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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1378527
審判番号 不服2020-16928  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-09 
確定日 2021-10-01 
事件の表示 特願2016-136586号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 1月18日出願公開、特開2018- 7700号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成28年7月11日の出願であって、令和2年3月17日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月23日付け(送達日:同年10月2日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年12月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和2年12月9日にされた手続補正についての補正の却下の決定
令和2年12月9日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正により、令和2年4月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になると共に、通常遊技と、該通常遊技より有利な特別遊技が存在する遊技機において、
外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、
各遊技において、役を内部抽選する役抽選手段と、
各遊技において複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示すると共に、有効ライン上に表示された図柄によって入賞となった小役に応じた遊技用価値を付与する制御手段と、
前記特別遊技で行われるゲームの回数を定め、前記特別遊技1回毎に減算される遊技数カウンタと、
付与された遊技用価値と設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と所定回数を加算することにより定められ、
前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と所定数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させる一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させること、
を特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和2年12月9日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になると共に、通常遊技と、該通常遊技より有利な特別遊技が存在する遊技機において、
外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、
各遊技において、役を内部抽選する役抽選手段と、
各遊技において複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示すると共に、有効ライン上に表示された図柄によって入賞となった小役に応じた遊技用価値を付与する制御手段と、
前記特別遊技で行われるゲームの回数を定めるゲーム回数設定手段と、
前記特別遊技1回毎に、前記ゲームの回数から1が減算される遊技数カウンタと、
付与された遊技用価値と、設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
前記特別遊技における勝利条件の成否を判断する第1判断手段と、
前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と、所定回数を加算することにより定められ、
前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させ、前記第1判断手段は、該特別遊技における勝利条件の成否を判断する一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させること、
を特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は補正前後の箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。

2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明で「前記特別遊技で行われるゲームの回数を定め」るものが「ゲーム回数設定手段」であることを限定し、同じく補正前の請求項1に記載した発明で「前記特別遊技1回毎に減算される」ものが「前記ゲームの回数から1」であることを限定し、同じく補正前の請求項1に記載した発明で特定していた「特別遊技における勝利条件」に関して、その「成否を判断する」ものが「第1判断手段」であることを限定し、同じく補正前の請求項1に記載した発明で「前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と所定数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し」ていた「所定数」を「最低増加数」に限定することを含むものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書(以下「当初明細書」という。)の段落【0360】?【0366】の記載に基づくものであり、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Lは、分説するため当審判合議体にて付した。)。

「【請求項1】
A 遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になると共に、通常遊技と、該通常遊技より有利な特別遊技が存在する遊技機において、
B 外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、
C 各遊技において、役を内部抽選する役抽選手段と、
D 各遊技において複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示すると共に、有効ライン上に表示された図柄によって入賞となった小役に応じた遊技用価値を付与する制御手段と、
E 前記特別遊技で行われるゲームの回数を定めるゲーム回数設定手段と、
F 前記特別遊技1回毎に、前記ゲームの回数から1が減算される遊技数カウンタと、
G 付与された遊技用価値と、設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
H 前記特別遊技における勝利条件の成否を判断する第1判断手段と、
I 前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
J 前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と、所定回数を加算することにより定められ、
K 前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させ、前記第1判断手段は、該特別遊技における勝利条件の成否を判断する一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させること、
L を特徴とする遊技機。」

(2)引用発明
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された本願の出願前に頒布された.「パチスロ ゴッドイーター」,パチスロ攻略マガジン2015年8月号,株式会社プラントピア,2015年 7月 7日,p.80-84(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は引用発明の認定に関連する部分について当審判合議体にて付した。以下同じ。)。

(ア)80頁中段左の「パチスロ ゴッドイーター」との見出しから引用文献1はパチスロ機である「ゴッドイーター」という機種に関する記事であることが看取できる。

(イ)80頁左上に掲載されたパチスロ機「ゴッドイーター」の正面図

上記したパチスロ機「ゴッドイーター」の正面図より、以下の点が見て取れる。
パチスロ機「ゴッドイーター」は、横に3列並んだ図柄を遊技者が視認可能な窓が設けられ、その下に、スタートレバーと3個のボタンを備える。
そして、パチスロ機の技術常識と後記(ウ)に記載のリール配列を参酌すると、横に3列並んだ図柄は、周囲に複数種類の図柄が配された3つのリールに記載されたものであり、3個のボタンは、それぞれ、上記3つのリールに対応しており、所定枚数のメダルを投入した後にスタートレバーを操作することによりリールが回転駆動し、ボタンを操作することによって、対応するリールを停止させるように構成されていると認められる。

