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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B
管理番号 1379538
審判番号 不服2020-8488  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-18 
確定日 2021-11-04 
事件の表示 特願2018-561568「ヘッドアップディスプレイのための光導波路、および、その製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月30日国際公開、WO2017/203200、令和 1年 7月11日国内公表、特表2019-519808〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)4月10日(パリ条約による優先権主張2016年5月23日、英国)を国際出願日とする出願であって、その手続の概要は、以下のとおりである。

令和 元年 9月12日付け:拒絶理由の通知
令和 元年12月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 2月10日付け:拒絶査定
令和 2年 6月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 2月 4日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)の通知
令和 3年 4月15日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明は、令和3年4月15日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】 ヘッドアップディスプレイのための光導波路を製造する方法であって、
入力端と、出力端と、光学的に平坦で外側に向いた平行な複数の表面と、を有する導波路本体を与えることと、
前記出力端における出力結合領域において、前記導波路本体の前記外側に向いた平行な複数の表面のうちの1つに光学的に透過性のある材料を取り付けることと、
光学的に透過性のある前記材料に反射構造を刻印することと、
出力結合構造を、前記出力結合構造の硬化プロセスの間に形成される結合によって前記導波路本体に取り付けるために、光学的に透過性のある前記材料を硬化させることと、を備え、
前記出力結合構造は、頂上が平坦にされた鋸歯状格子を備え、前記頂上が平坦にされた鋸歯状格子は、前記導波路本体の前記外側に向いた複数の表面と平行な平坦な頂上表面を有する、製造方法。」

第3 拒絶の理由
令和3年2月4日付けで当審が通知した請求項8についての拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
[理由](進歩性)本件出願の請求項8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



引用文献1.国際公開第2015/091277号
引用文献2.特開2011-128259号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開平8-254604号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開昭64-61726号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献について
引用文献1の記載
1 引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。)。
(1)「

」(第10頁第23-26行)
(訳:図1Aは、ディスプレイ装置のための先行技術の導波路を示す。導波路は、スラブの2つの対向する平行で平板の表面の間の全内部反射によって、内部で光を導波するためのスラブ光導波路1を備える。(訳は、特表2017-504063号公報における該当箇所(【0067】)の記載を使用、以下同様。))

(2)「

」(第13頁第8行-第14頁第6行)
(訳:次の製造ステップ(図2C)において、まだ流動性の形態にある硬化性接着剤11と、そこに3つの格子を定義するためにその上に押し付けられた格子刻印器とをもって、複数の異なる色の光が、第1の表面レリーフ(入力)回折格子パターンで刻印される硬化性接着剤積層の中に入力される。この入力光は、入力格子パターンによって、導波路基板1の中にはいり、導波路基板の反射エッジ3(図1参照)部分に向かって回折され、そこから、第2の表面レリーフパターン14によって流動性の硬化性接着剤の第2の積層に形成された中間回折格子パターンに、そこから、格子刻印器12の第3の表面レリーフパターン15によって流動性の硬化性接着剤の第3の積層上に刻印された第3の(出力)回折格子パターンに回折される。第3の(出力)格子パターンにおいて、多色光が導波路基板1から出力される。異なる色の光の出力の方向の間の角度上の不整列が観察される。そのような不整列は、導波路基板の反射エッジ3と、格子刻印器の第1の表面レリーフ格子パターン13によって刻印された入力回折格子パターンと、入力回折格子パターンと中間回折格子パターンとの2つのパターンの格子溝がほぼ平行なので、格子刻印器によって刻印された中間回折格子パターン14と、の間での不整列に因る。実際において、前者からの入力光の入射の角度は、光が光学的に後続の回折格子に結合されるように、正確に整列されなければならない。
そのような不整列のための調節のために、次の製造ステップ(図2D)は、硬化性接着剤の中の流動性の回折格子刻印を整列し直すために、導波路基板(および、その反射エッジ3)に対して格子刻印器の慎重な回転を必要とする。出力光ビームの異なる色の角度上の整列が観察される場合、好適な整列が検出される。
好適な整列が観察された場合、続いて、流動性の硬化性接着剤が、紫外線(ultraviolet:UV)放射でそれを照射することによって硬化される。これは、入力、中間、および、出力回折格子の刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化性接着剤を固形化する。(特表2017-504063号公報【0077】-【0079】))

(3)「

」(第17頁第3-6行)
(訳:これらの導波路の実施形態は、上述の導波路を備えるディスプレイ装置における使用のためにある。例は、ヘルメットに搭載されるヘッドアップディスプレイ(head-up display:HUD)、または、車両(例えば、戦術車両または他の車両のコックピット、キャビン、等)における搭載のためのHUDを含む。(特表2017-504063号公報【0092】))

