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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21S
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21S
管理番号 1379119
審判番号 不服2020-15170  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-30 
確定日 2021-10-12 
事件の表示 特願2017-123344号「気密封止されたLED灯、及び、気密封止されたLED灯の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 9月14日出願公開、特開2017-162843号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年3月4日(パリ条約による優先権主張 2015年3月6日、2015年3月10日、いずれもドイツ(DE))を出願日とする特願2016-42331号(以下「原出願」という。)の一部を平成29年6月23日に新たな特許出願としたものであって、令和1年12月20日付けで拒絶理由が通知され、令和2年4月7日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月24日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、同年10月30日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和2年10月30日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年10月30日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
令和2年10月30日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正するものであって、請求項4について補正前後の記載を補正箇所に下線を付して示すと以下のとおりである。

(1)補正前の請求項4
「【請求項4】
気密封止されたLED灯であって、
セラミックからなるベースと、前記ベース上の少なくとも1つのLEDと、少なくとも1つの窓を有し且つ前記ベースに金属はんだではんだ付けされた少なくとも1つの金属キャップと、を含み、
前記金属はんだは、金錫はんだである、
気密封止されたLED灯。」

(2)補正後の請求項4
「【請求項4】
気密封止されたオートクレーブ可能なLED灯であって、
セラミックからなるベースと、前記ベース上の少なくとも1つのLEDと、少なくとも1つの窓を有し且つ前記ベースに金属はんだではんだ付けされた少なくとも1つの金属キャップと、を含み、
前記金属はんだは、金錫はんだであり、
前記金属キャップは、ステンレス鋼から形成されている、
気密封止されたLED灯。」

2 補正の適否
2-1 補正の目的
本件補正に係る請求項4の補正は、補正前の請求項4に記載された「LED灯」について、「オートクレーブ可能な」構成であることの限定を付し、さらに、「金属キャップ」について、「ステンレス鋼から形成されている」との限定を付すものであって、補正前の請求項4に記載された発明と補正後の請求項4に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項4に記載された事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