(ウ)80頁左下に掲載された「リール配列」の欄

上記した「リール配列」の欄を参照すると、パチスロ機「ゴッドイーター」の中央部付近の横に3列並んだ図柄の「左」、「中」、「右」には、「リール配列」中の「左」、「中」、「右」に記載された図柄が、それぞれ3つのリールに配されていると認められる。

(エ)80頁中段に掲載された「役の構成(簡略版)」及び「ボーナス抽選確率表(独自調査値)」の欄

上記した「役の構成(簡略版)」及び「ボーナス抽選確率表(独自調査値)」の欄を参酌すると、パチスロ機「ゴッドイーター」は、「アラガミバースト(AT)」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」の役を有しており、設定1?6毎にAT初当たりの当選確率を有しており(例えば、設定1では1/282.5)、また、パチスロ機の技術常識を併せて参酌すると、上記複数の役の当否が、抽選により決定されることは明らかであり、抽選で決定するのであるから、パチスロ機「ゴッドイーター」は役を抽選するための抽選手段を備えるものと認められる。
また、上記「役の構成(簡略版)」の欄及びパチスロ機の技術常識を参酌すると、役毎に、払い出されるメダルの枚数が設定されており、当該役が入賞すると設定された枚数のメダルが払い出されるところ、設定された枚数のメダルを払い出すのであるから、その制御を行う制御手段を備えていると認められる(例えば、スイカであれば3枚等)。

(オ)80頁下部に掲載された「ゲームの流れ」の欄

上記「ゲームの流れ」の欄を参照すると、パチスロ機「ゴッドイーター」は、通常時を起点として「直撃AT」、「ロングフリーズ」から直接アラガミバースト(AT)に突入することが見て取れる。
そして、アラガミバースト(AT)は、1Gあたり約2.4枚増加し、初当たりは40or100Gであり、活性化バトル勝利で上乗せ+ストーリー1話進行となり、最低保障獲得枚数があり、一度のATで100枚以上を必ずGETでき、純増100枚に届かずATゲーム数が終了した場合は、ゲーム数の上乗せが発生することが記載されている。

(カ)83頁左に掲載された「ATの流れ」の欄

上記「ATの流れ」の欄を参照すると、準備中を経て、赤7揃いでAT開始し、シングル揃いは初期ゲーム数40G、ダブル揃いは100Gから開始することが記載されており、
ATがストーリーパート、アラガミバトル、神を喰らえ!上乗せ、AT終了待機状態から構成され、ストーリーパートは、ゲーム数が12Gの基本ストーリー、35GのSPストーリー、39Gのエンディングからなり、いずれのストーリー中もATゲーム数は減算されず、アラガミバトルは、アラガミ抽選、バトルパート、活性化バトルからなり、選択されたアラガミに勝利すればATゲーム数が上乗せされ、敗北時は再度アラガミが抽選され、ATゲーム数がなくなると終了待機状態へ移行し、神を喰らえ!上乗せは、活性化バトル勝利で発生する1Gの上乗せ演出であり、勝利したアラガミに加えて成立役でも上乗せゲーム数が変化し、上乗せを獲得した後は、再びストーリーパートに戻って次の話が進行し、ストーリーパートから再びアラガミバトルが開始され、AT終了待機状態は、ATの引き戻しゾーンであることが記載されている。

(キ)83頁中段に掲載された「AT最低保障枚数」の欄

上記「AT最低保障枚数」の欄を参照すると、残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展と記載され、さらに、保障枚数に満たないままATゲーム数が終了した場合は、活性化バトルへ発展し必ず勝利することが記載されていることから、ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利することが記載されていると認められる。

(ク)84頁左に掲載された「バトルパート」の欄

上記「バトルパート」の欄を参照すると、リプレイ・レア小役で結合崩壊&神機解放を抽選すること、3結合崩壊で活性化バトルへ発展すること、が記載され、さらに、通常リプレイやレア小役で結合崩壊が抽選され、3結合崩壊で活性化バトルへ行くことが記載されていることから、「バトルパート」では、3結合崩壊で活性化バトルへ行くことが記載されていると認められる。

