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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F
管理番号 1379546
審判番号 不服2020-11248  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-08-13 
確定日 2021-11-04 
事件の表示 特願2017-561847「製品表示システム及び製品表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月 8日国際公開、WO2016/196182、平成30年 7月12日国内公表、特表2018-518710〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)5月26日(パリ条約による優先権主張2015年5月29日(以下「優先日」という。)、米国)を国際出願日とする出願であって、令和1年9月26日付けで拒絶理由が通知され、令和2年1月7日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月6日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、同年8月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1乃至21に係る発明は、令和2年1月7日に提出された手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1乃至21に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、つぎのとおりのものである。
「【請求項1】
製品表示システムであって、
第1の電流を生成するように構成された電源を備える製品表示組立体であって、前記電源が、前記第1の電流を受容するように構成された無線電力送信機を含む、製品表示組立体と、
前記製品表示組立体の近位に位置付けられた包装タバコ製品と、を備え、前記包装タバコ製品が、
第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機と、
前記無線電力受信機から前記第2の電流を受容し、かつそれに応答して知覚可能な効果を出力するように構成された出力機構とを備える、製品表示システム。」


第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、令和1年9月26日付け拒絶理由通知書において記載した理由によって拒絶すべきものであるというものであり、その理由は、つぎの理由をその要旨とするものである。

2.(進歩性)本願発明は、下記引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.米国特許第7356952号明細書
2.特開2010-160405号公報


第4 当審の判断
1 引用例
(1)引用例1
本願の優先日前の2008年4月15日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原査定の拒絶理由に引用された米国特許第7356952号明細書(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお,下線は当審で付した。また,括弧内の訳文は,当審が作成した。以下同じ。)
ア 「Such on-package electronic displays could display varied sensory output powered by the package itself.」(1欄36?37行)
(このようなパッケージ上の電子ディスプレイは、パッケージ自体から電力を供給されるさまざまな感覚出力を表示できます。)
イ 「Accordingly, a system for coupling on-package electronic displays to remote power would be highly desirable for powering the displays while the packages are positioned to attract the attention of consumers with the electronic displays.」(1欄43?47行)
(したがって、パッケージが電子ディスプレイで消費者の注意を引き付けるように配置されている間、パッケージ上の電子ディスプレイを遠隔電源に結合するためのシステムは、ディスプレイに電力を供給するために非常に望ましいであろう。)
ウ 「A merchandising system is provided that includes a power and/or data distribution device associated with a package support system, and a package having a sensory output means such as an image display capable of using power and/or data provided from the power and/or data distribution device to produce a desired output when the package is associated with the package support system.」(1欄51?57行)
(パッケージサポートシステムに接続された電力および/またはデータ供給デバイス、ならびにパッケージがパッケージサポートシステムに接続された時に、電力および/またはデータ供給デバイスから供給される電力および/またはデータを使用することができる画像ディスプレイなどの感覚出力手段を有するパッケージを含むマーチャンダイジングシステムが提供される。)
エ 「The sensory output means on the package could include video or audio outputs such as flashing lights or other attention-getting or entertaining displays.」(1欄57?60行)
(パッケージの感覚出力手段には、点滅するライトやその他の注意を引くまたは面白いディスプレイなどのビデオまたはオーディオ出力を含めることができます。)
オ 「In this embodiment, the necessary power and/or data to produce the sensory output can be obtained from a power distribution device that is external to the package and then conveyed to the sensory output means through a contactless coupling such as a capacitive coupling.」(1欄66行?2欄3行)
(この実施形態では、感覚出力を生成するために必要な電力および/またはデータは、パッケージの外部にある配電装置から取得され、容量結合などの非接触結合を介して感覚出力手段に伝達され得る。)
カ 「The package support system for an individual package or plurality of packages, such as a shelf or a rack, includes at least a portion of the power distribution device, thereby creating an electric field or signal source in the vicinity of a package on the support.」(2欄11?16行)
(棚またはラックなどの個々のパッケージまたは複数のパッケージのためのパッケージサポートシステムは、配電装置の少なくとも一部を含み、それによって、サポートシステム上のパッケージの近くに電界または信号源を作り出す。)
キ 「The shelf or other package support system provides power, data and/or other controlled signals to the packages, preferably through a contactless coupling such as a capacitive coupling, and can power various on-box functions including but not limited to displays, sound generators, light emitters, smell emitters, sensors or mechanical motion actuators.」(2欄30?36行)
(棚または他のパッケージサポートシステムは、好ましくは容量結合などの非接触結合を介して、電力、データ、および/または他の制御信号をパッケージに提供し、ディスプレイ、サウンドジェネレータ、発光体、臭気放出器、センサーまたは機械式モーションアクチュエータを含むがこれに限定されない様々なオンボックス機能に電力を供給できる。)
ク 「FIG. 1 illustrates a capacitively powered package display with on-shelf control.

