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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B23K
審判 全部申し立て 2項進歩性  B23K
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B23K
管理番号 1378760
異議申立番号 異議2021-700579  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-17 
確定日 2021-10-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第6803107号発明「プリフォームはんだ及び該プリフォームはんだを用いて形成されたはんだ接合体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6803107号の請求項1及び2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6803107号(請求項の数2。以下,「本件特許」という。)は,2020年(令和2年)7月22日(優先権主張:令和1年7月26日)を国際出願日とする特許出願(特願2020-541601号)に係るものであって,令和2年12月2日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は,令和2年12月23日である。)。
その後,令和3年6月17日に,本件特許の請求項1及び2に係る特許に対して,特許異議申立人である赤松智信(以下,「申立人」という。)により,特許異議の申立てがされた。

第2 本件発明
本件特許の請求項1及び2に係る発明は,本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下,それぞれ「本件発明1」等という。また,本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。

【請求項1】
Snを主成分とする鉛フリーはんだ,及び,該鉛フリーはんだよりも融点の高い金属粒子を含むプリフォームはんだであって,
前記金属粒子は,Co含量が0.1?90質量%であるCu-Co合金で形成されており,
前記鉛フリーはんだはNiを含有し,
前記金属粒子の表面に(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)が形成されている,プリフォームはんだ。
【請求項2】
基材と,該基材と接合した請求項1記載のプリフォームはんだにより構成されるはんだ接合部とを含む,はんだ接合体。

第3 特許異議の申立ての理由の概要
本件特許の請求項1及び2に係る特許は,下記1?3のとおり,特許法113条2号及び4号に該当する。証拠方法は,甲第1号証?甲第4号証(以下,単に「甲1」等という。下記4を参照。)である。
1 申立理由1(進歩性)
本件発明1及び2は,甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された事項に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから,本件特許の請求項1及び2に係る特許は,同法113条2号に該当する。
2 申立理由2(実施可能要件)
本件発明1及び2については,発明の詳細な説明の記載が特許法36条4項1号に適合するものではないから,本件特許の請求項1及び2に係る特許は,同法113条4号に該当する。
3 申立理由3(明確性要件)
本件発明1及び2については,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に適合するものではないから,本件特許の請求項1及び2に係る特許は,同法113条4号に該当する。
4 証拠方法
・甲1 国際公開第2007/125991号
・甲2 国際公開第03/021664号
・甲3 特許第6443568号公報
・甲4 特開2011-54892号公報

第4 当審の判断
以下に述べるように,特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。

1 申立理由1(進歩性)
(1)甲1に記載された発明
甲1の記載(請求項1,2,[0004]?[0009],[0017],[0020]?[0027],[0033],[0034],[0039],[0042],[0043],[0045]?[0048],図1?9)によれば,特に,請求項1,2のほか,実施例1([0045])に着目すると,甲1には,以下の発明が記載されていると認められる。

「板状はんだ中に高融点金属粒が分散されたフォームはんだにおいて,
はんだは,Sn主成分の鉛フリーはんだである,Sn-0.7Cu-0.06Ni-0.005Pであり,
前記高融点金属粒が,はんだ合金の融点+300℃以上の融点を有し,直径50μmであり,粒子径のバラツキが10μm以内である,Ni粒であり,
高融点金属粒であるNi粒の周囲には,はんだの主成分であるSnと高融点金属粒であるNi粒との金属間化合物であるNi_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)からなる合金層が形成されている,フォームはんだ。」(以下,「甲1発明」という。)

