一部を仮止めのための手段としているものといえる。そうすると、前記b?fに記載された事項を甲1-1発明に適用したとしても、甲1-1発明の第1粘着層20に影響するだけであり、第2粘着層40に影響するとはいえない。したがって、請求人の主張は理由がない。
エ 小括
以上のとおり、相違点1A及び1Bについて検討するまでもなく、本件発明1は甲1-1発明ではなく、また、甲1-1発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。さらに、本件発明3は、本件発明1を包含し、更に請求項3に記載された事項を特定するものであるから、本件発明1と同様に、甲1-1発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(3)本件発明6について
ア 対比
本件発明6を甲1-6発明と対比する。
(ア)本件発明6における「シート貼付構造体」と、甲1-6発明における「フィルムシートA」との対比は、前記(2)アと同様であるが、本件発明6においては、「第1延出部」及び「第2延出部」が、「前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる」点が更に特定されている点でも相違する。
(イ)甲1-6発明における「第2粘着層40が表示画面全体を覆った状態となるようにフィルムシートAを表示画面に貼り付け」る構成は、本件発明6における「前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程」に相当する。
(ウ)甲1-6発明における「左半分の表示画面上のフィルムシートAを再び表示画面上から剥がし、左半分の第1剥離シート30を切り込みSから切り裂いて剥がし、左半分の第1粘着層20が露出した状態で表示画面に張り付ける工程」は、「前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を」「前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程」に相当する。
(エ)甲1-6発明における「右半分のフィルムシートAも左半分と同様の工程を経て表示画面上に貼る工程」は、右半分の第1剥離シートが第2粘着層40を有しているから、本件発明6における「前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を」「前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程」に相当する。
(オ)甲1-6発明における「フィルムシートA全面が表示画面に貼り付けられる貼り付け方法」は、本件発明6における「シート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法」に相当する。
イ 一致点・相違点
(ア)一致点
そうすると、本件発明6と甲1-6発明とは次の点で一致する。
「装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって接着面を有する保護シートと、
記接着面を覆う第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられ且つ前記第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な仮止部と、
を備える保護シート貼付用のシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法であって、
前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程と、
前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程と、
前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程と、
を備えるシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法。」
(イ)相違点
本件発明6は、次の点で甲1-6発明と相違する。
a 相違点6A
本件発明6においては、「第1剥離部及び第2剥離部」が「分離ラインを介して並んで配置される」のに対して、甲1-6発明における第1剥離シートの右半分と左半分とは、切り込みSから引き裂くことで分離されるため、「分離ラインを介して並んで配置され」ているといえない点。
b 相違点6B
本件発明6においては、「前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第1延出部」及び「前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第2延出部」を有し、第1剥離部及び第2剥離部を剥がすために、それぞれ第1延出部及び第2延出部を引っ張ると特定されているのに対して、甲1-6発明における第1剥離シートの右半分と左半分の両方が延出部がなく、剥がすために延出部を引っ張ることができない点。
c 相違点6C
本件発明6においては、仮止部が「第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され」ており、「前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部」と特定されているのに対して、甲1-6発明における、右半分の第1剥離シート30の第1粘着層20に接する面の裏側の面に設けられた第2粘着層40が、どのように配置されているかが明らかでない点。
ウ 相違点についての判断
事案に鑑み、相違点6Cから検討する。
相違点6Cは、前記(2)イにおいて認定した相違点1Cと同じである。
そうすると、前記(2)ウにおいて検討したのと同じ理由により、相違点6Cに係る本件発明6の構成は当業者が容易に想到しうると認めることはできない。
エ 小括
以上のとおり、相違点6A及び6Bについて検討するまでもなく、本件発明6は甲1-6発明ではなく、また、甲1-6発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(4)無効理由1、2、4?7についての小括
