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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1377269
審判番号 不服2020-8430  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-17 
確定日 2021-08-19 
事件の表示 特願2015-197816「農地管理サーバ、農地管理方法、農地管理プログラム及びコンピュータ可読記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月13日出願公開、特開2017- 72900〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年10月5日の出願であって、令和元年8月2日付けで拒絶理由が通知され、同年10月7日に手続補正がなされたが、令和2年3月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし10に係る発明は、令和元年10月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「 農地における栽培に好適な作物または作物の栽培に好適な農地を出力する農地管理サーバであって、
前記農地管理サーバは、
農地の1以上の農地情報を取得する農地情報取得手段と、
作物の好適栽培条件を取得する栽培条件取得手段と、
前記農地情報及び前記作物の好適栽培条件との比較に基づいて、前記農地と前記作物を関連づけた点数を算出する算出手段と、
目的の農地における栽培に好適な作物または目的の作物の栽培に好適な農地に関する要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求が前記目的の農地における栽培に好適な作物の要求である場合、該目的の農地に対する前記点数が所定条件を満たす作物を出力し、前記要求が前記目的の作物の栽培に好適な農地の要求である場合、該目的の作物に対する前記点数が所定条件を満たす農地を出力する出力手段と、
を備え、
前記農地情報および/または前記作物の好適栽培条件は、データ端末から送信され、前記要求は、前記データ端末とは異なるユーザ端末から送信される、農地管理サーバ。」

第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
この出願の下記の請求項1ないし10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1、2に記載された発明及び引用文献3、4に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2012-137819号公報
引用文献2:特開2005-080514号公報
引用文献3:特開2009-232777号公報
引用文献4:特開2002-215717号公報

第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1、引用発明
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、以下のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の作付けを支援する作付支援方法および作付支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作物の作付けを支援する様々な技術が開示されている。例えば、圃場を複数の区画に区分けし、各区画の過去の収穫量から各区画の粗利を算出して、複数の区画の中から最大の粗利が得られる1以上の区画を選択する技術がある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
また、庭土、植木鉢、プランターなどの土壌の成分を分析し、栽培に適した作物を選出したり、特定の作物の栽培に必要な肥料を割り出す技術がある(例えば、下記特許文献2参照。)。また、作物の市場価格情報、作物の栽培情報、農作物生産者の農地が所在する地域の年間の気象情報などに基づいて、農地に適した作物を提示する技術がある(例えば、下記特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-189772号公報
【特許文献2】特開2000-83476号公報
【特許文献3】特開2005-80514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、点在する数多くの圃場の作付計画を立案する場合、どの圃場にどの作物を作付けすればよいのか判断することが難しいという問題があった。例えば、数トン規模の作物の出荷日が決まっている場合などに、点在する数多くの圃場の、どの圃場に作付けすれば、出荷日までに目標収量を確保できるのか判断することが難しく、作付計画にかかる作業負担が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、作付計画の立案作業の効率化を図ることができる作付支援方法および作付支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示の作付支援方法および作付支援装置は、画面に表示された地図上に点在する複数の圃場の各々の圃場の特性に基づいて、当該複数の圃場の中から対象作物の作付候補となる圃場の集合を検索し、前記圃場の集合の各々の圃場に前記対象作物を作付けした場合の予測収量に基づいて、前記圃場の集合の中から前記対象作物の目標収量を満たす圃場の組合せを決定し、前記組合せの各々の圃場の表示形式を、前記複数の圃場の他の圃場の表示形式とは異なる特定の表示形式に変更して前記地図上に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本作付支援方法および作付支援装置によれば、作付計画の立案作業の効率化を図ることができるという効果を奏する。