上記(ア)?(ク)より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている(分説a?lは、本件補正発明の分説に概ね対応させて付与した。括弧内には根拠となる箇所を記載した。)。

「a 所定枚数のメダルを投入した後にスタートレバーを操作することによりリールが回転駆動し((イ))、通常時を起点として「直撃AT」、「ロングフリーズ」から直接1Gあたり約2.4枚増加するアラガミバースト(AT)に突入する((オ))パチスロ機である「ゴッドイーター」((ア))であって、
b 周囲に複数種類の図柄が配された3つのリール((イ))と、
c 役を抽選するための抽選手段((エ))と、
d 所定枚数のメダルを投入した後にスタートレバーを操作することによりリールが回転駆動し、ボタンを操作することによって、対応するリールを停止させ((イ))、役が入賞すると設定された枚数のメダルを払い出す制御を行う制御手段((エ))と、
e、f、j 赤7揃いでAT開始し、シングル揃いは初期ゲーム数40G、ダブル揃いは100Gから開始し((カ))、
f、h、i、k ATがストーリーパート、アラガミバトル、神を喰らえ!上乗せ、AT終了待機状態から構成され、アラガミバトルは、アラガミ抽選、バトルパート、活性化バトルからなり、選択されたアラガミに勝利すればATゲーム数が上乗せされ、敗北時は再度アラガミが抽選され、ATゲーム数がなくなると終了待機状態へ移行し、神を喰らえ!上乗せは、活性化バトル勝利で発生する1Gの上乗せ演出であり、上乗せを獲得した後は、再びストーリーパートに戻って次の話が進行し、ストーリーパートから再びアラガミバトルが開始され、AT終了待機状態は、ATの引き戻しゾーンであり((カ))、「バトルパート」では、3結合崩壊で活性化バトルへ行き((ク))、
g、i、k ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利し((キ))、最低保障獲得枚数があり、一度のATで100枚以上を必ずGETでき、純増100枚に届かずATゲーム数が終了した場合は、ゲーム数の上乗せが発生する((オ))
l パチスロ機である「ゴッドイーター」((ア))。」

イ 引用電子的技術情報2
原査定の拒絶の理由に引用電子的技術情報2として引用された本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「パチスロ ゴッドイーター」試打実戦動画。通常時?CZ?ATアラガミバースト等。,YouTube,2015年 3月31日,主に10:00?10:25を参照。[2020年3月12日検索],インターネット<URL,https://www.youtube.com/watch?v=vEB8ihhDhmI>では、特に、10:22に、「パチスロ ゴッドイーター」の一部と男性がパチスロを操作している映像とともに画面上に「活性化バトル」及び「活性化バトル中はG数減算ストップ。」という字幕が表示される映像が配信されていることが看取できることから、「パチスロ ゴッドイーター」は、活性化バトル中はG数減算がストップする(以下「引用電子的技術情報2の開示事項」という。)と認められる。

ウ 周知技術
(ア)周知例1(引用文献3)の記載事項及び認定事項
原査定で周知例として例示された引用文献3であって本願の出願前に頒布された「真モグモグ風林火山」,パチスロ攻略マガジン2015年3月号,株式会社プラントピア,2015年 2月 6日,p.47-51(以下「周知例1」という。)には、以下の事項が記載されている。