無効理由1、2、4?7は、いずれも甲1に記載された発明を主引用例として本件発明1、3、6の新規性欠如ないし進歩性欠如を主張するものであるから、前記(1)?(3)のとおり請求人の主張する無効理由1、2、4?7は、いずれも理由がない。
3 無効理由3、8、9についての判断
(1)甲2に記載された発明
ア 当審の認定
前記第6、2(1)に摘記した甲2の段落【0004】、【0007】?【0012】及び【図3】?【図10】のうち、特に段落【0008】2行?段落【0009】及び図3、4に記載された実施例から次の発明(以下「甲2-1発明」、「甲2-6発明」という。)が認定できる。
イ 甲2-1発明
「a:液晶画面に貼り付けられて液晶画面を保護する保護フィルム1であって、粘着層1aを有する保護フィルム1と、
b:粘着層1aを覆うと共に、分離部分4を介して並んで配置されるセパレータ2及びセパレータ3を有するセパレータと、
c:セパレータ2における分離部分4寄りの部分から保護フィルム1の外側に延びるガイド2bと、セパレータ3における分離部分4寄りの部分から保護フィルム1の外側に延びるガイド3bと、
d:セパレータ3における保護フィルム1に粘着される面とは反対側の面に設けられる粘着層3aであって、
e:セパレータ3に重なって配置され、液晶画面に貼り付け可能であって、保護フィルム1を液晶画面に仮止めするための粘着層3aを備えることを特徴とする保護フィルム1貼付用の粘着セパレータ付き保護フィルム構造体」
ウ 甲2-6発明
「h:液晶画面に貼り付けられて液晶画面を保護する保護フィルム1であって、粘着層1aを有する保護フィルム1と、
i:粘着層1aを覆うと共に、分離部分4を介して並んで配置されるセパレータ2及びセパレータ3を有するセパレータと、
j:セパレータ2における分離部分4寄りの部分から保護フィルム1の外側に延びるガイド2bと、セパレータ3における分離部分4寄りの部分から保護フィルム1の外側に延びるガイド3bと、
k:セパレータ3における保護フィルム1に粘着される面とは反対側の面に設けられ、且つ、セパレータ3に重なって配置されると共に液晶画面に貼り付け可能な粘着層3aを有する
l:保護フィルム1貼付用の粘着セパレータ付き保護フィルム構造体を用いて保護フィルム1を貼付する貼付方法であって、
m:粘着層3aを液晶画面に保護フィルム1を仮止めする仮止工程と
n:仮止工程により保護フィルム1を粘着層3aで仮止めした後に、セパレータ2をガイド2bを引っ張ることにより保護フィルム1から剥がして、保護フィルム1を液晶画面に貼付する第1剥離貼付工程と
o:第1剥離貼付工程の後に、粘着層3aを液晶画面から剥がし、その後に粘着層3aが設けられるセパレータ3をガイド3bを引っ張ることにより保護フィルム1から剥がして、保護フィルム1を液晶画面に貼付する第2剥離貼付工程と、を含む
p:保護フィルム1貼付用の粘着セパレータ付き保護フィルム構造体を用いて保護フィルム1を貼付する貼付方法」
(2)本件発明1、3について
ア 対比
(ア)本件発明1と甲2-1発明とを対比する。
a 甲2-1発明の「液晶画面」、「保護フィルム1」、「粘着層1a」は、本件発明1の「装置の表面」、「保護シート」、「接着面」にそれぞれ相当する。
b 甲2-1発明の「セパレータ」、「セパレータ2」、「セパレータ3」、「分離部分4」は、本件発明1の「剥離シート」、「第2剥離部」、「第1剥離部」、「分離ライン」にそれぞれ相当する。
c 甲2-1発明の「セパレータ2」「から保護フィルム1の外側に延びるガイド2b」及び「セパレータ3」「から保護フィルム1の外側に延びるガイド3b」は両者を合わせて、本件発明1の「前記第1剥離部及び前記第2剥離部それぞれから前記保護シートの外側に延びる延出部」に相当する。
d 甲2-1発明の「セパレータ3における保護フィルム1に粘着される面とは反対側の面」、「粘着層3a」は、本件発明1の「前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面」、「仮止部」に相当する。
e 甲2-1発明の「セパレータ3に重なって配置され、・・・保護フィルム1を液晶画面に仮止めするための粘着層3a」、「保護フィルム1貼付用の粘着セパレータ付き保護フィルム構造体」は、それぞれ本件発明1の「前記第1剥離部に重なって配置され、前記装置に貼り付け可能であって、前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための・・・仮止部」、「保護シート貼付用のシート貼付構造体」に相当する。
イ 一致点・相違点
(ア)一致点
以上から、本件発明1と甲2-1発明は次の点で一致する。
「装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって、接着面を有する保護シートと、
前記接着面を覆うと共に、分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
前記第1剥離部及び前記第2剥離部それぞれから前記保護シートの外側に延びる延出部と、
前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられる仮止部であって、
前記第1剥離部に重なって配置され、前記装置に貼り付け可能であって、前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための仮止部と、を備えることを特徴とする保護シート貼付用のシート貼付構造体。」
(イ)相違点
本件発明1は、次の点で甲2-1発明と相違する。
相違点1D
本件発明1においては、仮止部が「第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され」ており、「前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部」と特定されているのに対して、甲2-1発明においては、セパレータ3に設けられた粘着層3aが、セパレータ3においてどのように配置されているかが明らかでない点。
ウ 相違点についての判断
