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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1379211
審判番号 不服2020-13945  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-05 
確定日 2021-10-21 
事件の表示 特願2015-216398「偏光板の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月25日出願公開、特開2017- 90522〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続等の経緯
特願2015-216398号は、平成27年11月4日を出願日とする出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。

令和元年 7月25日付け:拒絶理由通知書
令和元年 9月24日提出:意見書
令和元年 9月24日提出:手続補正書
令和2年 1月27日付け:拒絶理由通知書
令和2年 5月16日提出:意見書
令和2年 6月26日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和2年10月 5日提出:審判請求書
令和2年10月 5日提出:手続補正書
令和2年11月 2日提出:手続補正書(方式)(当合議体注:令和2年10月5日提出の審判請求書の【請求の理由】欄を変更(補充)するもの。)

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年10月5日にした手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
(1) 本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の(令和元年9月24日にした手続補正後の)特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 偏光子と、該偏光子の少なくとも片側に配置された保護フィルムとを有する偏光フィルム積層体を準備すること、
前記偏光フィルム積層体を収縮させること、および
前記偏光フィルム積層体を切断すること、を含み、
前記切断が、貫通穴、外縁が面方向内方に凸の略V字形状をなす部位、外縁が面方向内方に凸のアール状をなす部位、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つを形成することを含む、
偏光板の製造方法。」

(2) 本件補正後の特許請求の範囲
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。
「 偏光子と、該偏光子の両側にそれぞれ配置されたトリアセチルセルロースフィルムで構成された保護フィルムとを有する偏光フィルム積層体を準備すること、
前記偏光フィルム積層体を収縮させること、および
前記偏光フィルム積層体を切断すること、を含み、
前記切断が、貫通穴、外縁が面方向内方に凸の略V字形状をなす部位、外縁が面方向内方に凸のアール状をなす部位、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つを形成することを含む、
偏光板の製造方法。」

(3) 本件補正について
請求項1についてした本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「保護フィルム」について、「該偏光子の少なくとも片側に配置された」とあったものを、「該偏光子の両側にそれぞれ配置されたトリアセチルセルロースフィルムで構成された」ものに限定する補正である。
また、本件補正前の請求項1に係る発明と、本件補正後の請求項1に係る発明の、産業上の利用分野及び解決しようとする課題は、同一である(本件出願の明細書の【0001】及び【0004】。)。
そうしてみると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正後発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

