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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1377134
審判番号 不服2020-4141  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-27 
確定日 2021-08-31 
事件の表示 特願2018- 94709「情報提供方法、電子機器、コンピュータプログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月13日出願公開、特開2018-198058、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)5月16日(パリ条約により優先権主張外国庁受理 2017年5月24日 韓国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。

平成31年 4月16日付け:拒絶理由通知
令和 元年 7月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年12月16日付け:拒絶査定(原査定)
令和 2年 3月27日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 3月16日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知
令和 3年 6月18日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

[理由1]新規性欠如
本願請求項1、2、13及び14に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

[理由2]進歩性欠如
本願請求項1ないし20に係る発明は、以下の引用文献AないしCに記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
A 国際公開第2016/158792号
B 特表2013-510350号公報(周知技術を示す文献)
C 特開2016-181047号公報(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

[理由1]明確性要件違反
本願請求項1ないし20に係る発明は、以下の点において明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]サポート要件違反
本願請求項1ないし20に係る発明は、以下の点において発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

「他の出力」を提供する「メディア」が、いかなるメディアであるのか明確ではない。
発明の詳細な説明には、「他の出力」を提供する「メディア」として、「他の出力」を提供することが可能な「他の電子機器」のうち、ユーザから最も近い位置に存在する「他の電子機器」を選択する態様しか記載されていない。

[理由3]進歩性欠如
本願請求項1、2、8ないし14及び20に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
1 特表2016-519805号公報
(当審において新たに提示する文献)

第4 本願発明
本願請求項1ないし18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明18」という。)は、令和3年6月18日に提出された手続補正書に係る補正(以下、「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1ないし9は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含み、
前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報において、前記返答音声のための応答テンプレートの変数に該当する情報または意味タグが付与された情報に対して前記他の出力を提供する、情報提供方法。
【請求項2】
音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含み、
前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報に含まれた主要情報として、等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つを前記他の出力として提供する、情報提供方法。
【請求項3】
音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含み、
前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力の大きさ、類型、パターンのうちの少なくとも1つを異なるように提供する、情報提供方法。
【請求項4】
音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含み、
前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声が出力されるときに、前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力としてLEDを点灯させる、情報提供方法。
【請求項5】
音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含み、
前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声が出力されるときに、前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力として追加のトーンを合成する、情報提供方法。
【請求項6】
前記他の出力として提供する段階は、
視覚的出力形態、触覚的出力形態、聴覚的出力形態のうちの少なくとも1つによって前記他の出力を提供すること
を特徴とする、請求項1?3のうちの何れか1項に記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声が出力されるときに、前記応答情報と関連するマルチメディアコンテンツを前記他の出力として提供すること
を特徴とする、請求項1?3のうちの何れか1項に記載の情報提供方法。
【請求項8】
前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声の出力と同期化して前記他の出力を提供すること
を特徴とする、請求項1?5のうちの何れか1項に記載の情報提供方法。
【請求項9】
前記他の出力として提供する段階は、
前記音声要請および前記応答情報のうちの少なくとも1つに基づき、前記複数のメディアのうちから前記他の出力のための少なくとも1つのメディアを決定する段階、および 前記決定された少なくとも1つのメディアから前記他の出力が提供されるように、前記応答情報を前記決定された少なくとも1つのメディアに伝達する段階
を含む、請求項1?5のうちの何れか1項に記載の情報提供方法。」

なお、本願発明10は、本願発明1ないし9を「コンピュータプログラム」の発明として特定したものであり、本願発明11は、本願発明1ないし9を「記録媒体」の発明として特定したものである。
また、本願発明12ないし18の各々は、本願発明1ないし7の各々を「電子機器」の発明として特定したものである。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

「【0014】
図1は、ユーザー104を含む家庭環境102内に設置された、例示的な音声対話コンピューティングアーキテクチャ100を示す。また、このアーキテクチャ100は、ユーザー104が交信可能な電子音声制御デバイス106も含む。例示された実装例では、音声制御デバイス106を、家庭環境102の部屋内のテーブル上に配置する。他の実装例では、それを多くの位置(例えば、天井、壁、照明器具内、テーブルの真下、椅子の下等)に配置または設置することができる。さらに、単一の部屋に2つ以上のデバイス106を配置することができる、または、ユーザーが複数の部屋から交信するのに対応するために、1つのデバイスを使用することができる。
【0015】
一般に、音声制御デバイス106は、少なくとも1つのマイクロフォン108を有するマイクロフォンユニットと、少なくとも1つのスピーカー110を有するスピーカーユニットと、を含み、ユーザー104及び/または他のユーザーとのオーディオ交信を容易にする。いくつかの例では、音声制御デバイス106を、触覚入力構成要素(例えば、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、ジョイスティック、コントロールボタン等)またはディスプレイなしで実装する。特定の実装例では、1つ以上の触覚入力構成要素のうちの限定した1組を採用することができる(例えば、構成設定を開始する、電源をオン/オフにする等の専用ボタン)。それにも関わらず、ユーザーが電子デバイス106と交信する主要な潜在的な唯一のモードは、音声入力及び可聴出力を介するものである。音声制御デバイス106の一例示的な実装例が、図8を参照して、以下により詳細に提供される。」

