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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1378432
審判番号 不服2020-10305  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-22 
確定日 2021-10-25 
事件の表示 特願2018-541690「オンデマンドの位置訪問コンバージョンメトリック」拒絶査定不服審判事件〔令和 元年 5月16日国際公開、WO2019/094015、令和 2年 1月 9日国内公表、特表2020-500338、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月9日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和元年12月13日付け:拒絶理由通知
令和2年 2月21日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年 3月26日付け:拒絶査定
令和2年 7月22日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和3年 7月21日付け:拒絶理由通知
令和3年 8月 3日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の理由の概要
原査定(令和2年3月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
この出願の請求項1-22に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2010-86150号公報
2.国際公開第2017/106159号
3.国際公開第2008/120361号(周知技術を示す文献)
4.特開2016-62296号公報

第3 当審拒絶理由の概要
令和3年7月21日付け拒絶理由の概要は次のとおりである。
1 この出願は、特許請求の範囲の請求項12-22の記載が、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
2 この出願は、特許請求の範囲の請求項2-5、7-11の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1-22に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明22」という。)は、令和3年8月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲1-22に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

【請求項1】
クライアントデバイスであって、
ユーザから検索クエリを受信することと、
前記ユーザの検索クエリから導出された検索要求を検索サービスサーバに送信することと、
前記検索サービスサーバから、1つまたは複数の検索結果を含む応答を受信することであって、前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセットを含む、ことと、
前記受信された少なくとも1つのワイヤレス局識別子を前記クライアントデバイスのメモリに記憶することと、
前記クライアントデバイスの通信モジュールを使用して、1つまたは複数の観測されたワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子を識別することと、
前記クライアントデバイスが前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したと判定したことに応答して、前記一致を識別するメッセージを追跡サービスサーバに送信することと
を行うように構成される、クライアントデバイス。
【請求項2】
前記クライアントデバイスの1つまたは複数のプロセッサは、しきい値時間期間よりも長い間前記観測されたワイヤレス局から検出されたワイヤレス信号を分析することによって、前記観測されたワイヤレス局の前記ワイヤレス局識別子が前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子と一致したと判定するように構成される、請求項1に記載のクライアントデバイス。
【請求項3】
前記一致を識別する前記メッセージを前記追跡サービスサーバに送信する前に、一致するデータがログ情報として前記クライアントデバイスのメモリに記憶される、請求項1または2に記載のクライアントデバイス。
【請求項4】
前記送信されたメッセージが前記ログ情報を含む、請求項3に記載のクライアントデバイス。
【請求項5】
前記クライアントデバイスの1つまたは複数のプロセッサが、前記メッセージを前記追跡サービスサーバに送信する前に、前記ログ情報の一部に対して統計的ランダム化を実行するように構成される、請求項3または4に記載のクライアントデバイス。
【請求項6】
クライアントデバイスのユーザから検索クエリを受信するステップと、
前記クライアントデバイスによって、前記検索クエリに応じた検索要求を検索サービスサーバに送信するステップと、
前記クライアントデバイスにおいて前記検索サービスサーバから、前記検索要求に対す応答を受信するステップであって、前記応答が、1つまたは複数の検索結果を含み、前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセットを含む、ステップと、
前記受信された少なくとも1つのワイヤレス局識別子を前記クライアントデバイスのメモリに記憶するステップと、
前記クライアントデバイスの通信モジュールを使用して、1つまたは複数の観測されたワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子を識別するステップと、
前記クライアントデバイスが前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したと判定したことに応答して、前記一致を識別するメッセージを追跡サービスサーバに送信するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記観測されたワイヤレス局の前記ワイヤレス局識別子が前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子と一致したと判定するステップが、しきい値時間期間よりも長い間前記観測されたワイヤレス局から検出されたワイヤレス信号を分析するステップを含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記一致を識別する前記メッセージを前記追跡サービスサーバに送信する前に、一致するデータをログ情報として前記クライアントデバイスのメモリに記憶するステップを含む、請求項6または7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記送信されたメッセージが前記ログ情報を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記メッセージを前記追跡サービスサーバに送信する前に、前記ログ情報の一部に対して統計的ランダム化を実行するステップをさらに含む請求項8または9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
コンピューティング装置によって実行されると、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータプログラム。
【請求項12】
1つまたは複数のプロセッサを含む処理モジュールと、
前記処理モジュールによる実行のためにデータおよび命令を記憶するように構成される1つまたは複数のメモリを有するメモリモジュールと、
1つまたは複数のワイヤレス局および1つまたは複数のクライアントデバイスを含む1つまたは複数のリモートデバイスとの双方向通信のために構成されるワイヤレストランシーバを含む通信モジュールと
を備え、前記処理モジュールが、前記通信モジュールに動作可能に結合され、かつ
クライアントデバイスから検索要求を受信することと、
前記受信された検索要求に関連する位置を識別することと、
前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成することであって、前記応答が、1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットも含む、ことと、
前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを決定することと、
前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含む前記応答を前記クライアントデバイスに送信することと、
前記送信に応答して、メッセージを前記クライアントデバイスから受信することであって、前記メッセージが、前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別する、ことと、
前記受信されたメッセージから、前記識別された位置でコンバージョンが生じたかどうかを判定することと
を行うように構成される、
サーバシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記観測されたワイヤレス局の前記検出されたワイヤレス局識別子が、しきい値時間期間よりも長い間前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの前記1つと一致したかどうかを分析することによって、前記コンバージョンが生じたかどうかを判定するように構成される、請求項12に記載のサーバシステム。
【請求項14】
前記メッセージが、前記少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの所与の1つについて一致が生じたかどうかを示すログ情報を含む、請求項12または13に記載のサーバシステム。
【請求項15】
前記処理モジュールの前記1つまたは複数のプロセッサが、選択された時間期間後にメモリから前記メッセージをパージするように構成される、請求項12から14のいずれか一項に記載のサーバシステム。
【請求項16】
前記クライアントデバイスが、ユーザに関連付けられた第1のクライアントデバイスおよび第2のクライアントデバイスを含み、
前記検索要求が、ユーザに関連付けられた前記第1のクライアントデバイスから受信され、
前記応答が前記第1のクライアントデバイスに送信され、
前記少なくとも1つのワイヤレス局識別子が、前記ユーザに関連付けられた前記第2のクライアントデバイスに送信され、
前記メッセージが、前記第2のクライアントデバイスから受信される、
請求項12から15のいずれか一項に記載のサーバシステム。
【請求項17】
クライアントデバイスから検索要求を受信するステップと、
前記受信された検索要求に関連する位置を識別するステップと、
サーバシステムの1つまたは複数のプロセッサによって、前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成するステップであって、前記応答が1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットも含む、ステップと、
前記サーバシステムの前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを決定するステップと、
前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含む前記応答を前記クライアントデバイスに送信するステップと、
前記送信に応答して、メッセージを前記クライアントデバイスから受信するステップであって、前記メッセージが、前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別する、ステップと、
前記受信されたメッセージから、前記サーバシステムの前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記識別された位置でコンバージョンが生じたかどうかを判定するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記コンバージョンが生じたかどうかを前記判定するステップが、前記観測されたワイヤレス局の前記検出されたワイヤレス局識別子が、しきい値時間期間よりも長い間前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの前記1つと一致したかどうかを分析するステップを含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記メッセージが、前記少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの所与の1つについて一致が生じたかどうかを示すログ情報を含む、請求項17または18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
選択された時間期間の後に前記サーバシステムのメモリから前記メッセージをパージするステップをさらに含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記クライアントデバイスが、ユーザに関連付けられた第1のクライアントデバイスおよび第2のクライアントデバイスを含み、
前記検索要求が、ユーザに関連付けられた前記第1のクライアントデバイスから受信され、
前記応答が前記第1のクライアントデバイスに送信され、
前記少なくとも1つのワイヤレス局識別子が、前記ユーザに関連付けられた前記第2のクライアントデバイスに送信され、
前記メッセージが、前記第2のクライアントデバイスから受信される、
請求項17から20のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
コンピューティング装置によって実行されると、請求項17から21のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1の記載事項と引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2010-86150号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下、同様。)。

「【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は、第一の機能として、所定関数を用いて全体度数(ユーザが検索結果として提示された複数のショップのうちどのショップを訪れる可能性が高いかなどを示す推定指標値)を算出し、ユーザが訪れる可能性が高いなどと推定される順(あるいは低いと推定される順)に検索結果を並び替える機能を有する。
【0007】
ここで所定の関数は、例えば「f=ax+by」などの数式で表される。そして「x、y」は要素度数であって、例えばxは検索キーワードとショップ説明文との類似度、yは検索ユーザの検索時の位置とショップとの距離を示すとする。また「a、b」は重み付け値であって、ユーザが検索キーワードとショップ説明文との類似度(x)を重視するようであれば、その係数である重み付け値aを重く設定し、ユーザがショップへの距離(y)を重視するようであれば、その係数である重み付け値bを重く設定する。
【0008】
このように本発明では、ユーザがどの要素度数を重視するかを加味する所定の関数によって全体度数を推定し、その全体度数に応じて検索結果を並び替えてユーザに提示することができる。
【0009】
そして本発明は、さらに機械学習によって上記所定の関数に含まれる重み付け値を調整する第二の機能も備え、より正確に全体度数を推定することができるように構成されていることを特徴とする。すなわち、上記のように全体度数を算出した検索クエリ及びその検索結果の組に関して、例えば検索結果のリンク先へのクリック操作や実際のショップ訪問といった行動履歴を収集する。そしてその行動履歴に応じて、例えば検索結果のリンク先をクリックしたら「1点」、実際に訪問したら「10点」という具合に順位スコアを付与する。
【0010】
ここで「全体度数」は、検索結果中の複数のショップのうちユーザがどのショップに興味を持つ(検索結果のリンク先をクリックしたり実際に訪れたりする)可能性が高いかを示す推定指標値であり、一方、「順位スコア」は、実際にクリックしたり訪問したりしたことを示す実行指標値である。
【0011】
そこで本発明では、機械学習によって、所定の関数で算出される全体度数が、順位スコアで示される並び順と全部又は一部が一致するよう所定の関数の重み付け値を調整する。このようにして本発明は、所定の関数により決定される推定の並び順を、実際の行動履歴に応じた並び順に近似するよう構成する、という具合である。」