2-2 独立特許要件
(1)引用文献の記載事項等
(1-1)引用文献1の記載事項等
(1-1-1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願の原出願の優先日前に頒布された特表2014-520640号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
(1a)
「【0001】
本発明は、医療用の、特に歯科医療用の器具用の、特にこれらの器具の器具ヘッド用の照明手段であって、電磁線、特に、可視波長領域の光線を放射するための少なくとも一つの半導体エレメントを有している。
【背景技術】
【0002】
医療用の、特に歯科医療用の器具用の照明手段は、例えば、実用新案DE 20 2005 020 763 U1から既知である。該照明手段は、光を照射する窓を備えた金属製キャップと該金属製キャップと溶接された金属製ソケットを包含し、キャップとソケットからカプセル化された内部空間を構成している。この内部空間内に、該ソケット上に固定された、光を発生させるための光学的半導体エレメント(LED)が設けられている。二本の金属製の電気コンタクトが、ソケットを貫通し、光学的半導体エレメントと、エネルギー供給手段として接続されている。双方のコンタクトは、ソケット部分では、ガラスシールされている。このような照明手段の構造は、実績があり、カプセル化された内部空間に取り入れられた光学的半導体エレメントは、例えば、滅菌器内での器具の洗浄など腐食性の高い環境条件や汚れから保護されている。しかしながらカプセル化することにより照明手段が大きくなり、器具に、或いは、器具内に照明手段のために必要な空間が増してしまう。
・・・
【0060】
好ましくは、少なくとも一つの半導体エレメント、照明手段のボディ内の、特に好ましくは、密封状態のチャンバー内に配置されることが好ましい。尚、該チャンバーは、粒子、及び/或いは、水蒸気、及び/或いは、流体が該チャンバー内へ滲入しないように密封状態であることが好ましい。特に、該チャンバーは、それが、幾度にもわたって洗浄工程、或いは、滅菌行程に耐え、即ち、該行程において使用される、例えば、洗剤や水蒸気などのメディアが該チャンバー内に滲入しないように密封状態とされることが好ましい。また、チャンバーの少なくとも一部、或いは、チャンバーの内部空間を取り巻くチャンバー壁は、半導体エレメントから照射される電磁線に対して透明、及び/或いは、該電磁線を導くマテリアルから構成されていることが好ましい。
・・・
【0073】
図1と図9に示されている医療用の、特に歯科医療用の器具1は、一端が、例えば、制御手段、駆動ユニット、エネルギー源、及び/或いは、流体源、特に好ましくは、水源、及び/或いは、圧縮空気源と脱着自在に接続される接続部24を有する細長い、パイプ状の器具1、或いは、ハンドピースとして構成されている。該器具1は、湾曲した、或いは、互いに角度を持って合わせられた二つの部分を包含するグリップ部25と、これに続く器具ヘッド2を包含している。器具ヘッド2には、これを介して処置箇所に作用するための工具4が、器具ヘッド2に対して脱着自在に接続できる工具用開口部26が設けられている。該器具ヘッド2内には、例えば、クランプなど、これを介して工具4を脱着自在に器具ヘッド2に固定する脱着自在な工具保持手段28が配置されている。該工具用開口部26は、工具4が、グリップ部25に角度を持って、或いは、その縦軸が、器具ヘッド2から突出するように器具ヘッド2の側方に配置されている。該工具用開口部26の反対側の器具ヘッド2の末端には、器具ヘッド2内の工具取外手段29に作用し、工具4を器具ヘッド2、或いは、工具保持手段28からアンロックするためのプッシュボタン27が設けられている。当然のことながら、器具1は、他の既知の形状、例えば、ピストル型、或いは、ストレート・タイプであってもよい。
・・・
【0075】
器具ヘッド2、特に好ましくは、器具ヘッド2の工具用開口部26側の末端には、照明手段3, 3Aが設けられている。該照明手段3, 3Aは特に好ましくは、工具用開口部26の周りに配置されている、或いは、そのリングを囲んでおり、該照明手段3, 3Aは、リング・ライトとして構成されている。
・・・
【0077】
照明手段3の該ボディ6は、特に好ましくは、中央に、穿孔、或いは、取付部、或いは、開口部5を有している。該開口部5は、面/高さを揃えた状態で工具用開口部26とつながれている、或いは、該工具用開口部26を取り巻いている。そして該取付部、或いは開口部5内には、工具4を取付けることができる、或いは、該取付部、或いは開口部5を通して、器具ヘッド2内に工具4を差込める、或いは、取り外すことができる。図2からも明らかなように、穿孔、或いは、開口部5は、シリンダー状に構成されていることができる。
【0078】
該ボディ6には、或いは、その中には、電磁線、特に好ましくは、可視領域の電磁線(可視光線)を放射するように構成された半導体エレメント7が設けられている。該半導体エレメント7は、例えば、発光ダイオード(LED)、或いは、ダイスとして実施されている。該半導体エレメント7で発生された電磁線の少なくとも一部は、照明手段3の照明手段の光線アウトプット末端9側にある、或いは、照明手段3の表面にある一枚、或いは、複数の光伝導性の、特に好ましくは、透明な光線アウトプット面、或いは、電磁線アウトプット面8を介して照射される。
・・・
【0084】
特に図4から明らかなように、少なくとも一つの半導体エレメント7は、特に好ましくは密封状態の、チャンバー22内に収められている。複数の半導体エレメント7が存在する場合は、好ましくは、各々独立したチャンバー22が設けられ、特に好ましくは、各チャンバー22には、それぞれ一つの半導体エレメント7が収められている(図5参照)。該チャンバー22は、該半導体エレメント7を、汚れ、特に、粒子、流体、ガス、蒸気として存在する不純物から保護している。
【0085】
該チャンバー22は、ボディ6のマントル面12内に配置されている。該チャンバー22、或いは、チャンバー22の内壁は、好ましくは、照明手段3のボディ6が構成されている複数の層18,19から構成されている。
・・・
【0087】
該照明手段3は更に、少なくとも一つの、半導体エレメント7から照射された電磁線が、照明手段3の電磁線アウトプット末端9の、及び/或いは、光線、乃至、光線アウトプット面8の方向へ導くように配置された光学的電磁線導体21を有している。複数の半導体エレメント7が設けられている場合は、電磁線導体21も複数設けられてもよく、好ましくは、各半導体エレメント7に、それぞれ一本の電磁線導体21が帰属される。該電磁線導体21は、二つの末端21A,21Bを有しているが、第一末端21Aは、半導体エレメント7の方向を向いている。該第一末端21Aは、チャンバー22に接続、或いは、チャンバー22の境界の一部を形成、特に好ましくは、チャンバー22の境界壁の一部を成している。該電磁線導体21の第二末端21Bは、電磁線アウトプット末端9の方向を向いている、或いは、照明手段3の光線、乃至、電磁線アウトプット面8の少なくとも一部を成している。電磁線導体21は、例えば、シリンダー、ロッド(図4参照)、或いは、薄いディスク(図6参照)として形成されている。該電磁線導体21は、特に、照明手段3の穿孔内、或いは、照明手段3のある一層18,19内に、例えば、融かして流し込むことにより、収められていることが好ましい。該電磁線導体21は、例えば、ガラス・エレメント、ガラスファイバー束エレメント、合成樹脂エレメント、或いは、プラスチック・エレメントとして形成されている。
【0088】
特に図3,4,6と7は、照明手段3,3Aと3B、或いは、ボディ6が、複数の層18,19から構成されていることを示している。該層18,19は、好ましくは、例えば、溶接、ハンダ付け、溶融、或いは、接着により、互いに固くつながれている。
【0089】
図3と図4の照明手段3は、好ましくはその中に、少なくとも一つの半導体エレメント7への供給のための電気的導体17(図5参照)が配置されている、第一セラミック層18を有している。尚、電気的導体17を電気的エネルギー源と接続している電気的コンタクト17A,17Bも、該セラミック層18内に設けられていることが好ましい。該セラミック層18は、例えば、円形、環状、或いは、リング状に形成されている。
【0090】
該セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれている。即ち、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成している。そしてこれに、第三の金属層19がつながれている。該金属層19には、好ましくは、器具ヘッド2に照明手段3を支持させるための、及び/或いは、固定するための少なくとも一つのエレメント34、例えば、ストッパ部、突起部、切欠き、突出部、ネジ、或いは、これらに類するものが設けられている。該金属層19は、電磁線アウトプット末端9、或いは、そこに光線、乃至、電磁線アウトプット面8が設けられている照明手段3の表面も形成している。」

