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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1377031
審判番号 不服2020-517  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-01-15 
確定日 2021-08-31 
事件の表示 特願2016-511845「インクデータの生成、インクデータのレンダリング、インクデータの操作、及び、インクデータの伝達のための方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月28日国際公開、WO2015/075933、平成28年12月 1日国内公表、特表2016-537694、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続きの経緯

本願は、2014年(平成26年)11月19日(パリ条約による優先権主張 2013年11月19日、2013年11月25日、2014年3月31日、2014年8月27日、いずれも米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成31年 1月16日付け:拒絶理由通知
平成31年 3月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年 8月 7日付け:拒絶理由通知(最後)
令和 元年 9月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年11月 1日付け:令和元年9月26日の手続補正についての
補正の却下の決定、拒絶査定(原査定)
令和 2年 1月15日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 2月 2日付け:拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知
」という。)
令和 3年 2月22日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和元年11月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項14に係る発明は、以下の引用文献Dに基づいて、また、本願請求項1-6及び9-13に係る発明は、以下の引用文献A、B及びDに基づいて、また、本願請求項7及び8に係る発明は、以下の引用文献A-Dに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2003-141100号公報
B.特開2006-091938号公報
C.特開2009-093274号公報
D.特開2004-234647号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項14に係る発明は、以下の引用文献4に基づいて、また、本願請求項1及び9-13に係る発明は、以下の引用文献1及び4に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2003-141100号公報(拒絶査定時の引用文献A)
4.特開2004-234647号公報(拒絶査定時の引用文献D)

第4 本願発明

本願請求項1-14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明14」という。)は、令和3年2月22日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-14に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1及び本願発明14は、以下のとおりの発明である。
なお、下線は令和3年2月22日になされた手続補正で付加された箇所である。

「 【請求項1】
ポインタを操作することによって形成されるパスを再生するよう構成されたベクトルデータであるストロークオブジェクトを含むインクデータを生成するための、位置入力センサを含む装置で実行されるインクデータ生成方法であって、
センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信する入力ステップ、
前記ペンイベントデータに基づいてストロークオブジェクトを生成し、前記ペンイベントデータ、及び、前記ストロークオブジェクトを用いるアプリケーションから受信されるコンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトを説明するメタデータを生成し、前記ペンイベントデータ及び前記コンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトをどのように描画するかを定義する描画スタイルオブジェクトを生成するインクデータ生成ステップ、並びに、
前記ストロークオブジェクト、前記メタデータ、及び前記描画スタイルオブジェクトを互いに関連付け、記録フォーマット又は伝送フォーマットで出力する出力ステップ
を含み、
前記インクデータ生成ステップは、更に、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記ストロークオブジェクトを生成する都度、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定することを含み、
前記出力ステップは、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする一方、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記メタデータに前記意味単位の意味を含め、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに出力することを含む
インクデータ生成方法。」

「 【請求項14】
ポインタを操作することによって形成されるパスを再生するよう構成されたベクトルデータであるストロークオブジェクトを含むインクデータを生成するための、位置入力センサを含む装置で実行されるインクデータ生成方法であって、
前記インクデータ生成方法は、前記装置で実行されるアプリケーションと連動して実行されるものであり、
センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信する入力ステップと、
前記ペンイベントデータに基づいて順次ストロークオブジェクトを生成し、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記ストロークオブジェクトを生成する都度、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定するインクデータ生成ステップと、
前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする一方、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに出力する出力ステップと
を含むインクデータ生成方法。」

また、本願発明2-13は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等

1.当審拒絶理由に引用された引用文献

(1)引用文献4について
令和3年2月2日付けの当審拒絶理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のために当審が付与した。以下同様。)

「【0009】
(概要)
本発明の態様は、データ入力パネルなどデータ入力ユーザインタフェースの挙動を制御することに関する。より詳細には、本発明の様々な実施形態は、データ入力パネルの位置および内容を制御することに関する。当業者にはわかるように、ほとんどのソフトウェアアプリケーションは、典型的に、ユーザから入力データを受け付ける一種の特徴または構成要素を有する。グラフィカルユーザインタフェースを有するアプリケーションでは、こうした特徴または構成要素は、一般にコントロールと呼ばれている。従って、コントロールとは、アクションを実行するためにユーザが操作することができる表示されたオブジェクトである。」

「【0010】
例えば、キーボードなどでユーザがテキストデータを入力することができる境界付きのエリアは、一般にエディットコントロールと呼ばれる。当業者にはわかるように、異なる様々な種類のエディットコントロールがある。例えば、キーボードから文字データを受け付ける従来のエディットコントロールに加えて、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXPオペレーティングシステムによって、アプリケーションは、リッチエディットコントロールを含むことができる。リッチエディットコントロールは、入力テキスト、および挿入されたテキストに関連付けられている様々な型のメタデータを受け付ける。また、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXP Tablet PC Editionオペレーティングシステムによって、アプリケーションは、インクエディットコントロールを含むことができる。インクエディットコントロールとは、スタイラスタイプのポインティング装置を操作して電子インクを作成することにより、ユーザがコントロールにデータを入力できるようになるリッチエディットコントロールの一種である。一部のインクエディットコントロールでは、インクはテキストに変換され、他のタイプのインクエディットコントロールでは、インクをテキストに変換することなく電子インクを処理することができる。」

「【0017】
本発明の様々な実施形態は、ソフトウェアでプログラムされたプログラム可能コンピュータ装置を使用して実施できるので、本発明の様々な実施形態を使用できる一般のプログラム可能コンピューティング装置(以下、単にコンピュータと呼ぶ)の構成要素および動作を簡単に説明することが、本発明をよりよく理解するのに役立つであろう。図1は、本発明の様々な態様の実施に使用できる従来の汎用デジタルコンピューティング環境の例を示す機能ブロック図である。図1では、コンピュータ100は、処理ユニット110、システムメモリ120、およびシステムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理ユニット110に結合するシステムバス130を含む。システムバス130は、様々なバス構造のうちの任意のものを使用する、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、およびローカルバスなど、あらゆる種類のバス構造とすることができる。システムメモリ120は、読取り専用メモリ(ROM)140およびランダムアクセスメモリ(RAM)150を含む。」