2 独立特許要件についての判断
(1) 引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由1(特許法第29条第2項)において引用文献2として引用された、特開平11-174435号公報(以下、同じく「引用文献2」という。)は、本件出願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物であるところ、そこには以下の記載がある。なお、引用発明の認定や判断等に活用した箇所に下線を付した。
ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューターやカーナビゲーションシステムのディスプレイ装置、中小型TV等に用いられる液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置についてアクティブマトリクス型のものを例にとり説明する。
【0003】アクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶セルは、2枚の透明絶縁基板の間に光変調層である液晶層が保持されて成り、一方の透明絶縁基板には多数の画素電極がマトリックス型に配列される。
・・・略・・・
【0004】そして、2枚の透明絶縁基板の外面には偏光板が貼り付けられる。
【0005】偏光板の偏光材料としては、ヨウ素ドープされ延伸されたPVA(ポリビニルアルコール)が専ら用いられる。このような親水性材料からなる偏光板は、吸水性を有し、過度に吸水すると必要な偏光性能を失う。
【0006】そこで、高湿環境における偏光板の耐久信頼性を高めるためには、貼り付けられた偏光板101の外面に、さらにカバーガラス102を貼り付けることが行われている。
【0007】従来の技術の液晶表示装置の製造方法における偏光板及びカバーガラスの貼り付けについて図4及び図5を用いて説明する。
【0008】図4の模式的な工程図に示すように、偏光板101を液晶セルの透明絶縁基板103に貼り付ける工程が完了すると、例えば光硬化型の接着剤としてシリコン系UV硬化樹脂を用いてカバーガラス2を貼り付ける工程が行われる。シリコン系UV硬化樹脂は、硬化後の透湿遮断性に優れ、塗布及び硬化のための工程負担が小さい。
【0009】ところが、図5の縦断面模式図で示すように、硬化後のUV硬化樹脂104と偏光板101とが剥離を起こし、表示不良を引き起こすことがあった。
【0010】液晶表示装置に組み立てられた後、偏光板101が徐々に収縮をおこすので、大型の液晶表示装置を用いる場合、使用条件によっては剥離が起こる。大型の液晶表示装置では、収縮率が同じでも収縮の絶対量が大きくなるので、端縁部とりわけ角部に大きな応力が作用する。角部から発生した剥離が徐々に中央部に拡大して表示不良を引き起こすのである。
【0011】特に、近年、7インチ超サイズといった大型の液晶表示装置の携帯利用が一般化しており、場合によっては、夏日に駐車される乗用車の車中いった高温環境に放置されることもある。
【0012】図5中に示すように、偏光板101は、ポリイミド等からなるベースフィルム111の上に、上記ヨウ素ドープPVAからなる偏光層112、及び、表面保護層としてのトリアセチルセルロース(TAC)からなるカバーフィルム113が積層されてなるものであり、剥離は、主にUV硬化樹脂104とカバーフィルム113との間で起きる。
【0013】偏光板101と透明絶縁基板103とは、粘着性や可撓性を有する接着剤により接着されるので収縮により位置ずれが起きても剥離を起こすことがない。ベースフィルム111自身が強固であって接着性に優れているためでもある。
【0014】しかし、偏光板101とカバーガラス102との接着をこのような粘着性、可撓性の接着材料で行うならば、充分な透水遮断性が得られないためカバーガラス103を使用する意義が大幅に低減する。また、より接着力の強固なエポキシ系熱硬化樹脂等を用いた場合には、カバーガラス102の貼り付けのための工程負担が大幅に増加することとなる。
【0015】一方、カバーフィルム113として、より接着性の良好なものを用いて耐剥離性を多少改善することも考えられるが、偏光板を特注する必要があるためコスト高となる。市販の偏光板のカバーフィルムには、表面平滑性などの一般的なカバーフィルムとしての性能に優れたトリアセチルセルロースが専ら用いられているのである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点に鑑み、偏光板1の上に、偏光板1の吸湿を防止するためのカバーガラス2が貼り付けられてなる液晶表示装置の製造方法において、偏光板とカバーガラスとの剥離を生産コストの増大を招くことなく防止でき、これにより長期間にわたり良好な表示品位が維持できる液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶表示装置の製造方法においては、液晶セルを構成する透明絶縁基板の外面に偏光板を貼り付ける工程と、この偏光板の上にカバーガラスを貼り付ける工程とを含む液晶表示装置の製造方法において、前記カバーガラスを貼り付ける工程に先立って、前記偏光板の熱収縮を加温下において実質的に完了させる熱処理工程を含むことを特徴とする。
【0018】上記構成により、偏光板とカバーガラスとの剥離を防止でき、しかもほとんど生産コストの増大を招くことがない。
【0019】請求項2記載の液晶表示装置の製造方法においては、請求項1記載の液晶表示装置の製造方法において、前記熱処理工程は、60?95℃において10?30時間の加温により行われることを特徴とする。
【0020】請求項3記載の液晶表示装置の製造方法においては、請求項1記載の液晶表示装置の製造方法において、前記熱処理工程の後に前記偏光板が所定の形状及び寸法をとるように、前記偏光板として、熱収縮を見越した形状及び寸法に切り出しまたは形成されたものを用いることを特徴とする。
【0021】上記構成により、大型の液晶表示パネルにおいても、液晶セルの端縁及びカバーガラスの端縁と偏光板の端縁との設計値以上の位置ずれを防止することができる。
【0022】請求項4記載の液晶表示装置の製造方法においては、請求項1記載の液晶表示装置の製造方法において、前記熱処理工程は、前記偏光板を貼り付ける工程の後に行われることを特徴とする。
【0023】上記構成により、熱処理工程によって偏光板がカールしてしまうことを防止できる。」