【0011】
(作付支援方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる作付支援方法の一実施例を示す説明図である。図1において、作付支援装置100は、圃場特性マスタ110および作付実績マスタ120を備え、作物の作付計画の立案作業を支援するコンピュータである。
【0012】
作付支援装置100は、地図M上に点在する複数の圃場を表示する画面を有する。ここで、地図Mとは、ユーザが管理する複数の圃場の一部または全部を一定の割合で縮小して平面上に表した図である。ユーザとは、農作業に従事するものであり、例えば、複数の圃場を管理する農業経営者である。
【0013】
圃場とは、作物を栽培、生育するための田畑、菜園などである。また、圃場として、いわゆる植物工場などの屋内の田畑、菜園などを含むことにしてもよい。圃場は、例えば、地形、日照状態、土壌特性などの違いによって区分けされている。地形としては、例えば、平坦部、山間部、丘陵部、低地、湿地などがある。日照状態は、例えば、太陽光の直射光が地表に当たっている状態の違いにより区別される。土壌特性としては、例えば、土性、排水能力、給水能力、耕運難度などがある。
【0014】
作物とは、例えば、田畑や菜園などで作られる穀類や野菜などの農作物である。作付けとは、田畑や菜園などの圃場に作物を植え付けることである。農作業とは、作物を栽培、生育するための作業であり、例えば、播種、耕起、施肥、整地、除草、間引き、追肥、培土、収穫などである。
【0015】
ここで、実施の形態にかかる作付支援装置100の作付支援処理手順の一実施例について説明する。ここでは、地図M上に点在する複数の圃場の一例として「圃場F1?F16」を例に挙げて説明する。
【0016】
(1)作付支援装置100は、ユーザ101の操作入力により、作付対象となる作物(以下、「対象作物」という)に関する条件の入力を受け付ける。対象作物に関する条件(以下、「作物条件」という)とは、例えば、対象作物の品目、品種、作型、作付期間、目標収量などである。
【0017】
品目とは、作物の種類である。品目としては、例えば、キャベツ、ニンジンなどがある。品種とは、同一品目の中の種類である。例えば、キャベツの品種として、秋冬キャベツ、冬キャベツ、春キャベツなどがある。作型とは、作物の栽培を行うときの条件や技術の組合せを示す体系である。作型としては、例えば、春まき栽培、夏まき栽培、秋まき栽培、冬まき栽培などがある。
【0018】
作付期間とは、例えば、作物の作付けを行う期間である。作付期間は、例えば、「2009年12月1日?2010年3月31日」などの年月日によって指定される。目標収量とは、必要となる作物の収穫量である。目標収量は、例えば、50[Kg]、1[t]などの重量によって指定される。
【0019】
(2)作付支援装置100は、ユーザ101の操作入力により、対象作物の作付けに適した圃場に関する条件の入力を受け付ける。圃場に関する条件(以下、「適地条件」という)とは、例えば、圃場の地形、日照条件、土壌特性などである。
【0020】
(3)作付支援装置100は、地図M上に点在する圃場F1?F16の各々の圃場の特性に基づいて、圃場F1?F16の中から対象作物の作付候補となる圃場の集合を検索する。圃場の特性とは、例えば、圃場の地形、日照条件、土壌特性などである。例えば、適地条件として地形「平坦部」が入力された場合、作付支援装置100は、圃場F1?F16の中から地形が「平坦部」の圃場を検索する。
【0021】
圃場の特性は、例えば、圃場特性マスタ110に記憶されている。圃場特性マスタ110についての詳細な説明は、図3を用いて後述する。
【0022】
(4)作付支援装置100は、検索した圃場の集合の各々の圃場に対象作物を作付けした場合の予測収量に基づいて、圃場の集合の中から対象作物の目標収量を満たす圃場の組合せを決定する。圃場の予測収量とは、圃場に対象作物を作付けした際の過去の実績収量などに基づいて予測された収量である。
【0023】
具体的には、例えば、作付支援装置100は、圃場の集合の中から任意の圃場を選択することにより、選択した圃場の予測収量の合計量が目標収量を満たす組合せを決定する。ここでは、目標収量を満たす圃場の組合せとして、圃場F1,F6,F9,F14?F16の組合せが決定された場合を例に挙げて説明する。
【0024】
圃場の予測収量は、例えば、作付実績マスタ120に記憶されている。作付実績マスタ120についての詳細な説明は、図4を用いて後述する。
【0025】
(5)作付支援装置100は、決定した組合せの各々の圃場の表示形式を、圃場F1?F16の他の圃場の表示形式とは異なる特定の表示形式に変更して地図M上に表示する。具体的には、例えば、作付支援装置100は、決定した組合せの各々の圃場を表す地図M上の図形オブジェクトの表示色を特定の色に変更した圃場選択画面130を表示する。図中では色の変更をハッチングで示している。
【0026】
圃場選択画面130は、地図M上に点在する圃場F1?F16の中から、対象作物を作付けする圃場を選択するための画面である。圃場選択画面130において、対象作物の目標収量「50Kg」を満たす圃場の組合せの各々の圃場F1,F6,F9,F14?F16を表す図形オブジェクトが網掛け表示されている。図中、事務所OFは、ユーザ101が待機したり、種苗、肥料、農薬、農機具などを保管する所である。
【0027】
圃場選択画面130によれば、ユーザ101は、地図M上に点在する圃場F1?F16のうち、対象作物の目標収量を満たし、かつ、対象作物の作付けに適した圃場の組合せを直感的に判断することができる。また、ユーザ101は、地図M上に点在する各々の圃場の位置や、圃場間および圃場と事務所OFとの位置関係などを直感的に判断することができる。
【0028】
例えば、見回り頻度の高い作物を作付ける場合、移動コストを考慮して、事務所OFからの距離が近い圃場を選択することが望ましい。このような場合、ユーザ101は、圃場選択画面130によれば、圃場F1?F16のうち、事務所OFからの距離が近い圃場F9を直感的に判断して選択することができる。
【0029】
また、同一作物や作付期間の近い作物を作付ける場合、農作業の効率化を図るため、互いに近い複数の圃場を選択することが望ましい。このような場合、圃場選択画面130によれば、ユーザ101は、圃場F1?F16のうち、互いに距離が近い圃場F14?F16を直感的に判断して選択することができる。
【0030】
また、例えば、地図M上の地点Xおよび地点Yに通行を制限する障害物(収穫した作物、トラクターなど)がある場合、事務所OFから圃場F6までの移動コストが増加し、圃場F6における作付作業の効率が低下する可能性がある。圃場選択画面130によれば、ユーザ101は、このような状況を考慮しながら、対象作物を作付けする圃場として圃場F6を選択するか否かを判断することができる。
【0035】
I/F209は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク214に接続され、このネットワーク214を介して他のコンピュータに接続される。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F209には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0038】
つぎに、作付支援装置100が備える圃場特性マスタ110および作付実績マスタ120の記憶内容について説明する。圃場特性マスタ110および作付実績マスタ120は、例えば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されている。
【0039】
(圃場特性マスタ110の記憶内容)
図3は、圃場特性マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図3において、圃場特性マスタ110は、圃場ID、圃場名、地形、日照、土性、排水能力および耕運難度のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、圃場特性データ300-1?300-nがレコードとして記憶されている。
【0040】
ここで、圃場IDは、管理対象となる圃場F1?Fnの識別子である。以下の説明では、圃場F1?Fnのうち任意の圃場を「圃場Fi」と表記する(i=1,2,…,n)。圃場名は、圃場Fiの名称である。地形は、圃場Fiの地形である。日照は、圃場Fiの日照状態である。日照は、太陽光の直射光が圃場Fiの地表に当たっている状態の違いにより、「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」の5つの状態に区別されている。
【0041】
土性は、圃場Fiの土の特性である。土性は、圃場Fiの土を構成する様々な粒子の割合により、「埴土」、「砂土」、「粘土」、「粗砂土」、「火山灰土」の5つの分類に区別されている。排水能力は、不用または有害な水を他に流しやる圃場Fiの能力である。排水能力は、能力の違いにより、「極めて良好」、「良好」、「普通」、「不良」、「極めて不良」の5段階に区別されている。耕運難度は、圃場Fiを耕して雑草を除去する難しさである。耕運難度は、難度の違いにより、「極めて難」、「難」、「普通」、「易」、「極めて易」の5段階に区別されている。
【0042】
一例として、圃場特性データ300-1を例に挙げると、圃場F1の圃場名「圃場A」、地形「平坦部」、日照「良い」、土性「埴土」、排水能力「普通」および耕運難度「普通」が記憶されている。
【0043】
(作付実績マスタ120の記憶内容)
図4は、作付実績マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、作付実績マスタ120は、圃場ID、品目、品種、作型、ステータス、期間、実績、収量およびコストのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、作付実績データ(例えば、作付実績データ400-1?400-4)がレコードとして記憶されている。
【0044】
ここで、圃場IDは、圃場Fiの識別子である。品目は、作物の品目である。品種は、作物の品種である。作型は、作物の作型である。ステータスは、圃場Fiの作付状態を示す情報である。ここでは、圃場Fiに作物を作付けしていない未使用の場合、圃場Fiのステータスは「未」となる。また、圃場Fiに作物を作付中の場合、圃場Fiのステータスは「栽培中」となる。また、圃場Fiに作物を作付けする予定がある場合、圃場Fiのステータスは「計画中」となる。
【0045】
期間は、圃場Fiに作物を作付けする期間である。期間は、ステータスが「未」の場合、圃場Fiに作物を作付けした過去の期間となる。また、期間は、ステータスが「栽培中」の場合、圃場Fiに作物を作付けしている現在の期間となる。また、期間は、ステータスが「計画中」の場合、圃場Fiに作物を作付けする未来の期間となる。
【0046】
実績は、圃場Fiに作物を作付けしたか否かを示す情報である。ここでの作物は、同一レコードの品目、品種、作型から特定される作物である。実績は、圃場Fiに作物を作付けしたことがある場合は「有」となる。また、実績は、圃場Fiに作物を作付けしたことがない場合は「無」となる。
【0047】
収量は、圃場Fiで収穫される作物の予測収量である。収量は、実績が「有」の場合、圃場Fiにおいて収穫された作物の過去の収量に基づく値となる。また、収量は、実績が「無」の場合、圃場Fiと同様の特性の他の圃場において収穫された作物の過去の収量に基づく値となる。
【0048】
コストは、圃場Fiにおいて予測収量の作物を収穫するのにかかる予測費用である。コストは、例えば、圃場Fiの単位面積当たりに単位収量の作物を収穫するのにかかる種苗費、肥料費、農薬費、農機具費、人件費などの合計によって表される。コストには、見回りにかかる移動コストを考慮して、事務所OFから圃場Fiまでの距離に基づく移動コストが含まれていてもよい。
【0049】
なお、作付実績マスタ120内の作付実績データは、例えば、「圃場ID、品目、品種、作型」の組み合わせごとに存在する。すなわち、同一圃場であっても、「品目、品種、作型」の組合せが異なれば、異なる作付実績データがレコードとして作付実績マスタ120に記憶される。
【0050】
(条件入力画面500の一例)
つぎに、図5を用いて、対象作物に関する作物条件および対象作物の作付けに適した圃場に関する適地条件を入力する際に、作付支援装置100のディスプレイ208に表示される条件入力画面500について説明する。
【0051】
図5は、条件入力画面の一例を示す説明図である。図5において、作付支援装置100のディスプレイ208には、作物条件を入力するボックス510と、適地条件を入力するボックス520とを含む条件入力画面500が表示されている。
【0052】
ボックス510は、ボックス511?515を有する。ボックス511は、対象作物の品目を入力するボックスである。ボックス512は、対象作物の品種を入力するボックスである。ボックス513は、対象作物の作型を入力するボックスである。ボックス514は、対象作物の作付期間を入力するボックスである。ボックス515は、対象作物の目標収量を入力するボックスである。
【0053】
ボックス520は、ボックス521?525を有する。ボックス521は、対象作物の作付けに適した圃場の地形を入力するボックスである。ボックス522は、対象作物の作付けに適した圃場の日照状態を入力するボックスである。ボックス523は、対象作物の作付けに適した圃場の土性を入力するボックスである。ボックス524は、対象作物の作付けに適した圃場の排水能力を入力するボックスである。ボックス525は、対象作物の作付けに適した圃場の耕運難度を入力するボックスである。
【0054】
条件入力画面500において、図2に示したキーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、カーソルCを移動させて各ボックス511?515をクリックすることで、作物条件を入力することができる。図5の例では、作物条件として、ボックス511に「キャベツ」、ボックス512に「秋冬キャベツ」、ボックス513に「秋まき栽培」、ボックス514に「2010/12/1?2011/3/1」、ボックス515に「50Kg」が入力されている。
【0055】
また、条件入力画面500において、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、カーソルCを移動させて各ボックス521?525内のチェックボタンをクリックすることで、適地条件を入力することができる。この際、各ボックス521?525内のチェックボタンを複数クリックすることで、複数の条件を入力することにしてもよい。
【0056】
図5の例では、適地条件として、ボックス521に「平坦部」、ボックス522に「非常に良い、良い」、ボックス523に「埴土」、ボックス524に「極めて良好、良好」が入力されている。同一ボックス内に複数の条件を入力した場合、複数の条件のいずれの条件も対象作物の作付けに適していることを意味する。
【0057】
なお、ボックス525には、いずれのチェックボタンもクリックされておらず、対象作物の作付けに適した圃場の耕運難度が入力されていない。これは、対象作物の作付けに適した圃場の適地条件として圃場の耕運難度を考慮しないことを意味する。
【0058】
(作付支援装置100の機能的構成)
図6は、作付支援装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図6において、作付支援装置100は、受付部601と、判定部602と、算出部603と、検索部604と、決定部605と、表示制御部606と、を含む構成である。各機能部(受付部601?表示制御部606)は、具体的には、例えば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F209により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、特に指定する場合を除いて、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0059】
受付部601は、対象作物に関する作物条件の入力を受け付ける機能を有する。具体的には、例えば、図5に示した条件入力画面500において、受付部601が、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により作物条件の入力を受け付ける。
【0060】
また、受付部601は、対象作物の作付けに適した圃場に関する適地条件の入力を受け付ける機能を有する。具体的には、例えば、条件入力画面500において、受付部601が、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により適地条件の入力を受け付ける。
【0061】
入力された作物条件および適地条件は、例えば、図7に示す適地判定マスタ700に記憶される。適地判定マスタ700は、例えば、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置により実現される。ここで、適地判定マスタ700について説明する。
【0062】
図7は、適地判定マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、適地判定マスタ700は、属性ごとの属性値を有している。属性とは、例えば、条件入力画面500において、作物条件として入力された「品目」、「品種」、「作型」、「期間」、「目標収量」および適地条件として入力された「地形」、「日照」、「土性」、「排水能力」、「耕運難度」である。
【0063】
なお、未入力の属性の属性値は「考慮しない」となる。ここでは、条件入力画面500において、対象作物の作付けに適した圃場の耕運難度が入力されていないため、属性「耕運難度」の属性値が「考慮しない」となっている。
【0064】
図6の説明に戻り、判定部602は、圃場F1?Fnの各々の圃場Fiの特性に基づいて、各々の圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たすか否かを判定する機能を有する。ここで、圃場Fiの特性とは、例えば、圃場Fiの地形、日照状態、土性、排水能力、給水能力、耕運難度などである。
【0065】
具体的には、例えば、まず、判定部602が、図7に示した適地判定マスタ700の適地条件に関する属性を抽出することにより、図8に示すフィルタ条件テーブル800を作成する。ここで、フィルタ条件テーブル800について説明する。
【0066】
図8は、フィルタ条件テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、フィルタ条件テーブル800は、属性ID、属性および属性値のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、適地条件に関する属性データ800-1?800-5がレコードとして記憶されている。属性IDは、適地条件に関する属性の識別子である。属性は、適地条件に関する属性の属性名である。属性値は、適地条件に関する属性の属性値である。
【0067】
図7に示した適地判定マスタ700の例では、属性A1?A5は、「地形」、「日照」、「土性」、「排水能力」および「耕運難度」である。このため、フィルタ条件テーブル800には、属性A1?A5の属性値として、「平坦部」、「非常に良い、良い」、「埴土」、「極めて良好、良好」および「-(null)」が設定されている。
【0068】
図6の説明に戻り、このあと、判定部602が、圃場F1?Fnの中から任意の圃場Fiを選択する。そして、判定部602が、図3に示した圃場特性マスタ110の中から、選択された圃場Fiの圃場特性データ300-iを抽出する。
【0069】
つぎに、判定部602が、図8に示したフィルタ条件テーブル800の適地条件に関する属性(以下、「属性A1?Am」という)の中から、任意の属性(以下、「属性Aj」という)を選択する(j=1,2,…,m)。図8の例では、属性Amの「m」は「m=5」である。
【0070】
このあと、判定部602が、フィルタ条件テーブル800を参照して、選択された属性Ajの属性値を特定する。ここで特定された属性Ajの属性値は、属性Ajに関する適地条件である。このため、以下の説明では、フィルタ条件テーブル800から特定された属性Ajの属性値を「属性Ajの適地条件」という。
【0071】
また、判定部602が、抽出された圃場Fiの圃場特性データ300-iを参照して、圃場Fiの属性Ajの属性値を特定する。具体的には、例えば、判定部602が、圃場特性データ300-iの属性Ajに対応するフィールドに設定されている情報を、属性Ajの属性値として特定する。
【0072】
そして、判定部602が、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件に含まれるか否かを判定する。ここで、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件に含まれる場合、判定部602が、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件を満たすと判定する。
【0073】
一方、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件に含まれない場合、判定部602が、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件を満たさないと判定する。なお、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件を満たさない場合、後述の図9に示す評価結果テーブル900内の圃場Fiの不適合属性フィールドに属性Ajの属性名が設定される。
【0074】
上述したフィルタ条件テーブル800の適地条件に関する属性Ajの選択は、例えば、属性A1?Amの中から選択されていない未選択の属性がなくなるまで繰り返される。この結果、適地条件に関する属性A1?Amの各々の属性Ajについて、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件を満たすか否かの判定が行われる。
【0075】
判定部602は、圃場Fiの属性A1?Amの属性値が、属性A1?Amの適地条件をそれぞれ満たす場合、圃場Fiが作物の作付けに適した圃場の条件を満たすと判定する。一方、圃場Fiの属性A1?Amの属性値が、属性A1?Amの少なくともいずれかの適地条件を満たさない場合、判定部602は、圃場Fiが作物の作付けに適した圃場の条件を満たさないと判定する。
【0076】
また、上述した圃場Fiの選択は、圃場F1?Fnの中から選択されていない未選択の圃場がなくなるまで繰り返される。この結果、圃場F1?Fnの各々の圃場Fiについて、各々の圃場Fiが作物の作付けに適した圃場の条件を満たすか否かの判定が行われる。
【0077】
判定された判定結果は、例えば、図9に示す評価結果テーブル900に記憶される。評価結果テーブル900は、例えば、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置により実現される。ここで、評価結果テーブル900について説明する。
【0078】
図9は、評価結果テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図9において、評価結果テーブル900は、圃場ID、適地判定、空き判定、収量、評価点、選択フラグおよび不適合属性のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、評価結果900-1?900-nがレコードとして記憶されている。
【0079】
圃場IDは、圃場Fiの識別子である。適地判定は、圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報である。空き判定は、圃場Fiの作付状態を示す情報である。収量は、圃場Fiで収穫される対象作物の予測収量である。評価点は、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値である。
【0080】
選択フラグは、圃場Fiの選択状態を示す情報である。不適合属性は、属性Ajの適地条件を満たさないと判定された圃場Fiの属性Ajを示す情報である。なお、空き判定、評価点および選択フラグについての詳細な説明は後述する。
【0081】
例えば、圃場Fiが作物の作付けに適した圃場の条件を満たすと判定された場合、圃場Fiの適地判定フィールドに「適合」が設定される。一方、圃場Fiが作物の作付けに適した圃場の条件を満たさないと判定された場合、圃場Fiの適地判定フィールドに「不適合」と設定される。
【0082】
ここで、上記判定部602によって圃場F1?Fnの中から圃場F1が選択された場合を例に挙げて、評価結果テーブル900内のフィールドに対する情報の設定例を説明する。
【0083】
圃場F1が選択された場合、判定部602は、適地条件に関する属性A1?A5の各々の属性Ajについて、圃場F1の属性Ajの属性値が、属性Ajの適地条件を満たすか否かを判定する。ここでは、圃場F1の属性A1?A5の属性値が、属性A1?A5の適地条件をそれぞれ満たすため、圃場F1が対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たすと判定される。
【0084】
この結果、評価結果テーブル900内の圃場F1の適地判定フィールドに「適合」が設定され、不適合属性フィールドに「-」が設定される。なお、フィルタ条件テーブル800に属性値が設定されていない属性A5については、圃場F1の属性A5の属性値の内容に関わらず、属性A5の適地条件を満たすと判定される。
【0085】
また、圃場F1の対象作物の予測収量は、作付実績マスタ120から特定される。具体的には、例えば、まず、判定部602が、作付実績マスタ120の中から、圃場IDフィールドに「F1」が設定され、品目、品種、作型フィールドに対象作物の品目、品種、作型が設定されている作付実績データを抽出する。
【0086】
対象作物の品目、品種、作型は、適地判定マスタ700から特定される。ここでは、対象作物の品目、品種および作型は、「キャベツ」、「秋冬キャベツ」および「秋まき栽培」のため、作付実績マスタ120の中から作付実績データ400-1が抽出される。この結果、作付実績データ400-1の収量「5Kg」が、評価結果テーブル900内の圃場F1の収量フィールドに設定される。
【0087】
図6の説明に戻り、判定部602は、圃場Fiが空き圃場か否かを判定する。ここで、空き圃場とは、作物が作付けされていない未使用の圃場である。具体的には、例えば、まず、判定部602が、適地判定マスタ700を参照して、対象作物の作付期間を特定する。つぎに、判定部602が、作付実績マスタ120の中から、圃場Fiの作付実績データを抽出する。
【0088】
そして、判定部602が、抽出した各作付実績データの期間と対象作物の作付期間とを
比較することにより、期間が対象作物の作付期間と重複する作付実績データがあるか否かを判定する。ここで、対象作物の作付期間と重複するものがない場合、判定部602が、圃場Fiが空き圃場であると判定する。
【0089】
一方、対象作物の作付期間と重複するものがある場合、判定部602が、圃場Fiが空き圃場ではないと判定する。この際、期間が対象作物の作付期間と重複する作付実績データのステータスが「栽培中」の場合、判定部602が、圃場Fiが他の作物の作付けにより占有中であると判定することにしてもよい。また、期間が対象作物の作付期間と重複する作付実績データのステータスが「計画中」の場合、判定部602が、圃場Fiが他の作物の作付計画中であると判定することにしてもよい。
【0090】
なお、期間が対象作物の作付期間と重複する作付実績データとしてステータスが「栽培中」のものと「計画中」のものが存在する場合がある。この場合、「栽培中」であることを優先して、判定部602が、圃場Fiが他の作物の作付けにより占有中であると判定することにしてもよい。
【0091】
判定された判定結果は、例えば、評価結果テーブル900に記憶される。例えば、圃場Fiが空き圃場であると判定された場合、評価結果テーブル900内の圃場Fiの空き判定フィールドに「空き」が設定される。また、圃場Fiが他の作物の作付けにより占有中であると判定された場合、評価結果テーブル900内の圃場Fiの空き判定フィールドに「占有中」が設定される。また、圃場Fiが他の作物の作付計画中であると判定された場合、評価結果テーブル900内の圃場Fiの空き判定フィールドに「計画中」が設定される。
【0092】
算出部603は、圃場Fiの特性に基づいて、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出する機能を有する。具体的には、例えば、算出部603が、圃場特性マスタ110の中から、圃場Fiの圃場特性データ300-iを抽出する。つぎに、算出部603が、圃場特性データ300-iを参照して、圃場Fiの属性Ajごとの属性値を特定する。
【0093】
このあと、算出部603が、図10に示す点数マスタ1000を参照して、圃場Fiの属性Ajごとの点数を特定する。そして、算出部603が、圃場Fiの属性Ajごとの点数を加算することにより、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出する。
【0094】
点数マスタ1000は、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、属性Ajの各属性値の点数を示す情報である。点数マスタ1000は、例えば、「品目、品種、作型」の組み合わせごとに予め作成されて、ROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されている。
【0095】
ここで、「品目、品種、作型」の組合せが「キャベツ、秋冬キャベツ、秋まき栽培」の場合を例に挙げて、点数マスタ1000の記憶内容について説明する。
【0096】
図10は、点数マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図10において、点数マスタ1000は、対象作物「キャベツ、秋冬キャベツ、秋まき栽培」の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、属性Ajの各属性値の点数を記憶している。ここでは、属性Ajごとに、対象作物の作付けに適している属性値ほど高い点数が付与されている。
【0097】
「地形」を例に挙げると、「平坦部」に5点、「山間部」に4点、「丘陵部」に3点、「低地」に2点、「湿地」に1点が付与されている。すなわち、圃場の「地形」は、「平坦部→山間部→丘陵部→低地→湿地」の順に対象作物の作付けに適していることになる。
【0098】
例えば、圃場F1の属性A1「地形」の属性値は「平坦部」、属性A2「日照」の属性値は「良い」、属性A3「土性」の属性値は「埴土」、属性A4「排水能力」の属性値は「普通」、属性A5「耕運難度」の属性値は「普通」である。このため、圃場F1の各属性A1?A5の点数は、順に「5,4,5,3,3」となる。
【0099】
また、圃場F1に対象作物「キャベツ、秋冬キャベツ、秋まき栽培」を作付けした場合のコストは「20万」である(図4参照)。このため、圃場F1のコストの点数は「5」となる。したがって、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す評価点(指標値)は「25=5+4+5+3+3+5」となる。
【0100】
図6の説明に戻り、検索部604は、判定された判定結果に基づいて、圃場F1?Fnの中から、対象作物の作付候補となる圃場の集合を検索する機能を有する。以下説明のため、対象作物の作付候補となる圃場の集合を「圃場F[1]?F[n]」と表記し、圃場F[1]?F[n]のうち任意の圃場を「圃場F[i]」と表記する(i=1,2,…,n)。
【0101】
具体的には、例えば、検索部604が、評価結果テーブル900を参照して、適地判定フィールドに「適合」が設定されている圃場[1]?F[n]を検索する(検索手法1)。これにより、作付候補となる圃場[1]?F[n]として、対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たす圃場を検索することができる。
【0102】
また、検索部604が、評価結果テーブル900を参照して、空き判定フィールドに「空き」が設定されている圃場[1]?F[n]を検索することにしてもよい(検索手法2)。これにより、作付候補となる圃場[1]?F[n]として、現在作物が作付けされていない空き圃場を検索することができる。
【0103】
また、検索部604が、評価結果テーブル900を参照して、評価点フィールドに閾値X以上の評価点が設定されている圃場[1]?F[n]を検索することにしてもよい(検索手法3)。これにより、作付候補となる圃場[1]?F[n]として、対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索することができる。
【0104】
なお、上記閾値Xは、例えば、予め設定されてROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されている。また、例えば、評価結果テーブル900内の各圃場Fiの評価点の平均値を閾値Xとすることにしてもよい。
【0105】
また、検索部604が、上記検索手法1?3のうち複数の検索手法を組み合わせて、対象作物の作付候補となる圃場[1]?F[n]を検索することにしてもよい。
【0106】
例えば、検索部604が、評価結果テーブル900を参照して、適地判定フィールドに「適合」が設定され、かつ、空き判定フィールドに「空き」が設定されている圃場[1]?F[n]を検索することにしてもよい(検索手法1+2)。これにより、作付候補となる圃場[1]?F[n]として、対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たし、かつ、現在作物が作付けされていない空き圃場を検索することができる。
【0107】
決定部605は、検索された圃場[1]?F[n]の中から、各々の圃場[i]の予測収量に基づいて、対象作物の目標収量を満たす圃場の組合せを決定する機能を有する。具体的には、例えば、まず、決定部605が、圃場[1]?F[n]の中から任意の圃場F[i]を選択する。
【0108】
つぎに、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、圃場F[i]の収量(以下、「収量q[i]」という)を特定する。そして、決定部605が、特定した収量q[i]を仮収量計Qvに加算する。仮収量計Qvは、対象作物の予測収量の合計を表す変数である。このあと、決定部605が、仮収量計Qvが目標収量(以下、「目標収量Qt」という)以上となったか否かを判断する。目標収量Qtは、適地判定マスタ700に記憶されている目標収量(例えば、50Kg)である。
【0109】
ここで、仮収量計Qvが目標収量Qt未満の場合、決定部605が、圃場[1]?F[n]の中から選択されていない未選択の圃場[i]を選択して、一連の処理を繰り返す。一方、仮収量計Qvが目標収量Qt以上の場合、決定部605が、圃場[1]?F[n]の中から選択された圃場の組合せを、対象作物の目標収量Qtを満たす圃場の組合せに決定する。
【0110】
これにより、圃場[1]?F[n]の中から、対象作物の目標収量Qtを満たす圃場の組合せを決定することができる。
【0111】
また、圃場[i]の選択時に、決定部605は、評価結果テーブル900を参照して、圃場[1]?F[n]の中から、評価点が最大の圃場[i]を選択することにしてもよい。これにより、対象作物の目標収量Qtを満たす圃場の組合せを作る圃場として、評価点が大きい圃場[i]を優先して選択することができる。
【0112】
決定された決定結果は、例えば、評価結果テーブル900に記憶される。具体的には、例えば、評価結果テーブル900内の決定された組合せの各々の圃場の選択フラグフィールドに「仮選択」が設定される。
【0113】
表示制御部606は、ディスプレイ208を制御して、決定された組合せの各々の圃場の表示形式を、圃場F1?Fnの他の圃場の表示形式とは異なる特定の表示形式に変更して地図M上に表示する機能を有する。表示形式の変更としては、例えば、地図M上の圃場を表す図形オブジェクトの表示色、ハッチングなどの変更や、図形オブジェクトに任意の記号や文字列をラベリングすることなどがある。
【0114】
具体的には、例えば、表示制御部606が、評価結果テーブル900内の選択フラグフィールドに設定されている情報ごとに、地図M上の圃場を表す図形オブジェクトの表示色を変更する。これにより、地図M上に点在する圃場F1?Fnを、選択フラグフィールドに設定されている情報ごとに分類することができる。
【0115】
以下の説明では、一例として、評価結果テーブル900内の選択フラグフィールドに「未選択」が設定されている圃場を表す図形オブジェクトの表示色を色C1とする。また、評価結果テーブル900内の選択フラグフィールドに「仮選択」が設定されている圃場を表す図形オブジェクトの表示色を色C2とする。
【0116】
また、評価結果テーブル900内の選択フラグフィールドに「選択」が設定されている圃場を表す図形オブジェクトの表示色を色C3とする。また、評価結果テーブル900内の空き判定フラグフィールドに「占有中」または「計画中」が設定されている圃場を表す図形オブジェクトの表示色を色C4とする。なお、ディスプレイ208に表示される画面例については、図18および図19を用いて後述する。
【0117】
また、受付部601は、圃場F1?Fnの中から、対象作物を作付ける一の圃場の選択指示を受け付ける機能を有する。具体的には、例えば、受付部601が、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、一の圃場の選択指示を受け付ける。
【0118】
一の圃場の選択指示が受け付けられた場合、評価結果テーブル900内の一の圃場の選択フラグフィールドに「選択」が設定される。この結果、例えば、表示制御部606により、一の圃場を表す地図M上の図形オブジェクトの表示色が色C3に変更される。
【0119】
また、決定部605は、一の圃場の選択指示が受け付けられた場合、一の圃場の予測収量と目標収量Qtとの差分を表す収量(以下、「差分収量Qd」という)を満たす圃場の組合せを決定する。具体的には、例えば、まず、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、選択フラグフィールドに「選択」が設定されている圃場の収量を加算することにより予測収量計Qを算出する。予測収量計Qは、対象作物の予測収量の合計を表す変数である。
【0120】
このあと、決定部605が、予測収量計Qが目標収量Qt以上となったか否かを判断する。ここで、予測収量計Qが目標収量Qt以上となった場合、決定部605が、評価結果テーブル900内のレコード群のうち、選択フラグフィールドに「仮選択」が設定されているレコードの選択フラグを「未選択」に変更する。
【0121】
この結果、例えば、表示制御部606により、選択フラグが「仮選択」から「未選択」に変更された圃場を表す地図M上の図形オブジェクトの表示色が、色C2から色C1に変更される。すなわち、予測収量計Qが目標収量Qt以上となったため、対象作物を作付けする圃場の推奨を終了する。
【0122】
一方、予測収量計Qが目標収量Qt未満の場合、決定部605が、予測収量計Qと目標収量Qtとの差分を表す差分収量Qdを算出する。そして、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、差分収量Qdを満たす圃場の組合せを決定する。
【0123】
具体的には、例えば、決定部605が、評価結果テーブル900内のレコード群のうち、選択フラグフィールドに「仮選択」が設定されているレコードの選択フラグを「未選択」に変更する。そして、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、圃場[1]?F[n]のうち選択フラグが「未選択」の圃場[i]を選択する。つぎに、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、圃場[i]の収量q[i]を特定する。そして、決定部605が、特定した収量q[i]を仮収量計Qvに加算する。このあと、決定部605が、仮収量計Qvが差分収量Qd以上となったか否かを判断する。
【0124】
ここで、仮収量計Qvが差分収量Qd未満の場合、決定部605が、選択されていない未選択の圃場[i]を選択して、一連の処理を繰り返す。一方、仮収量計Qvが差分収量Qd以上の場合、決定部605が、選択された圃場の組合せを、差分収量Qdを満たす圃場の組合せに決定する。
【0125】
これにより、圃場[1]?F[n]の中から、予測収量計Qと目標収量Qtとの差分を表す差分収量Qdを満たす圃場の組合せを決定することができる。
【0126】
なお、選択指示を受け付けた一の圃場の選択フラグが「仮選択」の場合、決定された組合せのうち一の圃場を除く残余の圃場の組合せは変化しないため、上述した差分収量Qdを満たす圃場の組合せを決定する決定処理は行わなくてもよい。これにより、差分収量Qdを満たす圃場の組合せを決定する無駄な決定処理を削減することができる。
【0127】
また、受付部601は、一の圃場の選択解除指示を受け付ける機能を有する。具体的には、例えば、受付部601が、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入
力により、一の圃場の選択解除指示を受け付ける。
【0128】
一の圃場の選択解除指示が受け付けられた場合、評価結果テーブル900内の一の圃場の選択フラグフィールドに「未選択」が設定される。この結果、例えば、表示制御部606により、一の圃場を表す地図M上の図形オブジェクトの表示色が色C1に変更される。
【0129】
また、決定部605は、一の圃場の選択解除指示が受け付けられた場合、評価結果テーブル900を参照して、選択フラグフィールドに「選択」が設定されている圃場の収量を加算することにより予測収量計Qを算出する。このあと、決定部605が、予測収量計Qが目標収量Qt以上となったか否かを判断する。
【0130】
ここで、予測収量計Qが目標収量Qt以上となった場合、決定部605が、評価結果テーブル900内のレコード群のうち、選択フラグフィールドに「仮選択」が設定されているレコードの選択フラグを「未選択」に変更する。この結果、例えば、表示制御部606により、選択フラグが「仮選択」から「未選択」に変更された圃場を表す地図M上の図形オブジェクトの表示色が、色C2から色C1に変更される。
【0131】
一方、予測収量計Qが目標収量Qt未満の場合、決定部605が、予測収量計Qと目標収量Qtとの差分を表す差分収量Qdを算出する。そして、決定部605が、評価結果テーブル900を参照して、上述した差分収量Qdを満たす圃場の組合せを決定する決定処理を行う。
【0132】
なお、評価結果テーブル900に記憶されている各圃場F1?Fnの評価点をもとに、判定部602が、各圃場F1?Fnの適地レベルを判定することにしてもよい。適地レベルは、対象作物を作付ける圃場として、圃場Fiがどの程度適しているのかを示すものである。圃場選択時などに、各圃場Fiの適地レベルをユーザに提示することで、対象作物を作付ける圃場として、圃場Fiがどの程度適しているのかの判断に役立てることができる。
【0133】
具体的には、例えば、圃場Fiの評価点が閾値α以上の場合、判定部602が、圃場Fiの適地レベルを「A」とする。また、圃場Fiの評価点が閾値β以上かつ閾値α未満の場合、判定部602が、圃場Fiの適地レベルを「B」とする。また、圃場Fiの評価点が閾値β未満の場合、判定部602が、圃場Fiの適地レベルを「C」とする。また、圃場Fiが「占有中」または「計画中」の場合、判定部602が、圃場Fiの適地レベルを「D」とする。上記閾値α、βは、例えば、予め設定されてROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されている。
【0134】
これにより、各圃場F1?Fnの適地レベルを4段階の適地レベルに分類してユーザに提示することができる。より具体的には、例えば、圃場Fiの適地レベルが「A」の場合、圃場選択時などにディスプレイ208に「◎」を表示する(図18参照)。圃場Fiの適地レベルが「B」の場合、圃場選択時などにディスプレイ208に「○」を表示する。圃場Fiの適地レベルが「C」の場合、圃場選択時などにディスプレイ208に「△」を表示する(図19参照)。圃場Fiの適地レベルが「D」の場合、圃場選択時などにディスプレイ208に「×」を表示する。
【0135】
(作付支援装置100の作付支援処理手順)
つぎに、作付支援装置100の作付支援処理手順について説明する。
【0136】
図11は、実施の形態にかかる作付支援装置の作付支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、まず、受付部601により、対象作物に関する作物条件および対象作物の作付けに適した圃場に関する適地条件の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1101)。
【0137】
ここで、作物条件および適地条件が入力されるのを待って(ステップS1101:No)、入力を受け付けた場合(ステップS1101:Yes)、判定部602により、フィルタ条件テーブル800を作成する(ステップS1102)。フィルタ条件テーブル800は、適地判定マスタ700の中から適地条件に関する属性を抽出することにより作成される。
【0138】
つぎに、判定部602により、圃場Fiの「i」を「i=1」として(ステップS1103)、圃場F1?Fnの中から圃場Fiを選択する(ステップS1104)。そして、判定部602により、圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たすか否かを判定する適地判定処理を実行する(ステップS1105)。
【0139】
このあと、判定部602により、圃場Fiが空き圃場か否かを判定する空き圃場判定処理を実行する(ステップS1106)。つぎに、判定部602により、圃場Fiの「i」をインクリメントして(ステップS1107)、「i」が「n」より大きいか否かを判断する(ステップS1108)。
【0140】
ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1108:No)、ステップS1104に戻る。一方、「i」が「n」より大きい場合(ステップS1108:Yes)、決定部605により、対象作物の目標収量を満たす圃場の組合せを決定する組合せ決定処理を実行して(ステップS1109)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0141】
これにより、対象作物の目標収量Qtを満たす圃場の組合せを決定して、決定した組合せの各々の圃場の表示形式を、他の圃場の表示形式とは異なる特定の表示形式に変更して地図M上に表示することができる。
【0142】
<適地判定処理手順>
つぎに、図11に示したステップS1105の適地判定処理手順について説明する。
【0143】
図12および図13は、ステップS1105の適地判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、判定部602により、フィルタ条件テーブル800の適地条件に関する属性Ajの「j」を「j=1」とする(ステップS1201)。
【0144】
そして、判定部602により、フィルタ条件テーブル800を参照して、属性Ajの適地条件を特定する(ステップS1202)。このあと、判定部602により、圃場特性マスタ110を参照して、圃場Fiの属性Ajの属性値を特定する(ステップS1203)。
【0145】
つぎに、判定部602により、圃場Fiの属性Ajの属性値が属性Ajの適地条件を満たすか否かを判定する(ステップS1204)。ここで、属性Ajの適地条件を満たさない場合(ステップS1204:No)、判定部602により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの不適合属性フィールドに属性Ajの属性名を設定して(ステップS1205)、ステップS1206に移行する。
【0146】
一方、属性Ajの適地条件を満たす場合(ステップS1204:Yes)、算出部603により、点数マスタ1000を参照して、圃場Fiの属性Ajの属性値の点数を特定する(ステップS1206)。そして、算出部603により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの評価点フィールドに点数を加算する(ステップS1207)。
【0147】
このあと、判定部602により、属性Ajの「j」をインクリメントして(ステップS1208)、「j」が「m」より大きくなったか否かを判断する(ステップS1209)。ここで、「j」が「m」以下の場合(ステップS1209:No)、ステップS1202に戻る。
【0148】
一方、「j」が「m」より大きい場合(ステップS1209:Yes)、算出部603により、作付実績マスタ120を参照して、圃場Fiのコストを特定する(ステップS1210)。つぎに、算出部603により、点数マスタ1000を参照して、圃場Fiのコストの点数を特定する(ステップS1211)。そして、算出部603により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの評価点フィールドに点数を加算して(ステップS1212)、図13に示すステップS1301に移行する。
【0149】
図13のフローチャートにおいて、まず、判定部602により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの不適合属性フィールドに属性名が設定されているか否かを判断する(ステップS1301)。
【0150】
ここで、不適合属性フィールドに属性名が設定されていない場合(ステップS1301:No)、判定部602により、圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たすと判定する(ステップS1302)。そして、判定部602により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの適地判定フィールドに「適合」を設定する(ステップS1303)。
【0151】
一方、不適合属性フィールドに属性名が設定されている場合(ステップS1301:Yes)、判定部602により、圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の条件を満たさないと判定する(ステップS1304)。そして、判定部602により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの適地判定フィールドに「不適合」を設定する(ステップS1305)。
【0152】
つぎに、判定部602により、作付実績マスタ120の中から、圃場Fiに対象作物を作付けした場合の収量を抽出する(ステップS1306)。なお、該収量とは、圃場IDフィールドに「Fi」が設定され、品目、品種、作型フィールドに対象作物の品目、品種、作型が設定されている作付実績データの収量である。
【0153】
そして、判定部602により、評価結果テーブル900内の圃場Fiの収量フィールドに抽出した収量を設定して(ステップS1307)、図11に示したステップS1106に移行する。
【0154】
これにより、各々の圃場Fiが対象作物の作付けに適した圃場の適地条件を満たすか否かを判定することができる。また、各々の圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す評価点を算出することができる。