「【0019】
オペレーティングシステム195、1または複数のアプリケーションプログラム196、他のプログラムモジュール197、およびプログラムデータ198を含むいくつかのプログラムモジュールを、ハードディスクドライブ170、磁気ディスク190、光ディスク192、ROM140、またはRAM150に格納することができる。ユーザは、キーボード101やポインティング装置102などの入力装置を介してコマンドおよび情報をコンピュータ100に入力することができる。他の入力装置(図示せず)には、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナなどがある。これらおよび他の入力装置は、しばしばシリアルポートインタフェース106を介して処理ユニット110に接続される。シリアルポートインタフェース106は、システムバスに結合されているが、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)など他のインタフェースによって接続することもできる。さらに、これらの装置を、適切なインタフェース(図示せず)を介して直接システムバス130に結合することもできる。モニタ107または他の種類の表示装置も、ビデオアダプタ108などのインタフェースを介してシステムバス130に結合される。モニタに加えて、パーソナルコンピュータは一般に、スピーカ、プリンタなど他の周辺出力装置(図示せず)を含む。一例として、インクなどフリーハンド入力をデジタル式に捕捉するためにペンデジタイザ165および付属ペンまたはスタイラス166が設けられている。ペンデジタイザ165とシリアルポートの間の直接接続を示しているが、実際にはペンデジタイザ165は、当分野で知られているように、処理ユニット110に直接、パラレルポートまたは他のインタフェースおよびシステムバス130を介して結合することができる。さらに、デジタイザ165をモニタ107から離して示しているが、本発明の多くの実施形態では、デジタイザ165の使用可能なエリアは、モニタ107の表示エリアと同程度の範囲を占める。さらに、デジタイザ165をモニタ107に統合する、またはモニタ107に重ねる個別の装置として存在させる、そうでない場合はモニタ107に取り付けることができる。
【0020】
アプリケーションプログラム196およびプログラムモジュール197は、スタイラス166を介してインク入力を受け取り、分析する際に使用する解析モジュール、および認識モジュールを含むことができる。解析モジュールを使用して、受信したストロークを分析し、ストロークをインクオブジェクト(文字、単語、図など)にグループ分けすることができる。認識モジュールを使用してインクオブジェクトを分析し、英数字のインクオブジェクトに対して文字認識を行う。認識情報は、インクオブジェクトのプロパティとして格納することができる。」

「【0028】
図2Aは、アプリケーションのグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す図である。この図からわかるように、アプリケーションのグラフィカルユーザインタフェースが表示される作業スペースは、境界201を有する。上述したように、境界201は表示エリアの縁とすることができる。または、境界201は、データ入力ユーザインタフェースの入力データを受け付けることができるエリアに対応する表示されたスペースの縁とすることができる。この図からわかるように、アプリケーションのユーザインタフェースは、3つのエディットコントロール203?207を含み、それぞれは境界ボックスによって境界が定められている。各境界ボックスの下には、それぞれ関連付けられているエディットコントロール203?207に入力すべきデータを識別するタイトル209?213がある。従って、図2Aで示すアプリケーションのユーザインタフェースは、例えばユーザに個人情報を要求するコンピュータ上にレンダリングされたフォームでもよい。
【0029】
図3は、図2Aに示すアプリケーションのエディットコントロール203?207へのデータ入力に使用できるデータ入力グラフィカルユーザインタフェースの1種を示している。データエントリグラフィカルユーザインタフェースは、本明細書ではデータ入力パネル301と呼ばれ、境界303を含む。境界303の内側が書き込み面305である。当業者にはわかるように、ユーザは、スタイラスなど、適切なポインティング装置を使用して電子インクを面305上に書き込むことができる。インクをテキストとして認識することができる(本発明の様々な実施形態にかかる一部のデータ入力パネルでは、書き込み面は、スタイラスからの接触に応答して電子インクを生成するだけの場合がある)。本発明の様々な実施形態では、スタイラスによって示された特定のジェスチャを、代わりにある機能を実行するコマンドとして認識する場合もある。データ入力パネル301は、送信ボタン307、複数のコントロールボタン309、および補助インタフェースボタン311,313も含む。」

「【0037】
データ入力パネル301が表示されると、ユーザは、データ入力パネル301の書き込み面を使用して、テキストをエディットコントロール203に入力することができる。例えば、図2Cに示すように、ユーザは、名前「John Doe」を電子インク217で書き込み面に手書きするかもしれない。所定の時間の後、またはユーザが送信ボタン307を活性化させた場合、データ入力パネル301は、インク217からテキストを認識する。次いで、図2Dに示すように、データ入力パネル301は、認識されたテキスト219をエディットコントロール203に挿入する。」

「【0044】
ここで図3に戻ると、データ入力パネル301は、上述したように、異なる2つのデータ入力面を提供することができる。データ入力パネル301は、その図に示すように書き込み面305を表示しているとき、書き込み面305にわたるスタイラスの動きに対応する電子インクを生成する。一方、データ入力パネル301は、キーボード面を表示している場合、ソフトキーボード上で活性化される各キーに対応するテキストの文字を生成する。上述したように、ユーザは、面ボタン317,319を活性化させることによってこれらの面の間を前後に切り換えることができる。」

