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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1379635
審判番号 不服2020-16797  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-07 
確定日 2021-11-11 
事件の表示 特願2017- 27353号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月23日出願公開、特開2018-130407号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年2月16日の出願であって、令和2年5月18日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月3日付け(送達日:同年9月8日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年12月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和2年12月7日付け手続補正による補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
令和2年12月7日付け手続補正による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、該補正は、令和2年7月17日に提出された手続補正書でした手続補正によって補正された本件補正前の特許請求の範囲に、
「【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動口と、
前記始動口への遊技球の入球を条件として、所定の保留情報を記憶する保留記憶手段と、
始動条件の成立により、記憶部に記憶された保留情報に基づいて、特定図柄および該特定図柄とは異なる大当たり図柄を含む複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示手段と、
前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する、もしくは、前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合に大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、
第1の遊技状態、または、前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易となる第2の遊技状態に遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
を備え、
前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、該保留情報の記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
前記特定図柄には、特定有利図柄、および、前記特定有利図柄よりも不利な特定不利図柄が設けられ、
前記演出実行手段は、
前記第2の遊技状態において記憶され、かつ、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に変更された後に図柄が決定され得る保留情報の判定結果に基づいて前記先読み演出を実行可能であり、
前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である遊技機。
【請求項2】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動口と、
前記始動口への遊技球の入球を条件として、所定の保留情報を記憶する保留記憶手段と、
始動条件の成立により、記憶部に記憶された保留情報に基づいて、特定図柄および該特定図柄とは異なる大当たり図柄を含む複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示手段と、
前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する、もしくは、前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合に大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、
第1の遊技状態、または、前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易となる第2の遊技状態に遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
を備え、
前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、該保留情報の記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
前記特定図柄には、特定有利図柄、および、前記特定有利図柄よりも不利な特定不利図柄が設けられ、
前記先読み演出には、複数の実行パターンが設けられ、該複数の実行パターンには、前記特定有利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合に実行され、前記特定不利図柄および前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合には実行されない実行パターンが含まれ、
前記演出実行手段は、
前記第2の遊技状態において記憶され、かつ、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に変更された後に図柄が決定され得る保留情報の判定結果に基づいて前記先読み演出を実行可能であり、
前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である遊技機。」とあったものを、

「【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動口と、
前記始動口への遊技球の入球を条件として、所定の保留情報を記憶する保留記憶手段と、
始動条件の成立により、記憶部に記憶された保留情報に基づいて、特定図柄および該特定図柄とは異なる大当たり図柄を含む複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示手段と、
前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する、もしくは、前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合に大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、
第1の遊技状態、または、前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易となる第2の遊技状態に遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
を備え、
前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、該保留情報の記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
前記特定図柄には、特定有利図柄、および、前記特定有利図柄よりも不利な特定不利図柄が設けられ、
前記先読み演出には、複数の実行パターンが設けられ、該複数の実行パターンには、前記特定有利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合に実行され、前記特定不利図柄および前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合には実行されない実行パターンが含まれ、
前記演出実行手段は、前記第2の遊技状態において記憶され、かつ、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に変更された後に図柄が決定され得る保留情報の判定結果に基づいて前記先読み演出を実行可能である遊技機。」と補正するものである(下線は補正箇所を示すために合議体が付したものである。)。

(2)本件補正後の特許請求の範囲に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
ア まず、審判請求人(以下、単に「請求人」という。)は、審判請求書において、「上記構成a?j、lは、令和2年7月17日に提出した手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の構成と同一である。」と説明しているので、本件補正の、特許請求の範囲についてする補正は、本件補正前の請求項1を、本件補正後の請求項1に補正するものであると主張していると解される。
そうすると、前記補正事項は以下のとおりとなる。

(ア)補正事項1
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「先読み演出」に関して、「前記先読み演出には、複数の実行パターンが設けられ、該複数の実行パターンには、前記特定有利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合に実行され、前記特定不利図柄および前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合には実行されない実行パターンが含まれ、」を追加する補正。

(イ)補正事項2
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「演出実行手段」に関する、「前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である」を削除する補正。

イ 上述のとおり、請求人は、本件補正の、特許請求の範囲についてする補正は、本件補正前の請求項1を、本件補正後の請求項1に補正するものであると主張していると解されるが、このほかに、本件補正前の請求項2を、本件補正後の請求項1に補正するものであるとも解される。
そうすると、前記補正事項は以下のとおりとなる。

(ア)本件補正前の請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「演出実行手段」に関する、「前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である」を削除する補正。

2 本件補正の目的
(1)本件補正前の請求項1を、本件補正後の請求項1に補正するものであると解する場合
本件補正前の請求項1に係る発明を特定する「演出実行手段」に関する技術事項を削除する補正事項2は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとはいえない。
また、同補正事項2は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除、同第3号に掲げる誤記の訂正、同第4号に掲げる明りようでない記載の釈明を目的とするものであるともいえないことは明らかである。
すると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1?4号に掲げる事項を目的とするものではない補正事項2を含むものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(2)本件補正前の請求項2を、本件補正後の請求項1に補正するものであると解する場合
本件補正は、本件補正前の請求項2に係る発明を特定する「演出実行手段」に関する技術事項を削除する補正事項を含むものであるから、上記(1)と同様、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、上述したとおり、本件補正前の請求項1の発明特定事項と本件補正後の請求項1の発明特定事項とで同一である特定事項を説明するとともに、本件補正前の請求項1に追加した上記補正事項1について説明するのみであって、本件補正前の請求項1から削除した上記補正事項2についての説明は一切行っていない。

4 小括
以上のとおり、いずれの解釈においても、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年7月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。(以下に、本件補正前の請求項1を再掲するとともに、発明特定事項を分説するために、A?Nの符号を当審で付した。)

A 遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられた始動口と、
C 前記始動口への遊技球の入球を条件として、所定の保留情報を記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、記憶部に記憶された保留情報に基づいて、特定図柄および該特定図柄とは異なる大当たり図柄を含む複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
E 前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示手段と、
F 前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
G 前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する、もしくは、前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合に大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、
H 第1の遊技状態、または、前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易となる第2の遊技状態に遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
Iを備え、
J 前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、該保留情報の記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
K 前記特定図柄には、特定有利図柄、および、前記特定有利図柄よりも不利な特定不利図柄が設けられ、
L 前記演出実行手段は、
前記第2の遊技状態において記憶され、かつ、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に変更された後に図柄が決定され得る保留情報の判定結果に基づいて前記先読み演出を実行可能であり、
M 前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である
N遊技機。

