• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1378241
審判番号 不服2020-6950  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-21 
確定日 2021-09-16 
事件の表示 特願2015-107293号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月28日出願公開、特開2016-220734号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯の概要
本願は、平成27年5月27日の特許出願であって、平成30年12月20日付けで拒絶の理由が通知され、平成31年3月8日に意見書及び手続補正書が提出され、さらに令和1年6月27日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年9月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、
令和2年2月13日付け(送達日:同年同月25日)で、令和1年9月2日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、
それに対して、令和2年5月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、
これに対し、当審において、令和3年1月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月5日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年3月5日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A?Iは、分説するために当審判合議体にて付した。)。
「A 遊技媒体を遊技領域に打込むことにより、変動表示を実行可能であり、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機において、
B 前記遊技領域は、遊技媒体が流下可能な経路として、遊技媒体の打分けが可能な第1経路と第2経路とを含み、
C 少なくとも通常状態においては前記第1経路を遊技媒体が流下した方が有利に構成され、
D 少なくとも前記有利状態と、前記通常状態および前記有利状態とは異なる特定状態と、において、前記第2経路を遊技媒体が流下した方が前記第1経路を遊技媒体が流下したときよりも遊技者にとって有利に構成され、
E 前記第2経路への遊技媒体の打込みを促進させることが可能な促進報知を行なう促進報知手段と、
F 前記促進報知手段により前記促進報知を行なっているときに、前記促進報知をしていることを特定可能な特定信号を遊技機の外部に出力可能な外部信号出力手段と、を備え、
G 前記促進報知手段は、
G1 前記有利状態と前記特定状態とにおいて前記促進報知を行ない、
G2 当該有利状態の終了後の状態が前記通常状態であったとしても、当該有利状態の終了後に実行される1回目の変動表示が前記特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときに変動開始時においても前記促進報知を行ない、
G3 当該有利状態の終了後の状態が前記通常状態であったとしても、当該有利状態の終了後に実行される変動表示が前記有利状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときに、変動開始時においても前記促進報知を行なうことが可能であり、
G4 前記特定状態中に行なわれる前記促進報知を、前記有利状態中に行なわれる前記促進報知よりも視認が困難な報知態様で行なうことが可能であり、
H 前記外部信号出力手段は、前記有利状態において前記特定信号を遊技機の外部に出力するとともに、当該有利状態の終了後に実行される変動表示が前記特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときには当該有利状態の終了後においても前記特定信号を遊技機の外部に出力する、
I 遊技機。」

3 拒絶の理由
当審で通知した拒絶の理由は、次のとおりである。
(1)(進歩性)
本願発明は、その出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1?3に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


引用文献1:特開2014-203号公報
引用文献2:特開2014-204870号公報
引用文献3:特開2010-119427号公報

4 進歩性について
(1)引用文献1について
当審で通知した拒絶の理由において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献1(特開2014-203号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。

ア 「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技球の発射態様を遊技状態に応じて変更させるパチンコ機においては、例えば第1の発射態様(例えば「右打ち」)から第2の発射態様(例えば「左打ち」)へ変更した直後に、第1の発射態様でしか遊技球を到達させることのできない領域において、比較的短い間だけ可変入賞装置が開放状態となる場合がある。かかる場合には、第2の発射態様から第1の発射態様へ戻していては、到底、遊技球を可変入賞装置へ入賞させることは難しい。このように、遊技球の発射態様を遊技状態に応じて変更させるパチンコ機においては、遊技球の発射態様の変更により、遊技者が不利益を受けるおそれがある。結果として、遊技者にとっての興趣が低下してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。」

イ 「【0010】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。」

ウ 「【0018】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。」

エ 「【0028】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置(大入賞口)32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33B、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33A、下始動入賞口33Bなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33Aへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33Bへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
・・・
【0031】
可変入賞装置32は、遊技球が入賞可能な大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉部材としての矩形平板状の開閉板32bと、当該開閉板32bを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)とを備えている。
【0032】
可変入賞装置32は、通常、遊技球が大入賞口32aへ入賞不能な閉状態となっている一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイドを励磁することにより、開閉板32bがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となる。
・・・
【0036】
ここで、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図34に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。」

オ 「【0076】
さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
・・・
【0089】
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
・・・
【0105】
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。」

カ 「【0122】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
・・・
【0127】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。」

キ 「【0493】
次に、保留表示設定処理について図33を参照して詳しく説明する。まずステップS4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33Bに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1?第4エリアに格納された当たり種別情報が小当たりに対応する情報(小当たり情報)であるか否かを判定する。」

ク 「【図33】



ケ 「【0496】
一方、ステップS4501において肯定判別された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1?第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合には、ステップS4502において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
【0497】
ステップS4502の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1?TB4のうち、上記小当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1?TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。例えば図45に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。」