「【0022】
いくつかの例では、上述のように、音声制御デバイスはまた、環境102内で、例えば、図示のデバイス130等の他のデバイスと交信し、デバイス106の能力を補完することができる。例えば、デバイス106は、そのスピーカー(複数可)110を利用して可聴コンテンツを出力することができ、環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができる。図示のように、デバイス106のメモリ114はまた、コンテンツ移行エンジン132を記憶する、またはそれにアクセスする。コンテンツ移行エンジン132は、環境内の他のデバイス、例えば、デバイス130と交信して、他のデバイスに追加のコンテンツの出力を命令するように機能することができる。図1はデバイス130をタブレットコンピューティングデバイスとして示すが、それらの他のデバイスは、ノート型パソコン、携帯電話、デスクトップパソコン、テレビ等を含み得ることが理解されよう。その上、デバイス106はそれらの他のデバイスを利用して視覚コンテンツを出力することができる一方、デバイスはそれらのデバイスを追加的にまたは代替的に利用して追加の可聴コンテンツを出力することができる。」

「【0025】
このような動作のために、デバイス106、リモートコンピューティングリソース118、または別のエンティティは、デバイス106及び/またはユーザー104に近接する、表示可能なデバイスを特定することができる。例えば、デバイス106は任意の種類の無線ネットワークまたはプロトコルを使用して、無線で、例えば、WiFi、ブルートゥース、RF信号等を介して通信可能な他のデバイスの存在を検出することができる。デバイス106はそれらのデバイスを直接特定することができる、または、デバイス106と同じ無線アクセスポイント(WAP)に接続するデバイスとして特定することもできる。デバイス106はまた、任意の他の方法で、例えば、全地球測位(GPS)位置データを他のデバイスから受信することによって、カメラを使用してイメージ認識技術を実行することによって、どのデバイスが環境102内に存在するかに関してユーザーに質問することによって及び/または同様のことで、近接するデバイスを特定することもできる。
【0026】
さらに、デバイス106は、ユーザーに近接するだけではなく、ユーザーに関連付けられるデバイスを特定することができる。いくつかの例では、ユーザーは、彼らのデバイスを、デバイス106にサポートを提供するエンティティに登録することができる。このようにして、デバイス106はこのレジストリを確認し、どのデバイスがユーザー104と関連付けられたかを特定することができる。また、デバイス106は、代替として、他の任意の方法で、例えば、ユーザーに直接質問すること等で、この決定を行うことができる。
【0027】
本実施例では、デバイス106は、ユーザー104と関連付けられた表示可能なデバイス130を特定することができる。これに応答して、コンテンツ移行エンジン132がコンテンツを読み出してこのコンテンツをデバイス130に提供すること、命令をデバイス130に提供して特定のコンテンツを読み出すこと、またはリモートコンピューティングリソース118がコンテンツまたは命令を提供して、コンテンツデバイス130にコンテンツを読み出すこと、のうちのいずれかが行われ得る。いずれの場合も、図示のように、デバイス130は、「ベンジャミンフランクリン」について学ぶというユーザーの最初の要求と関連付けられたコンテンツを表示することができる。図示のように、本実施例では、前記デバイス(130)上のコンテンツは、デバイス106からの音声によって提供された要約よりも詳細である。一つの特定の実施例では、デバイス106が出力した音声コンテンツには、コンテンツアイテム(例えば、ベンジャミンフランクリンについてのWikipedia(登録商標)の記事)の要約が含まれるが、デバイス130のディスプレイ上に出力されたコンテンツには、追加部分または全コンテンツアイテム(例えば、Wikipedia(登録商標)の全記事)が含まれる。」

「【0039】
図3Cはさらに別の実施例を示す。図示のように、声制御デバイス106は以上で考察された可聴コンテンツを出力し、その後、デバイス106は追加の情報をユーザーのタブレット(すなわち、デバイス130)上に提供した旨を、ユーザーに報告する。このように、ユーザー104は、ベンジャミンフランクリンについての情報を要求する初期音声コマンドに続く音声コマンドを発生させることなく、所望の対象に関する追加の情報を受信する。」

「【0043】
図5は、上述の技術を利用して実行可能な例示的なプロセス500の流れ図を示す。502では、プロセス500はデバイスが生成するオーディオ信号を受信し、このオーディオ信号にはユーザーからの発話が含まれる。504では、プロセスはオーディオ信号内の発話を特定する。いくつかの例では、発話は、特定の情報に関する質問を要求するまたは発生させる、ユーザーコマンドを含む。506では、発話を特定することに応答して、プロセス500によって、デバイスに音声コマンドと関連付けられた第1のコンテンツを出力させ、他のデバイスに音声コマンドと関連付けられた第2の異なるコンテンツを出力させる。いくつかの例では、第1のコンテンツは可聴コンテンツを含み、第2のコンテンツは視覚コンテンツを含む。」