「【0022】
<機能的構成>
図2は、本実施例の検索装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、「検索装置」とは、所定の検索クエリを受付けて検索クエリに合致するショップを特定し、その特定したショップの所在地や紹介文、口コミ評判などの情報を検索クエリ入力者に提示する機能を備える装置をいう。そして本実施例の検索装置は、ネットワーク上のサーバ装置に組み込まれ地図情報検索サーバ装置として実現されても良い。あるいはエンドユーザの端末装置に組み込まれ、地図情報検索端末装置として実現されても良い。
【0023】
また、本発明における「ショップ」とは販売店舗やサービス提供店舗に限定されず、地図情報の検索サービスにおいて検索対象となる、例えば学校や病院などの各種施設、建造物、公園や景勝地、あるいはランドマークなどに置き換えることも可能である。
【0024】
そしてこの図にあるように、本実施例の「検索装置」(0200)は、「クエリ受付部」(0201)と、「ショップ属性値保持部」(0202)と、「検索部」(0203)と、「要素度数算出部」(0204)と、「重み付け値保持部」(0205)と、「全体度数算出部」(0206)と、「ランキング部」(0207)と、を有する。」

「【0027】
「クエリ受付部」(0201)は、ショップを検索するためのクエリを受け付ける機能を有し、ネットワーク上のサーバ装置であれば、通信IF(インターフェース)とクエリ受付用Webページ、クエリ受付プログラムなどで実現することができる。また、端末装置であれば入力デバイスとクエリ受付用GUI、クエリ受付プログラムなどで実現できる。
【0028】
具体的に、クエリには例えば「ケーキ」や「焼肉」、「カラオケ」などの検索キーワードや、GPS機能やユーザ入力などで特定される現在位置情報、あるいは検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報が含まれる。また、その他にも検索キーワードに替わる自然文や画像、あるいは価格上限/下限や地図上の検索範囲指定などの検索条件、また検索ユーザを識別するためのユーザIDや検索時刻情報などが含まれていても良い。
【0029】
「ショップ属性値保持部」(0202)は、ショップごとのショップ属性値を保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、光学記録メディアとその読取ドライブなどの各種記憶装置によって実現することができる。
【0030】
「ショップ属性値」とは、ショップの属性を示す情報をいい、図3に示すように、例えばショップを識別するためのIDや名称、カテゴリーなどの各種タグ情報、ショップの説明文、緯度経度情報や住所情報、電話番号のほか、ユーザレビューなどによる評判を示すポイント、商品やサービスの価格情報、などが挙げられる。
【0031】
そして、検索に際してはこれら属性値が検索クエリに含まれる検索条件と比較することになる。またさらに、本実施例の検索装置では後述する要素度数を算出する際に、ここで保持されている属性値が利用されることになる。
【0032】
「検索部」(0203)は、受け付けたクエリによりショップ属性値保持部を検索する機能を有し、CPUや主メモリ、検索プログラムなどによって実現することができる。この検索部は、基本的には従来同様のアルゴリズムを利用して、例えばCPUの論理演算処理によって検索クエリで示される検索条件と一致するショップ属性を含むショップを特定し、そのショップIDを検索結果として取得する処理を行う、という具合である。
【0033】
また実施例2で後述するように、このクエリと検索結果の組を記憶装置に蓄積しておき、順位スコアとの比較に利用するよう構成しても良い。
【0034】
「要素度数算出部」(0204)は、受け付けたクエリと、保持されているショップ属性値と、から要素度数を算出する機能を有し、例えばCPUと主メモリ、要素度数算出プログラムなどで実現できる。
【0035】
なお「要素度数」とは、クエリとそのクエリに対する結果で示されるショップの対に関して、両者が問と結果として適切な関係であるかを一の測定側面から指標化した値をいい、例えば測定側面としては、クエリに含まれる検索キーワードが、検索にヒットしたショップ名やタグ、紹介文中に登場する割合や、検索時の現在位置情報と検索にヒットしたショップの位置情報から算出される距離や、クエリに含まれる価格条件とショップの価格情報の開きの度合いなどが挙げられる。
【0036】
図4は、このような測定側面から指標化された各要素度数を表す概念図である。この図にあるように、例えば「ID:Q001」のクエリにヒットした「ID:S012」のショップに関して、クエリQ001に含まれる検索キーワードがショップS012に登場する割合は「0.54」、検索時の現在位置情報からショップS012までの距離は「1.3」、クエリQ001に含まれる価格条件とショップS012の価格情報の開きの度合いが「0.98」といった要素度数が算出される。また、同じ「ID:Q001」のクエリにヒットした「ID:S016」の別のショップに関して、第1の要素度数は「0.86」、第2の要素度数は「0.4」、第3の要素度数は「0.52」が算出される、という具合である。
【0037】
もちろん要素度数は上記例には限定されず、クエリとそのクエリに対する結果で示されるショップの対に関して、両者が問と結果として適切な関係であるかを指標化するあらゆる測定側面からの指標値が含まれる。
【0038】
そして、このような要素度数を、重み付け値を含む関数に代入することで、ユーザが上記測定側面のいずれを重視するかを重み付け値によって加味した上で全体度数を推定することができる。また、実施例2で後述するように、その重み付け値を実際の行動履歴に基づく順位スコアに合わせて調整することで、その推定精度を高めることもできる。
【0039】
「重み付け値保持部」(0205)は、前記対ごとに要素度数の関数値としての全体度数を求める際の各要素度数の関数中における重み付けを定める重み付け値を保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、光学記録メディアとその読取ドライブなどの各種記憶装置によって実現することができる。
【0040】
具体的に、重み付け値は「要素度数1の重み付け値がa」、「要素度数2の重み付け値がb」といった具合に要素度数に関連付けて保持されることになる。そして、前述のようにこの重み付け値がユーザが要素度数の測定側面のいずれを重視するかを示す値となる。また、実施例2において実際の行動履歴に全体度数を近似させるための調整対象となる。
【0041】
「全体度数算出部」(0206)は、重み付け値を利用した関数に要素度数を代入することで対ごとに全体度数を算出する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、全体度数算出プログラムなどで実現できる。
【0042】
具体的に、例えば現状の重み付け値の設定では、ユーザは距離の近さ(要素度数2:y)を最も重視し(重み付け値2)、価格条件との開き(要素度数3:z)はそこそこ重視し(重み付け値1)、検索キーワードとショップ説明文との一致度合い(要素度数1:x)はあまり重視しない(重み付け値0.5)、として、関数f1=0.5x+2y+zが与えられている。したがって、図4に示す要素度数を代入して、クエリQ001にヒットしたショップS012の全体度数は「3.85」と算出され、ショップS016の全体度数は「1.75」と算出される、という具合である。
【0043】
また算出された全体度数は、記憶装置に蓄積されている前述のクエリと検索結果の組と関連付けて蓄積されるよう構成することで、実施例2において実際の行動履歴に基づく順位スコアとの比較に利用すると良い。
【0044】
「ランキング部」(0207)は、算出された全体度数を利用して検索部で検索された結果を降順または昇順に並べる機能を有し、例えばCPUと主メモリ、ランキングプログラムなどで実現することができる。具体的に、上記演算された全体度数の数値をCPUの比較演算処理によって大小比較し、その大小順に降順または昇順に検索結果を並び替える、という具合である。
【0045】
このようにして、ユーザがどの要素度数を重視するかを加味して算出された全体度数に応じて検索結果を並び替えてユーザに提示することができる。
【0046】
<ハードウェア構成>
図5は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、検索装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して全体度数の算出および検索結果の並び替え処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0047】
この図にあるように、検索装置は、検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、およびランキング部であり、またその他の各種演算処理を実行する「CPU(中央演算装置)」(0501)と、「主メモリ」(0502)と、を備えている。またショップ属性値保持部や重み付け値保持部である「HDD」(0503)や、クエリ受付部である「通信IF」(0504)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0048】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。」