コ 「【図45】



サ 「【0510】
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。可変表示装置ユニット35の左側方領域が本実施形態における第1の領域を構成する。
【0511】
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33Aの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞することとなる。
【0512】
尚、本実施形態では、下始動入賞口33B(電動役物37)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、電動役物37が開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞することはない。可変表示装置ユニット35の右側方領域が本実施形態における第2の領域を構成する。
【0513】
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。」

シ 「【0516】
上始動入賞口33Aへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
【0517】
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となると共に、装飾図柄表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
【0518】
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図41に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
【0519】
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。」

ス 「【0541】
但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1?TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1?TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される(図45参照)。図45に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
・・・
【0543】
上述したとおり、小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記小当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
・・・
【0550】
この点、本実施形態では、遊技球が下始動入賞口33Bへ入賞することに起因して、比較的当選しやすい確率で小当たり抽選が行われる。そして、小当たり抽選に当選した場合には、可変入賞装置32が開状態となる。つまり、遊技者は、ハンドル18の操作量を変更することなく、「右打ち」を継続したまま、遊技球を可変入賞装置32へ入賞させることができ、適度に賞球を得ることが可能となる。これにより、持ち球の減少が比較的少なくなるため、遊技者は、持ち球の減少にそれほど気遣いをせずともよく、大当たりに当選するための遊技に集中することができる。」

セ 「【0591】
また、上記実施形態では、小当たり情報が保留エリアに格納された場合には、常に小当たり報知又は示唆する構成となっているが、例えば小当たり報知等を行うか否かの抽選に当選した場合など、所定条件が成立した場合のみに実行する構成としてもよい。
・・・
【0594】
また、小当たり報知又は示唆を開始するタイミングは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」の戻った場合に小当たり報知又は示唆を行う構成としてもよい。また、大当たり終了後に「高サポートモード」が付与されない構成の遊技機においては、大当たり終了時に小当たり報知又は示唆を開始する構成としてもよい。ここで、大当たりの終了タイミングとしては、例えば最終ラウンドの大入賞口32aの開放が終了した時点(開閉板32bが閉鎖された時点)や、エンディングが終了した時点などが挙げられる。
【0595】
また、上記実施形態では、小当たり報知又は示唆として、第2保留表示領域W3bにおける保留画像TB1?TB4の表示態様の変更(「星型画像」への変更)と、指示表示領域W2における「右打ち→」の指示表示との両者を併せて行う構成となっている。これに限らず、両者を個別に行う構成としてもよい。
・・・
【0597】
逆に、第2保留表示領域W3bにおいては保留画像TB1?TB4の表示態様の変更は行わず、指示表示領域W2においては「右打ち→」の指示表示を行う構成としてもよい。
・・・
【0599】
また、小当たり報知又は示唆に限らず、第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに大当たり情報が格納されている場合に、その旨を遊技者に対し報知又は示唆する構成、すなわち大当たり報知を行う構成としてもよい。」

ソ 上記ア?セの記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a?iは、本願発明のA?Iに対応させて当審判合議体にて付与した。)。
「a 遊技盤30(遊技領域)に配設された上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bのうちどちらかの入賞に対応して、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われ、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示されると、可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となり(【0028】、【0076】、【0516】、【0517】)、
サブ制御装置262(【0127】)と、
外部中継端子板240(【0105】)とを備える
パチンコ遊技機において(【0010】)、
b 発射装置60から発射された遊技球が案内される、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域には、遊技者が、遊技球を発射する向きを切替えて遊技を行うことが可能なように、第1の領域を構成する可変表示装置ユニット35の左側方領域と、第2の領域を構成する可変表示装置ユニット35の右側方領域とがあり(【0089】、【0510】、【0512】)、
c 通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する「左打ち」をして遊技を行うことで、遊技球の多くは、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33Aの方へと誘導され、そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞することとなり、遊技をより有利に進めることができ(【0510】、【0511】、【0513】)、
d 大当たりや小当たりが発生した場合、可変入賞装置32は、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となり、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する「右打ち」をして遊技を行うことで、遊技球の多くは、可変入賞装置32の方へと誘導され(【0032】、【0518】、【0519】)、
e、g、g1 サブ制御装置262は、
大当たり演出が開始された場合に、指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示する(【0127】、【0518】)とともに、
第2サブ変動保留エリアの保留第1?第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合に、保留表示変更処理において、指示表示領域W2に「右打ち→」と表示し(【0127】、【0493】、【0496】、【0541】、【0597】)、
f 外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、現在の遊技状態に関する情報を出力するための端子等の複数の外部接続端子が設けられ(【0105】)、
g、g2 大当たりの種別は、確変大当たりと通常大当たりとに大別され(【0036】)、
サブ制御装置262は、下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、大当たりのエンディングが終了した時点で小当たり報知又は示唆として、常に指示表示領域W2において「右打ち→」の指示表示を開始し、遊技者は「小当たり」が発生することを把握できるため、小当たりの取りこぼしが少なくなり(【0127】、【0541】、【0543】、【0591】、【0594】、【0595】、【0597】)、
g、g3 サブ制御装置262は、小当たり報知又は示唆に限らず、第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに大当たり情報が格納されている場合に、その旨を遊技者に対し報知又は示唆する大当たり報知を行う(【0127】、【0599】)、
i パチンコ遊技機(【0010】)。」

