現在、審決メルマガは配信を一時停止させていただいております。再開まで今暫くお待ち下さい。

  • ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01N
管理番号 1379688
審判番号 不服2021-7327  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-04 
確定日 2021-11-30 
事件の表示 特願2017-121434「超臨界流体クロマトグラフ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月17日出願公開、特開2019- 7765、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年6月21日の出願であって、令和2年9月15日付けで拒絶理由が通知され、同年11月16日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和3年3月1日付けで拒絶査定(原査定)がされたところ、これに対し、同年6月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和3年3月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術事項及び引用文献1ないし3に記載された技術常識に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
引用文献1:特開2010-101875号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2016/0187304号明細書
引用文献3:米国特許出願公開第2003/0034307号明細書

第3 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和2年11月16日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

(本願発明1)
「 二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源と、
モディファイアを供給するモディファイア供給源と、
前記二酸化炭素供給源により供給される二酸化炭素と前記モディファイア供給源により供給されるモディファイアとを合流させる合流部と、
前記合流部で合流した二酸化炭素とモディファイアが流れる分析流路と、
前記分析流路中に試料を注入する試料注入部と、
前記分析流路上の前記試料注入部よりも下流に設けられ、前記試料注入部により注入された試料を成分ごとに分離する分離カラムと、を備え、
前記二酸化炭素供給源は、前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間の位置で、前記分析流路を流れる流体にモディファイアを含まない二酸化炭素のみをさらに添加するように構成され、
前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間に、前記分析流路を流れる流体と前記二酸化炭素供給源により供給される二酸化炭素とを混合するミキサが設けられている、超臨界流体クロマトグラフ。」

なお、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2010-101875号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審において付加した。以下同様。)。

(引1-ア)「【0002】
二酸化炭素(CO2)等を用いた超臨界流体クロマトグラフィー(Supercritical fluid chromatography:SFC)は有機溶媒を用いる液体クロマトグラフィー(Liquid chromatography:LC)の代わりに利用できる分離精製法として注目されている。SFCは流体の粘性が低く、カラム効率を低下させることなく流速を上げて短時間で分離を行うことが可能である。特に光学異性体の分離、高分子オリゴマーの重合単位での分離で使用され、環境負荷が小さく、ランニングコストが安価、溶媒除去のための後工程も少なく酸化しやすい物質や熱に不安定な物質にも適している。
このようなSFCは海外では環境保全の観点からも注目されている。
ところで、検出感度が低いサンプルのため大量注入する場合、あるいは分取を行う場合には、試料溶液を数?数十mLのオーダーでカラムに導入することもある。このような例が図1に示されている。
【0003】
同図に示す分取SFC装置は、超臨界流体を供給する超臨界流体供給部12と、補助溶媒を供給するモディファイア供給部14と、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16と、試料インジェクタ36を含む試料注入部18と、カラム38を含む試料分離部20と、検出部22と、自動背圧調整弁24とを備える。
そして、前記超臨界流体供給部12は、二酸化炭素ボンベ26と、該ボンベ26から供給される二酸化炭素を昇圧送給するポンプ28及び定温化する循環恒温槽30とを備える。また、前記モディファイア供給部14は、モディファイア溶媒容器32と、モディファイアを昇圧送給するポンプ34を備える。そして、各供給部12,14からの超臨界流体及び補助溶媒は、各ポンプ28,34の流量比に応じた組成比の流体となり、アキュムレーター16で混合され、移動相として試料注入部18に供給される。
試料は通常、有機溶媒等の液体に溶解された試料溶液の状態で供給され、試料インジェクタ36のサンプルループに満たされる。その後、試料インジェクタの高圧バルブを切り換えることにより、サンプルループが移動相の流路内に導入され、結果として前記試料溶液が流路内に導入される。このとき、試料溶液が配管内を満たし、移動相流路に試料バンドを形成する。これにより、その後、試料溶液は前記試料バンドとしてカラムトップに到達するため、カラムトップにおける試料溶液濃度は必然的に極めて高くなる。
【0004】
すなわち、上記のような従来システムの場合、カラムにおいて、本来は各ポンプ28,34の流量比に応じた組成比の流体で試料の展開が行なわれるべきところ、溶出力の強い試料溶液の溶媒濃度が高くなるため、一部試料の保持時間が短くなる。ゆえに、カラムから溶出するピークはリーディングし、ピークの立ち上がりから、立下がりまでの時間が長くなってしまうことがあった。このようなリーディングは、導入する試料溶液が増えるにしたがって顕著となり、同一絶対量の試料を、少量の溶媒に溶解させて導入した場合には分離したピークが得られるものの、同試料を多量の溶媒に溶解させて導入するとピークが不分離となってしまう場合があった。
したがって、カラムに導入時における移動相に対する試料溶液の濃度を調整し、ピークの立ち上がり及び立下がり時間を短くすることは、SFCにおける測定精度の向上に繋がるものとして、その解決手段が検討されてきた。また、分取精製の観点においても、前記リーディングが解消すれば高濃度の回収物が得られることとなり、別途条件を調整して分離時間を短縮すれば、生産性を劇的に向上させることが可能となる。さらに、試料成分を高濃度で回収することができれば、その後の蒸散、濃縮等の工程を大幅に短縮することも可能となる。」

(引1-イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料分離ピークのリーディングが少なく、クロマトグラフ測定精度及び分取精製の生産性に優れた超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料注入装置及び試料注入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者等が鋭意検討を行なった結果、超臨界流体供給部から供給される超臨界流体と、モディファイア供給部から供給される補助溶媒(モディフィア)とを混合して移動相とし、移動相がカラムトップに至るまでの流路において、該流路の上流から下流にバイパス流路を設置し、バイパス流路に移動相を流しながら主流路より試料溶液を注入することによって、カラムトップにおける試料溶液濃度を低下せしめ、延いては分離ピークのリーディングの抑制が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。」