「【0062】
上述したプロパティに加えて、本発明の様々な実施形態によるオブジェクトは、データ入力グラフィカルユーザインタフェースの特徴を設定する所望の任意のプロパティを含むことができることを理解されたい。例えば、あるオブジェクトは、特定の認識辞書、入力手書きの認識にバイアスをかけるファクトイド・ヒューリスティック、一般的な、または特定のコントロールに挿入されるテキストを認識するための特定の認識エンジンの使用、またはユーザが新しい手書きを入力するのをやめるのを待つことなくユーザインタフェースが入力手書きの背景認識を行うようにする命令など、ユーザインタフェースに1または複数の認識コンテキストの特徴を指定するプロパティを含むことができる。さらに、オブジェクトは、ユーザインタフェースに、認識されたテキストを戻すための割り当てられた認識タイムアウト値、特定の電子インクの濃さまたは色を使用する、またはキーボード面の所望のキーを強調表示させるプロパティを含むことができる。オブジェクトのプロパティまたはメソッドは、入力パネルがインクを直接コントロールに挿入する、またはすでにコントロールに挿入されているインクにアクセスできるようにすることができる。また、オブジェクトは、データ入力パネルに複数行を書き込み面に表示させる、ユーザが自発的にデータ入力パネルを閉じるかどうかを決定する、またはアプリケーションにデータ入力パネルの状況(すなわち、パネルが使用中であるか、パネルが電子インクを含んでいるかなど)を知らせるプロパティを含むこともできる。」

「【0066】
また、アプリケーションが、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXP Tablet PC Editionオペレーティングシステムなど、テキストサービスフレームワークを提供するオペレーティングシステムとともに使用されている場合、ユーティリティオブジェクトは、リッチエディットコントロールまたはインクエディットコントロール(つまりテキストサービスフレームワークをサポートするエディットコントロール)に関連付けられたときにEnableTextServicesFrameworkメソッドを実行することができる。当業者にはわかるように、テキストサービスフレームワークは、様々なメタデータをテキストに関連付けることができる。例えば、テキストが手書きまたは音声から認識された場合、そのテキストは別の認識選択を有する。アプリケーションがテキストサービスフレームワークをサポートしている場合、アプリケーションがテキストを受信したとき、そのテキストに関連付けられている任意のメタデータも受信し、維持する。従って、このメソッドを実行することによって、共有構成要素に、結び付けられているコントロール上で適切なテキストサービスフレームワーク(Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXP Tablet PC Editionオペレーティングシステムとともに使用するCommon Text Frameworkなど)を開始するよう指示する。」

「【図1】



したがって、上記引用文献4には次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明4>
「 データ入力パネルなどデータ入力ユーザインタフェースの挙動を制御することに関し、(【0009】)
キーボードなどでユーザがテキストデータを入力することができる境界付きのエリアは、一般にエディットコントロールと呼ばれ、例えば、キーボードから文字データを受け付ける従来のエディットコントロールに加えて、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXPオペレーティングシステムによって、アプリケーションは、リッチエディットコントロールを含むことができ、リッチエディットコントロールは、入力テキスト、および挿入されたテキストに関連付けられている様々な型のメタデータを受け付け、また、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXP Tablet PC Editionオペレーティングシステムによって、アプリケーションは、インクエディットコントロールを含むことができ、インクエディットコントロールとは、スタイラスタイプのポインティング装置を操作して電子インクを作成することにより、ユーザがコントロールにデータを入力できるようになるリッチエディットコントロールの一種であり、(【0010】)
ソフトウェアでプログラムされたプログラム可能コンピュータ装置を使用して実施する方法であって、(【0017】)
コンピュータ100は、処理ユニット110、システムメモリ120、およびシステムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理ユニット110に結合するシステムバス130を含み、(【0017】)
パーソナルコンピュータは、インクなどフリーハンド入力をデジタル式に捕捉するためにペンデジタイザ165および付属ペンまたはスタイラス166が設けられており、ペンデジタイザ165は、処理ユニット110に直接、パラレルポートまたは他のインタフェースおよびシステムバス130を介して結合することができ、(【0019】)
アプリケーションプログラム196およびプログラムモジュール197は、スタイラス166を介してインク入力を受け取り、分析する際に使用する解析モジュール、および認識モジュールを含み、解析モジュールを使用して、受信したストロークを分析し、ストロークをインクオブジェクト(文字、単語、図など)にグループ分けすることができ、認識モジュールを使用してインクオブジェクトを分析し、英数字のインクオブジェクトに対して文字認識を行い、認識情報は、インクオブジェクトのプロパティとして格納することができ、(【0020】)
アプリケーションのユーザインタフェースは、3つのエディットコントロール203?207を含み、(【0028】)
エディットコントロール203?207へのデータ入力に使用できるデータ入力グラフィカルユーザインタフェースは、データ入力パネル301と呼ばれ、境界303を含み、境界303の内側が書き込み面305であり、(【0029】)
ユーザは、スタイラスなど、適切なポインティング装置を使用して電子インクを面305上に書き込むことができ、(【0029】)
データ入力パネル301が表示されると、ユーザは、データ入力パネル301の書き込み面を使用して、テキストをエディットコントロール203に入力することができ、例えば、ユーザは、名前「John Doe」を電子インク217で書き込み面に手書きすると、所定の時間の後、またはユーザが送信ボタン307を活性化させた場合、データ入力パネル301は、インク217からテキストを認識し、次いで、データ入力パネル301は、認識されたテキスト219をエディットコントロール203に挿入し、(【0037】)
データ入力パネル301は、書き込み面305を表示しているとき、書き込み面305にわたるスタイラスの動きに対応する電子インクを生成し、(【0044】)
オブジェクトは、特定の認識辞書、入力手書きの認識にバイアスをかけるファクトイド・ヒューリスティック、一般的な、または特定のコントロールに挿入されるテキストを認識するための特定の認識エンジンの使用、またはユーザが新しい手書きを入力するのをやめるのを待つことなくユーザインタフェースが入力手書きの背景認識を行うようにする命令など、ユーザインタフェースに1または複数の認識コンテキストの特徴を指定するプロパティを含むことができ、さらに、オブジェクトは、ユーザインタフェースに、特定の電子インクの濃さまたは色を使用するプロパティを含むことができ、(【0062】)
また、アプリケーションが、Microsoft WINDOWS(登録商標)ブランドのXP Tablet PC Editionオペレーティングシステムなど、テキストサービスフレームワークを提供するオペレーティングシステムとともに使用されている場合、テキストサービスフレームワークは、様々なメタデータをテキストに関連付けることができる、(【0066】)
ソフトウェアでプログラムされたプログラム可能コンピュータ装置を使用して実施する方法。(【0017】)」