(2)引用文献2について
同じく、当審で通知した拒絶の理由において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献2(特開2014-204870号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項
(ア)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された技術は、態様が異なる複数種類の報知により、遊技者に対して右打ち指示を報知するものであるが、それらの報知は、遊技者に対して、右打ちの指示をより的確に行うためのものにすぎない。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、報知の態様により、遊技の興趣を向上させることができる遊技機の提供を目的とする。」

(イ)「【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。」

(ウ)「【0158】
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート2からは、発射位置指定信号(右)、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号といった、各種の信号が出力される。発射位置指定信号(右)は、パチンコ遊技機1での遊技状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である。なお、発射位置指定信号(右)は、単に「発射位置指定信号」ともいう。発射位置指定信号は、遊技媒体としての遊技球を所定領域としての右遊技領域2Bに発射すべきことを示す信号となる。」

(エ)「【0180】
主基板11は、発射位置指定信号を含む試験端子出力信号を外部装置へと伝送可能な配線パターンを有する。この配線パターン上には、パチンコ遊技機1に対する外部装置となる試験装置との接続に用いられる接続用部品を搭載するために、接続用部品搭載部が設けられればよい。接続用部品は、試験時にのみ搭載され、試験時以外の通常使用時には未搭載であればよい。」

(オ)「【0351】
右打ち指示報知は、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知される第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知(図41(A)?(C)参照)と、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AL3のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な第4右打ち指示報知AR4(図42参照)と、を含む。」

(カ)「【0434】
図48は、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1非確変」?「第5非確変」や「第1確変」?「第5確変」のいずれかとなる場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。なお、発射領域報知は、遊技球を発射すべき遊技領域を遊技者に報知するものであり、第1右打ち指示報知AR1?第4右打ち指示報知AR4と、第1左打ち指示報知AL1?第4左打ち指示報知AL4とが含まれている。
【0435】
可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「第1非確変」?「第5非確変」や「第1確変」?「第5確変」のいずれかであることに基づいて、16ラウンド大当り状態、又は、8ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、例えば図28に示すステップS174、S175の処理により、図48(A)に示すように、大当り中信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図23に示すステップS290の処理により、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。そして、図28に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”以上であると判定され、ステップS173、S175の処理により、図48(C)に示すように、発射位置指定信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が開始される。また、図39に示すステップS607の処理により、図48(D)に示すように、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AR3のうちで、図39に示すステップS606の処理で選択された右打ち指示報知が開始される。
【0436】
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図48(A)に示すように、大当り中信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、16ラウンド大当り状態、又は、8ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が開始されることに対応して、例えば図28に示すステップS174、S175の処理により、図48(B)に示すように、時短信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が開始される。16ラウンド大当り状態、又は、8ラウンド大当り状態の終了後に特図ゲームが実行されるときには、図28に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であると判定されるが、ステップS172の処理にて時短制御中であると判定されることで、ステップS173、S175の処理により、図48(C)に示すように、発射位置指定信号がオン状態に維持される。すなわち、時短制御中においても発射位置指定信号の外部出力が継続して行われる。第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AR3のうちで、図39に示すステップS606の処理で選択された右打ち指示報知は、図48(D)にて実線で示すように時短制御が終了するまで行われてもよいし、図48(D)にて破線で示すように所定の右打ち報知終了条件が成立した場合に、時短制御が終了するより前に終了させてもよい。
【0437】
時短制御が終了するときには、図48(B)に示すように、時短信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が終了する。このときには、図28に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図48(C)に示すように、発射位置指定信号もオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が終了する。また、例えば、図37に示すステップS831の処理にて低ベース状態に対応する背景指定コマンドの受信があったと判定されたことや、ステップS832の処理にて第1右打ち指示報知?第3右打ち指示報知のいずれかの設定があると判定されたことに基づき、ステップS835の処理により、図48(D)に示すように、第1左打ち指示報知AL1?第3左打ち指示報知AL3のうちで、図37に示すS834の処理で選択された左打ち指示報知が開始される。図37に示すステップS863の処理では、第1左打ち指示報知AL1?第3左打ち指示報知AL3に対応した報知終了条件(第1左打ち報知終了条件?第3左打ち報知終了条件)として、例えば可変表示の実行回数が「3」に達することが設定される。こうした報知終了条件の設定に基づいて、図48(D)に示すように、特別図柄や飾り図柄が3回変動する期間にわたり、第1左打ち指示報知AL1?第3左打ち指示報知AL3のうちで、図37に示すS834の処理で選択された左打ち指示報知が行われる。
【0438】
図49は、時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる時短外突確の場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「突確」であることに基づいて、2ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、図49(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図49(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力も開始される。また、図39に示すステップS603の処理では、「突確」の大当り種別が指定されたと判定される。これに基づいて、ステップS612の処理により、図42に示すように、第4右打ち指示報知AR4が開始される。
【0439】
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図49(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、2ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が行われないことから、図49(B)に示すように、時短信号の外部出力は開始されない。また、図28に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図49(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力が終了する。第4右打ち指示報知AR4は、図49(D)にて実線で示すように大当り遊技状態が終了するまで行われてもよいし、図49(D)にて破線で示すように所定の第4右打ち報知終了条件が成立した場合に、大当り遊技状態が終了するより前に終了させてもよい。第4右打ち報知終了条件は、第1右打ち報知終了条件?第3右打ち報知終了条件よりも短期間で成立すればよい。したがって、第4右打ち指示報知AR4は、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AR3よりも報知時間が短くなる。」

