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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F24F |
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管理番号 | 1377449 |
審判番号 | 不服2020-4587 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-04-06 |
確定日 | 2021-08-26 |
事件の表示 | 特願2018-175783号「空気清浄機構」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月20日出願公開、特開2018-200170号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年3月3日を出願日とする特願2015-41139号を、平成30年9月20日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和1年 7月30日付けで拒絶の理由の通知 令和1年10月 4日に意見書及び手続補正書の提出 令和1年12月20日付けで拒絶査定 令和2年 4月 6日に拒絶査定不服審判の請求及び手続補正書の提出 令和2年12月 4日付けで当審における拒絶の理由の通知 令和3年 1月28日に意見書及び手続補正書の提出 令和3年 2月19日付けで当審における拒絶の理由の通知 令和3年 4月15日に意見書及び手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1?6係る発明は、令和3年4月15日に提出された手続補正書により、明瞭でない記載の釈明を目的として補正された特許請求の範囲の記載によれば、特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 塵埃捕集部と、 前記塵埃捕集部の一部に対向するように配設される塵埃除去部と、 前記塵埃捕集部と連結される被駆動体と、 前記被駆動体を着脱自在に支持する支持部と、 前記被駆動体と着脱自在に連結され、前記塵埃除去部が前記塵埃捕集部の一部に連続的に対向するように前記被駆動体を駆動させる駆動源と、 開口部を有し、前記開口部を介して前記塵埃除去部が除去した塵埃を収容する塵埃収容箱と、を備え、 前記塵埃除去部は、ローラの外周面において空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラであり、前記回転軸よりも後方かつ前記塵埃収容箱の前記開口部の上方において、前記塵埃捕集部の一部と対向し、前記塵埃捕集部が捕集した塵埃を、前記開口部を介して前記塵埃収容箱内に掻き落とす 空気清浄機構。」 第3 当審で通知した拒絶の理由 当審において、令和2年12月4日付け及び令和3年2月19日付けで通知した拒絶の理由のうち、特許法第29条第2項について通知した、本願の請求項1に係る発明についての理由は、概略以下のとおりである。 (進歩性)本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開2012-37199号公報 2.特開2010-197034号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2009-281621号公報(周知技術を示す文献) 第4 引用文献 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載 当審において通知した拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の原出願の出願日前に頒布された引用文献1には、「空気調和機」に関し、次の記載がある(なお、下線は理解の一助として当審において付したものである。以下同様。)。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 筐体内部に設けられている熱交換器の上流側に、エアフィルタがフィルタ移動経路に沿って移動可能に付設されているとともに、該エアフィルタを前記フィルタ移動経路に沿って移動するフィルタ駆動ローラと、該フィルタ駆動ローラと対向配置されているフィルタ清掃ブラシと、該フィルタ清掃ブラシにより前記エアフィルタから除去された塵埃を回収するダストボックスとからなるフィルタ清掃機構が装備されている空気調和機において、 前記フィルタ駆動ローラは、前記フィルタ移動経路を形成しているフィルタガイド部材の一部を取り外すことにより、前記ダストボックスおよび前記フィルタ清掃ブラシ等と共に前記筐体に対して着脱自在に組み込まれていることを特徴とする空気調和機。」 