(a)47頁右上に掲載されたパチスロ機「真モグモグ風林火山」の正面図

47頁上の「真モグモグ風鈴火山」という見出し、上記正面図から、周知例1はパチスロ機である「真モグモグ風鈴火山」という機種に関する記事であることが看取できる。

(b)49頁左下に掲載の「合戦勝利時は「御褒美乱打」へ!」の欄

上記「合戦勝利時は「御褒美乱打」へ!」の欄には、「AT初期ゲーム数をボタン連打で決定!」、「ボタンPUSHのたびにゲーム数増加」、「保障ゲーム数+ループ率で継続抽選」と記載され、その内容が「倒した武将と成立役によって「保障ゲーム数」を決定」し「保障ゲーム数に達するまで必ず上乗せ」し「ゲーム数到達後は1PUSHごとに継続抽選」する流れであることが記載され、「武将別保障ゲーム数&平均ループ率(独自調査値)」として、徳川家モグは、保障ゲーム数が40G、平均ループ率が87.46%で、織田モグ長は、保障ゲーム数が50G、平均ループ率が90.33%で、その他は、保障ゲーム数が30Gで、平均ループ率が84.55%であることが記載され、「ボタンPUSHで1?100Gを上乗せ」することが記載され、「叩いた敵によって上乗せゲーム数が変化。合戦で強い敵の方が大きく上乗せしやすく、武将は実戦上2ケタ上乗せ確定。副将でも2G以上の可能性大だ。」と記載されている。
そして、「ループ率はMAX98%!」、「レア小役成立時はアツい」との記載、及び、パチスロ分野の技術常識を参酌すると、ループ率は成立役に応じて抽選により決定されているものと認められる。
そうすると、周知例1には、例えば、織田モグ長の場合は、保障ゲーム数は50Gであることから、ゲーム数が50GとなるまではボタンPUSHする毎にゲーム数が加算され、ゲーム数が50G以上になると(その時のゲーム数が本件補正発明の「所定回数」に相当)、それ以降はループ率(平均は90.33%)で継続抽選を行い御褒美乱打を継続するかを抽選し、抽選により決定されたループ率(本件補正発明の「継続率」に相当)による継続抽選で転落するまで上乗せゲーム数を加算して、50G以上になってから継続抽選で外れるまでに獲得したゲーム数(本件補正発明の「該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数」に相当)を、それまでのゲーム数に加算してAT初期ゲーム数(本件補正発明の「特別遊技で行われるゲームの回数」に相当)を決定するパチスロ機である「真モグモグ風鈴火山」が記載されていると認められる。

(イ)周知例2(引用文献4)の記載事項及び認定事項
原査定で周知例として例示された引用文献4であって本願の出願前に頒布された.「シンデレラブレイド2」,パチスロ攻略マガジン2015年1月号,株式会社プラントピア,2014年12月 6日,p.116-118(以下「周知例2」という。)には、以下の事項が記載されている。

(a)116頁右上に掲載されたパチスロ機「シンデレラブレイド2」の正面図

116頁上の「シンデレラブレイド2」という見出し、上記正面図から、周知例2はパチスロ機である「シンデレラブレイド2」という機種に関する記事であることが看取できる。

(b)117頁右上に掲載の「AT中はOPT突入で上乗せのチャンス」の欄

上記「AT中はOPT突入で上乗せのチャンス」の欄には、OTP突入契機として「AT突入時(初期ゲーム数決定)」と記載されている。

(c)118頁左に掲載された「OPT中はボタン連打で大量獲得を目指せ!」の欄

上記「OPT中はボタン連打で大量獲得を目指せ!」の欄には、「ボタンPUSHのたびにゲーム数上乗せ&継続抽選を行う上乗せ0Gゾーン」、「継続率は90?99%、10PUSHの保障あり」と記載され、「レア小役成立で最低ループ率が92%以上にアップ。強レア小役成立時は97%以上、中段チェリーは99%ループ確定だ。」と記載され、「OPT突入時の成立役別継続率(独自調査値)」の表が記載され、例えば、中段チェリーの行には、AT初当たり時に継続率が99%であることが記載されている。
また、「ボタンPUSH時は上乗せゲーム数に注目!」と記載され、「AT初期ゲーム数決定時・保障回数間のOPT上乗せゲーム数振り分け(解析値)」の表が記載され、例えば、設定4の場合は、+1Gが0%、+3Gが97.65%、+5Gが1.15%、+10Gが1.00%、+20Gが0.10%、+24Gが0.01%、+30Gが0.05%、+55Gが0%、+77Gが0%、+100Gが0.05%で平均が3.17Gであることが記載されており、この表が、AT開始時OPTの10PUSH目までのみ使用されることが記載され、「その他のOPT上乗せゲーム数振り分け(解析値)」の表には、例えば、設定4の場合は、+1Gが82.86%、+3Gが10.55%、+5Gが2.50%、+10Gが2.00%、+20Gが1.50%、+24Gが0.01%、+30Gが0.50%、+55Gが0%、+77Gが0%、+100Gが0.09%で平均が2.01Gであることが記載されており、この表が、上記以外のすべての状況で使用されることが記載されている。
そうすると、周知例2には、AT開始時OPTの10PUSH目までは、「AT初期ゲーム数決定時・保障回数間のOPT上乗せゲーム数振り分け(解析値)」の表に基づいた割振りでATゲーム数(本件補正発明の「所定回数」に相当)を獲得し、その後は、例えば、OPT突入時の成立役が中段チェリーの場合は、99%の継続率で、「その他のOPT上乗せゲーム数振り分け(解析値)」の表に基づいた振り分けで獲得したゲーム数を継続抽選で外れる(本件補正発明の「転落する」に相当)まで累積した回数(本件補正発明の「該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数」に相当)を獲得し、両者を加算して初期ゲーム数(本件補正発明の「特別遊技で行われるゲームの回数」に相当)を決定するパチスロ機である「シンデレラブレイド2」が記載されていると認められる。