(引1-ウ)「【0014】
本発明にかかる超臨界流体クロマトグラフィー装置における試料注入装置の構成を具体的に説明する。
本発明にかかる試料注入装置を備えた超臨界流体クロマトグラフィー装置の構成例を図2に示す。同図に示す超臨界流体クロマトグラフィー装置は、超臨界流体を供給する超臨界流体供給部12と、補助溶媒を供給するモディファイア供給部14と、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16と、試料インジェクタ36を含む試料注入部18と、カラム38を含む試料分離部20と、検出部22と、自動背圧調整弁24とを備える。
そして、前記超臨界流体供給部12は、二酸化炭素ボンベ26と、該ボンベ26から供給される二酸化炭素を昇圧送給するポンプ28及び定温化する循環恒温槽30とを備える。また、前記モディファイア供給部14は、モディファイア溶媒容器32と、モディファイアを昇圧送給するポンプ34を備える。そして、各供給部12,14からの超臨界流体及び補助溶媒は、各ポンプ28,34の流量比に応じた組成比の流体となり、アキュムレーター16で混合され、移動相として試料注入部18に供給される。試料注入部18において、前記移動相流路は主流路及び、該主流路の上下流を接続するバイパス流路40によって構成され、主流路に試料を注入するための試料インジェクタ36が設置されている。
【0015】
本発明において試料は、有機溶媒等の液体に溶解された試料溶液の状態で供給され、試料インジェクタ36のサンプルループに満たされる。その後、試料インジェクタ36の高圧バルブを切り換えることにより、サンプルループが移動相の流路内に導入され、結果として前記試料溶液が流路内に導入される。
前記試料溶液注入時において、超臨界流体供給部12より供給される超臨界流体と、モディファイア供給部14より供給される補助溶媒は、アキュムレーター16において混合された移動相として、試料インジェクタ36が設置された主流路と、バイパス流路40の両方に供給される。この構成により、主流路のサンプルループ内の試料溶液と、バイパス流路に供給される移動相(超臨界流体及び補助溶媒)の混合流体がカラム38へ導入され、カラムトップにおける試料溶液の濃度を下げることができる。よって、試料を溶解する溶媒によるピークのリーディングを防ぎ、ピークの立ち上がりから立ち下がりまでの時間を短縮し、試料分取の生産性を著しく向上することが可能となる。
カラム38によって分離された試料成分は、背圧調整弁24から溶出され、これをフラクションコレクタ等で収集することにより分取することができる。
【0016】
次に、本発明にかかる試料注入装置における試料溶液の注入方法について説明する。
図3は、図2に示す本発明にかかる超臨界流体クロマトグラフィー装置の本発明に相当する試料注入部18において、試料溶液が注入される段階を模式的に表したものである。
図3(a)は、アキュムレーター16を経た移動相が主流路及びバイパス流路40を通ってカラムへ流れる様子を示している。図中の矢印は移動相の流れる方向、斜線は移動相を表す。
図3(b)は、(a)に試料溶液を注入した直後の様子を示している。すなわち、試料インジェクタ36のサンプルループ内の試料溶液が移動相に供給されると、流路内が試料溶液で満たされ、図中に黒く示す試料バンドが形成される。従来の装置では、試料溶液がこのようなバンド状態でカラムトップへ導入されるため、試料を溶解している溶媒の影響を大きく受け、測定時にリーディングが生じることがあった。
一方、本発明にかかる装置においては、図3(c)に示すように、試料バンドがバイパス流路40の合流点に至ると、該バイパス流路より流入する移動相と試料溶液が混合され、両者が共にカラムへ導入されることになるため、カラムトップにおける試料溶液の濃度が従来に比べ大幅に低減される。このような機序に基づき、本発明にかかる試料注入装置によって、試料を溶解している溶媒に起因するリーディングを抑制することが可能となる。」

(引1-エ)「【0021】
さらに、本発明にかかる超臨界流体クロマトグラフィー装置おいては、上記した移動相の流路抵抗調整手段のほかに、バイパス流路40から移動相中へ別途溶媒を注入し、これを試料溶液とともにカラムへ導入することによって、試料溶液による測定への影響を抑えることもできる。
図4(d)は、主流路における試料インジェクタ36とは別に、バイパス流路40上に液体インジェクタ48を設置した装置を示している。本発明において、主流路に設置した試料インジェクタ36は、試料溶液注入用として使用するものであるが、バイパス流路40に設置した液体インジェクタ48は、試料の溶出力が弱い溶媒を導入するために設置されたものである。
例えば、液体インジェクタ48のサンプルループを、試料インジェクタ36のサンプルループの2倍とし、そのループ内には測定試料の溶出力が弱い溶媒を充填しておく。液体インジェクタ48のサンプルループ内の溶媒の1/4が移動相へ流れ出すタイミングで、主流路の試料インジェクタ36を作動させ、試料溶液の導入を開始する。すると、試料インジェクタ36のサンプルループの試料溶液が全て移動相へ流れ出すタイミングは、液体インジェクタ48のサンプルループ内の溶媒の3/4が流出したタイミングとなり、それ以降は液体インジェクタ48のサンプルループ内の溶媒の1/4が、カラムへ向けて流れ出すことになる。すなわち、試料インジェクタ36より注入された試料溶液の前後及び注入中に溶出力の弱い溶媒が一緒にカラムへ導入されることとなり、カラムトップにおける試料を溶解している溶媒によるリーディングが抑制される。
【0022】
また、本発明にかかる超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料注入方法は、超臨界流体を含む移動相に注入した試料溶液を、移動相流路に導通したカラムにおいて分離する超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料注入方法であって、前記移動相流路の主流路と、その上下流を接続するバイパス流路とを通じてカラムへ移動相を供給する工程と、前記バイパス流路によって迂回された主流路へ試料溶液を注入する工程とを含むものである。
本方法の具体例としては、例えば、前述の本発明にかかる試料注入装置における試料溶液の注入方法を挙げることができる。すなわち、本方法は、図3(a)?(c)に示すように、バイパス流路40によって迂回された主流路、すなわち、試料インジェクタ36に相当する部分に試料溶液を注入することを意図している。そして、前記試料溶液の注入工程においては、移動相が主流路とこれをバイパス流路の両方に供給されていることが好ましい。このような試料注入方法とすることによって、試料注入前、試料注入中、試料注入後の全てに亘り、主流路及びバイパス流路を通じて移動相を一定の流量でカラムへ送り続けることができ(図3(a)?(c))、クロマトグラム測定におけるリーディングの原因である試料バンドの形成を抑制することができる。また、移動相に補助溶媒を添加する場合においても、移動相中の超臨界流体と補助溶媒の組成比を、試料注入前、試料注入中、試料注入後に亘って一定に維持することができる。」

(引1-オ)「【0024】
また、本発明にかかる試料注入方法において、バイパス流路から移動相へ試料の溶出が弱い溶媒を注入することが好適である。前記溶媒の注入は、例えば、図4の(d)に示すような、液体インジェクタ48の設置により行なうことができる。特に、主流路における試料溶液の注入時に、バイパス流路から試料の溶出力が弱い溶媒を別途注入することにより、試料溶液に起因するリーディングが抑制される。
【0025】
本発明において試料溶液とは、カラムにおいて分離する試料が適当な溶媒に溶解/分散されたものを示す。本発明において使用する溶媒の種類に制限はないが、一般に、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、水等を好適に用いることができる。
また、本発明において、試料溶液を注入する手段としては、液体クロマトグラフィーにおいて一般的に使用されるループインジェクタを用いることが好ましい。」

(引1-カ)【図2】




(引1-キ)【図3】





(引1-ク)【図4】(d)




2 引用文献1に記載された発明
(1)上記(引1-カ)の【図2】から、超臨界流体供給部12からの流路とモディファイア供給部14からの流路との合流点から自動背圧調整弁24に至る移動相流路が形成されており、当該移動相流路の上流側から、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16、試料インジェクタ36を含む試料注入部18、カラム38を含む試料分離部20、及び検出部22が配置されていることが見て取れる。