(ア)甲2-1発明における粘着層3aは、前記第6、2(1)?(6)に摘記した甲2の明細書の記載からはセパレータ3のどの部分に設けるかは明記されていないが、同(2)に摘記した甲2の段落【0005】「粘着材付きセパレータ」との記載や同(4)に摘記した【図3】、【図4】の記載から、セパレータ3の全面に設けられていると推認できる。
(イ)そうすると、相違点1Dは、前記2(2)イ(イ)cにおける相違点1Cと同じである。そして、前記2(2)ウにおいて検討したのと同じ理由により、相違点1Dに係る本件発明1の構成は、甲1?5、9?13に記載された事項から当業者が容易に想到しうるということはできない。
エ 小括
以上のとおり、本件発明1は甲2-1発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。また、本件発明3は、本件発明1を包含し、更に請求項3に記載された事項を特定するものであるから、本件発明1と同様に、甲2-1発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(3)本件発明6について
ア 対比
本件発明6と甲2-6発明とを対比する。
(ア)甲2-6発明における「ガイド3b」、「ガイド2b」は、本件発明6における「第1延出部」「第2延出部」に相当する。
したがって、本件発明6における「シート貼付構造体」と、甲2-6発明における「粘着セパレータ付き保護フィルム」との対比は、前記(2)アと同様である。
(イ)甲2-6発明における「粘着層3aを液晶画面に保護フィルム1を仮止めする仮止工程」は、本件発明6における「前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程」に相当する。
(ウ)甲2-6発明における「仮止工程により保護フィルム1を粘着層3aで仮止めした後に、セパレータ2をガイド2bを引っ張ることにより保護フィルム1から剥がして、保護フィルム1を液晶画面に貼付する第1剥離貼付工程」は、本件発明6における「前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を前記第2延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程」に相当する。
(エ)甲2-6発明における「第1剥離貼付工程の後に、粘着層3aを液晶画面から剥がし、その後に粘着層3aが設けられるセパレータ3をガイド3bを引っ張ることにより保護フィルム1から剥がして、保護フィルム1を液晶画面に貼付する第2剥離貼付工程」は、本件発明6における「前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を前記第1延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程」に相当する。
(オ)甲2-6発明における「保護フィルム1貼付用の粘着セパレータ付き保護フィルム構造体を用いて保護フィルム1を貼付する貼付方法」は、本件発明6における「シート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法」に相当する。
イ 一致点・相違点
(ア)一致点
そうすると、本件発明6と甲2-6とは次の点で一致する。
「装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって接着面を有する保護シートと、
前記接着面を覆うと共に分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第1延出部と、前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第2延出部と、
前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられ前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な仮止部と、
を備える保護シート貼付用のシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法であって、
前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程と、
前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を前記第2延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程と、
前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を前記第1延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程と、
を備えるシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法。」
(イ)相違点
本件発明6は、次の点で甲2-6発明と相違する。
<相違点6D>
本件発明6においては、仮止部が「第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され」ており、「前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部」と特定されているのに対して、甲2-1発明においては、セパレータ3に設けられた粘着層3aが、セパレータ3においてどのように配置されているかが明らかでない点。
ウ 相違点についての判断
相違点6Dは、前記(2)イにおいて認定した相違点1Dと同じである。
そうすると、前記2(2)ウにおいて検討したのと同じ理由により、相違点6Dに係る本件発明6の構成は、甲1?5、9?13に記載された事項から当業者が容易に想到しうるということはできない。
エ 小括
以上のとおり、本件発明6は甲2-6発明及び甲1?5、9?13に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。
(4)無効理由3、8、9についての小括