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。


引用文献1.特開2015-89403号公報
引用文献2:特開2009-66225号公報

3 引用例
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-89403号公報(平成27年5月11日出願公開、以下「引用例1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図面とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。

ア 「【0014】
遊技機1は島設備に固定される外枠(支持体)2に、ヒンジ18を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びガラス枠(透明板保持枠)5によって構成されている。
【0015】
前面枠4には、前面が開口する凹室状の遊技盤収納部に遊技領域22を有する遊技盤20(図2参照)が交換(着脱)可能に配設されるとともに、遊技盤20の前面を覆う透明板5aを備えたガラス枠5が取り付けられる。ここで、透明板5aは、前後に2枚並べた状態でユニット化されており、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材である。このように、透明板5aは、遊技盤20に形成される遊技領域22(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。」

「【1017】
遊技盤20の遊技領域22の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース60が取り付けられる。センターケース60に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(メイン表示装置)31が配置されている。」

イ 「【0044】
また、センターフレームユニット210の下方の遊技領域22には、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、可動部材24a、可動空間(演出可動部)286等を備える入賞装置280が配設される。特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24は、遊技球の入賞により特図変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を成立させるための入賞口である。」
【0045】
図2に示すように、特図1変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を付与する(成立させる)特図1始動入賞口(第1始動入賞領域)23の直下には、特図2変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を付与する(成立させる)特図2始動入賞口(第2始動入賞領域)24が設けられる。特図2始動入賞口24は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材24aを備える。遊技球が特図1始動入賞口23又は特図2始動入賞口24に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。なお、特図1始動入賞口23には、左打ちでしか遊技球を入賞させることができない。」

「【1016】
第4の実施の形態の遊技盤20は、遊技領域22に設けられる普図始動ゲート25、特図2始動入賞口24及び上変動入賞装置28の上大入賞口28bの配置が第1の実施の形態の遊技盤(図2)と異なる。また、第1の実施の形態の遊技演出構成体21の代わりにセンターケース60が配設される。」

ウ 「【0236】
遊技制御装置100は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置100には、電源装置450、払出制御装置410、及び演出制御装置150が接続される。遊技制御装置100は、払出制御装置410や演出制御装置150に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置100には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。」

エ 「【0065】
特図1始動入賞口23に遊技球が入賞した場合には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各種変動パターン乱数値が抽出され、特図1変動表示ゲームの始動権利である第1始動記憶として、遊技制御装置100の特図1保留記憶領域(RAMの一部)に所定数(例えば4個)を限度に記憶される。特図2始動入賞口24に遊技球が入賞した場合には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各種変動パターン乱数値が抽出され、特図2変動表示ゲームの始動権利である第2始動記憶として、遊技制御装置100の特図2保留記憶領域(RAMの一部)に所定数(例えば4個)を限度に記憶される。第1始動記憶や第2始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部53や特図2保留表示部54に表示されるとともに、第1表示器31のメイン表示画面32、特図1記憶表示LED232(図16参照)及び特図2記憶表示LED234(図16参照)にも表示される。」

オ 「【0066】
遊技制御装置100は、第1始動記憶(特図1始動入賞口23への遊技球の入賞)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、第2始動記憶(特図2始動入賞口24への遊技球の入賞)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
【0067】
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、第1表示器31では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。」

「【0363】
遊技制御装置100は、まず、特図2始動記憶があるか否かを判定する(S2901)。特図2始動記憶がある場合には(S2901の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームを優先的に実行するため、遊技制御装置100は、特図1始動記憶の有無の判定処理(S2902)を実行せずに、S2903の処理を実行する。
【0364】
特図2始動記憶がない場合には(S2901の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図1始動記憶があるか否かを判定する(S2902)。特図1始動記憶がない場合には(S2902の結果が「N」)、特図2始動記憶及び特図1始動記憶がないため、遊技制御装置100は、S2920以降の処理を実行する。
【0365】
特図2始動記憶がある場合(S2901の結果が「Y」)、又は特図1始動記憶がある場合には(S2902の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、大当り判定処理を実行する(S2903)。大当り判定処理は、始動入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定値の上限値と下限値とを大当り乱数値と比較して判定する。そのため、乱数値を加工(例えば、加算、減算)することなく判定するため、誤差が生じにくい。大当り乱数の値が大当り判定値と一致する場合には、大当りフラグが設定される。
【0366】
次に、遊技制御装置100は、小当り判定処理を実行する(S2904)。小当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が大当り判定値と一致しなかった場合に、小当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。大当り乱数の値が小当り判定値と一致する場合には、小当りフラグが設定される。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設けてもよい。
【0367】
次に、遊技制御装置100は、停止図柄設定処理を実行する(S2905)。停止図柄設定処理は、大当りフラグの有無、小当りフラグ及び図柄乱数に基づいて特図変動表示ゲームにおける停止図柄を決定する処理である。ここでは、小当り状態(第2特別遊技状態)から大当り状態(第1特別遊技状態)に移行する場合の大当り停止図柄(ラウンド数)も決定される。
【0368】
次に、遊技制御装置100は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S2906)。本実施形態における特図情報設定処理は、進行表示部230のLED231?236の発光態様を制御する処理である。
【0369】
次に、遊技制御装置100は、変動パターン設定処理を実行する(S2907)。変動パターン設定処理は、変動パターン乱数の値に基づいて、変動パターンを選択する処理である。変動パターンには変動時間も含まれ、変動パターン選択テーブルを用いて選択される。変動パターン選択テーブルは、例えば、大当り用と大当り以外(小当り用、はずれ用)の変動パターン選択テーブルが定義される。
【0370】
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)の変動を開始し(S2908)、所定の変動時間が経過するまで待機する(S2909の結果が「N」)。なお、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動を開始する時点で、演出制御装置150に変動開始コマンドを送信する。変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームにおける停止図柄の種類(大当り/小当り/外れの種別、大当りとなる場合のラウンド数、大当り終了後の遊技状態など)を示す図柄情報コマンド、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを示す変動パターンコマンドからなる。
【0371】
所定の変動時間が経過した場合には(S2909の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、実行中の変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)を全て停止させる(S2910)。」

「【1069】
遊技制御装置100は、S2908の処理において特図変動表示ゲームを開始し、S2910の処理において特図変動表示ゲームを停止する。その後、特図変動表示ゲームの結果に応じた処理(S2911?S2915)を行った後に、まず、現在の遊技状態が特定遊技状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(S2916)。」

