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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1379677 |
審判番号 | 不服2020-491 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-01-14 |
確定日 | 2021-12-03 |
事件の表示 | 特願2018- 22394「ジェスチャに応答して表示状態間を遷移するためのデバイス、方法、及びグラフィカルユーザインタフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月 5日出願公開、特開2018-106735、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本願は、2013年(平成25年)5月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年5月9日 米国、2012年12月29日 米国、2013年3月12日 米国)を国際出願日とする出願である特願2015-511650号の一部を、平成28年9月5日に新たな特許出願とした特願2016-173113号の一部を、平成30年2月9日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 3月 9日 :手続補正書の提出 平成30年 5月21日 :手続補正書の提出 平成30年10月15日付け :拒絶理由通知 平成31年 4月17日 :意見書、手続補正書の提出 令和 元年 9月26日付け :拒絶査定(原査定) 令和 2年 1月14日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 3年 1月19日付け :拒絶理由(当審拒絶理由)通知 令和 3年 7月 6日 :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和元年9月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1?4、6?10に係る発明は、以下の引用文献A、C及びDに基づいて、また、本願請求項5に係る発明は、以下の引用文献A?Dに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.国際公開第2010/032598号 B.特開2008-146453号公報 C.特開2009-129443号公報 D.特表2011-530101号公報 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 1.理由1(進歩性) 本願請求項1?4、6?10に係る発明は、以下の引用文献1、3及び4に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2010/032598号(拒絶査定時の引用文献A) 3.特開2009-129443号公報(拒絶査定時の引用文献C) 4.特表2011-530101号公報(拒絶査定時の引用文献D) 2.理由2(明確性) この出願は、特許請求の範囲が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項6には、「請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法であって、前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記第1コンテンツの前記表現が表示される場合に、前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうちのユーザインタフェース要素の表示をやめることを含む、方法。」(下線は当審により付加。)と記載されているが、前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうちの「どの」ユーザインタフェース要素の表示をやめるのかが不明であるため、上記下線部の意味を把握できない。 また、請求項7?10は、いずれも請求項6を直接的又は間接的に引用する形式の従属項であるので、上記拒絶理由を内在する。 第4 本願発明 本願の請求項1?9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明9」という。)は、令和3年7月6日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1は、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 方法であって、 ディスプレイと、1つ以上の入力デバイスと、前記入力デバイスへの入力の強度を検出するための1つ以上の強度センサとを有する電子デバイスにおいて、 複数の選択可能ユーザインタフェース要素を表示することと、 前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうち、第1コンテンツに対応する第1ユーザインタフェース要素へのタッチ入力を検出することと、 前記タッチ入力が第1強度閾値に到達する前記タッチ入力の第1部分の検出に応じて、前記第1ユーザインタフェース要素に向けられた入力が検出されたことを示すように前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更することであって、前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更することは、前記タッチ入力の前記強度が増加するにつれて拡大する前記第1コンテンツの表現のプレビューを表示することを含む、ことと、 前記タッチ入力を検出し続けている間に、 前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更した後に、前記タッチ入力の強度の増加に続く前記タッチ入力の強度の減少を検出することを含む前記タッチ入力の第2部分を検出することと、 前記タッチ入力の前記第2部分の検出に応じて、 前記タッチ入力の前記強度が前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値を超えて増加するという判定に従って、前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記第1コンテンツの前記表現を表示することであって、前記第1コンテンツの前記表現は、前記第1コンテンツとやり取りするための複数の選択可能コントロールを含む、ことと、 前記タッチ入力の前記第2部分の間に前記タッチ入力の前記強度が前記第2強度閾値を超えて増加しなかったという判定に従って、前記第1コンテンツとやり取りするための前記複数の選択可能コントロールを含む前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記第1コンテンツの前記表現を表示しないことと、 を有する方法。」 また、本願発明2?7は、本願発明1を減縮した方法の発明であり、本願発明8は、本願発明1?7を引用する形式で、本願発明1の方法を実行するための命令を含む、電子デバイスの発明であり、本願発明9は、本願発明1?7を引用する形式で、本願発明1の方法を実行させる命令を有するコンピュータプログラムの発明である。 第5 当審拒絶理由の理由2について 当審では、請求項6?10に対し、上記「第3 2.」で示した拒絶の理由を通知しているが、令和3年7月6日になされた手続補正において、請求項6の「前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうちのユーザインタフェース要素の表示をやめる」との記載を「前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素の表示をやめる」と補正された結果、この拒絶理由は解消した。 第6 引用文献、引用発明等 1.令和3年1月19日付けの拒絶理由(当審拒絶理由)に引用された引用文献 (1)引用文献1、引用発明について 当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審付与。