(2)上記(1)を踏まえると、上記(引1-ア)ないし(引1-ク)の記載から、引用文献1には、
「 超臨界流体を供給する超臨界流体供給部12と、補助溶媒を供給するモディファイア供給部14と、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16と、試料インジェクタ36を含む試料注入部18と、カラム38を含む試料分離部20と、検出部22と、自動背圧調整弁24とを備える超臨界流体クロマトグラフィー装置であって、
超臨界流体供給部12からの流路とモディファイア供給部14からの流路との合流点から自動背圧調整弁24に至る移動相流路が形成されており、当該移動相流路の上流側から、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16、試料インジェクタ36を含む試料注入部18、カラム38を含む試料分離部20、及び検出部22が配置されており、
超臨界流体供給部12は、二酸化炭素ボンベ26と、該ボンベ26から供給される二酸化炭素を昇圧送給するポンプ28及び定温化する循環恒温槽30とを備え、
モディファイア供給部14は、モディファイア溶媒容器32と、モディファイアを昇圧送給するポンプ34を備え、
各供給部12,14からの超臨界流体及び補助溶媒は、各ポンプ28,34の流量比に応じた組成比の流体となり、アキュムレーター16で混合され、移動相として試料注入部18に供給され、
試料注入部18において、移動相流路は主流路及び、該主流路の上下流を接続するバイパス流路40によって構成され、主流路に試料を注入するための試料インジェクタ36が設置されており、バイパス流路40に試料の溶出力が弱い溶媒を導入するための液体インジェクタ48が設置されている、
超臨界流体クロマトグラフィー装置。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

3 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2016/0187304号明細書(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。

(引2-ア)「[0003] One type of chromatography system is supercritical fluid chromatography (SFC). SFC with packed columns typically uses an organic solvent, such as methanol, as the strong solvent and highly compressed dense carbon dioxide (CO_(2)) as the weak solvent.
[0004] Conventional chromatography systems disrupt the mobile phase to the chromatographic column in order to pressurize the sample loop and/or introduce the sample loop into the mobile phase, including interrupting flow of the mobile phase to the chromatographic column. That is, the mobile phase flow is essentially disconnected from the column, while the sample loop is pressurized with the mobile phase from a pump outlet before the mobile phase flow is essentially rejoined to the column to again perform the chromatography. The switching of an unpressurized element into the flow stream stops the flow of the mobile phase to the column for the period of time required to pump the mobile phase at or near the volume of the sample loop, and to pressurize the same. Although the interruption of mobile phase flow may be relatively short in duration for small volume sample loops (e.g., less than about 10 l) typically used in analytical SFC, it is still undesirable. Further, for large volume partially filled sample loops (e.g. volumes greater than 20 l), or very large volumes associated with solid phase extraction (SPE) cartridges or other types of pre-columns (e.g., greater than about 250 l), the interruption is significant, sometimes lasting for more than 7 seconds, for example, and causing pressure impulse perturbations greater than 50 bar. During this period, the mobile phase pumping system, and thus the mobile phase at the head of the column, loses pressurization.
[0005] In addition to interruption of the flow of mobile phase or other fluid components to the chromatographic column while the sample loop is being pressurized, disruption of the mobile phase may further include the mobile phase within the column flowing backwards from the column into the sample loop if the sample loop is not isolated during the pressurization. The insertion of an unpressurized volume into the flow stream feeding the column can cause a negative pressure gradient between the unpressurized sample loop and the highly pressurized head of the column. This negative pressure gradient causes a disruption where the mobile phase can flow out of the head of the column to fill the void created by the unpressurized loop. A backwards flow within the head of the column is considered poor practice as it can lead to failures in the column's packing
[0006] It is therefore desirable to inject sample into a loop, to pressurize the sample loop and to introduce the pressurized sample loop into the mobile phase without disrupting the mobile phase, such as interrupting flow of the mobile phase into the column.」
(当審訳:[0003] クロマトグラフィーシステムの1つのタイプは、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)である。充填カラムを備えたSFCは、通常、強溶媒としてメタノールなどの有機溶媒を使用し、弱溶媒として高度に圧縮された高密度二酸化炭素(CO_(2))を使用する。
[0004] 従来のクロマトグラフィーシステムは、サンプルループを加圧するため、及び/又はサンプルループを移動相に導入するために、クロマトグラフィーカラムへの移動相の流れを中断することを含めて、クロマトグラフィーカラムへの移動相を遮断する。すなわち、移動相流は本質的にカラムから切り離され、その間、移動相流が本質的にカラムに再結合されて再びクロマトグラフィーを実行する前に、サンプルループはポンプ出口からの移動相で加圧される。加圧されていない要素を流れ導入する切り替えは、サンプルループの容量又はその近くまで移動相をポンプし、それを加圧するのに必要な時間の間、カラムへの移動相の流れを停止させる。分析用SFCで通常使用される少量のサンプルループ(例えば、約10μl未満)の場合、移動相の流れの中断の持続時間は比較的短いかもしれないが、それでも望ましくない。さらに、部分的に満たされた大容量のサンプルループ(例えば、20μlを超える量)、又は固相抽出(SPE)カートリッジ若しくは他のタイプのプレカラム(例えは、約250μlを超える)に関連する非常に大容量の場合、中断は重大であり、例えば7秒以上続くこともあり、50バールを超える圧力インパルス摂動を引き起こす。この期間中、移動相ポンプシステム、したがってカラムヘッドの移動相は加圧を失う。
[0005] サンプルループが加圧されている間、クロマトグラフィーカラムへの移動相又は他の流体成分の流れの中断に加えて、加圧中にサンプルループが分離されていなければ、移動相の中断は、カラム内の移動相のカラムからサンプルループへの逆流を更に含み得る。カラムに供給する流れに非加圧ボリュームを挿入すると、非加圧サンプルループと高圧カラムのヘッドの間に負の圧力勾配が生じる可能性がある。この負の圧勾配は、加圧されていないループによって作成されたボイドを埋めるために移動相がカラムのヘッドから流出できた所に、崩壊を発生させる。カラムのヘッド内での逆流は、カラムの充填剤の故障につながる可能性があるため、不適切な方法と見なされる。
[0006] したがって、移動相のカラムへの流れを中断するなど、移動相を崩壊させることなく、サンプルをループに注入し、サンプルループを加圧し、加圧されたサンプルループを移動相に導入することが望ましい。)

(引2-イ)「[0019] Referring to FIG. 1, chromatography system 100 includes mobile phase pumping system 110, sample introducing apparatus 120, separation unit 130, detection unit 140 and (optionally) a fraction collection unit 150. The mobile phase pumping system 110 is configured to receive at least two fluids, referred to as first solvent and second solvent, from first reservoir 101 and second reservoir 102, respectively. Typically, the fluids received by the mobile phase pumping system 110 include a weak solvent and a strong solvent, which are mixed in various proportions to provide a combined solvent in a flowstream of the mobile phase, as discussed below. For example, in an SFC system, the first solvent provided by the first reservoir 101 is a weak solvent, such as carbon dioxide (CO_(2)) or nitrous oxide (N_(2)O), and the second solvent provided by the second reservoir 102 is a strong solvent, such as methanol or other organic solvent. In alternative configurations, the weak solvent may be a liquid, such as pentane, heptane or hexane, for example. In the depicted embodiment, the first solvent is pressurized (or compressed) by a booster pump 103 before being provided to the mobile phase pumping system 110. In an alternative embodiment (not shown), where the weak solvent is not a gas, but a less compressible liquid at ambient pressure, a portion of the first solvent may be directly provided to the mobile phase pumping system 110, that is, before pressurization by the booster pump 103, while the booster pump 103 provides a portion of the first solvent for pressurization usage.」
(当審訳:[0019] 図1を参照すると、クロマトグラフィーシステム100は、移動相ポンプシステム110、サンプル導入装置120、分離ユニット130、検出ユニット140、及び(オプションで)画分収集ユニット150を含む。移動相ポンプシステム110は、第1の溶媒及び第2の溶媒と呼ばれる少なくとも2つの流体を、それぞれ第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102から受け取るように構成される。典型的には、移動相ポンプシステム110によって受け取られる流体は弱溶媒及び強溶媒を含み、これらは、以下に論じられるように、移動相の流れの中で組み合わされた溶媒を提供するために様々な比率で混合される。例えば、SFCシステムにおいて、第1のリザーバ101によって提供される第1の溶媒は、二酸化炭素(CO_(2))又は亜酸化窒素(N_(2)O)などの弱い溶媒であり、第2のリザーバ102によって提供される第2の溶媒は、メタノール又は他の有機溶媒などの強い溶媒である。別の構成では、弱溶媒は、例えば、ペンタン、ヘプタン又はヘキサンなどの液体であり得る。図示の実施形態では、第1の溶媒は、移動相ポンプシステム110に提供される前に、ブースターポンプ103によって加圧(又は圧縮)される。弱い溶媒がガスではなく、周囲圧力でより圧縮性の低い液体である代替の実施形態(図示せず)では、第1の溶媒の一部は、移動相ポンプシステム110に直接、すなわちブースターポンプ103により加圧される前に提供され得る。一方、ブースターポンプ103は、加圧使用のために第1の溶媒の一部を提供する。)

