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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G02B
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G02B
審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1378552
審判番号 不服2020-16061  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-20 
確定日 2021-10-19 
事件の表示 特願2017- 78428「偏光板、表示装置、及びスイッチ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月15日出願公開、特開2018-180226、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 事案の概要
1 手続等の経緯
特願2017-78428号(以下「本件出願」という。)は、平成29年4月11日を出願日とする出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。
令和2年 5月26日付け:拒絶理由通知書
令和2年 7月31日提出:意見書
令和2年 7月31日提出:手続補正書
令和2年 9月 3日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和2年11月20日提出:審判請求書
令和2年11月20日提出:手続補正書
令和3年 5月27日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月20日提出:意見書
令和3年 7月20日提出:手続補正書

2 原査定の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。
理由2(新規性)本件出願の請求項1に係る発明(令和2年7月31日にした手続補正後のもの)は、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
理由3(進歩性)本件出願の請求項1に係る発明(令和2年7月31日にした手続補正後のもの)は、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、本件出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献A:特開平11-327453号公報

理由4(拡大先願)本件出願の請求項1?5に係る発明(令和2年7月31日にした手続補正後のもの)は、本件出願前の特許出願であって、本件出願後に出願公開がされた特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件出願の発明者が上記特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件出願の時において、本件出願の出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法29条の2の規定により、特許を受けることができない。
引用出願B:特願2016-58979号(特開2017-173531号)

3 当合議体が通知した拒絶の理由
令和3年5月27日付け拒絶理由通知書において当合議体が通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)は、概略、本件出願の請求項1?5に係る発明(令和2年11月20日にした手続補正後のもの)は、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、本件出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開平11-327453号公報
引用文献2:特開2007-256939号公報
引用文献3:特開2013-109348号公報
引用文献4:実願平2-42531号(実開平4-2428号)のマイクロフィルム
(当合議体注:引用文献1は、請求項1に係る発明(「偏光板」の発明)についての主引用例を示す文献であり、引用文献3は、請求項1に係る発明(「偏光板」の発明)、請求項2に係る発明(「表示装置」の発明)及び請求項3?5に係る発明(「スイッチ装置」の発明)ついての主引用例を示す文献である。また、引用文献2及び引用文献4は副引用例を示す文献である。)

4 本願発明
本件出願の請求項1?4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、令和3年7月20日にした手続補正後の特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項によって特定されるものであるところ、本願発明1は、次のものである。
「 第1方向に振動する直線偏光成分を透過する第1偏光層と、
第2方向に振動する直線偏光成分を透過する第2偏光層と、
前記第1偏光層と前記第2偏光層とを挟み込むように配置される第1保護フィルム及び第2保護フィルムと、を備え、
前記第1偏光層と前記第2偏光層とは、前記第1方向と前記第2方向とが直交するように直接重ねて配置され、前記第1偏光層及び前記第2偏光層は、前記第1偏光層の一面と前記第2偏光層の一面とが、前記第1保護フィルム又は前記第2保護フィルムを介さずに、直接接触するように積層されている、偏光板と、
光源からの光のうち、前記第1方向に振動する直線偏光成分を出射する第1光源部と、
光源からの光のうち、前記第2方向に振動する直線偏光成分を出射する第2光源部と、
を備え、
前記偏光板の第1偏光層は、前記第1方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第2方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第1偏光領域と、前記第1方向に振動する直線偏光成分及び前記第2方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第1表示マーク部の表示が形成された第1表示領域と、を有し、
前記偏光板の第2偏光層は、前記第2方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第1方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第2偏光領域と、前記第2方向に振動する直線偏光成分及び前記第1方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第2表示マーク部の表示が形成された第2表示領域と、を有している、表示装置。」
本願発明2?本願発明4は、本願発明1の「表示装置」に対してさらに他の発明特定事項を付加した「スイッチ装置」の発明である。

第2 当合議体の判断
1 引用文献の記載及び引用発明等
(1)引用文献3について
当審拒絶理由に引用され、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である引用文献3(特開2013-109348号公報)には、以下の記載事項がある。なお、当合議体が発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルグラフィック表示装置と、かかる装置を組み立てる方法とに関し、特に、2つの表示グラフィックを伴う表示領域を有する車載用表示装置に関する。このデュアルグラフィックは重複してもよく、グラフィックを抑制してもよく、又は表示装置のユーザに対して別個或いは一緒に表示してもよいように選択可能である。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を、個別或いは一緒にユーザに選択的に表示するための利便性の高い表示装置を提供することが、本発明の目的である。また、かかる表示装置を組み立てる方法を提供することも、本発明の目的である。」