【0163】
<組合せ決定処理手順>
つぎに、図11に示したステップS1109の組合せ決定処理手順について説明する。
【0164】
図15は、ステップS1109の組合せ決定処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、まず、検索部604により、評価結果テーブル900を参照して、空き判定フィールドに「空き」が設定されている圃場を検索する(ステップS1501)。
【0165】
そして、検索部604により、評価結果テーブル900を参照して、検索した圃場を評価点が降順となるようにソートする(ステップS1502)。ここでは、評価点が降順となるようにソートされたソート後の圃場の集合を「圃場[1]?F[n]」と表記する。
【0166】
つぎに、決定部605により、仮収量計Qvを「Qv=0」とし(ステップS1503)、圃場[i]の「i」を「i=1」とする(ステップS1504)。そして、決定部605により、圃場[1]?F[n]の中から圃場F[i]を選択して(ステップS1505)、評価結果テーブル900内の圃場F[i]の選択フラグフィールドに「仮選択」を設定する(ステップS1506)。
【0167】
このあと、決定部605により、評価結果テーブル900を参照して、圃場[i]の収量q[i]を特定する(ステップS1507)。そして、決定部605により、特定した圃場[i]の収量q[i]を仮収量計Qvに加算する(ステップS1508)。つぎに、決定部605により、仮収量計Qvが目標収量Qt以上となったか否かを判断する(ステップS1509)。
【0168】
ここで、仮収量計Qvが目標収量Qt以上の場合(ステップS1509:Yes)、表示制御部606により、ディスプレイ208を制御して、評価結果テーブル900の選択フラグフィールドに「仮選択」が設定されている圃場の表示色を色C2に変更する(ステップS1510)。
【0169】
そして、表示制御部606により、ディスプレイ208を制御して、評価結果テーブル900の空き判定フィールドに「占有中」または「計画中」が設定されている圃場の表示色を色C4に変更して(ステップS1511)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0170】
一方、仮収量計Qvが目標収量Qt未満の場合(ステップS1509:No)、決定部605により、圃場[i]の「i」をインクリメントして(ステップS1512)、「i」が「n」より大きいか否かを判断する(ステップS1513)。
【0171】
ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1513:No)、ステップS1505に戻る。一方、「i」が「n」より大きい場合(ステップS1513:Yes)、表示制御部606により、ディスプレイ208にエラーメッセージを表示して(ステップS1514)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0172】
これにより、圃場F[1]?F[n]の中から評価点の高い順に目標収量Qtを満たす圃場の組合せを決定することができる。