FIG. 3A illustrates an inductively powered package with on-package control.

FIG. 8 illustrates a variety of shelf-powered fixtures.
FIGS. 9A-C illustrate an embodiment of a combined display/power coupling electrode design.」(2欄44?末行)
(図1は、棚に実装された制御手段を備えた容量性給電パッケージディスプレイを示している。

図3Aは、制御手段を実装した誘導給電パッケージを示している。

図8は、様々な電力供給器具を備えた棚を示している。
図9A?Cは、ディスプレイに電力を供給する電極の実施形態を示している。)
ケ 「A display provided on the package can include a polarity sensitive display 50, such as shown in FIG. 1.」(3欄66?末行)
(パッケージ上に提供されるディスプレイは、図1に示されるような極性感知ディスプレイ50を含むことができる。)
コ 「When a voltage is applied to the electrodes 60a, 60b on the shelf or other package support system or merchandiser, such as represented by a bipolar pulse produced by generator 40 as illustrated in FIG. 1, and the package 20 is placed in position on the shelf with electrodes 80a, 80b adjacent shelf electrodes 60a, 60b, respectively, a first capacitor is formed by electrodes 60a and 80a as separated by insulators 70a and a portion of insulator 90.」(4欄43?52行)
(電圧が棚または他のパッケージサポートシステムまたはマーチャンダイザー上の電極60a、60bに印加されるとき、例えば、図1に示されるように、発電機40によって生成される双極パルスによって表される。パッケージ20は、電極80a、80bがそれぞれ棚電極60a、60bに隣接する棚上の位置に配置され、第1のコンデンサは、絶縁体70aおよび絶縁体90の一部によって分離された電極60aおよび80aによって形成される。)
サ 「While the embodiments shown in FIGS. 1-7 provide the display or the display segments on each package separate from and electrically connected to the package electrodes, the display segments can also be combined with the power couplings as shown in FIGS. 9A-13B.」(6欄30?34行)
(一方、図1?7には、パッケージ電極とは離れているものの、パッケージ電極に電気的に接続された、各パッケージ上のディスプレイまたはディスプレイセグメントの実施形態が示され、ディスプレイセグメントはまた、図9A?13Bに示される電力供給手段と組み合わせることができる。)
シ 「In the embodiment shown in FIGS. 9A-9C, a capacitive coupling is provided to an electrophoretic display 150 using first and second electrodes, with a first electrode 180 formed from foil or metalized paper and a second electrode 182 being connected through an optional conducting spacer 183 to a transparent conductor 184. The conducting spacer 183 is optional because the transparent conductor 184 can be made from a flexible material such as foil or a conductive polymer, and can be conformed to make contact with second electrode 182.」(6欄39?48行)
(図9A?9Cに示される実施形態において、容量性電力は、第1および第2の電極を使用して電気泳動ディスプレイ150に提供され、第1の電極180は箔または金属化紙から形成され、第2の電極182は任意の導電性スペーサー183を介して透明導体184に接続される。導電性スペーサー183は、透明導体184が箔または導電性ポリマーなどの可撓性材料から作製することができ、第2の電極182と接触するように適合させることができるので、任意に設ける。)
ス 「The transparent electrode 184 is separated from the first and second electrodes 180, 182 by an insulating spacer 190. The paper or foil forming the electrodes can be folded with an additional insulating seam or break in the conductive coating or laminate to form a cup or box such as that found in cigarette packages, cartons or cereal boxes.」(6欄48?53行)
(透明電極184は、絶縁スペーサー190によって第1および第2の電極180、182から分離されている。電極を形成する紙またはホイルは、絶縁層が追加されて折りたたまれるか、タバコのパッケージ、カートン、またはシリアルボックスに見られるようなカップまたはボックスを形成する導電性コーティングまたはラミネートに入れられる。)
セ 「