(2)引用文献1について
令和3年2月2日付けの当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0032】コンピュータ202は、コネクション212を通してデジタルインクジェネレータ220に接続されており、このデジタルインクジェネレータは、例えば、ユーザがライティングの動きを行うと、デジタルインクを生成するメカニズムになっている。デジタルインクジェネレータ220は、例えば、スタイラスを通してライティングの入力を受信するライティングタブレット(writing tablet) にすることも、ユーザがライティングの動きを行うと、デジタルインク情報を生成するコンポーネント(例えば、加速度計)を内蔵しているペンにすることもできる。別の例として、デジタルインクは、デジタル画像の曲線をトレースした結果として生成することもできる。デジタルインクデータは、コネクション212を経由してコンピュータ202に送信される。」

「【0034】図3は、本発明の一形態による圧縮モジュール206のアーキテクチャを示すブロック図である。圧縮モジュール206は、平滑化フィルタ (smoothing filter) 302、シャープポイントコンポーネント (sharp point component)304、曲線適合コンポーネント(curve-fitting component)306、および輪郭曲線コンポーネント (contour curve component)308を含んでいる。輪郭曲線コンポーネント308は、1つまたは2つ以上のデータベース310と関連付けられている(なお、図には1つだけが示されている)。これらのコンポーネントの各々の機能と動作は、以下で説明する。
【0035】オリジナルデジタルインクの圧縮
図4は、本発明の一形態に従ってデジタルインク情報を圧縮する(例えば、圧縮モジュール206を通して)ためのプロセスを示す全体概要図である。ステップ400から始まって、ユーザは、デジタルインクジェネレータ220を使用してデジタルインクを生成する。一般的に、図5に示すように、オリジナルデジタルインクデータは、ユーザが行ったインクトレース504を表している一連のポイント(点)を含んでいる。タッチセンシティブスクリーンが使用されるときは、スタイラスの計算されたベクトル情報、圧力、タイミング、ストローク、角度などの追加デジタルインク情報が、タッチセンシティブスクリーンまたはタブレットによって生成されることがある。ステップ402では、ポイント502と追加デジタルインク情報(存在する場合)は、コネクション212を通してコンピュータ202に転送され、デジタルインクレシーバ204によって受信される。」

「【0037】ステップ406では、デノイズされたデータ曲線のシャープポイント (sharppoint) が見つけられる(例えば、圧縮モジュール206のシャープポイントコンポーネント302によって)。シャープポイントとは、曲線の重要な形状情報を含んでいるポイントであり、オリジナルインクトレースのディテールの多くを残しておくのに役立っている。要約して説明すると、本発明の一形態によれば、平滑化データ曲線 (smoothed data curve) のシャープポイントを見つけることは、曲率が最も顕著である個所、または曲率が向きを変えている個所を、平滑化曲線から見つけることによって行われている。向きの変化は尖点 (cusp) であることもあれば、曲線が反時計回りの曲率から時計回りの曲率に、またはその逆に変化する位置であることもある。」

「【0039】シャープポイントの個所が見つかると、ラインは、ステップ408で、シャープポイント間のセグメントに分割される。ステップ410では、セグメントは曲線適合 (curve-fit) される(曲線適合コンポーネント306によって)。一般的に、曲線適合では、数学式で曲線を定義することが行われる。セグメントを曲線適合するプロセスは、以下に、図7を参照して説明されている。
【0040】曲線セグメントとシャープポイントの表現は、図6に示すように、曲線のバックボーンスプライン(backbone spline) を形成している。シャープポイント602はそのまま残され、シャープポイント間のセグメント604は、曲線適合数学式によって定義される。この情報は、オリジナルデジタルインクファイル内のポイントのシーケンスよりも重要度が劣るが、オリジナルインクトレースの曲率を近似的に表している。
【0041】ステップ412では、輪郭曲線が、太さ情報などの追加デジタルインク情報とバックボーンスプライン600を使用して生成される(例えば、輪郭曲線コンポーネント308によって)。輪郭曲線は、ユーザが行ったオリジナルインクトレースを表現したものであり、その中には、太さや濃淡などの追加情報が含まれている。太さ情報(利用可能であれば、圧力センサによって生成されたもの)を使用すると、輪郭曲線コンポーネント308は、指示や他の情報をソフトウェアまたはディスプレイ生成メカニズム209に与えて、インクトレースをもっと太くするように太さ情報が指示している個所でデジタルインクを増幅するように(例えば、ビットマップに追加ビットを加えることにより、またはアプリケーションでラインの太さを増加することにより)ソフトウェアまたはディスプレイ生成メカニズムに指示することができるが、別の方法として、インクトレースをもっと細くするように太さ情報が指示している個所で細いラインを指示することも可能である。追加インク情報を使用すると、太さ情報に従ってラインをもっと黒くするといったように、他の方法でバックボーンスプラインを変更することができる。
【0042】輪郭曲線は、リアルタイムで生成することが可能であり(つまり、圧縮モジュールによって受信されたとき)、即時に使用することも、データベース310にストアしておいて、必要時に取り出すことも可能である。別の方法として、太さ情報や他の追加デジタル情報は、バックボーンスプライン600と一緒にデータベース310にストアしておき、これらの2つを必要時に(例えば、インクトレースの表示が要求されたとき)結合することも可能である。後者の方法によると、リソースがそのまま残されるので、別のインクトレースのバックボーンスプラインを生成するといったように、他のタスクのために処理能力を利用することが可能になる。必要ならば、追加のデジタルインク情報は、バックボーンスプライン600とは別のデータベースにストアしておくことができるので、必要時にアクセスすることができる。」