2 上記1によると、引用文献1には、以下のことが記載されている。
ア 【0011】、図1の記載によると、引用文献1には、「作物の作付計画の立案作業を支援するコンピュータである作付支援装置。」が記載されている。
イ 【0035】の記載によると、上記(1)の「作付支援装置」は、「ネットワークに接続され、ネットワークを介して他のコンピュータに接続され、外部のコンピュータからのデータの入出力を行うことができる。」
ウ 【0039】の記載によると、上記(1)の「圃場特性マスタ」は、「圃場ID、圃場名、地形、日照、土性、排水能力および耕運難度のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、圃場特性データがレコードとして記憶される。」
エ 【0051】?【0057】、【0059】?【0062】、図5、図7の記載によると、上記(1)の「作付支援装置」は、「作物条件を入力するボックス510と、適地条件を入力する入力するボックス520とを含む条件入力画面を有し、ボックス510は、対象作物の品種、作型、作付期間、目標収量とをそれぞれ入力するボックスを有し、ボックス520は、対象作物の作付けに適した圃場の地形、日照状態、土性、排水能力、耕運難度とをそれぞれ入力するボックスを有し、ユーザの操作入力により、ボックス510のそれぞれのボックスに作物条件を入力することができ、ボックス520のそれぞれのボックスに適地条件を入力することができ、入力された作物条件および適地条件は、受付部により受け付けられ、適地判定マスタに記憶される。」
オ 【0078】、【0079】、【0086】、【0092】?【0094】、図6?図10の記載によると、上記(1)の「作付支援装置」は算出部を備え、「算出部は、圃場特性マスタの圃場Fiの特性に基づいて、圃場Fiと適地判定マスタから特定される対象作物の品目、品種、作型の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出する機能を有し、『品目、品種、作型』の組み合わせごとに予め作成され、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、対象作物の作付けに適しているほど高い点数を記憶した点数マスタを参照して、圃場Fiの属性Ajごとの点数を加算することにより、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出し、評価結果テーブルの評価点フィールドに評価点を設定する。」
カ 【0100】、【0103】、図6の記載によると、上記(1)の「作付支援装置」は検索部を備え、「検索部は、評価結果テーブルを参照して、評価点フィールドに閾値X以上の評価点が設定されている圃場を検索することにより、対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索する。」
(3)上記(2)によると、引用文献1には、
「作物の作付計画の立案作業を支援するコンピュータである作付支援装置であって、
ネットワークに接続され、ネットワークを介して他のコンピュータに接続され、外部のコンピュータからのデータの入出力を行うことができ、
圃場特性マスタは、圃場ID、圃場名、地形、日照、土性、排水能力および耕運難度のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、圃場特性データがレコードとして記憶され、
作物条件を入力するボックス510と、適地条件を入力する入力するボックス520とを含む条件入力画面を有し、ボックス510は、対象作物の品種、作型、作付期間、目標収量とをそれぞれ入力するボックスを有し、ボックス520は、対象作物の作付けに適した圃場の地形、日照状態、土性、排水能力、耕運難度とをそれぞれ入力するボックスを有し、ユーザの操作入力により、ボックス510のそれぞれのボックスに作物条件を入力することができ、ボックス520のそれぞれのボックスに適地条件を入力することができ、入力された作物条件および適地条件は、受付部により受け付けられ、適地判定マスタに記憶され、
算出部は、圃場特性マスタの圃場Fiの特性に基づいて、圃場Fiと適地判定マスタから特定される対象作物の品目、品種、作型の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出する機能を有し、「品目、品種、作型」の組み合わせごとに予め作成され、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、対象作物の作付けに適しているほど高い点数を記憶した点数マスタを参照して、圃場Fiの属性Ajごとの点数を加算することにより、圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出し、評価結果テーブルの評価点フィールドに評価点を設定し、
検索部は、評価結果テーブルを参照して、評価点フィールドに閾値X以上の評価点が設定されている圃場を検索することにより、対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索する、
作付支援装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の環境、要望、農業技術等に応じた栽培作物、施肥計画、栽培計画を生産農家および個人園芸愛好家に提示する、肥料情報提供システム、土壌情報入力手段および肥料情報提供方法に関する。例えば、コンピュータネットワークを用いて構築された、肥料情報提供システム、土壌情報入力手段および肥料情報提供方法である。
【背景技術】
【0002】
生産農家において、その年一年間どの様な作物を栽培するかについては、農業経営上大きな課題であり、収入を左右する決断である。しかし、昨年までの栽培経験から、安全策を採り、同じ作物を栽培し続け、飛躍的な収入の伸びが無いのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、生産農家が所有する農地に対して最も採算性の優れた作物を、経営的、技術的両面から推奨支援を行うシステムは無いのが現状である。
【0007】
生産農家にとって最も重要な課題は、利用できる労働力を用い、所有する農地を最大限有効利用した収益性の向上である。
【0008】
この課題に対応するため、農業経営に対する研鑽、栽培技術の向上について努力が図られてきている。例えば、地域単位で特産作物を設け、あるいは地産地消の働きかけを行い、地域ぐるみで商品性の上がる作物に取り組み、農業経営の改善を図る試みがなされている。
【0009】
しかし、いずれの試みも集団としての取り組みであり、個々の農家によって生じる栽培環境や栽培技術の差については考慮されていない。従って、個々の農家に特化した個別的作物の提案が必要となる。
【0010】
例えば奨励作物を栽培することは、所有する農地の事情において、同じ作物を栽培し続けることで肥料の偏った吸収から土地を痩せさせ、あるいは作物によっては連作障害をもたらす元ともなっている場合がある。
【0011】
また、栽培技術などの不足する生産農家にとっては、個別の事情などから農業改良普及所などからのきめ細かい指導が得にくく、収益性の低下を招く可能性もある。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、生産農家が所有する農地の状況を個別的に分析し、収益性の上がる作付け作物に関する推薦情報を提供し、生産農家に受け入れられる作柄を決定すると共に、その施肥計画、栽培計画を提供できる、肥料情報提供システム、土壌情報入力手段および肥料情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
農作物生産者の農地環境情報および農業技術情報を入力する農作物生産者情報入力手段と、
前記農作物生産者の農地の土壌の成分を分析し、土壌分析情報を入力する土壌情報入力手段と、
作物の市場価格情報、作物の栽培情報、前記農作物生産者の農地が所在する地域の年間気象情報のうちの少なくともいずれかの情報を蓄積しており、前記農地環境情報、前記農業技術情報、前記土壌分析情報、蓄積されている前記少なくともいずれかの情報とに基づいて、前記農作物生産者の農地に適した一または複数の作付け作物提案情報を導出し、前記農作物生産者に提示する管理手段とを備えた肥料情報提供システムである。