ソ 「


タ 「


チ 上記ソ「図3A」の素子54は、上記セ「図1」に照らせば、50と同様の機能素子であると推認できるところからすると、上記ウ、エ及びケより、上記ソ「図3A」の54は画像ディスプレイなどの感覚出力手段であると認められる。
ツ 上記ク及びサ、並びに電磁誘導給電技術の技術常識からすれば、上記ソ「図3A」は、交流電源106及び送電側コイル160と制御手段を実装した誘導給電パッケージが示され、制御手段を実装した誘導給電パッケージは、受電側コイル180、ダイオード、制御回路46及び画像ディスプレイなどの感覚出力手段54から構成されるものと認められる。
テ 電磁誘導給電技術の技術常識からすれば、上記ソ「図3A」の交流電源106及び送電側コイル160から発生する磁場により受電側コイル180に誘導起電力が発生することは明らかであるから、交流電源106及び送電側コイル160は、上記ウの「電力および/またはデータ供給デバイス」を構成する具体例に相当するものと認められ、上記ウの「棚のパッケージサポートシステムに接続され」とは、棚のパッケージサポートシステム上に配架されるといい得る。
ト 上記テと同様に、電磁誘導給電技術の技術常識からすれば、受電側コイル180に発生した誘導起電力により発生する電流がダイオード、制御回路46及び画像ディスプレイなどの感覚出力手段54に流れることは明らかである。
ナ 上記ソ「図3A」及び上記タ「図9A?C」より、誘導給電パッケージの受電側コイル180の実施形態が図9A?Cに示されていると認められる。そして、上記スより、電極180は、タバコのパッケージを形成する導電性コーティングまたはラミネートに入れられるものであることから、「タバコのパッケージ」は上記ク及びツの「誘導給電パッケージ」の実施形態と認められる。

そうすると、上記ア乃至タの記載事項及び図面、並びに上記チ乃至ナの認定事項より、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「棚のパッケージサポートシステム上に配架され、交流電源及び交流電源に接続された送電側コイルからなる電力および/またはデータ供給デバイス、
ならびに、受電側コイル、ダイオード、制御回路及び画像ディスプレイなどの感覚出力手段からなる回路から構成されるタバコのパッケージが棚のパッケージサポートシステムに配架された時に、交流電源及び送電側コイルから発生する磁場により受電側コイルに誘導起電力が発生し、発生した誘導起電力により発生する電流がダイオード、制御回路及び画像ディスプレイなどの感覚出力手段に流れるタバコのパッケージを含むマーチャンダイジングシステム。」

(2)引用例2
本願の優先日前の平成22年7月22日に頒布され、原査定の拒絶理由に引用された特開2010-160405号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列システムに関し、特に、コンビニエンスストアなど小規模店舗で利用され、商品を展示し販売する商品陳列システム、報知方法、および商品陳列ユニットに関する。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献記載のディスペンサーは、複数の他の商品とともに陳列されるため、広告を印刷してあったとしても、顧客が特に意識的に目を向けなければ、注目もされず、他の商品と差別化を図るのが難しく、宣伝効果が低いという点で改善の余地を有していた。」
ウ 「【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る商品陳列システムの外観を示す斜視図である。
本実施形態の商品陳列システムは、商品を陳列する商品陳列ユニット10と、商品陳列ユニット10の近傍に顧客が居る時、当該顧客が上に載るような位置に設置されるマット20と、を備える。
【0019】
以下の本実施形態では、商品陳列ユニット10(什器とも呼ぶ)に陳列される商品4として、タバコを例として説明するが、これに限定されない。たとえば、飲料、食料品、日用雑貨など様々な商品に適用できる。また、商品陳列ユニット10の形状も図示したものに限定されるものではない。商品陳列ユニット10は、複数の商品4を収容して陳列し、顧客に展示しながら販売することが可能な構造を有する。また、商品陳列ユニット10は、たとえば、図1に示すように、コンビニエンスストアのレジ台2などの上に設置されてもよいし、壁面や他の什器に掛けられたりして設置されてもよいし、あるいは、独立した自立型ユニットであってもよい。
【0020】
図2は、本実施形態の商品陳列システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の商品陳列システムは、さらに、商品陳列ユニット10と接続され、顧客がマット20の上に載ったことを検知する検知部22と、商品陳列ユニット10に設けられ、検知部22により顧客がマット20の上に載ったことが検知されたとき、当該顧客に商品4の存在を報知する所定の報知動作を行う報知部12と、を備える。」
エ 「【0031】
また、本実施形態の商品陳列システムにおいて、検知部22により顧客がマット20に載ったことが検知された場合、報知部12に電源から電力を供給し、検知部22により顧客がマット20に載ったことが検知されない場合、報知部12に電力を供給しない電源制御部(不図示)をさらに備えるのが好ましい。」
オ 「【0037】
本実施形態の商品陳列システムは、上記実施形態の構成に加え、太陽光発電器112をさらに含み、検知部22により顧客がマット20の上に載ったことが検知されたとき、太陽光発電器112は報知部12(および表示部16、音声出力部17、駆動部18)に電力を供給する。
太陽光発電器112は、たとえば、ソーラーパネル(不図示)を有する。」

