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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1377061
審判番号 不服2020-14026  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-06 
確定日 2021-08-12 
事件の表示 特願2018- 96420号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 9日出願公開、特開2018-122178号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年4月28日に出願した特願2016-91988号の一部を平成30年5月18日に新たな特許出願(特願2018-96420号)としたものであって、令和2年1月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月27日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたところ、同年6月24日付け(送達日:同年7月7日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対し、同年10月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、令和2年3月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである(なお、記号AないしNは、分説するため合議体が付した。)。
「A 遊技球が入球可能な第1始動口および第2始動口と、
B 前記第1始動口に入球した遊技球の検知に基づいて取得される第1取得情報を記憶する第1取得情報記憶手段と、
C 前記第1取得情報記憶手段に記憶された前記第1取得情報に基づいて第1識別情報を変動表示させる第1識別情報表示手段と、
D 前記第2始動口に入球した遊技球の検知に基づいて取得される第2取得情報を記憶する第2取得情報記憶手段と、
E 前記第2取得情報記憶手段に記憶された前記第2取得情報に基づいて第2識別情報を変動表示させる第2識別情報表示手段と、
F 前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定態様で表示されることに基づいて、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、
を備え、
G 前記第2識別情報の変動表示を前記第1識別情報の変動表示に優先して実行する遊技機であって、
H 遊技球が通過可能な第1特定領域および第2特定領域を備え、
I 前記第2始動口に入球した遊技球は、その後に前記第1特定領域を通過するものであり、
J 前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定態様で表示されると、前記特定遊技の実行を待機する待機状態となり、
K 前記特定遊技実行手段は、前記待機状態において前記第1特定領域または前記第2特定領域を通過する遊技球を検知すると、前記特定遊技を実行するものであり、
L 少なくとも前記待機状態においては、前記第2特定領域の方が前記第1特定領域よりも遊技球を通過させ易く、
M 前記第1識別情報の変動表示よりも前記第2識別情報の変動表示の方が遊技者に有利な変動表示である
N ことを特徴とする遊技機。」

第3 拒絶査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2014-18550号公報
2.特開2016-16028号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2014-204863号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用例の記載、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願の出願遡及日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2014-18550号公報(平成26年2月3日公開)(以下「引用例1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。

1 「【0033】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、このパチンコ遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域2を備える遊技盤1を有する。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、当たり抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当り(当たり)およびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲーム(遊技)を表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
【0034】
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、変動表示ゲーム(特別ゲーム)における図柄の変動の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
【0035】
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に複数種類の特図から1種類の特図(停止図柄)を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲーム(第1遊技)と、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲーム(第2遊技)とがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、同時に行われることがなく、後述の変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームより第2変動表示ゲームが優先的に開始される。言い換えれば、開始可能な第2変動表示ゲームが後述のように保留されている場合には、第1変動表示ゲームの開始条件が成立しない。また、可変表示装置3に表示される装飾図柄の変動表示ゲームは、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームのうちの実行されている第1または第2変動表示ゲームと略同時に表示されるとともに、実行されている第1または第2変動表示ゲームと同じ結果になる実質的に同一のゲームである。
【0036】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の保留数の表示が行われる保留数表示領域31a、31bが設定されている。主制御装置14では、第1始動球検知センサ53aから第1始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第1保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第1保留数が保留数表示領域31aにマークの数として表示される。
【0037】
同様に、主制御装置14では、第2始動球検知センサ53bから第2始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第2保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第2保留数が保留数表示領域31bにマークの数として表示される。なお、後述のようにこれら保留数は、状態表示装置9でも表示される。
【0038】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の下に第2始動入賞口54を備えた所謂電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞できない可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。」

2 「【0040】
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a(図2に図示)が設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b(図2に図示)が設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。これら第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり判定に用いられる乱数は、後述のハード乱数発生回路14eで生成されたハード乱数が用いられる。
【0041】
また、普通変動入賞装置5が開状態の際に流入した遊技球は、第2始動入賞口54の第2始動球検知センサ53を通過した後に、普通変動入賞装置5の内部空間として設けられた誘導路55を流下するようになっている。この誘導路55には、後述の特定領域としての第2特定ゲート82が設けられている。第2特定ゲート82を通過する遊技球は、変動入球装置としての普通変動入賞装置5に流入している必要がある。誘導路55の第2特定ゲートより下側には、排出口56が設けられ、遊技球を遊技盤裏面側に排出するようになっている。また、誘導路55内を流下する遊技球は、遊技者に視認可能とされ、第2特定ゲート82を通過する遊技球が遊技者に確認可能になっている。
【0042】
第1始動入賞口52の右側に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置(アタッカ)6が設けられている。このアタッカ6には、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられている。通常遊技状態では可動扉62は、遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になっている。また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり、大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態になる。この場合に、可動扉62は、設定されたラウンド数だけ開閉動作を繰り返す。また、大入賞口61には、大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63(図2に図示)が設けられている。」