「【図1】



「【図3C】


【0039】を参酌すると、上記【図3C】には、例として、デバイス106が、可聴コンテンツとして「ベンジャミンフランクリンはアメリカ合衆国の建国の父のうちの1人であった。追加の情報をあ…」を出力し、デバイス130が、追加の情報として、「ベンジャミンフランクリンはアメリカ合衆国の建国の父のうちの1人であり、また、著名な作家、印刷工、政治家、科学者、発明者、音楽家、政治理論学者、活動家、修士…」を表示する例が記載されている。

「【図5】



(2)引用発明
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 ユーザー104を含む家庭環境102内に設置された音声対話コンピューティングアーキテクチャ100は、ユーザー104が交信可能な電子音声制御デバイス106も含み、
音声制御デバイス106は、少なくとも1つのマイクロフォン108を有するマイクロフォンユニットと、少なくとも1つのスピーカー110を有するスピーカーユニットと、を含み、ユーザー104及び/または他のユーザーとのオーディオ交信を容易にし、
音声制御デバイスはまた、環境102内で、例えば、図示のデバイス130等の他のデバイスと交信し、デバイス106の能力を補完することができ、例えば、デバイス106は、そのスピーカー(複数可)110を利用して可聴コンテンツを出力することができ、環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができ、
デバイス106のメモリ114はまた、コンテンツ移行エンジン132を記憶する、またはそれにアクセスし、コンテンツ移行エンジン132は、環境内の他のデバイス、例えば、デバイス130と交信して、他のデバイスに追加のコンテンツの出力を命令するように機能することができ、デバイス106はそれらの他のデバイスを利用して視覚コンテンツを出力することができる一方、デバイスはそれらのデバイスを追加的にまたは代替的に利用して追加の可聴コンテンツを出力することができ、
デバイス106、リモートコンピューティングリソース118、または別のエンティティは、デバイス106及び/またはユーザー104に近接する、表示可能なデバイスを特定することができ、さらに、デバイス106は、ユーザーに近接するだけではなく、ユーザーに関連付けられるデバイスを特定することができ、
デバイス106は、ユーザー104と関連付けられた表示可能なデバイス130を特定することができ、これに応答して、コンテンツ移行エンジン132がコンテンツを読み出してこのコンテンツをデバイス130に提供すること、命令をデバイス130に提供して特定のコンテンツを読み出すこと、またはリモートコンピューティングリソース118がコンテンツまたは命令を提供して、コンテンツデバイス130にコンテンツを読み出すこと、のうちのいずれかが行われ得、いずれの場合も、デバイス130は、「ベンジャミンフランクリン」について学ぶというユーザーの最初の要求と関連付けられたコンテンツを表示することができ、
前記デバイス130上のコンテンツは、デバイス106からの音声によって提供された要約よりも詳細であり、一つの特定の実施例では、デバイス106が出力した音声コンテンツには、コンテンツアイテムの要約が含まれるが、デバイス130のディスプレイ上に出力されたコンテンツには、追加部分または全コンテンツアイテムが含まれ、
実行可能な例示的なプロセス500であって、
502では、プロセス500はデバイスが生成するオーディオ信号を受信し、このオーディオ信号にはユーザーからの発話が含まれ、
504では、プロセスはオーディオ信号内の発話を特定し、いくつかの例では、発話は、特定の情報に関する質問を要求するまたは発生させる、ユーザーコマンドを含み、
506では、発話を特定することに応答して、プロセス500によって、デバイスに音声コマンドと関連付けられた第1のコンテンツを出力させ、他のデバイスに音声コマンドと関連付けられた第2の異なるコンテンツを出力させ、いくつかの例では、第1のコンテンツは可聴コンテンツを含み、第2のコンテンツは視覚コンテンツを含み、
例として、デバイス106が、可聴コンテンツとして「ベンジャミンフランクリンはアメリカ合衆国の建国の父のうちの1人であった。追加の情報をあ…」を出力し、デバイス130が、追加の情報として、「ベンジャミンフランクリンはアメリカ合衆国の建国の父のうちの1人であり、また、著名な作家、印刷工、政治家、科学者、発明者、音楽家、政治理論学者、活動家、修士…」を表示する、プロセス500。」

2 引用文献Aについて
原査定に引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。

「[0001] 本開示は、情報処理装置、制御方法、およびプログラムに関する。」

「[0017] 図1は、本開示の一実施形態による音声認識システムの概要を説明するための図である。図1に示す情報処理装置1は、ユーザの発話に対して音声認識・意味解析を行い、ユーザヘの応答を音声により出力することが可能な音声UIエージェント機能を有する。情報処理装置1の外観は特に限定しないが、例えば図1に示すような円柱形状であってもよく、部屋の床やテーブルの上等に設置される。また、情報処理装置1には、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子により形成された発光部18が側面の水平方向中央領域を囲むよう帯状に設けられている。情報処理装置1は、発光部18の全体を光らせたり、一部を光らせたりすることで、ユーザに対しで情報処理装置1の状態を知らせることが可能である。例えば情報処理装置1は、ユーザと対話している際は発光部18においてユーザの方向すなわち発話者方向を一部光らせることで、図1に示すようにユーザに視線を向けているように見せることができる。また、情報処理装置1は、応答生成中やデータ検索中は発光部18で光が側面上を回っているように制御することで、処理中であることをユーザに知らせることができる。」