(ウ)周知技術
上記(ア)(b)、(イ)(c)の周知例1及び2の記載事項及び認定事項を総合すると、「所定の保障ゲーム数と、上乗せゲーム数の決定の度に所定の抽選により選択された継続率による継続抽選を行うことで最終的に得られた上乗せゲーム数の総数とを加算することにより、ATの初期ゲーム数を決定するパチスロ機」は本願出願前に周知(以下「周知技術」という。)であると認められる。

(3)対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア)引用発明の構成aの「所定枚数のメダルを投入した後にスタートレバーを操作することによりリールが回転駆動」可能となること、「通常時」、「1Gあたり約2.4枚増加するアラガミバースト(AT)」、「パチスロ機である「ゴッドイーター」」は、それぞれ本件補正発明の「遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になる」こと、「通常遊技」、「該通常遊技より有利な特別遊技」、「遊技機」に相当する。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Aに相当する事項を有する。

(イ)引用発明の構成bの「周囲」、「3つ」、「リール」は、それぞれ本件補正発明の「外周面」、「複数」、「回胴」に相当する。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Bに相当する事項を有する。

(ウ)引用発明の構成cの「抽選」、「抽選手段」は、それぞれ本件補正発明の「内部抽選」、「役抽選手段」に相当する。
また、引用発明の構成dでは「所定枚数のメダルを投入した後にスタートレバーを操作することによりリールが回転駆動し、ボタンを操作することによって、リールの回転駆動を行って、ボタンを操作することによって、対応するリールを停止させ」るという1回の遊技で、「役が入賞すると設定された枚数のメダルが払い出され」ており、これらの特定とパチスロ機の技術常識を参酌すると、1回の遊技の役の抽選は遊技毎に行っていることは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Cに相当する事項を有する。

(エ)引用発明の構成dの「ボタン」、「払い出す」ことは、それぞれ本件補正発明の「停止スイッチ」、「付与する」ことに相当する。
また、引用発明の構成dでは「ボタンを操作することによって、対応するリールを停止させ」ていることから、ボタンは3つのリールに対応して設けられているといえ、同構成dでは「役が入賞すると設定された枚数のメダルが払い出され」ており、「役が入賞する」とは、「役を抽選」して当選した結果、ボタンを操作してリールを停止した時に有効ライン上に表示された図柄が当選した役に対応した役であることはパチスロ機の技術常識であり、上記(2)ア(エ)の「役の構成(簡略版)」の記載から、メダルの払出しがある役は小役であることは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Dに相当する事項を有する。

(オ)引用発明の構成e、f、jの「初期ゲーム数」は、本件補正発明の「ゲームの回数」に相当する。
また、引用発明の構成e、f、jでは「赤7揃いでAT開始し、シングル揃いは初期ゲーム数40G、ダブル揃いは100Gから開始し」ていることから、引用発明が、初期ゲーム数を決定する手段を有することは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Eに相当する事項を有する。

(カ)引用発明の構成e、f、jでは「赤7揃いでAT開始し、シングル揃いは初期ゲーム数40G、ダブル揃いは100Gから開始し」、同構成g、i、kでは「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利」するのであるから、ATゲーム数をカウントする手段を備えていることは明らかであり、パチスロ機が遊技者に有利な遊技の消化遊技数をカウントするカウンタを有することは技術常識である。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Fに相当する事項を有する。

