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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1377436
審判番号 不服2020-7286  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-28 
確定日 2021-08-24 
事件の表示 特願2018- 6843「電気流路、該電気流路を含む電子デバイス及び導電体、並びに該導電体を含む回路」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 6月14日出願公開、特開2018- 93213〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年4月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理平成23年4月14日、南アフリカ共和国)を国際出願日とする出願(特願2014-504436号)の一部を、平成30年1月19日に特許法第44条第1項の規定による新たな特許出願としたものであって、同年2月2日付けで手続補正がされるとともに上申書が提出され、同年2月14日付けで手続補正がされ、平成31年3月19日付けで拒絶理由通知がされ、令和1年8月26日付けで意見書が提出され、令和2年1月16日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、同年6月24日付けで手続補正書(方式)が提出され、審判請求書の請求の理由が補正がされ、同年6月25日付けで手続補正書(方式)が提出され、審判請求書の請求の理由が補正がされるとともに、上申書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?11に係る発明は、令和2年5月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される発明であり、そのうち請求項1?11に係る発明(以下、順にそれぞれ「本願発明1」?「本願発明11」という。)は、次のとおりのものである。
なお、下線部は補正箇所であり、令和2年5月28日付けの手続補正で、請求項1に係る発明は補正されていない。

「【請求項1】
n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路であって、
上記電荷は、上記基材の表面および上記基材内の表面付近の位置に注入された原子からなる高密度のドナーの電子放出に起因して生じたものであり、
該電気流路の少なくとも一部が基材材料からなる本体から形成されていて、上記基材材料の少なくとも一部は、表面と、この表面以下の位置に注入された原子と、を有するドープ部分であり、
上記表面の少なくとも一部に、抵抗率が2×10^(-8)Ω・mよりも小さい該電気流路の低抵抗セクションを有し、
該電気流路の少なくとも一部が上記表面の少なくとも一部に沿って延在し、
上記基材材料は、ダイヤモンド、グラフェン、グラフェンを主成分とする材料、ポリマ、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウムおよびβ-アルミナからなる群から選択された電子親和力の小さいものであり、
上記基材材料の表面よりも外側に該表面に沿って側方導通が生じていることを特徴とする電気流路。
【請求項2】
上記基材材料からなる本体が電子的構成要素の一部であり、
該電気流路を含む回路および上記電子的構成要素が、電子デバイスの一部であることを特徴とする請求項1に記載の電気流路。
【請求項3】
上記電子的構成要素の残部は、コネクタを介して上記流路に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電気流路。
【請求項4】
上記電気流路の低抵抗セクションの抵抗率が5×10^(-13)Ω・mよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電気流路。
【請求項5】
注入された原子は、酸素、水素、リチウム、窒素、フッ素、クロム、硫黄、リン、ヒ素およびこれらの混合物から選択されたものであることを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の電気流路。
【請求項6】
注入された原子のうちの少なくともいくつかは、上記基材の表面から0.1Å?5000Åだけ深い位置にあることを特徴とする請求項1?5のいずれかに記載の電気流路。
【請求項7】
注入された原子の密度は、10^(17)個/cm^(3)?10^(23)個/cm^(3)であることを特徴とする請求項1?6のいずれかに記載の電気流路。
【請求項8】
請求項1に記載の電気流路を有する導電体。
【請求項9】
上記基材は、該基材を貫通している通路を有し、この通路の周囲に上記電気流路が延在していることを特徴とする請求項8に記載の導電体。
【請求項10】
請求項9に記載の導電体を含む回路。
【請求項11】
請求項1に記載の電気流路を含む電子デバイス。」