「【0059】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、さらに機械学習によって検索後のユーザの実際の行動履歴に応じて重み付け値を調整し、全体度数による推測並び替えの精度をより高めることができる検索装置である。
【0060】
図7は、本実施例の検索装置における重み付け値調整処理の一例を説明するための概念図である。この図7(a)にあるように、例えばクエリID:Q001にヒットしたショップIDS012,S021,S016に関し、上記実施例にて説明したようにそれぞれ全体度数「3.85」、「2.39」、「1.75」が算出され、その大小順で並び替えられた推定ランキングが生成されている。
【0061】
ここで、本実施例の検索装置は、このクエリQ001の後に、その検索結果を利用して実際にユーザがとった行動の履歴を収集し、その行動に応じて順位スコアを付与する。例えば、検索結果のリストでユーザがS012とS016のショップIDをクリックし、ショップ紹介文などの詳細情報を得ようという行動をとった場合、それぞれ1ポイントの順位スコアが付与される。また、この検索結果を参照し、ユーザがショップS012に訪れたことを、例えばユーザによる能動的な申告操作やキャッシュカードなどを利用した支払い情報を取得するなどして把握すると、ショップS012に対して10ポイントの順位スコアが付与される。
【0062】
そしてこのような実際の行動によって付与された順位スコアによる実行ランキングと、上記推定ランキングを比較すると、その並び順が相違していることが分かる。つまり、推定ランキングは実際の行動結果と矛盾していることになる。
【0063】
そこで、本実施例ではクエリに関する上記のような事例をその他にも収集し、その事例を利用した機械学習を行う。そしてその機械学習によって、図7(b)に示すように全体度数を算出するための関数の重み付け値を、全体度数によるランキングと順位スコアによるランキングが矛盾が少なくなるよう調整更新する、という具合である。このようにして本実施例は、以降の全体度数による推定ランキングの並び順を、実際の行動履歴に応じた並び順に近似させていくことができる。
【0064】
<機能的構成>
図8は、本実施例の検索装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「検索装置」(0800)は、実施例1を基本として、「クエリ受付部」(0801)と、「ショップ属性値保持部」(0802)と、「検索部」(0803)と、「要素度数算出部」(0804)と、「重み付け値保持部」(0805)と、「全体度数算出部」(0806)と、「ランキング部」(0807)と、を有する。なお、これら構成要件ついては、上記実施例にて記載済みであるので説明は省略する。
【0065】
そして、本実施例の検索装置は、さらに「行動履歴取得部」(0808)と、「順位スコア保持部」(0809)と、「順位スコア更新部」(0810)と、「順位スコア更新ルール保持部」(0811)と、「矛盾度合算出部」(0812)と、「重み付け値更新部」(0813)と、を有する点を特徴とする。
【0066】
「行動履歴取得部」(0808)は、検索主体の行動履歴を取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、行動履歴取得プログラムなどで実現することができる。「行動履歴」とは、ユーザ(検索主体)が検索装置によって提示された検索クエリおよびその検索結果に対応して実行した行動の履歴をいい、例えば検索結果中のショップIDのクリック操作や、検索結果中のショップへの実際の訪問または利用予約情報の送信などの行動の履歴が挙げられる。
【0067】
また、このような行動履歴を取得する具体的な方法としては、例えばユーザが所定のWebページやアプリケーションを利用して自身の行動内容を申告送信することで取得する方法が挙げられる。また、クリック操作や予約操作など端末の操作で示される行動履歴であれば、アプリケーションなどにより自動的にそれらの操作履歴情報が送信されるよう構成することで取得する方法も挙げられる。
【0068】
また、実際にショップを訪問した旨の行動履歴については以下のようにして取得する方法が挙げられる。例えば、GPSなどを利用しユーザの位置情報を定期的に送信するよう構成し、その位置情報がショップ属性値で示されるショップの位置情報と重なった際にショップを訪問した旨の行動履歴を取得する方法が挙げられる。あるいは、当該ショップでネットワークサービスIDと対応するクレジットカードを利用した場合には、そのIDとクレジットカード支払情報などを関連付けて取得するよう構成することで、ショップへの訪問の行動履歴を取得する方法が挙げられる。
【0069】
なおここで収集される行動履歴は、比較対象となる全体度数を特定するため検索クエリと関連付けられていることが望ましい。そのため、例えば検索実行後の所定時間内の行動を取得し、クエリIDと関連付けて蓄積するよう構成しても良い。また時間的に区切るのではなく、ユーザIDとショップIDとを利用して、ユーザIDとショップIDとが一致する場合に検索結果に応じた行動であるとして、その行動をクエリIDと関連付けて蓄積するよう構成しても良い。
【0070】
そして、本実施例の検索装置は、以下の構成によりこの様に取得した行動履歴を利用して、検索結果を参照したユーザの実際の行動に基づく実行ランキングを作成する。そしてこの実行ランキングと、全体度数による推定ランキングとの矛盾が無いよう全体度数算出用の関数に含まれる重み付け値を調整することを特徴とする。
【0071】
「順位スコア保持部」(0809)は、順位スコアを保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、光学記録メディアとその読取ドライブなどの各種記憶装置によって実現することができる。また「順位スコア」とは、蓄積されているクエリとそのクエリに対する結果で示されるショップの対に関して両者が問と結果として適切な関係にあるかを総体的に示す指標をいい、本実施例においては、次の順位スコア更新部にて記載しているように、行動履歴に基づいて前記クエリとその検索結果との適切性を表す指標値である。
【0072】
「順位スコア更新部」(0810)は、前記取得された行動履歴に基づいて保持されている順位スコアを更新する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、順位スコア更新プログラムなどで実現できる。具体的には、例えば検索結果のリンク先をクリックしたら「1点」、実際に訪問したら「10点」という具合に順位スコアを付与するとのルールが定められている。すると図9に示すように、例えば、クリック1回、実際のショップへの訪問1回との行動履歴が取得された場合、その順位スコアf'1は「11点」に更新される。また、クリック1回との行動履歴が取得されたクエリとショップの組み合わせについては、その順位スコアf'2は「1点」に更新される、という具合である。
【0073】
「順位スコア更新ルール保持部」(0811)は、前記順位スコアを行動履歴に基づいて更新するためのルールを保持する機能を有し、例えばHDD(ハードディスクドライブ)や不揮発性メモリ、光学記録メディアとその読取ドライブなどの各種記憶装置によって実現することができる。また、ここで保持されるルールは適宜設定されて構わないが、例えば、前述のように例えば検索結果のリンク先をクリックしたら「1点」、実際に訪問したら「10点」という具合に行動の種類に応じて所定の点数を付与するとのルールなどが挙げられる。」

「【0093】
<ハードウェア構成>
図11は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、検索装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して重み付け値の調整更新処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。なお実施例1と重複する処理については説明を省略する。
【0094】
この図にあるように、検索装置は、行動履歴取得部、順位スコア更新部、矛盾度合算出部、および重み付け値更新部であり、またその他の各種演算処理を実行する「CPU(中央演算装置)」(1101)と、「主メモリ」(1102)と、を備えている。また順位スコア保持部や順位スコア更新ルール保持部である「HDD」(1103)や、検索端末とデータの送受信を行う「通信IF」(1104)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。」