【0036】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の肥料情報提供システムのブロック図である。
【0038】
生産農家20、堆肥提供者30、配合業者40、運送業者50の有するコンピュータが、いずれも調整管理者10の有する管理コンピュータ11と、インターネットを利用したコンピュータネットワークで結ばれて、本実施の形態1の肥料情報提供システムを構成している。なお、生産農家20は、本発明の農作物生産者の一例である。
【0039】
生産農家20の有するパソコン21は、生産農家情報入力手段23、希望作柄選択手段24、生産農家表示手段25、肥料注文手段27を備えている。また、生産農家20の所有する農地の土壌の成分を分析する簡易分析装置22は、土壌情報入力手段26を備えている。なお、生産農家情報入力手段23は、本発明の農作物生産者情報入力手段の一例である。
【0040】
堆肥提供者30の有するパソコン31は、堆肥提供者情報入力手段33、取引情報選択手段34、堆肥提供者表示手段35を備えている。また、堆肥提供者30の提供する堆肥の成分を分析する簡易分析装置32は、堆肥情報入力手段36を備えている。
【0041】
調整管理者10の有する管理コンピュータ11は、作柄検索部12、土壌成分解析部13、栽培計画管理部14、堆肥成分解析部15、堆肥取引管理部16、肥料供給管理部17、データ蓄積部18を備えている。
【0042】
図1に示す細線の矢印は、インターネットによるデータの流れを示しており、太線の矢印は、堆肥や肥料の物の流れを示している。
【0043】
次に、図1および図2を用いて、本実施の形態1の肥料情報提供システムの動作について説明する。
【0044】
図1で、調整管理者10の有する管理コンピュータ11は、生産農家20の有するパソコン21とネットワークで接続されている。生産農家表示手段25によって、生産農家20の所有する農地の環境情報および農業技術情報101を収集するための質問内容がパソコン21画面上に表示される。そして、生産農家20に、キーボードあるいはマウスなどの入力装置を用いてその質問内容に回答させることにより、生産農家20の所有する農地の環境情報および農業技術情報101を収集する。そして、生産農家情報入力手段23は、これらの収集された環境情報および農業技術情報101のデータを、インターネットを通じて管理コンピュータ11に送信する。
【0045】
図2は、生産農家20に推薦作柄および施肥計画を提示する処理の流れを示した図である。
【0046】
管理コンピュータ11の作柄検索部12は、生産農家情報入力手段23から受信した環境情報および農業技術情報101のデータと、蓄積情報83のデータから生産農家20に応じた1つ以上の推薦作柄を選出する。なお、本発明における作柄とは、作物の種類(米、こしひかり、みかん等)および栽培方法(早場米、収穫時期、温室栽培等)を示すものである。ここで、作柄検索部12および推薦作柄は、それぞれ、本発明の管理手段および作付け作物提案情報の一例である。
【0047】
データ蓄積部18には、蓄積情報83として、年次更新された生産農家20の地域の年間気象情報、各種作物の市場価格情報、各種作物の栽培情報が蓄積されている。地域の年間気象情報は、その地域での過去の気象情報として、平均気温、最高気温、最低気温、降雨量、日射量などがある。各種作物の市場価格情報として、全国各地の農作物取引市場での作物市場取引価格、取引量について近年5年分の情報が蓄積されている。各種作物の栽培情報としては、各作物に対し、現在流通している品種、作柄の情報、各品種に対する栽培の技術情報が収録されている。蓄積情報83には、各々の生産農家20毎のこれらの情報が、生産農家20毎に蓄積されている。
【0048】
作柄検索部12は、これらの蓄積情報83として蓄積されている情報と、生産農家情報入力手段23から受信した農地の環境情報および農業技術情報101の要素を掛け合わせ(S10)、総合的に判断した生産農家20に応じた1つ以上の推薦作柄を選出し、推薦作柄結果102として生産農家20の有するパソコン21に送信する(S11)。そして、1つ以上の推薦作柄結果表示82が生産農家表示手段25によってパソコン21の画面上に表示され、生産農家20に提示される。推薦作柄結果102には、農作物の種類や品種、栽培方法等が異なる複数の作柄が含まれ、生産農家20には、複数の作柄が提示されることになる。
【0049】
生産農家情報入力手段23から受信する農地の環境情報とは、農地の広さ・場所などのロケーション情報、水利情報などである。また、農業技術情報とは、農業従事する人数・年齢などの労働力、過去の作物栽培経験、農業栽培知識の程度、病虫害対策に関する知識の程度、所属農業協同組合・組合以外の販売経路等の農業経営環境に関する情報である。
【0050】
生産農家20への推薦作柄結果102の表示から、生産農家20が希望作柄を選択する。希望作柄選択手段24によって生産農家20が選択した希望作柄が、希望作柄選択情報103として管理コンピュータ11に送信される。そして、作柄検索部12は、希望作柄選択情報103に基づいて最適作柄を決定する。なお、希望作柄選択手段24は、本発明の最適作付け作物選択手段の一例である。また、生産農家20が選択した希望作柄は、本発明の最適作付け作物情報の一例である。
【0051】
次に、生産農家20は、所有する農地の一箇所以上の土壌80を、調整管理者あるいは最寄りの分析端末に持参あるいは郵送する。そこには簡易分析装置22が準備されている。簡易分析装置22は、土壌80内に含まれる栽培に必要な成分を分析し、土壌情報入力手段26によって、土壌分析情報100が自動的に管理コンピュータ11に送信される。
【0052】
簡易分析装置22は、水分測定機構、pH測定機構、持ち込まれた土壌検体を水に分散させる機構、分散水溶液の成分を測定する機構、測定結果を管理コンピュータ11に送信する機構、管理コンピュータ11から次の分析工程制御を受信する機構からなる。
【0053】
管理コンピュータ11の土壌成分解析部13は、土壌分析情報100を受信し、土壌分析情報100の内容に応じた簡易分析装置22における次の分析工程内容を決定し、土壌分析制御情報107を簡易分析装置22に送信する。そして、簡易分析装置22は、土壌分析制御情報107に従って、次の分析工程を行う。
【0054】
簡易分析装置22は、生産農家20によって持ち込まれた土壌80を、一定水量の水に
分散した後、その分散液に試薬を入れ、その発色濃度により土壌成分を分析する。そして、土壌情報入力手段26は、その分析結果を土壌分析情報100として管理コンピュータ11に送信する。管理コンピュータ11の土壌成分解析部13は、受信した土壌分析情報100から、簡易分析装置22における途中の工程が無事に進んでいるか、明らかにエラーとなるような値が出ていないかなどを診断する。そして、土壌成分解析部13は、その診断内容に応じて、分析工程のどこをやり直しすればよいか等の土壌分析制御情報107を簡易分析装置22に送信する。例えば、水に分散したつもりでも、石(砂)が多く、分散された土壌になっていないなどの情報は、分析途中の分散液の透明性などで判断できる。なお、本実施の形態1の肥料情報提供システムでは、簡易分析装置22における次の分析工程内容の決定を管理コンピュータ11の土壌成分解析部13で行うこととしたが、簡易分析装置22にその機能を持たせてもよい。
【0055】
このように、簡易分析装置22は、生産農家20が持ち込む土壌80の分析工程を管理コンピュータ11からの通信により制御し、土壌成分に関する情報を管理コンピュータ11に情報送信するものである。