3 「【0049】
この実施形態のパチンコ遊技機においては、遊技盤1上の遊技領域2に第1特定ゲート(特定領域)81が設けられ、上述のように普通変動入賞装置5の内部空間としての誘導路55に第2特定ゲート(特定領域)82が設けられている。これら第1特定ゲート81および第2特定ゲート82は、遊技球が通過可能に設けられている。第1特定ゲート81は、遊技領域2の可変表示装置3の右側に設けられており、遊技球の発射勢を強めた右打ちを行うことにより、比較的容易に遊技球が通過可能になっている。
【0050】
また、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるためには、普通変動入賞装置5に遊技球を流入させる必要がある。
第1特定ゲート81には、第1特定ゲート81を通過する遊技球を検知する第1特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)81aが設けられ、第2特定ゲート82には、第2特定ゲート82を通過する遊技球を検知する第2特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)82aが設けられている。
【0051】
第1特定ゲート81を通過する遊技球を第1特定通過球検知センサ81aが検知した場合に、第1ゲート通過信号を主制御装置14に出力する。また、第2特定ゲート82を通過する遊技機を第2特定通過球検知センサ82aが検知した場合に、第2ゲート通過信号を主制御装置14に出力する。これら第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力された主制御装置14では、後述のように第1または第2変動表示ゲームが大当たりとなって終了して特別条件が成立している場合に、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始するようになっている。
【0052】
すなわち、このパチンコ遊技機では、第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了しても、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始しない。すなわち、実質的な大当たり遊技状態は、変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより発生する。
【0053】
また、後述のように、特別条件成立後に最初に遊技球が通過した特定ゲート(第1特定ゲート81または第2特定ゲート82)によって、発生する大当たり遊技状態におけるラウンド数が異なるようになっており、第1特定ゲート81を通過した場合よりも第2特定ゲートを通過した場合の方が、発生する大当たり遊技状態のラウンド数が多くなる設定となっている。なお、一つの特定ゲート81,82に複数のラウンド数を関連付けて、特別条件成立後に遊技球が通過した特定ゲートに割り付けられた複数のラウンド数から抽選で一つのラウンド数を決定するようにしてもよい。」

4 「【0064】
また、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、上述の第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行う。また、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶する。なお、後述のラウンド乱数を、始動入賞信号の入力時に取得してもいいが、この実施形態では、上述の第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が主制御装置14に入力した際に取得する。
【0065】
なお、当たり判定乱数は、上述のハード乱数を用い、その他は上述のソフト乱数を用いる。また、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のためにサブ制御装置30にコマンドを出力する。」

5 「【0076】
この実施形態では、変動表示ゲームが大当たりになって終了しても、その後に、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6が開閉動作せず、さらに、第2特定ゲート82が普通変動入賞装置5の内部にあり、普通変動入賞装置5が開状態にならないと、第2特定ゲート82に遊技球を通過させられないようになっている。また、大当たりとなる変動表示ゲームが終了して特別条件が成立することが大当たり遊技状態の開始条件となっているとともに、大当たり遊技状態の開始が確変遊技状態等を含む電サポ状態の終了条件になっている。
【0077】
特別条件成立後に第2特定ゲート82に遊技球を通過させるには、普図ゲームで当たりを発生させて普通変動入賞装置5を開状態にする必要があるが、この際には、非電サポ状態になっており、普図ゲームのゲーム時間が長く、かつ、普図ゲームの当たり確率が低い低確率状態になっているので、普図ゲームを当たりにすることが、電サポ状態よりも難しい。
【0078】
この状態で、さらに、普通変動入賞装置5の開放時間を短くしてしまうと、普図ゲーム当たりになって普通変動入賞装置5が開状態になっても、普通変動入賞装置5に遊技球が流入しない場合が多くなってしまう。そこで、この実施形態では、非電サポ状態でも、普通変動入賞装置5の開放時間が電サポ状態と同様に長くなっており、普通変動入賞装置5が開放した際に、遊技者が適切に遊技球を発射していれば、ほぼ100%の確率で普通変動入賞装置5に遊技球を流入させることができる。
【0079】
これにより、特別条件が成立した状態で、普図ゲームが当たりになれば、第2ゲート82に遊技球を通過させて、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始可能であり、普図ゲームの当たり確率だけではなく、非電サポ状態の普通変動入賞装置の入賞率が特別変動入賞装置6の開閉動作の開始を遅らせるのを防止している。これにより、特別変動入賞装置6の開閉動作が開始する確率には、主に変動表示ゲームの大当たり抽選確率と、普図ゲームの当たり抽選確率とが係わることになる。」