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明における「板状はんだ」中に「高融点金属粒」が分散された「フォームはんだ」は,本件発明1における「はんだ」及び「金属粒子」を含む「プリフォームはんだ」に相当する。
(イ)甲1発明における「Sn主成分の鉛フリーはんだである,Sn-0.7Cu-0.06Ni-0.005P」は,Niを含有するものであるから,本件発明1における「Niを含有」する「Snを主成分とする鉛フリーはんだ」に相当する。
(ウ)甲1発明における「はんだ合金の融点+300℃以上の融点を有し,直径50μmであり,粒子径のバラツキが10μm以内である」「高融点金属粒」は,本件発明1における「該鉛フリーはんだよりも融点の高い金属粒子」に相当する。
(エ)本件発明1において,「前記金属粒子の表面に(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)が形成されている」ことと,甲1発明において,「高融点金属粒であるNi粒の周囲には,はんだの主成分であるSnと高融点金属粒であるNi粒との金属間化合物であるNi_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)からなる合金層が形成されている」こととは,いずれも,「前記金属粒子の表面に金属間化合物が形成されている」限りにおいて共通する。
(オ)以上によれば,本件発明1と甲1発明とは,
「Snを主成分とする鉛フリーはんだ,及び,該鉛フリーはんだよりも融点の高い金属粒子を含むプリフォームはんだであって,
前記鉛フリーはんだはNiを含有し,
前記金属粒子の表面に金属間化合物が形成されている,プリフォームはんだ。」
の点で一致し,以下の点で相違する。
・相違点1
本件発明1では,金属粒子が,「Co含量が0.1?90質量%であるCu-Co合金」で形成されており,金属粒子の表面に形成されている金属間化合物が,「(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)」であるのに対して,甲1発明では,金属粒が,「Ni」粒であり,金属粒の周囲に形成されている金属間化合物が,「Ni_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)」である点。

イ 相違点1の検討
(ア)甲1には,フォームはんだを構成するはんだ,金属粒及び金属粒の周囲に形成される金属間化合物について,以下の記載がある。
「前記高融点金属粒は,Ni,Ag,Cu,Feおよびそれらの合金からなる群から選んだ1種または2種以上であり,はんだはSn主成分の鉛フリーはんだであって,高融点金属粒の周囲に形成される合金層は,Snと高融点金属粒との金属間化合物であることを特徴とする請求項1記載のフォームはんだ。」(請求項2)
「はんだ中に分散させる金属粒は,鉛フリーはんだの主成分であるSnと合金しやすいNi,Ag,Cu,Feのいずれかが好適である。金属粒の周囲に形成される合金層は,Snと金属粒との金属間化合物である。例えば金属粒がNiであり,はんだがSn主成分の鉛フリーはんだであれば,金属粒の表面にはNiとSnの金属間化合物であるNi_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)が形成され,金属粒がCu,はんだがSn主成分の鉛フリーはんだであれば,金属粒の表面にはCu_(3)SnやCu_(6)Sn_(5)等の金属間化合物が形成される。」([0024])
「本発明のフォームはんだは,如何なる組成の合金でも良いが,近時のPb使用規制の関係から,鉛フリーはんだが適当である。鉛フリーはんだとは,Snを主成分とし,これにAg,Cu,Sb,Bi,In,Zn,Ni,Cr,Mo,Fe,Ge,Ga,P等を適宜添加したものである。Snは金属粒を侵食しやすいものであるため,Ni粒を使用する場合は,鉛フリーはんだ中にはNiを添加しておくとよい。」([0042])
「つまり鉛フリーはんだ中にNiが含有されていると,高融点金属粒としてNi粒を使用する場合,溶融した鉛フリーはんだがNi粒と接触したときにNi粒が侵食されにくくなるからである。・・・」([0043])(当審注:「・・・」は省略を意味する。)
(イ)甲1の上記(ア)の記載によれば,甲1には,フォームはんだは,Snを主成分とし,これにAg,Cu,Sb,Bi,In,Zn,Ni,Cr,Mo,Fe,Ge,Ga,P等を適宜添加した,鉛フリーはんだであり,はんだ中に分散させる金属粒は,Ni,Ag,Cu,Fe及びそれらの合金のいずれかであるが,金属粒としてNi粒を使用する場合は,Ni粒が侵食されにくくなるように,鉛フリーはんだ中にNiを添加することが記載され,また,金属粒がNi粒であり,はんだがSn主成分の鉛フリーはんだであれば,金属粒の表面には,NiとSnの金属間化合物であるNi_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)が形成されることが記載されている。
(ウ)ところで,甲1発明は,上記(1)のとおり,甲1の実施例1に基づいて認定したものであるところ,当該実施例1は,金属粒としてNi粒を使用するとともに,Niを含有するSn主成分の鉛フリーはんだを使用するものであり,また,金属粒であるNi粒の周囲には,金属間化合物であるNi_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)が形成されているものである。
以上によれば,上記実施例1(甲1発明)は,甲1の上記(ア)の記載に沿うものであって,Niを含有するSn主成分の鉛フリーはんだとNi粒とを組み合わせて,Ni粒が侵食されにくくしたものと理解できる。
そうすると,このような甲1発明において,たとえ甲1に,金属粒はNi以外にAg,Cu,Feも好適である旨の記載があったとしても,Niを含有するSn主成分の鉛フリーはんだを使用したままで,金属粒を「Ni粒」以外のものに変更する動機付けがあるとはいえない。また,そうである以上,甲1発明において,金属粒の周囲に形成されている金属間化合物を,「Ni_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)」以外のものに変更する動機付けがあるともいえない。
そして,このことは,甲2に,チップ部品と配線部材とを固着したはんだ層が樹脂層で封止され,上記はんだ層がSnを主成分とするマトリックス金属に上記マトリックス金属の融点よりも高い融点を有する金属粉末を分散させた複合体で構成された半導体装置に関し,上記金属粉末として,Cu-3wt%Coが例示されている(請求項3,4,30頁10行?31頁19行)としても,変わるものではなく,また,(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)の形成について言及する甲3,4の記載を考慮しても,変わるものではない。
(エ)以上によれば,甲1発明において,金属粒につき,「Ni」粒に代えて,「Co含量が0.1?90質量%であるCu-Co合金」で形成されたものとし,かつ,金属粒の周囲に形成されている金属間化合物につき,「Ni_(3)Sn,Ni_(3)Sn_(2),Ni_(3)Sn_(4)」に代えて,「(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)」とすることが,当業者が容易に想到することができたとはいえない。