(引2-ウ)「[0025] FIGS. 2A-2C are simplified block diagrams of a representative sample introducing apparatus in various configurations corresponding to steps for delivering pressurized sample via the mobile phase to a separation unit, according to a representative embodiment.
[0026] Referring to FIGS. 2A-2C, sample introducing apparatus 200 includes controllable valve assembly 210, a sample loop 220, and autosampler 230. FIGS. 2A-2C further show booster pump 103, mobile phase pumping system 110 and separation unit 130, discussed above with reference to FIG. 1, to indicate the context of the sample introducing apparatus 200 within a chromatography system (e.g., chromatography system 100). Generally, the sample loop 220 is pressurized and then switched into the mobile phase, thereby introducing pressurized sample to the separation unit 130, while the mobile phase from the mobile phase pumping system 110 remains pressurized and flow to the separation unit 130 is uninterrupted.
[0027] The controllable valve assembly 210 includes a first valve 211 and a second valve 212, both of which are multiple port valves capable of being switched (e.g., by rotation) to various configurations for accommodating different flow paths of the mobile phase and the sample. For example, in the depicted embodiment, both of the first and second valves 211 and 212 are two position, six port switching valves. The first valve 211 includes ports P11-P16 in a stator, and three channels or grooves G11-G13 in a rotor that is rotatable with respect to the stator. Each of the grooves G11-G13 may be arranged to selectively connect any two adjacent ports P11-P16, enabling fluid flow between the connected adjacent ports. Similarly, the second valve 212 includes six ports P21-P26 in a stator, and three channels or grooves G21-G23 in a rotor that is rotatable with respect to the stator. Each of the grooves G21-G23 may be arranged to selectively connect any two adjacent ports P1-P6, enabling fluid flow between the connected adjacent ports. Notably, the various embodiments allow use of standard rotor/groove spacing, that is, without requiring lengthened grooves on either the stator or rotor to provide connection. The sample introducing apparatus 200 may further include a check valve (not shown) on the line entering port P13 of the first valve 211. The check valve is arranged to receive the pressurized first solvent from the booster pump 103, while not allowing back flow into either the booster pump 103 or mobile phase pumping system 110, which could potentially contaminate or alter the mobile phase solvents.
[0028] As mentioned above, FIG. 2A depicts an initial configuration of the valve assembly 210 (first step) for delivering pressurized sample via the mobile phase to the separation unit 130. In particular, FIG. 2A shows a sample loading step in which the sample loop 220 is vented through waste and subsequently loaded, either partially or fully, via the autosampler 230 (e.g., via autosampler needle 231 and corresponding needle seat 232).
[0029] More particularly, the first valve 211 is configured (or switched) such that ports P11 and P16 are joined by groove G11, ports P12 and P13 are joined by groove G12, and ports P14 and P15 are joined by groove G13. In this configuration, the mobile phase (e.g., comprising combined weak and strong solvent) is received from the mobile phase pumping system 110 at port P11 and exits port P16 to the separation unit 130 of the chromatography system 100. In other words, the first valve 211 directs the mobile phase directly from the mobile phase pumping system 110 into the separation unit 130, bypassing the sample loop 220. Meanwhile, the pressurized first (e.g., weak) solvent is received from the booster pump 103 at port P13, exits port P12 of the first valve 211, is received at port P21 of the second valve 212, passes through groove G21 and exits port P26. The pressurized first solvent is then received at port P15 and exits port P14 of the first valve 211. Port P14 of the first valve 211 is plugged, causing the above-described path from P13 to P14 to fill with the pressurized first solvent at the pressure produced by the booster pump 103.
[0030] The second valve 212 is configured (or switched) such that ports P21 and P26 are joined by groove G21, ports P22 and P23 are joined by groove G22, and ports P24 and P25 are joined by groove G23. In this configuration, the mobile phase is received at port P21 from port P12 of the first valve 211, and returned from port P26 to port P15 of the first valve 211, as described above. The remaining ports are configured to load the sample loop 220 from the autosampler 230. That is, the metering device 233 draws the sample (comprising sample solvent and analytes) from a sample vial (e.g., vial 160) through the needle 231 and subsequently ejects the sample into the needle seat 232, thus pushing the extracted sample through the needle seat 232 into port P23 of the second valve 212. The sample exits from port P22 and enters the sample loop 220, loading the sample loop to a prescribed volume. If the sample loop 220 is filled, excess sample exits the sample loop 220, enters port P25 of the second valve 212, and exists port P25 to waste.
[0031] In an embodiment, the sample loop 220 may be implemented with a retentive cartridge, such as an SPE cartridge or pre-column. Such retentive cartridges typically have much larger volumes (e.g., greater than about 250 l), as compared to a volume of traditional sample loops (e.g., between about 5 l and about 10 l). Due to the larger volume of an SPE cartridge, for example, sample is loaded into the sample loop 220 using an SPE interface (not shown), as which may utilize autosampler 230. The SPE interface loads sample onto the SPE cartridge with autosampler 230 in a manner described above. Multiple cycles of drawing the sample and ejecting into the SPE cartridge may be performed to fill or overfill the SPE cartridge as desired for a typical analysis. The SPE interface is further configured to subsequently remove at least some or most of the sample solvent of the sample from the SPE cartridge, while leaving sample analytes retained in the SPE cartridge. In an SFC system using an SPE interface, sample solvent removal may be performed by passing an inert gas, such as nitrogen (at an illustrative pressure of 250 psi) through the SPE cartridge. In such an embodiment, the nitrogen supply would alternately enter port P23 of the second valve 212 to provide the flow through the SPE cartridge. A selection valve (not shown) positioned immediately upstream of port P23 could readily alternate between an autosampler, a nitrogen flow, or even additional conditioning solvent flows in satisfying the requirements of the SPE interface. Notably, a retentive cartridge may be exchangeable, such that different retentive cartridges may be used for different solvents and/or different analyses.