イ 「【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図1?3を用いて説明する。
【0025】図1に模式的な工程図を示す。図2には、図1の各工程の後における積層構造を模式的な断面図で示す。
【0026】第1工程において、熱収縮を見越した形状及び寸法の偏光板1が液晶セルのガラス基板3に貼り付けられる。
【0027】液晶セルとしては、表示エリアの対角寸法で11.3インチのものを用い、偏光板1としては、日東電工(株)製NPF-EG1224DUを用いた。・・・略・・・
【0028】偏光板1は、図2中の断面図に示すように、トリアセチルセルロース(TAC)からなるベースフィルム11の上に、ヨウ素ドープPVAからなる偏光層12、及び、トリアセチルセルロース(TAC)からなるカバーフィルム13が積層されてなる。
【0029】偏光板1を切り出す際には、図に示すような平行四辺形となるように行った。この平行四辺形は、180×237mmの長方形(図中点線で示す)に比べて、偏光板1の偏光方向15に沿った対角線が1.0mm(0.4%)長く、これと略垂直の方向(吸収軸方向)16に沿った対角線が2.0mm(0.8%)長い。
【0030】第2工程において、偏光板1が貼り付けられた液晶セルが、85℃に調整された乾式恒温機中に20時間放置される。
【0031】この熱処理により、偏光板は、ほぼ180×237mmの所定の長方形状となった。この所定の長方形からのずれは、最大で0.1mmであった。すなわち、第1工程における偏光板1の切り出しについて、目的とする所定形状から各方向に熱収縮の分量だけ大きく行うことにより、偏光板1が熱処理後には所定の形状をなすようにすることができる。
【0032】熱処理による収縮量は、吸収軸方向16、即ち、PVAの延伸の延伸軸方向で大きい。本実施例では、この吸収軸方向16が偏光板の長辺に対して45°の方向に沿うように配されているため、この方向において収縮量が大きいのである。
【0033】第3工程において、シリコン系UV硬化樹脂4を用いてカバーガラス2が偏光板1の上に貼り付けられる。まず、UV硬化樹脂4が偏光板1の上に塗布され気泡が入らないようにカバーガラス2が被せられる。次いで、紫外線が照射されて樹脂の硬化が短時間で完結する。
【0034】このようにして得られた液晶表示装置について、85℃、20時間放置と-55℃、4時間放置とを4回繰り返す温度サイクル試験を行った。試験の結果、偏光板1のさらなる収縮は見られず、偏光板1とカバーガラス2との剥離も全く見られなかった。
【0035】図3には、偏光板1についての熱収縮率と加熱時間との関係をグラフで示す。上記第2工程と同様の条件にて、偏光板1の吸収軸方向における熱収縮量を実測し、原寸法に対する百分率を求めた。70℃の条件で同様に求めた曲線も併せて示す。
【0036】図3に示されるように、85℃または70℃の温度で加熱を行った場合、偏光板1の熱収縮はそれぞれ約20時間及び24時間でレベルオフし、それ以上加熱を続けてもさらなる熱収縮は見られない。また、85℃の加熱で得られた曲線と70℃で得られた曲線との比較から温度が高いほど熱収縮の絶対値が大きいことが知られる。85℃の加熱では0.8%でレベルオフし、70℃の加熱では0.5%でレベルオフした。
【0037】図3の結果から、想定される最高使用温度にて偏光板1の熱収縮を完了させておくならば、それ以上の熱収縮が起きないことが知られる。
【0038】本発明の熱処理の温度としては60?95℃程度が適当であり、この場合の所要時間は10?30時間程度である。100℃以上の高い温度では液晶表示装置の他の性能に悪影響を及ぼすおそれがあり、常温に近い温度では、液晶表示装置が高温環境に曝される場合に対応できず本発明の目的を達成できない。
【0039】以上で説明したように、本発明の実施例によると、偏光板の上にカバーガラスを貼り付けた場合における、偏光板とカバーガラスとの剥離による表示不良を防止できる。しかも、単に、ガラス基板に貼り付けた偏光板を加温下に放置するだけであるので、生産コストの増加をほとんど招かない。
【0040】また、本実施例によると、液晶セルのガラス基板の外縁及びカバーガラスの外縁と偏光板の外縁との位置ずれを充分に小さくできるため、位置ずれを吸収するための余分の寸法がほとんど不要となる。
【0041】そして、本実施例によれば、長期間にわたり、良好な表示品位が維持されることが確認された。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、偏光板の上にカバーガラスが貼り付けられてなる本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、生産コストの増大を招くことなく偏光板とカバーガラスとの剥離による表示不良を防止でき、長期間にわたり良好な表示品位を維持することができた。」

ウ 「【図1】



エ 「【図2】



オ 「【図3】



カ 「【図4】



キ 「【図5】



(2) 引用発明
ア 引用文献2の【0023】?【0034】には、引用文献2でいう「本発明」の「液晶表示装置の製造方法」(【0001】、【0016】?【0017】及び【0024】)の「実施例」として、「第1の工程」?「第3の工程」からなる「液晶表示装置の製造方法」が、図1?図3を用いて説明されている。