ウ 申立人の主張について
(ア)申立人は,甲1には,Snを主成分とする鉛フリーはんだ,及び,該鉛フリーはんだよりも融点の高い金属粒子を含むプリフォームはんだであって,上記金属粒子が「Cuの合金」で形成され,上記鉛フリーはんだが「Ni」を含有する発明が記載されているとし,その上で,上記発明における「Cuの合金」として,甲2に記載されるCu-3wt%Coを用いることは,当業者が容易になし得ると主張する(申立書13?15頁)。
(イ)a 確かに,甲1には,上記イのとおり,フォームはんだは,Snを主成分とし,これにAg,Cu,Sb,Bi,In,Zn,Ni,Cr,Mo,Fe,Ge,Ga,P等を適宜添加した,鉛フリーはんだであることが記載され,また,金属粒は,Ni,Ag,Cu,Fe及びそれらの合金のいずれかであることが記載されている。
しかしながら,これらの記載は,それぞれ別々に記載されたものにすぎず,鉛フリーはんだと金属粒の特定の組合せを記載ないし示唆するものではない。
また,甲1には,上記イのとおり,鉛フリーはんだ中にNiを添加することについて記載されているものの,この記載は,金属粒としてNi粒を使用する場合を前提としたものにすぎない。
さらに,甲1には,金属粒がCuである場合における金属間化合物の形成について記載されているものの([0024],実施例2),金属粒がCu(又はCuの合金)である場合に,Niを含有する鉛フリーはんだを用いることについては記載されていない。現に,甲1の実施例2では,金属粒としてCu粒を使用しているが,はんだは「Sn-3Ag-0.5Cu」であり,Niを含有するものではない。
以上のとおり,甲1には,「Ni」を含有するSnを主成分とする鉛フリーはんだと,「Cuの合金」で形成される金属粒子とを組み合わせることについては,記載されているとはいえないから,甲1には,申立人が主張するような発明が記載されているということはできない。
b また,本件明細書の記載(【0013】,【0014】,【0019】,【0020】,実施例1?3)によれば,本件発明1は,プリフォームはんだにおいて,「Ni」を含有するSnを主成分とする鉛フリーはんだと,「Co含量が0.1?90質量%であるCu-Co合金」で形成される金属粒子とを組み合わせることにより,金属粒子の表面に「(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)」を形成するものである。
そして,本件発明1においては,上記「(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)」が,熱伝導性に優れたものであることによって,はんだ接合部の熱伝導性が優れたものとなり,また,プリフォームはんだを溶融させ部品間を接合する際に,はんだの溶融が促進され,流動性が確保され,ボイドの発生が抑制されたはんだ接合部を形成することができ,さらに,上記「(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)」が,186℃でのη-η’相変化を生じないものであることによって,はんだ接合部が186℃以上の高温に晒され,その後冷却された場合でも,はんだ接合部の応力集中が抑制されるため,耐熱性,熱伝導性,信頼性の優れたはんだ接合部を形成することができるという効果を奏するものである(【0019】,【0020】)。
しかしながら,甲1のほか,甲2?4のいずれにも,そのようなことについては記載されておらず,また,技術常識であるともいえない。
そうすると,上記のような本件発明1の技術的意義を踏まえると,甲1に記載された,Snを主成分とする鉛フリーはんだと金属粒子との多数の組合せの中から,本件発明1における特定の組合せを選択することが,当業者が容易に想到することができたとはいえない。
よって,申立人の主張は採用できない。

