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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C12N 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C12N 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C12N 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C12N 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C12N 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C12N |
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管理番号 | 1379050 |
審判番号 | 訂正2021-390101 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-07-15 |
確定日 | 2021-09-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6602788号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6602788号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第6602788号に係る出願(特願2016-569022号)は、平成27年2月17日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2014年2月17日 米国、 2014年3月3日 英国)として出願されたものであって、その請求項1?24に係る発明について令和元年10月18日に特許権の設定登録がなされた。 これについて、令和3年7月15日に本件訂正審判が請求された。 第2 請求の趣旨および訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6602788号に係る特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?24について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 そして、本件訂正審判の請求による訂正の内容は、下記訂正事項1?2のとおりである。 1.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項2における、 「(i)バリアントAAVキャプシドタンパク質が、配列番号2の配列、もしくはその配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含み、かつ/または(ii)野生型AAVキャプシドタンパク質が、配列番号1の配列を含む、請求項1に記載の組換えAAVベクター。」 との記載を、 「(i)バリアントAAVキャプシドタンパク質が、配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含み、かつ/または(ii)野生型AAVキャプシドタンパク質が、配列番号1の配列を含む、請求項1に記載の組換えAAVベクター。」 に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3?24も同様に訂正する)。 2.訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5における、 「バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:I125、A151、S162およびS205の1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項にに記載の組換えAAVベクター。」 との記載を、 「バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:I125、A151、S162およびS205の1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。」 に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6?24も同様に訂正する)。 第3 当審の判断 1 訂正の目的について ア 訂正事項1 訂正前の請求項2は「バリアントAAVキャプシドタンパク質が、配列番号2の配列、もしくはその配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含み」と記載されており、「その配列」とは「配列番号2の配列」を指すことは明らかである。そうであれば、本件訂正事項1は、訂正前の請求項2に挙げられている、「配列番号2の配列」、もしくは「配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列」の組合せのうちから、「配列番号2の配列」のみを除く訂正を行うことを目的とするものである。 請求項2を引用する訂正後の請求項3?24についても同様である。 すなわち、訂正事項1は、訂正前の請求項2に含まれる配列から「配列番号2の配列」を削除するものであって、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項2 訂正前の請求項5には「請求項1から4のいずれか一項にに記載の組換えAAVベクター」と記載されており、「に」が重複しているが、当該記載が誤記であることは文章全体から明らかである。 請求項5を引用する訂正後の請求項6?24についても同様である。 すなわち、訂正事項2は誤記を訂正するものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 2 国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること ア 訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項2に挙げられている、「配列番号2の配列」、もしくは「配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列」の組合せのうちから、「配列番号2の配列」のみを削除するものである。 請求項2を引用する訂正後の請求項3?24についても同様である。 したがって、訂正事項1は、国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 イ 訂正事項2 訂正前の請求項5には「請求項1から4のいずれか一項にに記載の組換えAAVベクター」と記載されており、「に」が重複しているが、当該記載が誤記であることは文章全体から明らかである。 請求項5を引用する訂正後の請求項6?24についても同様である。 すなわち、訂正事項2は明らかな誤記を訂正するものであって、この訂正は、国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと ア 訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項2に挙げられている、「配列番号2の配列」、もしくは「配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列」の組合せのうちから、「配列番号2の配列」のみを削除するものであるから、この訂正は、訂正前の請求項2に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、かつ、訂正前の請求項2に記載された発明の対象や目的を変更するものでもない。 請求項2を引用する訂正後の請求項3?24についても同様である。 したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。 イ 訂正事項2 訂正前の請求項5には「請求項1から4のいずれか一項にに記載の組換えAAVベクター」と記載されており、「に」が重複しているが、当該記載が誤記であることは文章全体から明らかである。 請求項5を引用する訂正後の請求項6?24についても同様である。 