「【0116】
≪実施例4≫
<概要>
前述のように、上記各実施例の検索装置はネットワーク上の検索サーバ装置などに組み込むことができる。そしてそのような構成をとる場合、検索装置に対して検索クエリを送信する移動端末装置が存在することになる。そこで本実施例では、その移動端末装置と、上記実施例の検索装置と、からなる検索システムについて説明する。
【0117】
<機能的構成>
図16は、本実施例の検索システムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の検索システムは、「検索装置」(1600)と、「移動端末装置」(1610)と、からなる。なお、検索装置における機能ブロックなどは上記各実施例で記載したものと同様であるので、その図示および説明は省略する。
【0118】
そして図16にあるように、移動端末装置は、「位置情報取得部」(1611)と、「検索クエリ取得部」(1612)と、「検索クエリ送信部」(1613)と、「行動履歴送信部」(1614)と、を有する。
【0119】
「位置情報取得部」(1611)は、移動端末装置自身の位置情報を取得する機能を有し、例えば、CPUや主メモリ、位置情報取得プログラムなどによって実現することができる。具体的には、例えば、移動端末装置が携帯電話やPHS(パーソナル・ハンディフォン・システム)などであれば、その通信用の基地局情報などを自身の位置情報として取得する方法が挙げられる。あるいは、検索クエリを入力するためのWebページ(地図情報提供サービスのWebページ)に現在住所情報の入力欄を設け、ユーザーが当該入力欄に住所文字列を入力することで移動端末装置の位置情報を取得する方法も挙げられる。
【0120】
あるいは位置情報取得部は図示しない「GPS処理手段」を有し、GPS衛星からの信号を利用した演算処理によって自身の緯度経度情報を取得するよう構成しても良い。
【0121】
「検索クエリ取得部」(1612)は、取得した位置情報を含む検索クエリを取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、入力デバイス、GUIを含む検索クエリ取得プログラムなどで実現することができる。
【0122】
この検索クエリ取得部では、前記位置情報以外の検索クエリを以下のようにして取得すると良い。すなわち、例えば地図情報提供サービスのWebページに検索キーワードなどの入力欄やその他の検索条件を指定するためのチェックボックスなどを設ける。そして、ユーザ(検索主体)が入力デバイスなどを操作し当該Webページ画面を介して入力した、例えば「ケーキ」や「焼肉」、「カラオケ」などの検索キーワードや、検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報、あるいは検索キーワードに替わる自然文や画像、価格上限/下限、地図上の検索範囲指定などの検索条件を取得する、という具合である。
【0123】
またサービス提供に当たってログインを要求するなどして、検索ユーザを識別するためのユーザIDを検索クエリに含む情報として取得しても良いし、内蔵時計などから検索時刻情報などを取得しても良い。
【0124】
あるいは、この検索クエリ取得部は、図示しない「移動情報付クエリ取得手段」をさらに有するよう構成しても良い。「移動情報付クエリ取得手段」は、取得した位置情報を移動方向として検索クエリに含んで検索クエリを取得する機能を有する。この移動情報付クエリ取得手段での具体的な移動情報の取得方法としては、例えば、移動端末装置がGPS機能などで定期的に位置情報を取得し、その位置情報の遷移から自身の移動方向を算出する方法などが挙げられる。
【0125】
そして、このような移動情報を含み検索クエリを検索装置に送信することで、前述のように検索装置では要素度数として検索対象に向かっているか否かという測定側面を指標化した値を利用することができる。
【0126】
「検索クエリ送信部」(1613)は、取得した検索クエリを送信する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信IF、検索クエリ送信プログラムなどで実現することができる。具体的には、HTML文書である地図情報提供サービスのWebページの送信ボタンなどをクリックして生成されたHTTPリクエストとして、前記取得した各種の情報を含む検索クエリを、検索装置が組み込まれた検索サーバ装置に対して送信する、という具合である。
【0127】
「行動履歴送信部」(1614)は、検索主体の行動履歴を送信する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、行動履歴送信プログラムなどで実現することができる。なお、「行動履歴」とは、前述の通り、ユーザ(検索主体)が検索装置によって提示された検索クエリおよびその検索結果に対応して実行した行動の履歴をいう。また行動履歴の具体的な送信方法には、例えばユーザが所定のWebページやアプリケーションを利用して自身の行動内容を申告送信する方法がことで取得する方法が挙げられる。また、クリック操作や予約操作など端末の操作で示される行動履歴であれば、アプリケーションなどにより自動的にそれらの操作履歴情報が送信されるよう構成しても良い。
【0128】
あるいは、GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報と検索結果として取得したショップの位置情報とが重なったかを判断し、両位置が重なっていた際にショップを訪問した旨の行動履歴を送信するよう構成しても良い。
【0129】
ただし移動端末装置から送信される行動履歴は、例えば上記のような「ショップAで購入行動をした」といった具合のユーザ行動そのものを直接的に示す情報でなくても良い。例えば、移動端末装置は間接的な行動履歴としてユーザIDや端末IDなどを検索装置に送信しても良い。そして検索装置では、そのユーザIDや端末IDをキーとして、例えばショップが設置している顧客情報管理サーバやクレジット会社や電子マネー運営者などが管理している出入金管理サーバなどに問合せを行い、検索主体の実際の購買行動履歴などを取得するよう構成する、という具合である。
【0130】
そして、以上のような移動端末装置と、上記実施例にて説明した検索装置を組み込んだサーバ装置と、によって、サーバ?クライアントシステムにて学習機能を利用した検索結果並び替え機能を有するショップ情報やその他の地域情報の検索情報サービスを提供することができる。
【0131】
<処理の流れ>
図17は、本実施例の検索システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。また、この検索システムを構成する検索装置の処理の流れについては、上記実施例にて記載済みであるので適宜省略して説明する。
【0132】
この図にあるように、まず、移動端末装置にて、例えばGPS信号や基地局情報などを利用して自身の位置情報を取得する(ステップS1401)。そして、その位置情報及び、例えばGUIを介して入力された検索キーワードやその他検索条件を含む検索クエリを取得し(ステップS1402)、その検索クエリを検索装置に対して送信する(ステップS1403)。なお、ステップS1402にて取得される検索クエリに、移動方向を含むよう構成しても良い。
【0133】
検索装置では、送信された検索クエリを受付ける(ステップS1404)と、上記実施例にて図6を参照し説明したような処理を実行し全体度数を算出する。そして算出した全体度数を利用して、受付けた検索クエリによる検索結果を昇順または降順で並び替える(ステップS1405)。そして、並び替えた検索結果を移動端末装置に対して返信する(ステップS1406)。
【0134】
移動端末装置では、返信された検索結果を受信し(ステップS1407)、ディスプレイなどにその検索結果を表示する(ステップS1408)。その後、その検索結果に応じて行ったユーザ(検索主体)の行動履歴を、例えば検索結果のクリック操作やGPS位置情報などを利用して取得し、検索装置に送信する(ステップS1409)。
【0135】
検索装置では、その行動履歴を取得する(ステップS1410)と、上記実施例にて図12を参照し説明したような処理を実行し矛盾度合いを算出する。そして算出した矛盾度合いが閾値以上か判断し、閾値以上であれば重み付け値を矛盾度合いが少なくなるよう更新する(ステップS1411)。」

以上の事項からみて、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「移動端末装置と、ネットワーク上の検索サーバ装置などに組み込まれた検索装置とからなる検索システムであって(【0116】)、
移動端末装置は、位置情報取得部と、検索クエリ取得部と、検索クエリ送信部と、行動履歴送信部とを有し(【0118】)、
位置情報取得部は、GPS信号や基地局情報を利用して移動端末装置自身の位置情報を取得し(【0119】、【0132】)、
検索クエリ取得部は、取得した位置情報およびGUIを介して入力された検索キーワードを含む検索クエリを取得し(【0121】、【0132】)、
検索クエリ送信部は、検索クエリを検索装置に対して送信し(【0126】、【0132】)、
移動端末装置は、検索装置から返信された検索結果を受信し(【0134】)、
行動履歴送信部は、ユーザが検索装置によって提示された検索クエリおよびその結果に対応して実行した行動の履歴である行動履歴として、検索結果のクリック操作や、GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報と検索結果として取得したショップの位置情報とが重なったかを判断し、両位置が重なっていた際にショップを訪問した旨を検索装置に送信し(【0066】、【0127】-【0129】、【0134】)、
検索装置は、クエリ受付部と、ショップ属性値保持部と、検索部と、要素度数算出部と、重み付け値保持部と、全体度数算出部と、ランキング部と、さらに、行動履歴取得部を有し(【0024】、【0064】、【0065】)、
検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部の処理は、CPU(中央演算装置)が主メモリからプログラムを読み出し、プログラムで示される手順に従い実行され(【0032】、【0034】、【0041】、【0044】、【0047】、【0048】、【0066】、【0094】)、
ショップ属性値保持部、重み付け値保持部は、HDD(ハードディスクドライブ)により実現され(【0029】、【0039】、【0047】)、
クエリ受付部は通信IF、クエリ受付用Webページ、クエリ受付プログラムにより実現される(【0027】、【0047】)ものであり、
CPU(中央演算装置)、主メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)、通信IFはデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行い(【0047】)、
クエリ受付部は、ショップを検索するための検索キーワードや、GPS機能やユーザ入力などで特定される現在位置情報、あるいは検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報が含まれるクエリを受け付ける機能を有し(【0027】、【0028】)、
ショップ属性値保持部は、ショップを識別するためのIDや名称、緯度経度情報や住所情報を含むショップ属性値を保持する機能を有し(【0029】、【0030】)、
検索部は、受け付けたクエリによりショップ属性値保持部を検索する機能を有し、検索クエリで示される検索条件と一致するショップ属性を含むショップを特定し、そのショップIDを検索結果として取得する処理を行い(【0031】、【0032】)、
要素度数算出部は、受け付けたクエリと、保持されているショップ属性値と、から要素度数を算出する機能を有し(【0034】)、
重み付け値保持部は、クエリとそのクエリに対する結果で示されるショップの対ごとに要素度数の関数値としての全体度数を求める際の各要素度数の関数中における重み付けを定める重み付け値を保持する機能を有し(【0035】、【0039】)、
全体度数算出部は、重み付け値を利用した関数に要素度数を代入することで対ごとに全体度数を算出する機能を有し(【0041】)、
ランキング部は、算出された全体度数を利用して検索部で検索された結果を降順または昇順に並べる機能を有し(【0044】)、
行動履歴取得部は、ユーザによる検索結果中のショップIDのクリック操作や、検索結果中のショップへの実際の訪問または利用予約情報の送信などの行動の履歴である行動履歴を取得する機能を有し(【0066】)、
検索装置は、検索クエリに合致するショップの所在地や紹介文、口コミ評判などの情報を検索結果として、ユーザの移動端末装置に提示する(【0022】、【0134】)のに際して、所定の関数からなる全体度数(提示された複数のショップのうちどのショップを訪れる可能性が高いかなどを示す推定値)に基づいて、検索結果を並べ替えて表示し(【0006】、【0010】、【0133】)、
また、取得した行動履歴を利用して、検索結果のリンクをクリックしたら「1点」、実際に訪問したら「10点」といった具合にユーザの行動の種類に応じて所定の点数を付与するルールに従って、実行指標値である順位スコアを算出し、全体度数による並び順が、順位スコアで示される並び順と一致するように所定の関数の重み付け値を調整して、実際の行動履歴に応じた並び順に近似するようにした(【0009】、【0011】、【0070】-【0073】、【0134】、【0135】)、
検索システム。」