そうすると、上記ア乃至オの記載事項より、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。
「商品としてのタバコを陳列する商品陳列ユニットと、
商品陳列ユニットの近傍に顧客が居る時、当該顧客が上に載るような位置に設置されるマットと、
商品陳列ユニットと接続され、顧客がマットの上に載ったことを検知する検知部と、
太陽光発電器を含み、
商品陳列ユニットに設けられ、検知部により顧客がマットの上に載ったことが検知されたとき、太陽光発電器は報知部に電力を供給し、検知部により顧客がマットに載ったことが検知されない場合、報知部に電力を供給しない電源制御部と、
当該顧客に商品の存在を報知する所定の報知動作を行う報知部と、
を備える商品陳列システム。」

2 対比
本願発明と引用発明1とを対比すると、
(1)後者の「マーチャンダイジングシステム」、「交流電源」、「棚のパッケージサポートシステム」及び「感覚出力手段」は、それぞれ、前者の「製品表示システム」、「電源」、「製品表示組立体」及び「知覚可能な効果を出力するように構成された出力機構」に相当する。
(2)後者の「送電側コイル」には「交流電源」から電流が流れることは明らかであるから、前者の「電源」と後者の「交流電源」とは、「第1の電流を生成するように構成された」ものである点でも相当する。
また、後者の「送信側コイル」は「交流電源」からの電流を受容することも明らかであるから、前者の「無線電力送信機」と後者の「送信側コイル」とは、「第1の電流を受容するように構成された」ものとの点で相当する。
(3)後者の「タバコのパッケージ」は、受電側コイル、ダイオード、制御回路及び画像ディスプレイなどの感覚出力手段からなる回路から構成されるものであって、後者の「タバコのパッケージ」とは、中身であるタバコと外装を含めた「タバコ」製品といえることから、後者の「タバコのパッケージ」は前者の「包装タバコ製品」に相当する。
(4)後者の「タバコのパッケージ」は、棚のパッケージサポートシステムに配架された時に、交流電源及び送電側コイルから発生する磁場により受電側コイルに誘導起電力が発生するものであるところ、棚のパッケージサポートシステムに配架するとは、棚のパッケージサポートシステムの近くに位置付けるといえることから、前者の「包装タバコ製品」と後者の「タバコのパッケージ」とは、「製品表示組立体の近位に位置付けられた」ものとの概念で共通する。
(5)後者の「タバコのパッケージ」においては、送電側コイルから発生する磁場により受電側コイルに誘導起電力が発生し、発生した誘導起電力によりダイオードからは直流電流が出力されることは明らかであるから、後者の「タバコパッケージ」における「受電側コイル」及び「ダイオード」は、前者の「第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機」に相当する。
(6)後者の「制御回路」は、ダイオードから出力される電流が入力され、画像ディスプレイなどの感覚出力手段の出力を制御するものであることは明らかであることから、後者の「制御回路」及び「画像ディスプレイなどの感覚出力手段」は、前者の「知覚可能な効果を出力するように構成された出力機構」に相当する。

したがって、両者は、
「製品表示システムであって、
第1の電流を生成するように構成された電源を備える製品表示組立体であって、前記第1の電流を受容するように構成された無線電力送信機を含む、製品表示組立体と、
前記製品表示組立体の近位に位置付けられた包装タバコ製品と、を備え、前記包装タバコ製品が、
第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機と、
前記無線電力受信機から前記第2の電流を受容して知覚可能な効果を出力するように構成された出力機構とを備える、製品表示システム。」
の点で一致し、以下の点で、相違する。

[相違点1]
本願発明は、「電源」が、第1の電流を受容するように構成された無線電力送信機を「含む」ものであるのに対し、引用発明1は、交流電源と送電側コイルとは接続されたものである点。