(4)「

」(第19頁第25行-第20頁第25行)
(訳:図10Aから10Dは、それによって図3の導波路が製造され得る製造プロセスを概略的に示す。プロセスは、スラブ光導波路基板20上に、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤を積層することで始まる(10図A)。2つの別個で、個別で、分離された硬化性接着剤の積層が、お互いに光学的に導波路基板によって結合される2つの別個の回折格子領域を形成することが意図された位置において、基板上に積層される。次に(図10B)、格子刻印器30がプロセスに投入される。格子刻印器は1つの面上に3つの表面レリーフパターン(31、32、33)を帯び、それらの各1つは、3つの表面回折格子のそれぞれ1つを与える。格子刻印器の各表面レリーフパターンは、それが刻印するよう設計された格子に対して陰画の、または、相対応する形態である。
格子刻印器は、3つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられる。3つの回折格子は、格子刻印器の第2の表面レリーフパターン32によって規定される中間回折格子領域の地理的領域または底面の中に全体が形成される、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン31によって規定される入力回折格子領域と、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定する。入力格子の格子線/溝は、光を中間格子の主体に直接向けて横切るよう回折するように、中間格子の格子線/溝に非平行に、格子刻印器によって規定される。
次に(図10C)、流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化される。これは、入力、中間、および、出力回折刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化性接着剤を固形化する。
最後に(図10D)、刻印器は、図3に示された、導波路スラブ基板の同じ1つの面上に形成された、固形化された入力、中間、および、出力格子を備える構造の導波路をあらわにするために、導波路基板から引き離される。(特表2017-504063号公報【0102】-【0105】))

(5)FIGURE 2C、2D、2E、10A、10B、10C及び10Dは以下のものである。
上記(1)、(4)、及びFIGURE 10Dの記載から、スラブ光導波路基板20は、2つの対向する平行で平板の表面を有し、入力回折格子21、中間回折格子22及び出力回折格子23が表面上に形成される領域を有することが、把握できる。


2 引用発明
したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ヘッドアップディスプレイに使用されるディスプレイ装置の導波路が製造され得る製造プロセスであって、
スラブ光導波路基板20は、2つの対向する平行で平板の表面を有し、入力回折格子21、中間回折格子22及び出力回折格子23が表面上に形成される領域を有し、
プロセスは、スラブ光導波路基板20上に、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤を積層することで始まり、
格子刻印器は、3つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられ、
格子刻印器の第1の表面レリーフパターン31によって規定される入力回折格子領域と、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定し、
流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化され、
最後に、刻印器は、スラブ光導波路基板20の同じ1つの面上に形成された、固形化された入力、中間、および、出力回折格子を備える構造の導波路をあらわにするために、スラブ光導波路基板20から引き離される、製造プロセス。」

第5 対比
1 本願発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明の「ヘッドアップディスプレイに使用されるディスプレイ装置の導波路が製造され得る製造プロセス」は、本願発明の「ヘッドアップディスプレイのための光導波路を製造する方法」に、
引用発明の「『2つの対向する平行で平板の表面を有し、入力回折格子21、中間回折格子22及び出力回折格子23が表面上に形成される領域を有』する『スラブ光導波路基板20』」は、本願発明の「入力端と、出力端と、光学的に平坦で外側に向いた平行な複数の表面と、を有する導波路本体」に、
引用発明の「プロセスは、スラブ光導波路基板20上に、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤を積層すること」は、本願発明の「前記導波路本体の前記外側に向いた平行な複数の表面のうちの1つに光学的に透過性のある材料を取り付けること」に、
引用発明の「格子刻印器は、3つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられ、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン31によって規定される入力回折格子領域と、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定し」は、本願発明の「光学的に透過性のある前記材料に反射構造を刻印すること」に、
引用発明の「出力回折格子23」は、本願発明の「出力結合構造」に、
それぞれ相当する。

(2)本願発明の「前記出力端における出力結合領域において、前記導波路本体の前記外側に向いた平行な複数の表面のうちの1つに光学的に透過性のある材料を取り付けることと」の構成について、
引用発明は「プロセスは、スラブ光導波路基板20上に、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤を積層することで始まり、格子刻印器は、3つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられ、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン31によって規定される入力回折格子領域と、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定し」と特定されていることから、スラブ光導波路基板20上の出力回折格子領域にも光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤が積層されるといえる。
そうすると、引用発明は、本願発明の上記構成を備えているといえる。

(3)引用発明の「格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定し、流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化され」と、本願発明の「出力結合構造を、前記出力結合構造の硬化プロセスの間に形成される結合によって前記導波路本体に取り付けるために、光学的に透過性のある前記材料を硬化させることと、を備え」は、「光学的に透過性のある前記材料を硬化させることと、を備え」の点で一致する。

2 そうすると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「ヘッドアップディスプレイのための光導波路を製造する方法であって、
入力端と、出力端と、光学的に平坦で外側に向いた平行な複数の表面と、を有する導波路本体を与えることと、
前記出力端における出力結合領域において、前記導波路本体の前記外側に向いた平行な複数の表面のうちの1つに光学的に透過性のある材料を取り付けることと、
光学的に透過性のある前記材料に反射構造を刻印することと、
光学的に透過性のある前記材料を硬化させることと、を備え、
出力結合構造を有する、製造方法。」