第3 原査定の拒絶の理由
拒絶査定の理由である、平成31年3月19日付け拒絶理由通知の理由は、概略、次のとおりのものである。

1 理由1(実施可能要件)
この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

・請求項1?13についての発明の詳細な説明
本願の請求項1、2には「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路であって」と記載されている。
他方、本願明細書の発明の詳細な説明には、例えば「出願人はこの度、後者の処理の際にダイヤモンドの表面が黒鉛化することを防ぐための焼きなましをしているときに、(表面よりも低い位置および表面付近で)注入酸素イオンの密度を非常に高い値まで増加させると、ついには側方導通が始まることを見出した(科学論文等で報告されている理論とは矛盾するかもしれないが)。非常に高いイオン密度においては、酸素プラズマ処理をしても側方導通を失活させず、現実に導通を生じさせるようである。続いての実験は、この側方導通がダイヤモンドの表面上かつ外側で生じることを示している。このことは、表面に結合されていた(この態様で該表面に跨る双極子層を形成する)電子のいくつかが自由電子となって、ダイヤモンドの表面上かつ外側で側面に沿った電流が流れることを示唆している。」(段落0006)等の記載がされている。
しかしながら、本願の原出願の優先日当時の技術常識からすると、ダイヤモンドの表面に非常に高い密度で酸素プラズマ処理をしても、n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるようにn型基材の材料の表面よりも外側に自由電子が存在するようになるとはいえない。
したがって、本願明細書の発明の詳細な説明には、n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、n型基材の材料の表面よりも外側に自由電子を存在させるための具体的な手段が記載されているものとは認められない。
よって、本願明細書の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1?13に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものとはいえない。

第4 当審の判断
1 理由1(実施可能要件)について
(1)判断の前提
特許法第36条第4項は、「前項第三号の発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。」と規定され、同項第1号において、「経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。」と規定している。
同号のうち、「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること」は、実施可能要件を規定したものであって、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等をする必要がなく、当業者が、明細書及び図面に記載された発明の実施についての説明と出願時の技術常識とに基づいて、請求項に係る発明を実施しようとした場合に、どのように実施するかを理解できるように、発明の詳細な説明が記載されていなければならない。
そして、物の発明については、実施をすることができるとは、その物を作れ、かつ、その物を使用できることであるから、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識に基づき、当業者がその物を作ることができる場合を除き、当業者がその物を作れ、かつ、その物を使用できることが可能となるように、発明の詳細な説明に、作り方が具体的に記載されていなければならない。

よって、以下、この観点に立って、実施可能要件について検討する。

(2)発明の詳細な説明の記載内容
発明の詳細な説明には、次の内容が記載されている。(下線は、合議体が付加した。)
ア 背景技術
「【0002】
出願人がこれまで提示したことによれば、酸素プラズマを使用してダイヤモンドに低エネルギ・イオン注入を行うと、ダイヤモンドのごく表面付近および表面よりも低い位置に高密度の電子ドナー・サイトが生じ、ダイヤモンドの表面とアノードとの間の電界(電場)によってそのようなダイヤモンドから電子が引き出され得る(国際出願PCT/IB02/03482号明細書)。図1に、実験装置の概略が示されている。出願人が見出したことは、臨界電圧よりも高くすると、(ダイヤモンド表面をアノードに接続する)ブラック(暗黒)ロッドが生じ、平衡電流が回路に流れたことである。常識に囚われない出願人の考えによれば、ダイヤモンド表面から垂直に電子が引き出されると、表面の真下にある正のドナー電荷と、これらの正電荷によって表面に強固に結合した外部の電子とによって構成される双極子が、表面を横切るように生じる。この双極子層の幅は、アノードを介して電圧をかけると増大し、ついには、外部に結合していた電子がアノードと接触するようになる。これにより、双極子の負の層を形成するように強固に結合していた外部の電子が解放される。すると、電流がダイヤモンド表面に対して垂直方向に流れて、ダイヤモンドから、外部に結合した複数の電子を通り過ぎるようにしてアノード内まで達する。」

イ 発明が解決しようとする課題
「【0004】
この態様で生成する相についての可能性のある電子的応用は、現時点では限られている。側方流動を有する低抵抗領域を、例えば電子チップ上につくり出せれば好ましい。従って、本発明の目的は、低抵抗の電気流路を生じさせ、この低抵抗の電気流路内で、外側の電子が、酸素ドープされたダイヤモンドなどの基材の表面に沿って自由に動けるようにすることである。理想的には、・・・
【0005】
ダイヤモンド基材の低エネルギ酸素イオン処理が、そのようなダイヤモンドの表面に沿ったすべての側方導通を全体的に失活させることは、ダイヤモンドに関する科学論文で認識されている。水素を使用しているときにのみ、側方導通が観察されるが、この導通は、ダイヤモンドの表面よりも低い位置で生じる。そればかりか、このような水素処理されたダイヤモンドが続いて酸素イオン処理を受けるとこの導通は失活し、やがて消滅する。すると、表面が横方向に沿って絶縁性を有するようになる。」