(1b)引用文献1には、以下の図が示されている。

(1-1-2)認定事項
引用文献1の摘示(1a)(1b)より、以下の事項を認定することができる。
ア 歯科医療用の器具1における照明手段3であって、
器具1は、グリップ部25と、これに続く器具ヘッド2を包含しており、
器具ヘッド2の工具用開口部26側の末端に、照明手段3が設けられていること(段落【0001】【0073】、【0075】)
イ 照明手段3のボディ6には、半導体エレメント7が設けられ、半導体エレメント7は、発光ダイオード(LED)として構成されていること(段落【0077】、【0078】)
ウ 半導体エレメント7は、密封状態の、チャンバー22内に収められており、チャンバー22は、半導体エレメント7を、粒子、流体、ガス、蒸気として存在する不純物から保護すること(段落【0084】)
エ チャンバー22は、ボディ6のマントル面12内に配置されており、チャンバー22、或いは、チャンバー22の内壁は、照明手段3のボディ6が構成されている複数の層18,19から構成されていること(段落【0085】)
オ 層18,19は、ハンダ付けにより、互いに固くつながれており、
層18は、第一セラミック層18として構成され、
層19は、第三の金属層19として構成され、
第一セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれており、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成しており、第二セラミック層18Aに、第三の金属層19がつながれていること(段落【0088】?【0090】)
カ 照明手段3は更に、光学的電磁線導体21を有し、電磁線導体21は、二つの末端21A,21Bを有し、第一末端21Aは、チャンバー22の境界の一部を形成し、電磁線導体21の第二末端21Bは、電磁線アウトプット面8の少なくとも一部を成し、電磁線導体21は、ガラス・エレメントとして形成されていること(段落【0087】)