(キ)「



(ク)「【0441】
時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「小当り」となる時短外小当りの場合にも、図49(D)に示した時短外突確の場合と同様に、第4右打ち指示報知AR4や、第4左打ち指示報知AL4が行われる。また、小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化することに対応して、図49(C)に示した時短外突確の場合と同様に、発射位置指定信号の外部出力が行われる。」

(ケ)「【0448】
また、上記実施の形態では、大当り開始指定コマンドにより指定された大当たり種別に応じて右打ち指示報知を選択し、選択された右打ち指示報知の報知態様により、「非確変」又は「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となった後に16ラウンド大当り状態又は8ラウンド大当り状態に制御される確率が異なる。このため、右打ち指示報知の報知態様に対する遊技者の注目を高め、興趣を向上させることができる。なお、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知にそれぞれ対応する、こうした16ラウンド大当り状態又は8ラウンド大当り状態に制御される確率は、それぞれ異なるものであればよい。・・・」

イ 認定事項
引用文献2には、【0438】に「・・・時短外突確の場合に、・・・2ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、・・・図49(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力も開始される。また、・・・第4右打ち指示報知AR4が開始される。」と記載され、
【0439】に「・・・大当り遊技状態が終了することに対応して、・・・図49(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力が終了する。第4右打ち指示報知AR4は、図49(D)にて実線で示すように大当り遊技状態が終了するまで行われてもよいし、・・・」と記載され、
【0441】に「・・・可変表示結果が「小当り」となる時短外小当りの場合にも、図49(D)に示した時短外突確の場合と同様に、第4右打ち指示報知AR4・・・が行われる。また、小当り遊技状態にて・・・図49(C)に示した時短外突確の場合と同様に、発射位置指定信号の外部出力が行われる」と記載されている。
また、引用文献2には、「時短外突確の場合」についての発射位置指定信号などの出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である【図49】には、大当りが終了するタイミングで、発射位置指定信号の出力、及び、発射領域報知(第4右打ち指示報知AR4)を終了することが図示され、また、「時短外小当り」の場合も、「時短外突確の場合」と同様であることが示されている。

したがって、引用文献2の上記記載内容及び図示内容によれば、引用文献2には、「可変表示結果が「小当り」となる場合に、発射位置指定信号(右)の外部出力が開始されると、第4右打ち指示報知AR4も開始され、発射位置指定信号(右)の外部出力が終了すると、第4右打ち指示報知AR4も終了する」ことが記載されているものと認められる。

ウ 上記アの記載事項、上記イの認定事項からみて、引用文献2には、次の技術事項が記載されている(以下「引用文献2に記載された技術事項」という。)。
「遊技者に右遊技領域2Bに遊技球を発射すべきことを報知する右打ち指示報知を行うパチンコ遊技機1において(【0022】、【0351】)、
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート2から、試験端子出力信号に含まれ、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である、発射位置指定信号(右)が、パチンコ遊技機1に対する外部装置となる試験装置に出力され(【0158】、【0180】)、
可変表示結果が「大当り」となる場合に、発射位置指定信号(右)の外部出力が開始されると、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AR3のうちから選択された右打ち指示報知も開始され、大当り状態の終了後に開始される時短制御中において、発射位置指定信号(右)の外部出力が継続して行われ、時短制御が終了するときに発射位置指定信号(右)の外部出力が終了すると、選択された右打ち指示報知も終了し(【0435】?【0437】)、
可変表示結果が「小当り」となる場合に、発射位置指定信号(右)の外部出力が開始されると、第4右打ち指示報知AR4も開始され、発射位置指定信号(右)の外部出力が終了すると、第4右打ち指示報知AR4も終了し(認定事項イ)、
第4右打ち指示報知AR4を、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AL3のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な報知とする(【0351】)ことで、右打ち指示報知の報知態様に対する遊技者の注目を高め、興趣を向上させることができる(【0448】)こと。」