ウ 「【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を個別或いは一緒にユーザに選択的に表示するための表示装置が提供され、この表示装置は、偏光フィルタアセンブリと、前記アセンブリを背面照射して前記画像を生成するための偏光照射源と、第1のグラフィック画像を生成するための第1の偏光及び第2のグラフィック画像を生成するための第2の偏光を選択的に提供するために前記光源を起動する手段とを備え、偏光フィルタアセンブリは、第1の表示要素と第2の表示要素とを備え、前記第1及び第2の表示要素は互いに結合されており、第1の表示要素は第1の偏光パターンを有し、第2の表示要素は第2の偏光パターンを有し、前記第1及び第2の偏光パターンは、前記第1及び第2の偏光でそれぞれ照射されると、前記第1及び第2のグラフィック画像を生成し、
- 第1の表示要素は第1の基板層を備え、前記第1の基板層には、第1の偏光パターンを提供する第1の偏光層を備え、
- 第2の表示要素は第2の基板層を備え、前記第2の基板層には、第2の偏光パターンを提供する第2の偏光層を備え、
- 前記第1及び第2の基板層の各々は、前記偏光された照射の両方の偏光に対して実質的に透明又は半透明であり、
- 第1の表示要素は、前記偏光フィルタアセンブリを形成するために、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第2の表示要素に結合されている。
・・省略・・
【0019】
本発明の好適な実施形態では、第1の表示要素が、例えば、超音波溶接、熱溶接、又は接着剤により、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第2の表示要素に接合されている。
【0020】
好ましくは、偏光フィルタアセンブリは、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って延在する、第2の表示要素に第1の表示要素を接合するための接着層を備える。接着層は、隣接する偏光層の屈折率に屈折率整合しているのが好ましい。」