(1-1-3)引用文献1に記載された発明
以上によれば、引用文献1には、
「歯科医療用の器具1における照明手段3であって、
器具1は、グリップ部25と、これに続く器具ヘッド2を包含しており、
器具ヘッド2の工具用開口部26側の末端に、照明手段3が設けられており、
照明手段3のボディ6には、半導体エレメント7が設けられ、半導体エレメント7は、発光ダイオード(LED)として構成され、
半導体エレメント7は、密封状態の、チャンバー22内に収められており、チャンバー22は、半導体エレメント7を、粒子、流体、ガス、蒸気として存在する不純物から保護し、
チャンバー22は、ボディ6のマントル面12内に配置されており、チャンバー22、或いは、チャンバー22の内壁は、照明手段3のボディ6が構成されている複数の層18,19から構成されており、
層18,19は、ハンダ付けにより、互いに固くつながれており、
層18は、第一セラミック層18として構成され、
層19は、第三の金属層19として構成され、
第一セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれており、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成しており、第二セラミック層18Aに、第三の金属層19がつながれており、
照明手段3は更に、光学的電磁線導体21を有し、電磁線導体21は、二つの末端21A,21Bを有し、第一末端21Aは、チャンバー22の境界の一部を形成し、電磁線導体21の第二末端21Bは、電磁線アウトプット面8の少なくとも一部を成し、電磁線導体21は、ガラス・エレメントとして形成されている、
歯科医療用の器具1における照明手段3。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(1-2)引用文献2の記載事項
当審で新たに引用する、本願の原出願の優先日前に頒布された特開2015-3025号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(2a)「【0002】
本発明は、照明または光デバイスに関し、より具体的には、口腔および歯科用途に用いられ、歯科用途における光硬化性化合物を照明し、硬化させるために光を提供する照明デバイスに関する。
・・・
【0005】
そのような歯科用ライトに関連する別の問題は、それらの滅菌である。理解され得るように、歯科用ライトの先端は、一般に、患者の口または口のどこかの部分に近接され、または実際に接触される。したがって、光デバイスの先端は、様々な細菌およびバクテリアに曝される。したがって、患者間の細菌または感染の伝播を防止するために、歯科用器具は、しばしば、非常に高い温度でオートクレーブ処理されることなどによって、滅菌される。歯科用ライトの光エンジンを動作先端に近づけるために、提案およびいくつかの試みが、当該技術分野で行われているが、そのような試みは、滅菌の問題に徹底的には対処していない。例えば、オートクレーブ処理が達成される温度は、LEDアレイ中の発光素子などの光エンジンに潜在的に有害である。したがって、滅菌の問題は、歯科用硬化ライトなどの既存の歯科用ライトによって十分に対処されていない。
・・・
【0011】
図1は、本発明の光デバイス10の一実施形態を示す。光デバイス10の一実施形態は、硬化のために使用され得るが、照明、歯のホワイトニング、または他の治療用途などの他の用途も期待される。したがって、本発明は、例示的な実施形態のための本明細書で説明する特定の用途に限定されない。硬化デバイス10は、ハウジング12、および、ハウジング12に取り外し可能に結合される先端構造体14を含む。本発明の一態様によれば、以下にさらに説明するように、先端構造体14は、デバイス全体から別々にオートクレーブ処理され得るように、取り外され得る。デバイス10は、デバイス10を制御するためのボタン、スイッチ、または他の適切な手動制御部を含むことができる外部制御部18を有する適切な制御電子機器16(図2参照)も含む。表示デバイス20も利用され得、表示デバイス20は、デバイス10の動作の視覚的表示を提供するためのスクリーン、個々の光素子、または他のグラフィカル要素を含むことができる。例えば、デバイスの動作モードおよび設定、選択可能な硬化時間、残りの硬化時間、充電または電力状態、ならびに、診断グラフィックスは、また、視覚的ディスプレイ20を利用して示され得る。先端構造体14は、ハウジング12に取り外し可能に結合される近位端部22、および、本発明による、光硬化性化合物を硬化させるための、患者の口内に配置される遠位端部24を含む。ハウジング12のベース26は、デバイス10の電源回路28(図2参照)の再充電可能な内部要素を充電するための、図1Aに示すような、充電ベースまたはブロック27の形態のACまたはDC電源などの適切な外部電源に結合され得る。ベース26は、また、独立型のテーブル取り付けベース、壁、ポール、もしくは椅子に取り付けるための取り付け構造体などの適切な構造体内に適合するように構成され得、または、硬化デバイス10を保持し、充電するための歯科用椅子の一部に組み込まれ得る。
・・・
【0014】
先端構造体14は、先端構造体内を近位端部22から遠位端部24まで延在するヒートシンク構造体または要素32を含む。本発明の一実施形態では、図2および図2Aに示すように、ヒートシンク32は、硬化光デバイスからの熱の適切な熱伝達のために、ハウジング12と係合するように先端構造体14の近位端部22を越えて延在する。ヒートシンクは、金属(例えば、銅)またはアルミニウムなどの適切な熱伝導または熱伝導性材料から作られ得る。代替的に、熱分解グラファイトシート(PGS(登録商標))などの高熱伝導性材料が、ヒートシンク32のために使用され得る。一実施形態では、ヒートシンク32は、先端構造体14の内部に位置決めするために適切な形状で形成された細長い銅管である。適切な断熱材34が、ヒートシンク32を取り囲む。先端構造体14は、本体36を含み、本体36は、先端構造体の要素を収容し、以下にさらに説明するように、その近位および遠位端部22および24において適切にシールされる。本体36は、本発明の一態様によるオートクレーブ処理可能な材料から作られる。上述したように、患者の口の内、またはその上、またはそれに近接して使用または挿入されるものなどの、特定の再使用可能な歯科用要素を滅菌することが望ましい。過去の硬化光デバイスは、歯科専門家によって望まれる程度にオートクレーブ処理可能ではなかった。本発明は、121℃を超えるような高温オートクレーブ処理に耐えることができ、したがって、内部の発光デバイスまたはエンジンを含む先端構造体全体も同様にオートクレーブ処理可能にするオートクレーブ処理可能な材料から作られたシール本体36内に封入された先端構造体を提供する。
【0015】
本発明の一実施形態では、オートクレーブ処理可能な本体36は、ステンレス鋼などの適切な材料から作られる。代替的に、本体36は、オートクレーブ処理に関連する温度に耐えることができるセラミック、ガラス、または磁器材料から形成され得る。一般的に、本体36は、ヒートシンク32および断熱材34と共に適切な形状に形成されることになる。例えば、ヒートシンク32および断熱材34が形成され得、次いで、本体36が、セラミック、ガラス磁器、ポリマー、または他のオートクレーブ処理可能な材料でコーティングすることによって形成され得る。図に示す実施形態では、先端構造体14は、患者の口などの硬化部位における操作から適切に湾曲し、したがって、本体36は、同様に湾曲状に形成される。」