(3)対比
本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a、i)
引用発明の「上始動入賞口33A及び下始動入賞口33Bのうちどちらかの入賞に対応して、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われ」ること、「遊技盤30(遊技領域)」は、それぞれ、本願発明の「遊技媒体を遊技領域に打込むことにより、変動表示を実行可能であ」ること、「遊技領域」に相当する。
そして、引用発明の「可変入賞装置32の開閉板32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態とな」ることは、本願発明の「遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な」ことに相当する。
また、引用発明の「パチンコ遊技機」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の構成a、iは、本願発明の構成A、Iに相当する。

(b)
引用発明の「遊技者が、遊技球を発射する向きを切替えて遊技を行うことが可能な」ことは、本願発明の「遊技媒体の打分けが可能な」ことに相当する。
そして、引用発明の「第1の領域を構成する可変表示装置ユニット35の左側方領域」、「第2の領域を構成する可変表示装置ユニット35の右側方領域」は、それぞれ、本願発明の「第1経路」、「第2経路」に相当する。
そうすると、引用発明の「発射装置60から発射された遊技球が案内される、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域」は、本願発明の「遊技媒体が流下可能な経路」を「含む」「遊技領域」に相当する。
したがって、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。

(c)
引用発明の「遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する「左打ち」をして遊技を行うことで、遊技球の多くは、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33Aの方へと誘導され」ることは、本願発明における「第1経路を遊技媒体が流下」することに相当する。
そして、引用発明における「通常状態においては、」「いくつの遊技球が上始動入賞口33Aへ入賞することとなり、遊技をより有利に進めることができ」ることは、本願発明における「少なくとも通常状態においては」「有利に構成され」ることに相当する。
したがって、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。

(d)
引用発明の「大当たり」、「小当たり」は、それぞれ、本願発明の「有利状態」、「通常状態および有利状態とは異なる特定状態」に相当する。
そして、引用発明の「可変入賞装置32は、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となり、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する「右打ち」をして遊技を行うことで、遊技球の多くは、可変入賞装置32の方へと誘導され」ることは、本願発明の「第2経路を遊技媒体が流下した方が第1経路を遊技媒体が流下したときよりも遊技者にとって有利に構成され」ることに相当する。
したがって、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。

(e)
引用発明の「指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示する」こと、及び、「指示表示領域W2に「右打ち→」と表示」することは、本願発明の「第2経路への遊技媒体の打込みを促進させることが可能な促進報知を行なう」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成e、g、g1の「指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示すると共に」「保留表示変更処理を行うことで、指示表示領域W2に「右打ち→」と表示」する「サブ制御装置262」は、本願発明の構成Eの「第2経路への遊技媒体の打込みを促進させることが可能な促進報知を行なう促進報知手段」に相当する。

(f)
引用発明の構成fの「現在の遊技状態に関する情報を出力するための端子を含む複数の外部接続端子」と、本願発明の構成Fの「促進報知手段により促進報知を行なっているときに、促進報知をしていることを特定可能な特定信号を遊技機の外部に出力可能な外部信号出力手段」とは、「遊技に関する信号を遊技機の外部に出力可能な外部信号出力手段」である点で共通する。

(g、g1)
上記(e)より、引用発明の「大当たり演出が開始された場合に、指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示する」ことは、本願発明の「有利状態」「において促進報知を行な」うことに相当する。
したがって、引用発明の構成e、g、g1と、本願発明の構成G、G1とは、「促進報知手段は、有利状態において」「促進報知を行なう」ことで共通する。

(g、g2)
引用発明において、「大当たりの種別」に「確変大当たりと通常大当たり」があり、「大当たりの種別」が「通常大当たり」である場合、技術常識からみて、「大当たり」終了後の遊技状態は、通常遊技状態となるものである。
そうすると、引用発明は、「大当たり」終了後の遊技状態が通常遊技状態となることを含むものであるから、本願発明の「有利状態の終了後の状態が通常状態であ」ることに相当する構成を含む。