イ 上記アの引用文献2の【0023】?【0034】及び図1?図3の記載からみて、引用文献2には、「偏光板1」を「熱処理後」に「所定の形状をなす」(【0031】)ものとする方法の発明(以下「引用発明」という。)として、以下の発明が記載されているものと認められる。
「 熱収縮を見越した形状及び寸法の偏光板1が液晶セルのガラス基板3に貼り付けられる第1工程であって、
液晶セルとして、表示エリアの対角寸法で11.3インチのものを用い、
偏光板1は、トリアセチルセルロースからなるベースフィルム11の上に、ヨウ素ドープPVAからなる偏光層12、及び、トリアセチルセルロースからなるカバーフィルム13が積層されてなり、
偏光板1を切り出す際には、180×237mmの長方形に比べて、偏光板1の偏光方向15に沿った対角線が1.0mm(0.4%)長く、これと略垂直の方向(吸収軸方向)16に沿った対角線が2.0mm(0.8%)長い、平行四辺形となるように行う、第1工程と、
偏光板1が貼り付けられた液晶セルが、85℃に調整された乾式恒温機中に20時間放置される第2工程であって、
この熱処理により、偏光板1は、ほぼ180×237mmの所定の長方形状となる、第2工程とからなり、
第1工程における偏光板1の切り出しについて、目的とする所定形状から各方向に熱収縮の分量だけ大きく行うことにより、偏光板1を熱処理後に所定の形状をなすものとする方法。」
(当合議体注:「偏光板1」及び「偏光板」との記載を、「偏光板1」に統一した。)

(3) 対比
本件補正後発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
ア 「偏光子」、「保護フィルム」及び「偏光フィルム積層体」
(ア) 引用発明の「偏光板1は、トリアセチルセルロースからなるベースフィルム11の上に、ヨウ素ドープPVAからなる偏光層12、及び、トリアセチルセルロースからなるカバーフィルム13が積層されてな」るものである。

(イ) 引用発明の「偏光層12」は、「ヨウ素ドープPVAからなる」「層」である。
そうすると、引用発明の「偏光層12」は、本件補正後発明の「偏光子」に相当する。

(ウ) 引用発明の「ベースフィルム12」及び「カバーフィルム13」は、それぞれ、「トリアセチルセルロースからなる」「フィルム」である。
上記(ア)の「積層」構造及び材質からみて、引用発明の「ベースフィルム12」及び「カバーフィルム13」は、それぞれ本件補正後発明の「保護フィルム」に相当する。また、引用発明の「ベースフィルム12」及び「カバーフィルム13」は、本件補正後発明の「保護フィルム」の、「該偏光子の両側にそれぞれ配置されたトリアセチルセルロースで構成された」との要件を具備する。

(エ) 上記(ア)?(ウ)より、引用発明の「偏光板1」は、本件補正後発明の「偏光フィルム積層体」に相当する。また、引用発明の「偏光板1」は、本件補正後発明の「偏光フィルム積層体」の、「偏光子と」、「保護フィルムとを有する」との要件を具備する。

イ 「準備」、「収縮」及び「切断」
(ア) 引用発明の「第1工程」における「偏光板1」は、「180×237mmの長方形に比べて、偏光板1の偏光方向15に沿った対角線が1.0mm(0.4%)長く、これと略垂直の方向(吸収軸方向)16に沿った対角線が2.0mm(0.8%)長い、平行四辺形となるように」「切り出」されたものである。

(イ) 上記(ア)からみて、引用発明においては、「平行四辺形」の「偏光板1を切り出す」前に、「切り出」される「偏光板1」よりも長尺・幅広の「偏光板1」が準備されていることは明らかなことである。

(ウ) 引用発明の「第2工程」においては、「偏光板1が貼り付けられた液晶セルが、85℃に調整された乾式恒温機中に20時間放置され」、「この熱処理により、偏光板1は、ほぼ180×237mmの所定の長方形状となる」。
そうすると、上記(ア)より、「熱処理」前後の「偏光板1」の形状及び寸法の変化からみて、引用発明においては、「85℃」「20時間」の「熱処理」により、「偏光板1」を「収縮」させていることが理解できる。

(エ) 上記ア(エ)及び上記(ア)?(ウ)より、引用発明と、本件補正後発明は、「偏光フィルム積層体を準備すること」、「前記偏光フィルム積層体を収縮させること、および」、「前記偏光フィルム積層体を切断すること、を含」んでいる点で共通する。