【0061】
管理コンピュータ11の栽培計画管理部14は、土壌成分解析部13で求められた必要成分の決定84の内容と、その土地の年間気温、降雨量などの気象データとに基づき、決定された最適作柄における播種あるいは苗床作りの開始時期、収穫時期までの一連の作物毎の情報などから、生産農家20に応じた栽培計画を策定する。そして、策定された栽培計画から、播種時およびそれ以降の追肥時期での必要肥料成分を算出し、施肥計画を策定する。栽培計画管理部14は、策定された施肥計画・栽培計画104の情報を、生産農家20の有するパソコン21に送信する。施肥計画・栽培計画104の情報は、生産農家表示手段25によってパソコン21の画面上に表示される。これは、図2において、生産農家施肥計画85が生産農家20に提示されることを示している。

【0078】
表1に最適作柄の例を示す。生産農家20には、推薦作柄結果表示82として、作物種、品種、栽培方法等が異なる複数の作柄が提示されるが、それらの作柄毎に表1に示すような項目の情報が含まれている。ここでは、決定した最適作柄が表1の作柄であるものとした場合の堆肥配合処方について説明する。

上記記載によると、引用文献2には、
「生産農家のコンピュータとインターネットで結ばれた管理コンピュータであって(【0044】)、
蓄積情報として、年次更新された生産農家の地域の年間気象情報、各種作物の市場価格情報、各種作物の栽培情報とを蓄積し(【0047】)、
生産農家のコンピュータから、農地環境情報および農業技術情報を収集し(【0044】)、
前記農地環境情報は、農地の広さ・場所などのロケーション情報、水利情報などであり(【0049】)、
作柄検索部は、前記蓄積情報と、生産農家から受信した農地環境情報および農業技術情報要素を掛け合わせ、生産農家に応じた1つ以上の推薦作柄を選出し、推薦作柄結果として生産農家の有するパソコンに送信する、(【0048】)
管理コンピュータ。」(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。

3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係る圃場システム100の概要説明を示す図である。
図1に示すように、圃場システム100は、畑等の圃場Hに設置された圃場情報取得装置1が通信ネットワーク3を介して圃場サーバ5に接続されている。また、通信ネットワーク3には、PC(Personal computer)や、携帯電話機等の端末7が接続されている。
【0019】
圃場情報取得装置1は、例えば、畑等の圃場Hの縁部に設置される。矩形の圃場Hに関して、図1に示すように対角線上の縁部に2台の圃場情報取得装置1を設置する。圃場情報取得装置1からの圃場情報等のデータは、例えば、無線により通信ネットワーク3を介して圃場サーバ5に送信される。
通信ネットワーク3は、例えば、インターネット回線を示す。
圃場サーバ5は、圃場情報取得装置1から送信された圃場情報等のデータを受信して蓄積する。また、端末7からの要求に応じて、蓄積されたデータから必要な情報を抽出し、端末7に表示する。
端末7は、圃場Hで作物等を生育するユーザにより操作される。ユーザは、端末7を用いて圃場情報を参照しながら、圃場Hの適切な状態を保持して農作物の生育を行うことができる。
【0020】
次に、圃場情報取得装置1の外観構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る圃場情報取得装置1の外観を示す図である。
圃場情報取得装置1は、制御回路等を格納した本体部10と、本体部10の下側に本体部10を支えるように接合され、圃場Hの土壌に下方を埋めて直立させる脚部11と、その他の部品とから構成される。その他の部品とは、本体部10に接続され、圃場Hの土壌に差込み可能な湿温度センサ12、本体部10に接続され、農作物等の養分等を測定可能な生体電位センサ13、圃場Hを広域的に計測するEC(電気導電率)センサ14、本体部10の上面に備えた照度センサ15の各センサ(検出部)と、本体部10に接続され圃場を撮影するカメラ16(撮影部)と、脚部11を支える折り畳み可能な補助脚部17とをいう。
なお、脚部11による自立を補助する折り畳み可能な補助脚部17を備えるので、圃場Hに立てて設置することができる。
【0021】
湿温度センサ12は、圃場Hの空中にある場合には、大気湿度や温度を計測し、圃場Hの地中にある場合には、地湿や地温を計測する。生体電位センサ13は、プラスとマイナスの電極を農作物に挿すことで、電位差により養分の動きを計測する。ECセンサ14は、主に地中の窒素成分の濃度を計測する。照度センサ15は、明るさと日照時間とを計測する。
なお、カメラ16は、本体部10から外付けに設置することで、ユーザの様々なニーズに対応することができる。例えば、農作物を撮影して害虫を監視したり、圃場Hの全体を撮影して農作業をする者を監視したりすることができる。

【0025】
次に、ステップS13では、各種のセンサ(湿温度センサ12から照度センサ15)から圃場情報を検出する。ここで、圃場情報とは、圃場Hの大気温度や湿度(大気に関する情報)、風速や風向(風に関する情報)、圃場Hの地中の温度や湿度、窒素濃度(土壌に関する情報)等の圃場に関する情報をいう。ステップS14では、カメラ16により圃場を撮影し、画像を得る。ここで、カメラ16は、定期的に向きを変更しても、端末7によるリモートでの操作により向きを変更できるものとしても、固定でもよい。
ステップS15では、圃場サーバ5に、ステップS13で検出した圃場情報及びステップS14で取得した画像を送信する。送信する際には、例えば、送信データのヘッダ部に圃場情報取得装置1を特定する装置名及びデータを検出した日時を付加して、送信元の情報が分かるように送信する。ステップS16では、送信が終了したか否かを判断する。送信が終了した場合(ステップS16:YES)には、ステップS17にてセンサ等への電力の供給を終了し、各種のセンサを検出不可の状態とし、カメラ16を撮影不可の状態とする。送信が終了していない場合(ステップS16:NO)には、送信が終了するまで送信処理を行う。

以上の記載によると、引用文献3には、
「圃場サーバと畑等の圃場Hに設置された圃場情報取得装置とユーザの端末とが通信ネットワークを介して接続された圃場システムであって(図1、【0018】、【0019】)、
圃場サーバは、圃場情報取得装置から送信されたデータを蓄積し、蓄積されたデータから必要な情報をユーザの端末に表示し(【0019】)、
圃場情報取得装置は、湿温度センサ、生体電位センサ、EC(電気導電率)センサ、照度センサの各センサを備え(【0020】)、
湿温度センサは、圃場Hの空中にある場合には、大気湿度や温度を計測し、圃場Hの地中にある場合には、地湿や地温を計測し、生体電位センサは、プラスとマイナスの電極を農作物に挿すことで、電位差により養分の動きを計測し、EC(電気導電率)センサは、主に地中の窒素成分の濃度を計測し、照度センサは、明るさと日照時間とを計測し(【0021】)、
各センサで計測した圃場情報は、圃場情報取得装置から圃場サーバに送信される(【0025】)、
圃場システム。」(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