カ 「【1020】
上変動入賞装置28が備える上大入賞口28bは、常態において可動部材28aによって遊技球が入賞できないように閉塞されおり、特図変動表示ゲームが小当り結果態様(第2特別結果態様)となって小当り状態(第2特別遊技状態)が発生した場合に、上大入賞口ソレノイド28c(図23参照)によって可動部材28aが起立状態(遊技者にとって不利な閉状態)から傾倒状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されることで遊技球が入賞可能となる。」

「【1077】
遊技制御装置100は、まず、特図1小当りであるか否かを判定する(S13901)。そして、特図1小当りである場合には(S13901の結果が「Y」)、後述の図140(A)に示す特図1小当りパターン決定テーブルをセットし(S13902)、セットしたテーブルから小当りパターン、すなわち、下変動入賞装置27のアタッカ開放パターンを決定する(S13903)。その後、特図1小当り状態を制御する特図1小当り中処理を実行し(S13904)、本処理を終了する。
【1078】
一方、特図1小当りでない、すなわち、特図2小当りである場合には(S13901の結果が「N」)、遊技制御装置100は、図140(B)に示す特図2小当りパターン決定テーブルをセットし(S13905)、セットしたテーブルから小当りパターン、すなわち、上変動入賞装置28の羽根開放パターンを決定する(S13906)。その後、特図2小当り状態を制御する特図2小当り中処理を実行し(S13907)、本処理を終了する。」

「【1101】
特図2小当り中処理は、上変動入賞装置28の上大入賞口28bの開放時間の設定や入賞ユニット600における床開閉制御や残存球の監視処理を実行して特図2小当り状態の実行(進行)を制御する処理である。
・・・
【1107】
続いて、遊技制御装置100は、上大入賞口ソレノイド28cをONに設定し、上大入賞口28bの開放時間(例えば、1.5秒)を設定する(S14208)。そして、遊技制御装置100は、上大入賞口28bへの入賞が有効である大入賞口有効期間中(前述のS14207の処理で設定した大入賞口有効時間カウント中)であるか否かを判定する(S14209)。後述するように、残存球監視期間中ではない場合(S14224の結果が「N」)、入賞ユニット600に残存球が存在する場合には(S14238の結果が「N」)、再びS14209の判定処理が実行される。
・・・
【1111】
そして、大入賞口開放時間の経過後(S14215の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、上大入賞口ソレノイド28cをOFFに設定する(S14216)。これにより、前述のS14208の処理で回動させた可動部材28aを初期位置(閉状態)へ戻す。」

キ 「【0359】
ゲーム処理番号が、「3」の場合には、遊技制御装置100は、大当り処理を実行する(S2813)。大当り処理は、大当り状態の実行(進行)を制御する処理である。大当り処理の詳細については、図32及び図33にて後述する。」

「【1065】
このため、特図2始動入賞口24の可動部材24aが閉状態から開状態に変換される機会が第1の実施の形態よりも発生しやすく、特図2始動記憶が発生しやすい。特図2変動表示ゲームは195/200の確率で特図2小当りとなるので、上変動入賞装置28の上大入賞口28bが頻繁に開放される。そして、上大入賞口28bに入賞した遊技球は、入賞ユニット600内の特定領域641を通過するとV入賞となり、その後、大当り状態が発生する。」

「【0223】
また、特別遊技状態とは、遊技者に有利な状態である。特別遊技状態には、大当りが発生して下大入賞口27bが所定のタイミングで開放される状態(大当り状態)、小当りが発生して上大入賞口28bが所定のタイミングで開放される状態(小当り状態)が含まれる。
【0224】
大当り状態は、始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が大当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第1特別結果態様(大当り結果態様)となった場合に発生する。大当り状態は、下変動入賞装置27が複数ラウンドに亘って開状態に変換される第1特別遊技状態を構成し、遊技者が多数の賞球を獲得可能となる。大当り状態には、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態に遷移する特別大当りと、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態に遷移する通常大当りがある。大当り状態の種類は、大当り図柄乱数の値によって決定される大当り図柄(第1特別結果態様の種類)に応じて設定される。」

「【1057】
図137は、本発明の第4の実施の形態の各遊技状態が他の遊技状態に遷移する主なパターンを示す状態遷移図である。本発明の第1の実施の形態において各遊技状態の状態遷移図を示したゲームフロー(図22)を説明したが、本実施形態では、特図1始動入賞口23に遊技球が入賞した場合に小当り状態が発生する点、小当り状態が特図1始動入賞口23及び特図2始動入賞口24のどちらへの遊技球の入賞を契機に発生したかによって遊技者に付与される遊技価値が異なる点が前述(図22)と大きく違う。以下では、第1の実施の形態(図22)との相違点について説明する。」

ク 「【0220】
本発明の第1の実施の形態における遊技状態には、通常遊技状態、特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)、特別遊技状態がある。
【0221】
通常遊技状態とは、普電サポートなしの状態(非電サポ状態)である。本実施形態では、普図変動表示ゲームが必ず当りに当選するが、普図変動時間が60秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が低くなっている。通常、停電後などを除いて、遊技を開始した時点の遊技状態は通常遊技状態となっている。
【0222】
一方、特定遊技状態とは、普電サポートありの状態(電サポ状態)である。通常遊技状態と同様に普図変動表示ゲームが必ず当りに当選するが、普図変動時間が1秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が高くなる。特定遊技状態では、普図変動時間が短い時間に設定されるため、特図2始動記憶が貯まりやすく、特図2始動記憶が迅速に消化される。」

「【0231】 特定遊技状態は、規定回数(例えば、100回)の変動表示ゲームが実行されると、通常遊技状態へ移行する。また、特定遊技状態中に通常大当りとなった場合は、規定回数の変動表示ゲームが未消化でも大当り状態の終了後に通常遊技状態へ移行する。」

「【0379】
次に、遊技制御装置100は、時短変動回数が「0」であるか否かを判定する(S2918)。時短変動回数が0ではない場合には(S2918の結果が「N」)、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
【0380】
時短変動回数が0である場合には(S2918の結果が「Y」)、所定の時短変動回数(例えば、100回)が終了したので、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットし(S2919)、本処理を終了する。」

「【0405】
現在の遊技状態が特定遊技状態中である場合には(S3022の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、時短変動回数を-1更新し(S3023)、時短変動回数が「0」であるか否かを判定する(S3024)。時短変動回数が0である場合には(S3024の結果が「Y」)、規定の時短変動回数が終了したので、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットする(S3025)。」