(キ)引用発明の構成g、i、kでは「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利し、最低保障獲得枚数があり、一度のATで100枚以上を必ずGETでき、純増100枚に届かずATゲーム数が終了した場合は、ゲーム数の上乗せが発生する」ことから、「純増100枚」を判別する必要があり、「純増」とは、投入したメダル数と払い出されたメダル数との差のことであることはパチスロ機の技術常識であるから、引用発明は、投入したメダル数(本件補正発明の「設定された遊技用価値」に相当)と払い出されたメダル数(本件補正発明の「付与された遊技用価値」に相当)との差を計数するカウンタ(本件補正発明の「差数カウンタ」に相当)を備えることは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Gに相当する事項を有する。

(ク)引用発明の構成g、i、kでは「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利」しており、引用発明の構成f、h、i、kでは「ATがストーリーパート、アラガミバトル、神を喰らえ!上乗せ、AT終了待機状態から構成され、アラガミバトルは、アラガミ抽選、バトルパート、活性化バトルからなり、選択されたアラガミに勝利すればATゲーム数が上乗せされ、敗北時は再度アラガミが抽選され、ATゲーム数がなくなると終了待機状態へ移行」し、「「バトルパート」では、3結合崩壊で活性化バトルへ行」くことから、パチスロ機である「ゴッドイーター」が「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下」で「活性化バトルへ発展し必ず勝利」という状態になるのは、「ATゲーム数が残り0G」となる「バトルパート」で「活性化バトル」に行く状態となっていない状態(すなわち、「3結合崩壊」にはなっていない状態)であり、引用発明のこの状態が本件補正発明の構成Kの「勝利条件が不成立の状態」に相当し、それは、引用電子的技術情報2の開示事項である「「パチスロ ゴッドイーター」は、活性化バトル中はG数減算がストップする」点から、ATゲーム数が残り0Gとなる状態は、活性化バトル中ではないことからも明らかである。
また、引用発明の構成f、h、i、kの「AT」において「選択されたアラガミに勝利」することが、本件補正発明の構成Hの「前記特別遊技における勝利条件」に相当する。
さらに、引用発明の「ATゲーム数が残り0G」になった状態が、本件補正発明の構成Iの「前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達した」状態に相当する。
そして、引用発明は、パチスロ機である「ゴッドイーター」が「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下」となる状態か否かを判別していることから、それを判別する判別手段を備えていることは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成H及びIに相当する事項を有する。

(ケ)引用発明の構成g、i、kでは「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下なら活性化バトルへ発展し必ず勝利し、最低保障獲得枚数があり、一度のATで100枚以上を必ずGETでき、純増100枚に届かずATゲーム数が終了した場合は、ゲーム数の上乗せが発生する」ことから、パチスロ機である「ゴッドイーター」が、それを実行するための制御手段を備えていることは明らかである。
また、引用発明の構成g、i、kの「「保障枚数」又は「最低保障獲得枚数」」、「「ATゲーム数が残り0G」及び「一度のAT」で「純増100枚」」、「ATゲーム数が残り0Gで保障枚数以下」の状態、「ゲーム数の上乗せ」は、それぞれ本件補正発明の「最低増加数」、「前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件」、「該終了条件が成立していな」い状態、「前記遊技数カウンタに加算して前記前記特別遊技の回数を延長」に相当し、上記(ク)の説示のとおり、引用発明の構成g、i、kの「ATゲーム数が残り0G」となる「バトルパート」で「活性化バトル」に行く状態となっていない状態(すなわち、「3結合崩壊」にはなっていない状態)が、本件補正発明の構成Kの「勝利条件が不成立の状態」に相当する。
さらに、引用発明の構成f、h、i、kでは「上乗せを獲得した後は、再びストーリーパートに戻って次の話が進行し、ストーリーパートから再びアラガミバトルが開始され」ていることから、この再び開始されたアラガミバトルにおいて上記(ク)で説示した本件補正発明の構成Hの「前記特別遊技における勝利条件」に相当するところの「選択されたアラガミに勝利」するかどうかを判断することは明らかであり、この点が本件補正発明の構成Kの「該特別遊技における勝利条件の成否を判断する」ことに相当し、上記したとおり、引用発明の構成g、i、kの「「ATゲーム数が残り0G」及び「一度のAT」で「純増100枚」」が本件補正発明の「前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件」に相当するから、引用発明で「保障枚数」又は「最低保障獲得枚数」」、「「ATゲーム数が残り0G」及び「一度のAT」で「純増100枚」」が成立した場合には、AT(上記(ア)で説示したとおり、本件補正発明の「特別遊技」に相当)が終了することは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Kに相当する事項を有する。