「[0020] 具体的には、情報処理装置1は、例えば図1に示すように壁20に画像を投影して表示する機能を有し、夜の時間帯やユーザの近くで赤ちゃんが寝ている場合には応答をテキスト化して壁20に投影する出力方法に自動的に切り替え、音声による応答出力を回避し、音声による応用出力が好ましくない環境において適切な応答を行うことができる。図1に示す例では、ユーザの発話「明日は晴れるかな?」に対して、情報処理装置1が、認識した発話内容を示す発話内容画像21aと、テキスト化した応答「明日は晴れるようですよ」を示す応答画像21bと、応答内容に付随する応答関連画像21c を壁20に投影している。これによりユーザは、自身の発話が情報処理装置1に正しく認識されたことを把握し、また、当該発話に対する応答を目視で認識することができる。」

「[0056] <4-2. 表示による応答出力>
また、本実施形態による音声UIは、出力許容レベルが低い場合、音声による応答出力を避けて表示による応答出力に切り替える。例えば、情報処理装置1の決定部10eは、出力許容レベルが第2の閾値よりも低い場合、音声出力ではなく表示による応答出力に決定する。具体的には、決定部10eは、投影部16により応答を示す応答画像21bや応答関連画像21cを壁20に投影させて表示する方法(図1参照)に決定する。」

「[0058] (サブディスプレイ)
また、情報処理装置1にサブディスプレイが設けられている場合、決定部10eは、出力許容レベルに応じて当該サブディスプレイを利用した出力方法に決定することも可能である。ここで、図4に、サブディスプレイ19が設けられている情報処理装置1x の一例を示す。図4に示すように、円柱形状で形成されだ情報処理装置1xの側面上に設けられるサブディスプレイ19は、投影部16による表示に比べると、表示領域が小さく、解像度が低いといった表示上の制限があることが想定されるが、応答文を端的なテキストで表示することで、サブディスプレイ19でも応答出力が可能となる。また、このように小さな表示領域で応答することで、応答内容がユーザ以外の人物に見られることを回避し、プライバシーを保護することも可能となる。
[0059] <4-3. 機器連携による応答出力>
また、本実施形態による情報処理装置1は、外部装置との機器連携が可能な場合、出力許容レベルに応じて、外部装置から応答を出力する方法に決定することも可能である。例えば決定部10eは、周辺に設置されているTVやPC等の表示画面から表示出力する方法や、ユーザが所持する携帯電話端末、スマートフォン、またはウェアラブル端末等の通信端末に所定のアプリケーションやメールを用いてプッシュ通知する方法に決定してもよい。なおTVやPCが他の人物により使用されている場合は、これらの装置への応答出力は他の人物の邪魔になるため、回避する。また、ユーザが所持する通信端末から応答出力する場合、出力制御部10fは、その旨をサブディスプレイ19等に表示してユーザに通知してもよい。以下、図5を参照して説明する。」

「[0062] また、決定部10eは、ユーザがイヤホンやヘッドホン等の音声出力装置を使用している場合、当該音声出力装置から応答を行う出力方法に決定してもよい。この場合、出力制御部10fは、通信部11を介して当該音声出力装置に対して応答を行うための音声信号を送信する。さらに、決定部10eは、ユーザが所持する携帯電話端末、スマートフォン、ウェアラブル端末等の表示画面でも併せて応答出力を行い、音声と表示の両方で応答出力する方法に決定してもよい。」