「【0429】
通常大当りである場合には(S3122の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットし(S3123)、時短変動回数を0にクリアする(S3124)。続けて、遊技制御装置100は、右打ち勧告LED(図示省略)をOFFに設定する(S3125)。
【0430】
通常大当りではない場合には(S3122の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特定遊技状態の開始をセットし(S3126)、時短変動回数の初期値(100回)をセットする(S3127)。続けて、遊技制御装置100は、右打ち勧告LEDをONに設定する(S3128)。」

ケ 「【0355】
次に、遊技制御装置100は、保留記憶事前判定処理を実行し(S2808)、事前判定コマンドを送信する(S2809)。保留記憶事前判定処理は、新たに記憶された始動記憶の大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1?3を変動表示ゲームが開始される以前に事前判定する処理である。具体的には、変動表示ゲームを実行する前に、当該変動表示ゲームの変動パターン及び結果等を判定する。かかる保留記憶事前判定処理を実行してその結果を示す事前判定コマンドを演出制御装置150に送信することにより、先読み予告を実行することができる。」

「【1223】
同様に、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(消化保留記憶領域、待機保留記憶領域)に記憶される特図保留記憶の情報は、特図ゲーム処理(図28)の保留記憶事前判定処理(S2808)を経てS2809の処理において演出制御装置150に送信される。これにより、演出制御装置150は、特図1保留表示部81及び特図2保留表示部82の表示態様によって事前に遊技結果の予告を行う予告演出(先読み演出)を行うことができる。
・・・
【1227】
図153(B)は非普電サポート中の特図2保留表示態様を示す図である。本実施形態では、特図2保留表示部82は、センターケース60下方に配設され、特図2始動記憶に対応する4つの保留表示部(発光部)を有する。
【1228】
特図2保留表示部82における予告演出は、特図2始動記憶(特図2保留表示)に対応する保留表示の表示色の変化によって行われる。表示色には、特図1と同様に「白」「青」「赤」「虹」の4種類が設けられいる。表示色は、「白」<「青」<「赤」<「虹」の順に期待度が上がる。「白」及び「青」は、遊技結果がはずれ、特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、「白」は、遊技結果がはずれとなる可能性が高いこと、「青」は、いずれの遊技結果もありうることを示す。「赤」は、遊技結果が特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、遊技結果が小当り以上確定したことを示す。また、「虹」は、遊技結果が特図2小当りせずに(V入賞経ずに)大当りとなる場合(直撃大当りの場合)にのみ選択可能であり、大当りの遊技結果が確定していることを示す。
【1229】
図153(C)は普電サポート中の特図2保留表示態様を示す図である。普電サポート中は、特図2始動記憶が発生しやすく、普図変動時間が短いので、特図2始動記憶の消化が速い(すなわち、特図2保留表示部82における保留表示の表示時間が短い)。そこで、保留表示態様は、図150(A)及び図150(B)に比べてわかりやすく設定される。
【1230】
保留表示の表示色には、「白」「赤」「虹」の3種類が設けられいる。表示色は、「白」<「赤」<「虹」の順に期待度が上がる。「白」は、遊技結果がはずれ、又は、特図2小当りの場合に選択可能であり、小当り以下の遊技結果が確定していることを示す。「赤」は、遊技結果が特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、小当り以上の遊技結果が確定していることを示す。また、「虹」は、遊技結果が特図2小当りせずに(V入賞経ずに)大当りとなる場合(直撃大当りの場合)にのみ選択可能であり、大当りの遊技結果が確定していることを示す。」


上記ア?ケからみて、引用例1には、次の発明(引用発明)が記載されている。
なお、引用発明は、第4の実施の形態(段落【1014】?【1364】、【図131】?【図166】)から認定するが、段落【1014】に「なお、下記で特別に説明しない構成は、第1?第3の実施の形態と同様でよい。」、段落【1067】に「図138は、本発明の第4の実施の形態の特図変動処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態(図29)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。」等と記載されるとおり、第1?第3の実施の形態についての記載箇所から認定する場合がある。また、a?j、l?nについては分説するため合議体が付し、引用箇所の段落番号を併記した。