「【0001】 本発明は、エアフィルタを自動的に清掃するフィルタ清掃機構を備えている空気調和機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 エアフィルタで捕集された塵埃が蓄積されると、通風抵抗が増大し、空気調和機の運転効率が低下する。そこで、エアフィルタにより捕集された塵埃を定期的に除去し、エアフィルタを自動清掃するフィルタ清掃機構を備えた空気調和機が提供されている。また、フィルタ清掃機構として、様々な方式が提案されている。その1つに、熱交換器の上流側に配設されているエアフィルタをフィルタガイドに沿って移動させ、その移動経路に沿って設置されている回転ブラシ等を介してエアフィルタ上の塵埃を掻き取り、それをダストボックス内に回収するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。 【0003】 かかる空気調和機において、フィルタ清掃機構は、エアフィルタと、その移動経路を形成するガイド部と、エアフィルタをガイド部に沿って移動するモータ、歯車機構、エアフィルタ側のラックと噛み合うピニオンおよびフィルタ駆動ローラ等からなるフィルタ移動手段等とが一体化されたフィルタユニットをベース本体に固定設置するとともに、ベース本体に固定設置されている前面グリルの前面に、前記フィルタ移動手段を介して移動されるエアフィルタから塵埃を掻き取る回転ブラシを備えたダストボックスを着脱自在に設置した構成とされている。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記特許文献1,2に示されたフィルタ清掃機構では、フィルタ移動手段等を備えたフィルタユニットがベース本体側に固定設置され、一方、回転ブラシ等を備えたダストボックスがベース本体に固定設置されている前面グリルの前面に着脱自在に設置された構成とされている。このため、エアフィルタから掻き取られた塵埃を処理する場合、前面パネルを開いて前面グリルからダストボックスを取り外すことによって、エアフィルタから回収された塵埃を簡便に処理することができる。 【0006】 しかしながら、フィルタ移動手段のフィルタ駆動ローラ等に塵埃が付着した場合、それを洗浄し、除去するには、前面グリルをベース本体から取り外した後、フィルタユニットをベース本体から取り外し、更にフィルタユニットを分解してフィルタ駆動ローラを取り出さなければならなかった。従って、フィルタ駆動ローラ等が塵埃で汚された場合、ユーザーがそれを取り外して洗浄することは実質的に困難である等の課題があった。 【0007】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エアフィルタを移動するフィルタ駆動ローラを筐体から簡易に取り外して洗浄でき、フィルタ清掃機構を清浄化することができる空気調和機を提供することを目的とする。」 「【0010】 さらに、本発明の空気調和機は、上記の空気調和機において、前記フィルタ駆動ローラは、左右に2分割されている前記エアフィルタに対応して左右に一対設けられており、各フィルタ駆動ローラの外側端部は、前記筐体の側部に設けられている軸部に回転自在に嵌合支持され、その中央側端部は、各々の端部に設けられている軸部を介して共通の軸押え部材により筐体の中央軸受部に回転自在に支持されていることを特徴とする。 【0011】 本発明によれば、フィルタ駆動ローラが、左右に2分割されているエアフィルタに対応して左右に一対設けられており、各フィルタ駆動ローラの外側端部が、筐体の側部に設けられている軸部に回転自在に嵌合支持され、その中央側端部が、各々の端部に設けられている軸部を介して共通の軸押え部材により筐体の中央軸受部に回転自在に支持されているため、左右一対のフィルタ駆動ローラを、その外側端部を筐体の側部に設けられている軸部に嵌合した状態で中央側端部の軸部を1つの共通の軸押え部材により筐体の中央軸受部に回転自在に支持することによって、より少ない部品数で左右一対のフィルタ駆動ローラを筐体に対して着脱自在に支持することができる。従って、エアフィルタを駆動するフィルタ駆動ローラを着脱自在としながら、その部品数を低減して構成の簡素化を図ることができる。 【0012】 さらに、本発明の空気調和機は、上記の空気調和機において、前記軸押え部材には、前記フィルタ駆動ローラの中央側端部の軸部を支持する軸受部の一部が設けられ、前記筐体の中央部に設けられている軸受部と共に前記フィルタ駆動ローラの中央側端部の軸部を支持する前記中央軸受部を構成していることを特徴とする。 【0013】 本発明によれば、軸押え部材に、フィルタ駆動ローラの中央側端部の軸部を支持する軸受部の一部が設けられ、筐体の中央部に設けられている軸受部と共にフィルタ駆動ローラの中央側端部の軸部を支持する中央軸受部を構成しているため、軸押え部材を筐体の中央部に固定することによって、左右一対のフィルタ駆動ローラの中央側端部に設けられている軸部を支持する中央軸受部を構成し、該中央軸受部を介して左右一対のフィルタ駆動ローラを筐体に対して回転自在に支持することができる。