エ 「【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、最大2つのグラフィックをユーザに選択的に表示するための表示装置1の概略断面図を示す。グラフィックは、テキスト、数字記号又は装置のユーザにとって認識可能な任意の他のタイプの視覚的表示物であってもよい。
【0030】
図2及び図3はそれぞれ、「NORMAL」という第1のグラフィックの画像20及び「A/C」という第2のグラフィックの画像30の例を示す。表示装置1は、これらを個別に、すなわち1度に1つずつ表示するように配置されている。表示装置はまた、任意のグラフィックの表示を抑制してもよく、その場合、表示装置は空白の画像をユーザに提示する。
【0031】
図3は、表示グラフィック画像20、30が空間40においてどのように重なるかを示す。使用時、これらは一緒に示されないことになるが、グラフィックが相互に両立できる場合には、表示装置1はこれらを一緒に表示することもできる。
【0032】
表示装置は、偏光フィルタアセンブリ2と、画像20、30を生成するためにアセンブリ2を背面照射するための偏光照射源3と、第1のグラフィック画像20を生成するための第1の偏光5と第2のグラフィック画像30を生成するための第2の偏光6とを選択的に提供するために光源を起動するための手段4と、を備える。本実施例では、第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供されるが、代替的に、単一の光源と、偏光を切り替えるための電子光学装置(図示せず)を設けることも可能であることになる。本実施例では、第1の偏光が、点9によって表される図面の紙面に入る、又は紙面から出る方向の直線偏光であり、第2の偏光は、両方向矢印10によって表される図面の平面の方向の直線偏光である。しかしながら、代替的に左右の円偏光を使用することも可能であることになる。
【0033】
光源3を起動するための手段4は、制御信号11を提供し、この信号は、光源でスイッチ12によって受け取られ、その後、表示グラフィック20、30のうちの一方が表示されるときに第1又は第2の光素子7、8を起動する。
【0034】
偏光フィルタアセンブリ2は、一体的なアセンブリ又は構造であるのが好ましい。本実施例において、アセンブリ2は、第1の表示要素13と第2の表示要素14とを備え、これらの表示要素はインターフェース15に沿って互いに結合されており、本実施例における結合は、屈折率整合した接着剤によって提供される。
【0035】
第1及び第2の表示要素13、14は、それぞれ第1の基板層16と第2の基板層17とを有する。基板層は、例えばポリカーボネート又はポリスチレンなど、厚さ約1mmの丈夫で透明なプラスチック製材料である。第1及び第2の基板層上には、第1の偏光層18に第1の偏光パターンが、そして第2の偏光層19に第2の偏光パターンがそれぞれ印刷される。これらのパターンは、第1及び第2の表示グラフィック20、30の形状と同じで、本実施例では、矩形であり、幅約20mm、長さ約45mmである。以下に詳述するとおり、各々の偏光パターンは、偏光性及び無偏光性の部分又は領域を備える。本実施例において、第1の偏光層18は光源3に対して第2の偏光層19の背後にあるが、この配置は逆であって同様に良好であろう。
【0036】
これらの偏光層がそれぞれ第1及び第2の偏光5、6によって背面照射されると、ユーザは対応する第1及び第2のグラフィック20、30のうちの一方を視認することができる。
【0037】
偏光層18、19は、偏光性領域に囲まれている透明領域から成る。本実施例では、「NORMAL」及び「A/C」を形成している文字及び記号の境界内の領域が透明であり、その周囲の領域は偏光性を持っている。しかしながら、この配置は逆であっても同様に良好である場合があり、その場合には、グラフィックが、暗い背景に明るい領域ではなく、明るい背景に暗くなる。
【0038】
アセンブリ2を背面照射するために第1の光素子7からの偏光5が使用されると、外部及び内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、この光はまず、本質的に妨げられることなく第2の基板17を通過する。光はその後、第2の偏光層19の透明かつ偏光した部分に当たり、本質的に妨げられることなく透明部分を通過する。第2の偏光層19の偏光性部分は、この光が第2の偏光層19も通過するように、第1の偏光5と平行に整列される。実際には、層における偏光領域の存在による追加損失は、透明部分又は透明領域に比して約3%であることが判明している。これは十分に小さいため、車載用途では、偏光層19の透明部分に、対応する補償を必要としない。しかしながら、透明領域は、所望されるのであれば、第2の偏光層19の全領域を通過した第1の偏光5からのすべての光のバランスを正確にとるために、補償中性密度を提供される可能性がある。
【0039】
この通過した光はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、本質的に妨げられることなく、インターフェース接着層15を通過する。
【0040】
第1の偏光5はその後、通過して第1の偏光層18に至る。光が第1の偏光層18の透明かつ偏光した部分に当たると、この光の一部が、第1のグラフィック20を形成する透明な領域又は部分を妨げられることなく通過する。第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、この光が第1の偏光層18によって遮断されるように、第1の偏光5と直角に整列される。実際には、光の約97%を遮断することが可能であることが判明している。その後、第1のグラフィック20の画像は、表示装置1のユーザに視認可能となる。
【0041】
アセンブリ2を背面照射するために第2の光素子8からの偏光6が使用されると、外部及び内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、この光はまず、本質的に妨げられることなく第2の基板17を通過する。光はその後、第2の偏光層19の透明かつ偏光した部分に当たる。第2の偏光層19の偏光性部分は、この光が第2の偏光層19によって遮断されるように、第2の偏光6と直角に整列される。実際には、光の約97%を遮断することが可能であることが判明している。光は第2の偏光層19の透明部分にも当たり、本質的に妨げられることなくこれらの透明部分を通過する。
【0042】
この通過した光はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、本質的に妨げられることなく、インターフェース接着層15を通過する。
【0043】
第2の偏光6はその後、通過して第1の偏光層18に至る。光が第1の偏光層18の透明かつ偏光した部分に当たると、この光の一部が、第1のグラフィック20を形成する透明な領域又は部分を妨げられることなく通過する。第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、この光が第1の偏光層18によっても通過されるように、第2の偏光6と平行に整列される。実際には、層における偏光領域の存在による追加損失は、透明部分又は透明領域に比して約3%であることが判明している。これは十分に小さいため、車載用途では、偏光層18の透明部分に、対応する補償を必要としない。しかしながら、透明領域は、所望されるのであれば、第1の偏光層18の全領域を通過した第2の偏光6からのすべての光のバランスを正確にとるために、補償中性密度を提供される可能性がある。その後、第2のグラフィック30の画像は、表示装置1のユーザに視認可能となる。」