4 引用文献4
原査定において、拒絶査定時に引用された引用文献4には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業従事者の所有する各農地について、農地の最適化を図るために農業技術に関する最適なアドバイスを提供する農業ビジネス支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農地の最適化を図るために、肥料や農薬を投入する時期、場所並びに投入する量を決定するのは、気象、土壌等の環境が各農地ごとに異なっているので、農業技術者の長年の個人的な経験に基づいて行われるのが一般的であった。
【0003】農業従事者等の顧客を対象として、市販されているものに可搬式の土壌養分動態計測システムがある。このシステムは、農業従事者の所有する農地に設置され、その農地における気象データや土壌に関するデータを収集して遠隔地にいる農業従事者に送信する。この気象データを収集する手段としては、例えば、風向、風速、日射、気温、温度、雨量等を測定するセンサが使用されている。また、土壌に関するデータを収集する手段としては、土壌のpH(酸性度またはアルカリ度)、pF(保水性)、導電度、土中温度等を測定する土壌埋設センサが使用されている。さらに、そのデータを送信する通信方式として、携帯電話、PHSまたは特定小電力無線等の移動体通信無線が使用されている。電力供給は、ソーラパネルを使用して行われている。上記センサからのデータは所定のインターバルで収集されてデータロガー部において記録され、モデムを経て移動体通信無線を介して農業従事者に送信される。農業従事者は、送信されたデータに基づいて、肥料、水、農薬等の投入時期を決定したり、霜等の気象の変化に対して適当な予防措置を講ずるようになっている。
【0004】また、各農地に設置された極小センサを無線でインターネットに接続して、遠隔地からのデータ収集と直接の操作を可能とする監視システムがある。このシステムは、収集したデータから霧の発生や病気の発生を予測して警告するものであり、農業従事者は、それらの警告に応じて適当な予防措置を講じるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記システムは、いずれも、各農地について気象データを提供したり、霧の発生や病気の発生の情報を提供するものであって、それらのデータを一括して管理して或いは他のデータと組み合わせて大きなデータベースを構築し、それらを分析して、従来個人的な経験に基づいていた肥料や農薬の投入時期、場所並びに投入量の決定等の具体的なアドバイスを与えるものではない。
【0006】本発明は、農業従事者へ各農地に関するデータを提供するだけでなく、各農地について農地最適化提案等の農業技術に関する具体的なアドバイスを提供することを目的とする。

【0011】
【発明の実施の形態】図1に本発明の農業ビジネス支援システムの概要が示されている。図1において、1、2、3はそれぞれ、農地A、B、Cに設置された遠隔端末測定器である。遠隔端末測定器1、2、3は、それぞれ、図2に示されているように、本体4と、その本体4に外付けされた電源5及び測定センサ6とで構成される。電源5は、用途に応じバッテリー或いは太陽電池が利用可能である。測定センサ6は、土壌管理に必要且つ定期的観測の要望のある土中温度、土中湿度、電気伝導度、pH、還元度の基本的測定項目を測定するセンサ7、8、9、10及び11と、それ以外の測定項目を測定するセンサ12を含む。この測定項目としては、液温(水温)、水位、風向き、風速、気圧、気温、日射、光合成、雨雪量、蒸発量、積雪深さ、温度、湿度、葉の水分及び土壌の養分等がある。
【0012】本体4には、携帯電話、PHS、特定小電力無線等の移動体無線通信機、データロガー及びGPS(Global Positioning System)が内蔵されている。移動体無線通信機は、測定センサ6から取得したデータを、図1に示すように、移動体無線通信網13及び公衆電話交換網(PSTN)14を介してデータ管理センター15に送信するものである。データロガーは、時間の経過にしたがって、測定したデータを記録するものである。また、GPSは、農地の正確な位置を測定し、高精度且つ詳細な農地単位のデータのばらつきを記録するためのものである。
【0013】図1に示されるように、データ管理センター15には、農地別測定データベース16、気象観測データ17及び農家別個人データベース18の4つのデータベースが構築されている。農地別測定データベース16には、上記測定センサから取得されたデータが保存される。気象観測データベース17には、気温、風、降水量、日照時間、気温変化量等のアメダス情報が保存される。農家別個人データベース18には、名前、住所、世帯数、保有農地面積、連絡先、栽培作物等が保存される。地域データベース19には、3次元地図データが保存される。
【0014】上記データベースの構築は、基本的には、上記4つのデータベースを大分類とし、中分類として地域毎(関東、関西、東北等)に分類し、さらに小分類として、各県毎(埼玉、千葉等)に分類し、最小分類として、各個人別に分類するように行われる。
【0015】データ管理センター15は、ホームページ20を開設し、保存したデータの情報を提供する。顧客21は、パソコン、携帯電話等を使用して、インターネット22を介してそのホームページ20にアクセスしてその保存データを閲覧したりダウンロードすることができる。顧客21は、本発明の農業ビジネスシステムによるサービスを受ける法人、事業体、個人であり、一般に、農業に従事している農家または農協等である。上記保存データは、要望に応じて、特定の農家または農協へファクシミリを介して送信される。

以上の記載によると、引用文献4には、
「農地A、B、Cに設置された遠隔測定器1、2、3とデータ管理センター15とからなる農業ビジネス支援システムであって(図1、【0011】)、
遠隔測定器1、2、3は、それぞれ、測定センサを有し、当該測定センサは、土壌管理に必要且つ定期的観測の要望のある土中温度、土中湿度、電気伝導度、pH、還元度の基本的測定項目を測定するセンサ7、8、9、10及び11と、液温(水温)、水位、風向き、風速、気圧、気温、日射、光合成、雨雪量、蒸発量、積雪深さ、温度、湿度、葉の水分及び土壌の養分等を測定するセンサ12を含み(【0011】)、
遠隔測定器は、測定センサ6から取得したデータを、移動体無線通信網13及び公衆電話交換網(PSTN)14を介してデータ管理センター15に送信し(【0012】)、
データ管理センター15には、農地別測定データベース16、気象観測データ17及び農家別個人データベース18の4つのデータベースが構築され、農地別測定データベース16には、上記測定センサから取得されたデータが保存され(【0013】)、
データ管理センター15は、ホームページ20を開設し、保存したデータの情報を提供し、
顧客21は、パソコン、携帯電話等を使用して、インターネット22を介してそのホームページ20にアクセスしてその保存データを閲覧したりダウンロードすることができる(【0015】)、
農業ビジネス支援システム。」(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。
5 引用文献3及び引用文献4に記載された周知技術
引用文献3記載事項及び引用文献4記載事項から、次のとおりの周知技術を認定できる。
「農業支援システムにおいて、ユーザ端末とは別の端末から、農地の測定データを取得すること」(以下、「引用文献3、4周知技術」という。)
なお、拒絶査定において新たに引用された引用文献4は、ユーザ端末とは別のデータ端末から農地の測定データを取得することが周知技術であることを示したものであって、原査定で通知された拒絶理由において、本願の請求項3に記載された「前記農地情報の1以上を、前記農地管理サーバに通信可能に接続されたデータ端末から一定時間ごとに取得する」について、引用文献3が引用されており、引用文献4は、引用文献3と同様に、ユーザ端末とは別の端末から、農地の測定データを取得することが周知技術であることを示す文献として引用されたものであり、新たな副引用文献として引用されたものではない。

第5 対比
本願発明と、引用発明とを対比する。
1 引用発明の「作物の作付計画の立案作業を支援するコンピュータである作付支援装置」は、「対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索する」ものであり、検索した結果を出力することは明らかであるから、本願発明の「農地における栽培に好適な作物または作物の栽培に好適な農地を出力する農地管理サーバ」とは、いずれも、「作物の栽培に好適な農地を出力する農地管理コンピュータ」である点で共通する。
2 引用発明の「圃場ID、圃場名、地形、日照、土性、排水能力および耕運難度のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、圃場特性データがレコードとして記憶され」る「圃場特性マスタ」は、「農地の1以上の農地情報」を記憶するものであり、各フィールドに情報を設定するから、各フィールドの情報は、入力手段等の何らかの手段により取得されるものである。よって、引用発明の「圃場特性マスタ」において、「圃場ID、圃場名、地形、日照、土性、排水能力および耕運難度のフィールド」に「情報を設定する」手段は、本願発明の「農地の1以上の農地情報を取得する農地情報取得手段」に相当する。
3 引用発明の「『品目、品種、作型』の組み合わせごとに予め作成され、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、対象作物の作付けに適しているほど高い点数を記憶した点数マスタ」は、作物の作付けに適した条件を記憶するものであるから、作物の好適栽培条件を記憶したものといえ、また、予め作成されるから、入力手段等の何らかの手段により取得されるものである。よって、引用発明の「『品目、品種、作型』の組み合わせごとに予め作成され、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、対象作物の作付けに適しているほど高い点数を記憶した点数マスタ」は、本願発明の「作物の好適栽培条件」に相当し、引用発明は、本願発明の「作物の好適栽培条件を取得する栽培条件取得手段」に相当する構成を有している。
4 引用発明の「圃場特性マスタの圃場Fiの特性」は、本願発明の「農地情報」に相当する。
また、「圃場Fiと対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出」するためには、「圃場特性マスタの圃場Fiの特性」と作物の好適栽培条件との比較を行っていることは明らかである。
また、引用発明の「指標値」は、「対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに」「点数を記憶した点数マスタを参照して、圃場Fiの属性Ajごとの点数を加算」したものであるから、本願発明の「農地と作物を関連付けた点数」に相当するものである。
よって、引用発明の「圃場特性マスタの圃場Fiの特性に基づいて、圃場Fiと適地判定マスタから特定される対象作物の品目、品種、作型の作付けに適した圃場との適合度合いを示す指標値を算出する」「算出部」は、本願発明の「前記農地情報及び前記作物の好適栽培条件との比較に基づいて、前記農地と前記作物を関連付けた点数を算出する算出手段」に相当する。
5 引用発明の「作物条件を入力するボックス510と、適地条件を入力する入力するボックス520とを含む条件入力画面を有し、ボックス510は、対象作物の品種、作型、作付期間、目標収量とをそれぞれ入力するボックスを有し、ボックス520は、対象作物の作付けに適した圃場の地形、日照状態、土性、排水能力、耕運難度とをそれぞれ入力するボックス」は、目的の作物の栽培に好適な農地に関する条件を入力するものであり、入力された作物条件および適地条件は、受付部により受け付けられるから、引用発明の「作物条件を入力するボックス510と、適地条件を入力する入力するボックス520とを含む条件入力画面を有し、ボックス510は、対象作物の品種、作型、作付期間、目標収量とをそれぞれ入力するボックスを有し、ボックス520は、対象作物の作付けに適した圃場の地形、日照状態、土性、排水能力、耕運難度とをそれぞれ入力するボックスを有し、」「作物条件および適地条件」が受け付けられる「受付部」と、本願発明の「目的の農地における栽培に好適な作物または目的の作物の栽培に好適な農地に関する要求を受け付ける要求受付手段」とは、いずれも、「目的の作物の栽培に好適な農地に関する要求を受け付ける要求受付手段」である点で共通する。
6 引用発明の「検索部」は、「評価結果テーブルを参照して、評価点フィールドに閾値X以上の評価点が設定されている圃場を検索することにより、対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索する」ものであり、検索結果を出力することは明らかである。よって、「評価結果テーブルを参照して、評価点フィールドに閾値X以上の評価点が設定されている圃場を検索することにより、対象作物の作付けに適した圃場との適合度合いが規定値以上の圃場を検索する」「検索部」と、本願発明の「前記要求が前記目的の農地における栽培に好適な作物の要求である場合、該目的の農地に対する前記点数が所定条件を満たす作物を出力し、前記要求が前記目的の作物の栽培に好適な農地の要求である場合、該目的の作物に対する前記点数が所定条件を満たす農地を出力する出力手段」とは、いずれも、「前記要求が前記目的の作物の栽培に好適な農地の要求である場合、該目的の作物に対する前記点数が所定条件を満たす農地を出力する出力手段」である点で共通する。
7 以上、1?6によると、本願発明と引用発明との一致点・相違点は、次のとおりである。
[一致点]
作物の栽培に好適な農地を出力する農地管理コンピュータであって、
前記農地管理コンピュータは、
農地の1以上の農地情報を取得する農地情報取得手段と、
作物の好適栽培条件を取得する栽培条件取得手段と、
前記農地情報及び前記作物の好適栽培条件との比較に基づいて、前記農地と前記作物を関連づけた点数を算出する算出手段と、
目的の作物の栽培に好適な農地に関する要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求が前記目的の作物の栽培に好適な農地の要求である場合、該目的の作物に対する前記点数が所定条件を満たす農地を出力する出力手段と、
を備える、
農地管理コンピュータ。
[相違点1]
「農地管理コンピュータ」が、本願発明では「農地管理サーバ」であるのに対し、引用発明では、ネットワークを介して他のコンピュータに接続されるものの、ユーザのパソコン等のコンピュータであり、サーバではない点。
[相違点2]
本願発明は、「農地管理コンピュータ」が「作物の栽培に好適な農地を出力する」ことに加えて、「農地における栽培に好適な作物」を出力するものであり、そのため、「要求受付手段」が「目的の作物の栽培に好適な農地」に関する要求の受け付けることに加えて、「目的の農地における栽培に好適な作物に関する要求」を受け付け、「出力手段」が「目的の作物に対する点数が所定条件を満たす農地」を出力することに加えて、「前記要求が前記目的の農地における栽培に好適な作物の要求である場合、該目的の農地に対する前記点数が所定条件を満たす作物」を出力するのに対し、引用発明では、農地における栽培に好適な作物を出力するものではない点。
[相違点3]
本願発明では、「農地情報および/または作物の好適栽培条件は、データ端末から送信され、要求は、データ端末とは異なるユーザ端末から送信される」のに対し、引用発明では、そうではない点。