以下同様。) 「図3に示すように、第2の実施形態に係る入力装置は、表示部11と、タッチパネル21と、押下検出部31と、制御部41と、記憶部42と、を備えている。本実施形態において、表示部11は、第1の実施形態における表示手段の一例であり、タッチパネル21は、第1の実施形態における入力パネルの一例である。また、本実施形態において、押下検出部31は、第1の実施形態における検出手段の一例であり、制御部41は、第1の実施形態における制御手段の一例である。」(第9頁第30行?第10頁第5行) 「表示部11は、上述した第1の実施形態に示した表示手段10と同様に、少なくとも、ユーザーによって選択される1又は複数のメニューやアイコンボタン等が、任意のレイアウトで配置されて表示される表示デバイスである。表示部11は、例えば図4Aに示すように、パネル基板11aの一面側(図面上面側)に表示領域11bが設けられた構成を有している。」(第10頁第6行?第9行) 「タッチパネル21は、上述した第1の実施形態に示した入力パネル20と同様に、表示部11のパネル基板11aの一面側である表示面側(図面上面側)に配置される透明な接触位置検出センサである。タッチパネル21は、例えば図4Aに示すように、パネル基板11aの一面側の四隅に配置された押下検出部31に支持されている。タッチパネル21は、図4Bに示すように、ユーザーが指等により、入力面に所定以上の押圧力Pを印加することにより、表示部11方向(図4A中のZ方向)に沈み込み、相対的に移動(又は、スライド)するように構成されている。」(第10頁第15行?第21頁) 「制御部41は、上述した第1の実施形態に示した制御手段40と同様に、表示部11にメニューやアイコンボタン等を表示させる。また、制御部41は、タッチパネル21からの接触情報に基づいて、表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタン等を選択状態に設定する。さらに、制御部41は、押下検出部31からの検出信号に基づいて、選択された所望のメニューやアイコンボタン等に対応する機能を実行させる。」(第11頁第14行?第18行) 「記憶部42は、例えば表示部11に表示されるメニューやアイコンボタン等の表示方法や表示内容に関する情報や、選択された機能を実行した際に表示される操作画面に関する情報、制御部41における制御処理に必要なプログラムデータ等を蓄積する。記憶部42は、具体的には、例えばユーザーが所望の機能のメニューやアイコンボタンに触れてこれをフォーカス表示させる場合に、メニューやアイコンボタンの表示内容や色反転等の表示方法についての情報を格納する。また、このフォーカス表示させた機能を実行させてこの機能の操作画面を表示する場合に、メニューやアイコンボタンの表示内容や色反転等の表示方法についての情報を格納する。」(第11頁第19行?第26行) 「本実施形態に係る入力装置の制御方法の一例は、図5のフローチャートに示すように、まず、ステップA102において、タッチパネル21は、表示部11にメニューやアイコンボタンの一覧が表示された状態で、指が接触したか否かを検出する。 具体的には、まず、表示部11に図7(a)に示すように、複数のメニューボタンからなるメニュー画面が表示されている。なお、図7(a)においては、メニュー画面として、「ブラウザ」、「メーラー」、「ミュージック」、「電話帳」等の複数のメニューボタンが所定のレイアウトで配置されて表示されている場合を示す。」(第12頁第4行?第10行) 「このようなメニュー画面が表示部11に表示された状態で、図6Aに示すように、ユーザーが表示部11の表示を見ながら、所望の機能を有する特定のメニューボタン上のタッチパネル21の入力面(表面)に指FNGで触れる。これにより、当該タッチパネル21は、指FNGの接触を検出して当該接触情報を制御部41に出力する。この状態では、ユーザーはタッチパネル21の表面に指FNGを軽く触れる程度に載置する。すなわち、タッチパネル21を押し下げて押下検出部31により押下状態が検出される程度の押圧力(押下力)P2よりも十分弱い押圧力(接触力)P1がタッチパネル21の入力面に印加される。なお、ステップA102において、タッチパネル21への指FNGの接触が検出されない場合には、タッチパネル21に指等が接触するまで待機する。」(第12頁第11行?第19行) 「次いで、ステップA106において、制御部41が、ステップA104で算出された接触位置に対応する表示部11の表示領域11bにアンカー(すなわち、選択可能なメニューやアイコンボタン)が存在するか否かを判定する。」(第12頁第22行?第24行) 「一方、ステップA106において、制御部41が、アンカーが存在すると判定した場合には、ステップA108において、制御部41は、接触位置に対応するアンカー(メニューやアイコンボタン)を選択状態に設定するとともに、フォーカス表示させる。 具体的には、制御部41は、図7(b)に示すように、表示部11に表示された複数のメニューボタンのうちのユーザーが指FNGで触れた位置のメニューボタンを選択状態に設定するとともに、反転表示させる。なお、図7(b)においては、メニューボタンのうち、「ミュージック」が選択された状態を示す。」(第12頁第27行?第13頁第3行) 「次いで、ステップA110において、押下検出部31が、タッチパネル21が押し下げられたか否かを検出する。 ここで、タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出された場合には、ステップA112において、制御部41は、ステップA106で選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させる。一方、ステップA110において、タッチパネル21の押し下げが検出されない場合には、ステップA114に進む。ステップA114において、タッチパネル21が指が接触しているか否かを検出し、指が接触していることを検出したときには、ステップA110に戻る。また、タッチパネル21が指が接触していることを検出しなかったときには、ステップA116に進む。ステップA116において、制御部41は、ステップA108で選択状態に設定したアンカーを選択状態から解除するとともに、フォーカス表示を解除させる。そして、制御部41は、入力装置の制御処理を終了するか、又は、上述したステップA102に戻って、タッチパネル21に指等が接触するまで待機する。」(第13頁第4行?第16行) 「具体的には、ユーザーが選択の意図を持って、ステップA102以降継続してタッチパネル21上に載置されている指FNGで、図6Bに示すように、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力(押下力)P2を印加する。これにより、タッチパネル21が押し下げられ、これに伴って、押下検出部31の作用部31aが圧縮されることにより、タッチパネル21の押下状態が検出され、押下検出部31から検出信号が出力される。 そして、ステップA112において、フォーカス表示されたアンカー(メニューやアイコンボタン)に対応する機能が実行される。 具体的には、制御部41は、選択状態に設定され表示部11に反転表示されているメニューボタンに対応する機能を、押下検出部31からの検出信号に基づいて実行させるための制御信号を出力する。この制御信号は、図示を省略した電子機器の内部回路(動作機能部)に入力されて、当該機能が実行される。」(第13頁第17行?第27行) 「例えば、図7(b)に示したように、「ミュージック」のメニューボタンが選択された状態について説明する。この状態において、タッチパネル21が押し下げられて、押下検出部31により押下状態が検出されると、制御部41は「ミュージック」に対応するミュージックプレーヤの機能を起動させるための制御信号を電子機器の内部回路に出力する。また、制御部41は、図7(c)に示すように、タッチパネル21の押下状態の検出に伴って、ミュージックプレーヤの機能が起動されることを示す(報知する)ために、表示部11の「ミュージック」のメニューボタンを強調表示させる。そして、制御部41は、電子機器の内部回路により、ミュージックプレーヤの機能が起動されると、図7(d)に示すように、表示部11を切り替えて、ミュージックプレーヤの操作画面を表示する。