(1-3)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願の原出願の優先日前に頒布された特開2007-266568号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
(3a)「【0001】
本発明は、発光素子や受光素子のような半導体素子を搭載する支持体およびそれを利用した半導体装置、特に、高出力および高輝度の半導体発光素子が搭載され、耐熱性、放熱性および信頼性に優れる半導体装置に関する。
・・・
【0056】
このようなセラミックスを材料とする絶縁性基板同士あるいは導電性の板材との接合材として、AuとAgとからなる鑞材、あるいは共晶半田(Au-Sn、Ag-Sn、Bi-Sn、Zn-Sn、Cu-Sn、In-Sn、Pb-Sn)を挙げることができる。
【0057】
半導体素子あるいは半導体素子がフリップチップ実装されたサブマウントは、接着材により支持体に固定される。この接着材の材料は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂あるいはイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、AuとAgとからなる鑞材、あるいは共晶半田(Au-Sn、Ag-Sn、Bi-Sn、Zn-Sn、Cu-Sn、In-Sn、Pb-Sn)を挙げることができる。また、接着材として、金属粒子を含有する導電性ペースト、例えば、Agペースト、カーボンペースト、ITOペースト、Auバンプなどを好適に選択することができる。このような導電性ペーストを接着材とすることにより、半導体素子を固定させると共に支持体内の電極と電気的に接続させることができる。また、共晶半田や導電性ペーストを接着材とすることにより、半導体素子やサブマウントからの放熱性を向上させることができる。」

(1-4)引用文献4の記載事項
当審で新たに引用する、本願の原出願の優先日前に頒布された特開2006-223763号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。
(4a)「【0001】
本発明は、挿入部の先端部に光学系を備える内視鏡に関する。
・・・
【0024】
図1に示すように、内視鏡1は、体腔内に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端側に設けられた操作部3と、この操作部3から延出されるコネクタコード(あるいはユニバーサルコード)4と、を備えている。
・・・
【0031】
図2に示すように、挿入部2の先端部5の先端面21には、被検部位の光学像を後述するCCD35に結像するための観察光学系22における第1レンズ22aと、被検部位を照明する照明光学系24の先端部分を覆うカバーレンズ25と、前記鉗子挿入口9に連通する鉗子チャンネル26の出口側の開口部となる鉗子口27と、が露呈している。
【0032】
図3および図4に示すように、先端部5は、硬質な素材、例えば金属により略円柱形状に形成された先端部本体31を備えており、この先端部本体31の内部には、観察光学系22を配置するための挿入方向に沿った透孔31aと、鉗子チャンネル26を配置するための同挿入方向に沿った透孔31bと、照明光学系24を配置するための同挿入方向に沿った透孔31cと、が形成されている。
・・・
【0039】
上述したような先端部本体31の先端側には、先端部カバー32が例えば接着等により取り付けられている。この先端部カバー32は、オートクレーブ耐性に優れた絶縁性の樹脂を素材として形成されており、具体的な素材名としては、例えば、ポリフェニルサルフォン、ポリサルフォン等が挙げられる。
・・・
【0042】
次に、図5を参照して、照明光学系24のカバーレンズ25と、先端部本体31と、先端部カバー32と、の接続構造について説明する。
【0043】
カバーレンズ25は、上述したように枠部材51を介して、先端部カバー32に取り付けられるようになっている。
・・・
【0046】
そして、カバーレンズ25と枠部材51とは、半田52を用いて、水密かつ気密となるように接合されている。ここに、半田52としては、金錫半田(例えば、Au80-Sn20、あるいはAu10-Sn90など)を用いている。こうして、鉛を使用していない半田を用いることにより、環境等に配慮した構成となっている。そして、半田52は、カバーレンズ25の外周面と枠部材51の内周面とに形成された金属被膜の作用により、全周面に渡ってほぼ均一に流れ、カバーレンズ25の外周面の全面を、枠部材51の内周面に対して接合する。このような半田52の均一性、およびカバーレンズ25の全外周面における接合により、カバーレンズ25は、不均一な接合の場合や外周面の部分的な接合の場合に発生し得るような不均一な応力を受けることはなくなる。これにより、従来は、カバーレンズ25を構成する硝材として、強度や配光などの観点から、例えば応力に対する歪みや割れが発生しにくい硝材を選択しなければならなかったのに比して、より広範囲の硝材を選択することが可能となる。従って、コストを削減したり、光学性能の向上を図ったり、軽量化を図ったりすることができる。」