[0032] FIG. 2B depicts a subsequent configuration of the valve assembly 210 (second step) for delivering pressurized sample via the mobile phase to the separation unit 130. In particular, FIG. 2B shows pressurization of the sample in the sample loop 220 with the pressurized first solvent, while the mobile phase continues to be directed directly into the separation unit 130.
[0033] More particularly, the first valve 211 remains in the same orientation or configuration, such that ports P11 and P16 are joined by groove G11, ports P12 and P13 are joined by groove G12, and ports P14 and P15 are joined by groove G13. In this configuration, the mobile phase continues to be provided directly to the separation unit 130 via port P11 and port P16 of the first valve 211. Also, the pressurized first solvent continues to be received from the booster pump 103 at port P13, and passed to the second valve 212 from port P12 of the first valve 211.
[0034] However, as shown in FIG. 2B, the second valve 212 is been configured (or switched) such that ports P21 and P22 are joined by groove G21, ports P23 and P24 are joined by groove G22, and ports P25 and P26 are joined by groove G23. In this configuration, the second valve 212 stops loading the sample into the sample loop 220, and the pressurized first solvent is received at port P21 from port P12 of the first valve 211, and provided to the sample loop 220 (or a retentive device, column, or SPE cartridge) via port P22, thereby pressurizing the sample in the sample loop 220. The output of the sample loop 220 (e.g., a mixture of the first solvent and the sample) is connected to port P25, which is connected to port P26 of the second valve 212. The output of port P26 is connected to port P15 of the first valve 211, which is connected to plugged port P24, as described above. Once the sample loop 220 is pressurized to the pressure provided by booster pump 103, there will not be any flow through the sample loop 220. Meanwhile, the sample provided by the autosampler 230 (or the corresponding interface, such as an SPE interface) is received by port P23, and exits port P24 of the second valve 212 to waste. In this manner, the mobile phase from the mobile phase pumping system 110 remains in direct communication with the separation unit 130, without interruption or other disturbance, while the sample loop 220 is being pressurized.
[0035] Notably, in above description, the second valve 212 was switched by rotating the rotor counter-clockwise with respect to the stator. However, this direction of movement is merely for purposes of illustration, and it is understood that the same practical configuration may be obtained by rotating the rotor of the second valve 212 clockwise with respect to the stator. In this case, ports P21 and P22 would be joined by groove G22, ports P23 and P24 would be joined by groove G23, and ports P25 and P26 would be joined by groove G21, without departing from the scope of the present teachings.
[0036] FIG. 2C depicts a subsequent configuration of the valve assembly 210 (third step) for delivering pressurized sample via the mobile phase to the separation unit 130. In particular, FIG. 2C shows placement of the sample loop 220 containing the pressurized sample into the mobile phase flow stream, thereby injecting the sample into the separation unit 130.
[0037] More particularly, the first valve 211 is configured (or switched) such that ports P11 and P12 are joined by groove G11, ports P13 and P14 are joined by groove G12, and ports P15 and P16 are joined by groove G13. In this configuration, the mobile phase entering the first valve 211 is diverted from through the second valve 212 in order to place the sample loop 220 containing the pressurized sample into the mobile phase, without interrupting flow of the mobile phase (still from port 16) into the separation unit 130. That is, the mobile phase is received from the mobile phase pumping system 110 at port P11 and exits port P12 to the port 21 of the second valve 212. The mobile phase exits port P22 and enters the sample loop 220, thereby placing the pressurized solvent into the combined solvent of the mobile phase. The output of the sample loop 220, now including the mobile phase containing the sample, enters port P25 and exits port P26, which is connected to port P15 of the first valve 211. The sample containing mobile phase enters port P15 and exits port P16, and is directed to the separation unit 130. Meanwhile, the sample provided by the autosampler 230 (or the SPE interface) continues to be received by port P23, and exits port P24 of the second valve 212 to waste. In this manner, the sample loop 220 is switched into the mobile phase, thereby introducing the pressurized sample to the separation unit 130.
[0038] Notably, in above description, the first valve 211 is switched by rotating the rotor counter-clockwise with respect to the stator. However, this direction of movement is merely for purposes of illustration, and it is understood that the same practical configuration may be obtained by rotating the rotor of the first valve 211 clockwise with respect to the stator. In this case, ports P11 and P12 would be joined by groove G12, ports P13 and P14 would be joined by groove G13, and ports P15 and P16 would be joined by groove G11, without departing from the scope of the present teachings.