なお、図7(d)においては、例えば記憶部42に格納されている楽曲データの一覧がアイコンボタンにより表示された状態を示す。」(第13頁第28行?第14頁第8行) 「このように、本実施形態においては、ユーザーがタッチパネル21に指等で軽く触れることにより、表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタンが選択状態に設定されるとともに、フォーカス表示される。また、本実施形態においては、メニューやアイコンボタンを選択する際に、タッチパネル21に載置された指等を離すことなく、そのままタッチパネル21を押し下げることにより、選択した機能が実行される。」(第14頁第9行?第13行) 「第3の実施形態に係る入力装置は、第2の実施形態に示した構成(図4A、図4B参照)において、押下検出部として圧力センサを適用したことを特徴としている。 具体的には、本実施形態に係る入力装置は、図10A、図10Bに示すように、表示部11のパネル基板11aの一面側(表示面側;図面上面側)の四隅に、各々圧力センサ36を配置した構成を有している。本実施形態において、圧力センサ36は、第1の実施形態における検出手段の一例である。」(第17頁第25行?第30行) 「制御部41は、圧力センサ36から出力される検出信号に基づいて、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力が印加された状態(押圧状態)を判定する。 このような構成を有する入力装置の制御方法においては、まず、ユーザーが表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタンに対応する位置の、タッチパネル21の入力面(表面)に軽く触れる程度に指等を載置する。すなわち、制御部41は圧力センサ36から出力される検出信号に基づいてタッチパネル21が押圧状態であるか否かを判定するが、タッチパネル21には、制御部41が押圧状態であると判定する程度の押圧力よりも十分弱い押圧力が印加される。これにより、制御部41は、タッチパネル21により検出された接触位置に対応するメニューやアイコンボタンを選択状態に設定するとともに、フォーカス表示させる。」(第18頁第6行?第15行) 「次いで、ユーザーが選択の意図を持って、タッチパネル21上に載置されている指等で、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力を印加する。これにより、圧力センサ36からその押圧力に応じた検出信号(検出電圧)が制御部41に出力される。制御部41は、圧力センサ36からの検出信号に基づいて、表示部11で選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させるための制御信号を、図示を省略した電子機器の内部回路(動作機能部)に出力する。これにより、電子機器において選択されたメニューやアイコンボタンに対応する機能が実行される。 このように、本実施形態においても、上述した各実施形態と同様に、ユーザーがタッチパネル21に指等で軽く触れることにより、所望のメニューやアイコンボタンが選択状態に設定されるとともに、フォーカス表示される。そして、ユーザーがタッチパネル21に載置された指等を離すことなく、そのままタッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力を印加することにより、選択した機能が実行される。」(第18頁第16行?第28行) 「【図4A】 」 「【図5】 」 「【図7】 」 以上摘記した引用文献1の記載及び図面は、「第2の実施形態」及び「第3の実施形態」に関するものであるが、「第3の実施形態」は、「第2の実施形態に示した構成(図4A、図4B参照)において、押下検出部として圧力センサを適用した」ものであって(上記第17頁第25行?第30行を参照。)、「押下検出部31」の詳細以外については両者は共通であると解される。 したがって、「第2の実施形態」において押下検出部として圧力センサを適用することを想定すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「入力装置は、表示部11と、タッチパネル21と、押下検出部31と、制御部41と、記憶部42と、を備え、 表示部11は、ユーザーによって選択される1又は複数のメニューやアイコンボタン等が、任意のレイアウトで配置されて表示される表示デバイスであり、 タッチパネル21は、表示部11のパネル基板11aの一面側である表示面側に配置される透明な接触位置検出センサであり、パネル基板11aの一面側の四隅に配置された押下検出部31に支持され、ユーザーが指等により、入力面に所定以上の押圧力Pを印加することにより、表示部11方向(Z方向)に沈み込み、相対的に移動(又は、スライド)するように構成されており、 制御部41は、表示部11にメニューやアイコンボタン等を表示させ、タッチパネル21からの接触情報に基づいて、表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタン等を選択状態に設定し、さらに、押下検出部31からの検出信号に基づいて、選択された所望のメニューやアイコンボタン等に対応する機能を実行させ、 記憶部42は、表示部11に表示されるメニューやアイコンボタン等の表示方法や表示内容に関する情報や、選択された機能を実行した際に表示される操作画面に関する情報、制御部41における制御処理に必要なプログラムデータ等を蓄積し、具体的には、例えばユーザーが所望の機能のメニューやアイコンボタンに触れてこれをフォーカス表示させる場合に、メニューやアイコンボタンの表示内容や色反転等の表示方法についての情報を格納し、また、このフォーカス表示させた機能を実行させてこの機能の操作画面を表示する場合に、メニューやアイコンボタンの表示内容や色反転等の表示方法についての情報を格納し、 入力装置の制御方法は、 まず、タッチパネル21は、表示部11にメニューやアイコンボタンの一覧が表示された状態で、指が接触したか否かを検出し、具体的には、複数のメニューボタンからなるメニュー画面が表示されており、メニュー画面として、「ブラウザ」、「メーラー」、「ミュージック」、「電話帳」等の複数のメニューボタンが所定のレイアウトで配置されて表示されている場合、ユーザーが表示部11の表示を見ながら、所望の機能を有する特定のメニューボタン上のタッチパネル21の入力面(表面)に指FNGで触れ、これにより、当該タッチパネル21は、指FNGの接触を検出して当該接触情報を制御部41に出力し、この状態では、ユーザーはタッチパネル21の表面に指FNGを軽く触れる程度に載置し、すなわち、タッチパネル21を押し下げて押下検出部31により押下状態が検出される程度の押圧力(押下力)P2よりも十分弱い押圧力(接触力)P1がタッチパネル21の入力面に印加され、 次いで、制御部41が、算出された接触位置に対応する表示部11の表示領域11bにアンカー(すなわち、選択可能なメニューやアイコンボタン)が存在するか否かを判定し、アンカーが存在すると判定した場合には、接触位置に対応するアンカー(メニューやアイコンボタン)を選択状態に設定するとともに、フォーカス表示させ、 具体的には、表示部11に表示された複数のメニューボタンのうちのユーザーが指FNGで触れた位置のメニューボタンを選択状態に設定するとともに、反転表示させ、 次いで、ステップA110において、押下検出部31が、タッチパネル21が押し下げられたか否かを検出し、 ここで、タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出された場合には、制御部41は、選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させ、 一方、ステップA110において、タッチパネル21の押し下げが検出されない場合には、タッチパネル21が指が接触しているか否かを検出し、指が接触していることを検出したときには、ステップA110に戻り、 