(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明において「照明手段3のボディ6には、半導体エレメント7が設けられ、半導体エレメント7は、発光ダイオード(LED)として構成され」ることから、上記「照明手段3」は、LED灯と位置づけ得るものである。
また、引用発明において、「半導体エレメント7は、密封状態の、チャンバー22内に収められており、チャンバー22は、半導体エレメント7を、粒子、流体、ガス、蒸気として存在する不純物から保護」するように構成されているから、上記「照明手段3」は、気密封止された構造ということができる。
したがって、引用発明の上記「照明手段3」と、本願補正発明の「気密封止されたオートクレーブ可能なLED灯」とは、「気密封止されたLED灯」の点で共通するものといえる。
イ 引用発明は、「チャンバー22は、ボディ6のマントル面12内に配置されており、チャンバー22、或いは、チャンバー22の内壁は、照明手段3のボディ6が構成されている複数の層18,19から構成されており」、「層18は、第一セラミック層18として構成され」、「第一セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれており、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成して」いるから、上記「第一セラミック層18」及び「第二セラミック層18A」は、それらが一体となって、「照明装置3」構成上の、セラミックからなるベースと位置づけ得るものである。
したがって、引用発明の上記「第一セラミック層18」及び「第二セラミック層18A」は、本願補正発明の「セラミックからなるベース」に相当する。
ウ 引用発明は、「照明手段3のボディ6には、半導体エレメント7が設けられ、半導体エレメント7は、発光ダイオード(LED)として構成され」るものであるところ、上記「半導体エレメント7」は、引用文献1の図4(摘示(1b))に示されるとおり、「チャンバー22、或いは、チャンバー22の内壁」を構成する「第一セラミック層18」に対して実装状態で配置されるものであって、上記「第一セラミック層18」上に配置されたものということもできるから、上記イをも踏まえると、本願補正発明の「前記ベース上の少なくとも1つのLED」に相当するものといえる。
エ 引用発明は、「第一セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれており、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成しており、第二セラミック層18Aに、第三の金属層19がつながれて」構成されるものであって、「照明手段3は更に、光学的電磁線導体21を有し、電磁線導体21は、二つの末端21A,21Bを有し、第一末端21Aは、チャンバー22の境界の一部を形成し、電磁線導体21の第二末端21Bは、電磁線アウトプット面8の少なくとも一部を成し、電磁線導体21は、ガラス・エレメントとして形成されている」ことから、上記「第三の金属層19」には、「第一末端21A」及び「第二末端21B」を有する「電磁線導体21」が設けられていることが明らかである。
また、上記「電磁線導体21」は、「ガラス・エレメントとして形成されて」おり、上記「第二末端21B」は、「電磁線アウトプット面8の少なくとも一部を成」すものであるから、上記「第三の金属層19」に設けられた「電磁線導体21」が、窓として機能することも技術的に明らかである。
さらに、引用発明は、「第二セラミック層18Aに、第三の金属層19がつながれて」構成されるものであるから、上記「第三の金属層19」は、その配設構造等に照らして、金属キャップと位置づけ得るものである。
したがって、引用発明の上記「第三の金属層19」と本願補正発明の「少なくとも1つの窓を有し且つ前記ベースに金属はんだではんだ付けされた少なくとも1つの金属キャップ」とは、「少なくとも1つの窓を有」する「少なくとも1つの金属キャップ」の点で共通するものといえる。