ウ 課題を解決するための手段
「【0006】
出願人はこの度、後者の処理の際にダイヤモンドの表面が黒鉛化することを防ぐための焼きなましをしているときに、(表面よりも低い位置および表面付近で)注入酸素イオンの密度を非常に高い値まで増加させると、ついには側方導通が始まることを見出した(科学論文等で報告されている理論とは矛盾するかもしれないが)。非常に高いイオン密度においては、酸素プラズマ処理をしても側方導通を失活させず、現実に導通を生じさせるようである。続いての実験は、この側方導通がダイヤモンドの表面上かつ外側で生じることを示している。このことは、表面に結合されていた(この態様で該表面に跨る双極子層を形成する)電子のいくつかが自由電子となって、ダイヤモンドの表面上かつ外側で側面に沿った電流が流れることを示唆している。これにより、極めて低い抵抗がつくり出され、ひいては、極めて低い抵抗率、純電子、および表面の外側の導電相が実現される。この相は、新規な電子デバイスの設計および製造に応用できる可能性がある。これらの相の抵抗率は、電子チップ上での接続用に一般に使用されている周知の金属その他の材料の抵抗率と比べてもずっと小さい。
【0007】
続いて見出したこととして、窒素イオンを使用する場合、また水素イオンを使用する場合にも、同様の導通が生み出され得る。後者を使用する場合、ダイヤモンドの表面下が最初に、低エネルギ炭素イオン注入によって前処理されれば、高密度の空格子サイトが生み出される。空孔を有する層が表面付近および表面よりも低い位置に生じている場合には、後者の目的を達成するために、種々の他のイオンも(電子さえも)使用され得る。続いての水素プラズマ処理後に得られる導通は、表面下だけではなく、この場合には、ダイヤモンドの外側で側面に沿って移動可能な自由電子によって生じる。表面の外側で側面に沿った導通を生じさせるために、表面下の空孔の存在が不可欠なことであると思われる。
【0008】
従って、本発明の第1の態様によれば、電気流路であって、電気流路の少なくとも一部が基材材料からなる本体によって形成されていて、基材材料の少なくとも一部が、表面と、表面以下の位置に注入された(埋め込まれた)原子と、を有するドープ部分であり、表面の少なくとも一部が電気流路における低抵抗セクションを画定していることを特徴とする電気流路が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、n型基材材料の表面の外側にある複数の電荷からなる側方の電気流路であって、複数の電荷は、表面上の外側電子軌道とは対照的に、基材材料の表面に沿って適用された電界の影響を受けて動くことができ、複数の電荷は、基材の表面および表面付近の位置にある基材内の高密度のドナー欠落によって生み出されていることを特徴とする側方の電気流路が提供される。
・・・
【0012】
基材材料は、電子親和力が小さい材料、例えば、ダイヤモンド、グラフェンないしグラフェンを主成分とする材料のような炭素基材料、ポリマ、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、β-アルミナなどの材料から選択され得る。炭素基材料が短い結合長さを有していることは、さらに高濃度のドーパントと高密度の空孔を可能にするので、炭素基材料が選択されることが好ましい。
【0013】
注入された原子は、酸素、水素、リチウム、窒素、フッ素、クロム、硫黄、リン、ヒ素およびこれらの同等物から選択されたものとされ得る。
・・・
【0015】
注入された原子の少なくともいくつかは、基材の表面から約0.1Å?約5000Åの深さに位置することが好ましい。注入された原子の密度は、約1017個/cm^(3)?10^(23)個/cm^(3)であることが好ましい。」