従って、左右一対のフィルタ駆動ローラを筐体に対して軸受部を介して円滑に回転可能にかつ着脱自在に支持することができる。」 「【発明の効果】 【0016】 本発明によると、ダストボックスおよびフィルタ清掃ブラシ等を筐体から取り外して回収された塵埃等を廃棄処理する際、必要に応じてフィルタ移動経路を形成しているフィルタガイド部材の一部を取り外すことによって、エアフィルタを駆動するフィルタ駆動ローラを筐体から取り外すことができるため、フィルタ駆動ローラ等に塵埃が付着した場合でも、該フィルタ駆動ローラをダストボックスやフィルタ清掃ブラシ等と共に筐体から簡易に取り外して洗浄することが可能となり、ユーザー側で簡単にフィルタ清掃機構を清浄化することができる。 【0017】 【図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の外観斜視図である。 【図2】図1に示す空気調和機のフロントパネルを取外した状態の斜視図である。 【図3】図1に示す空気調和機の縦断面図である。 【図4】図2に示す空気調和機から回転ブラシおよびダストボックスと湾曲ガイド部材を取り外した状態の分解斜視図である。 【図5】図4に示す空気調和機から更にフィルタ駆動ローラを取り外した状態の分解斜視図である。 【図6】図2に示す空気調和機のフィルタ駆動ローラの中央側端部を支持する部位の拡大斜視図である。 【図7】図6に示す軸押え部材の拡大斜視図である。」 「【0024】 この第1フィルタ移動経路19は、筐体5の上面側に沿って形成されている移動経路19Aと、筐体5の前面側に沿って形成されている移動経路19Bとから構成されている。また、第1フィルタ移動経路19を介して室内熱交換器15の上流側に沿って付設されているエアフィルタ14は、その上流側面に捕集された塵埃を除去するため、フィルタ清掃機構23により第1フィルタ移動経路19内を往復動可能とされている。 【0025】 フィルタ清掃機構23は、エアフィルタ14上に捕集されている塵埃を除去してエアフィルタ14を自動清掃するためのものであり、フロントカバー3の前面側の下方部位に設置されている。本実施形態のフィルタ清掃機構23は、エアフィルタ14を往復動させるための左右一対の円筒状をなすフィルタ駆動ローラ24と、該フィルタ駆動ローラ24の下方に対向配置され、該フィルタ駆動ローラ24により移動されるエアフィルタ14の塵埃捕集面から塵埃を掻き取る左右一対の回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)25と、該回転ブラシ25で掻き取った塵埃を回収して溜め込む左右一対の着脱可能なダストボックス26とを備えた構成とされている。 【0026】 各フィルタ駆動ローラ24の左右両端部には、歯車(ピニオン)24Aが設けられており、この歯車24Aにエアフィルタ14のフィルタ枠の左右両側に設けられているラック14Aが噛み合わされている。これによって、各フィルタ駆動ローラ24を介してエアフィルタ14が第1フィルタ移動経路19内を往復動可能とされている。なお、各フィルタ駆動ローラ24は、図示省略のモータを介して正逆回転されるようになっている。 【0027】 また、フィルタ清掃時に、エアフィルタ14がフィルタ清掃機構23のフィルタ駆動ローラ24を介して移動されたとき、その移動経路を確保するための第2フィルタ移動経路27および第3フィルタ移動経路29が筐体5内に形成されている。第2フィルタ移動経路27は、エアフィルタ14をフィルタ駆動ローラ24に沿う湾曲部を介して上方に折返すための湾曲経路(Uターン経路)とされており、フィルタ駆動ローラ24の外周面と該フィルタ駆動ローラ24に沿って設けられている湾曲ガイド部材28とによって形成されている。この第2フィルタ移動経路27は、第1フィルタ移動経路19の一端に連続されている。」 「【0031】 さらに、本実施形態においては、フィルタ清掃機構23を構成しているフィルタ駆動ローラ24、回転ブラシ25およびダストボックス26、並びに第2フィルタ移動経路27を形成している湾曲ガイド部材28等は、複数のロック機構30、31および軸押え部材32を介してフロントカバー3側に着脱自在に組み込まれている。そして、これらのロック機構30,31および軸押え部材32等を開放することによって、フィルタ駆動ローラ24、回転ブラシ25およびダストボックス26、並びに湾曲ガイド部材28が、図4および図5に示されるように、着脱自在、取り外し可能とされている。 【0032】 回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)25は、ダストボックス26に一体に組み込まれており、該ダストボックス26が左右両側に設けられている一対のスライド方式のロック機構30を介して、フロントカバー3のセンターフレーム3Aとサイドフレーム3B,3Cとの間に着脱自在に組み込まれている。