[0039] Throughout the various steps and corresponding configurations of the valve assembly 210 discussed above with reference to FIGS. 2A-2C, the mobile phase from the mobile phase pumping system 110 remains pressurized while the sample loop 220 is being pressurized. Also, the pressurized sample is introduced into the mobile phase without interrupting delivery of the mobile phase to the separation unit 130. In other words, with all lines leading to and from the sample loop 220 being pressurized, flow of the mobile phase is not interrupted and diverted (temporarily) for pressurization, as in conventional chromatographic systems, thus avoiding mobile phase interruption or other disruption.」
(当審訳:[0025] 図2A?2Cは、代表的なサンプル導入装置の実施形態における簡略化されたブロック図であり、加圧サンプルを移動相を介して分離ユニットに送達するための代表的な実施形態によるステップに対応する様々な構成を表す。
[0026] 図2A?2Cを参照すると、サンプル導入装置200は、制御可能な弁アセンブリ210、サンプルループ220、及びオートサンプラー230を含む。図2A?2Cは、更に、ブースターポンプ103、移動相ポンプシステム110、及び分離ユニット130を示す。これらは、クロマトグラフィーシステム(例えば、クロマトグラフィーシステム100)内のサンプル導入装置200の状況を示すために、図1を参照して先に説明したものである。概して、サンプルループ220は加圧され、次に移動相中に切り替えられ、それによって加圧サンプルを分離ユニット130に導入し、一方、移動相ポンプシステム110からの移動相は加圧されたままであり、分離ユニット130への流れは中断されない。
[0027] 制御可能な弁アセンブリ210は、第1の弁211及び第2の弁212を含み、これらは両方とも複数ポート弁であり、移動相及びサンプルの異なる流路に対応するための様々な構成に(例えば、回転によって)切り替えることができる。例えば、図示の実施形態では、第1及び第2の弁211及び212の両方は、2位置の6ポートスイッチング弁である。第1の弁211は、固定子のポートP11?P16と、固定子に対して回転可能な回転子の3つのチャネル又は溝G11?G13とを含む。溝G11?G13のそれぞれは、ポートP11?P16の隣接する任意の2つを選択的に接続するように配置され得、接続された隣接するポート間の流体の流れを可能にする。同様に、第2の弁212は、固定子に6つのポートP21?P26を含み、固定子に対して回転可能な回転子に3つのチャネル又は溝G21?G23を含む。溝G21?G23のそれぞれは、ポートP1?P6の隣接する任意の2つを選択的に接続するように配置され得、接続された隣接するポート間の流体の流れを可能にする。特に、様々な実施形態は、標準的なローター/溝間隔の使用を可能にし、すなわち、接続を提供するために固定子又は回転子のいずれかに長い溝を必要としない。サンプル導入装置200は、第1の弁211のポートP13に入る流路上に逆止弁(図示せず)をさらに含み得る。逆止弁は、ブースターポンプ103から加圧された第1の溶媒を受け取る一方、移動相溶媒を汚染又は変更する可能性がある、ブースターポンプ103又は移動相ポンプシステム110のいずれへも逆流を許さないように構成される。
[0028]上記のように、図2Aは、加圧サンプルを移動相を介して分離ユニット130に送達するための弁アセンブリ210の初期構成(第1のステップ)を示す。特に、図2Aは、サンプル装填ステップを示し、サンプルループ220が廃棄物を排出され、続いて、オートサンプラ230を介して(例えば、オートサンプラ針231及び対応する針シート232を介して)部分的又は完全に装填される。
[0029] より具体的には、第1の弁211は、ポートP11及びP16が溝G11によって連結され、ポートP12及びP13が溝G12によって連結され、ポートP14及びP15が溝G13によって連結されるように構成される(又は切り替えられる)。この構成では、移動相(例えば、弱溶媒と強溶媒の組み合わせからなる)は、移動相ポンプシステム110からポートP11で受け取られ、ポートP16を出て、クロマトグラフィーシステム100の分離ユニット130に送られる。言い換えれば、第1の弁211は、移動相を、移動相ポンプシステム110から分離ユニット130に直接向かわせ、サンプルループ220をバイパスする。一方、加圧された第1の(例えば、弱い)溶媒は、ブースターポンプ103から第1のバルブ211のポートP13で受け取られ、ポートP12を出て、第2のバルブ212のポートP21で受け取られ、溝G21を通過し、ポートP26を出る。次に、加圧された第1の溶媒は、第1のバルブ211のポートP15で受け取られ、ポートP14を出る。第1の弁211のポートP14が塞がれ、P13からP14への上記の経路が、ブースターポンプ103によって生成される圧力で加圧された第1の溶媒で満たされるようにする。
[0030] 第2の弁212は、ポートP21及びP26が溝G21によって連結され、ポートP22及びP23が溝G22によって連結され、ポートP24及びP25が溝G23によって連結されるように構成される(又は切り替えられる)。この構成では、移動相は、上記のように、第1の弁211のポートP12からポートP21で受け取られ、ポートP26から第1の弁211のポートP15に戻される。残りのポートは、オートサンプラ230からサンプルループ220にロードするように構成される。すなわち、計量装置233は、サンプルバイアル(例えば、バイアル160)から針231を通してサンプル(サンプル溶媒及び分析物を含む)を引き出し、続いて、サンプルを針シート232に排出し、したがって、抽出されたサンプルを針シート232を通して押し出し、第2のバルブ212のポートP23に挿入する。サンプルは、ポートP22を出て、サンプルループ220に入り、サンプルループを所定の容量にロードする。サンプルループ220が満たされると、過剰なサンプルはサンプルループ220を出て、第2の弁212のポートP25に入り、そしてポートP25から出て廃棄される。
[0031] 一実施形態では、サンプルループ220は、SPEカートリッジ又はプレカラムなどの保持カートリッジを用いて実施することができる。そのような保持カートリッジは、通常、従来のサンプルループの容量(例えば、約5μl?約10μl)と比較して、はるかに大きい容量(例えば、約250μlより大きい)を有する。例えば、SPEカートリッジの容量が大きいため、サンプルは、オートサンプラ230を利用することができるSPEインターフェース(図示せず)を使用してサンプルループ220にロードされる。SPEインターフェースは、上記の方法でオートサンプラ230を用いてサンプルをSPEカートリッジにロードする。サンプルを吸引してSPEカートリッジに排出する複数のサイクルを実行して、通常の分析での必要に応じてSPEカートリッジを充填又は過充填することができる。SPEインターフェースは、サンプルの分析物をSPEカートリッジに保持したまま、サンプルのサンプル溶媒の少なくとも一部又は大部分をSPEカートリッジから除去するように更に構成されている。SPEインターフェースを使用するSFCシステムでは、サンプル溶媒の除去は、窒素などの不活性ガス(例示的な圧力250psiで)をSPEカートリッジに通すことによって実行できる。そのような実施形態では、窒素供給は、SPEカートリッジを通る流れを提供するために、第2の弁212のポートP23に交互に入るであろう。ポートP23のすぐ上流に配置された選択バルブ(図示せず)は、SPEインターフェースの要件を満たすために、オートサンプラー、窒素フロー、又は追加のコンディショニング溶媒フローを簡単に切り替えることができる。特に、保持カートリッジは交換可能であり得、その結果、異なる保持カートリッジが異なる溶媒及び/又は異なる分析に使用され得る。
[0032] 図2Bは、加圧サンプルを移動相を介して分離ユニット130に送達するための、弁アセンブリ210のその後の構成(第2のステップ)を示す。特に、図2Bは、加圧された第1の溶媒によるサンプルループ220内のサンプルの加圧を示し、その間、移動相が分離ユニット130に直接向けられる。
[0033] より具体的には、第1の弁211は同じ向き又は構成のままであり、ポートP11及びP16が溝G11によって連結され、ポートP12及びP13が溝G12によって連結され、ポートP14及びP15が溝G13によって連結される。この構成では、移動相は、第1の弁211のポートP11及びポートP16を介して分離ユニット130に直接提供され続ける。また、加圧された第1の溶媒は、引き続きブースターポンプ103からポートP13で受け取られ、第1の弁211のポートP12から第2の弁212に渡される。
[0034] ただし、図2Bに示すように、第2の弁212は、ポートP21及びP22が溝G21によって連結され、ポートP23及びP24が溝G22によって連結され、ポートP25及びP26が溝G23によって連結されるように構成される(又は切り替えられる)。この構成では、第2の弁212は、サンプルをサンプルループ220にロードすることを停止し、加圧された第1の溶媒は、第1の弁211のポートP12からポートP21で受け取られ、ポートP22を介してサンプルループ220(又は保持装置、カラム、若しくはSPEカートリッジ)に提供され、それによってサンプルループ220内のサンプルを加圧する。サンプルループ220の出力(例えば、第1の溶媒とサンプルの混合物)は、ポートP25に接続され、それは第2のバルブ212のポートP26に接続されている。ポートP26の出力は、第1のバルブ211のポートP15に接続されており、前述のように、それはプラグされたポートP24に接続されている。サンプルループ220がブースターポンプ103によって提供される圧力に加圧されると、サンプルループ220を通る流れはない。一方、オートサンプラ230(又はSPEインターフェースなどの対応するインターフェース)によって提供されるサンプルは、第2のバルブ212のポートP23によって受け取られ、ポートP24を出て廃棄される。このようにして、サンプルループ220が加圧されている間、移動相ポンプシステム110からの移動相は、中断又は他の妨害なしに、分離ユニット130と直接接続したままである。
[0035] 特に、上記の説明では、第2の弁212は、回転子を固定子に対して反時計回りに回転させることによって切り替えられた。しかしながら、この移動方向は単に説明のためであり、第2の弁212の回転子を固定子に対して時計回りに回転させることによって同じ実際の構成が得られることが理解される。この場合、本教示の範囲から逸脱することなく、ポートP21及びP22は溝G22によって連結され、ポートP23及びP24は溝G23によって連結され、ポートP25及びP26は溝G21によって連結される。
[0036] 図2Cは、加圧サンプルを移動相を介して分離ユニット130に送達するための弁アセンブリ210のその後の構成(第3のステップ)を示す。特に、図2Cは、加圧されたサンプルを含むサンプルループ220の移動相流への配置を示し、それにより、サンプルを分離ユニット130に注入する。
[0037] より具体的には、第1の弁211は、ポートP11及びP12が溝G11によって連結され、ポートP13及びP14が溝G12によって連結され、ポートP15及びP16が溝G13によって連結されるように構成される(又は切り替えられる)。この構成では、第1の弁211に入る移動相は、分離ユニット130への移動相の流れを中断することなく(依然としてポート16から)、加圧サンプルを含むサンプルループ220を移動相に配置するために、第2の弁212を通って迂回される。すなわち、移動相は、ポートP11で移動相ポンプシステム110から受け取られ、ポートP12を出て、第2の弁212のポート21に向かう。移動相はポートP22を出てサンプルループ220に入り、それによって加圧溶媒を移動相の混合溶媒に入れる。サンプルループ220の出力は、今やサンプルを含む移動相を含み、ポートP25に入り、第1のバルブ211のポートP15に接続されているポートP26を出る。移動相を含むサンプルは、ポートP15に入り、ポートP16を出て、分離ユニット130に向けられる。その間、オートサンプラ230(又はSPEインターフェース)によって提供されたサンプルは、ポートP23によって引き続き受け取られ、第2のバルブ212のポートP24を出て廃棄される。このようにして、サンプルループ220は移動相に切り替えられ、それによって加圧されたサンプルを分離ユニット130に導入する。
[0038] 特に、上記の説明では、第1の弁211は、回転子を固定子に対して反時計回りに回転させることによって切り替えられる。しかしながら、この移動方向は、単に説明のためであり、第1の弁211の回転子を固定子に対して時計回りに回転させることによって、同じ実際の構成が得られることが理解される。この場合、本教示の範囲から逸脱することなく、ポートP11及びP12は溝G12によって連結され、ポートP13及びP14は溝G13によって連結され、ポートP15及びP16は溝G11によって連結される。
[0039] 図2A?2Cを参照して上で論じた弁アセンブリ210の様々なステップ及び対応する構成を通して、移動相ポンプシステム110からの移動相は、サンプルループ220が加圧されている間、加圧されたままである。また、加圧されたサンプルは、分離ユニット130への移動相の送達を中断することなく、移動相に導入される。言い換えれば、サンプルループ220に出入りするすべてのラインが加圧されている状態で、移動相の流れは、従来のクロマトグラフィーシステムのように、加圧のために(一時的に)中断及び迂回されない。したがって、移動相の中断又は他の崩壊を回避する。)