オ 「【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
2 偏光フィルタアセンブリ
3 偏光照射源
4 制御装置
5 第1の偏光
6 第2の偏光
7 第1の光素子
8 第2の光素子
9、10 固定直交偏光9、10
11 制御信号
12 スイッチ
13 第1の表示要素
14 第2の表示要素
15 インターフェース接着層
16 第1の基板層
17 第2の基板層
18 第1の偏光層
19 第2の偏光層
20 第1グラフィック
22 接触感知層
24 カラーフィルタ
25 カラーフィルタ
30 第2のグラフィック」

カ 「【図1】


【図2】


【図3】



(2)引用文献3に記載された発明
引用文献3の【0029】?【0043】には、次の「表示装置」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。なお、用語を【符号の説明】等に沿って統一した。
「偏光フィルタアセンブリ2と、第1グラフィック20、第2のグラフィック30を生成するために偏光フィルタアセンブリ2を背面照射するための偏光照射源3と、第1グラフィック20を生成するための第1の偏光5と第2のグラフィック30を生成するための第2の偏光6とを選択的に提供するために光源を起動するための制御装置4と、を備え、第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供され、
偏光照射源3を起動するための制御装置4は、制御信号11を提供し、この信号は、光源でスイッチ12によって受け取られ、その後、第1グラフィック20、第2のグラフィック30のうちの一方が表示されるときに第1又は第2の光素子7、8を起動し、
偏光フィルタアセンブリ2は、一体的なアセンブリであり、第1の表示要素13と第2の表示要素14とを備え、これらの表示要素はインターフェース接着層15に沿って互いに結合されており、結合は、屈折率整合した接着剤によって提供され、
第1及び第2の表示要素13、14は、それぞれ第1の基板層16と第2の基板層17とを有し、基板層は、厚さ約1mmの丈夫で透明なプラスチック製材料であり、第1及び第2の基板層上には、第1の偏光層18に第1の偏光パターンが、そして第2の偏光層19に第2の偏光パターンがそれぞれ印刷され、これらのパターンは、第1及び第2のグラフィック20、30の形状と同じであり、各々の偏光パターンは、偏光性領域及び透明領域を備え、
これらの偏光層がそれぞれ第1及び第2の偏光5、6によって背面照射されると、ユーザは対応する第1及び第2のグラフィック20、30のうちの一方を視認することができ、
第1及び第2の偏光層18、19は、偏光性領域に囲まれている透明領域から成り、
偏光フィルタアセンブリ2を背面照射するために第1の光素子7からの第1の偏光5が使用されると、第1の偏光5は、第2の基板層17を通過し、その後、第2の偏光層19の透明領域を通過し、第2の偏光層19の偏光性部分は、第1の偏光5が第2の偏光層19も通過するように、第1の偏光5と平行に整列され、
第1の偏光5はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、インターフェース接着層15を通過し、
第1の偏光5はその後、第1の偏光層18に至り、第1の偏光5が第1の偏光層18の透明かつ偏光した部分に当たると、第1の偏光5の一部が、第1グラフィック20を形成する透明領域を通過し、第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、第1の偏光5が第1の偏光層18によって遮断されるように、第1の偏光5と直角に整列されており、その後、第1グラフィック20の画像が、表示装置1のユーザに視認可能となり、
偏光フィルタアセンブリ2を背面照射するために第2の光素子8からの第2の偏光6が使用されると、第2の偏光6は、第2の基板層17を通過し、第2の偏光層19の偏光性部分は、第2の偏光6が第2の偏光層19によって遮断されるように、第2の偏光6と直角に整列され、第2の偏光6は、第2の偏光層19の透明領域を通過し、
第2の偏光6はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、インターフェース接着層15を通過し、
第2の偏光6はその後、第1の偏光層18に至り、第2の偏光6が第1グラフィック20を形成する透明領域を通過し、第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、第2の偏光6が第1の偏光層18によっても通過されるように、第2の偏光6と平行に整列されており、その後、第2のグラフィック30の画像が、表示装置1のユーザに視認可能となる
表示装置。」