また、フィルタ駆動ローラ24の外周に沿って該フィルタ駆動ローラ24と回転ブラシ25およびダストボックス26との間に組み込まれている湾曲ガイド部材28は、ダストボックス26の上部において、左右両側に設けられている一対のスライド方式のロック機構31を介して、フロントカバー3のセンターフレーム3Aとサイドフレーム3B,3Cとの間に着脱自在に組み込まれている。」 「【0035】 軸押え部材32は、図6および図7に示されるように、下端部にフロントカバー3のセンターフレーム3Aに設けられているロック部材31Bに回転自在に嵌合支持される軸部37が設けられ、上端部にセンターフレーム3Aに設けられている係止部38に係止めされる弾性変形可能な引っ掛け爪39が設けられた構成とされている。また、軸押え部材32には、フィルタ駆動ローラ24の軸部35を回転自在に支持する中央軸受部36の一部を構成する軸受部40が設けられ、軸部37を支点に上方に回動し、引っ掛け爪39を係止部38に係止めすることにより、軸受部40がフィルタ駆動ローラ24の軸部35を中央軸受部36に押し付け、該軸部35を回転自在に支持するように構成されている。 【0036】 なお、軸押え部材32は、湾曲ガイド部材28を着脱するロック機構31のキー部材31Aがロック部材31Bのロック穴31Cに挿入されているロック状態では下方に回動不可とされている。従って、ロック機構31を解放して湾曲ガイド部材28を取り外した後でないと、軸押え部材32を下方に回動してフィルタ駆動ローラ24を取り外すことがではない構成とされている。また、軸押え部材32には、それを開閉操作するための把手部41が設けられている。」 「【0038】 空気調和機1の運転時間が長くなると、エアフィルタ14に捕集された塵埃が少しずつ蓄積され、通風抵抗が徐々に増加される。そのまま運転を続けると、圧損が増大し、空気調和機1の運転効率が低下されるため、例えば累積運転時間が設定時間に到達時の運転終了時毎に、フィルタ清掃機構23を稼働させ、エアフィルタ14上に蓄積されている塵埃を除去するフィルタ清掃運転を行うようにしている。このフィルタ清掃運転は、フィルタ清掃機構23のフィルタ駆動ローラ24および回転ブラシ25を回転駆動し、第1フィルタ移動経路19に沿って付設されているエアフィルタ14を、第2フィルタ移動経路27を経て第3フィルタ移動経路29へと移動させることによって行われる。 【0039】 すなわち、フィルタ駆動ローラ24の回転により、歯車24Aにラック14Aを介して噛み合っているエアフィルタ14が移動され、第1フィルタ移動経路19から第2フィルタ移動経路27および第3フィルタ移動経路29へと往動される。この間、フィルタ駆動ローラ24と対向配置されている回転ブラシ25がエアフィルタ14の塵埃捕集面に接触し、エアフィルタ14上に蓄積されている塵埃を掻き取り、該塵埃をダストボックス26内に回収することによって、エアフィルタ14の塵埃捕集面が自動的に清掃される。 「【0042】 また、エアフィルタ14の自動清掃回数が増加し、ダストボックス26内にエアフィルタ14から回収した塵埃が或る量溜った場合、フロントパネル4を上方に開いた後、ロック機構30のキー部材をスライドさせ、ロック部材から解放することによって、ダストボックス26を回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)25と共にフロントカバー3から取り外すことができる。これによって、塵埃を適宜廃棄処理することができるとともに、必要に応じてダストボックス26および回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)25を洗浄することができる。」 「【0044】 従って、ダストボックス26および回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)25等をフロントカバー3から取り外して回収された塵埃等を廃棄処理する際、必要に応じてフィルタ移動経路27を形成している一部のガイド部材28を取り外すことにより、エアフィルタ14を駆動するフィルタ駆動ローラ24についても、フロントカバー3から取り外すことができる。このため、フィルタ駆動ローラ24に塵埃が付着した場合でも、該フィルタ駆動ローラ24をダストボックス26や回転ブラシ25等と共にフロントカバー3から簡易に取り外して洗浄することが可能となり、ユーザー側で簡単にフィルタ清掃機構23を清浄化することができる。 「【0048】 さらに、軸押え部材32は、下端がセンターフレーム3Aのロック部材31Bに回転自在に支持され、上端側がセンターフレーム3Aの係止部38に弾性変形可能な引っ掛け爪39を介して係脱自在に係止めされている。このため、フィルタ駆動ローラ24の着脱するに際し、軸押え部材32の上端側の引っ掛け爪39を弾性変形させてセンターフレーム3Aの係止部38に対して係脱することにより、ワンタッチで軸押え部材32を開閉操作して、フィルタ駆動ローラ24を着脱することができる。