上記1?5の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?n等は、本願発明の記号A?Nに対応させて付した。)。

「a 遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられ、可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられ、第1始動入賞口52の下に第2始動入賞口54を備えた電動チューリップと呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられており(【0033】、【0038】)、
b、c、d、e 第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53aが設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力し、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53bが設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力し、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行い(【0040】)、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行い、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶し(【0064】)、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示し(【0065】)、
f 第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり、大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように大入賞口61を開閉する可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態になり、可動扉62は、設定されたラウンド数だけ開閉動作を繰り返し(【0042】)、
g 変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームより第2変動表示ゲームが優先的に開始される(【0035】)パチンコ遊技機(【0033】)であって、
h、k、j 第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了しても、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始せず、変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、通過する遊技球を検知する第1特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)81aが設けられた第1特定ゲート81または通過する遊技球を検知する第2特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)82aが設けられた第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより大当たり遊技状態が発生し(【0050】、【0052】)、
i、l 遊技盤1上の遊技領域2に第1特定ゲート(特定領域)81が設けられ、普通変動入賞装置5の内部空間としての誘導路55に第2特定ゲート(特定領域)82が設けられ、第1特定ゲート81および第2特定ゲート82は、遊技球が通過可能に設けられており、第1特定ゲート81は、遊技領域2の可変表示装置3の右側に設けられており、遊技球の発射勢を強めた右打ちを行うことにより、比較的容易に遊技球が通過可能になっており(【0049】)、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるためには、普通変動入賞装置5に遊技球を流入させる必要があり(【0050】)、特別条件成立後に第2特定ゲート82に遊技球を通過させるには、普図ゲームで当たりを発生させて普通変動入賞装置5を開状態にする必要があり(【0077】)、
m 第1特定ゲート81を通過した場合よりも第2特定ゲートを通過した場合の方が、発生する大当たり遊技状態のラウンド数が多くなる設定となっている(【0053】)、
n パチンコ遊技機(【0033】)。」

第5 対比
本願発明と引用発明を対比する。

1 構成Aについて
引用発明の「第1始動入賞口52」、「第2始動入賞口54」は、本願発明の「第1始動口」、「第2始動口」に相当する。
よって、引用発明の構成aは本願発明の構成Aに相当する構成を有する。

2 構成B乃至Eについて
引用発明の構成b、c、d、eでは「第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53aが設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力し、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53bが設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力し、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行い」、「主制御装置14は」「第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行い、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶し、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示し」ていることから、「乱数」は「遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a」又は「遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b」が出力する「第1始動入賞信号」又は「第2始動入賞信号」の「主制御装置14」への入力に基づいて「取得」しており、「始動入賞信号の入力に基づいて」、「第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行い」「各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶し」ていることから、引用発明の「各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)」、「RAM14c」、「第1および第2特図表示装置4a,4b」は、本願発明の「第1取得情報」又は「第2取得情報」、「第1取得情報記憶手段」又は「第2取得情報記憶手段」、「第1識別情報表示手段」及び「第2識別情報表示手段」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明の構成b、c、d、eは本願発明の構成B、構成C、構成D及び構成Eに相当する構成を有する。

3 構成Fについて
引用発明の「第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りにな」ること、「大入賞口61」、「可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態にな」ること、「大当たり遊技」は、本願発明の「前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定態様で表示されること」、「可変入球口」、「入球可能状態となる」こと、「特定遊技」にそれぞれ相当する。
また、引用発明は、「大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように大入賞口61を開閉する可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態にな」るのであるから、本願発明の「特定遊技実行手段」に相当する機能を有することは明らかである。
よって、引用発明の構成fは本願発明の構成Fに相当する構成を有する。