具体的には、ユーザーが選択の意図を持って、継続してタッチパネル21上に載置されている指FNGで、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力(押下力)P2を印加し、これにより、タッチパネル21が押し下げられ、これに伴って、タッチパネル21の押下状態が検出され、押下検出部31から検出信号が出力され、 そして、フォーカス表示されたアンカー(メニューやアイコンボタン)に対応する機能が実行され、 具体的には、制御部41は、選択状態に設定され表示部11に反転表示されているメニューボタンに対応する機能を、押下検出部31からの検出信号に基づいて実行させるための制御信号を出力し、この制御信号は、電子機器の内部回路(動作機能部)に入力されて、当該機能が実行され、 例えば、「ミュージック」のメニューボタンが選択された状態において、タッチパネル21が押し下げられて、押下検出部31により押下状態が検出されると、制御部41は「ミュージック」に対応するミュージックプレーヤの機能を起動させるための制御信号を電子機器の内部回路に出力し、また、制御部41は、タッチパネル21の押下状態の検出に伴って、ミュージックプレーヤの機能が起動されることを示す(報知する)ために、表示部11の「ミュージック」のメニューボタンを強調表示させ、そして、制御部41は、電子機器の内部回路により、ミュージックプレーヤの機能が起動されると、表示部11を切り替えて、ミュージックプレーヤの操作画面を表示し、例えば記憶部42に格納されている楽曲データの一覧がアイコンボタンにより表示され、 このように、ユーザーがタッチパネル21に指等で軽く触れることにより、表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタンが選択状態に設定されるとともに、フォーカス表示され、メニューやアイコンボタンを選択する際に、タッチパネル21に載置された指等を離すことなく、そのままタッチパネル21を押し下げることにより、選択した機能が実行されるものであり、 押下検出部として圧力センサを適用し、具体的には、入力装置は、表示部11のパネル基板11aの一面側(表示面側;図面上面側)の四隅に、各々圧力センサ36を配置した構成を有し、 制御部41は、圧力センサ36から出力される検出信号に基づいて、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力が印加された状態(押圧状態)を判定し、 入力装置の制御方法においては、まず、ユーザーが表示部11に表示された所望のメニューやアイコンボタンに対応する位置の、タッチパネル21の入力面(表面)に軽く触れる程度に指等を載置し、すなわち、制御部41は圧力センサ36から出力される検出信号に基づいてタッチパネル21が押圧状態であるか否かを判定するが、タッチパネル21には、制御部41が押圧状態であると判定する程度の押圧力よりも十分弱い押圧力が印加され、これにより、制御部41は、タッチパネル21により検出された接触位置に対応するメニューやアイコンボタンを選択状態に設定するとともに、フォーカス表示させ、 次いで、ユーザーが選択の意図を持って、タッチパネル21上に載置されている指等で、タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力を印加し、これにより、圧力センサ36からその押圧力に応じた検出信号(検出電圧)が制御部41に出力され、 制御部41は、圧力センサ36からの検出信号に基づいて、表示部11で選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させるための制御信号を、電子機器の内部回路(動作機能部)に出力し、これにより、電子機器において選択されたメニューやアイコンボタンに対応する機能が実行され、 このように、ユーザーがタッチパネル21に指等で軽く触れることにより、所望のメニューやアイコンボタンが選択状態に設定されるとともに、フォーカス表示され、そして、ユーザーがタッチパネル21に載置された指等を離すことなく、そのままタッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力を印加することにより、選択した機能が実行される、 入力装置の制御方法。」 (2)引用文献3の記載事項について 当審拒絶理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0007】 上記問題点に鑑みて、本発明はユーザーの意図を読み取って画面上に表示される一部の画像を拡大表示することにより、視認性及び操作性を向上したタッチスクリーンの入力受信方法と、該方法を実施するためのタッチスクリーン付き電子装置と、該方法を実施するためのタッチスクリーンの入力システムとを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の一側面によれば、画像を表示できるタッチスクリーンの入力受信方法であって、ユーザーが前記タッチスクリーン上の所定の表示区画にタッチしたことを感知すると該表示区画に対応する所定範囲の画像を拡大表示するステップと、該拡大した所定範囲の画像を表示した状態でユーザーの確定命令を待つステップとを具備したこと特徴とするタッチスクリーンの入力受信方法が提供される。」 「【0014】 第1実施形態 図1は本発明の第1実施形態のタッチスクリーン付きPDAの入力受信システムの動作を示すフローチャート、特に入力受信システムに使用される入力受信方法を示すフローチャートであり、また、図2?図5に示すのは該入力受信方法に沿って制御されるタッチスクリーン付きPDA(電子装置)1のタッチスクリーン11の画面を示している。 【0015】 方法の説明 まず、図1において最初のステップ101で、図2に示すように、画面上端の一部にウェブサイトのURLを表示しており、その他は全て当該ウェブサイトのページ上の文字や画像が表示され、ユーザーがウェブサイトの文字や画像が表示されている箇所にタッチすることを待ち受ける第1の操作モードがONになっている。 【0016】 そして、この第1の操作モードにおいて、ステップ102で、ユーザーが該タッチスクリーン付き電子装置1のタッチスクリーン11の予め定められた表示区間がタッチされたことを確認したか否かを判断する。肯定判定ならば、ステップ103に進む。否定判定ならば、ステップ102で待機する。ステップ103で、図3に示すように、該タッチされた表示区画に対応する所定範囲の画像を、元の画像上に重ねて表示するための拡大されたフレーム118内に拡大表示し、該拡大した所定範囲の画像を表示した状態でユーザーの確定命令を待つ。例えば、図3において、拡大されたフレーム118の拡大表示された所定範囲の画像内には、文字117や他のURLのページにアクセスするハイパーリンク119が張られている。 【0017】 ステップ104で、ユーザーが前記拡大した所定範囲の画像を表示する拡大されたフレーム118内に重くタッチすることを確認(感知)したか否かを判定する。ここで、重くタッチするとは、ユーザーが拡大した所定範囲の画像内を選択した意図を確認することをいうものであり、例えば、タッチスクリーン11の拡大されたフレーム118内が所定の閾値以上の圧力でタッチされたことをいう。 【0018】 肯定判定ならば、それを確定命令として認知し、ステップ105に進む。例えば、図4に示すように、ユーザーがフレーム118内を重くタッチしたことを感知したならば、ステップ105に進む。否定判定ならば、ステップ103で待機する。 【0019】 ステップ105で、第2の操作モードをONにし、拡大されたフレーム118内に対する命令を受付ける。例えば、拡大されたフレーム118に拡大表示されたコマンド区画としてのハイパーリンク119が表示されているとき、このハイパーリンク119の位置がタッチされると、ハイパーリンク119に対応するURLにアクセスして、該URLから文字あるいは画像データをダウンロードし、拡大されたフレーム118内に表示する。 【0020】 一方、ステップ103で、拡大されたフレーム118に拡大表示された画像内に、例えばボタンなどのコマンド区画が表示されている場合、ステップ104で確定命令を受信したあと、該拡大した所定範囲の画像内にあるコマンド区画にユーザーがタッチしたことを感知すると、該コマンドに対応する操作を実行する。」 