従って、フィルタ駆動ローラ24の着脱作業をより単純化、容易化することができる。 「【0050】 1 空気調和機3 フロントカバー3A センターフレーム3B,3C サイドフレーム5筐体14 エアフィルタ15 室内熱交換器(熱交換器)19第1フィルタ移動経路23 フィルタ清掃機構24 フィルタ駆動ローラ25回転ブラシ(フィルタ清掃ブラシ)26 ダストボックス27 第2フィルタ移動経路28 湾曲ガイド部材29 第3フィルタ移動経路30,31ロック機構32 軸押え部材33 軸穴34軸部35 軸部36 中央軸受部38 係止部39 引っ掛け爪40 軸受部」 「【図3】 」 「【図4】 」 「【図5】 」 「【図6】 」 (2) 引用発明 上記(1)及び(2)を総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「筐体内部に設けられている熱交換器の上流側に、エアフィルタがフィルタ移動経路に沿って移動可能に付設されているとともに、該エアフィルタを前記フィルタ移動経路に沿って移動するフィルタ駆動ローラと、該フィルタ駆動ローラと対向配置されているフィルタ清掃ブラシと、該フィルタ清掃ブラシにより前記エアフィルタから除去された塵埃を回収するダストボックスとからなるフィルタ清掃機構であって、 前記フィルタ駆動ローラは、前記フィルタ移動経路を形成しているフィルタガイド部材の一部を取り外すことにより、前記ダストボックスおよび前記フィルタ清掃ブラシ等と共に前記筐体に対して着脱自在に組み込まれ、 軸押え部材が設けられ、前記軸押え部材に、前記フィルタ駆動ローラの軸部を回転自在に支持する中央軸受部の一部を構成する軸受部が設けられ、前記軸受部が前記フィルタ駆動ローラの前記軸部を前記中央軸受部に押し付け、前記軸部を回転自在に支持するように構成され、前記軸押え部材を開閉操作して、前記フィルタ駆動ローラを着脱することができ、 各フィルタ駆動ローラは、モータを介して正逆回転されるようになっている、 フィルタ清掃機構。」 2 引用文献2 (1) 当審において通知した拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の原出願の出願日前に頒布された刊行物である引用文献2には、「空調室内機、およびフィルタ清掃装置の製造方法」に関して、次の記載がある。 「【0147】 (ダストボックス60及びブラシ61) ブラシ61は、フィルタ清掃用のブラシであり、フィルタ21に付着した塵埃を掻き落すため、フィルタ21を挟んで第1ローラー41と対向している。ブラシ61は、樹脂製の毛材が円柱状の芯に貼り付けられた形状であり、第2駆動モータ(図示せず)によってフィルタ21の周回方向と反対方向に回転する。なお、ブラシ61の製造方法は、毛材が円柱状の芯に貼り付けられる方法だけに限定されるのではなく、他の方法でもよい。例えば、円柱状の芯に毛材を直に植毛する方法でもよい。 【0148】 ブラシ61によってフィルタ21から掻き落された塵埃は、ブラシ61の下方に位置するダストボックス60内に溜まる。ダストボックス60は本体10から取り外すことができるので、ダストボックス60内に塵埃が十分溜まったとき、使用者はダストボックス60を本体10から取り外して塵埃を捨てる。 【0149】 ブラシ61はダストボックス60の開口部に回転自在に取り付けられており、使用者が、ダストボックス60を本体10から取り出したとき、ブラシ61も一緒に取り出されるので、使用者はダストボックス60の清掃のときにブラシ61のメンテナンスを行なうことができる。」 「【0157】 (フィルタ清掃運転) 空調室内機2は、本体10にフィルタ清掃装置70を制御する制御部(図示せず)を内蔵している。制御部は、空調室内機2の運転時間をカウントしており、前回のフィルタ清掃運転からの累積運転時間が所定時間(例えば、18時間)に到達したとき、ブラシ61を回転させながら、フィルタ21を所定回数(例えば、1回)だけ周回させる。 【0158】 その間、ブラシ61とフィルタ21とが相対移動するので、ブラシ61の毛材がフィルタ21の網目に入り込んで、その網目につまった塵埃を掻き出す。その塵埃は、ブラシ61の下方に位置するダストボックス60内に溜まる。なお、本実施形態に係る空調室内機2は、リモコン(図示せず)を使って強制的にフィルタ清掃運転を実行することもできる。 【0159】 フィルタ21の周回速度は低速である(例えば、1回の周回動作に要する時間は約3分)ので、フィルタ21が左右いずれかの端に極端に偏ることはないが、僅かな偏りの累積を抑制するため、フィルタ清掃装置70は、フィルタ清掃運転が終了した後にフィルタ21を清掃時とは反対の方向に周回させてその偏りを修正してもよい。さらに、本実施形態のようにフィルタ21の両端近傍にフィルタ検知センサ48を取り付け、フィルタ検知センサ48がフィルタ21の偏りを監視するのが好ましい。」 「【図3】 」 (2) 引用文献2に記載された事項 上記(1)を総合すると、引用文献2には、次の事項からなる発明(以下「引2事項」という。)