エ 発明を実施するための形態
「【0037】
図2は、注入済みダイヤモンド面を2つの接触点の位置まで降下させるのに使われる実験設備30を示しており、これら2つの接触点は、様々な接触点間距離Lを有するように調節され得る。実験設備は、ダイヤモンド基材32、スライド・ガラス34,36、金製の標的接触点38、および金製の注入用接触点40を含む。ギャップd(μm)は矢印42によって示されている。マイクロメータで調節されるギャップは、矢印44によって示されている。
【0038】
図5を参照すると、装置50において、金製の接触点が負に帯電し、これらの接触点の周りに長さΔLの高抵抗領域が発生する様子が示されている。図において、符号52はダイヤモンド基材を示し、矢印54は長さLを示し、符号56は注入用接触点を示し、符号58は標的接触点を示している。符号60は、ΔLを示し、符号65は、接触抵抗RCを概略的に示している。符号62は、外側の軌道を概略的に示し、符号64は、注入されたイオンを概略的に示している。
・・・
【0043】
例1
ダイヤモンドの表面の外側に自由電子を発生させ、ダイヤモンドの表面に沿った側方の電荷移動を生じさせるために、表面積が3.6×3.6mm^(2)の天然(高純度)IIa型ダイヤモンドの表面を、塩酸、過塩素酸および硫酸の沸騰溶液中で洗浄し、蒸留水で濯いだ。洗浄されたダイヤモンドを加熱し、プラズマ注入装置を使用して酸素イオンでのイオン注入によって酸素ドープを行った。注入された原子を表面付近に生じさせるために、ダイヤモンドを150Vの電位にバイアスした状態で、数多くの注入を行った。各注入は、約60秒間という短時間だけ行われた。各注入が実行される前に、ダイヤモンドが配置されたテーブルは400℃の温度にまで加熱されていた。各注入ステップが行われた後、ダイヤモンドは室温まで冷却され、真空システムから取り出された。距離Lだけ離間している2つの金めっき済み金属接触点間の電気抵抗は、その後ドープダイヤモンド面に接触点を押し付けることにより測定された。そして、印加電圧の関数としての電流を記録した。この結果を図3に示す。
【0044】
イオン線量の増加に伴い(図3においてx軸に注入時間として示されている)、累積のイオン線量は、導通を測定できる限度を超えてしまった。イオン線量の増加に伴って抵抗の大きさは急低下し、さらに高い飽和線量にしても、実験誤差の範囲内で同じ値であった。
【0045】
このプロセスは、様々なダイヤモンドを使って繰り返し行われた。測定された抵抗の大きさの値にはある程度のばらつきが見られたが、各実験における抵抗の大きさは、同じ大きさのイオンエネルギを使用した場合には、実験誤差の範囲内で同じ値に収まった。
・・・
【0047】
例3
例1のプロセスのバリエーションとして、比較的長いダイヤモンドが使用された。2つの接触点は、0.01mm?3.1mmの間の様々な離間距離Lとなるように配置された。実験設備は、図2に概略的に示されている。様々な距離Lについての抵抗の大きさを測定した。この結果を図4に示す。図から判るように、距離Lが0.01mm?3.1mmのときには、電流の平均値は、0.35mAよりも僅かに高かった。L=0.01mmのときの方が、L=3.1mmのときよりも(後者の距離の方が310倍長いが)電流が低かった。この結果が示唆していることは、すべてのLの値についての電流の大きさは、実験誤差の範囲内で同じであるということである。
【0048】
例4
比較的長い合成Ib型ダイヤモンドを使って例3のプロセスが繰り返し行われた。接触点に対しダイヤモンドを垂直に動かしたときの全抵抗の大きさが、マイクロメータの移動距離の関数として測定された。この精度は±0.2μmであった。ダイヤモンドの表面と接触点の表面とが平行となるように細心の注意が払われた。図7に、最小の接触点間距離L=0.01mmについて測定された接触点間の電流と、最大の接触点間距離L=3.1mmについて測定された接触点間の電流とが、垂直方向のマイクロメータの移動距離の関数として示されている。
【0049】
マイクロスイッチが起動する位置からマイクロメータが22.5μm移動するまでの間、圧力が低下しつつもダイヤモンドは接触点に触れたままであった。図7における垂直軸は、ダイヤモンドが接触点から離れるときの距離を示している。垂直軸の位置において、ダイヤモンドの表面と接触点表面との間の垂直方向距離dは0である。いずれの場合にも、ギャップ距離dがゼロよりも大きいときに電流が流れている。これは、外側の電子相が、ダイヤモンドの表面と接触点との間に存在することを示している。
・・・
【0051】
例5
ギャップLのないデバイスを製造するために即ちダイヤモンドと外側の電子層の上面上の単一の金属接触層との間に相を生じさせるために、非常に高い線量での連続的な高エネルギ炭素イオン注入によってダイヤモンド内にチャネルを生じさせた後、焼きなまして、塩酸、硫酸、過塩素酸の沸騰溶液中でのエッチングにより黒鉛化物質を取り除いた。チャネルの深さdは約1μm以上と推測された。そして、チャネル内に、非常に高い線量まで、適度に浅い酸素ドナーを注入することにより、チャネルの底部がn型導電性を有するようになった。チャネルの上面に金箔が配置され、該金箔の縁に沿って塗られた接着剤で所定の位置に固定された。このデバイスの概略を図8に示す。さまざまな実施例において、チャネルの底と金属の表面との間の距離は、約3Å?5Å程度から約100μmまでの間にあった。このチャネル内の抵抗を測定し、イオン注入ステップを省いていた同様のデバイスのチャネル内の抵抗と比較した。注入が行われたデバイスの抵抗の大きさの方がずっと小さく、測定装置の精度範囲内で実質的にゼロであった。
・・・
【0059】
すべての測定結果が示していることは、ダイヤモンド表面の外側に自由電荷があることにより上記の導通が生じ、ひいては、電気抵抗が無視し得るほど小さいということである。」