2 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された引用文献2(国際公開第2017/106159号)には、以下の記載がある。なお、以下における(訳)は、特表2018-519606号公報によるものである。
「[0002] Store owners may wish to know how many visitors are coming in and out of their store and/or characteristics of the visitors. Further, store owners may wish to understand customer behavior such as their purchase rate, average time in the store, returning visitors, etc. Because smartphones often search for nearby WiFi networks, WiFi routers or other devices can be used to connect to and keep a record of smartphones that pass through the store. The information may then be used to generate analytics data that can be viewed by a store owner. However, such a setup requires additional work by the store owner (installing beacons or changing the WiFi firmware) and causes privacy issues (e.g., the MAC addresses of smartphones passing through the store are known).
(訳)【0002】
店舗オーナーは、どれくらい多くの訪問客が彼らの店舗に出入りしているかおよび/または訪問客の特性を知りたいと望む場合がある。さらに、店舗オーナーは、購入率、店舗内にいる平均時間、再び訪れる訪問客数などの顧客の行動を理解したいと望む場合がある。スマートフォンは近隣のWiFiネットワークを頻繁に探索するため、WiFiルータまたは他のデバイスは、店舗を経由するスマートフォンに接続し、店舗を経由するスマートフォンの記録を保持するために使用され得る。そのような情報は、その後、店舗オーナーが閲覧することができる分析データを生成するために使用され得る。しかしながら、当該の環境構築は、店舗オーナーによる追加の作業(ビーコンを設置することまたはWiFiファームウェアを変更すること)が必要となり、プライバシー問題(例えば、店舗を経由するスマートフォンのMACアドレスが知られてしまう)を生じることになる。」

「[0014] In a physical storefront, one or more store devices may be deployed. The store devices may be, for example, beacons (e.g., Bluetooth beacons) or WiFi routers. In some implementations, the store may include WiFi routers that generally provide a wireless network for surrounding user devices. In the systems and methods described herein, the WiFi routers or other store devices are used to push a signal to user devices in range of the devices. The signal may include a store identifier or other information that identifies the store to the user device. The store devices may then be configured not to receive a response or other information from the user device after pushing the signal.
(訳)【0010】
物理的店頭には、1つまたは複数の店舗デバイスが配備され得る。店舗デバイスは、一例としては、ビーコン(例えば、Bluetooth(登録商標)ビーコン)またはWiFiルータであり得る。いくつかの実施形態においては、店舗は、周囲のユーザデバイスに無線ネットワークを一般的に提供するWiFiルータを含み得る。本明細書に記載のシステムおよび方法においては、WiFiルータまたは他の店舗デバイスは、デバイスのうちの範囲内にあるユーザデバイスに信号をプッシュするために使用される。信号は、ユーザデバイスへの店舗識別子または店舗を識別する他の情報を含み得る。そして、店舗デバイスは、信号をプッシュした後にユーザデバイスから応答または他の情報を受信しないように構成され得る。

[0015] The user device (e.g., a smartphone), and more particularly an application on the user device, may receive the signal and create store visit data for the user device. The store visit data may generally relate to stores that the user device has visited and received a signal. For example, the store data may include store identifiers from stores that the user of the user device has visited, along with time data representing times associated with the visits. The collection of the store visit data occurs at the user device instead of via the store devices (e.g., WiFi routers), ensuring privacy between the store devices and the users. In some implementations, the only interaction between the store devices and the user device is when a store device pushes a message to the user device. By therefore not communicating with the store devices beyond receiving a pushed signal from the store devices, security of user data is enhanced. In other implementations, the store devices and user device may also engage in typical WiFi communication as well.
(訳)【0011】
ユーザデバイス(例えば、スマートフォン)、およびより具体的にはユーザデバイス上のアプリケーションが、信号を受信し、ユーザデバイスのための店舗訪問データを作成し得る。店舗訪問データは、ユーザデバイスが訪問して信号を受信した店舗に一般的に関連し得る。例えば、店舗データは、訪問に関連付けられた時間を表す時間データとともに、ユーザデバイスのユーザが訪れた店舗からの舗識別子を含み得る。店舗訪問データの収集が、店舗デバイス(例えば、WiFiルータ)を介して生じる代わりに、ユーザデバイスにおいて生じるため、店舗デバイスとユーザとの間のプライバシーを保証している。いくつかの実施形態においては、店舗デバイスとユーザデバイスとの間のインタラクションは、店舗デバイスがメッセージをユーザデバイスにプッシュする場合だけである。したがって、店舗デバイスからのプッシュ信号を受信すること以外店舗デバイスと通信しないことによって、ユーザデータのセキュリティを強化している。他の実施形態においては、店舗デバイスおよびユーザデバイスはまた、標準的なWiFi通信にも関与し得る。

[0016] The user device may aggregate store visit data for a plurality of signals pushed to the user device. The user device may continue to aggregate store visit data. In some implementations, the user device may aggregate store visit data until a threshold number of store identifiers is reached. For example, the user device may accumulate up to one thousand store visits or store identifiers. In response to reaching the threshold, the user device may then transmit the store visit data to an analytics server. In various implementations, the user device may transmit the store visit data upon reaching a threshold for a given time frame (e.g., one day, one week, one month, etc.), and may not transmit the store visit data if the visit threshold or time threshold is not met.
(訳)【0012】
ユーザデバイスは、ユーザデバイスにプッシュされた複数の信号に関する店舗訪問データを集約し得る。ユーザデバイスは、店舗訪問データを継続して集約し得る。いくつかの実施形態においては、ユーザデバイスは、閾値数分の店舗識別子に達するまで店舗訪問データを集約してもよい。例えば、ユーザデバイスは、最大1千件分の店舗訪問または店舗識別子を蓄積してもよい。閾値に達したことに応じて、ユーザデバイスは、その後、店舗訪問データを分析サーバに送信し得る。様々な実施形態において、ユーザデバイスは、所与の時間フレームに関する閾値(例えば、1日、1週間、1月など)に達すると店舗訪問データを送信し得るし、訪問閾値または時間閾値を満たしていない場合には店舗訪問データを送信し得ない。」

3 引用文献3の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された引用文献3(国際公開第2008/120361号)には、以下の記載がある。

「[0078] 図13は、評価情報の施設に、移動端末2のユーザが訪れていないと判定した場合における情報配信装置3の動作例を示すフローチャートである。図13に示すように、来訪判定部42は、まず、所定時間が経過したか否かを判定する(工程Op15)。来訪判定部42は、所定時間が経過していると判定すれば(工程Op15にてYES)、配信情報管理テーブル41の先頭の1レコードを抽出する(工程Op16)。一方、来訪判定部42は、所定時間が経過していないと判定すれば(工程Op15にてNO)、工程Op15に戻る。なお、所定時間は、来訪判定部42の図示しないメモリに予め格納されている。」

4 引用文献4の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された引用文献4(特開2016-62296号公報)には、以下の記載がある。