が記載されていると認める。 「フィルタ清掃用のブラシは、ダストボックスの開口部に回転自在に取り付けられ、フィルタに付着した塵埃を掻き落すため、フィルタを挟んで第1ローラーと、フィルタ清掃用のブラシの回転軸よりも後方かつダストボックスの開口部の上方において対向していて、フィルタ清掃用のブラシによって、フィルタから掻き落された塵埃は、下方に位置するダストボックス内に溜まること。」 3 引用文献3 当審において通知した拒絶の理由に引用された引用文献であって、本願の原出願の出願日前に頒布された刊行物である引用文献3には、「空気調和機用清掃装置及び空気調和機」に関し、次の記載がある。 「【0025】 そこで、本実施例では、塵埃の除去運転を開始すると、図2に示すように、駆動手段26により駆動プーリ27が反時計方向に回転し、エアフィルター21が矢印A方向に移動を開始する。同時に、空気調和機用清掃装置30の回転清掃体34が、同じく反時計方向(矢印B)に回転させることにより、エアフィルター21の表面に付着していた塵埃35が回転清掃体34のブラシ列52bにより掻き取られ、集塵ボックス33内にこぼれ落ちる。同時に、ブラシ列52b上に取り残された塵埃は、櫛状の塵埃除去手段37により、除去される。また、除去された塵埃は、集塵ボックス33内に集められ、集塵ボックス33を室内機20から取り外すことにより、塵埃を外部へ排出することができる。」 「【図2】 」 (2) 引用文献3に記載された事項 上記(1)を総合すると、引用文献3には、次の事項からなる発明(以下「引3事項」という。)が記載されていると認める。 「エアフィルターの表面に付着していた塵埃が回転清掃体のブラシ列により掻き取られ、集塵ボックス内にこぼれ落ちるもので、回転清掃体は、回転清掃体の回転軸よりも後方かつ集塵ボックスの開口部の上方においてエアフィルターと対向していること。」 第5 対比 本願発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・後者の「エアフィルタ」は、前者の「塵埃捕集部」に相当し、同様に、「フィルタ清掃ブラシ」は「塵埃除去部」及び「ブラシ付ローラ」に、「フィルタ駆動ローラ」は「被駆動体」に、「中央軸受部」は「支持部」に、「モータ」は「駆動源」に、「ダストボックス」は「塵埃収容箱」にそれぞれ相当する。 ・後者の「フィルタ清掃ブラシ」が「該フィルタ駆動ローラと対向配置されている」ことは、前者の「塵埃除去部」が「前記塵埃捕集部の一部に対向するように配設される」ことに相当する。 ・後者の「該エアフィルタを前記フィルタ移動経路に沿って移動するフィルタ駆動ローラ」の態様は、前者の「前記塵埃捕集部と連結される被駆動体」の態様に相当する。 ・後者の「前記フィルタ駆動ローラは、前記フィルタ移動経路を形成しているフィルタガイド部材の一部を取り外すことにより、前記ダストボックスおよび前記フィルタ清掃ブラシ等と共に前記筐体に対して着脱自在に組み込まれ」ていることは、前者の「前記被駆動体を着脱自在に支持する」ことに相当する。 ・後者の「前記フィルタ移動経路に沿って移動する」「該エアフィルタ」と「フィルタ清掃ブラシ」との配置からみて、「フィルタ清掃ブラシ」が「エアフィルタ」の一部に連続的に対向していて、「フィルタ駆動ローラ」は、「モータを介して正逆回転されるようになっている」ことから、後者は、前者の「前記被駆動体と着脱自在に連結され、前記塵埃除去部が前記塵埃捕集部の一部に連続的に対向するように前記被駆動体を駆動させる駆動源」と、「前記被駆動体と連結され、前記塵埃除去部が前記塵埃捕集部の一部に連続的に対向するように前記被駆動体を駆動させる駆動源」を備えるとの限りで一致する。 ・後者の「ダストボックス」が「該フィルタ清掃ブラシにより前記エアフィルタから除去された塵埃を回収する」ことは、塵埃が回収されることから、ダストボックスが開口部を有することは明らかであるから、前者の「塵埃収容箱」が「開口部を有し、前記開口部を介して前記塵埃除去部が除去した塵埃を収容する」ことに相当する。 ・後者の「フィルタ清掃ブラシ」は、その態様からみて、回転するもので軸を有することは明らかであるから、前者の「ローラの外周面において空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラ」と、「ローラの外周面においてブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラ」との限りで一致する。 ・後者の「フィルタ清掃機構」は、「筐体内部に設けられている熱交換器の上流側に、エアフィルタがフィルタ移動経路に沿って移動可能に付設されているとともに、該エアフィルタを前記フィルタ移動経路に沿って移動するフィルタ駆動ローラと、該フィルタ駆動ローラと対向配置されているフィルタ清掃ブラシと、該フィルタ清掃ブラシにより前記エアフィルタから除去された塵埃を回収するダストボックスとからなる」もので、「各フィルタ駆動ローラは、モータを介して正逆回転されるようになっている」ことを踏まえると、これらの構成を備える後者は、前者の「空気清浄機構」をなすものといえる。 