ウ 「偏光板」及び「偏光板の製造方法」
引用発明は、「第1工程における偏光板1の切り出しについて、目的とする所定形状から各方向に熱収縮の分量だけ大きく行うことにより、偏光板1を熱処理後に所定の形状をなすものとする方法」である。
そうすると、引用発明は、「所定の形状」の「偏光板1」を製造する「方法」ということができる。
以上総合すると、引用発明の「偏光板1」は、本件補正後発明の「偏光板」に相当し、引用発明は、本件補正後発明の「偏光板の製造方法」に相当する。

(4) 一致点及び相違点
ア 一致点
本件補正後発明と引用発明は、次の構成で一致する。
「 偏光子と、該偏光子の両側にそれぞれ配置されたトリアセチルセルロースフィルムで構成された保護フィルムとを有する偏光フィルム積層体を準備すること、
前記偏光フィルム積層体を収縮させること、および
前記偏光フィルム積層体を切断すること、を含む、
偏光板の製造方法。」

イ 相違点
本件補正後発明と引用発明は、以下の点で相違する。
(相違点)
「切断」が、本件補正後発明は、「貫通穴、外縁が面方向内方に凸の略V字形状をなす部位、外縁が面方向内方に凸のアール状をなす部位、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つを形成することを含む」のに対して、引用発明は、そのようなものとなっていない点。

(5) 判断
上記相違点について検討する。
ア 偏光板に貫通穴を形成することは、本件出願前に周知・慣用の技術である。
例えば、特開2014-211548号公報(原査定において例示された引用文献3)の【0003】、【0007】等には、偏光板の、カメラレンズの領域や、画面下のアイコンやロゴ印刷の領域に対応する位置に穴あけ加工を行う技術、特開2000-155325号公報(同引用文献4)の請求項1、【0007】、【0019】、図1等には、封止材の堆積によって偏光板への干渉が発生することがないよう、偏光板の、液晶セルの上パネル、下パネルの液晶を注入する注入口に対応する位置に穴あけを行う技術、米国特許出願公開第2014/0118826号明細書の[0059]、[0091]?[0092]、図1、図15?図16等には、ロゴが見えるように、あるいはカメラ又は内部電子コンポーネントが光を受光できるように、上部偏光板にレーザドリル等を使用したドリル加工によって、偏光子62に開口部(貫通穴)を形成する技術、特開2009-163085号公報の【0004】、【0037】、【0045】、【0050】、【0051】、図3(b)、図4(b)、図6(b)等には、偏光板の貼付時に気泡が残留することがないよう、偏光板の周縁部にレーザ光や機械的な手法を用いて貫通孔を形成する技術、米国特許出願公開第2013/0328051号明細書の[0004]?[0006]、[0064]?[0065]、[0068]?[0069]、図1、図12、図16?図20等には、偏光板にカメラや周囲光センサなどの電気部品が受け入れられるように貫通穴を形成する技術が、それぞれ記載されている。

イ 引用文献2でいう「本発明」の「液晶表示装置の製造方法」が対象とする「液晶表示装置」は、「コンピューターやカーナビゲーションシステムのディスプレイ装置、中小型TV等に用いられる液晶表示装置」(【0001】)あるいは、「7インチ超サイズといった大型」の「携帯利用」される「液晶表示装置」(【0011】)であるところ、このような「液晶表示装置」において、アイコンやロゴの印刷を行ったり、あるいは、カメラ(レンズ)や周囲光センサなどを設けることは、当業者の任意である。
また、液晶セルに注入口を設けて液晶を注入し、注入後に注入口を封止材により封止することは、「液晶表示装置の製造方法」として通常の態様である。
さらに、引用発明においては、「熱収縮を見越した形状及び寸法の偏光板1」を「液晶セルのガラス基板3に貼り付け」ている。
そうしてみると、引用発明(「偏光板1を熱処理後に所定の形状をなすものとする方法」)に、上記アの本件出願前に周知・慣用の偏光板に貫通穴を形成する技術を採用することは、引用発明の改良、具体化を考える当業者が容易になし得たことであり、その際、「偏光板1」への貫通穴を、例えば、レーザ光(レーザドリル)や打ち抜きなどによって、(「偏光板1」を「液晶セルのガラス基板3に貼り付ける」前の)「偏光板1」の切り出し(切断)時に一緒に切断形成することは当業者の設計上のことである。そして、そのようにしてなる引用発明は、上記相違点に係る本件補正後発明の構成を具備することとなる(当合議体注:引用発明の「第1工程」の内容を踏まえれば、「偏光板1」の切り出し(切断)時に、「偏光板1」への貫通穴の形成を同時に行うのが自然・合理的である。)。