(3)実施可能要件の検討・判断
ア 本願発明1について
請求項1の記載からみて、本願発明1は、「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」であって、
[1]「上記電荷」について、「上記基材の表面および上記基材内の表面付近の位置に注入された原子からなる高密度のドナーの電子放出に起因して生じたもの」と特定されており、
[2]「該電気流路」の「少なくとも一部」について、「基材材料からなる本体から形成されていて、上記基材材料の少なくとも一部は、表面と、この表面以下の位置に注入された原子と、を有するドープ部分」であり、「上記表面の少なくとも一部に沿って延在し」と特定されており、
[3]「上記表面」について、「上記表面の少なくとも一部に、抵抗率が2×10^(-8)Ω・mよりも小さい該電気流路の低抵抗セクションを有し」、「上記基材材料の表面よりも外側に該表面に沿って側方導通が生じている」と特定されており、
[4]「上記基材材料」について、「ダイヤモンド、グラフェン、グラフェンを主成分とする材料、ポリマ、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウムおよびβ-アルミナからなる群から選択された電子親和力の小さいものであり」と特定されている。

したがって、本願発明1は、上記発明特定事項における[1]?[4]すべてを満たす、「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」である。

イ 検討・判断について
(ア)はじめに
上記「(1)判断の前提」をふまえると、発明の詳細な説明には、本願発明1の「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」の作り方が具体的に記載されているか、あるい、明細書及び図面の記載並びに原出願の優先日当時の技術常識に基づき、当業者が、本願発明1の「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」を作ることができるように、発明の詳細な説明が記載されていなければならない。

そして、上記(2)に摘記のように、明細書の発明の詳細な説明には、例1について、段落【0043】には、プラズマ注入装置を使用して酸素イオンでのイオン注入によって酸素ドープを行った旨が記載されているものの、発明の詳細な説明全体を精査しても、本願発明1の「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」の作り方は、具体的に記載されていない。

そこで、明細書及び図面の記載並びに原出願の優先日当時の技術常識に基づき、当業者が、本願発明1の「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」を作ることができるものであるかについて、以下において検討する。

(イ)原出願の優先日当時の技術常識について
以下において、プラズマイオン注入についての技術常識及び周知技術について、検討する。

a 例えば、下記の周知例1に記載されているように、プラズマイオン注入にはガスプラズマ、固体元素プラズマ及びそれら複合したものなどがあり、パルス電圧を印加した場合、基板表面付近のプラズマシースは変化する。

・周知例1:堀野 裕治、“プラズマイオン注入法を用いた複雑形状物の表面処理技術”、[online]、平成12年1月15日、[令和3年2月5日検索],インターネット、<URL:http://www.rada.or.jp/database/home4/normal/ht-docs/member/synopsis/010159.html>の記載