したがって、両者の間に次の一致点及び相違点が認められる。 [一致点] 「塵埃捕集部と、 前記塵埃捕集部の一部に対向するように配設される塵埃除去部と、 前記塵埃捕集部と連結される被駆動体と、 前記被駆動体を着脱自在に支持する支持部と、 前記被駆動体と連結され、前記塵埃除去部が前記塵埃捕集部の一部に連続的に対向するように前記被駆動体を駆動させる駆動源と、 開口部を有し、前記開口部を介して前記塵埃除去部が除去した塵埃を収容する塵埃収容箱と、を備え、 前記塵埃除去部は、ローラの外周面においてブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラである、 空気清浄機構。」 [相違点1] 駆動源について、本願発明は、「前記被駆動体と着脱自在に連結され」るとしているのに対して、引用発明は、そのような特定はなされていない点。 [相違点2] ローラの外周面においてブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラ(塵埃除去部)について、本願発明は、「空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有し」ているのに対して、引用発明は、「フィルタ清掃ブラシ」と特定するものの、「フィルタ清掃ブラシ」の具体的な態様について特定はなされていない点。 [相違点3] ブラシ付ローラ(塵埃除去部)について、本願発明は、「(ブラシ付ローラの)前記回転軸よりも後方かつ前記塵埃収容箱の前記開口部の上方において、前記塵埃捕集部の一部と対向し、前記塵埃捕集部が捕集した塵埃を、前記開口部を介して前記塵埃収容箱内に掻き落とす」としているのに対して、引用発明は、「該フィルタ駆動ローラと対向配置されているフィルタ清掃ブラシと、該フィルタ清掃ブラシにより前記エアフィルタから除去された塵埃を回収するダストボックスとからなる」ものの、フィルタ清掃ブラシの回転軸及びダストボックスの開口部と、フィルタ清掃ブラシとエアフィルタの対向位置との具体的な特定はなされていない点。 第6 判断 1 相違点についての判断 (1) 相違点1について 引用発明は、「前記フィルタ駆動ローラは、前記フィルタ移動経路を形成しているフィルタガイド部材の一部を取り外すことにより、前記ダストボックスおよび前記フィルタ清掃ブラシ等と共に前記筐体に対して着脱自在に組み込まれ」ているものである。そして、引用文献1では、モータは図示省略されているが(【0026】)、電力供給を要するものであり、また、ダストボックスにモータを設けるとダストボックスの構造が複雑となり、重量が重くなることを踏まえると、通常、モータは筐体に設けられるものである。 そうすると、引用発明において、取り外されるフィルタ駆動ローラは、モータと着脱自在に連結されるものといえるので、上記相違点1は、実質的な相違点ではない。 また、仮に相違するとしても、引用発明において、モータを設ける位置を筐体として、フィルタ駆動ローラとモータとを着脱自在に連結するものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (2) 相違点2について 空気調和機の技術分野において、ブラシ付ローラ(塵埃除去部)が、空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有しているものは、本願の原出願の出願日前に周知の事項である(例えば、令和3年2月19日付けで当審における拒絶の理由で示した、国際公開第2012/121088号の図6、図7、特開2008-175485号公報の図13、特開2008-82668号公報の図6、特開2009-131418号公報の図1ないし5。)。 そして、引用発明において、ブラシ付ローラの形状は、当業者が必要に応じて、選択できるものであり、上記周知の事項に倣って、ブラシ付ローラが空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有するものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (3) 相違点3について 空気調和機の技術分野において、ブラシ付ローラをその回転軸よりも後方かつダストボックスの開口部の上方においてエアフィルタと対向するように配置することは、上記引2事項及び引3事項に記載されているように本願の原出願の出願日前に周知の技術である。 そして、引用発明において、ブラシ付ローラの位置は当業者が必要に応じて適切な箇所に配置し得るものであるから、上記周知の技術に倣って、ブラシ付ローラをその回転軸よりも後方かつダストボックスの開口部の上方においてエアフィルタと対向するように配置することは、当業者が容易に想到し得たことである。 