「【図3】 」 したがって、上記引用文献3には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「画面上に表示される一部の画像を拡大表示することにより、視認性及び操作性を向上したタッチスクリーンの入力受信方法であって、ユーザーが前記タッチスクリーン上の所定の表示区画にタッチしたことを感知すると該表示区画に対応する所定範囲の画像を拡大表示するステップと、該拡大した所定範囲の画像を表示した状態でユーザーの確定命令を待つステップとを具備し、 ユーザーがウェブサイトの文字や画像が表示されている箇所にタッチすることを待ち受け、タッチスクリーン11の予め定められた表示区間がタッチされたことを確認したならば、該タッチされた表示区画に対応する所定範囲の画像を、元の画像上に重ねて表示するための拡大されたフレーム118内に拡大表示し、該拡大した所定範囲の画像を表示した状態でユーザーの確定命令を待ち、拡大表示された所定範囲の画像内には、文字117や他のURLのページにアクセスするハイパーリンク119が張られており、 拡大されたフレーム118に拡大表示された画像内に、例えばボタンなどのコマンド区画が表示されている場合、コマンド区画にユーザーがタッチしたことを感知すると、該コマンドに対応する操作を実行する タッチスクリーンの入力受信方法。」 (3)引用文献4の記載事項について 当審拒絶理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0077】 図10ないし図14は、本発明の第3実施形態に係る電子装置のユーザインターフェースの展開過程を示した図である。」 「【0079】 図11には、ユーザの手が特定コンテンツ230をタッチした場合を例として示した。ユーザの手がコンテンツ230をタッチする場合、図12に示されたように、当該コンテンツが再生される。 【0080】 これについてより詳細に説明すると、位置検出部164はユーザの手が接近した位置に対応する位置データを制御部170に伝送し、圧力検出部166は圧力データを制御部170に伝送する。ここで、検出された圧力データは、第1基準値より大きく第2基準値以下であるため、制御部170はコンテンツ230がタッチされたと判断する。そして、制御部170はユーザの手がタッチした位置に表示されたコンテンツ230に対応するコンテンツが図12のように再生されるようにする。」 「【0082】 図14には、コンテンツが再生されている場合、ユーザが当該コンテンツを第2基準値より強くタッチした場合を例として示した。ユーザの手が再生中のコンテンツを第2基準値より強くタッチする場合、現在表示される場面を保存することのできる「Save」メニュー及び現在表示される場面を外部装置に伝送できる「Transfer」メニューなどの制御メニューが表示される。」 「【図11】 」 「【図14】 」 したがって、上記引用文献4には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「電子装置のユーザインターフェースの展開過程として、ユーザの手がコンテンツ230をタッチする場合、当該コンテンツが再生され、詳細には、検出された圧力データは、第1基準値より大きく第2基準値以下であるため、制御部170はコンテンツ230がタッチされたと判断し、コンテンツが再生され、 コンテンツが再生されている場合、ユーザが当該コンテンツを第2基準値より強くタッチした場合、現在表示される場面を保存することのできる「Save」メニュー及び現在表示される場面を外部装置に伝送できる「Transfer」メニューなどの制御メニューが表示される 電子装置のユーザインターフェース。」 2.原査定の拒絶の理由に引用された引用文献B 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、サムネイル画像を一覧表示させた場合、例えばサムネイル画像を選択することで対応するクリップが再生されるような操作方式は知られている。 例えばサムネイル画像の一覧表示に対して、ユーザが所定の操作キーやジョグダイヤル等を用いてサムネイル画像を選択する操作入力を行うことで、機器側がそれらの操作に対応して、選択されたサムネイル画像に対応するクリップの再生を行う。 【0006】 このようにサムネイル画像の一覧表示は、単なる各クリップの内容確認だけでなく、一覧表示されたサムネイル画像によりクリップを選択してクリップを再生させるという利用も行われてきたが、さらに一覧表示を有用に活用できるようにしたいという要望がある。 例えば或いはサムネイル画像を拡大して映像内容を、より良好に確認できるようにしたり、或るクリップについて1つのサムネイル画像だけでなく、1つのクリップ内の映像内容を多数のサムネイル画像によって表示させ、クリップの映像内容をより詳しく確認できるようにしたいなどである。」 「【0032】 [3.基本動作] 本例では、サムネイル一覧表示に対してタッチパッド20を用いた操作により多様な表示を実現する。ここでは、サムネイル一覧表示に関する基本的な動作を説明する。 まず、光ディスク90に記録された映像データとサムネイルについて図11(a)で説明する。 図11(a)は、光ディスク90に記録された映像データを模式的に示している。映像データはクリップという単位で管理されるが、ここではクリップCL1,CL2,CL3,CL4・・・を示している。1つのクリップは、映像素材の連続した1つのまとまりであり、例えば時間的に連続して撮像された映像データなどである。 各クリップについては、その代表画データとしての1フレームが決められる。例えばクリップの開始点から10秒目までの範囲などで代表画データが選定されることが多い。 例えば各フレームの開始から3秒目のフレームが代表画データとされるとする。図11(a)では、3秒目のフレームなどとして決められる代表画データのフレームを破線で示している。 【0033】 この代表画データと同じ画像内容のデータがサムネイルデータとされる。例えば各クリップの代表画データに対して縮小処理したデータが、図示するサムネイルデータTM1,TM2,TM3,TM4・・・となる。」 「【0038】 図5は、サムネイル一覧表示が行われた状態の、モニタディスプレイ装置の画面100を示している。 例えば画面100には12個のサムネイル画像TMが表示される。仮に、光ディスク90に300個のクリップが記録された場合、各クリップのサムネイル画像として300個のサムネイル画像TMが表示可能である。ここでは、画面上に、229番目のクリップのサムネイル画像TMから240番目のクリップのサムネイル画像TMが表示されている状態を示している。・・・(省略)」 「【0039】 例えばこのようなサムネイル一覧表示に対して、ユーザはタッチパッド20を用いて各種操作を行うことができる。 なお、以下の説明では操作の用語として「タップ」「長押し」「押し込み」という文言を用いる。 タップとは、タッチパッド20を短い時間で軽く叩くような操作を言う。 長押しとは、タッチパッド20に一定時間以上触れ続ける操作を言う。 押し込みとは、タッチパッド20に或る程度の力を加えて押し込むような操作を言う。」 「【0044】 即ちベクトル検出モード、位置検出モードのそれぞれにおいて、制御部5は、タッチパッド20に対する接触位置の変化方向や接触位置そのものに応じて、カーソル101の表示位置を変化させるように表示映像生成部9に指示し、ユーザがカーソル101により各サムネイル画像TMを選択できるようにする。 そしてタップ検出(瞬間的な接触検出)により、その際にカーソル101が位置されるサムネイル画像TMを選択決定とし、サムネイル画像TMに対応するクリップの再生を実行させる。」 「【0045】 [4.拡張動作例I] 以上のような基本動作に加えて、本例ではタッチパッド20の操作に応じて、拡張動作例I、又は拡張動作例IIとしての動作を可能とする。 拡張動作例Iについて図6,図7,図8を用いて説明する。 まず図6で、拡張動作例Iとして実現される表示例を述べる。 【0046】 例えば図6(a)のように画面100にサムネイル一覧表示が行われている状態では、上記同様、ベクトル検出モードの場合は、ユーザがタッチパッド20を指でなぞることで、カーソル101が上下左右、なぞった方向に動く。また位置検出モードの場合は、ユーザがタッチパッド20に触れることで、その位置に応じた画面100上の位置にカーソル101が出現する。 