ウ 補足
引用発明においては、液晶セルに貼り付けた偏光板1に熱処理(熱収縮)を行っているところ、仮にこの点を相違点として抽出するとしても、以下のとおりであり、進歩性の判断に影響しない範囲内に収まる相違点にすぎない。
すなわち、引用文献2の特許請求の範囲の【請求項1】の記載及び【請求項4】の「前記熱処理工程は、前記偏光板を貼り付ける工程の後に行われることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の製造方法。」との記載からは、「熱処理工程」を、偏光板を液晶セルに貼り付ける工程の後に行うことが必須のことではないと理解できる。あるいは、偏光板の加熱による収縮を、偏光板が単体の状態で行うことは、普通のことである(当合議体注:例えば、原査定の拒絶の理由1(進歩性)において引用文献1として引用された、特開2011-253163号公報の【0061】には、「偏光フィルム(1)をA-4サイズ大に切り出し、80℃の熱風循環乾燥器内に24時間投入し、偏光フィルムを加熱処理して寸法収縮させ、偏光フィルム(2)を作製した。」との記載がある。また、同【0050】には、加熱により偏光フィルムを偏光フィルムの吸収軸方向に収縮させる工程を、連続の形態あるいは枚葉の形態で行うことが記載されている。引用文献2に注目する当業者は、同じ技術分野に属する特開2011-253163号公報のこれらの記載内容を熟知している。)。
してみると、引用発明において、貼り付け前の偏光板1を熱処理(熱収縮)する構成とすることは、当業者の設計上のことにすぎない。

(6) 本件補正後発明の効果について
ア 本件出願明細書の【0006】には、【発明の効果】として、「本発明によれば、偏光子と保護フィルムとを積層して得られた偏光フィルム積層体を収縮させることにより、耐久性に優れた偏光板を得ることができる。」との記載がある。また、同【0030】には、「上記クラックは、貫通穴の周縁を起点に発生しやすく、貫通穴の位置が偏光板の外縁から離れているほどその傾向が顕著となり得る。その結果、貫通穴の位置が偏光板の外縁から離れているほど(例えば、偏光板の外縁から15mm以上)、上記収縮による耐久性向上の効果が顕著に得られ得る。なお、各表示部の境界部41,42のような外縁が面方向内方に凸のV字形状(アール状を含む)をなす部位も、貫通穴の周縁と同様、クラックの起点となりやすい。」との記載がある。

イ ここで、周囲環境の温度変化や高温耐熱試験・ヒートショック試験により発生する変形や応力により、偏光子あるいは偏光板にクラック(割れ)が発生するとの技術的課題・問題があることは当業者の技術常識である(当合議体注:例えば、原査定において引用文献1として引用された特開2011-253163号公報の【要約】の【課題】欄や【0004】等の記載、特開2006-23573号公報の【0003】等の記載、特開2013-160775号公報の【0003】、【0006】等の記載、原査定において引用文献3として例示された特開2014-211548号公報の【0008】等の記載を参照。)。
そして、引用発明の「所定の形状」とされた「偏光板1」について、引用文献2の【0034】には、「85℃、20時間放置と-55℃、4時間放置とを4回繰り返す温度サイクル試験を行っ」ても、「偏光板1のさらなる収縮は見られず、偏光板1とカバーガラス2との剥離も全く見られない」と記載されている(当合議体注:引用文献2の【0036】?【0037】及び図3の記載からも、「85℃」「20時間」の「熱処理」後の引用発明の「偏光板1」は、「それ以上の熱収縮が起きない」ことが理解できる。)。
そうしてみると、上記相違点に係る設計変更を施してなる引用発明により得られた「偏光板1」についても、さらなる(熱)収縮が起きないと理解できるから、形状変化あるいは応力の発生が少なく、クラックが発生しにくい耐久性に優れたものとなる(貫通穴(異形)が形成された「偏光板1」であっても同様)ことは、引用文献2に接した当業者であれば予測できることである。仮にそうでないとしても、上記アの効果は、上記相違点に係る設計変更を施してなる引用発明も具備する効果にすぎない。