したがって、上記引用文献1には次の技術的事項(以下、「引用文献1技術事項」という。)が記載されていると認められる。

<引用文献1技術事項>
「コンピュータ202は、コネクション212を通してデジタルインクジェネレータ220に接続されており、このデジタルインクジェネレータは、例えば、ユーザがライティングの動きを行うと、デジタルインクを生成し、デジタルインクジェネレータ220は、例えば、スタイラスを通してライティングの入力を受信するライティングタブレットにすることもでき、デジタルインクデータは、コネクション212を経由してコンピュータ202に送信され、
ユーザは、デジタルインクジェネレータ220を使用してデジタルインクを生成し、オリジナルデジタルインクデータは、ユーザが行ったインクトレース504を表している一連のポイント(点)を含んでおり、スタイラスの計算されたベクトル情報、圧力、タイミング、ストローク、角度などの追加デジタルインク情報が、タッチセンシティブスクリーンまたはタブレットによって生成され、ポイント502と追加デジタルインク情報(存在する場合)は、コネクション212を通してコンピュータ202に転送され、デジタルインクレシーバ204によって受信され、
シャープポイントとは、曲線の重要な形状情報を含んでいるポイントであり、オリジナルインクトレースのディテールの多くを残しておくのに役立っており、シャープポイントの個所が見つかると、ラインは、シャープポイント間のセグメントに分割され、セグメントは曲線適合され、
曲線セグメントとシャープポイントの表現は、曲線のバックボーンスプラインを形成し、輪郭曲線が、太さ情報などの追加デジタルインク情報とバックボーンスプライン600を使用して生成され、輪郭曲線は、ユーザが行ったオリジナルインクトレースを表現したものであり、その中には、太さや濃淡などの追加情報が含まれており、太さ情報を使用すると、輪郭曲線コンポーネント308は、指示や他の情報をソフトウェアまたはディスプレイ生成メカニズム209に与えて、インクトレースをもっと太くするように太さ情報が指示している個所でデジタルインクを増幅するように、ソフトウェアまたはディスプレイ生成メカニズムに指示することができ、太さ情報や他の追加デジタル情報は、バックボーンスプライン600と一緒にデータベース310にストアしておき、これらの2つを必要時に(例えば、インクトレースの表示が要求されたとき)結合することも可能である
デジタルインクファイルを表示するためのシステムと方法。」

2.原査定において引用された引用文献

(1)引用文献Bについて
令和元年11月1日付けの拒絶査定(原査定)において引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、複数のPC 端末で会議情報を用いての会議やプレゼンテーション、授業などに利用可能な電子会議システムに関するものである。」

「【0090】
図1-1? 図1-3は、本発明の第1の実施の形態にかかるPC会議システムの構成例を示すブロック図である。これらの図に示すように、会議システムには、離れた場所に通信ネットワークを介して相互通信可能に接続された端末を用いた「多地点会議」、会議室などにおいて通信ネットワークを介して相互通信可能に接続された端末を用いた「室会議」、机上での会議や連絡などを行なう「机上会議」に分けられる。なお、この明細書においてはパーソナルコンピュータの機能を有する端末をPCあるいはPC端末と略して記述する。」

「【0092】
タブレットPC100T( 図1-1下側) は、LAN10、ルータ40、WAN50を介して遠隔地、LAN10内の各PC端末と接続されている。大型の表示一体型座標入力装置110をディスプレイとするPC端末は、会議室などに設置され複数の人に画面が共有される。タブレットPC100Tmは、無線モデムにより構外から他のPC端末と接続される。タブレットPC100T(図1-1上側) は、プロジェクタ30へ画像出力、スクリーン表示によって画面を共有する。一般的なPC100Pは、ペン操作に比べて操作性が劣るがマウスで操作を行なう。なお、会議で使用するプログラムは各PC端末に存在する。」

「【0140】
つぎに、図38を参照し会議資料への上書き方法について説明する。上書き制御が起動されると上書きツールバーが表示される(図38[1]参照)。「ペン」ボタンにより文書APL上に透明ウィンドウ(背景が透けて見えるウィンドウ)を表示、ドラッグ座標間をペンに設定されている色、太さにて線描画することにより上書き文字(図形)を描画する(図38[2]参照)。このドラッグ座標は文書座標に変換、上書きファイルへ保存される。ペンダウン(クリックON)からペンアップ(クリックOFF)のドラッグ座標により「描画パケット」を作成、送信する(図38[3]参照)。他端末はこのドラッグ座標により描画する。「消去」ボタンによりドラッグ座標を中心とする矩形領域内にある上書き文字(図形)を消去する。(図38[4]参照)また、上書きファイルから消去されたストローク情報を削除する。ペンダウン(クリックON)からペンアップ(クリックOFF)のドラッグ座標により「消去パケット」を作成送信する(図38[5]参照)。他端末はこのドラッグ座標により表示されている上書き文字を消去、上書きファイルから削除する。」

「【図1-1】



「【図38】



したがって、上記引用文献Bには、次の技術的事項(以下、「引用文献B技術事項」という。)が記載されていると認められる。

<引用文献B技術事項>
「離れた場所に通信ネットワークを介して相互通信可能に接続された端末を用いた電子会議システムにおいて、会議資料への上書き方法について、上書き制御が起動されると上書きツールバーが表示され、「ペン」ボタンにより文書APL上に透明ウィンドウ(背景が透けて見えるウィンドウ)を表示、ドラッグ座標間をペンに設定されている色、太さにて線描画することにより上書き文字(図形)を描画し、このドラッグ座標は文書座標に変換、上書きファイルへ保存され、ペンダウン(クリックON)からペンアップ(クリックOFF)のドラッグ座標により「描画パケット」を作成、送信し、他端末はこのドラッグ座標により描画する電子会議システム。」


(2)引用文献Cについて
令和元年11月1日付けの拒絶査定(原査定)において引用された引用文献Cには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、双方向通信可能に接続された複数の拠点端末で複数のオブジェクトを持つデータを共有している場合において、それらの共有データに何らかの編集を行う際のオブジェクトの編集方法、データ共有システムおよび電子遠隔会議システムに関する。」