2 対比及び判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
(ア)第1偏光層
引用発明の「第1の偏光層18」は、「第2の偏光6」が「透明領域」及び「第1の偏光層18の周囲の偏光部分」を通過するものである。また、「第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供され」ていることから、「第2の偏光6」は、直交する偏光の一方の直線偏光であることは明らかである。
そうすると、引用発明の「第2の偏光6」及び「第1の偏光層18」は、それぞれ、本願発明1の「第1方向に振動する直線偏光成分」及び「第1偏光層」に相当する。また、引用発明の「第1の偏光層」は「第1方向に振動する直線偏光成分を透過する」との要件を満たすものである。

(イ)第2偏光層
引用発明の「第2の偏光層19」は、「第1の偏光5」が「透明領域」及び「第2の偏光層19の偏光性部分」を通過するものである。また、「第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供され」ていることから、「第1の偏光5」は、直交する偏光の一方の直線偏光であることは明らかである。
そうすると、引用発明の「第1の偏光5」及び「第2の偏光層19」は、それぞれ、本願発明1の「第2方向に振動する直線偏光成分」及び「第2偏光層」に相当する。また、引用発明の「第2の偏光層」は「第2方向に振動する直線偏光成分を透過する」との要件を満たすものである。

(ウ)第1保護フィルム及び第2の保護フィルム
引用発明の「第1及び第2の表示要素13、14は、それぞれ第1の基板層16と第2の基板層17とを有し、」「第1」「の基板層上には」「第1の偏光層18に第1の偏光パターンが」「印刷され」ており、「第2の基板層上には、」「第2の偏光層19に第2の偏光パターンが」「印刷され」、また、「第1の表示要素13と第2の表示要素14」とは「インターフェース接着層15に沿って互いに結合されて」いる。そして、引用発明の「隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、インターフェース接着層15を通過し、」との構成からみて、「第1の偏光層18」及び「第2の偏光層19」は、「第1の基板層」及び「第2の基板層」の間に配置されているといえる。(このような配置は、引用文献3の図1からも看取できるものである。)
そうすると、引用発明の「第1の基板層16」は、内側に配置される「第1の偏光層18」を保護する作用を有しているといえ、また、「厚さ約1mmの丈夫で透明なプラスチック製材料であ」ることから「フィルム」であるといえる。
したがって、引用発明の「第1の基板層16」は、本願発明1の「第1保護フィルム」に相当する。また、同様に引用発明の「第2の基板層17」は、本願発明1の「第2保護フィルム」に相当する。さらに、上記の「第1の偏光層18」、「第2の偏光層19」、「第1の基板層16」及び「第2の基板層17」の配置から、「第1の基板層16」及び「第2の基板層17」は、「第1の偏光層18」及び「第2の偏光層19」を挟み込むようになっており、本願発明1の「前記第1偏光層と前記第2偏光層とを挟み込むように配置される」との要件を満たすものである。

(エ)偏光板
引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」は、「一体的なアセンブリであり、第1の表示要素13と第2の表示要素14とを備え、これらの表示要素はインターフェース接着層15に沿って互いに結合されており、結合は、屈折率整合した接着剤によって提供され、」「第1及び第2の表示要素13、14は、それぞれ第1の基板層16と第2の基板層17とを有し、」「第1及び第2の基板層上には、第1の偏光層18に第1の偏光パターンが、そして第2の偏光層19に第2の偏光パターンがそれぞれ印刷され」ている。そして、このような構成からみて引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」は「板」状であることは明らかである。また、「第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供され」ていることから、「第1の偏光5」と「第2の偏光6」は、その偏光方向が直交していることは明らかである。
そうすると、引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」は、本願発明1の「偏光板」に相当する。また、引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」は、本願発明1の「偏光板」と「前記第1偏光層と前記第2偏光層とは、前記第1方向と前記第2方向とが直交するように」「配置され、前記第1偏光層及び前記第2偏光層は、前記第1偏光層の一面と前記第2偏光層の一面とが、前記第1保護フィルム又は前記第2保護フィルムを介」していないという点で共通している。