(7) 令和2年5月16日提出の意見書について
ア 請求人は、令和2年5月16日提出の意見書において、「引用文献2」について、「引用文献2の発明は、液晶セルよりも大きいサイズの平行四辺形の偏光板を切り出し、この偏光板を貼り付けた液晶セルを加熱処理して当該偏光板を収縮させてサイズ調整します・・・略・・・。すなわち、引用文献2の発明は、平行四辺形の偏光板を液晶セルに貼り付けることが必須となっています。このような液晶セルに貼り付けた偏光板を異形加工することは実質的に不可能であり、引用文献2の発明を本願発明のように改変することには明確な阻害要因があります。」、「引用文献2の発明を主引用発明として出発した当業者は、引用文献3または4の記載に接した場合、決してそのような技術事項を採用しようとはしません。すなわち、引用文献2と引用文献3または4との組み合わせにも明らかな阻害要因があります。」、「本願発明は、引用文献1または2に記載された発明ではなく、引用文献1または2に記載された発明から容易にできた発明でもありません。したがって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号および同条第2項には該当しません。」と主張する。
しかしながら、本件出願前に周知・慣用の偏光板に貫通穴を形成する技術に基づき、引用発明において、相違点に係る本件補正後発明の構成とすることが当業者が容易になし得たことであることは、上記(5)において既に述べたとおりである。してみると、請求人の意見書の主張を採用することはできない。

(8) 審判請求書について
請求人は、審判請求書(令和2年11月2日にされた手続補正後のもの)において、本件補正後発明の効果について、「本願発明によれば、偏光フィルム積層体を収縮させることにより、耐久性に優れた偏光板を得ることができます。その結果、偏光板を所望の形状に切断することができ、切断により貫通穴等の異形を形成した場合であっても、当該異形のクラックを抑制することができます(明細書の・・・略・・・。クラックは貫通穴等の異形を起点として発生しやすいので([0030])、異形のクラックを抑制することは、自動車のメータ、スマートウォッチ、カメラ内蔵の画像表示装置等に用いられる偏光板として非常に大きな利点および価値を生み出すこととなります。」と主張する。しかしながら、本件補正後発明の効果については、上記(6)において既に述べたとおりである。
してみると、請求人の審判請求書の主張を採用することはできない。なお、審判請求書においては、引用文献2を主引用例とする拒絶の理由1(進歩性)について主張(反論)がなされていない。

(9) 本件補正後発明の「偏光板の製造方法」は、「偏光フィルム積層体」単独の状態で収縮させる態様だけでなく、「偏光フィルム積層体」を液晶セルに貼り付けた状態で収縮させる態様も含むと認定できる記載であるが、仮に、本件補正後発明の「偏光板の製造方法」とは、液晶セル等に貼り付けられていない単体の物としての偏光板(偏光フィルム積層体)の製造方法を意味すると理解して、念のため判断を示しておく。
ア 対比
引用文献2の「第1工程」の【0028】及び【0029】の記載からは、「偏光板1を切り出す際に、180×237mmの長方形に比べて、偏光板1の偏光方向15に沿った対角線が1.0mm(0.4%)長く、これと略垂直の方向(吸収軸方向)16に沿った対角線が2.0mm(0.8%)長い、平行四辺形となるように行う、偏光板1を切り出す方法であって、偏光板1は、トリアセチルセルロースからなるベースフィルム11の上に、ヨウ素ドープPVAからなる偏光層12、及び、トリアセチルセルロースからなるカバーフィルム13が積層されてなる、偏光板1を切り出す方法。」の発明(以下「引用発明’」という。)が理解されるところ、本件補正後発明と引用発明’を対比すると、以下の相違点が見いだされる。
(相違点1’)
本件補正後発明は、「前記偏光フィルムを収縮させること」「を含」むものであるのに対し、引用発明’は、そのようなものとなっていない点。

(相違点2’)
「切断」が、本件補正後発明は、「貫通穴、外縁が面方向内方に凸の略V字形状をなす部位、外縁が面方向内方に凸のアール状をなす部位、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つを形成することを含む」のに対して、引用発明’は、そのようなものとなっていない点。