(引2-エ)FIG.1(図1)




(引2-オ)FIG.2A(図2A)




(引2-カ)FIG.2B(図2B)




(引2-キ)FIG.2C(図2C)




4 引用文献2に記載された技術事項
上記(引2-ア)ないし(引2-キ)の記載から、引用文献2には、
「 超臨界流体クロマトグラフィーシステムにおいて、移動相のカラムへの流れを中断するなど、移動相を崩壊させることなく、サンプルをループに注入し、サンプルループを加圧し、加圧されたサンプルループを移動相に導入するために、
2位置の6ポートスイッチング弁である第1の弁211及び第2の弁212を含む制御可能な弁アセンブリ210を用い、
第1のステップで、
第1の弁211は、移動相を、ポートP11?ポートP16の経路で移動相ポンプシステム110から分離ユニット130に直接向かわせ、サンプルループ220をバイパスし、
加圧された第1の溶媒は、ブースターポンプ103から第1のバルブ211のポートP13?ポートP12、第2のバルブ212のポートP21?ポートP26、第1のバルブ211のポートP15?ポートP14の経路を進み、第1の弁211のポートP14が塞がれ、P13からP14への上記の経路が、ブースターポンプ103によって生成される圧力で加圧された第1の溶媒で満たされるようにし、
オートサンプラ230はサンプルを第2のバルブ212のポートP23に挿入し、サンプルは、ポートP22を出て、サンプルループ220に入り、サンプルループ220を所定の容量にロードし、
第2のステップで、
移動相は、第1の弁211のポートP11及びポートP16を介して分離ユニット130に直接提供され続け、
第2の弁212は、サンプルをサンプルループ220にロードすることを停止し、加圧された第1の溶媒は、第1の弁211のポートP12からポートP21で受け取られ、ポートP22を介してサンプルループ220に提供され、それによってサンプルループ220内のサンプルを加圧し、
第3のステップで、
移動相は、ポートP11で移動相ポンプシステム110から受け取られ、ポートP12を出て、第2の弁212のポート21に向かい、ポートP22を出てサンプルループ220に入り、サンプルループ220の出力はポートP25に入り、ポートP26を出て第1のバルブ211のポートP15に入り、ポートP16を出て、分離ユニット130に向けられ、加圧されたサンプルを分離ユニット130に導入するようにすること。」
及び
「 第1の溶媒として、弱い溶媒を使用することができ、弱い溶媒には、二酸化炭素(CO_(2))又は亜酸化窒素(N_(2)O)があり、ペンタン、ヘプタン又はヘキサンなどの液体も使用し得ること。」
という技術事項(以下、これらを併せて「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。

5 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2003/0034307号明細書(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。

(引3-ア)「[0014] A simplified example diagram of an SFC system in the prior art is illustrated in FIG. 1. The system has a first flow stream 10 containing a mixture of highly compressed fluid, compressible liquid or supercritical fluid. The flow stream supplies liquefied compressed carbon dioxide (CO2) from a fluid supply tank 12. The CO2 is drawn by two supercritical fluid pumps 16 that deliver high-pressure fluid at or near supercritical levels to mixing column 24.
[0015] A second supply stream 11 adds a relatively incompressible liquid to the system as a modifier to the first flow stream. Methanol is a common fluid to add as a modifier solvent into an SFC system, although other modifiers are used depending on the sample to be separated. Modifier is drawn from a supply tank 14 by one or more pumps 18. The modifier flow stream 11 and CO2 flow stream 10 are combined together and enter a mixing column 24. The resultant combination is a mixture of modifier dissolved into the gaseous fluid that is at or near supercritical state. For a better understanding of the present invention, a more detailed explanation of the problems in SFC injections follows.
[0016] Injection valve 20 in traditional chromatography systems is located downstream of mixing column 24 and upstream of chromatography column 26. The valve 20 is typically placed upstream of the chromatography column 26 to mix the sample with the combined flow streams prior to entering column 24. The sample to be separated and analyzed is manually introduced by syringe into an injection valve 20, such as a fixed-loop injector, that injects the sample of interest into the flow stream. After separation of the sample occurs in the column 26 , the elution mixture passes from the column outlet into a detector 28.」
(当審訳:[0014] 従来技術におけるSFCシステムの簡略化された例示的な図が図1に示されている。システムは、高度に圧縮された流体、圧縮可能な液体、又は超臨界流体の混合物を含む第1の流れ10を有する。当該流れは、流体供給タンク12から液化圧縮二酸化炭素(CO_(2))を供給する。CO_(2)は、超臨界レベル又はその近くの高圧流体を混合カラム24に送達する2つの超臨界流体ポンプ16によって引き出される。
[0015] 第2の供給流れ11は、第1の流れのモディファイア調整剤として、比較的非圧縮性の液体をシステムに追加する。メタノールは、SFCシステムにモディファイア溶媒として追加する一般的な流体であるが、分離するサンプルに応じて他のモディファイアが使用される。モディファイアは、1つ又は複数のポンプ18によって供給タンク14から引き出される。モディファイア流れ11及びCO_(2)流れ10は合流され、混合カラム24に入る。結果として得られる組み合わせは、超臨界状態又はその近くにあるガス状流体に溶解したモディファイア混合物である。本発明をよりよく理解するために、SFC注入における問題のより詳細な説明が続く。
[0016] 従来のクロマトグラフィーシステムの注入弁20は、混合カラム24の下流かつクロマトグラフィーカラム26の上流に配置されている。弁20は、カラム24に入る前にサンプルを組み合わされた流れと混合するために、典型的には、クロマトグラフィーカラム26の上流に配置される。分離及び分析されるサンプルは、シリンジによって、固定ループインジェクタなどの注入弁20に手動で導入され、対象のサンプルが流れに注入される。カラム26内でサンプルが分離された後、溶出混合物はカラム出口から検出器28に達する。)