(コ)引用発明の構成lの「パチスロ機である「ゴッドイーター」」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Lに相当する事項を有する。

よって、本件補正発明と引用発明とは、

「【請求項1】
A 遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になると共に、通常遊技と、該通常遊技より有利な特別遊技が存在する遊技機において、
B 外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、
C 各遊技において、役を内部抽選する役抽選手段と、
D各遊技において複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示すると共に、有効ライン上に表示された図柄によって入賞となった小役に応じた遊技用価値を付与する制御手段と、
E 前記特別遊技で行われるゲームの回数を定めるゲーム回数設定手段と、
F 前記特別遊技1回毎に、前記ゲームの回数から1が減算される遊技数カウンタと、
G 付与された遊技用価値と、設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
H 前記特別遊技における勝利条件の成否を判断する第1判断手段と、
I 前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
K 前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させ、前記第1判断手段は、該特別遊技における勝利条件の成否を判断する一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させる、
L 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点>(構成J)
本件補正発明では、「前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と、所定回数を加算することにより定められ」ているのに対して、引用発明では、「赤7揃いでAT開始し、シングル揃いは初期ゲーム数40G、ダブル揃いは100Gから開始し」しており、ATのアラガミバトルにおいて、選択されたアラガミに勝利すればATゲーム数が上乗せされるものの、ATの初期ゲーム数はAT開始の役である赤7がシングル揃いかダブル揃いかでゲーム数を異ならせている点。

(4)判断
<相違点について>
上記(2)ウで説示したとおり、「所定の保障ゲーム数と、上乗せゲーム数の決定の度に所定の抽選により選択された継続率による継続抽選を行うことで最終的に得られた上乗せゲーム数の総数とを加算することにより、ATの初期ゲーム数を決定するパチスロ機」は本願出願前に周知技術である。
ここで、周知技術の「継続抽選」、「所定の保障ゲーム数」、「最終的に得られた上乗せゲーム数」、「パチスロ機」は、本件補正発明の「ループ抽せん」、「所定回数」、「該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数」、「遊技機」に相当する。
そして、引用発明と周知技術とは、ともにATゲーム回数が複数種類あるATゲームを備えた遊技機である点で技術分野が共通し、また、ともに遊技の興趣を向上するという自明な共通する課題を有することが明らかであって、引用発明では、AT初期ゲーム数ではないものの、ATゲーム数を上乗せする遊技性を有していることから、引用発明のAT初期ゲーム数を決める手段として、上記周知技術を採用して、「所定の保障ゲーム数と、上乗せゲーム数の決定の度に所定の抽選により選択された継続率による継続抽選を行うことで最終的に得られた上乗せゲーム数の総数とを加算することにより、ATの初期ゲーム数を決定」して、上記相違点に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用電子的技術情報2の開示事項及び周知技術の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「【本願発明が特許されるべき理由】」の「c.引用例の説明」及び「d.請求項1に係る発明と引用例との対比」において、以下のとおり主張している。

「c.引用例の説明
原査定において、ご認定の通りであることについて、審判請求人も異論はありません。

d.請求項1に係る発明と引用例との対比
請求項1に係る発明は、上記の通りで御座いますが、特に「前記特別遊技で行われるゲームの回数を定めるゲーム回数設定手段と、
前記特別遊技1回毎に、前記ゲームの回数から1が減算される遊技数カウンタと、
付与された遊技用価値と、設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
前記特別遊技における勝利条件の成否を判断する第1判断手段と、
前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と、所定回数を加算することにより定められ、
前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させ、前記第1判断手段は、該特別遊技における勝利条件の成否を判断する一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させること」に特徴付けられるもので御座います。

ところで、本願発明と引用文献1?4とは一見すると類似しているとは思いますが、上記特徴的構成について具体的に記載乃至示唆しておらず、当業者と雖も容易に創作できるものでは御座いません。