イ 判断
(ア) 相違点1’について
a 引用文献2の【0023】?【0034】に記載の「液晶表示装置の製造方法」においては、「切り出し」た「偏光板1」を、「液晶セルのガラス基板3に貼り付け」(【0026】)、「偏光板1が貼り付けられた液晶セル」を「85℃に調整された乾式恒温機中に20時間放置」(【0030】)することにより、「偏光板1の切り出しについて、目的とする所定形状から各方向に熱収縮の分量だけ大きく行うことにより、偏光板1が熱処理後には所定の形状をなすように」(【0031】)、「収縮」(【0031】、【0032】、【0020】、【0026】、【0034】?【0037】、図3等)している。

b ここで、偏光板の加熱による収縮を、偏光板が単体の状態で行うことは、普通のことである(当合議体注:例えば、原査定の拒絶の理由1において引用文献1として引用された、特開2011-253163号公報の【0061】には、「偏光フィルム(1)をA-4サイズ大に切り出し、80℃の熱風循環乾燥器内に24時間投入し、偏光フィルムを加熱処理して寸法収縮させ、偏光フィルム(2)を作製した。」との記載がある。また、同【0050】には、加熱により偏光フィルムを偏光フィルムの吸収軸方向に収縮させる工程を、連続の形態あるいは枚葉の形態で行うことが記載されている。引用文献2に注目する当業者は、同じ技術分野に属する特開2011-253163号公報の上記記載内容を熟知している。)。

c あるいは、引用文献2の記載に接した当業者は、引用文献2に記載の「液晶表示装置の製造方法」においては、「切り出し」た「偏光板1」が「液晶セルのガラス基板3に貼り付け」られれば良いのであって、「偏光板1」の加熱処理による収縮を、必ず「偏光板1」を「液晶セルのガラス基板3」に「貼り付け」た後に行う必要はなく、「貼り付け」前の単体の「偏光板1」に対して行ってもよいと理解する(当合議体注:技術的には、偏光板1が加熱により収縮することと、偏光板1を液晶セルに「粘着性や可撓性を有する接着剤」(引用文献2【0013】)を介してガラス基板3に貼り付けることとは直接関連はない。また、引用文献2の特許請求の範囲の【請求項4】の「前記熱処理工程は、前記偏光板を貼り付ける工程の後に行われることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の製造方法。」との記載からも、引用文献2に記載の「液晶表示装置の製造方法」において、熱処理工程を偏光板を貼り付ける工程の後に行うことは必須の構成でないことが理解できる。)。

d してみると、引用発明’の「偏光板1を切り出す方法」(「偏光板の製造方法」)において、「平行四辺形」に「切り出」した「偏光板1」(「偏光フィルム積層体」)を加熱処理して収縮することを含む構成とすることは、当業者の設計上のことである。

(イ) 相違点2’について
相違点2’については、前記(5)で述べたとおりである。相違点1’と相違点2’をまとめて検討しても同様である。

(10) 小括
本件補正後発明は、引用文献2に記載された発明及び本件出願前に周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3 補正の却下の決定のむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記[補正の却下の決定の結論]に記載のとおり、決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり、本件補正は却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2」[理由]1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、理由1(進歩性)本願発明は、本件出願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、本件出願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2011-253163号公報
引用文献2:特開平11-174435号公報
引用文献3:特開2014-211548号公報
引用文献4:特開2000-155325号公報
(当合議体注:引用文献1あるいは引用文献2が主引用例である。引用文献3及び引用文献4は、周知・慣用の技術を示すために例示されたものである。)

3 引用文献2及び引用発明
引用文献2の記載及び引用発明は、前記「第2」[理由]2(1)及び2(2)イに記載したとおりである。

4 対比及び判断
本願発明は、前記「第2」[理由]2で検討した本件補正後発明から、同1(3)で述べた限定事項を除いたものである。また、本願発明の構成を全て具備し、これにさらに限定を付したものに相当する本件補正後発明は、前記「第2」[理由]2(3)?(10)で述べたとおり、引用文献2に記載された発明及び本件出願前に周知・慣用の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
そうしてみると、本願発明は、前記「第2」[理由]2(3)?(10)で述べた理由と同様の理由により、引用文献2に記載された発明及び本件出願前に周知・慣用の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-08-06 
結審通知日 2021-08-10 
審決日 2021-08-31 
出願番号 特願2015-216398(P2015-216398)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 説志  
特許庁審判長 榎本 吉孝
特許庁審判官 河原 正
下村 一石
発明の名称 偏光板の製造方法  
代理人 籾井 孝文  

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