無効理由3、8、9は、いずれも甲2に記載された発明を主引用例として本件発明1、3、6の進歩性欠如を主張するものであるから、前記(1)?(3)のとおり請求人の主張する無効理由3、8、9は、いずれも理由がない。
4 無効理由1?9についての小括
前記2、3から、本件発明1、3、6のいずれについても、本件審判事件における主張によっても新規性ないし進歩性を欠如するということはできない。
したがって、請求人の主張する無効理由1?9はいずれも理由がなく、本件発明1、3、6に係る特許は、いずれも特許法第123条第1項第2号の規定により無効とすべきものということはできない。

第8 むすび
以上のとおりであるから、
1 本件訂正は適法であるから、本件訂正を認める。
2 請求人の主張及び立証によっては、無効理由があるということができないから、本件発明1、3、6に係る本件審判の請求は成り立たない。
3 特許法第169条第2項の規定により準用する民事訴訟法第61条の規定により、審判請求費用は請求人の負担とする。
よって結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって、接着面を有する保護シートと、
前記接着面を覆うと共に、分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、
前記第1剥離部及び前記第2剥離部それぞれから前記保護シートの外側に延びる延出部と、
前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられる仮止部であって、前記第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置され、前記装置に貼り付け可能であって、前記保護シートを前記装置の表面に仮止めするための前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と、を備えることを特徴とする保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項2】
前記仮止部は、前記第1剥離部における前記分離ライン寄りに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項3】
前記延出部は、前記第1剥離部から前記保護シートの外側に延びる第1延出部と、前記第2剥離部から前記保護シートの外側に延びる第2延出部と、を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項4】
前記第1延出部は、前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びており、
前記第2延出部は、前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びている
ことを特徴とする請求項3に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項5】
前記第1延出部は、前記第1剥離部の前記保護シート側の面につながる面が外側に配置されるように折り返されると共に、前記分離ラインに交差する方向で且つ前記第2剥離部から遠ざかる方向に延びており、
前記第2延出部は、前記第2剥離部の前記保護シート側の面につながる面が外側に配置されるように折り返されると共に、前記分離ラインに交差する方向で且つ前記第1剥離部から遠ざかる方向に延びている
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の保護シート貼付用のシート貼付構造体。
【請求項6】
装置の表面に貼り付けられて前記表面を保護する保護シートであって接着面を有する保護シートと、前記接着面を覆うと共に分離ラインを介して並んで配置される第1剥離部及び第2剥離部を有する剥離シートと、前記第1剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第1延出部と、前記第2剥離部における前記分離ライン寄りの部分から前記保護シートの外側に延びる第2延出部と、前記第1剥離部における前記保護シートとは反対側の面に設けられ且つ前記第1剥離部の外側にはみ出ないように前記第1剥離部に重なって配置されると共に前記装置に貼り付け可能な前記第1剥離部より小さい1箇所の仮止部と、を備える保護シート貼付用のシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法であって、
前記仮止部を装置の表面に前記保護シートを仮止めする仮止工程と、
前記仮止工程により前記保護シートを前記仮止部で仮止めした後に、前記第2剥離部を前記第2延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第1剥離貼付工程と、
前記第1剥離貼付工程の後に、前記仮止部が設けられる前記第1剥離部を前記第1延出部を引っ張ることにより前記保護シートから剥がすと共に前記仮止部を前記装置の表面から剥がして、前記保護シートを前記装置の表面に貼付する第2剥離貼付工程と、を備えるシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-03-24 
結審通知日 2021-03-31 
審決日 2021-05-20 
出願番号 特願2012-267651(P2012-267651)
審決分類 P 1 123・ 113- YAA (G09F)
P 1 123・ 121- YAA (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤村 茂実  
特許庁審判長 天野 斉
特許庁審判官 川端 修
門前 浩一
登録日 2014-05-23 
登録番号 特許第5547792号(P5547792)
発明の名称 シート貼付構造体及びシート貼付構造体を用いて保護シートを貼付する貼付方法  
代理人 吉本 力  
代理人 三浦 修  
代理人 岩池 満  
代理人 小菅 一弘  
代理人 三浦 修  
代理人 杉山 周平  
代理人 岩池 満  
代理人 杉山 周平  
代理人 小菅 一弘  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