「【0019】
図4は、本発明の実施の形態における電子遠隔会議システムの概要構成例を示す図である。図4(a)に示す電子遠隔会議システムは、複数の拠点端末11、12がネットワーク20を介して接続される。なお、ネットワーク上にデータの保管等を行うためのサーバ装置30を載置する構成としてもよいし、載置しない構成としてもよい。また、図4(b)に示すように、電子遠隔会議システムは、拠点端末同士を直接接続するいわゆるピア・ツー・ピア型のシステムであってもよい。」

「【0035】
以上のように、端末の操作者は、オブジェクトをクリックや囲み範囲選択(選択)してドラッグ(移動)するだけでオブジェクトの編集(移動)を行うことができる。例えば、クリックしてもオブジェクトの編集操作ができない(制限される)というようなことがないため、操作者は直感的にオブジェクトの編集操作を行うことができる。つまり、操作者は、他の拠点端末が同じオブジェクトを編集中であるか否かなどを意識することなく、オブジェクトの選択、編集を開始することができる。たとえ、編集中にオブジェクトの編集権限が別の拠点に移行しても、その場合は再び当該オブジェクトを選択すればよい。例えば、図9の例で、拠点Bの操作者が、やはり「×」を「○」や「△」と同じように画面上方へ移動させたいと考える場合は、図9(f)で示す画面表示状態において再度「×」のオブジェクトを選択して移動させればよい。
【0036】
なお、図9では、便宜上、オブジェクトが選択されたことを明示するため、選択時にオブジェクトを囲む点線の矩形を付加する構成としたが、選択状態を示す画面上の表示は色の変更など、どのようなものであってもよい。また、選択されたことを特に明示しない構成としてもかまわない。オブジェクトの選択は、拠点端末の操作者が自覚できるからである。」

「【図4】



「【図9】



したがって、上記引用文献Cには、次の技術的事項(以下、「引用文献C技術事項」という。)が記載されていると認められる。

<引用文献C技術事項>
「共有データに何らかの編集を行う際のオブジェクトの編集方法、データ共有システムおよび電子遠隔会議システムにおいて、複数の拠点端末11、12がネットワーク20を介して接続され、端末の操作者は、オブジェクトをクリックや囲み範囲選択(選択)してドラッグ(移動)するだけでオブジェクトの編集(移動)を行うことができる電子遠隔会議システム。」

(3)引用文献A及びDについて
令和元年11月1日付けの拒絶査定(原査定)において引用された引用文献A及びDは、それぞれ当審拒絶理由に引用された引用文献1及び4であり、それぞれの引用文献には、上述の「1.(2)」及び「1.(1)」に示したとおりの引用文献1技術事項、及び引用発明4が記載されていると認められる。

第6 対比・判断

1.本願発明14について

(1)対比
上記本願発明14と上記引用発明4とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明4の「スタイラス166」、「ストローク」、「ペンデジタイザ165」及び「コンピュータ100」は、それぞれ本願発明14の「ポインタ」、「パス」、「位置入力センサ」及び「装置」に相当する。
また、引用発明4において、「ペンデジタイザ165」及び「スタイラス166」を用いることで、「データ入力パネル301」の「書き込み面305」に「手書き」された「電子インク」を「デジタル式に捕捉するために」、「解析モジュール」が「受信したストローク」は、結局、「エディットコントロール」に「文字」などで「表示」するためのデータといえるから、本願発明14の「パスを再生するよう構成された」「ストロークオブジェクト」に相当するといえる。
また、引用発明4の前記「解析モジュール」を使用して、前記「受信したストローク」を「分析」し、「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」は、上記「受信したストローク」を含むものであるから、本願発明14の「インクデータ」に相当する。
また、引用発明4の「ソフトウェアでプログラムされたプログラム可能コンピュータ装置を使用して実施する方法」は、ユーザにより上記「手書き」された「電子インク」から「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」により上記「インクオブジェクト」を生成する一連の方法といえることから、後述する相違点を除き、本願発明14の「インクデータ生成方法」に相当するといえる。

イ.引用発明4の「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」による「アプリケーション」は、本願発明14の「アプリケーション」に相当する。そして、引用発明4の上記「インクオブジェクト」を生成する一連の方法は、「コンピュータ100」により「アプリケーション」を使用して行われることから、本願発明14の「インクデータ生成方法」と、「前記装置で実行されるアプリケーションと連動して実行される」点で共通している。

ウ.引用発明4の「書き込み面305」及び「ユーザ」は、それぞれ本願発明14の「センサ表面」及び「ユーザ」に相当する。また、引用発明4の「電子インク」は、「ユーザ」により「書き込み面305」に「手書き」されたものであるから、本願発明14の「センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータ」に相当する。そして、引用発明4の「書き込み面305」は、当該「電子インク」入力を受け取ることから、引用発明4は、本願発明14の「センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信するステップ」を備えるといえる。

エ.引用発明4の上記「解析モジュール」が「受信したストローク」は、「ユーザ」により「書き込み面305」に「手書き」された前記「電子インク」に基づいて生成されているといえることから、引用発明4は、本願発明14の「前記ペンイベントデータに基づいて順次ストロークオブジェクトを生成」している点で共通しているといえる。
また、引用発明4の「解析モジュール」による「受信したストローク」の「文字、単語、図など」の「グループ分け」は、「受信したストローク」として複数のストロークからなる意味のある単位でなされるといえるから、本願発明14の「複数のストロークオブジェクト」の「連帯」で構成される「意味単位」に相当する。
そして、引用発明4の「認識モジュール」は、「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」による「アプリケーション」に含まれ、前記「受信したストローク」を、「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」を分析し、「文字認識」を行うことから、本願発明14の「順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否か」を「判定する」、「前記アプリケーションにリンクされた」「認識エンジン」に相当するといえる。
したがって、引用発明4は、本願発明14の「前記ペンイベントデータに基づいて順次ストロークオブジェクトを生成し、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記ストロークオブジェクトを生成する都度、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定するインクデータ生成ステップ」とは、「前記ペンイベントデータに基づいて順次ストロークオブジェクトを生成し、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定するインクデータ生成ステップ」を備える点で共通している。