「a 遊技領域22を有する遊技盤20と(【0015】、【1017】)
b 遊技領域22に配設され、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材24aを備える特図2始動入賞口24と(【0044】?【0045】、【1016】)、
i 遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である遊技制御装置100(【0236】)と、
を備え、
遊技制御装置100は、
c 特図2始動入賞口24に遊技球が入賞した場合には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各種変動パターン乱数値を抽出し、特図2変動表示ゲームの始動権利である第2始動記憶として、所定数(例えば4個)を限度に遊技制御装置100の特図2保留記憶領域(RAMの一部)に記憶し(【0065】)、
d 特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶がある場合、まず、始動入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である大当り判定処理を実行し、次に、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が大当り判定値と一致しなかった場合に、小当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である小当り判定処理を実行し、次に、大当りフラグの有無、小当りフラグ及び図柄乱数に基づいて特図変動表示ゲームにおける停止図柄の種類(大当り/小当り/外れの種別、大当りとなる場合のラウンド数、大当り終了後の遊技状態など)を決定する処理である停止図柄設定処理を実行し(【0363】?【0367】、【0370】)、
e 特図2表示器52で特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の変動を開始し、所定の変動時間が経過するまで待機し、所定の変動時間が経過した場合には、実行中の変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)を全て停止させ(【0066】?【0067】、【0370】?【0371】、【1069】)、
f 特図1小当りであるか否かを判定し、特図1小当りでない、すなわち、特図2小当りである場合には、特図2小当り状態を制御する特図2小当り中処理を実行し、上大入賞口ソレノイド28cをONに設定し、遊技領域22に設けられる上大入賞口28bの開放時間(例えば、1.5秒)を設定し、可動部材28aを起立状態(遊技者にとって不利な閉状態)から傾倒状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換することで遊技球を入賞可能とし、大入賞口開放時間の経過後、上大入賞口ソレノイド28cをOFFに設定し、前述の処理で回動させた可動部材28aを初期位置(閉状態)へ戻し(【1016】、【1020】、【1077】?【1078】、【1107】?【1111】)、
g 上大入賞口28bに入賞した遊技球が、入賞ユニット600内の特定領域641を通過するとV入賞となり、その後、発生する、又は、始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が大当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第1特別結果態様(大当り結果態様)となった場合に発生する、下大入賞口27bが複数ラウンドに亘って開状態に変換される第1特別遊技状態を構成する大当り状態の実行(進行)を制御する大当り処理を実行し(【0223】?【0224】、【0359】、【1065】)、
h 普図変動時間が60秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が低くなっている普電サポートなしの状態(非電サポ状態)である通常遊技状態と、普図変動時間が1秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が高くなり、普図変動時間が短い時間に設定されるため、特図2始動記憶が貯まりやすく、特図2始動記憶が迅速に消化される普電サポートありの状態(電サポ状態)である特定遊技状態(規定回数100回)との開始をセットし(【0220】?【0222】、【0231】、【0379】、【0405】、【0429】?【0430】、【1016】)、
j 新たに記憶された始動記憶を事前判定する処理である保留事前判定処理を実行した遊技制御装置100から送信された特図保留記憶の情報により、特図2保留表示部82の表示態様によって事前に遊技結果の予告を行う予告演出(先読み演出)を行う演出制御装置150(【0355】、【1223】)をさらに備え、
l、m 特図2保留表示部82における予告演出は、特図2始動記憶(特図2保留表示)に対応する保留表示の表示色の変化によって行われ、
非普電サポート中の特図2保留表示態様では、表示色には、特図1と同様に「白」「青」「赤」「虹」の4種類が設けられ、表示色は、「白」<「青」<「赤」<「虹」の順に期待度が上がり、「白」及び「青」は、遊技結果がはずれ、特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、「白」は、遊技結果がはずれとなる可能性が高いこと、「青」は、いずれの遊技結果もありうることを示し、「赤」は、遊技結果が特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、遊技結果が小当り以上確定したことを示し、また、「虹」は、遊技結果が特図2小当りせずに(V入賞経ずに)大当りとなる場合(直撃大当りの場合)にのみ選択可能であり、大当りの遊技結果が確定していることを示し、
普電サポート中の特図2保留表示態様では、保留表示の表示色には、「白」「赤」「虹」の3種類が設けられ、表示色は、「白」<「赤」<「虹」の順に期待度が上がり、「白」は、遊技結果がはずれ、又は、特図2小当りの場合に選択可能であり、小当り以下の遊技結果が確定していることを示し、「赤」は、遊技結果が特図2小当り、又は、大当りの場合に選択可能であり、小当り以上の遊技結果が確定していることを示し、また、「虹」は、遊技結果が特図2小当りせずに(V入賞経ずに)大当りとなる場合(直撃大当りの場合)にのみ選択可能であり、大当りの遊技結果が確定していることを示す(【1223】?【1230】)、
n 遊技機1(【0014】)。」

(2)引用例2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-66225号公報(平成21年4月2日出願公開、以下「引用例2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図面とともに記載されている。

ア 「【0028】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。」

イ 「【0045】
図2は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)によって抽選が実行される。抽選では、大当りA、大当りB、大当りC、小当りA、小当りB、小当りCのいずれかが決定される。そして、可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。
【0046】
変動時間(可変表示時間)が経過すると、特別図柄および飾り図柄の変動が終了する。抽選の結果、大当りAに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが3回(3ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技A)が行われ、大当りBに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが8回(8ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技B)が行われ、大当りCに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技C)が行われる。なお、大当りA、大当りB、および大当りCを第1大当りと総称することがある。つまり、抽選の結果、決定された大当りA、大当りBおよび大当りCを第1大当りと総称することがある。
【0047】
抽選の結果、小当りAに決定されている場合には、第2大入賞口200Bが1回開放し、小当りBおよび小当りCのいずれかに決定されている場合には、第2大入賞口200Bが2回開放する(1回当り0.5秒の開放)。但し、小当りAに決定された場合と、小当りBに決定された場合と、小当りCに決定された場合とで、第2大入賞口200Bが開放するタイミングが異なる。すなわち、図柄の変動が終了したとき( 停止図柄が導出表示されたとき)から第2大入賞口200Bが開放されるまでのタイミングが、小当りAに決定された場合と、小当りBに決定された場合と、小当りCに決定された場合とで異なる。なお、小当りAに決定されたときの第2大入賞口200Bが開放するタイミングを開放タイミングAといい、小当りBに決定されたときの第2大入賞口200Bが開放するタイミングを開放タイミングBといい、小当りCに決定されたときの第2大入賞口200Bが開放するタイミングを開放タイミングCという。また、第2大入賞口200Bが開放(1回当り0.5秒の開放の場合)する動作を始動動作ということがある。
【0048】
小当りAに決定されて、第2大入賞口200Bが開放され、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが3ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、3回の開放)第2大当り遊技が実行される。小当りBに決定されて、第2大入賞口200Bが開放され、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが8ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、8回の開放)第2大当り遊技が実行される。小当りCに決定されて、第2大入賞口200Bが開放され、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが16ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、16回の開放)第2大当り遊技が実行される。なお、始動動作中でも、第2大当り動作中でも、第2大入賞口200Bに遊技球が入賞し、役物進入スイッチ71aで遊技球が検出されると賞球払出がなされる。なお、抽選の結果、小当りA、小当りB、または小当りCに決定されて、第2大入賞口200Bが開放され、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域に入賞した場合に実行される遊技を第2大当りと総称することがある。つまり、遊技球が第2大入賞口200B内の特定領域に入賞した場合に実行される遊技を第2大当りと総称することがある。そして、第1大当りと第2大当りとを大当りと総称することがある。
・・・
【0050】
流路切替部材78は、モータ22で駆動され、図3に示す下方に倒れた状態(遊技球を役物75内の下部に導く状態)と、図4?図7に示す水平の状態(遊技球を流路切替部材78の先に導く状態)と、図6に示す上方に立った状態(遊技球を貯留(止める)状態)とに変化する。このように流路切替部材78が変化(可動)することによって、第2大入賞口200B内に進入した遊技球の流路(経路)が切り替えられる。この実施の形態では、流路切替部材78は、最初、水平の状態にある。そして、図柄の変動が終了して停止図柄(小当りになったことを示す小当り図柄)が導出表示されてから所定時間経過したときに、流路切替部材78の動作が開始される。そして、下方に倒れた状態と水平の状態と上方に立った状態とを所定期間交互に繰り返す。なお、この実施の形態では、小当りAが発生したとき(小当りAになったことを示す小当り図柄が導出表示されたとき)も、小当りBが発生したとき(小当りBになったことを示す小当り図柄が導出表示されたとき)も、小当りCが発生したとき(小当りCになったことを示す小当り図柄が導出表示されたとき)も、小当り図柄が導出表示されてから流路切替部材78の動作が開始されるまでの時間は一定とされている。これに対し、この実施の形態では、小当りAが発生したときと小当りBが発生したときと小当りCが発生したときとで、小当り図柄が導出表示されてから可動部材76が動作されるまでの時間を異ならせている。
・・・
【0060】
なお、この実施の形態では、第1特定領域73および第2特定領域74のいずれもが第2 大入賞口200B内の特定領域であるとしているが、第1特定領域73および第2特定領域74のいずれか一方のみを第2大入賞口200B内の特定領域であるとして構成されていてもよい。そのように構成された場合には、開放タイミングによって(つまり、小当りの種類によって)、第2大入賞口200B内の特定領域に遊技球が進入する割合を変化させることができる。」