すなわち、訂正事項2は明らかな誤記を訂正するものであって、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 独立特許要件について ア 訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項2に挙げられている、「配列番号2の配列」、もしくは「配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列」の組合せのうちから、「配列番号2の配列」のみを削除するだけのものであり、この訂正後の請求項2に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。 請求項2を引用する訂正後の請求項3?24についても同様である。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 イ 訂正事項2 訂正前の請求項5には「請求項1から4のいずれか一項にに記載の組換えAAVベクター」と記載されており、「に」が重複しているが、当該記載が誤記であることは文章全体から明らかである。 請求項5を引用する訂正後の請求項6?24についても同様である。 すなわち、訂正事項2は明らかな誤記を訂正するだけのものであって、この訂正後の請求項2に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第1号又は第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、 (a)野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、AAV2キャプシドタンパク質配列中の457、492、499および533位に存在する少なくとも4つのアミノ酸置換を含む、そして、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、AAV2キャプシドタンパク質配列中の125、151、162および205位に1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、そして、残基N312をさらに含む、バリアントAAV2キャプシドタンパク質、ならびに (b)遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含む異種核酸 を含む、組換えAAVベクター。 【請求項2】 (i)バリアントAAVキャプシドタンパク質が、配列番号2の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含み、かつ/または(ii)野生型AAVキャプシドタンパク質が、配列番号1の配列を含む、請求項1に記載の組換えAAVベクター。 【請求項3】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:M457、A492、D499およびY533を含む、請求項1または2に記載の組換えAAVベクター。 【請求項4】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、1つまたは複数の以下のアミノ酸置換:Q457M、S492A、E499DおよびF533Yを含む、請求項2または3に記載の組換えAAVベクター。 【請求項5】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:I125、A151、S162およびS205の1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。 【請求項6】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、以下のアミノ酸置換:V125I、V151A、A162SおよびT205Sを含む、請求項5に記載の組換えAAVベクター。 【請求項7】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、AAV2キャプシドタンパク質配列中の585および588位に1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。 【請求項8】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:S585およびT588の1つまたは複数を含む、請求項7に記載の組換えAAVベクター。 【請求項9】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、1つまたは複数の以下のアミノ酸置換:R585SおよびR588Tを含む、請求項7または8に記載の組換えAAVベクター。 【請求項10】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、AAV2キャプシドタンパク質配列中の546、548および593位に1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。 【請求項11】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、1つまたは複数の以下の残基:D546、G548およびS593の1つまたは複数を含む、請求項10に記載の組換えAAVベクター。 【請求項12】 バリアントAAV2キャプシドタンパク質が、野生型AAV2キャプシドタンパク質と比べて、1つまたは複数の以下のアミノ酸置換:G546D、E548GおよびA593Sを含む、請求項10または11に記載の組換えAAVベクター。 【請求項13】 遺伝子産物が、干渉RNAまたはアプタマーを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。 【請求項14】 遺伝子産物がポリペプチドを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター。 【請求項15】 遺伝子産物が、神経保護ポリペプチド、抗血管新生ポリペプチド、または神経細胞もしくは網膜細胞の機能を増強するポリペプチドを含む、請求項14に記載の組換えAAVベクター。 【請求項16】 遺伝子産物が、グリア由来の神経栄養因子、線維芽細胞増殖因子、神経増殖因子、脳由来の神経栄養因子、ロドプシン、レチノスキシン、RPE65、またはペリフェリンを含む、請求項15に記載の組換えAAVベクター。 【請求項17】 (a)請求項1から16のいずれか一項に記載の組換えAAVベクター、および (b)薬学的に許容できる賦形剤 を含む医薬組成物。 【請求項18】 遺伝子産物を対象中の組織に送達するために使用するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項19】 組織が、血液、骨髄、筋肉組織、神経細胞組織、網膜組織、膵臓組織、肝臓組織、腎臓組織、肺組織、腸組織または心臓組織から選択される、請求項18に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項20】 組織が、神経細胞組織、網膜組織または肝臓組織である、請求項19に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項21】 対象中の障害を治療する際に使用するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項22】 障害が、神経学的障害、眼障害または肝臓障害である、請求項21に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項23】 神経学的障害が、神経変性疾患である、請求項22に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 【請求項24】 眼障害が、緑内障、網膜色素変性症、黄斑変性、網膜分離症または糖尿病性網膜症である、請求項22に記載の組換えAAVベクターまたは医薬組成物。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-08-25 |
結審通知日 | 2021-08-30 |
審決日 | 2021-09-16 |
出願番号 | 特願2016-569022(P2016-569022) |
審決分類 |
P
1
41・
854-
Y
(C12N)
P 1 41・ 856- Y (C12N) P 1 41・ 841- Y (C12N) P 1 41・ 851- Y (C12N) P 1 41・ 852- Y (C12N) P 1 41・ 855- Y (C12N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 吉森 晃 |
特許庁審判長 |
田村 聖子 |
特許庁審判官 |
松岡 徹 上條 肇 |
登録日 | 2019-10-18 |
登録番号 | 特許第6602788号(P6602788) |
発明の名称 | アデノ随伴ウイルスベクター |
代理人 | 廣田 雅紀 |
代理人 | 廣田 雅紀 |
代理人 | 廣田 雅紀 |