【0047】 ユーザがタッチパッド20を押し込むと、カーソル101が位置しているサムネイル画像TMが、押し込みの強さに応じて拡大する。例えば図6(a)のように第234番目のクリップのサムネイルTMにカーソル101が位置した状態で、ユーザがタッチパッド20を押し込むと、図6(b)のように第234番目のクリップのサムネイル画像TMが、押し込みの圧力に応じた拡大率で拡大サムネイルTM-Aとして表示される。 この状態から、ユーザが指をタッチパッド20から指を離すと、元の図6(a)の状態に戻る。」 「【図6】 」 「【図11】 」 したがって、上記引用文献Bには、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「サムネイル画像を一覧表示させた場合、サムネイル画像を選択することで対応するクリップが再生されるような操作方式において、 例えばサムネイル画像を拡大して映像内容を、より良好に確認できるようにしたいなど、一覧表示を有用に活用できるようにしたいという課題を解決するため、 映像データはクリップという単位で管理され、1つのクリップは、映像素材の連続した1つのまとまりであり、各クリップについては、その代表画データとしての1フレームが決められ、 この代表画データと同じ画像内容のデータがサムネイルデータとされ、 例えば、サムネイル一覧表示が行われた状態の、モニタディスプレイ装置の画面100には12個のサムネイル画像TMが表示され、このようなサムネイル一覧表示に対して、ユーザはタッチパッド20を用いて各種操作を行うことができ、 ユーザがカーソル101により各サムネイル画像TMを選択できるようにし、 そしてタップ検出(瞬間的な接触検出)により、その際にカーソル101が位置されるサムネイル画像TMを選択決定とし、サムネイル画像TMに対応するクリップの再生を実行させ、 ユーザがタッチパッド20を押し込むと、カーソル101が位置しているサムネイル画像TMが、押し込みの強さに応じて拡大し、この状態から、ユーザが指をタッチパッド20から指を離すと、元の状態に戻る 操作方式。」 第7 当審拒絶理由の理由1について 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と上記引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア.引用発明の「入力装置の制御方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「方法」に相当する。 イ.引用発明の「表示部11」は、本願発明1の「ディスプレイ」に相当する。また、引用発明の「タッチパネル21」は、「表示部11のパネル基板11aの一面側である表示面側に配置される透明な接触位置検出センサ」であるから、本願発明1の「1つ以上の入力デバイス」に相当する。また、引用発明の「押下検出部31」に適用された「圧力センサ36」は、「タッチパネル21の入力面に所定以上の押圧力が印加された」ときの「押圧力に応じた検出信号」を出力することから、本願発明1における「前記入力デバイスへの入力の強度を検出するための1つ以上の強度センサ」に相当する。 よって、引用発明における、「表示部11、タッチパネル21」及び「圧力センサ36」を備える「入力装置」は、本願発明1の「ディスプレイと、1つ以上の入力デバイスと、前記入力デバイスへの入力の強度を検出するための1つ以上の強度センサとを有する電子デバイス」に相当する。 ウ.引用発明は、「表示部11にメニューやアイコンボタンの一覧が表示された状態で、指が接触したか否かを検出」するものであり、具体的には、「メニュー画面として、「ブラウザ」、「メーラー」、「ミュージック」、「電話帳」等の複数のメニューボタンが所定のレイアウトで配置されて表示されている場合、ユーザーが表示部11の表示を見ながら、所望の機能を有する特定のメニューボタン上のタッチパネル21の入力面(表面)に指FNGで触れ、これにより、当該タッチパネル21は、指FNGの接触を検出して当該接触情報を制御部41に出力」するものである。 ここで、当該「制御部41」は、「表示部11に表示された複数のメニューボタンのうちのユーザーが指FNGで触れた位置のメニューボタンを選択状態に設定する」ものである。 よって、引用発明において、「ユーザ」により「表示を見ながら、」「指FNGで触れ」る指標となる「メニューやアイコンボタンの一覧」のうちの「メニューボタン」は、本願発明1の「選択可能ユーザインタフェース要素」に相当するといえる。 したがって、引用発明の「メニューやアイコンボタンの一覧」である「複数のメニューボタン」を「表示」することは、本願発明1の「複数の選択可能ユーザインタフェース要素を表示すること」に相当するといえる。 エ.引用発明の「タッチパネル21」を「ユーザ」の「指FNG」で「押し下げ」ることは、本願発明1の「タッチ入力」に相当する。そして、引用発明の上記「複数のメニューボタン」のうち、「例えば、「ミュージック」のメニューボタンが選択された状態において、タッチパネル21が押し下げられて、押下検出部31により押下状態が検出されると、制御部41は「ミュージック」に対応するミュージックプレーヤの機能を起動させる」ことから、引用発明の上記「複数のメニューボタン」のうちの「ミュージック」の「メニューボタン」は、本願発明1の「複数の選択可能ユーザインタフェース要素」のうちの「第1ユーザインタフェース要素」に相当するといえる。 したがって、引用発明の「複数のメニューボタン」のうち「ミュージックプレーヤの機能」に対応する「ミュージック」の「メニューボタン」が選択された状態において「タッチパネル21」の「押下状態」を「検出」することは、本願発明1の「前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうち、第1コンテンツに対応する第1ユーザインタフェース要素へのタッチ入力を検出すること」とは、「前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうち、第1ユーザインタフェース要素へのタッチ入力を検出すること」である点で共通している。 オ.引用発明における「十分弱い押圧力(接触力)P1」は、本願発明1の「第1強度閾値」に相当する。また、引用発明において、「ユーザー」が「タッチパネル21の表面に指FNGを軽く触れる程度に載置し、」「十分弱い押圧力(接触力)P1がタッチパネル21の入力面に印加され」る部分は、本願発明1の「前記タッチ入力の第1の部分」に相当する。 また、引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」することは、本願発明1の「前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更すること」に相当する。 よって、引用発明において、「ユーザーはタッチパネル21の表面に指FNGを軽く触れる程度に載置し、すなわち、タッチパネル21を押し下げて押下検出部31により押下状態が検出される程度の押圧力(押下力)P2よりも十分弱い押圧力(接触力)P1がタッチパネル21の入力面に印加され」ると、「制御部41」は、「表示部11に表示された複数のメニューボタンのうちのユーザーが指FNGで触れた位置のメニューボタンを選択状態に設定するとともに、反転表示させ」ることは、本願発明1において、「前記タッチ入力が第1強度閾値に到達する前記タッチ入力の第1部分の検出に応じて、前記第1ユーザインタフェース要素に向けられた入力が検出されたことを示すように前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更すること」に相当するといえる。 カ.上記「オ.」に示したとおり、引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」することは、本願発明1の「前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更」することに相当することから、引用発明の当該「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」は、本願発明1の「前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更した後」に相当する。 