「【0059】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ配信システム10について説明する。
第1の実施の形態によれば、ユーザ端末特定部13により、ターゲットユーザが利用する複数のユーザ端末を特定することができる。本実施の形態では、配信制御部16が、このようなターゲットユーザが利用する複数のユーザ端末にコンテンツを配信する際の配信方法について説明する。
【0060】
まず、図6を参照して、ターゲットユーザが利用するユーザ端末21?23のうち、いずれかのユーザ端末で、ターゲットユーザが閲覧または操作したコンテンツを、他のユーザ端末にも配信する場合について説明する。図6は、複数ユーザ端末に対するコンテンツ配信方法を示す説明図である。
【0061】
この際、コンテンツ閲覧に関する行動履歴は、公知の技術により、行動履歴記憶部12に行動履歴として記録できる。配信制御部16は、この行動履歴に基づき、ターゲットユーザが閲覧または操作したコンテンツを、他のユーザ端末にも配信すればよい。ここでは、スマートフォン用のコンテンツX1とPC用のコンテンツX2が、関連コンテンツXとしてコンテンツ記憶部11に登録されているものとする。
【0062】
具体的には、図6に示すように、時刻T1にユーザAがユーザ端末(スマートフォン)23で、スマートフォン用のコンテンツX1を閲覧した場合、ユーザAは関連コンテンツXの内容に興味があることが予想される。このため、配信制御部16は、その後の時刻T2に、ユーザAがユーザ端末(PC)21で、任意のサーバにアクセスした場合、そのサーバから配信するコンテンツに設けられている表示枠に、関連コンテンツXのうちPC用のコンテンツX2を配信する。
【0063】
これにより、例えば、ユーザAの横浜にある自宅のPCで横浜の不動産物件を検索した場合、この行動履歴をもとにして、ユーザAが勤務する東京にある会社のPCに横浜の不動産物件に関する広告を、PC用コンテンツで配信することができる。また、通勤途中でユーザAがスマートフォンを利用した場合、そのスマートフォンに対しても横浜の不動産物件に関する広告を、スマートフォン用のコンテンツで配信することができる。したがって、ユーザAが興味を示した横浜の不動産物件に関する広告を、端末を跨いで他のユーザ端末へ、端末種別に合わせたコンテンツにより配信することができる。
【0064】
このため、ユーザAに対して、同様の広告を端末種別に合わせたコンテンツを用いて繰り返し配信しても、端末種別とコンテンツ種別とのミスマッチによるストレスがないため、ユーザAに所期の行動を起こさせる割合を増大させることが可能となる。したがって、広告コンテンツの場合には、広告に対する選択操作やコンバージョンの機会を増やすことができ、極めて効率のよい広告配信を実現することが可能となる。
【0065】
次に、図7を参照して、ターゲットユーザが利用するユーザ端末21?23のうちのいずれか複数に、同一のコンテンツ、または、互い関連のあるコンテンツのいずれかをそれぞれ配信する場合について説明する。図7は、複数ユーザ端末に対する他のコンテンツ配信方法を示す説明図である。この際、配信するコンテンツは、予め指定されているものとし、スマートフォン用のコンテンツX1とPC用のコンテンツX2が、関連コンテンツXとしてコンテンツ記憶部11に登録されているものとする。
【0066】
具体的には、図7に示すように、時刻T1にユーザAがユーザ端末(スマートフォン)23で、任意のサーバにアクセスした場合、配信制御部16は、そのサーバから配信するコンテンツに設けられている表示枠に、関連コンテンツXのうちスマートフォン用のコンテンツX1を配信する。また、その後の時刻T2に、ユーザAがユーザ端末(PC)21で、任意のサーバにアクセスした場合、配信制御部16は、そのサーバから配信するコンテンツに設けられている表示枠に、関連コンテンツXのうちPC用のコンテンツX2を配信する。
【0067】
これにより、例えば、ユーザAに自動車の広告を配信する場合、ユーザ端末(スマートフォン)23にはスマートフォン用のコンテンツX1からなる自動車広告を配信でき、ユーザ端末(PC)21にはPC用のコンテンツX2からなる自動車広告を配信できる。
このため、同様の広告を、ユーザAに対して繰り返し配信しても、端末種別とコンテンツ種別とのミスマッチによるストレスがないため、ユーザAに所期の行動を起こさせる割合を増大させることが可能となる。したがって、広告コンテンツの場合には、広告に対する選択操作やコンバージョンの機会を増やすことができ、極めて効率のよい広告配信を実現することが可能となる。
【0068】
次に、図8を参照して、ターゲットユーザが利用するユーザ端末21?23ごとに、個々のコンテンツの配信回数を計数し、これらコンテンツの配信回数の合計がしきい値を超えたときには、そのターゲットユーザのすべてのユーザ端末21?23への配信を終了する場合について説明する。図8は、コンテンツ配信回数の計数例である。ここでは、ユーザAに対するコンテンツの配信回数の合計のしきい値を10回としている。
【0069】
具体的には、図8に示すように、コンテンツX,Yに関する配信回数を、ユーザAのユーザ端末(PC)21、ユーザ端末(タブレット)22、ユーザ端末(スマートフォン)23ごとに、配信制御部16が計数する。ここで、コンテンツXの配信回数の合計は11回であり、しきい値を超えているため、各ユーザ端末21?23に対するコンテンツXの配信は配信不可と判定される。一方、コンテンツYの配信回数の合計は9回で、まだしきい値以下であるため、各ユーザ端末21?23に対するコンテンツXの配信は配信不可と判定される。
【0070】
これにより、例えば、ユーザAに健康食品の広告を配信する場合、ユーザ端末21?23で配信回数の合計がしきい値を超えた広告については、ユーザAはすでに当該健康食品への興味が失われたと判定されて、すべてのユーザ端末21?23に対する配信が停止される。
このため、関連するコンテンツをユーザAのユーザ端末21?23へ繰り返し配信する場合でも、所定の制限に応じて配信停止を判断でき、ユーザAに対するストレスを緩和できる。したがって、コンテンツの場合には、ユーザが興味を示さない広告の配信をすべてのユーザ端末に対して中止して、新たな広告をユーザに配信する機会を増やすことができ、極めて効率のよい広告配信を実現することが可能となる。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「移動端末装置」は、以下の相違点を除いて、本願発明1の「クライアントデバイス」に相当し、引用発明の、「検索装置」は、ネットワーク上の検索サーバ装置などに組み込まれたものであるから、以下の相違点を除いて、本願発明1の「検索サービスサーバ」に相当する。
イ 引用発明の「検索クエリ取得部」は、GUIを介して入力された検索キーワードを含む検索クエリを取得しており、検索キーワードはユーザが入力するものである。よって、引用発明の「検索クエリ取得部」は、本願発明1における「ユーザから検索クエリを受信する」ように構成されたものに相当する。
ウ 引用発明の「検索クエリ送信部」は、「取得した位置情報およびGUIを介して入力された検索キーワード」を含む「検索クエリ」を検索装置に送信するに際し、「検索クエリ」には、ユーザから入力された「ショップを検索するための検索キーワード」の他に、「GPS機能やユーザ入力などで特定される現在位置情報、あるいは検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報が含まれ」ており、これらは、ユーザの検索クエリから導出された「検索要求」ということができ、本願発明1における「検索要求」に相当する。すると、引用発明の「検索クエリ送信部」における当該「検索クエリを送信する」機能は、本願発明1における「ユーザの検索クエリから導出された検索要求を検索サービスサーバに送信する」ことに相当する。
エ 引用発明の「移動端末装置」が検索装置から受信する「検索結果」は、検索クエリに合致するショップの所在地や紹介文、口コミ評判などの情報であるから、検索クエリに対する「応答」に含まれているといえる。また、引用発明の検索装置は、検索結果を提示するのに際して、全体度数に基づいて検索結果を並べ替えて表示していることから、検索結果は、「1つまたは複数の結果」からなるものである。よって、引用発明における「移動端末装置」の「検索結果を検索装置から受信する」機能は、以下の相違点を除いて、本願発明1における「検索サービスサーバから、1つまたは複数の検索結果を含む応答を受信する」ように構成されたものに相当する。
オ 引用発明において、検索結果は「検索クエリに合致するショップの所在地」を含み、ショップを訪問したかを判断するために必要な情報であるから、クライアントデバイスのメモリに記憶されることは明らかである。よって、引用発明の「検索クエリに合致する」「検索結果として取得したショップの位置情報」と、本願発明1の「前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントに位置するワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセットを含」み、「前記受信された少なくとも1つのワイヤレス局識別子を前記クライアントデバイスのメモリに記憶すること」とは、「前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報を含」み、「前記受信された位置に関する情報を前記クライアントデバイスのメモリに記憶すること」である点で共通する。
カ 引用発明の「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報」と、本願発明1の、「クライアントデバイスの通信モジュールを使用して、観測され」た「ワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス識別子」とは、クライアントデバイスにより特定された「位置に関する情報」である点で共通する。
キ そして、引用発明の、検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報が「重なったかを判断」することと、本願発明1の検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と「一致する」クライアントデバイスにより観測された位置に関する情報を「検出したと判定」することは、検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報との「一致を検出したと判定する」ことである点で共通する。
ク 引用発明の、一致を検出したと判定し「両位置が重なっていた際にショップを訪問した旨を検索装置に送信」することは、本願発明1における、一致を検出したと判定したことに「応答して、前記一致を識別するメッセージを追跡サービスサーバに送信する」ことと、「一致を検出したと判定したことに応答して、一致を識別するメッセージをサーバに送信する」点で共通する。
ケ 上記オないしクより、引用発明の行動履歴送信部における「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報と検索結果として取得したショップの位置情報とが重なったかを判断し、両位置が重なっていた際にショップを訪問した旨を検索装置に送信」することと、本願発明1の「前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセットを含む、ことと、前記受信された少なくとも1つのワイヤレス局識別子を前記クライアントデバイスのメモリに記憶することと、前記クライアントデバイスの通信モジュールを使用して、1つまたは複数の観測されたワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子を識別することと、前記クライアントデバイスが前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したと判定したことに応答して、前記一致を識別するメッセージを追跡サービスサーバに送信する」こととは、「前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報を含む、ことと、前記受信された位置に関する情報を前記クライアントデバイスのメモリに記憶することと、前記クライアントデバイスにより、位置に関する情報を特定することと、前記クライアントデバイスが前記記憶された位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報との一致を検出したと判定したことに応答して、一致を識別するメッセージをサーバに送信する」点で共通する。

上記アないしケより、本願発明1と引用発明とは、以下の一致点で一致し、また相違点1、2で相違する。

(一致点)
「クライアントデバイスであって、
ユーザから検索クエリを受信することと、
前記ユーザの検索クエリから導出された検索要求を検索サービスサーバに送信することと、
前記検索サービスサーバから、1つまたは複数の検索結果を含む応答を受信することであって、前記応答がまた、前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報を含む、ことと、
前記受信された位置に関する情報を前記クライアントデバイスのメモリに記憶することと、
前記クライアントデバイスにより、位置に関する情報を特定することと、
前記クライアントデバイスが前記記憶された位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報との一致を検出したと判定したことに応答して、一致を識別するメッセージをサーバに送信することと
を行うように構成される、クライアントデバイス。」

(相違点1)
検索要求に検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報と、特定された位置に関する情報との一致の検出を、本願発明1では、ワイヤレス局識別子を用いて行うのに対し、引用発明では、GPS信号を利用した位置情報を用いて行うものであり、そのため、
検索結果を含む応答に含まれ、クライアントデバイスに記憶される、「前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報」が、本願発明1では、「ポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセット」であるのに対し、引用発明では、「検索結果として取得したショップの位置情報」であり、
前記クライアントデバイスにより、位置に関する情報を特定することが、本願発明1では、「通信モジュールを使用して、1つまたは複数の観測されたワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子を識別」することであるのに対し、引用発明では、「GPS信号などを利用して」「自身の位置情報」を「算出」することであり、
一致を検出したと判定することが、本願発明1では、「前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの1つ」と「観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子」との一致であるのに対し、引用発明では、「検索結果として取得したショップの位置情報」と「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報」との一致である点。

(相違点2)
一致を識別するメッセージを送信するサーバが、本願発明1では、検索サービスサーバとは別の追跡サービスサーバであるのに対し、引用発明では、検索サービスサーバ(検索装置)である点。