そして、本願発明の「有利状態の終了後に実行される1回目の変動表示が特定状態に制御可能な表示結果」の「変動開始時においても促進報知を行なうことが可能であ」ることは、令和3年3月5日に提出された意見書によると、本願明細書の【0290】の「演出制御用マイクロコンピュータ100においては、図19(B)に示すように、通常大当りの大当り遊技状態の大当り遊技状態となる直前に、次回の順番で変動表示される保留記憶情報として小当り表示結果となる第2特別図柄の保留記憶情報が記憶されている場合に、その保留記憶情報に基づく第2特別図柄の変動表示が当該大当り遊技状態の終了後の1回目の変動表示として実行されるときに、(b3)のように、その第2特別図柄の変動表示の開始時から、小当り右打ち促進報知を実行する演出制御を行なう。」という記載に基づくものである。
一方、引用発明の「大当たり終了後に」「小当たり情報が保留エリアに格納されている場合」には、大当たり終了後の最初に実行される変動表示に対応する「保留エリア」に、小当たり情報が格納されている場合を含むものである。
そうすると、「大当たり終了後に」「小当たり情報が保留エリアに格納されている場合」は、本願発明の「有利状態の終了後に実行される1回目の変動表示が特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるとき」に相当する。

ここで、引用発明の「大当たりのエンディングが終了した時点」(以下「終了時点a」という。)と、大当たり終了後に開始される変動表示の開始時点(以下「開始時点b」という。)とが同じタイミングであるか否かについて検討する。
遊技機の技術分野において、大当たりが終了すると同時に、大当たり中に保留エリアのうち一番先に保留エリアに格納さている「情報」に基づく変動表示が開始されることは、当業者における技術常識であるから、引用発明において、終了時点aと開始時点bとは同じタイミングである。
したがって、引用発明の「大当たりのエンディングが終了した時点で小当たり報知又は示唆として、常に指示表示領域W2において「右打ち→」の指示表示を開始」することは、「大当たりのエンディングが終了した時点である」大当たり終了後に、大当たり中に保留エリアのうち一番先に保留エリアに格納されている「情報」に基づく、最初の変動表示の変動開始時に「「右打ち→」の指示表示を開始」することであるといえることから、本願発明の「有利状態の終了後に実行される1回目の変動表示が特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示」の「変動開始時においても促進報知を行なうことが可能」であることに相当する。
したがって、引用発明の構成g、g2は、本願発明の構成G、G2に相当する。

(g、g3)
上記(g、g2)より、引用発明は、「大当たり」遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となることを含むものであるから、本願発明の「有利状態の終了後の状態が通常状態であ」ることを含む。
そして、引用発明において行われる「その旨を遊技者に対し報知又は示唆する大当たり報知」は、「小当たり報知又は示唆に限らず」行われることから、「大当たり報知」が行われるタイミングは、「小当たり報知又は示唆」が行われるタイミングを特定する構成g、g2より、「大当たりのエンディングが終了した時点で」あるといえる。
また、引用発明の「第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに大当たり情報が格納されている場合」は、本願発明の「有利状態の終了後に実行される変動表示が有利状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるとき」に相当する。
上記(g、g2)において検討したように、引用発明の「大当たりのエンディングが終了した時点で小当たり報知又は示唆として、常に指示表示領域W2において「右打ち→」の指示表示を開始」することは、「大当たりのエンディングが終了した時点である」大当たり終了後に、大当たり中に保留エリアのうち一番先に保留エリアに格納されている「情報」に基づく、最初に開始される変動表示の変動開始時に「「右打ち→」の指示表示を開始」することであるといえる。
そうすると、引用発明の「大当たりのエンディングが終了した時点で小当たり報知又は示唆として、常に指示表示領域W2において「右打ち→」の指示表示を開始」することは、本願発明の「有利状態の終了後に実行される変動表示が有利状態に制御可能な表示結果となる変動表示」の「変動開始時においても促進報知を行なうことが可能」であることに相当する。
したがって、引用発明の構成g、g3は、本願発明の構成G、G3に相当する。

上記(a、i)?(g、g3)によれば、本願発明と引用発明は、
「A 遊技媒体を遊技領域に打込むことにより、変動表示を実行可能であり、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機において、
B 前記遊技領域は、遊技媒体が流下可能な経路として、遊技媒体の打分けが可能な第1経路と第2経路とを含み、
C 少なくとも通常状態においては前記第1経路を遊技媒体が流下した方が有利に構成され、
D 少なくとも前記有利状態と、前記通常状態および前記有利状態とは異なる特定状態と、において、前記第2経路を遊技媒体が流下した方が前記第1経路を遊技媒体が流下したときよりも遊技者にとって有利に構成され、
E 前記第2経路への遊技媒体の打込みを促進させることが可能な促進報知を行なう促進報知手段と、
F´遊技に関する信号を遊技機の外部に出力可能な外部信号出力手段と、を備え、
G´前記促進報知手段は、
G1´前記有利状態において、及び、特定状態に関連して前記促進報知を行ない、
G2 当該有利状態の終了後の状態が前記通常状態であったとしても、当該有利状態の終了後に実行される1回目の変動表示が前記特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときに変動開始時においても前記促進報知を行ない、
G3 当該有利状態の終了後の状態が前記通常状態であったとしても、当該有利状態の終了後に実行される変動表示が前記有利状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときに、変動開始時においても前記促進報知を行なうことが可能である、
I 遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1(構成F)]
外部信号出力手段により遊技機の外部に出力可能な遊技に関する信号に関して、
本願発明は、「促進報知手段により促進報知を行なっているときに、促進報知をしていることを特定可能な特定信号」であるのに対して、
引用発明は、現在の遊技状態に関する情報である点。