ウ 「【0109】
図13に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当り(小当りA、小当りBおよび小当りC)がある。各小当りの種類に応じて、始動動作状態において役物75が開放するタイミングが異なる。また、小当りには、始動動作状態において役物75を1回開放する小当り(小当りA)と、始動動作状態において役物75を2回開放する小当り(小当りBおよび小当りC)とがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。具体的には、本例では、「0」,「4」,「8」が小当りA図柄であり、「1」,「6」が小当りB図柄であり、「2」,「9」が小当りC図柄である。また、役物遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。」

上記ア?ウからみて、引用例2には、次の技術事項(引用例2の技術事項)が記載されている。

「第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)によって抽選が実行され、
抽選では、大当りA、大当りB、大当りC、小当りA、小当りB、小当りCのいずれかが決定され、
小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応しており、「0」,「4」,「8」が小当りA図柄であり、「1」,「6」が小当りB図柄であり、「2」,「9」が小当りC図柄であり、
抽選の結果、大当りAに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが3回(3ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技A)が行われ、大当りBに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが8回(8ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技B)が行われ、大当りCに決定されている場合には、第1大入賞口200Aが16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技C)が行われ、
抽選の結果、小当りAに決定されている場合には、第2大入賞口200Bが1回開放され(1回当り0.5秒の開放)、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが3ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、3回の開放)第2大当り遊技が実行され、
小当りBに決定されている場合には、第2大入賞口200Bが2回開放され(1回当り0.5秒の開放)、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが8ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、8回の開放)第2大当り遊技が実行され、
小当りCに決定されている場合には、第2大入賞口200Bが2回開放され(1回当り0.5秒の開放)、遊技球が、第2大入賞口200B内に進入し、第2大入賞口200B内の特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞した場合には、第1大入賞口200Aが16ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、16回の開放)第2大当り遊技が実行され、
図柄の変動が終了したとき( 停止図柄が導出表示されたとき)から第2大入賞口200Bが開放されるまでのタイミングが、小当りAに決定された場合と、小当りBに決定された場合と、小当りCに決定された場合とで異なっており、開放タイミングによって(つまり、小当りの種類によって)、第2大入賞口200B内の特定領域に遊技球が進入する割合を変化させることができるパチンコ遊技機1。」

4 対比
(1)本願発明と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「遊技領域22」及び「遊技盤20」は、それぞれ、本願発明の「遊技領域」及び「遊技盤」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項aは、本願発明の特定事項Aに相当する。

イ 引用発明の「特図2始動入賞口」は、本願発明の「始動口」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項bは、本願発明の特定事項Bに相当する。

ウ 引用発明の「特図2変動表示ゲームの始動権利である第2始動記憶」及び「特図2保留記憶領域(RAMの一部)」は、それぞれ、本願発明の「所定の保留情報」及び「保留記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項i、cは、本願発明の特定事項C、Iに相当する。

エ 引用発明の「特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶がある場合」及び「始動入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値」が、それぞれ、本願発明の「始動条件の成立により」及び「記憶部に記憶された保留情報」に相当する。
また、引用発明の「特図変動表示ゲームにおける停止図柄の種類(大当り/小当り/外れの種別、大当りとなる場合のラウンド数、大当り終了後の遊技状態など)」という記載から、「停止図柄」には、大当り、小当り、外れの3種類があることは明らかである。そして、引用発明の「停止図柄」「(大当り・・の種別・・・)」及び「停止図柄」「(・・・小当り・・の種別・・・)」は、それぞれ、本願発明の「該特定図柄とは異なる大当たり図柄」及び「特定図柄」に相当する。
すると、引用発明の「停止図柄の種類(・・・)を決定する」「遊技制御装置100」は、本願発明の「複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項i、dは、本願発明の特定事項D、Iに相当する。

オ 引用発明の「全て停止させ」た「変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)」及び「特図2表示器2」が、それぞれ、本願発明の「前記図柄決定手段によって決定された図柄」及び「図柄表示部」に相当する。
すると、引用発明の「特別図柄(識別情報)を全て停止させ」る「遊技制御装置100」は、本願発明の「図柄を」「表示させる」「図柄表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項i、eは、本願発明の特定事項E、Iに相当する。

カ 引用発明の「特図2小当りである場合には、」引用発明の特定事項d、eから、「停止図柄」「(・・・小当り・・の種別・・・」で「変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)」が「全て停止」することになるから、引用発明の「特図1小当りであるか否かを判定し、特図1小当りでない、すなわち、特図2小当りである場合には、」は、本願発明の「前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて」に相当する。
引用発明の「遊技領域22に設けられる上大入賞口28b」及び「特図2小当り状態」は、それぞれ、本願発明の「遊技領域に設けられた大入賞口」及び「特定遊技」に相当するから、引用発明の「特図2小当り状態を制御する特図2小当り中処理を実行し、上大入賞口ソレノイド28cをONに設定し、遊技領域22に設けられる上大入賞口28bの開放時間(例えば、1.5秒)を設定し、可動部材28aを起立状態(遊技者にとって不利な閉状態)から傾倒状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換することで遊技球を入賞可能とし、大入賞口開放時間の経過後、上大入賞口ソレノイド28cをOFFに設定し、前述の処理で回動させた可動部材28aを初期位置(閉状態)へ戻」す「遊技制御装置100」は、本願発明の「大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項i、fは、本願発明の特定事項F、Iに相当する。