(オ)第1光源部
引用発明の「第2の光素子8」は、「第1グラフィック20を生成するための第1の偏光5と第2のグラフィック30を生成するための第2の偏光6とを選択的に提供するために光源を起動するための制御装置4」によって、「第2のグラフィック30」「が表示されるときに」「第2の光素子」「8を起動」することにより、「第2の偏光6」を「提供」するものであり、本願発明1の「第1光源部」に相当する。また、引用発明の「第2の光素子8」は、本願発明1の「光源からの光のうち、前記第1方向に振動する直線偏光成分を出射する」との要件を満たすものである。

(カ)第2光源部
引用発明の「第1の光素子7」は、「第1グラフィック20を生成するための第1の偏光5と第2のグラフィック30を生成するための第2の偏光6とを選択的に提供するために光源を起動するための制御装置4」によって、「第1グラフィック20」「が表示されるときに第1」「の光素子7」「を起動」することにより、「第1の偏光5」を「提供」するものであり、本願発明1の「第2光源部」に相当する。また、引用発明の「第1の光素子7」は、本願発明1の「光源からの光のうち、前記第2方向に振動する直線偏光成分を出射する」との要件を満たすものである。

(キ)第1偏光領域及び第1表示領域
引用発明の「第1の偏光層18の周囲の偏光部分」は、「第2の偏光6が第1の偏光層18によっても通過され」、「第1の偏光5が第1の偏光層18によって遮断されるように」なっており、本願発明1の「第1偏光領域」に相当し、「前記第1方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第2方向に振動する直線偏光成分を非透過とする」との要件を満たすものである。
また、引用発明の「第1の偏光層18」の「透明領域」は、「第1の偏光5」及び「第2の偏光6」を「通過」するものであり、「第1グラフィック20を形成する」ものであることから、本願発明1の「第1表示領域」に相当し、「前記第1方向に振動する直線偏光成分及び前記第2方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第1表示マーク部の表示が形成された」との要件を満たすものである。
そうしてみると、引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」の「第1の偏光層18」は、本願発明1の「前記第1方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第2方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第1偏光領域と、前記第1方向に振動する直線偏光成分及び前記第2方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第1表示マーク部の表示が形成された第1表示領域と、を有し」との要件を満たしている。

(ク)第2偏光領域及び第2表示領域
引用発明の「第2の偏光層19の偏光性部分」は、「第1の偏光5が第2の偏光層19を通過」し、「第2の偏光6が第2の偏光層19によって遮断されるように」なっており、本願発明1の「第2偏光領域」に相当し、「前記第2方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第1方向に振動する直線偏光成分を非透過とする」との要件を満たすものである。
また、引用発明の「第2の偏光層19の透明領域」は、「第1の偏光5」及び「第2の偏光6」を「通過」するものである。また、「第2の偏光6」による「第2のグラフィック30を生成するため」には、「第2の偏光層19の透明領域」が第2のグラフィック30を形成するように設けられることは明らかである(なお、このことは、【0037】の記載や図2及び図3からも明らかである。)。したがって、引用発明の「第2の偏光層19の透明領域」は、本願発明1の「第2表示領域」に相当し、「前記第2方向に振動する直線偏光成分及び前記第1方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第2表示マーク部の表示が形成された」との要件を満たすものである。
そうしてみると、引用発明の「偏光フィルタアセンブリ2」の「第2の偏光層19」は、本願発明1の「前記第2方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第1方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第2偏光領域と、前記第2方向に振動する直線偏光成分及び前記第1方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第2表示マーク部の表示が形成された第2表示領域と、を有している」との要件を満たしている。