以上によれば、本願補正発明と引用発明とは、
「気密封止されたLED灯であって、
セラミックからなるベースと、前記ベース上の少なくとも1つのLEDと、少なくとも1つの窓を有する少なくとも1つの金属キャップと、を含む、
気密封止されたLED灯。」の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
「LED灯」について、本願補正発明は、「オートクレーブ可能な」構成であるのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。
<相違点2>
本願補正発明は、金属キャップが、「ステンレス鋼から形成されている」とともに「前記ベースに金属はんだではんだ付けされた」ものであって、「前記金属はんだは、金錫はんだであ」るのに対し、引用発明は、金属キャップ(第三の金属層19)の金属素材について明らかでなく、「層18,19は、ハンダ付けにより、互いに固くつながれており、層18は、第一セラミック層18として構成され、層19は、第三の金属層19として構成され、第一セラミック層18には、その中にチャンバー22の少なくとも一部を形成している少なくとも一つの穿孔が形成されている第二セラミック層18Aがつながれており、穿孔の壁が、チャンバー22の内壁の一部を形成しており、第二セラミック層18Aに、第三の金属層19がつながれて」いる点。

(3)判断
ア 相違点1について
(ア)引用文献1(摘示(1a))には、「医療用の、特に歯科医療用の器具用の照明手段は、・・・既知である。・・・このような照明手段の構造は、実績があり、カプセル化された内部空間に取り入れられた光学的半導体エレメントは、例えば、滅菌器内での器具の洗浄など腐食性の高い環境条件や汚れから保護されている。」(段落【0002】)及び「少なくとも一つの半導体エレメント、照明手段のボディ内の、特に好ましくは、密封状態のチャンバー内に配置されることが好ましい。尚、該チャンバーは、粒子、及び/或いは、水蒸気、及び/或いは、流体が該チャンバー内へ滲入しないように密封状態であることが好ましい。特に、該チャンバーは、それが、幾度にもわたって洗浄工程、或いは、滅菌行程に耐え、即ち、該行程において使用される、例えば、洗剤や水蒸気などのメディアが該チャンバー内に滲入しないように密封状態とされることが好ましい。」(段落【0060】)と記載されているように、引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」は、滅菌器内での器具の洗浄など腐食性の高い環境条件や汚れから保護される必要があり、さらに、滅菌行程に耐え得るように構成すべきことが明らかである。
(イ)また、引用文献2(摘示(2b))には、口腔および歯科用途に用いられる照明デバイスに関する技術について開示され(段落【0002】)、具体的には「そのような歯科用ライトに関連する別の問題は、それらの滅菌である。・・・歯科用ライトの先端は、一般に、患者の口または口のどこかの部分に近接され、または実際に接触される。・・・したがって、患者間の細菌または感染の伝播を防止するために、歯科用器具は、しばしば、非常に高い温度でオートクレーブ処理されることなどによって、滅菌される。」(段落【0005】)と記載されているように、歯科用途に用いられる照明デバイスの滅菌技術として、オートクレーブ処理することは、かかる技術分野の技術常識ということができる。
(ウ)してみると、滅菌行程に耐え得るように構成すべき引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」において、かかる技術分野の滅菌技術として技術常識ともいえるオートクレーブ処理することは、当然に想定されるものというべきであるから、引用発明の「照明手段3」をオートクレーブ可能なものとして構成することは、当業者にとって格別困難なことではない。
したがって、上記相違点1に係る本願補正発明の構成は、引用発明及び上記技術常識に基いて当業者が容易になし得たものといえる。