【相違点1】
光学的に透過性のある材料を硬化させることについて、本願発明は、「出力結合構造を、前記出力結合構造の硬化プロセスの間に形成される結合によって前記導波路本体に取り付けるために」行うのに対し、引用発明は、そのようなものか明らかでない点。

【相違点2】
「出力結合構造」について、本願発明は、「頂上が平坦にされた鋸歯状格子を備え、前記頂上が平坦にされた鋸歯状格子は、前記導波路本体の前記外側に向いた複数の表面と平行な平坦な頂上表面を有する」ものであるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。

第6 判断
1 相違点に対する判断
(1)相違点1について
ア 引用発明は「流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化され、最後に、刻印器は、スラブ光導波路基板20の同じ1つの面上に形成された、固形化された入力、中間、および、出力回折格子を備える構造の導波路をあらわにするために、スラブ光導波路基板20から引き離される」と特定されていることから、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射し硬化された後には、スラブ光導波路基板20の同じ1つの面上に形成された固形化された出力回折格子を備える構造の導波路となっている。

イ ところで、紫外線(ultraviolet:UV)放射でそれを照射することによって硬化する硬化性接着剤は、硬化するときに接着剤としての機能を果たすと考えるのが自然である。
また、上記第4の1(2)、引用文献1のFIGURE 2D、2Eから、流動性の硬化性接着剤が、紫外線(ultraviolet:UV)放射でそれを照射することによって硬化され、入力、中間、および、出力回折格子の刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化性接着剤を固形化する前は、格子刻印器が回転できることが把握できことからも、引用文献1の当該硬化性接着剤は、紫外線照射で硬化するときに接着剤としての機能を果たすものといえる。

ウ そして、引用発明の流動性の硬化性接着剤への紫外線照射は、上記アの「格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化され」るときのみである。

エ そうすると、「流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化され」ることによって、「スラブ光導波路基板20の同じ1つの面上に形成された、固形化された」「出力回折格子を備える構造の導波路」となっており、硬化性接着剤は、硬化するときに接着剤としての機能を果たすものであるから、引用発明は、硬化性接着剤が硬化し出力回折格子23が固形化されるときに、スラブ光導波路基板20に結合し、スラブ光導波路基板20は出力回折格子23を取り付けた構造となっているものといえる。
したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。

(2)相違点2について
引用文献2(特に、【0047】、図13参照。)、引用文献3(特に、【0014】、図3(f)参照。)、引用文献4(特に、第5頁左上欄第6?19行、第5図(A)参照。)に例示されるように、回折格子のうち頂上が平坦にされた鋸歯状格子は、周知な技術であり、光導波路の技術分野に限らず広く慣用されている。
そうすると、引用発明において、「出力回折格子23」を頂上が平坦にされた鋸歯状格子とすることに格別困難は認められない。その際、上記平坦な頂上表面と、「スラブ光導波路基板20」の「2つの対向する平行かつ平面の表面」とを平行とすることは、当業者にとって適宜採用し得た事項である。

(3)以上のとおりであるから、引用発明に周知技術を採用して、相違点1、2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

2 効果について
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

3 したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第7 審判請求人の主張について
1 審判請求人は、令和3年4月15日付けの意見書において、
「これに対し、国際公開第2015/091277号(引用文献1)の19ページ25行から20ページ28行、及びFig.10A-10Dに記載のものは、光学的に透明な構造を光導波路基板上に形成するために硬化性接着剤を用いており、光学的に透明な構造を光導波路基板上に結合させるのは接着によっており、紫外線の照射は材料を固化するためのものであります。これに対し、本発明では、出力結合構造は、出力結合構造の硬化プロセスの間に形成される結合によって導波路本体に取り付けられる点で、材料の硬化プロセスの役割が大きく異なります。」
旨主張している。

2 上記第6の1で検討したとおりであり、上記審判請求人の主張には理由がない。
なお、引用文献1のFIGURE 10Aには、UV curing glue(UV硬化性接着剤)と記載され、本願の明細書【0027】には、「UV硬化性のポリマーまたは接着剤」と記載されており、また、引用文献1及び本願のUV硬化性の材料が特別な組成のものであるとは記載されていないことからも、硬化プロセスは同様と考えるのが自然である。
以上のとおりであるから、審判請求人の主張を採用することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2021-06-03 
結審通知日 2021-06-08 
審決日 2021-06-21 
出願番号 特願2018-561568(P2018-561568)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣田 かおり  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 吉野 三寛
野村 伸雄
発明の名称 ヘッドアップディスプレイのための光導波路、および、その製造方法  
代理人 金子 早苗  
代理人 野河 信久  
代理人 井上 正  
代理人 河野 直樹  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 飯野 茂  
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