[相違点2(構成G、G1)]
本願発明は、「特定状態」「において促進報知を行な」うのに対して、
引用発明は、「小当たり」遊技において、指示表示領域W2に「右打ち→」と表示するか否か不明である点。

[相違点3(構成G4)]
本願発明は、特定状態中に行なわれる促進報知を、有利状態中に行なわれる促進報知よりも視認が困難な報知態様で行なうことが可能であるのに対して、引用発明は、そもそも、「小当たり」遊技において、指示表示領域W2に「右打ち→」と表示するか否か不明であるため、本願発明の構成を備えない点。

[相違点4(構成H)]
本願発明は、「外部信号出力手段は、有利状態において特定信号を遊技機の外部に出力するとともに、当該有利状態の終了後に実行される変動表示が特定状態に制御可能な表示結果となる変動表示であるときには当該有利状態の終了後においても特定信号を遊技機の外部に出力する」のに対して、引用発明は、そのような構成を有しない点。

(4)当審判合議体の判断
そこで、上記相違点1?4について検討する。
ア 相違点2(構成G、G1)及び相違点3(構成G4)について
相違点2および相違点3は、「特定状態」における「促進報知」に関する事項なので、まとめて検討する。
引用発明は、一方で、「大当たり」に関して、「大当たり演出が開始された場合に、指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示する」構成(構成e、g、g1)を備えるものである。
そして、一般に「大当たり」遊技も「小当たり」遊技も遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
また、引用発明は、他方で、「下始動入賞口33Bに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合」についてではあるが、「大当たりのエンディングが終了した時点で小当たり報知又は示唆として、常に指示表示領域W2において「右打ち→」の指示表示を開始」する構成(構成g、g2)を備えるものである。
ここで、上記「(3)対比 (g、g2)」において検討したように、終了時点aと開始時点bとは同じタイミングであるから、引用発明は、小当たり遊技に係る変動の開始時において、「右打ち→」の指示表示を表示する構成を備えるものといえる。
これらのことからみて、引用発明において、小当たり遊技においても、「右打ち→」の指示表示を表示することの動機付けはあるといえる。

ところで、遊技機の技術分野において、大当たり遊技に加えて小当たり遊技において、遊技球を右遊技領域に発射すべきことを遊技者に報知するために右打ち促進報知を行うとともに、小当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様を、大当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様よりも視認が困難な態様とすることで、大当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様に対する遊技者の注目を高め、興趣を向上させることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、上記引用文献2に記載された技術事項や、
引用文献2と同様の内容の記載された特開2014-223199号公報の【0024】、【0160】、【0353】、【0436】?【0443】【0450】の記載や、
特開2012-110483号公報の【図39】、【0354】、【0358】、【0377】等の記載や、
特開2011-139737号公報の「ぱちんこ遊技機100は、長当たり当選時には報知ランプ121および画像表示部104の双方にて右打ちの報知をおこなうとともに、短当たりや小当り当選時には報知ランプ121のみによって右打ちの報知をおこなうようにしてもよい。これによって、打ち方を切り替える前に大当たりが終了してしまったときに大きな不利益が生じてしまう長当たりのときのみ、主制御部201と演出制御部202との双方により右打ちすべきことを遊技者に明確に指示して、遊技者に大きな不利益が生じてしまうことを防止することができる。」(【0289】)という記載を参照のこと。以下「周知の技術事項」という。)。
そして、引用発明において、「小当たり」が発生した場合、「可変入賞装置32は、遊技球が大入賞口32aへ入賞可能な開状態となり、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する「右打ち」をして遊技を行うことで、遊技球の多くは、可変入賞装置32の方へと誘導され」るものである。
したがって、引用発明において、「小当たり」が発生した場合、「右打ち」を行うことで、遊技球が「可変入賞装置32」への入賞が生じるというメリットを生じるものであるから、引用発明は、「小当たり」が発生した場合、「右打ち」報知を行う課題を内在するものであるといえる。
これらのことからみて、引用発明に上記周知の技術事項を適用して、「小当たり」遊技においても「大当たり」遊技と同様に、遊技球を右遊技領域に発射すべきことを遊技者に報知するために右打ち促進報知を行うと共に、「小当たり」遊技における右打ち促進報知の報知態様を、「大当たり」遊技における右打ち促進報知の報知態様よりも視認が困難な態様にて報知し、上記相違点2及び3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