オ.引用発明4の前記「受信したストローク」を「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」の「プロパティ」として格納される「認識情報」は、上記「認識モジュール」が「インクオブジェクト」を分析して「文字認識」を行った結果の情報であるから、本願発明14の「複数の前記ストロークオブジェクト」が「構成する」「意味単位の意味を含む」「メタデータ」に相当する。そして、引用発明4の前記「認識情報」は、「インクオブジェクトのプロパティ」として「格納」されることから、「インクオブジェクト」に関連付けて、当該「格納」先へ出力されるものといえる。
したがって、引用発明4は、本願発明14の「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする一方、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに出力する出力ステップ」とは、「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力する出力ステップ」を備える点で共通しているといえる。

したがって、本願発明14と引用発明4との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>
「ポインタを操作することによって形成されるパスを再生するよう構成されたストロークオブジェクトを含むインクデータを生成するための、位置入力センサを含む装置で実行されるインクデータ生成方法であって、
前記インクデータ生成方法は、前記装置で実行されるアプリケーションと連動して実行されるものであり、
センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信する入力ステップと、
前記ペンイベントデータに基づいて順次ストロークオブジェクトを生成し、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定するインクデータ生成ステップと、
前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力する出力ステップと
を含むインクデータ生成方法。」

<相違点>
(相違点1)
ストロークオブジェクトは、本願発明14では「ベクトルデータ」であるのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点2)
順次生成される複数のストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、認識エンジンが判定するのは、本願発明14では、「前記ストロークオブジェクトを生成する都度」であるのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点3)
出力ステップでは、本願発明14は、「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする」のに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点4)
出力ステップでは、意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力する際、本願発明14では、「前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに」出力するのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。
順次生成される複数のストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、認識エンジンが判定する処理として、引用発明4では、「例えば、ユーザは、名前「John Doe」を電子インク217で書き込み面に手書きすると、所定の時間の後、またはユーザが送信ボタン307を活性化させた場合、データ入力パネル301は、インク217からテキストを認識」するものであるところ、ユーザが書き込み面に手書きした「所定の時間の後」、または「ユーザが送信ボタン307を活性化させた場合」のいずれにおいても、本願発明14のような「複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする」構成は記載も示唆もされていない。
また、当該構成は、上記引用文献1、引用文献B及び引用文献Cにも記載も示唆もされておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明14は、当業者であっても、引用発明4、並びに引用文献1、引用文献B及びCに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明1について

(1)対比
上記本願発明1と上記引用発明4とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明4の「スタイラス166」、「ストローク」、「ペンデジタイザ165」及び「コンピュータ100」は、それぞれ本願発明1の「ポインタ」、「パス」、「位置入力センサ」及び「装置」に相当する。
また、引用発明4において、「ペンデジタイザ165」及び「スタイラス166」を用いることで、「データ入力パネル301」の「書き込み面305」に「手書き」された「電子インク」を「デジタル式に捕捉するために」、「解析モジュール」が「受信したストローク」は、結局、「エディットコントロール」に「文字」などで「表示」するためのデータといえるから、本願発明1の「パスを再生するよう構成された」「ストロークオブジェクト」に相当するといえる。
また、引用発明4の前記「解析モジュール」を使用して、前記「受信したストローク」を「分析」し、「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」は、上記「受信したストローク」を含むものであるから、本願発明1の「インクデータ」に相当する。
また、引用発明4の「ソフトウェアでプログラムされたプログラム可能コンピュータ装置を使用して実施する方法」は、ユーザにより上記「手書き」された「電子インク」から「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」により上記「インクオブジェクト」を生成する一連の方法といえることから、後述する相違点を除き、本願発明1の「インクデータ生成方法」に相当するといえる。

イ.引用発明4の「書き込み面305」及び「ユーザ」は、それぞれ本願発明1の「センサ表面」及び「ユーザ」に相当する。また、引用発明4の「電子インク」は、「ユーザ」により「書き込み面305」に「手書き」されたものであるから、本願発明1の「センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータ」に相当する。そして、引用発明4の「書き込み面305」は、当該「電子インク」入力を受け取ることから、引用発明4は、本願発明1の「センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信するステップ」を備えるといえる。

ウ.引用発明4の上記「解析モジュール」が「受信したストローク」は、「ユーザ」により「書き込み面305」に「手書き」された前記「電子インク」に基づいて生成されているといえることから、引用発明4は、本願発明1の「前記ペンイベントデータに基づいてストロークオブジェクトを生成」している点で共通しているといえる。
また、引用発明4の「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」による「アプリケーション」は、前記「解析モジュール」を使用して前記「電子インク」に基づく「受信したストローク」を「分析」することから、本願発明1の「前記ペンイベントデータ、及び、前記ストロークオブジェクトを用いるアプリケーション」に相当する。
また、引用発明4の「認識コンテキスト」は、本願発明1の「コンテキスト情報」に相当する。また、引用発明4の「プロパティ」は、「認識コンテキストの特徴を指定」し、「電子インクの濃さまたは色」を使用すること、すなわち、「認識コンテキスト」により前記「電子インク」に基づく「受信したストローク」の説明を含むものといえるから、本願発明1の「コンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトを説明するメタデータ」に相当するといえる。
以上のことから、引用発明4は、本願発明1の「前記ペンイベントデータに基づいてストロークオブジェクトを生成し、前記ペンイベントデータ、及び、前記ストロークオブジェクトを用いるアプリケーションから受信されるコンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトを説明するメタデータを生成」する「インクデータ生成ステップ」を備えるといえる。