(2)判断
ア 相違点1について
引用発明では、移動端末装置の位置情報を取得する際に、GPS信号のほかに基地局情報を利用することもできるが、基地局情報を利用した場合には、検索結果に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報と、特定された位置に関する情報との一致の検出をするに際し、基地局に対応する位置情報(住所や緯度経度)と店舗の位置情報との一致を検出することとなり、ワイヤレス局識別子を利用して一致を検出する上記相違点1に係る構成は導き出せない。
また、引用文献2には、Wi-Fiルータまたは店舗デバイスが、ユーザデバイスに店舗識別子または店舗を識別する他の情報を含む信号をプッシュすることは記載されているものの、「検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と、観測された位置に関する情報との一致の検出を、ワイヤレス局識別子を用いて行う」点は記載も示唆もされていない。引用文献3、4にも、「検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と、観測された位置に関する情報との一致の検出を、ワイヤレス局識別子を用いて行う」点は記載も示唆もされていない。そうすると、引用発明に引用文献2-4の記載事項を組み合わせたとしても、上記相違点1に係る構成は導き出せない。
したがって、相違点1に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献2-4の記載事項から、当業者が容易に想到できたものとはいえない。
イ 作用効果について
本願発明1は、上記相違点1に係る構成により、クライアントデバイスが、観測されたワイヤレス局のID情報を記憶されたワイヤレス局のいずれかと照合したという事実を使用し、コンバージョンを正確に追跡し、検索品質を追跡することができ、これによって、ユーザエクスペリエンスが向上し、より効率的な検索結果プロセスが提供されるという効果を奏するものである(【0005】、【0054】、【0065】を参照)。また、本願発明1は、上記相違点1に係る構成により、クライアントデバイスによって位置情報を継続的に監視することなく、検索要求に関連する関心のあるポイントへの訪問についての処理だけでなく、そのような関心のあるポイントへの移動についての処理も行うことも可能となる効果を奏するものである(【0054】を参照)。
(3)まとめ
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2-5について
本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明であって、上記1(1)の相違点1、2に係る構成を備えるから、上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明6-10について
本願発明6-10は、本願発明1-5に対応するコンピュータ実装方法の発明であり、上記1(1)相違点1、2に係る構成に対応する構成を備えるから、上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 本願発明11について
本願発明11は、本願発明6-10のいずれかの発明を実行するコンピュータプログラムの発明であり、上記1(1)の相違点1、2に係る構成に対応する構成を備えるから、上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

5 本願発明12について
(1)対比
本願発明12と引用発明を対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「CPU(中央演算装置)」は、プロセッサの数は特定されていないから、本願発明12の「1つまたは複数のプロセッサ」に相当することは明らかである。引用発明の「CPU(中央演算装置)」は、主メモリからプログラムを読み出し、プログラムで示される手順に従い検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部の処理を実行しており、「検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部」は、「処理モジュール」といえるものである。
よって、引用発明の「CPU(中央演算装置)」が、プログラムを実行することにより処理を行う「検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部」は、本願発明12の「1つまたは複数のプロセッサを含む処理モジュール」に相当する。
イ 引用発明の「主メモリ」には、検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部の処理を実行する「プログラム」が保持されており、プログラムは命令であり、プログラムによる処理を実行するためにはデータが必要であることは明らかである。
よって、引用発明において、メモリの数は特定されていないから、引用発明の「検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部」の処理を実行するためのプログラム及びデータを記憶する「主メモリ」は、本願発明12の「前記処理モジュールによる実行のためにデータおよび命令を記憶するように構成される1つまたは複数のメモリを有するメモリモジュール」に相当する。
ウ 引用発明の「移動端末装置」が、複数あることは明らかであるから、本願発明12の「1つまたは複数のクライアントデバイス」に相当し、これらのクライアントデバイスは、「1つまたは複数のクライアントデバイスを含む1つまたは複数のリモートデバイス」であるともいえる。
引用発明の「移動端末装置」は、携帯電話等であり、移動端末装置は、直接またはワイヤレス局を介して検索サーバ装置の通信IFにより通信を行うことは明らかであり、通信IFの通信は、ワイヤレストランシーバにより行うことは明らかである。
よって、引用発明の「移動端末装置とデータの送受信を行う通信IF」は、本願発明12の「1つまたは複数のワイヤレス局および1つまたは複数のクライアントデバイスを含む1つまたは複数のリモートデバイスとの双方向通信のために構成されるワイヤレストランシーバを含む通信モジュール」に相当する。
エ 引用発明の「CPU(中央演算装置)」によって実行される「検索部、要素度数算出部、全体度数算出部、ランキング部、行動履歴取得部」の処理は、データ通信経路によって相互に接続された「通信IF」を介して、情報の送受信をを行うことは明らかであるから、引用発明の処理モジュールは、本願発明12と同様に「処理モジュールが、通信モジュールと「動作可能に結合され」ているといえる。
オ 引用発明において、移動体端末装置から「検索クエリ」を検索装置の「クエリ受付部」により受け付けることは、本願発明12の「クライアントデバイスから検索要求を受信すること」に相当する。
カ 引用発明の「検索部」は、検索クエリで示される検索条件と一致するショップ属性を含むショップを特定する機能を有しており、検索条件には、GPS機能やユーザ入力などで特定される現在位置情報、あるいは検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報が含まれる。すると、検索部は「位置を識別」してショップを特定する機能を有しているといえ、検索部における当該「位置を識別」する機能は、本願発明12における「受信された検索要求に関連する位置を識別すること」に相当する。
キ 引用発明の「検索部」は、ショップを検索するための検索キーワードや、GPS機能やユーザ入力などで特定される現在位置情報、あるいは検索したい範囲を特定するための(現在位置とは別の)位置情報が含まれる検索条件と一致する検索結果を取得する処理を行い、検索クエリに合致するショップの所在地や紹介文を含むから、引用発明の「検索条件と一致する検索結果」は、位置情報を検索条件として検索されたショップの所在地などであり、「前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果」であるといえる。
また、引用発明の「ランキング部」は、検索部で検索された結果を降順または昇順に並べ替える機能を有していることから、検索部で検索された結果は、「1つまたは複数の検索結果」といえる。そして、当該「検索結果」は、検索クエリに合致する情報であるから、検索条件に対する「応答」に含まれるといえる。
よって、引用発明の検索部およびランキング部による、「検索条件に対する1つまたは複数の検索結果を含む応答を取得する」機能は、以下の相違点を除いて、本願発明12における「前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成すること」に相当する。
ク 引用発明の「検索装置」は、検索結果を移動端末装置に提示し、引用発明の「移動端末装置」は、検索装置から返信された検索結果を受信することから、検索装置における当該「検索結果を提示」する機能は、本願発明12における「応答をクライアントデバイスに送信すること」に相当する。
ケ 引用発明の「検索装置は、検索クエリに合致するショップの所在地や紹介文、口コミ評判などの情報を検索結果として、ユーザの移動端末装置に提示」し、「移動端末装置は、検索装置から返信された検索結果を受信」するから、引用発明は、検索結果の位置に関する情報を移動端末装置に送信するものであるといえる。
本願発明12の「前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局識別子のセット」は、「識別された位置における関心のあるポイントに位置する」ものであるから、引用発明の「検索要求に合致する」「検索結果」に含まれる「取得したショップの位置情報」を移動体端末に送信することと、本願発明12の「前記応答が、1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含み、前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局識別子のセットを決定」し、「前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを前記クライアントデバイスに送信すること」とは、「前記応答が前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報を含」み、「前記位置に関する情報を前記クライアントデバイスに送信すること」である点で共通する。
コ 引用発明の「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報」と、本願発明12の、「クライアントデバイスにより観測され」た「ワイヤレス局のワイヤレス局識別子」とは、クライアントデバイスにより特定された「位置に関する情報」である点で共通する。
サ そして、引用発明の「検索結果として取得したショップの位置情報」と「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報」とが「重なったかを判断」することと、本願発明12の「前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別する」こととは、検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報との「一致を検出したと判定する」ことである点で共通する。
シ 上記コないしサより、引用発明における「検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報とGPS信号などを利用し算出された自身の位置情報とが重なったかを判断」され、検索装置に送信される「訪問した旨」と、本願発明12における「前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別する」ことである「メッセージ」とは、「検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報と、特定された位置に関する情報との一致の検出を判定したことに応答して、一致を判定する」ことである「メッセージ」である点で共通する。
ス 引用発明の検索装置の「行動履歴取得部」が、「訪問した旨」を移動端末装置から受信することは、本願発明12における「前記送信に応答して、メッセージを前記クライアントデバイスから受信すること」に相当する。
セ 引用発明の「行動履歴取得部」は、GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報と検索結果として取得したショップの位置情報とが重なったかを判断し、両位置が重なっていた際にショップを訪問した旨を受信しているから、検索したユーザが実際にショップを訪問したという「コンバージョンが生じた」ことを判定しているといえる。
よって、引用発明の前記一致を検出したと判定する情報を利用して、検索結果のショップを実際に訪問したことを判定することは、本願発明12の「前記受信されたメッセージから、前記識別された位置でコンバージョンが生じたかどうかを判定すること」に相当する。
ソ 引用発明の「ネットワーク上の検索サーバ装置などに組み込まれた検索装置」は、移動端末装置からの検索要求に従って、検索結果を移動端末装置に表示させ、移動体端末装置のユーザが検索結果のショップ等を実際に訪問したことを識別するものであるから、本願発明12と同様の「サーバシステム」といえる。