そして、引用発明において、当該「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」は、引用発明の【図5】のフロー図で示された「ステップA108」より後の「ステップA110」以降のステップの動作がなされ、ここでは、「ステップA110において、押下検出部31が、タッチパネル21が押し下げられたか否かを検出し、ここで、タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出された場合には、制御部41は、選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させ」ることから、当該「ステップA110」以降の「タッチパネル21」が「押し下げられたか否かの検出」は、本願発明1の「前記タッチ入力の第2部分の検出」に相当する。 よって、引用発明の当該「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」のフローは、本願発明1の「前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更した後に、前記タッチ入力の強度の増加に続く前記タッチ入力の強度の減少を検出することを含む前記タッチ入力の第2部分を検出する」ことと、「前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更した後に、前記タッチ入力の強度の増加を検出することを含む前記タッチ入力の第2部分を検出する」点で共通している。 キ.引用発明における「タッチパネル21を押し下げて押下検出部31により押下状態が検出される程度の押圧力(押下力)P2」は、「P2よりも十分弱い押圧力(接触力)P1」よりも高い押圧力であることから、本願発明1の「前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値」に相当する。 そして、引用発明では、「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた後、「ステップA110において、押下検出部31が、タッチパネル21が押し下げられたか否かを検出し、ここで、タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出された場合には、制御部41は、選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させ」るものであり、具体的には、「例えば、「ミュージック」のメニューボタンが選択された状態において」は、「タッチパネル21の押下状態の検出に伴って、」「ミュージックプレーヤの機能が起動される」と、「表示部11を切り替えて、ミュージックプレーヤの操作画面を表示し、例えば記憶部42に格納されている楽曲データの一覧がアイコンボタンにより表示され」るものである。 そうすると、引用発明の「ミュージック」のメニューボタンに対する「タッチパネル21の押下状態の検出」により「ミュージックプレーヤの操作画面を表示」することは、本願発明1における「前記第1ユーザインタフェース要素に対応する」「表現を表示」することに相当する。また、引用発明の当該「ミュージックプレーヤの操作画面」の「表示」は、「楽曲データの一覧がアイコンボタンにより表示」されるものであるから、当該「操作画面」における「楽曲データの一覧」は、本願発明1における「複数の選択可能コントロール」に相当する。 したがって、引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」のフローは、本願発明1の「前記タッチ入力の前記第2部分の検出に応じて、前記タッチ入力の前記強度が前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値を超えて増加するという判定に従って、前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記第1コンテンツの表現を表示することであって、前記第1コンテンツの前記表現は、前記第1コンテンツとやり取りするための複数の選択可能コントロールを含む、」ことと、「前記タッチ入力の前記第2部分の検出に応じて、前記タッチ入力の前記強度が前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値を超えて増加するという判定に従って、前記第1ユーザインタフェース要素に対応する表現を表示することであって、前記表現は、複数の選択可能コントロールを含む、」点で共通している。 ク.上記「カ.」に示したとおり、引用発明において、「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」は、引用文献1の【図5】のフロー図で示された「ステップA108」より後の「ステップA110」以降のステップの動作がなされ、 ここでは、「ステップA110において、押下検出部31が、タッチパネル21が押し下げられたか否かを検出し、ここで、タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出された場合には、制御部41は、選択状態に設定されフォーカス表示されたメニューやアイコンボタンに対応する機能を実行させ」、 「一方、ステップA110において、タッチパネル21の押し下げが検出されない場合には、タッチパネル21が指が接触しているか否かを検出し、指が接触していることを検出したときには、ステップA110に戻」ることから、 当該「ステップA110」以降の「タッチパネル21の押し下げが検出されない場合」は、本願発明1の「前記タッチ入力の前記第2部分の間に前記タッチ入力の前記強度が前記第2強度閾値を超えて増加しなかった」場合に相当し、引用発明において、当該「タッチパネル21の押し下げが検出されない場合」、「ミュージックプレーヤの操作画面」の「楽曲データの一覧」は「表示」されずに、「ステップA110に戻」ることは、本願発明1の「前記複数の選択可能コントロールを含む前記第1ユーザインタフェース要素に対応する」「前記表現を表示しない」ことに相当する。 したがって、引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」の上記フローは、本願発明1の「前記タッチ入力の前記第2部分の間に前記タッチ入力の前記強度が前記第2強度閾値を超えて増加しなかったという判定に従って、前記第1コンテンツとやり取りするための前記複数の選択可能コントロールを含む前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記第1コンテンツの前記表現を表示しない」ことと、「前記タッチ入力の前記第2部分の間に前記タッチ入力の前記強度が前記第2強度閾値を超えて増加しなかったという判定に従って、前記複数の選択可能コントロールを含む前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記表現を表示しない」点で共通している。 ケ.引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」のフローは、 上記「カ.」に示した「ステップA110」以降の「タッチパネル21」が「押し下げられたか否かの検出」においても、 また、上記「キ.」に示した「タッチパネル21が、所定の寸法押し下げられた押下状態が検出」され、「タッチパネル21の押下状態の検出に伴って、」「ミュージックプレーヤの機能が起動される」と、「表示部11を切り替えて、ミュージックプレーヤの操作画面を表示し、」「楽曲データの一覧がアイコンボタンにより表示され」る場合も、 また、上記「ク.」に示した「タッチパネル21の押し下げが検出されない場合」、「ミュージックプレーヤの操作画面」の「楽曲データの一覧」は「表示」されずに、「ステップA110に戻」る場合も、 いずれも、「タッチパネル21に載置された指」を「離すことなく」、行っていることから、引用発明の「メニューボタン」の表示を「反転表示」させた「後」のフローは、本願発明1の「前記タッチ入力を検出し続けている間に、」行う点で共通している。