4 構成Gについて
引用発明の構成gは本願発明の構成Gに相当する構成を有することは明らかである。

5 構成Hについて
引用発明の「第2特定ゲート82」、「第1特定ゲート81」は、本願発明の「第1特定領域」、「第2特定領域」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明の構成h、k、jは本願発明の構成Hに相当する構成を有する。

6 構成Iについて
引用発明の構成aで「普通変動入賞装置5」は「第2始動入賞口54を備え」ており、構成i、lで「第2特定ゲート82に遊技球を通過させるためには、普通変動入賞装置5に遊技球を流入させる必要があ」ることから、「第2始動入賞口54を備え」た「普通変動入賞装置5」に入球した遊技球は「第2特定ゲート82」を通過することとなる。
よって、引用発明の構成i、lは本願発明の構成Iに相当する構成を有する。

7 構成Jについて
引用発明の構成h、k、jでは「第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了しても、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始せず、変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより大当たり遊技状態が発生」することから、「第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過する」までは「特別変動入賞装置6の開閉動作を開始」しないため、「大当たり遊技状態」の「発生」を待機しているといえる。
よって、引用発明の構成i、lは本願発明の構成Jに相当する構成を有する。

8 構成Kについて
引用発明の構成h、k、jでは「変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより大当たり遊技状態が発生」しており、「第1特定ゲート81」及び「第2特定ゲート82」は、それぞれ「通過する遊技球を検知する第1特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)81a」及び「通過する遊技球を検知する第2特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)82a」を備えていることから、遊技球が通過したときに、遊技球を検知している。
よって、引用発明の構成h、k、jは本願発明の構成Kに相当する構成を有する。

9 構成Lについて
引用発明の構成i、lでは「遊技盤1上の遊技領域2に第1特定ゲート(特定領域)81が設けられ、普通変動入賞装置5の内部空間としての誘導路55に第2特定ゲート(特定領域)82が設けられ、第1特定ゲート81および第2特定ゲート82は、遊技球が通過可能に設けられており、第1特定ゲート81は、遊技領域2の可変表示装置3の右側に設けられており、遊技球の発射勢を強めた右打ちを行うことにより、比較的容易に遊技球が通過可能になっており、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるためには、普通変動入賞装置5に遊技球を流入させる必要があり、特別条件成立後に第2特定ゲート82に遊技球を通過させるには、普図ゲームで当たりを発生させて普通変動入賞装置5を開状態にする必要があ」ることから、「第1特定ゲート82」は「第2特定ゲート82」よりも遊技球の通過が容易であることは明らかである。
よって、引用発明の構成i、lは本願発明の構成Lに相当する構成を有する。

10 構成Nについて
引用発明の構成nは本願発明の構成Nに相当する構成を有する。

そうすると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。

(一致点)
「A 遊技球が入球可能な第1始動口および第2始動口と、
B 前記第1始動口に入球した遊技球の検知に基づいて取得される第1取得情報を記憶する第1取得情報記憶手段と、
C 前記第1取得情報記憶手段に記憶された前記第1取得情報に基づいて第1識別情報を変動表示させる第1識別情報表示手段と、
D 前記第2始動口に入球した遊技球の検知に基づいて取得される第2取得情報を記憶する第2取得情報記憶手段と、
E 前記第2取得情報記憶手段に記憶された前記第2取得情報に基づいて第2識別情報を変動表示させる第2識別情報表示手段と、
F 前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定態様で表示されることに基づいて、可変入球口が入球可能状態となる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、
を備え、
G 前記第2識別情報の変動表示を前記第1識別情報の変動表示に優先して実行する遊技機であって、
H 遊技球が通過可能な第1特定領域および第2特定領域を備え、
I 前記第2始動口に入球した遊技球は、その後に前記第1特定領域を通過するものであり、
J 前記第1識別情報または前記第2識別情報が特定態様で表示されると、前記特定遊技の実行を待機する待機状態となり、
K 前記特定遊技実行手段は、前記待機状態において前記第1特定領域または前記第2特定領域を通過する遊技球を検知すると、前記特定遊技を実行するものであり、
L 少なくとも前記待機状態においては、前記第2特定領域の方が前記第1特定領域よりも遊技球を通過させ易い、
N 遊技機。」