上記アないしソより、本願発明12と引用発明とは、以下の一致点で一致し、また相違点12-1で相違する。

(一致点)
「1つまたは複数のプロセッサを含む処理モジュールと、
前記処理モジュールによる実行のためにデータおよび命令を記憶するように構成される1つまたは複数のメモリを有するメモリモジュールと、
1つまたは複数のワイヤレス局および1つまたは複数のクライアントデバイスを含む1つまたは複数のリモートデバイスとの双方向通信のために構成されるワイヤレストランシーバを含む通信モジュールと
を備え、前記処理モジュールが、前記通信モジュールに動作可能に結合され、かつ
クライアントデバイスから検索要求を受信することと、
前記受信された検索要求に関連する位置を識別することと、
前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成することであって、前記応答が、前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報を含む、ことと、
前記応答を前記クライアントデバイスに送信することと、
前記送信に応答して、メッセージを前記クライアントデバイスから受信することであって、前記メッセージが、検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報とクライアントデバイスにより特定された位置に関する情報との一致を検出したと判定する、ことと
前記受信されたメッセージから、前記識別された位置でコンバージョンが生じたかどうかを判定することと
を行うように構成される、
サーバシステム。」

(相違点12-1)
検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報と、特定された位置に関する情報との一致の検出を、本願発明12では、ワイヤレス局識別子を用いて行うのに対し、引用発明では、GPS信号を利用した位置情報を用いて行うものであり、そのため、
検索結果を含む応答に含まれ、クライアントデバイスに送信される、「前記検索要求に関連する関心のあるポイントの位置に関する情報」が、本願発明12では、「ポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセット」であるのに対し、引用発明では、「検索結果として取得したショップの位置情報」であり、
前記クライアントデバイスにより、位置に関する情報を特定することが、本願発明12では、「1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別」することであるのに対し、引用発明では、「GPS信号を利用して」「自身の位置情報」を「算出」することであり、
メッセージにおける「一致を検出したと判定する」ことが、本願発明12では、「前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別する」ことであるのに対し、引用発明では、「検索結果として取得したショップの位置情報」と「GPS信号などを利用し算出された自身の位置情報」とが「重なったかを判断する」ことである点。

(2)判断
ア 相違点12-1について
引用発明では、移動端末装置の位置情報を取得する際に、GPS信号のほかに基地局情報を利用することもできるが、基地局情報を利用した場合には、検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と、観測された位置に関する情報との一致の検出をするに際し、基地局に対応する位置情報(住所や緯度経度)と店舗の位置情報の一致を検出することとなり、ワイヤレス局識別子を利用して一致を検出する上記相違点12-1に係る構成は導き出せない。
また、引用文献2には、Wi-Fiルータまたは店舗デバイスが、ユーザデバイスに店舗識別子または店舗を識別する他の情報を含む信号をプッシュすることは記載されているものの、引用文献2には、「検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と、観測された位置に関する情報との一致の検出を、ワイヤレス局識別子を用いて行う」点は記載も示唆もされていない。引用文献3、4にも、「検索結果に関連するポイントの位置に関する情報と、観測された位置に関する情報との一致の検出を、ワイヤレス局識別子を用いて行う」点は記載も示唆もされていない。そうすると、引用発明に引用文献2-4の記載事項を組み合わせたとしても、上記相違点12-1に係る構成は導き出せない。
したがって、相違点12-1に係る本願発明12の構成は、引用発明と引用文献2-4の記載事項から、当業者が容易に想到できたものとはいえない。
イ 作用効果について
本願発明12は、上記相違点12-1に係る構成により、クライアントデバイスが、観測されたワイヤレス局のID情報を記憶されたワイヤレス局のいずれかと照合したという事実を使用し、コンバージョンを正確に追跡し、検索品質を追跡することができ、これによって、ユーザエクスペリエンスが向上し、より効率的な検索結果プロセスが提供されるという効果を奏するものである(【0005】、【0054】、【0065】を参照)。また、本願発明12は、上記相違点12-1に係る構成により、クライアントデバイスによって位置情報を継続的に監視することなく、検索要求に関連する関心のあるポイントへの訪問についての処理だけでなく、そのような関心のあるポイントへの移動についての処理も行うことも可能となる効果を奏するものである(【0054】を参照)。
(3)まとめ
したがって、本願発明12は、当業者であっても、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。

6 本願発明13-16について
本願発明13-16は、本願発明12を減縮した発明であって、上記5(1)の相違点12-1に係る構成を備えるから、上記5(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

7 本願発明17-21について
本願発明17-21は、本願発明12-16に対応するコンピュータ実装方法の発明であり、上記5(1)相違点12-1に係る構成に対応する構成を備えるから、上記5(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

8 本願発明22について
本願発明22は、本願発明17-21のいずれかの発明を実行するコンピュータプログラムの発明であり、上記5(1)の相違点12-1に係る構成に対応する構成を備えるから、上記5(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第7 原査定について
1 令和3年8月3日にされた手続補正により、本願発明1-5は、「検索サービスサーバから、1つまたは複数の検索結果を含む応答を受信することであって、前記応答がまた、検索要求に関連する関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の少なくとも1つのワイヤレス局識別子を含むワイヤレス局識別子のセットを含むこと」、「前記受信された少なくとも1つのワイヤレス局識別子を前記クライアントデバイスのメモリに記憶すること」、「前記クライアントデバイスの通信モジュールを使用して、1つまたは複数の観測されたワイヤレス局の1つまたは複数のワイヤレス局識別子を識別すること」、「前記クライアントデバイスが前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子のうちの1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したと判定したことに応答して、前記一致を識別するメッセージを追跡サービスサーバに送信すること」を有するものとなっており、本願発明1-5は、拒絶査定において引用された引用文献1-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 令和3年8月3日にされた手続補正により、本願発明6-10は、本願発明1-5に対応する構成を備え、本願発明11は、本願発明6-10のいずれかの発明に対応する構成を備えるから、本願発明6-11は、拒絶査定において引用された引用文献1-4の記載事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 令和3年8月3日にされた手続補正により、本願発明12-16は、「1つまたは複数のワイヤレス局および1つまたは複数のクライアントデバイスを含む1つまたは複数のリモートデバイスとの双方向通信のために構成されるワイヤレストランシーバを含む通信モジュール」を備え、「応答が、1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットも含むこと」、「識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを決定すること」、「前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含む前記応答を前記クライアントデバイスに送信すること」、「前記送信に応答して、メッセージを前記クライアントデバイスから受信することであって、前記メッセージが、前記クライアントデバイスが前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のうちの少なくとも1つと一致する観測されたワイヤレス局のワイヤレス局識別子を検出したことを識別すること」、「前記受信されたメッセージから、前記識別された位置でコンバージョンが生じたかどうかを判定すること」とを有するものとなっており、本願発明12-16は、拒絶査定において引用された引用文献1-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
4 令和3年8月3日にされた手続補正により、本願発明17-21は、本願発明12-16に対応する構成を備え、本願発明22は、本願発明17-21のいずれかの発明に対応する構成を備えるから、本願発明17-22は、拒絶査定において引用された引用文献1-4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由について
1 令和3年7月21日付け拒絶理由通知において、請求項12-16の記載は、発明の詳細な説明に記載したものでなく、明確でないという拒絶理由を通知したところ、令和3年8月3日にされた手続補正により、請求項12の記載が「前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成することであって、前記応答が、1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットも含む、ことと、前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを決定することと、前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含む前記応答を前記クライアントデバイスに送信することと、」と補正された結果、拒絶の理由は解消した。
2 令和3年7月21日付け拒絶理由通知において、請求項17-22の記載は、発明の詳細な説明に記載したものでなく、明確でないという拒絶理由を通知したところ、令和3年8月3日にされた手続補正により、請求項17の記載が「サーバシステムの1つまたは複数のプロセッサによって、前記識別された位置に関連付けられた1つまたは複数の検索結果を含む前記受信された検索要求に対する応答を生成するステップであって、前記応答が1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットも含む、ステップと、前記サーバシステムの前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記識別された位置における関心のあるポイントに位置する少なくとも1つのワイヤレス局の前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを決定するステップと、前記1つまたは複数のワイヤレス局識別子のセットを含む前記応答を前記クライアントデバイスに送信するステップと、」と補正された結果、拒絶の理由は解消した。
3 令和3年7月21日付け拒絶理由通知において、請求項2-5、7-11の記載は、発明の詳細な説明に記載したものでないという拒絶理由を通知したところ、令和3年8月3日にされた手続補正により、請求項2の記載が「前記観測されたワイヤレス局の前記ワイヤレス局識別子が前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子と一致したと判定するように構成される」と補正され、請求項7の記載が「前記観測されたワイヤレス局の前記ワイヤレス局識別子が前記記憶された少なくとも1つのワイヤレス局識別子と一致したと判定するステップ」と補正された結果、拒絶の理由は解消した。

第9 むすび
以上のとおり、本願発明1-22は、引用発明および引用文献2ないし4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法36条第6項第1号及び第2項に規定する要件を満たすものである。
したがって、原査定の理由、および、当審の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-10-07 
出願番号 特願2018-541690(P2018-541690)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06Q)
P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田付 徳雄  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 上田 智志
相崎 裕恒
発明の名称 オンデマンドの位置訪問コンバージョンメトリック  
代理人 阿部 達彦  
代理人 実広 信哉  
代理人 村山 靖彦  

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