「【図1】



「【図2】



よって、引用文献Aには、次の技術事項が記載されていると認められる。

「 制御方法であって、
情報処理装置1は、ユーザの発話に対して音声認識・意味解析を行い、ユーザヘの応答を音声により出力することが可能な音声UIエージェント機能を有し、
情報処理装置1は、壁20に画像を投影して表示する機能を有し、夜の時間帯やユーザの近くで赤ちゃんが寝ている場合には応答をテキスト化して壁20に投影する出力方法に自動的に切り替え、音声による応答出力を回避し、音声による応用出力が好ましくない環境において適切な応答を行うことができ、
情報処理装置1には、LED等の発光素子により形成された発光部18が側面の水平方向中央領域を囲むよう帯状に設けられ、応答生成中やデータ検索中は発光部18で光が側面上を回っているように制御することで、処理中であることをユーザに知らせることができ、
情報処理装置1の決定部10eは、出力許容レベルが第2の閾値よりも低い場合、音声出力ではなく、投影部16により応答を示す応答画像21bや応答関連画像21cを壁20に投影させて表示する方法に決定し、
情報処理装置1にサブディスプレイが設けられている場合、決定部10eは、出力許容レベルに応じて当該サブディスプレイを利用した出力方法に決定することも可能であり、
情報処理装置1は、外部装置との機器連携が可能な場合、出力許容レベルに応じて、外部装置から応答を出力する方法に決定することも可能であり、例えば、周辺に設置されているTVやPC等の表示画面から表示出力する方法や、ユーザが所持する携帯電話端末、スマートフォン、またはウェアラブル端末等の通信端末に所定のアプリケーションやメールを用いてプッシュ通知する方法に決定してもよく、
また、決定部10eは、ユーザがイヤホンやヘッドホン等の音声出力装置を使用している場合、当該音声出力装置から応答を行う出力方法に決定してもよく、
さらに、決定部10eは、ユーザが所持する携帯電話端末、スマートフォン、ウェアラブル端末等の表示画面でも併せて応答出力を行い、音声と表示の両方で応答出力する方法に決定してもよい、
制御方法。」

3 引用文献Bについて
原査定に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【要約】
コマンドの触覚的確認のためのシステム及び方法が開示される。例えば、音声コマンドの受信を確認するための触覚効果を生成するシステムは、マイクロホンと、ユーザによって接触されるように構成される筐体と、前記筐体と通信し、前記筐体に触覚効果を出力するように構成されるアクチュエータとを有する。また、前記システムは、前記マイクロホン及び前記アクチュエータと通信するプロセッサであって、前記マイクロホンから発話情報を受信し、前記発話情報を認識して、前記発話情報に関係付けられるコマンドを決定するように構成されるプロセッサを有する。前記発話情報が認識され且つ前記コマンドが決定される場合、前記プロセッサは、前記アクチュエータに第1の触覚効果を出力させるように構成される第1のアクチュエータ信号を生成し、且つ前記第1のアクチュエータ信号を前記アクチュエータに送信するように構成される。又は、前記プロセッサは、前記アクチュエータに第2の触覚効果を出力させるように構成される第2のアクチュエータ信号を生成し、前記第2のアクチュエータ信号を前記アクチュエータに送信するように構成される」

4 引用文献Cについて
原査定に引用された引用文献Cには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0002】
従来より、ユーザの腕に装着して使用するリスト型端末がある。このようなリスト型端末においては、入力に応じて情報を画面や画面以外の音や振動で出力する技術がある(特許文献1参照)。」

第6 当審拒絶理由についての判断
1 理由1(明確性要件違反)及び理由2(サポート要件違反)について
本件補正により、本件補正後の請求項1ないし18に係る発明においては、「他の出力」を提供する「メディア」は、「前記ユーザから最も近い位置にあるメディア」と明確となり、また、発明の詳細な説明に記載したものとなった。
よって、理由1(明確性要件違反)及び理由2(サポート要件違反)は、いずれも解消した。

2 理由3(進歩性欠如)について
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「音声制御デバイス106」は、「電子機器」といい得るものである。
また、本願明細書の【0017】の記載「音声基盤インタフェース(一例として、マイクとスピーカ)を含む電子機器100」からすると、本願発明1の「音声基盤インタフェース」は、少なくとも「マイク」と「スピーカ」である態様を含む。
そして、引用発明の「音声制御デバイス106」は、「マイクロフォン108」と「スピーカー110」を有する(含む)ものであるから、本願発明1の「音声基盤インタフェースを含む電子機器」に相当する。
また、引用発明は、「音声制御デバイス106」により、「そのスピーカー(複数可)110を利用して可聴コンテンツを出力することができ、環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができ」るものであり、「プロセス500」は、「506」の段階において、「デバイス」に「可聴コンテンツ」である「第1のコンテンツ」を出力させ、「他のデバイス」に「視覚コンテンツ」である「第2のコンテンツ」を出力させるものであるから、引用発明の「プロセス500」は、「可聴コンテンツ」及び「補足的コンテンツ」(「視覚コンテンツ」)といった「情報」を「提供」する方法といい得るものである。
よって、引用発明における「プロセス500」は、本願発明1の「音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法」に相当する。

(イ)引用発明は、
「音声制御デバイス106は、少なくとも1つのマイクロフォン108を有するマイクロフォンユニットと、少なくとも1つのスピーカー110を有するスピーカーユニットと、を含み、ユーザー104及び/または他のユーザーとのオーディオ交信を容易にし、」、及び、
「実行可能な例示的なプロセス500において、502では、プロセス500はデバイスが生成するオーディオ信号を受信し、このオーディオ信号にはユーザーからの発話が含まれ、504では、プロセスはオーディオ信号内の発話を特定し、いくつかの例では、発話は、特定の情報に関する質問を要求するまたは発生させる、ユーザーコマンドを含み」との構成を備えることから、引用発明の「プロセス500」の「502」の段階において、「デバイスが生成するオーディオ信号を受信」することは、「音声制御デバイス106」が、「マイクロフォン108」で、「ユーザからの発話」(「特定の情報に関する質問を要求する又は発生させる、ユーザーコマンド」を含む。)を含む「オーディオ信号」を「受信」する段階を備えているといえる。
ここで、引用発明の「マイクロフォン108」は、前記(ア)より本願発明1の「前記音声基盤インタフェース」に含まれるものであり、また、引用発明における「特定の情報に関する質問を要求する又は発生させる、ユーザーコマンド」を含む「発話」を含む「オーディオ信号」は、本願発明1の「音声要請」に相当する。
よって、引用発明の「プロセス500」の「502」の段階は、本願発明1の「前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階」に相当する。