キ 引用発明の「特定領域641」は、本願発明の「特定領域」に相当する。そして、引用発明の特定事項fから、「上大入賞口28b」に遊技球が入賞するのは、「特図2小当り」の場合であるから、引用発明の「上大入賞口28bに入賞した遊技球が、入賞ユニット600内の特定領域641を通過するとV入賞となり、その後、」「大当り状態」が「発生する」のは、「特図2小当り」に応じたものであり、引用発明の特定事項d、eから、「特図2小当り」では、「停止図柄」「(・・・小当りの・・種別・・・)」で「変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)」が「全て停止」することを勘案すると、「停止図柄」「(・・・小当り・・の種別・・・)」に応じたものであるといえる。
すると、引用発明の「上大入賞口28bに入賞した遊技球が、入賞ユニット600内の特定領域641を通過するとV入賞となり、その後、発生する」「大当り状態」は、本願発明の「前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に侵入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、」「実行する」「大役遊技」に相当する。
また、引用発明の特定事項dの「大当りフラグの有無・・に基づいて特図変動表示ゲームにおける停止図柄の種類(大当り・・の種別・・)を決定する」ことから、引用発明の「始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が大当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第1特別結果態様(大当り結果態様)とな」ることは、「特図変動表示ゲーム」の停止図柄が大当りの種別となることである。すると、引用発明の「始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が大当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第1特別結果態様(大当り結果態様)となった場合」は、本願発明の「前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合」に相当し、また、引用発明の「・・第1特別結果態様(大当り結果態様)となった場合に、発生する」「大当たり状態」は、本願発明の「表示された場合に」「実行する」「大役遊技」に相当する。
さらに、引用発明の「下変動入賞口27b」が本願発明の「・・大入賞口が開放される・・」の「大入賞口」に相当するから、引用発明の「下変動入賞口27bが複数ラウンドに亘って開状態に変換される第1特別遊技状態を構成する大当り状態」は、本願発明の「大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技」に相当する。
最後に、引用発明の「大当り状態の実行(進行)を制御する大当り処理を実行」する「遊技制御装置100」は、本願発明の「大役遊技を実行する大役遊技実行手段」に相当する。

以上のことから、引用発明の発明特定事項i、gは、本願発明の特定事項G、Iに相当する。

なお、本願発明の特定事項Fの「大入賞口」及び特定事項Gの「・・大入賞口に入球した・・」の「大入賞口」は、本願の明細書及び図面(以下、単に「本願明細書等」という。)に記載された実施形態の「第2大入賞口128」に対応するものであるが、同特定事項Gの「・・大入賞口が開放される・・」の「大入賞口」は、同実施形態の「第1大入賞口126」に対応するものであると認める。

ク 引用発明の「普電サポートなしの状態(非電サポ状態)である通常遊技状態」が「可動部材24aが拡開される頻度が低くなっている」のに対して、「普電サポートありの状態(電サポ状態)である特定遊技状態」は、「可動部材24aが拡開される頻度が高くな」っていることから、「特定遊技状態」は、「通常遊技状態」より「特図2始動入賞口24」に遊技球が流入し易いことは明らかである(引用発明の特定事項b参照)。
すると、引用発明の「通常遊技状態」、「特定遊技状態」が、それぞれ、本願発明の「第1の遊技状態」及び「前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易になる第2の遊技状態」に相当する。
また、引用発明の「・・通常遊技状態と、・・特定遊技状態都との開始をセット」する「遊技制御装置100」は、本願発明の「遊技状態を設定する遊技状態設定手段」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項i、hは、本願発明の特定事項H、Iに相当する。

ケ まず、本願発明の特定事項Jの「前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、」(以下、「記載J-1」という。)が示す技術事項が、必ずしも、明らかでないところ、本願明細書等の記載を参酌すると、記載J-1には、以下の2つの解釈が考えられる。

(ア)本願明細書等には、以下の記載があり、記載J-1は、主制御基板300(メインCPU300a)が、特2用大当たり決定乱数判定テーブルを選択して、選択したテーブルと、対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行うことを示す。

「【0211】
図25は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
【0212】
(ステップS536-1)
メインCPU300aは、大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、記憶された保留が特1保留であれば、特1用大当たり決定乱数判定テーブル(図5(a)参照)を選択し、記憶された保留が特2保留であれば、特2用大当たり決定乱数判定テーブル(図5(b)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535-13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。」

(イ)本願明細書等には、以下の記載があり、記載J-1は、副制御基板(サブCPU330a)が、受信した特殊先読み指定コマンドに基づき、先読み演出決定テーブルを参照して、先読み演出の実行有無および実行パターンを決定することを示す。

「【0443】
(ステップS1210-5)
サブCPU330aは、受信した特殊先読み指定コマンドに基づき、先読み演出決定テーブル(図52(b))を参照して、先読み演出の実行有無および実行パターンを決定する。」

(解釈(ア)の場合)
引用発明の「新たに記憶された始動記憶を事前判定する処理である保留事前判定処理を実行」することが、本願発明の記載J-1が示す技術事項に相当する。

(解釈(イ)の場合)
引用発明の「特図保留記憶の情報により、特図2保留表示部82の表示態様によって事前に遊技結果の予告を行う予告演出(先読み演出)を行う」際には、「特図保留記憶の情報」から、「特図保留記憶」の大当り/小当り/外れの種別などを判定して、先読み演出の有無や演出パターンを決定することは明らかであるから、引用発明は、本願発明の記載J-1が示す技術事項に相当する構成を含むと認められる。

以上のとおり、いずれの解釈についても、引用発明は、本願発明の記載J-1が示す技術事項に相当する構成を含むと認められる。

次に、本願発明の「その判定結果に応じて、該保留記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段」について検討する。
引用発明において、「新たに記憶された始動記憶を事前判定する処理である保留事前判定処理を実行した」後、「予告演出(先読み演出)を行う」までは、一連の処理であることは明らかであるから、「特図保留記憶の情報により、特図2保留表示部82の表示態様によって事前に遊技結果の予告を行う予告演出(先読み演出)を行う演出制御装置150」は、本願発明の「その判定結果に応じて、該保留記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段」に相当する。

したがって、引用発明の特定事項jは、本願発明の特定事項Jに相当する。

コ 上記クで検討したとおり、「普電サポート中」、すなわち、「普電サポートありの状態(電サポ状態)である特定遊技状態」では、「通常遊技状態」より、「特図2始動入賞口24」に遊技球が流入し易いのであるから、「普電サポート中」に「特図2始動記憶」が記憶され得ることは自明である。
そして、「特定遊技状態」(「普電サポート」)は「規定回数100回」(引用発明の特定事項h参照)が終了すると、「通常遊技状態」に移行するのであるから、「普電サポート中」に記憶された「特図2始動記憶」について、「通常遊技状態」に移行した後に「特図2変動表示ゲーム」が開始されることがあり得ることも自明のことである。
そして、引用発明の特定事項l、mから、「非普電サポート中」にも「特図2保留表示部82における予告演出」が行われるのであるから、引用発明では、「普電サポート中」(「特定遊技状態」中)に記憶され、「通常遊技状態」に移行した後に「特図2変動表示ゲーム」が開始されることがあり得る「特図2始動記憶」についての「特図2保留表示部82における予告演出」が行われる場合があることが理解できる。
したがって、引用発明の特定事項l、mは、本願発明の特定事項Lを含むといえる。