(ケ)表示装置
引用発明の「表示装置」は、その名称のとおり、「表示」を行う「装置」であることから、本願発明1の「表示装置」に相当する。

イ 一致点及び相違点
以上より、本願発明1と引用発明とは、
「 第1方向に振動する直線偏光成分を透過する第1偏光層と、
第2方向に振動する直線偏光成分を透過する第2偏光層と、
前記第1偏光層と前記第2偏光層とを挟み込むように配置される第1保護フィルム及び第2保護フィルムと、を備え、
前記第1偏光層と前記第2偏光層とは、前記第1方向と前記第2方向とが直交するように配置され、前記第1偏光層及び前記第2偏光層は、前記第1偏光層の一面と前記第2偏光層の一面とが、前記第1保護フィルム又は前記第2保護フィルムを介していない、偏光板と、
光源からの光のうち、前記第1方向に振動する直線偏光成分を出射する第1光源部と、
光源からの光のうち、前記第2方向に振動する直線偏光成分を出射する第2光源部と、
を備え、
前記偏光板の第1偏光層は、前記第1方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第2方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第1偏光領域と、前記第1方向に振動する直線偏光成分及び前記第2方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第1表示マーク部の表示が形成された第1表示領域と、を有し、
前記偏光板の第2偏光層は、前記第2方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第1方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第2偏光領域と、前記第2方向に振動する直線偏光成分及び前記第1方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第2表示マーク部の表示が形成された第2表示領域と、を有している、表示装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
本願発明1では、「第1偏光層」及び「第2偏光層」が「直接重ねて配置され」、また、「前記第1偏光層の一面と前記第2偏光層の一面とが、」「直接接触するように積層されている」のに対して、引用発明では、「第1の偏光層18」及び「第2の偏光層19」が「インターフェース接着層15に沿って互いに結合」されたものである点。

ウ 判断
上記相違点について検討する。
引用文献3の【0019】には「本発明の好適な実施形態では、第1の表示要素が、例えば、超音波溶接、熱溶接、又は接着剤により、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第2の表示要素に接合されている。」と記載されていることから、引用文献3の記載からは、第1の偏光層と第2の偏光層とは、何らかの手段によって接合されて結合しているものが想定されていると認められる。
また、偏光板は偏光層の両面を保護フィルムで保護した構成が一般的であり、偏光層等の光学的機能を有する2つの層を(両者の間の保護フィルムを省略して)隣接させる場合には、その層同士は接着剤等により結合させることが一般的な事項である。
以上より、引用発明において、「第1の偏光層18」及び「第2の偏光層19」を結合する手段である「インターフェース接着層15」を省き、「第1の偏光層18」と「第2の偏光層19」とを単に「直接接触するように積層」された状態とした表示装置を構成することが、当業者において引用文献3から動機づけられるとは認められない。
また、当審拒絶理由に引用された引用文献2(特開2007-256939号公報)の【0045】には、偏光子同士を、保護層を介さずに直接接して形成することにより、薄型化、低コストで工程を簡略化できる事項が記載されている。しかしながら、引用文献2に記載の積層された複数の偏光子の透過軸は平行(パラレルニコルの状態)に積層されるものであり、引用発明のように偏光層の透過軸が直交するものではない。また、引用文献2には、偏光子同士は接着層(粘着層)を設けることが示唆されている(【0049】)ものの、本願発明のように偏光子を「直接重ねて配置され」、「直接接触するように積層されている」ことが記載されているとまで認めることはできない。さらに、引用文献2は、液晶素子を用いる表示装置に関する技術分野である(【0001】)ところ、引用発明とは技術分野が異なるものである。
以上より、引用文献2に記載の事項を踏まえても、当業者が、引用発明において、「第1の偏光層18」及び「第2の偏光層19」を結合する手段である「インターフェース接着層15」を省き、「第1の偏光層18」と「第2の偏光層19」とを単に「直接接触するように積層」された状態とした表示装置を構成することを容易に想到できるものであるとは認められない。
さらに、引用文献3の【0019】には、結合手段として、接着剤によることの他に「超音波溶接、熱溶接」が記載されており、引用発明における「インターフェース接着層15」に代えて、超音波溶接や熱溶接によって結合することも示唆されている。しかしながら、そのような結合手段を採用した場合は、「第1の偏光層」と「第2の偏光層」とは結合されて一体的なものとなり、また、結合の際の超音波又は熱によって「第1の偏光層」と「第2の偏光層」との間に結合層が生じたものとなると考えられる。すなわち、引用発明において結合手段として接着剤に代えて「超音波溶接、熱溶接」を採用したものは、「第1の偏光層」と「第2の偏光層」とが「直接重ねて配置され」かつ「直接接触するように積層されている」との構成を満たすものではない。
そうすると、引用文献3の【0019】の記載を考慮しても、当業者が、引用文献3に記載された発明に基づいて本願発明1を容易に想到することができたということはできない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2?4は、本願発明1の構成を全て具備するものであるから、本願発明2?4も、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたということができない。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明1?4は、当業者であっても、引用文献3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