イ 相違点2について
(ア)上記アで述べたとおり、滅菌行程に耐え得るように構成すべき引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」において、オートクレーブ処理することは当然に想定されるものというべきであるところ、引用文献2には、オートクレーブ処理に関する技術として、光デバイス10が、ハウジング12、および、ハウジング12に取り外し可能に結合される先端構造体14を含み、先端構造体14がオートクレーブ処理されること(段落【0011】)、先端構造体14は、本体36を含み、本体36はオートクレーブ処理可能な材料から作られること(段落【0014】)、及びオートクレーブ処理可能な本体36は、ステンレス鋼などの適切な材料から作られること(段落【0015】)、が記載されているように、オートクレーブ処理可能な金属として、ステンレス鋼が適することも、当業者が技術常識として認識しているものといえるから、引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」において、「第三の金属層19」の金属素材としてステンレス鋼を採用する動機付けは十分存在する。
(イ)また、引用文献3(摘示(3a))には、発光素子や受光素子のような半導体素子を搭載する支持体およびそれを利用した、耐熱性、放熱性および信頼性に優れる半導体装置に関し(段落【0001】)、セラミックスを材料とする絶縁性基板同士あるいは導電性の板材との接合材として、Au-Snの共晶半田を用いること(段落【0056】)、及び、半導体素子あるいは半導体素子がフリップチップ実装されたサブマウントがAu-Snの共晶半田により接着されること(段落【0057】)が記載され、引用文献4(摘示(4a))には、挿入部の先端部に光学系を備える内視鏡に関し(段落【0001】、【0024】、【0031】、【0032】)、先端部カバー32を構成するに際し、オートクレーブ耐性に優れた素材を採用すること(段落【0039】)、及び、カバーレンズ25、先端部本体31及び先端部カバー32の接続構造について、カバーレンズ25は、枠部材51を介して先端部カバー32に取り付けられるものであって、カバーレンズ25と枠部材51とは、金錫半田を用いて、水密かつ気密となるように接合されていること(段落【0042】、【0043】、【0046】)が記載されているように、耐熱性やオートクレーブ耐性が求められる構造体を構成する上での接合技術として、金錫はんだを用いることは、技術分野を問わず周知技術といえ、さらに、引用文献4(段落【0046】)にも記載されているとおり、金錫はんだのような鉛を使用していない半田を用いることは、環境等に配慮した構成となっていることから、そのような半田を採用することの動機付けも十分存在する。
してみると、オートクレーブ処理することが想定される引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」において、「第三の金属層19」の金属素材としてステンレス鋼を採用するとともに、「層18,19」を「ハンダ付けにより、互いに固くつながれ」たものとして構成するに際し、「第一セラミック層18」、「第二セラミック層18A」及び「第三の金属層19」を金錫はんだではんだ付けされたものとして構成すること、すなわち、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、引用発明、技術常識、及び周知技術に基いて当業者が容易になし得たものといえる。

ウ そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明、技術常識、及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって、格別なものとはいえない。

エ 請求人の主張について
請求人は、令和2年10月30日付けの審判請求書(「4.」の項)で、「また、本願発明では、今般の補正にて明らかにしたように、LED灯はオートクレーブ可能であり、金属キャップは、ステンレス鋼から形成されています。引例1?4には当該特徴事項が記載も示唆もされていません。以上より、・・・請求項4・・・は、各引例に対して進歩性を有するものであると思料します。」と主張する。
しかし、上記アで述べたとおり、滅菌行程に耐え得るように構成すべき引用発明の「歯科医療用の器具1における照明手段3」において、かかる技術分野における滅菌技術として技術常識ともいうべきオートクレーブ処理することは当然に想定されるものというべきであるし、上記イで述べたとおり、オートクレーブ処理可能な金属として、ステンレス鋼が適することも、当業者が技術常識として認識しているものといえるから、請求人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、技術常識、及び周知技術に基いて当業者が容易になし得たものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項4に係る発明は、令和2年4月7日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項4に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2 1(1)補正前の請求項4」に記載されたとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
本願の請求項4に係る発明は、引用文献Aに記載された発明及び周知技術(引用文献B)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
なお、上記引用文献Aは、上記「第2 2 2-2 (1)」に示す引用文献1であり、引用文献Bは、同引用文献3である。

3 当審の判断
本願発明は、上記「第2 1(1)補正前の請求項4」に示すとおりのものであり、実質的には、上記「第2 1(2)補正後の請求項4」に示す本願補正発明の発明を特定するために必要な事項である下線に示す「オートクレーブ可能な」及び「前記金属キャップは、ステンレス鋼から形成されている」との事項(以下「事項A」という。)を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 2 2-2(3)(4)」で述べたとおり、当業者が容易になし得たものであるから、本願発明も同様の理由により(ただし、上記事項Aに係る判断は除く)、当業者が容易に発明をすることができたものといえる。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易になし得たものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2021-04-27 
結審通知日 2021-05-10 
審決日 2021-05-27 
出願番号 特願2017-123344(P2017-123344)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F21S)
P 1 8・ 121- Z (F21S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉浦 貴之  
特許庁審判長 一ノ瀬 覚
特許庁審判官 氏原 康宏
藤井 昇
発明の名称 気密封止されたLED灯、及び、気密封止されたLED灯の製造方法  
代理人 上島 類  
代理人 二宮 浩康  
代理人 永島 秀郎  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 前川 純一  
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