(ウ)引用発明は
「デバイス106は、ユーザー104と関連付けられた表示可能なデバイス130を特定することができ、これに応答して、コンテンツ移行エンジン132がコンテンツを読み出してこのコンテンツをデバイス130に提供すること、命令をデバイス130に提供して特定のコンテンツを読み出すこと、またはリモートコンピューティングリソース118がコンテンツまたは命令を提供して、コンテンツデバイス130にコンテンツを読み出すこと、のうちのいずれかが行われ得」及び
「506では、発話を特定することに応答して、プロセス500によって、デバイスに音声コマンドと関連付けられた第1のコンテンツを出力させ、」
との構成を備えることから、引用発明の「プロセス500」の「506」の段階は、「音声制御デバイス106」が、「発話」に応答して、「コンテンツ移行エンジン132」により、当該「発話」に含まれる「音声コマンド」(ユーザーコマンド)に関連付けられた「(第1の)コンテンツ」を読み出すことにより「取得する段階」を行うものといえる。
そして、前記(イ)を参酌すれば、引用発明において、「音声コマンド」(ユーザーコマンド)に関連付けられた「(第1の)コンテンツ」は、本願発明1の「前記音声要請に対応する応答情報」に相当する。
よって、引用発明の「プロセス500」の「506」の段階は、本願発明1の「前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階」に相当する。

(エ)引用発明は、「デバイス106は、そのスピーカー(複数可)110を利用して可聴コンテンツを出力することができ、環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができ」との構成を備えることから、「補足的コンテンツ」を提供する「他のデバイスのディスプレイ」は「サブメディア」といい得るものであり、「スピーカー110」は、前記「補足的コンテンツ」に対して主たるコンテンツとなる「可聴コンテンツ」を出力する「メインメディア」といい得るものである。
よって、引用発明において、「音声制御デバイス106」が有する前記「スピーカー110」は、本願発明1の「前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディア」に相当する。
引用発明の「音声制御デバイス106」の「コンテンツ移行エンジン132」は、「環境内の他のデバイス」である「デバイス130」に「追加のコンテンツの出力を命令するように機能することができ」るものであり、そのことにより、「環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができ」ることから、「デバイス130」は、「音声制御デバイス106」と「連動可能」な「他の電子機器」といい得るものである。
よって、引用発明において、「デバイス130」(他のデバイス)は、本願発明1の「前記電子機器と連動可能な他の電子機器」に相当し、「デバイス130」(他のデバイス)の「ディスプレイ」は、本願発明1の「前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディア」に相当する。

(オ)引用発明は、
「デバイス106は、そのスピーカー(複数可)110を利用して可聴コンテンツを出力することができ、環境内の他のデバイスのディスプレイを利用して、補足的コンテンツを提供することができ」及び
「506では、発話を特定することに応答して、プロセス500によって、デバイスに音声コマンドと関連付けられた第1のコンテンツを出力させ、…いくつかの例では、第1のコンテンツは可聴コンテンツを含み」
との構成を備えることから、引用発明の「音声制御デバイス106」は、「発話」に応答して「スピーカー110」から、「第1のコンテンツ」として「可聴コンテンツ」を出力する段階を行うものといえ、ここで、「スピーカー110」から出力される「可聴コンテンツ」は、本願発明1の「聴覚的出力形態である返答音声」に相当する。
そして、前記(エ)を参酌すると、引用発明の「スピーカー110」は、「音声制御デバイス106」が有する「スピーカー110」(本願発明1の「前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディア」に相当。)と、「デバイス130」の「ディスプレイ」(本願発明1の「前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディア」に相当。)を含む「複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディア」に相当する。
なお、引用発明は、「デバイス106はそれらの他のデバイスを利用して視覚コンテンツを出力することができる一方、デバイスはそれらのデバイスを追加的にまたは代替的に利用して追加の可聴コンテンツを出力することができ」との構成も備えることから、「可聴コンテンツ」を出力するものは、「デバイス106」に替えて「他のデバイス」でもよく、当該「他のデバイス」が「可聴コンテンツ」を出力するメディアも、「複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディア」に相当する。
よって、引用発明の「プロセス500」の「506」の段階において、「発話を特定することに応答して」「デバイスに音声コマンドと関連付けられた第1のコンテンツ」(「可聴コンテンツ」)を出力することは、本願発明1の「前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階」に相当する。