2 請求人の主張について (1) 請求人は、令和3年4月15日の意見書において、以下のように主張している。 ア 「本願発明では、例えば、図8を用いて説明すると、回転軸よりも後方の空間では、下方に塵埃収容箱231の開口部が存在するため、塵埃が飛散したとしても開口部を介して塵埃収容箱内に落とすことができるので、積極的に塵埃を除去するためにブラシを接触させて、下方にある塵埃収容箱に向かって直接的に塵埃を掻き落とす回収を行うので塵埃の回収効率の向上を図ることができます。一方、回転軸よりも前方の空間には、塵埃収容箱231の上壁部232B、水平板部231a等があるため、ブラシが接触した際に前方に飛散した塵埃をブラシとブラシとの間の空間に一時的に溜めて、この空間に溜めた塵埃を回転に伴って塵埃収容箱内に落とす飛散塵埃の回収を行うことにより、前方に飛散した塵埃が上壁部232B、水平板部231a等に付着、堆積を抑制することができます。」 イ 「引用文献1では、回転ブラシ25が回転軸の真上においてエアフィルタ14と対向しています。したがって、引用文献1には、本願発明の『前記塵埃除去部は、ローラの外周面において空間を間に形成するように周方向に離れて設けられた複数のブラシを有し、回転軸を中心に回転するブラシ付ローラであり、前記回転軸よりも後方かつ前記塵埃収容箱の前記開口部の上方において、前記塵埃捕集部の一部と対向し、前記塵埃捕集部が捕集した塵埃を、前記開口部を介して前記塵埃収容箱内に掻き落とす』という構成について記載されておらず、本願発明の構成要素(g)を備えるものではなく、本願発明とは異なります。」 ウ 「また、引用文献1に記載の発明は、回転ブラシ25が回転軸の真上においてエアフィルタ14と対向しているため、下方にある塵埃収容箱に向かって直接的に塵埃を掻き落とすことができず、塵埃の回収効率を向上させることができません。さらに、引用文献1に記載の発明は、仮に上述したように回転ブラシ25が、ローラの全周にわたってブラシが設けられているとした場合、ブラシとブラシとの間に空間すらないので、ブラシとブラシとの間の空間に飛散した塵埃を一時的に溜めて回収するという技術思想があるはずがなく、飛散した塵埃について考慮されていなことが明らかであって、飛散した塵埃が上壁部、水平板部に付着、堆積するおそれがあります。」 (2) 請求人の主張に対する判断 上記相違点3の判断で示したとおり、空気調和機の技術分野において、ブラシ付ローラをその回転軸よりも後方かつダストボックスの開口部の上方においてエアフィルタと対向するように配置することは、上記引2事項及び引3事項に記載されているように本願の原出願の出願日前に周知の技術であり、引用発明において、当該構成を採用することに困難性は認められず、また、引2事項及び引3事項にあるように、ブラシ付ローラにより、エアフィルタの塵埃は掻き落とされてダストボックスに収容されることとなるから、引用発明において、上記相違点3に係る本願発明の構成を採用したものは、塵埃の回収効率が向上されたものといえる。 また、上記アで請求人が主張する「前方に飛散した塵埃が上壁部232B、水平板部231a等に付着、堆積を抑制することができます」との事項は、本願発明は、上壁部232B、水平板部231aを特定するものではなく、特許請求の範囲の記載に基づかないものであり、明細書にも、「前方に飛散した塵埃が上壁部232B、水平板部231a等に付着、堆積を抑制することができ」ることは記載されていない。 さらに、「ブラシとブラシとの間の空間に飛散した塵埃を一時的に溜めて回収するという技術思想があるはずがなく、飛散した塵埃について考慮されていなことが明らかであって、飛散した塵埃が上壁部、水平板部に付着、堆積するおそれがあります」との点についても、上壁部、水平板部については、本願発明は、特定するものではなく、明細書には、「ブラシとブラシとの間の空間に飛散した塵埃を一時的に溜めて回収する」ることは記載されていない。 (3) 以上のとおりであるから、請求人の令和3年4月15日の意見書における主張は、いずれも採用できない。 3 効果について そして、本願発明を全体としてみても、その奏する効果は、引用発明、周知の事項及び周知の技術から、当業者が予測し得る範囲のものである。 4 まとめ したがって、本願発明は、引用発明、周知の事項及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2021-06-18 |
結審通知日 | 2021-06-22 |
審決日 | 2021-07-08 |
出願番号 | 特願2018-175783(P2018-175783) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(F24F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 五十嵐 康弘、瀧本 絢奈 |
特許庁審判長 |
松下 聡 |
特許庁審判官 |
山崎 勝司 平城 俊雅 |
発明の名称 | 空気清浄機構 |
代理人 | 井上 知哉 |