「プラズマイオン注入にはガスプラズマ、固体元素プラズマ及びそれら複合したものなどがある。ウイスコンシン大学によって開発されたのはガスプラズマ中のイオン引き出しで、ロスアラモス研究所(LANL)で強力に研究開発が進められた。固体元素イオンに関してはローレンスバークレイ研究所(LBL)で推進されており、固体の蒸発源を利用してパルスアークガンにより固体プラズマが引き出される(参考文献2)。図2(a)、(b)に示すように、プラズマイオン注入装置はプラズマ発生源、プラズマ中のイオンを引き出すパルス源、真空容器から構成される。
・・・
図3はパルス電圧を印加した場合の基板表面付近のプラズマシースの変化を示す。試料まわりのプラズマ中のイオンはプラズマシースのシース電圧によって加速され注入される。印加されるパルスの長さは通常数十μsである。パルス電圧を印可するとプラズマ中の電子は基板表面から遠くに追いやられ、イオンは質量が大きいのでほとんど動かずイオンのみが残る。数μs程度経過して電界が強くなると、イオンは基板表面の方向に加速される。イオンが基板に衝突すると、基板付近の電荷のバランスが崩れ、さらに電子はイオンと逆方向に加速され、シースの厚みは増加する。

プラズマイオン注入では、注入分布に特長がある。従来法によるイオン注入の場合、イオンはある深さをピークにしてほぼ正規分布する。一方、パルスイオンビームの場合は基板である被加工物の表面からほぼ一様に深さ方向にイオンが注入される。この理由は、パルス電圧波形が時間に依存し、イオンの加速電圧が時間とともに低い方から高い方に変化するからである。深さに一様に注入されることは、表面改質の立場からすると好都合で、従来のイオン注入で加速電圧を変化させて行う多重注入と同等である。」

b 周知例2に記載されているように、プラズマ源イオン注入(PSII)では、被注入試料にマイナスの高電圧パルスを印加し、瞬間的にプラズマ中のイオンを引っ張りこみ注入するもので、加速電圧は、試料に対してパルス的に印加される。PSIIによる表面処理の効果は、基本的にはプラズマとイオン注入との多重効果となり、理論的な側面からの予測は難しく、実験結果の積み重ねが必要である。


・周知例2:“アリオス株式会社 イオンビームとその応用”、[online]、[令和3年2月5日検索],インターネット、<URL:https://www.arios.co.jp/library/p11.html>の記載

「イオンビームとその応用
-はじめに-
・・・
イオン注入装置に関するいくつかの試み
・・・
2.プラズマ源イオン注入
-原理及び特徴-
「プラズマ源イオン注入 (PSII : Plasma Source Ion Implantation) はここ数年、研究が盛んになってきた新しい技術である。図5に構成を示す。

試料チャンバー内に原料ガスを導入し、高周波、マイクロ波あるいは直流放電などによりプラズマを発生させる。被注入試料にはマイナスの高電圧パルスを印加し、瞬間的にプラズマ中のイオンを引っ張りこみ注入する。このように加速電圧は、試料に対してパルス的に印加する。これは注入時の電流が、通常のイオン注入に比較し極めて大きいために、電源の容量を制限するためと試料の温度上昇を防ぐためである。試料は必要に応じて冷却または加熱する。加速電圧は50kV程度までが実験されている。」

「-PSIIの今後の発展に関して-
・・・PSIIによる表面処理の効果は、基本的にはプラズマとイオン注入との多重効果となる。そのため、得られる効果の理論的な側面からの予測は難しく、実験結果の積み重ねが必要であると考えられる。」

c また、下記の周知例3に記載されているように、PBIIによる低エネルギーイオン注入の例として、注入された窒素イオンは、窒素原子に解離し。表面から1-2nmの非常に薄い層にとどまるが、高温下では速やかに基板の内部に拡散する。

・周知例3:行村建、“プラズマイオン注入・堆積法の新しい展開”、平成16年4月、[令和3年2月5日検索]、インターネット、<URL: http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2004_04/jspf2004_04-281.pdf>の記載

「2.高エネルギー表面改質と低エネルギー深部注入
本節ではPBIIによる高エネルギーイオン注入および低エネルギーイオン注入による材料プロセス技術の2、3の例を紹介し、プラズマイオン注入・堆積法の有効性を見ることにする。
・・・
基材の加熱を伴う低エネルギーイオン注入による深部注入層の形成機構は次のように考えられる[9]。低エネルギーイオン注入における窒素イオンの多くはN_(2)^(+)であるが、イオン同士の衝突により2つの原子に解離する。基材への衝突に伴い、窒素原子は表面から1-2nmの非常に薄い層にとどまるが、高温下では速やかに基材の内部に拡散する。」

d プラズマイオン注入についての上記の周知例1?3に記載された技術的事項をふまえれば、プラズマイオン注入において、引き出されるプラズマは、ガスプラズマ、固体元素プラズマ及びそれら複合したものいずれかであり、このうち、少なくとも、ガスプラズマを利用するプラズマイオン注入において、注入後の試料の形態は、加速電圧(パルスバイアス電圧)、ガス圧、基板温度等の具体的な処理条件に依存することが、当業者における技術常識ないし周知技術であると認められる。