エ 小括
したがって,本件発明1は,甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明2について
本件発明2は,本件発明1を引用するものであるが,上記(2)で述べたとおり,本件発明1が,甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件発明2についても同様に,甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり,本件発明1及び2は,甲1に記載された発明及び甲2?4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない
したがって,申立理由1(進歩性)によっては,本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。

2 申立理由2(実施可能要件)
(1)申立人は,甲1の記載([0024])や甲3の記載(【0042】)によれば,金属粒子の表面に形成される金属間化合物を形成する元素は,はんだに由来するSnと金属粒子中に含まれる元素であるところ,本件発明1では,金属粒子がCoを90質量%まで含有するにもかかわらず,その表面に形成される金属間化合物はCoを含有せず,はんだ中に含まれるNiを含有するものであるが,そのようなものがどのような方法により達成されるのか,本件明細書には記載されておらず,また,技術常識であるともいえないと主張する。また,本件発明2についても,同様に主張する。(申立書16?18頁)
しかしながら,本件明細書には,本件発明1に係るプリフォームはんだに関し,鉛フリーはんだの種類(【0021】,【0022】),金属粒子の種類(【0023】?【0026】),金属粒子の表面に形成される(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)(【0027】)について,それぞれ記載され,また,プリフォームはんだの製造方法(【0027】,【0030】,【0031】)についても記載されている。
そして,実施例3(【0048】?【0052】,図3?8)においては,実際に,本件発明1に係るプリフォームはんだを製造したことが記載され,金属粒子の周囲に(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)が形成されていることを確認したことも記載されている。
これに対して,申立人は,本件発明1において,金属粒子に含まれるCoが,その表面に形成される金属間化合物に含まれることについて,具体的な根拠を示して主張するものではない。
以上によれば,発明の詳細な説明の記載は,本件発明1について,実施可能要件に適合するものである。また,本件発明2についても,同様である。
よって,申立人の主張は採用できない。

(2)したがって,申立理由2(実施可能要件)によっては,本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。

3 申立理由3(明確性要件)
(1)申立人は,請求項1の記載は,金属粒子中に多量(最大90質量%)のCoを含有する場合であっても,金属粒子の表面には,はんだ合金と金属粒子との金属間化合物である(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)は形成されるが,Coを含有する金属間化合物は形成されないという記載になっているが,化学的に考えて,鉛フリーはんだ合金とCu-Co合金の金属粒子との化合物である金属間化合物において,Coを全く含有しない金属間化合物が形成されるとは到底考えられず,請求項1の記載は,技術的にみて不明確なものであると主張する。また,本件発明2についても,同様に主張する。(申立書18?19頁)
しかしながら,請求項1の記載に不明確なところはなく,本件発明1は明確である。また,本件発明2についても,同様である。
そして,本件明細書の実施例1?3(特に実施例3)において,実際に,本件発明1に係るプリフォームはんだを製造したことが記載され,金属粒子の周囲に(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)が形成されていることを確認したことが記載されていることは,上記2のとおりである。
なお,申立人は,請求項1の記載は,Coを含有する金属間化合物は形成されないという記載になっていると指摘するが,請求項1には,「前記金属粒子の表面に(Cu,Ni)_(6)Sn_(5)が形成されている」と記載されるだけであり,「Coを含有する金属間化合物は形成されない」ことは記載されていない。
よって,申立人の主張は採用できない。

(2)したがって,申立理由3(明確性要件)によっては,本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。

第5 むすび
以上のとおり,特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては,本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-09-27 
出願番号 特願2020-541601(P2020-541601)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B23K)
P 1 651・ 537- Y (B23K)
P 1 651・ 536- Y (B23K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋本 憲一郎  
特許庁審判長 池渕 立
特許庁審判官 井上 猛
祢屋 健太郎
登録日 2020-12-02 
登録番号 特許第6803107号(P6803107)
権利者 株式会社日本スペリア社
発明の名称 プリフォームはんだ及び該プリフォームはんだを用いて形成されたはんだ接合体  
代理人 関口 久由  
代理人 柳野 嘉秀  
代理人 森岡 則夫  
代理人 中川 正人  
代理人 柳野 隆生  
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