従いまして、本願発明の進歩性は肯定されるべきものと思料致します。」

上記請求人の主張は、概略、令和2年12月9日にされた手続補正で追加された特徴的構成については引用文献1?4には具体的に記載乃至示唆されていないというものであるが、本件補正発明は、上記(3)対比及び(4)判断で説示したとおり、引用発明、引用電子的技術情報2の開示事項及び周知技術から当業者が容易に発明できたものであるから、上記請求人の主張は採用することができない。

(6)まとめ
以上のように、本件補正発明は、当業者が、引用発明、引用電子的技術情報2の開示事項及び周知技術から容易に発明できたものである。

したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年4月24日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年4月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
遊技用価値を用いて所定数の賭数を設定することにより遊技が開始可能になると共に、通常遊技と、該通常遊技より有利な特別遊技が存在する遊技機において、
外周面に複数種類の図柄が配置された複数の回胴と、
各遊技において、役を内部抽選する役抽選手段と、
各遊技において複数の回胴を回転させ、各々の回胴に対応して設けられた停止スイッチの操作を受け付けて、対応する回胴を個々に停止させ、前記内部抽選の結果に応じて図柄を表示すると共に、有効ライン上に表示された図柄によって入賞となった小役に応じた遊技用価値を付与する制御手段と、
前記特別遊技で行われるゲームの回数を定め、前記特別遊技1回毎に減算される遊技数カウンタと、
付与された遊技用価値と設定された遊技用価値との差を計数する差数カウンタと、
前記遊技数カウンタの値が終了契機値に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
を具備し、
前記ゲームの回数は、抽せんで決定された継続率を用いてループ抽せんを行って、該ループ抽せんに転落するまでのループ抽せん結果に基づく回数と所定回数を加算することにより定められ、
前記制御手段は、前記勝利条件が不成立の状態において、前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と所定数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し、該終了条件が成立していなければ、前記遊技数カウンタに加算して前記特別遊技の回数を延長させる一方、該終了条件が成立したことを契機に、前記特別遊技を終了させること、
を特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の令和2年4月24日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。

<引用文献等一覧>
1.「パチスロ ゴッドイーター」,パチスロ攻略マガジン2015年8月号,株式会社プラントピア,2015年 7月 7日,p.80-84
2.「パチスロ ゴッドイーター」試打実戦動画。通常時?CZ?ATアラガミバースト等。,YouTube,2015年 3月31日,主に10:00?10:25を参照。,[2020年3月12日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=vEB8ihhDhmI
3.「真モグモグ風林火山」,パチスロ攻略マガジン2015年3月号,株式会社プラントピア,2015年 2月 6日,p.47-51(周知技術を示す文献)
4.「シンデレラブレイド2」,パチスロ攻略マガジン2015年1月号,株式会社プラントピア,2014年12月 6日,p.116-118(周知技術を示す文献)

3 引用文献
引用文献1、引用電子的技術情報2、引用文献3及び引用文献4は、上記第2〔理由〕2-2の(2)ア、イ、ウ(ア)、ウ(イ)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕2の2-2(1))から、上記「第2〔理由〕2の2-1」において検討したとおり、本件補正発明において、「前記特別遊技で行われるゲームの回数を定め」るものが「ゲーム回数設定手段」であるという限定を省き、同じく「前記特別遊技1回毎に減算される」ものが「前記ゲームの回数から1」であるという限定を省き、同じく「特別遊技における勝利条件」に関して、その「成否を判断する」ものが「第1判断手段」であるという限定を省き、同じく「前記遊技数カウンタが前記終了契機値に到達した場合、前記差数カウンタの値と最低増加数とに基づく終了条件が成立したか否かを判断し」ていた「最低増加数」の限定を省き「所定数」とすることを含むものである。

そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕2の2-2(3)対比」において検討した、上記相違点でのみ相違するから、本願発明も上記第2〔理由〕2の2-2(4)で示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明、引用電子的技術情報2の開示事項及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-07-27 
結審通知日 2021-07-28 
審決日 2021-08-17 
出願番号 特願2016-136586(P2016-136586)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 三田村 陽平  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 澤田 真治
太田 恒明
発明の名称 遊技機  
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