第6 当審の判断
1 [相違点1]について
引用発明において、どのような構成のコンピュータで作付支援装置を実現するかは、当業者が適宜選択する事項であり、ユーザ端末とサーバとからなるコンピュータの構成は周知であるから、引用発明の作付支援装置のコンピュータをユーザ端末からアクセスされるサーバで実現することは当業者が容易に想到し得た事項である。
2 [相違点2]について
引用発明2は、農地の広さ・場所などのロケーション情報、水利情報などの農地環境情報と、年次更新された生産農家の地域の年間気象情報、各種作物の市場価格情報、各種作物の栽培情報などの蓄積情報とから、作柄検索部が、生産農家に応じた推薦作柄を選出するものである。
ここで、引用文献1においては、従来技術として、「作物の市場価格情報、作物の栽培情報、農作物生産者の農地が所在する地域の年間の気象情報などに基づいて、農地に適した作物を提示する技術がある(例えば、下記特許文献3参照。)」(段落【0003】)、「【特許文献3】特開2005-80514号公報」(段落【0004】)と、引用文献2を挙げており、引用発明は、点在する数多くの圃場の、どの圃場に作付けすれば、出荷日までに目標収量を確保できるという課題を解決するためのものである(引用文献1の段落【0005】)。
そうすると、農地に適した作物を提示するということは従来技術であり、引用文献1の従来技術として引用文献2が挙げられていることから、引用発明に従来技術である引用発明2を組み合わせて、作物の栽培に好適な農地を出力する機能に加えて、農地に適した作物を出力する機能を設けることに格別の困難性はなく、そのため、「要求受付手段」及び「出力手段」のそれぞれに、農地に適した作物の要求を受け付け、農地に適した作物の出力を行わせるようにし、相違点2に係る構成を得ることは当業者が容易に想到し得た事項である。
3 [相違点3]について
引用発明の「圃場特性マスタ」は、本願発明の「農地の1以上の農地情報」に相当するものであり、引用発明の「『品目、品種、作型』の組み合わせごとに予め作成され、対象作物の作付けに適した圃場の条件を示す属性Ajごとに、対象作物の作付けに適しているほど高い点数を記憶した点数マスタ」は、本願発明の「作物の好適栽培条件」に相当するものであるが、引用発明では、これらの条件を具体的にどのように取得するのかは明らかでない。これらの条件の取得にあたり、ユーザが入力する、既存の情報を取得する、測定されたデータを取得するなどが考えられ、どのように取得するかは周知の取得手段から当業者が適宜決定する事項である。そして、ユーザ端末とは別の端末から、農地の測定データを取得することは、引用文献3、4周知技術のように周知技術であるから、引用発明において、「農地の1以上の農地情報および/または作物の好適栽培条件」の取得をユーザ端末とは異なるデータ端末から取得する構成とし、相違点3に係る構成を得ることは当業者が容易に想到し得た事項である。
4 作用効果について
請求人は、請求項1にかかるサーバは、農地情報および/または作物の好適栽培条件はデータ端末から得て、要求はデータ端末と異なるユーザ端末から得ることによって、農地や作物とは関係がない第三者であっても、ある作物の栽培に適した農地、又はある農地における栽培に適した作物を簡便に予測できるようになるという、引用文献1とは異なる課題が解決され、引用文献1には記載のない効果を奏すると主張する。
以下に、請求人の上記主張を検討する。
本願明細書には、農地情報の取得及び作物の好適栽培条件の取得について、以下のとおり記載されている。
「【0036】
農地特定情報は、農地を特定することができる、農地に固有の情報であれば特に制限されないが、緯度経度や住所などの位置情報や、農地の所有者が例として挙げられる。農地特定情報は、農地の所有者や管理者などのユーザがユーザ端末201に入力してよく、入力した農地特定情報は、ネットワークNを介してサーバSに送信され農地情報取得部11が取得する。
【0037】
農地の性質情報とは、作物の栽培条件に関する、農地の物理的及び/又は化学的性質であれば限定されない。更に、農地において栽培されたことのある作物、その栽培された年、栽培されたことのある作物の後作に不適な作物、という情報に例示される、栽培履歴情報も含まれる。農地の性質情報は、農地情報取得部11が各情報を公開するデータベースから定期的に取得してもよいし、その農地の利用者や過去の利用者などのユーザが、ユーザ端末201に情報を入力し、ネットワークNを介してサーバSに送信し、農地情報取得部11が取得してもよい。農地の性質情報が知られていない場合、農地の所有者や管理者などのユーザが、公知の任意の方法で調査又は測定し、得られた情報をユーザ端末201に入力し、ネットワークNを介して農地情報取得部11が取得してもよい。
【0038】
農地情報取得部11は、農地の性質情報を農地ごとに記憶部3に記憶させてもよい。農地特定情報によって特定される農地それぞれについて、その農地の性質情報を記憶させることによって、農地特定情報を指定すれば、その農地の性質情報を読み出すことができるようになる。
【0039】
また、記憶させた農地情報は、適宜更新されてもよい。例えば、新しい情報は、ユーザがユーザ端末201に入力したものを、ネットワークNを介して情報取得部1が取得し、記憶部3に記憶させてもよい。または、農地の性質情報の更新は、外部データ端末101から、定期的に情報取得部1が取得することで行ってもよい。外部データ端末101からの情報取得は、手動で行ってもよいし、任意に設定した間隔で自動的に行ってもよい。データ端末101から取得する情報の更新頻度は、どのような情報かに応じて任意に設定できる。例えば、水質など頻繁に更新されると考えられるものと、月平均気温など頻繁には更新されないと考えられるものとでは、異なる頻度で情報を更新してもよい。」
「【0067】
(1-2)栽培条件取得部12
栽培条件取得部12は、各作物の栽培に好適な条件(以下、好適栽培条件と称する)を取得する。作物の好適栽培条件は、栽培条件取得部12が、各情報を公開するデータベースから取得してもよいし、ユーザが、データベースや統計書等に記載の情報を、ユーザ端末201からネットワークNを介してサーバSに送信し、それを栽培条件取得部12が取得してもよい。
【0068】
栽培条件取得部12は、作物の好適栽培条件を作物ごとに記憶部3に記憶させてもよい。作物名によって特定される作物それぞれについて、その作物の好適栽培条件を記憶させることによって、作物を指定すれば、その作物の好適栽培条件を読み出すことができる。
【0069】
また、記憶された好適栽培条件は、更新されてもよい。例えば、新しい情報は、情報取得部1が外部データ端末101からネットワークNを介して定期的に取得してもよいし、ユーザがユーザ端末201からネットワークNを介して送信した情報を、情報取得部1が取得し、記憶部3に記憶させてもよい。」
以上、本願明細書の記載によると、「1以上の農地の農地情報の取得」及び「作物の好適栽培条件の取得」は、ユーザがユーザ端末から入力しても、公開されたデータベースから取得しても、外部データ端末から取得してもよいものである。
そして、本願発明の「農地情報および/または作物の好適栽培条件はデータ端末から得て、要求はデータ端末と異なるユーザ端末から得る」との構成について、明細書に記載された作用効果は、「更新される情報を更新できる」(段落【0036】)、「新しい情報を取得できる」(段落【0069】)というものである。
ここで、引用文献3、4周知技術における、ユーザ端末とは別の、農地に設置された遠隔装置から農地の測定データを取得する構成により、「所定の時間ごとに圃場情報を検出するので、圃場サーバ5では、定期的に圃場情報を収集することができる。」(引用文献3の段落【0026】)、「農業従事者の所有する農地に設置され、その農地における気象データや土壌に関するデータを収集して遠隔地にいる農業従事者に送信する」(引用文献4の段落【0003】)という、ユーザとは離れた遠隔地から最新の情報が得られるという作用効果を奏するものである。
よって、本願明細書の段落【0036】、【0069】に記載された、「更新される情報を更新できる」、「新しい情報を取得できる」という作用効果は、引用文献3、4周知技術から当業者が予測し得るものである。
そして、請求人の主張する「農地や作物とは関係がない第三者であっても、ある作物の栽培に適した農地、又はある農地における栽培に適した作物を簡便に予測できるようになる」という効果は、本願発明の構成要件である「農地情報および/または作物の好適栽培条件はデータ端末から得て、要求はデータ端末と異なるユーザ端末から得る」という構成に基づかないものであり、明細書の記載にも基づかないものである。
したがって、本願発明の作用効果は、引用発明、引用発明2及び引用文献3、4周知技術から当業者が予測し得る範囲を超えるものではない。
5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用発明2及び引用文献3、4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用発明2及び引用文献3、4周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-06-10 
結審通知日 2021-06-15 
審決日 2021-06-30 
出願番号 特願2015-197816(P2015-197816)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原 忠  
特許庁審判長 佐藤 聡史
特許庁審判官 高瀬 勤
相崎 裕恒
発明の名称 農地管理サーバ、農地管理方法、農地管理プログラム及びコンピュータ可読記憶媒体  
代理人 一色国際特許業務法人  
代理人 一色国際特許業務法人  
代理人 一色国際特許業務法人  
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