イ 相違点1(構成F)及び相違点4(構成H)について
相違点1及び相違点4は、「外部信号出力手段」に関する事項なので、まとめて検討する。
引用文献2に記載された技術事項の「遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である、発射位置指定信号(右)」は、「可変表示結果が「大当り」となる場合に、発射位置指定信号(右)の外部出力が開始されると、第1右打ち指示報知AR1?第3右打ち指示報知AR3のうちから選択された右打ち指示報知も開始され、大当り状態の終了後に開始される時短制御中において、発射位置指定信号(右)の外部出力が継続して行われ、時短制御が終了するときに発射位置指定信号(右)の外部出力が終了すると、選択された右打ち指示報知も終了し」、また、「可変表示結果が「小当り」となる場合に、発射位置指定信号(右)の外部出力が開始されると、第4右打ち指示報知AR4も開始され、発射位置指定信号(右)の外部出力が終了すると、第4右打ち指示報知AR4も終了」するものであって、「右打ち指示報知」には「発射位置指定信号(右)の外部出力」が必要だから、「発射位置指定信号(右)」は、実質的に「右打ち指示報知」を特定しているといえる。そうすると、引用文献2に記載された技術事項の「遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である、発射位置指定信号(右)」は、本願発明の構成Fの「促進報知をしていることを特定可能な特定信号」に相当する。
そして、引用文献2に記載された技術事項の「出力ポート2から」「試験装置に」、「試験端子出力信号に含まれ」る「発射位置指定信号(右)」を「出力」する「遊技制御用マイクロコンピュータ100」は、本願発明の構成Fの「特定信号を遊技機の外部に出力可能な外部信号出力手段」に相当する。
ところで、引用発明は、構成e、g、g1によると、「大当たり演出が開始された場合に、指示表示領域W2に「右打ち」を推奨するように「右打ち→」と表示する」ものである。
ここで、引用発明の「「右打ち→」の指示表示」は、「現在の遊技状態に関する情報」の1つであるといえるし、引用文献2より、実質的に「右打ち指示報知」をしていることを特定している「発射位置指定信号(右)」を、「パチンコ遊技機1に対する外部装置」に出力することが公知であるといえる。
また、引用発明と引用文献2に記載された技術事項とは、遊技者に右打ち指示表示を行うという共通の機能を有するものである。
これらのことからみて、引用発明に、「発射位置指定信号(右)」を「出力」に関する上記引用文献2に記載された技術事項を適用して、「大当たり」遊技、「小当たり」遊技、大当たりが終了して最初に開始される「小当たり」及び「大当たり」に係る変動表示の変動開始時のいずれの場合に「右打ち→」の指示表示を行う際に、「外部接続端子」から、「右打ち→」の指示表示をしていることを特定可能な信号である「発射位置指定信号(右)」をパチンコ遊技機の外部に出力可能とし、上記相違点1及び4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。

ウ 小括
上記ア?イより、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術事項、及び、周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものである。

エ 請求人の主張について
令和3年3月5日付け意見書において、請求人は、「本願請求項1に記載の発明では、特定状態中に行なわれる促進報知を、有利状態中に行なわれる促進報知よりも視認が困難な報知態様で行なうことが可能であることにより、有利状態中に行なわれる促進報知に基づいて、現在有利状態に制御されていることを遊技者に強く印象付けることができ、促進報知により遊技の興趣を向上させることができます。」(「(5)(5-1)(iv)本願発明と引用文献との相違点」を参照。)と主張する。

そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記アにおいて検討したように、遊技機の技術分野において、小当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様を、大当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様よりも視認が困難な態様とすることで、大当たり遊技における右打ち促進報知の報知態様に対する遊技者の注目を高め、興趣を向上させるという効果を奏することは、本願出願前に周知の技術事項であり、請求人の主張する上記本願発明の効果は、上記周知の技術事項から導き出せる効果である。
よって、請求人の上記意見書における主張を採用することはできない。

オ 本願発明の奏する効果について
本願発明により奏される効果は、当業者が、引用発明、引用文献2、3に記載された技術事項、及び、周知の技術事項から予測し得た効果の範囲内のものであって、格別なものではない。

(5)まとめ
上記(1)?(4)より、 本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-06-29 
結審通知日 2021-07-06 
審決日 2021-07-20 
出願番号 特願2015-107293(P2015-107293)
審決分類 P 1 8・ 113- WZ (A63F)
P 1 8・ 121- WZ (A63F)
P 1 8・ 537- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 武田 知晋  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 長崎 洋一
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