(相違点)(構成M)
本願発明では、「前記第1識別情報の変動表示よりも前記第2識別情報の変動表示の方が遊技者に有利な変動表示である」のに対して、
引用発明では、「第1変動表示ゲーム」と「第2変動表示ゲーム」とで遊技者に有利、不利がない点。

第6 当審の判断
1 相違点について
本願の出願遡及日前において、「第1特図始動口への入球に起因した変動表示よりも第2特図始動口への入球に起因した変動表示を優先的に実行するよう構成され、第1特図始動口への入球に起因した第1大当りよりも第2特図始動口への入球に起因した第2大当りの方が、大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な遊技状態に移行し易く構成され、第1大当り遊技と第2大当り遊技に有利度の差異を持たせた遊技機。」は、周知技術である。
例えば、特開2014-176588号公報(平成26年9月25日発行)(【0001】、【0130】、【0183】等)には、「第1特図始動口22Aへの入球に起因した変動表示よりも第2特図始動口22Bへの入球に起因した変動表示を優先的に実行するよう構成され、第1特図始動口22Aへの入球に起因した第1大当りよりも第2特図始動口22Bへの入球に起因した第2大当りの方が、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態や確変遊技状態に移行し易く構成され、第1大当り遊技と第2大当り遊技に有利度の差異を持たせた弾球遊技機。」が記載され、特開2014-140714号公報(平成26年8月7日発行)(【0001】、【0055】、【0185】?【0190】等)には、「第1特別図柄表示器8aによる特図ゲームは、第1始動入賞口13aに遊技球が進入したことといった第1開始条件が成立したことに基づいて開始され、第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームは、第2始動入賞口13bに遊技球が進入したことといった第2開始条件が成立したことに基づいて開始され、第2開始条件の方を第1開始条件よりも優先して成立させ(【0055】)、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、第6大当りの1種類の大当りのみが設けられ(【0185】)、第1特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態に制御される第1,2,4大当りに当選する割合は3/5であり、大当り遊技状態の終了後に有利状態に制御される第3,5大当りに当選する割合は2/5である一方、有利状態において、大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態に制御される第2大当りに当選する割合は1/5であり、大当り遊技状態の終了後に有利状態に制御される第1,3,4,5大当りに当選する割合は4/5であり(【0189】)、第2特別図柄で直撃大当りとなった場合には、全て第6大当りとなり、ラウンド数として15Rの大当り遊技が付与されるとともに、大当り後には必ず有利状態となる(【0190】)遊技機(【0001】)。」が記載されている。
そして、引用発明及び上記周知技術は、2つの図柄変動表示の一方を優先的に実行させる遊技機である点で共通しており、遊技性を向上させ遊技者の興趣を向上させるという課題は遊技機が潜在的に備える課題であるから、第1特定ゲート81を通過した場合よりも第2特定ゲートを通過した場合の方が、発生する大当たり遊技状態のラウンド数が多くなる設定となっている(構成m)引用発明において、遊技性をさらに向上させるために、上記周知技術を採用して、第1特図始動口への入球に起因した第1大当りよりも第2特図始動口への入球に起因した第2大当りの方が、大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な遊技状態に移行し易く構成し、第1大当り遊技と第2大当り遊技に有利度の差異を持たせるようにし、上記相違点に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