(カ)前記(エ)及び(オ)を参酌すると、引用発明の「プロセス500」の「506」の段階において、「音声制御デバイス106」は、「デバイス130」(他のデバイス)の「ディスプレイ」から「補足的コンテンツ」を提供する段階を行うものといえる。
また、引用発明は、「デバイス106、リモートコンピューティングリソース118、または別のエンティティは、デバイス106及び/またはユーザー104に近接する、表示可能なデバイスを特定することができ、さらに、デバイス106は、ユーザーに近接するだけではなく、ユーザーに関連付けられるデバイスを特定することができ」との構成を備えることから、引用発明において、「補助的コンテンツ」を出力可能な「他のデバイス」として複数のデバイスを想定した上で、その中で、「ユーザー104に近接する、表示可能なデバイス」を特定しているといえる。
ここで、「近接」は、「近い位置」にあることと同義であるから、引用発明においては、「他のデバイス」として、「音声制御デバイス106」とは異なる複数のデバイス(異なる複数のメディア)のうちユーザから近い位置にある表示可能なデバイス(メディア)を選択して、当該デバイス(デバイス)から、「補助的コンテンツ」を出力するものといえる。
引用発明は、さらに、
「デバイス130は、「ベンジャミンフランクリン」について学ぶというユーザーの最初の要求と関連付けられたコンテンツを表示することができ」及び
「デバイス106が出力した音声コンテンツには、コンテンツアイテムの要約が含まれるが、デバイス130のディスプレイ上に出力されたコンテンツには、追加部分または全コンテンツアイテムが含まれ」
との構成を含むことから、引用発明において、「デバイス130」の「ディスプレイ」から出力される「補足的コンテンツ」は、「スピーカー110」から出力される「音声コンテンツ」(「可聴コンテンツ」、「第1のコンテンツ」)の「少なくとも一部」であるといえる。
以上より、引用発明の「プロセス500」の「506」の段階において、「デバイス130」の「ディスプレイ」から「補足的コンテンツ」を提供する段階と、本願発明1の「前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから最も近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階」とは、「前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階」との点において共通する。

イ 一致点、相違点
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「 音声基盤インタフェースを含む電子機器の情報提供方法であって、
前記音声基盤インタフェースでユーザからの音声要請を受信する段階、
前記音声要請に対応する応答情報を取得する段階、
前記音声基盤インタフェースに対応するメインメディアおよび前記電子機器と連動可能な他の電子機器が含むサブメディアを含む複数のメディアのうちの少なくとも1つのメディアから、前記応答情報を聴覚的出力形態である返答音声として出力する段階、および
前記返答音声が出力されるメディアと異なる複数のメディアのうち前記ユーザから近い位置にあるメディアから、前記応答情報のうちの少なくとも一部を他の出力として提供する段階を含む、
情報提供方法。」

[相違点]
<相違点1>
「他の出力」を提供する「前記ユーザから近い位置にあるメディア」が、本願発明1は、「前記ユーザから最も近い位置にあるメディア」であるのに対し、引用発明において、「補助的コンテンツ」を出力する「デバイス13」(他のデバイス)が、ユーザーから近接するものであることを特定するにとどまり、「最も近い位置」にあることを具体的に特定していない点。

<相違点2>
本願発明1は、
「前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報において、前記返答音声のための応答テンプレートの変数に該当する情報または意味タグが付与された情報に対して前記他の出力を提供する」
との構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

ウ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、相違点2に係る本願発明1の構成、すなわち、「前記返答音声のための応答テンプレートの変数に該当する情報または意味タグが付与された情報」に対して「他の出力」を提供することは、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、引用発明は、「一つの特定の実施例では、デバイス106が出力した音声コンテンツには、コンテンツアイテムの要約が含まれるが、デバイス130のディスプレイ上に出力されたコンテンツには、追加部分または全コンテンツアイテムが含まれ」との構成を備えるように、「デバイス106」には、要約情報を出力させ、「デバイス130」(他のデバイス)には、追加部分ないし全コンテンツを出力させるものであるから、相違点2に係る本願発明1の構成のように、応答情報の一部を構成する変数又は意味タグが付された部分を他の出力として提供するように、構成を変更する動機付けが存在しない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本願発明2について
ア 対比、一致点、相違点
本願発明2と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]
前記(1)イの[一致点]と同じ。

[相違点]
前記(1)イの<相違点1>に加え、
<相違点3>
本願発明2は、
「 前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報に含まれた主要情報として、等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つを前記他の出力として提供する」
との構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討すると、相違点3に係る本願発明2の構成、すなわち、「前記応答情報に含まれた主要情報として、等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つ」を「他の出力」として提供することは、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、引用発明の構成を、相違点3に係る本願発明2の構成に変更する動機付けも存在しない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明2は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3)本願発明3について
ア 対比、一致点、相違点
本願発明3と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]
前記(1)イの[一致点]と同じ。