サ 引用発明の「非普電サポート中」及び「普電サポート中」の表示色「赤」は、遊技結果が「特図2小当り」、又は、「大当り」の場合に選択可能であるから、引用発明では、「特図2小当り」と「大当り」の場合に、共通の表示色「赤」が選択可能である。
したがって、引用発明の特定事項l、mは、本願発明の特定事項Mと、「前記特定図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である」ことで、共通する。

シ 引用発明の「遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の特定事項nは、本願発明の特定事項Nに相当する。

(2)一致点・相違点
上記(1)からみて、本願発明と引用発明は、

「A 遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられた始動口と、
C 前記始動口への遊技球の入球を条件として、所定の保留情報を記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、記憶部に記憶された保留情報に基づいて、特定図柄および該特定図柄とは異なる大当たり図柄を含む複数種類の図柄のうちのいずれかを決定する図柄決定手段と、
E 前記図柄決定手段によって決定された図柄を図柄表示部に表示させる図柄表示手段と、
F 前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開閉制御して特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
G 前記特定遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、前記図柄表示部に表示された前記特定図柄に応じて、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する、もしくは、前記図柄表示部に前記大当たり図柄が表示された場合に大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、
H 第1の遊技状態、または、前記第1の遊技状態よりも前記始動口への遊技球の入球が容易となる第2の遊技状態に遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、
Iを備え、
J 前記記憶部に記憶された保留情報が、特定図柄が決定される保留情報であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、該保留情報の記憶に伴って開始する先読み演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
L 前記演出実行手段は、前記第2の遊技状態において記憶され、かつ、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に変更された後に図柄が決定され得る保留情報の判定結果に基づいて前記先読み演出を実行可能であり、
M’ 前記特定図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である
N遊技機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点1(特定事項K)
「特定図柄」について、本願発明では、「特定有利図柄、および、前記特定有利図柄よりも不利な特定不利図柄が設けられ」ているのに対して、引用発明では、「特図2小当り」には1種類しかない点。(1種類の「特図2小当り」に対応する「停止図柄」も1種類しかないことは明らかであろう。)

・相違点2(特定事項M)
「共通の先読み演出」について、本願発明では、「前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、」共通であるのに対して、引用発明では、「特図2小当り」と「大当り」の場合に、共通の表示色「赤」が選択可能である点。

5 判断
(1)相違点1について検討する。
引用例2の技術事項の「小当りA図柄」、「小当りB図柄」、「小当りC図柄」が、本願発明の「特定図柄」に相当し、また、引用例2の技術事項の「第2大入賞口」が、本願発明の「大入賞口」(特定事項Fの「大入賞口」)に相当する。
また、引用例2の技術事項の「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」では、「図柄の変動が終了したとき( 停止図柄が導出表示されたとき)から第2大入賞口200Bが開放されるまでのタイミングが」異なっていて、「第2大入賞口200B内の特定領域に遊技球が進入する割合を変化させることができる」ことから、「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」で、「第2大入賞口200B内の特定領域」への遊技球の進入しやすさが異なる、すなわち、「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」には有利不利があるものと認められる。
ここで、引用発明と引用例2の技術事項は、「特図2始動入賞口24」、「第2始動入賞口」という始動入賞口を有し、これら始動入賞口に遊技球が入賞して、小当りに当選すると、「上大入賞口28b」、「第2大入賞口200B」が開放され、これら大入賞口内の「特定領域641」、「特定領域(第1特定領域73及び第2特定領域74)」に入賞した場合に、「下大入賞口27b」、「第1大入賞口200A」が開放されて、「第1特別遊技状態を構成する大当り状態」、「第1大当り遊技」となるという同じ遊技性を有するとともに、引用発明が内在する興趣向上という遊技機の普遍的な課題を解決するために、小当りの種類を増やした引用例2の技術事項を引用発明に適用して、「特図2小当り」に有利不利がある複数種類の小当りを設定し、小当りの種類毎に停止図柄を異ならせることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(2)相違点2について検討する。
上記アで検討したとおり、引用発明において、「特図2小当り」に有利不利がある複数種類の小当りを設定すると、引用発明の「特図2小当り」と「大当り」の場合に、共通の表示色「赤」が選択可能である構成は、「特図2小当り」のうちの不利な小当りの場合と大当りの場合にも、共通の表示色「赤」が選択可能な構成であることは、引用発明の「赤」が「遊技結果が小当り以上確定したことを示」すことからみて明らかである。

ウ してみると、引用発明において、上記相違点1及び2に係る本願発明の特定事項K及びMのようになすことは、当業者が引用例2の技術事項に基づいて容易になし得たことである。

エ 本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2の技術事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

(3)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書では、特定事項K、Mについて、格別主張を行っていない。

イ 請求人は、令和2年7月17日付けの意見書で、「これに対し、引用文献1には、特2の小当たりとして2種類の小当たりが設けられていることが記載されていますが(図140(B))、2種類の小当たりおいて保留表示の表示色を異ならせることについての記載はありません。」と記載しており、この記載は、本願発明の「特定有利図柄」と「特定不利図柄」とで、「先読み演出」を異ならせることを前提としていると思われるが、本願発明は、特定事項Lで、「前記特定不利図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合と、前記大当たり図柄が決定される保留情報が前記記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能である」と特定するのみであり、「特定有利図柄」と「特定不利図柄」とで「先読み演出」が異なることは特定しておらず、前記記載は、その前提において誤っており、採用できるものではない。(特定事項Mでは、特定不利図柄が決定される保留情報が記憶部に記憶されている場合と、特定有利図柄が決定される保留情報が記憶部に記憶されている場合とで、共通の先読み演出を実行可能であることを排除していない。)

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が、引用発明及び引用例2の技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-09-01 
結審通知日 2021-09-07 
審決日 2021-09-21 
出願番号 特願2017-27353(P2017-27353)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 572- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣瀬 貴理  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
伊藤 昌哉
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人青海特許事務所  
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