2 効果について
本願発明により奏される効果は、引用発明および上記周知技術から、当業者が予測可能な範囲内のものである。

3 小括
以上のように、本願発明は、当業者が、引用発明及び上記周知技術に基いて容易に発明をすることができたものである。

4 請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「4.本願が特許されるべき理由」において、概ね以下のとおり主張している。
「(1)これに対して、引用文献1?3には、上記遊技性(効果)について全く言及されておりません。確かに、引用文献1には、本願発明1の上記[構成M]以外の構成(構成A?L)については記載されております。しかしながら、本願発明1は、上記[構成M]を備えることによって、引用文献1とはその遊技性(効果)を全く異にしています。
(2)すなわち、上述のように本願発明1は、特定遊技(大当り遊技)を開始させるに際して、「待機状態が開始された時点で未だ第2取得情報が記憶されていない場合」は、通過困難であるものの(煩わしさはあるものの)、第2取得情報を記憶させるべく『第1特定領域(第2始動口)』に遊技球を通過させ、「待機状態が開始された時点で未だ第2取得情報が記憶されていない場合」は、第2取得情報を記憶させる必要がないので、通過容易な『第2特定領域(単なるゲート)』に遊技球を通過させるという遊技性(効果)を実現しています。
(3)これに対して、引用文献1は、通過容易な『第2特定領域(単なるゲート)』を通過したら8Rの大当り遊技(不利な大当り遊技)を開始し、通過困難な『第1特定領域(第2始動口)』を通過したら16Rの大当り遊技(有利な大当り遊技)を開始するという遊技性(効果)を実現しているに過ぎず、これは本願発明1の遊技性(効果)とその性質を全く異にするものです。
(4)また、引用文献1は本願発明1の上記「構成M」を備えていない(第2取得情報を記憶させる必要がない)ことからも理解できるように、引用文献1において「第1特定領域(第2始動口)」は、遊技球が通過困難な領域の1つとして採用されているに過ぎません。従って、本願発明1と引用文献1とでは、『第1特定領域(第2始動口)』の技術的意義も全く異なります。
(5)また、引用文献2、3には、本願発明1の上記[構成M]が記載されていることから、一見すると、引用文献1に引用文献2、3(本願発明1の上記[構成M])を採用して本願発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であるように感じられます。しかしながら、引用文献1は上記遊技性(効果)を実現するものあり、このことは換言すると、引用文献1は『第1特定領域(第2始動口)』および『第2特定領域(単なるゲート)』の何れを遊技球が通過するかによって特定遊技(大当り遊技)の有利不利が定まることに特徴を有していると言えます。この点、引用文献1に引用文献2、3(本願発明1の上記[構成M])を採用すると、『第1識別情報の変動表示』であるか『第2識別情報の変動表示』であるかによって特定遊技(大当り遊技)の有利不利が定まることとなってしまい、引用文献1はその特徴を消失させることとなります。このことは、引用文献1に、引用文献2、3を採用することを妨げる特段の事情(阻害要因)があると言うことができると思料致します。
(6)以上のことから、引用文献1?3に接した当業者が本願発明1に容易に想到することはないものと思料致します。」

上記主張について検討する。
請求人は、本願発明と引用発明とは遊技性(効果)を全く異にしており、引用発明に、周知技術を採用することを妨げる特段の事情(阻害要因)があると主張している。
確かに、引用発明では、通過容易な「第1特定ゲート81」を通過したら8Rの大当り遊技(不利な大当り遊技)を開始し、通過困難な「第2特定ゲート82」を通過したら16Rの大当り遊技(有利な大当り遊技)を開始するという遊技性(効果)を実現しているものの、請求人が主張するように、引用発明に構成Mを採用すると、「第1変動表示ゲーム」であるか「第2変動表示ゲーム」であるかによって大当り遊技の有利不利が定まることとなってしまい、引用発明はその特徴を消失させるということはない。
なぜならば、上記周知技術は、「第1特図始動口への入球に起因した変動表示よりも第2特図始動口への入球に起因した変動表示を優先的に実行するよう構成され、第1特図始動口への入球に起因した第1大当りよりも第2特図始動口への入球に起因した第2大当りの方が、大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な遊技状態に移行し易く構成され、第1大当り遊技と第2大当り遊技に有利度の差異を持たせた遊技機。」であり、「第1特図始動口への入球に起因した変動表示」と「第2特図始動口への入球に起因した変動表示」とで「大当り遊技状態終了後」に移行する「遊技状態」の有利不利が定まるのに対して、引用発明は、通過容易な「第1特定ゲート81」を通過したら8Rの大当り遊技(不利な大当り遊技)を開始し、通過困難な「第2特定ゲート82」を通過したら16Rの大当り遊技(有利な大当り遊技)を開始するものであり、「第1特定ゲート81」の通過と「第2特定ゲート82」の通過とで大当り遊技のラウンド数を異ならせる、すなわち、両者は、大当り遊技後の遊技状態、大当り遊技のラウンド数という異なる遊技性を実現するものであって、一方が他方の特徴を消失させるものではないからである。
そうすると、引用発明に、周知技術を採用することを妨げる特段の事情(阻害要因)があるとする請求人の主張は妥当ではなく採用することができない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-06-01 
結審通知日 2021-06-08 
審決日 2021-06-22 
出願番号 特願2018-96420(P2018-96420)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 手塚 毅  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 蔵野 いづみ
澤田 真治
発明の名称 遊技機  
代理人 三林 大介  
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