エ.引用発明4の「解析モジュール」による「受信したストローク」の「文字、単語、図など」の「グループ分け」は、「受信したストローク」として複数のストロークからなる意味のある単位でなされるといえるから、本願発明1の「順次生成される複数の前記ストロークオブジェクト」の「連帯」で構成される「意味単位」に相当する。
そして、引用発明4の「認識モジュール」は、「アプリケーションプログラム196」及び「プログラムモジュール197」による「アプリケーション」に含まれ、前記「受信したストローク」を、「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」を分析し、「文字認識」を行うことから、本願発明1の「順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否か」を「判定する」、「前記アプリケーションにリンクされた」「認識エンジン」に相当するといえる。
したがって、引用発明4と、本願発明1の「順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記ストロークオブジェクトを生成する都度、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定する」「インクデータ生成ステップ」とは、「順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定する」「インクデータ生成ステップ」を備える点で共通している。

オ.引用発明4の前記「受信したストローク」を「文字、単語、図などにグループ分け」した「インクオブジェクト」の「プロパティ」として格納される「認識情報」は、上記「認識モジュール」が「インクオブジェクト」を分析して「文字認識」を行った結果の情報であるから、本願発明1の「複数の前記ストロークオブジェクト」が「構成する」「意味単位の意味を含む」「メタデータ」に相当する。そして、引用発明4の前記「認識情報」は、「インクオブジェクトのプロパティ」として「格納」されることから、「インクオブジェクト」に関連付けて、当該「格納」先へ出力されるものといえる。
したがって、引用発明4は、本願発明1の「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする一方、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記メタデータに意味単位の意味を含め、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに出力する」「出力ステップ」とは、「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記メタデータに意味単位の意味を含め、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力する」「出力ステップ」を備える点で共通しているといえる。

カ.上記「オ.」に示したように、引用発明4の前記「認識情報」は、「インクオブジェクトのプロパティ」として「格納」されることから、当該「格納」するための「記録フォーマット」を当然有するものといえる。よって、引用発明4は、本願発明1の「前記ストロークオブジェクト、前記メタデータ、及び前記描画スタイルオブジェクトを互いに関連付け、記録フォーマット又は伝送フォーマットで出力する出力ステップ」とは、「前記ストロークオブジェクト、前記メタデータを互いに関連付け、記録フォーマット又は伝送フォーマットで出力する出力ステップ」を含む点で共通している。

したがって、本願発明1と引用発明4との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>
「ポインタを操作することによって形成されるパスを再生するよう構成されたストロークオブジェクトを含むインクデータを生成するための、位置入力センサを含む装置で実行されるインクデータ生成方法であって、
センサ表面におけるユーザの手書き動作を表すペンイベントデータを受信する入力ステップ、
前記ペンイベントデータに基づいてストロークオブジェクトを生成し、前記ペンイベントデータ、及び、前記ストロークオブジェクトを用いるアプリケーションから受信されるコンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトを説明するメタデータを生成し、インクデータ生成ステップ、並びに、
前記ストロークオブジェクト、前記メタデータ、を互いに関連付け、記録フォーマット又は伝送フォーマットで出力する出力ステップ
を含み、
前記インクデータ生成ステップは、更に、順次生成される複数の前記ストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、前記アプリケーションにリンクされた認識エンジンを用いて判定することを含み、
前記出力ステップは、前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成することが検出された場合には、前記メタデータに前記意味単位の意味を含め、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力することを含む
インクデータ生成方法。」

<相違点>
(相違点5)
ストロークオブジェクトは、本願発明1では「ベクトルデータ」であるのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点6)
インクデータ生成ステップは、本願発明1では、「前記ペンイベントデータ及び前記コンテキスト情報に基づいて前記ストロークオブジェクトをどのように描画するかを定義する描画スタイルオブジェクトを生成する」のに対し、引用文献4には、そのような特定がされていない点。

(相違点7)
出力ステップは、本願発明1では、「前記ストロークオブジェクト、前記メタデータ、及び前記描画スタイルオブジェクトを互いに関連付ける」のに対し、引用発明4では、「前記ストロークオブジェクト、前記メタデータを互いに関連付ける」ものであり、「描画スタイルオブジェクト」がない点。

(相違点8)
順次生成される複数のストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、認識エンジンが判定するのは、本願発明1では、「前記ストロークオブジェクトを生成する都度」であるのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点9)
出力ステップでは、本願発明1は、「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする」のに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(相違点10)
出力ステップでは、意味単位の意味を含むメタデータを、前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトに関連付けて出力する際、本願発明1では、「前記連帯する前記複数の前記ストロークオブジェクトとともに」出力するのに対し、引用発明4には、そのような特定がされていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点9について先に検討する。
順次生成される複数のストロークオブジェクトが連帯して意味単位を構成するか否かを、認識エンジンが判定する処理として、引用発明4では、「例えば、ユーザは、名前「John Doe」を電子インク217で書き込み面に手書きすると、所定の時間の後、またはユーザが送信ボタン307を活性化させた場合、データ入力パネル301は、インク217からテキストを認識」するものであるところ、ユーザが書き込み面に手書きした「所定の時間の後」、または「ユーザが送信ボタン307を活性化させた場合」のいずれにおいても、本願発明1のような「複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする」構成は記載も示唆もされていない。
また、当該構成は、上記引用文献1、引用文献B及び引用文献Cにも記載も示唆もされておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明4、並びに引用文献1、引用文献B及びCに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明2-13について

本願発明2-13も、上記相違点9に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明4、並びに引用文献1、引用文献B及びCに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断

令和3年2月22日になされた補正により、補正後の請求項1-14は、「前記インクデータ生成ステップにより複数の前記ストロークオブジェクトが意味単位を構成していないことが検出された場合には前記複数の前記ストロークオブジェクトの出力をスキップする」という構成を有するものとなったが、当該構成は、原査定における引用文献A及びD(当審拒絶理由における引用文献1及び4)には記載されておらず、また、原査定における引用文献B及びCにも記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-14は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-08-10 
出願番号 特願2016-511845(P2016-511845)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅原 浩二  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 角田 慎治
北川 純次
発明の名称 インクデータの生成、インクデータのレンダリング、インクデータの操作、及び、インクデータの伝達のための方法及びシステム  
代理人 黒瀬 泰之  
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