(ウ)次に、明細書及び図面の記載について検討する。
明細書の発明の詳細な説明には、例1について、段落【0043】に、「基材材料」は「天然(高純度)IIa型ダイヤモンド」で、「ダイヤモンドを150Vでバイアスした状態」で注入を行ったこと、各注入は、「約60秒間」だけ行われたこと、「各注入が実行される前に、テーブルは400℃のまで加熱されていた」旨、及び「各注入ステップが行われた後、ダイヤモンドは室温まで冷却され、真空システムから取り出され、金属接触点間の電気抵抗が測定された」旨が記載されている。

また、例1の結果を示す図3の説明箇所(段落【0022】、【0044】)及び図3には、累積のイオン線量(注入時間)の増加に伴い、距離Lだけ離間している2つの金めっき済み金属接触点間の電気抵抗の大きさが急低下し、約200kΩの平均値で飽和したことが示されているが、距離Lの数値も、測定の際の印加電圧と電流の数値も示されておらず、しかも、図3には、横軸「イオン線量(注入時間)」の単位が示されていない。

(エ)例4について、段落【0048】?【0050】、図7には、比較的長い合成Ibダイヤモンドを使って例3のプロセスが繰り返し行われ、接触点に対しダイヤモンドを垂直に動かしたときの前抵抗の大きさが、マイクロメータの移動距離の関数として測定され、金属接触点間の離間距離Lが「0.01mm、3.1mm」では、ギャップ間距離dがゼロよりも大きいときに電流が流れていることが記載されている。
しかしながら、キャップ間距離dがゼロよりも大きいときに電流が流れているとしても、「基材の表面よりも外側に該表面と平行」に電流が流れるとは限らないことと認められる(本願明細書の段落【0002】、【0006】を参照。)から、「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」であって、「上記基材材料の表面よりも外側に該表面に沿って側方導通が生じている」電気流路を、当業者が作るためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。

(オ)また、請求人が、令和2年6月25日付け手続補正書(方式)の2ページの(4)「(a)本願発明の説明」で主張するように、「基材の表面に沿った側方導通を生じさせるほど基材の表面付近におけるドナーの密度を非常に高くすることに関して、注入されるべき原子の密度と、ドープ部分を基材の表面からどの程度の深さにすべきかについては、選択される基材やドナーの種類に応じて異な」るものと解されるが、発明の詳細な説明には、選択される基材やドナーの種類に応じた、注入されるべき原子の密度と、ドープ部分を基材の表面からどの程度の深さにすべきかについて、具体的な例の記載も示唆もなく、選択される基材やドナーの種類が異なる、「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」であって、「上記基材材料の表面よりも外側に該表面に沿って側方導通が生じている」電気流路を、当業者が作るためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。

(カ)そうすると、どのような処理条件で、原子をプラズマイオン注入すれば、「電気流路」に含まれる「電荷キャリア」の「上記電荷」が、上記ア[1]の「上記基材の表面および上記基材内の表面付近の位置に注入された原子からなる高密度のドナーの電子放出に起因して生じたもの」とすることができるのか、本願明細書の発明の詳細な説明には具体的に記載されておらず、そして、上記(イ)に記載の技術常識ないし周知技術、及び上記(ウ)、(エ)に記載の明細書及び図面の記載についての指摘事項を踏まえれば、明細書及び図面の記載、並びに原出願の優先日当時の技術常識に基づき、当業者が当該電気流路を作るためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。
したがって、明細書及び図面の記載並びに原出願の優先日当時の技術常識に基づき、当業者が本願発明1の当該電気流路を作ることができるものであると認めることはできない。