[相違点]
前記(1)イの<相違点1>に加え、
<相違点4>
本願発明3は、
「 前記他の出力として提供する段階は、
前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力の大きさ、類型、パターンのうちの少なくとも1つを異なるように提供する」
との構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点4について先に検討すると、相違点4に係る本願発明3の構成、すなわち、「前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つ」に応じて「他の出力」の「大きさ、類型、パターンのうちの少なくとも1つを異なるように」提供することは、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、引用発明の構成を、相違点4に係る本願発明3の構成に変更する動機付けも存在しない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明3は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(4)本願発明4について
ア 対比、一致点、相違点
本願発明4と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]
前記(1)イの[一致点]と同じ。

[相違点]
前記(1)イの<相違点1>に加え、
<相違点5>
本願発明4は、
「 前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声が出力されるときに、前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力としてLEDを点灯させる」
との構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点5について先に検討すると、相違点5に係る本願発明4の構成、すなわち、「前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つ」に応じて「他の出力」として「LEDを点灯させる」ことは、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、引用発明の構成を、相違点5に係る本願発明4の構成に変更する動機付けも存在しない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明4は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(5)本願発明5について
ア 対比、一致点、相違点
本願発明5と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]
前記(1)イの[一致点]と同じ。

[相違点]
前記(1)イの<相違点1>に加え、
<相違点6>
本願発明5は、
「 前記他の出力として提供する段階は、
前記返答音声が出力されるときに、前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つに応じて前記他の出力として追加のトーンを合成する」
との構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えない点。

イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点6について先に検討すると、相違点6に係る本願発明5の構成、すなわち、「前記応答情報に含まれた等級情報、数値情報、方向情報のうちの少なくとも1つ」に応じて「他の出力」として「追加のトーンを合成する」ことは、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、引用発明の構成を、相違点6に係る本願発明5の構成に変更する動機付けも存在しない。
したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明5は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(6)本願発明6及び7について
本願発明6及び7は、相違点2に係る本願発明1の構成、相違点3に係る本願発明2の構成又は相違点4に係る本願発明3の構成のいずれかを備えるから、本願発明1ないし3と同様に、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(7)本願発明8及び9について
本願発明8及び9は、相違点2に係る本願発明1の構成、相違点3に係る本願発明2の構成、相違点4に係る本願発明3の構成、相違点5に係る本願発明4の構成、又は、相違点6に係る本願発明5の構成のいずれかを備えるから、本願発明1ないし5と同様に、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(8)本願発明10及び11について
本願発明10は、本願発明1ないし9を「コンピュータプログラム」の発明として特定したものであり、本願発明11は、本願発明1ないし9を「記録媒体」の発明として特定したものであり、いずれも、相違点2に係る本願発明1の構成、相違点3に係る本願発明2の構成、相違点4に係る本願発明3の構成、相違点5に係る本願発明4の構成、又は、相違点6に係る本願発明5の構成のいずれかに対応する構成を備えるから、本願発明1ないし5と同様に、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(9)請求項12ないし18について
本願発明12ないし18の各々は、本願発明1ないし7の各々を「電子機器」の発明として特定したものであるから、相違点2に係る本願発明1の構成、相違点3に係る本願発明2の構成、相違点4に係る本願発明3の構成、相違点5に係る本願発明4の構成、又は、相違点6に係る本願発明5の構成のいずれかに対応する構成を備えるから、本願発明1ないし5と同様に、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

以上のとおりであるから、理由3(進歩性欠如)は解消した。

したがって、当審拒絶理由は、いずれも解消した。

第7 原査定についての判断
本件補正により、補正後の請求項1ないし18は、相違点2に係る本願発明1の構成、相違点3に係る本願発明2の構成、相違点4に係る本願発明3の構成、相違点5に係る本願発明4の構成、又は、相違点6に係る本願発明5の構成又はこれらに対応する構成を有するものとなった。これらの構成は、原査定における引用文献AないしCには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし18は、引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者であっても、原査定における引用文献AないしCに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
なお、引用文献Aには、基本的な構成として、いずれか1つのメディア(音声、表示等)により応答を出力することが記載され、付加的な構成として「さらに、決定部10eは、ユーザが所持する携帯電話端末、スマートフォン、ウェアラブル端末等の表示画面でも併せて応答出力を行い、音声と表示の両方で応答出力する方法に決定してもよい」と記載されているものの、当該付加的な構成において、音声による応答出力と表示による応答出力との関係ないし差違について具体的な記載はなく、引用文献B及びCの記載事項並びに本願優先日前の周知技術を参酌しても、当業者が、相違点2ないし6に係る本願発明1ないし18の構成を採用することが容易であるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-08-10 
出願番号 特願2018-94709(P2018-94709)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 113- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 酒井 優一  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 林 毅
北川 純次
発明の名称 情報提供方法、電子機器、コンピュータプログラム及び記録媒体  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
代理人 宮崎 修  
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