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「方法であって、 ディスプレイと、1つ以上の入力デバイスと、前記入力デバイスへの入力の強度を検出するための1つ以上の強度センサとを有する電子デバイスにおいて、 複数の選択可能ユーザインタフェース要素を表示することと、 前記複数の選択可能ユーザインタフェース要素のうち、第1ユーザインタフェース要素へのタッチ入力を検出することと、 前記タッチ入力が第1強度閾値に到達する前記タッチ入力の第1部分の検出に応じて、前記第1ユーザインタフェース要素に向けられた入力が検出されたことを示すように前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更することと、 前記タッチ入力を検出し続けている間に、 前記第1ユーザインタフェース要素の前記外観を変更した後に、前記タッチ入力の強度の増加を検出することを含む前記タッチ入力の第2部分を検出することと、 前記タッチ入力の前記第2部分の検出に応じて、 前記タッチ入力の前記強度が前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値を超えて増加するという判定に従って、前記第1ユーザインタフェース要素に対応する表現を表示することであって、前記表現は、複数の選択可能コントロールを含む、ことと、 前記タッチ入力の前記第2部分の間に前記タッチ入力の前記強度が前記第2強度閾値を超えて増加しなかったという判定に従って、前記複数の選択可能コントロールを含む前記第1ユーザインタフェース要素に対応する前記表現を表示しないことと、 を有する方法。」 <相違点> (相違点1) 「第1ユーザインタフェース要素」は、本願発明1では、「第1コンテンツに対応する」ものであるのに対し、引用発明では、例えば「ミュージックプレーヤの機能」のような「機能に対応する」ものである点。 (相違点2) 「前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更すること」は、本願発明1では、「前記タッチ入力の前記強度が増加するにつれて拡大する前記第1コンテンツの表現のプレビューを表示することを含む、」のに対し、引用発明では、例えば、「押圧力(接触力)P1がタッチパネル21の入力面に印加され」ると、「ミュージック」等のメニューボタンを「反転表示」することが特定されているものの、「前記タッチ入力の前記強度が増加するにつれて拡大する前記第1コンテンツの表現のプレビューを表示する」構成は特定されていない点。 (相違点3) 「第1ユーザインタフェース要素の外観を変更した後」の、「タッチ入力の第2部分の検出」は、本願発明1では、「タッチ入力の強度の増加に続く前記タッチ入力の強度の減少を検出することを含む」のに対し、引用発明では、「タッチ入力の強度の増加を検出することを含む」ものの、「タッチ入力の強度の減少を検出する」ことは特定されていない点。 (相違点4) 「前記タッチ入力の前記強度が前記第1強度閾値よりも高い第2強度閾値を超えて増加するという判定」に従ってなされる「前記第1ユーザインタフェース要素に対応する」「表現」は、本願発明1では、「第1コンテンツ」の「表現」であるのに対し、引用発明では、例えば「ミュージックプレーヤの機能」による「ミュージックプレーヤの操作画面」である点。 (相違点5) 前記表現に含まれる「複数の選択可能コントロール」は、本願発明1では、「前記第1コンテンツとやり取りするための」ものであるのに対し、引用発明では、「楽曲データの一覧」である点。 (2)相違点についての検討 事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、「前記第1ユーザインタフェース要素の外観を変更すること」に対応した、相違点2に係る本願発明1の「前記タッチ入力の前記強度が増加するにつれて拡大する前記第1コンテンツの表現のプレビューを表示することを含む、」という構成は、上記「第5 1.(1)」?「第5 1.(3)」で示した引用文献1、3及び4のいずれにも記載も示唆もされていない。 また、上記「第5 2.」で示した引用文献Bには、「ユーザがタッチパッド20を押し込むと、カーソル101が位置しているサムネイル画像TMが、押し込みの強さに応じて拡大」する技術的事項が開示されている。 しかしながら、引用文献Bにおいて、「サムネイル画像TM」が、「押し込みの強さに応じて拡大」するのは、「サムネイル画像を拡大して映像内容を、より良好に確認できるようにしたい」という課題を解決するためのものであるところ、「第1ユーザインタフェース要素」に対応する引用発明の「ミュージック」等の「メニューボタン」は、例えば「ミュージックプレーヤの機能」のような「機能に対応する」ものであり、引用文献Bの「サムネイル画像TM」のようなコンテンツに対応する画像を表示するボタンではないため、そのような課題を有さないものである。 すなわち、引用発明と引用文献Bは、それぞれの構成の「メニューボタン」と「サムネイル画像TM」について、そのユーザインタフェース要素としての機能が異なるものであり、後者における解決しようとする課題が、前者にも存在するものと、当業者が認識するとはいえない。 したがって、引用発明の「メニューボタン」に上記引用文献Bの技術的事項である「サムネイル画像TM」を組み合わせることは想定することができず、相違点2に係る本願発明1の上記構成を容易に想到することはできない。 また、相違点2に係る本願発明1の上記構成は、本願優先日前に周知技術であるともいえない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献3、4及びBに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2?9について 本願発明2?7も、上記相違点2に係る本願発明1の上記構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献3、4及びBに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 また、本願発明8は、本願発明1?7を引用する形式で、本願発明1の方法を実行するための命令を含む、電子デバイスの発明であり、本願発明9は、本願発明1?7を引用する形式で、本願発明1の方法を実行させる命令を有するコンピュータプログラムの発明であるから、請求項8及び9のいずれも、上記相違点2に係る本願発明1の上記構成と同一の構成を備えるものであるため、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献3、4及びBに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第8 原査定についての判断 令和3年7月6日になされた手続補正により、補正後の請求項1?9は、「前記タッチ入力の前記強度が増加するにつれて拡大する前記第1コンテンツの表現のプレビューを表示することを含む、」という構成を有するものとなった。当該構成は、原査定における引用文献A、C、D(当審拒絶理由における引用文献1、3、4)及び引用文献Bには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1?9は、当業者であっても、原査定における引用文献A?Dに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-11-16 |
出願番号 | 特願2018-22394(P2018-22394) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 円子 英紀 |
特許庁審判長 |
稲葉 和生 |
特許庁審判官 |
角田 慎治 富澤 哲生 |
発明の名称 | ジェスチャに応答して表示状態間を遷移するためのデバイス、方法、及びグラフィカルユーザインタフェース |
代理人 | 特許業務法人大塚国際特許事務所 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 下山 治 |
代理人 | 永川 行光 |