[相違点2]
本願発明の「出力機構」は、無線電力受信機から受容した第2の電流に「応答」して知覚可能な効果を出力するように構成されたものであるのに対し、引用発明1の「画像ディスプレイなどの感覚出力手段」は、受電側コイルに発生した誘導起電力により発生する電流が流れるものであるものの,その点が特定されない点。

3 判断
(1)[相違点1]について
一般に、「電源」とは、電力の供給源を意味し、「無線電力送信機」とは、無線で電力を送り出す電気通信装置を意味するものであり、両者は異なる機能を実現する装置を意味するものであって、上位下位の関係でもないことから、本願発明の「電源が、第1の電流を受容するように構成された無線電力送信機を含む」において特定される「電源」とは、技術的にみて,“電力の供給源と無線電力送信機とを備える装置”を意味するものであると解される。
そして、引用発明1の「交流電源及び交流電源に接続された送電側コイルからなる電力および/またはデータ供給デバイス」は、交流電力を供給する交流電源及び当該交流電源に接続され,交流電源からの電流を受容する送電側コイルを備える装置であるといえるから,本願発明の「第1の電流を受容するように構成された無線電力送信機を含む」「電源」に相当するものである。
してみると、上記相違点1は、実質的な相違点とはならない。

(2)[相違点2]について
引用発明2の「商品としてのタバコ」とは、パッケージを含むタバコ製品のことであるから、本願発明の「包装タバコ製品」に相当し、また、引用発明2の「商品陳列ユニット」は、本願発明の「製品表示組立体」に相当する。
引用発明2の「商品陳列システム」の「電源制御部」は、「検知部により顧客がマットの上に載ったことが検知されたとき、太陽光発電器は報知部に電力を供給」し「検知部により顧客がマットに載ったことが検知されない場合、報知部に電力を供給しない電源制御部」を備えるものであって、報知部は顧客がマットの上に載ったことに応答して報知動作を行うに際して、報知部に電流が流れているのであるから、本願発明の「出力機構」と、引用発明2の「報知部」とは、「電流を受容し、かつそれに『応答』して知覚可能な効果を出力するように構成されたもの」との概念で一致する。
してみると、引用発明2には、上記相違点2が示されているといえる。
そして、引用発明1も引用発明2も、いずれも、商品陳列システムという技術分野に属するもので共通し、商品に対する顧客の注意を引きつけるという課題を有する点でも共通する。
そして、引用発明1において、マーチャンダイジングシステムに顧客の注意を引きつけるに際し、マーチャンダイジングシステムに顧客が近づいたことをもって、出力させるようにする方が、出力の変化により、効果的に顧客の注意を寄り引きつけられることは明らかであるから、引用発明1の「画像ディスプレイなどの感覚出力手段」に、引用発明2の検知部により顧客がマットの上に載ったことが検知されたとき、当該顧客に商品の存在を報知する所定の報知動作を行う報知部を適用し、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。

請求人は、「引用文献1は、請求項1に記載の「第1の電流を生成するように構成された電源」および「第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機」を開示していない。引用文献2もまた、請求項1に記載の「第1の電流を生成するように構成された電源」および「第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機」を開示していない。」と主張する。
しかし、上記「2(2)」のとおり、引用発明1の「送電側コイル」には「交流電源」から電流が流れることは明らかであるから、本願発明の「電源」と引用発明1の「交流電源」とは、「第1の電流を生成するように構成された」ものとの概念で共通する。
また、上記「2(3)」のとおり、引用発明1の「タバコのパッケージ」は、受電側コイル、ダイオード、制御回路及び感覚出力手段からなる回路であることからすると、引用発明1において、受電側コイルで生成された電流がダイオード及び制御回路を介して感覚出力手段に流れることは明らかである。
してみると、引用発明1は、請求項1に記載の「第1の電流を生成するように構成された電源」および「第2の電流を生成するために前記無線電力送信機と協働するように構成された無線電力受信機」を開示しているといえる。
よって請求人の主張は採用できない。

したがって,本願発明は,引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2021-05-25 
結審通知日 2021-06-01 
審決日 2021-06-15 
出願番号 特願2017-561847(P2017-561847)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤井 達也  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 古川 直樹
藤本 義仁
発明の名称 製品表示システム及び製品表示方法  
代理人 特許業務法人川口國際特許事務所  
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