第3 原査定の拒絶の理由について
1 理由2(新規性)、理由3(進歩性)について
(1)本願発明1について
本願発明1と、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献A(特開平11-327453号公報)の【0029】等の記載から理解される発明(以下、引用発明Aという)とを対比すると少なくとも以下の点で相違する。
(相違点A)
本願発明1の「偏光板」は、「光源からの光のうち、前記第1方向に振動する直線偏光成分を出射する第1光源部と、光源からの光のうち、前記第2方向に振動する直線偏光成分を出射する第2光源部と、を備え、前記偏光板の第1偏光層は、前記第1方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第2方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第1偏光領域と、前記第1方向に振動する直線偏光成分及び前記第2方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第1表示マーク部の表示が形成された第1表示領域と、を有し、前記偏光板の第2偏光層は、前記第2方向に振動する直線偏光成分を透過し、前記第1方向に振動する直線偏光成分を非透過とする第2偏光領域と、前記第2方向に振動する直線偏光成分及び前記第1方向に振動する直線偏光成分の双方を透過し、第2表示マーク部の表示が形成された第2表示領域と、を有している」のに対して、引用発明Aの偏光板(光吸収部材20A)はそのような特定がない点。
当該相違点Aについて検討すると、引用発明Aの偏光板は、画像表示装置の背面側に配置される導光体の端面に付設される光吸収部材として用いられるものであることから、相違点Aに係る構成が公知であったとしても、引用発明Aにおいて相違点Aに係る構成を採用する動機付けがなく、引用発明Aにおいて相違点Aに係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるということはできない。
したがって、本願発明1は、引用文献Aに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということができない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2?4は、本願発明1の構成を全て具備するものであるから、本願発明2?4も、本願発明1と同じ理由により、引用文献Aに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということができない。

2 理由4(拡大先願)について
(1)本願発明1について
本願発明1と引用出願B(特願2016-58979号(特開2017-173531号))の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から把握される発明(特に、図1から把握される表示構造又は図5から把握されるスイッチの発明)(以下、先願発明Bという)とを対比すると少なくとも以下の点で相違する。
(相違点B)
本願発明1の「偏光板」は、「前記第1偏光層と前記第2偏光層とは、前記第1方向と前記第2方向とが直交するように直接重ねて配置され、前記第1偏光層及び前記第2偏光層は、前記第1偏光層の一面と前記第2偏光層の一面とが、前記第1保護フィルム又は前記第2保護フィルムを介さずに直接接触するように積層されている」のに対して、先願発明Bの「第1の偏光板」と「第2の偏光板」は、偏光層が「直接重ねて配置され」さらに「直接接触するように積層されている」との特定がない点。
当該相違点Bについて検討すると、偏光板の技術分野において、偏光板は、偏光膜の両面が保護フィルムで保護されている構成であることが技術常識である。当該技術常識を踏まえると、先願発明Bの「第1の偏光板」及び「第2の偏光板」は「偏光板」であることから、それぞれ、偏光膜の両面が保護フィルムで保護されている構成となっていると理解される。そうすると、先願発明Bの「第1の偏光板」及び「第2の偏光板」において、偏光層が「直接重ねて配置され」さらに「直接接触するように積層されている」ようにすることが、課題解決のための具体的手段における微差であるということはできない。
したがって、本願発明1は、先願発明Bと同一であるということができない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2?4は、本願発明1の構成を全て具備するものであるから、本願発明2?4も、本願発明1と同じ理由により、先願発明Bと同一であるということができない。

第4 当合議体が通知した拒絶の理由について
[引用文献1を主引用例とする場合の進歩性の理由について]
当合議体が通知した拒絶の理由において引用した引用文献1は、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献Aと同じものであるから、上記「第3」1と同様の理由により、本願発明1?4は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

[引用文献3を主引用例とする場合の進歩性の理由について]
前記「第2」1、2に述べたとおりである。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由及び当合議体が通知した拒絶の理由によっては、本件出願を拒絶することはできない。
また、他に本件出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2021-09-30 
出願番号 特願2017-78428(P2017-78428)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (G02B)
P 1 8・ 121- WY (G02B)
P 1 8・ 161- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 後藤 慎平菅原 奈津子  
特許庁審判長 榎本 吉孝
特許庁審判官 関根 洋之
早川 貴之
発明の名称 偏光板、表示装置、及びスイッチ装置  
代理人 特許業務法人平田国際特許事務所  
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