(キ)更に、上記ア[4]の「上記基板材料」について、明細書の発明の詳細な説明には、段落【0012】に記載されているものの、【発明を実施するための形態】の欄には、基板材料がダイヤモンド以外の場合について、記載されていない。
そして、本願発明1の上記電気経路の基板材料が異なれば、当該電気経路を作るためには、加速電圧(パルスバイアス電圧)、ガス圧、基板温度等の具体的な処理条件が異なるものと認められる。
したがって、本願発明1のうち、基板材料がダイヤモンド以外のものについて、本願発明1の上記電気流路を製造するためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。
よって、発明の詳細な説明の記載は、本願発明1の全体について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

(ク)更に、明細書の発明の詳細な説明の段落【0005】?【0006】の記載を参照すると、水素処理されたダイヤモンドを酸素イオン処理の際にダイヤモンド表面が黒鉛化することを防ぐための焼きなましをしているときに(表面よりも低い位置および表面付近で)注入酸素イオンの密度を非常に高い値まで増加させると、ついには側方導通が始まることを見出した旨が開示されているものの、本願発明1では、基板材料が水素処理されたダイヤモンドで、かつ、酸素イオン処理の際の表面の黒鉛化を防ぐためのやきなましをしているものであることは、特定されていない。
そして、本願発明1の上記電気経路の基板材料がダイヤモンドであっても、水素処理されたダイヤモンドで、かつ、酸素イオン処理の際の表面の黒鉛化を防ぐための焼きなましをしているものであるか、あるいは、水素処理されたダイヤモンドで、かつ、酸素イオン処理の際の表面の黒鉛化を防ぐための焼きなましをしているものはないものであるかによって、当該電気経路を作るためには、加速電圧(パルスバイアス電圧)、ガス圧、基板温度等の具体的な処理条件が異なるものと認められる。
したがって、本願発明1のうち、基板材料がダイヤモンドであっても、本願発明1の上記電気流路を製造するためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。
よって、発明の詳細な説明の記載は、本願発明1の全体について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

なお、本願発明2?11についても、基板材料が水素処理されたダイヤモンドで、かつ、酸素イオン処理の際の表面の黒鉛化を防ぐためのやきなましをしているものであることは、特定されていないから、本願発明2?11のうち、基板材料がダイヤモンドであっても、本願発明1の上記電気流路を製造するためには、当業者に期待しうる程度を超えた試行錯誤や複雑高度な実験を要すると考えられる。

(ケ)以上のとおりであるから、発明の詳細な説明の記載は、本願発明1?11について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

(4)請求人の主張について
請求人は、令和2年6月25日付け手続補正書(方式)の2?3ページの(4)「(b)理由1(特許法第36条第4項第1号)について」で、本願明細書の発明の詳細な説明段落【0043】の開示について、「例1のプロセスは基本的に、本願の特許請求の範囲に記載の種々の基材材料について用いることができる」旨を主張し、同段落【0043】、【0047】及び図3、4等の記載に基づき、「当業者であればこれらの説明を参照して、洗浄済みのダイヤモンドに対して、注入された原子を基材の表面付近に生じさせるために、ダイヤモンドに150Vのバイアスをかけつつ、約60秒間のプラズマイオン注入を複数回行うことができます。また、当業者であれば、使用されるプラズマ電圧に応じて、要求される真空圧の大きさ等も定まることを技術常識として認識しています。」と主張する。
しかしながら、上記(3)イで判断したとおりであり、本願発明1は、上記(3)アに記載の、特定事項[1]?[4]すべてを満たす、「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」の作り方は具体的に記載されておらず、明細書及び図面の記載並びに原出願の優先日当時の技術常識に基づき、当業者が、本願発明1の「n型基材の表面よりも外側に該表面と平行に電流が流れるように、電荷キャリアを含む電気流路」を作ることができるものであると認めることもできない。
したがって、請求人の上記の主張は採用できない。

(5)小括
したがって、発明の詳細な説明は、本願発明1?11の全体について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。

第5 むすび
以上のとおり、本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2021-03-10 
結審通知日 2021-03-16 
審決日 2021-03-30 
出願番号 特願2018-6843(P2018-6843)
審決分類 P 1 8・ 536- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 綿引 隆  
特許庁審判長 加藤 浩一
特許庁審判官 恩田 春香
小川 将之
発明の名称 電気流路、該電気流路を含む電子デバイス及び導電体、並びに該導電体を含む回路  
代理人 笹野 拓馬  
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