(引3-イ)FIGURE 1(図1)




6 引用文献3に記載された技術事項
上記(引3-ア)及び(引3-イ)の記載から、引用文献3には、
「SFCシステムにおいて、モディファイア流れ及びCO_(2)流れの合流後、混合カラムに入れて超臨界状態又はその近くにあるガス状流体に溶解したモディファイア混合物をえること」
という技術事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「超臨界流体供給部12」は、「二酸化炭素ボンベ26と、該ボンベ26から供給される二酸化炭素を昇圧送給するポンプ28及び定温化する循環恒温槽30とを備え」るものであるから、「超臨界流体供給部12」「からの超臨界流体」は、「二酸化炭素」である。
したがって、引用発明の「超臨界流体を供給する超臨界流体供給部12」は、本願発明1の「二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源」に相当する。

イ 引用発明の「補助溶媒」は、本願発明1の「モディファイア」に相当する。
したがって、引用発明の「補助溶媒を供給するモディファイア供給部14」は、本願発明1の「モディファイアを供給するモディファイア供給源」に相当する。

ウ 引用発明の「超臨界流体供給部12からの流路とモディファイア供給部14からの流路との合流点」は、本願発明1の「前記二酸化炭素供給源により供給される二酸化炭素と前記モディファイア供給源により供給されるモディファイアとを合流させる合流部」に相当する。

エ 引用発明の「超臨界流体供給部12からの流路とモディファイア供給部14からの流路との合流点から自動背圧調整弁24に至る移動相流路」は、本願発明1の「前記合流部で合流した二酸化炭素とモディファイアが流れる分析流路」に相当する。

オ 引用発明の「試料注入部18」における「試料を注入するための試料インジェクタ36が設置されて」いる「移動相流路」の「主流路」は、本願発明1の「前記分析流路中に試料を注入する試料注入部」に相当する。

カ 引用発明において、「移動相流路の上流側から、超臨界流体と補助溶媒を混合するアキュムレーター16、試料インジェクタ36を含む試料注入部18、カラム38を含む試料分離部20、及び検出部22が配置されて」いることから、引用発明の「試料分離部20」に含まれる「カラム38」は、本願発明1の「前記分析流路上の前記試料注入部よりも下流に設けられ、前記試料注入部により注入された試料を成分ごとに分離する分離カラム」に相当する。

キ(ア)引用発明の「試料の溶出力が弱い溶媒」と、本願発明1の「モディファイアを含まない二酸化炭素」とは、「追加流体」で共通する。

(イ)引用発明の「液体インジェクタ48」と、本願発明1の「二酸化炭素供給源」とは、「追加流体供給源」で共通する。

(ウ)引用発明の「試料注入部18」における「移動相流路」の「主流路の上下流を接続するバイパス流路40」の位置と、本願発明1の「前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間の位置」とは、「前記分析流路上における前記分離カラムの上流側の位置」で共通する。

(エ)よって、引用発明の「試料注入部18において、移動相流路」の「主流路の上下流を接続する」「バイパス流路40に試料の溶出力が弱い溶媒を導入するための液体インジェクタ48が設置されている」と、本願発明1の「前記二酸化炭素供給源は、前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間の位置で、前記分析流路を流れる流体にモディファイアを含まない二酸化炭素のみをさらに添加するように構成され」とは、「追加流体供給源は、前記分析流路上における前記分離カラムの上流側の位置で、前記分析流路を流れる流体に追加流体のみを添加するように構成され」で共通する。

ク 引用発明の「超臨界流体クロマトグラフィー装置」は、本願発明1の「超臨界流体クロマトグラフ」に相当する。

(2)そうすると、本願発明1と引用発明とは、
「 二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源と、
モディファイアを供給するモディファイア供給源と、
前記二酸化炭素供給源により供給される二酸化炭素と前記モディファイア供給源により供給されるモディファイアとを合流させる合流部と、
前記合流部で合流した二酸化炭素とモディファイアが流れる分析流路と、
前記分析流路中に試料を注入する試料注入部と、
前記分析流路上の前記試料注入部よりも下流に設けられ、前記試料注入部により注入された試料を成分ごとに分離する分離カラムと、を備え、
追加流体供給源は、前記分析流路上における前記分離カラムの上流側の位置で、前記分析流路を流れる流体に追加流体のみを添加するように構成されている、
超臨界流体クロマトグラフ。」
の発明である点で一致し、次の4点において相違する。

(相違点1)
追加流体供給源が、本願発明1においては、「モディファイア供給源により供給されるモディファイアと」の「合流部」に「二酸化炭素」を「供給」する「二酸化炭素供給源」を兼ねているのに対し、引用発明においては、「液体インジェクタ48」であって「超臨界流体を供給する超臨界流体供給部12」を兼ねることは特定されていない点。

(相違点2)
前記分析流路を流れる流体に添加される追加流体が、本願発明1においては、「モディファイアを含まない二酸化炭素」であるのに対し、引用発明においては、「試料の溶出力が弱い溶媒」であって「モディファイアを含まない二酸化炭素」であることは特定されていない点。

(相違点3)
追加流体が添加される前記分析流路上における前記分離カラムの上流側の位置が、本願発明1においては、「前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間の位置」であるのに対し、引用発明においては、「試料注入部18において、移動相流路」の「主流路の上下流を接続する」「バイパス流路40」である点。

(相違点4)
本願発明1においては、「前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間に、前記分析流路を流れる流体と前記二酸化炭素供給源により供給される二酸化炭素とを混合するミキサが設けられている」のに対し、引用発明においては、「試料注入部18」から「カラム38を含む試料分離部20」にかけてミキサが設けられていない点。

(3)判断
ア 事案に鑑み、最初に上記相違点3について検討する。
(ア)引用文献2技術事項は、第2のステップで加圧された第1の溶媒をサンプルループ220に提供し、それによってサンプルループ220内のサンプルを加圧していることから、第1の溶媒を流路に添加しているとみることもできるが、第1の溶媒はサンプルループ220内のサンプルを加圧するために提供されるものであるから、その提供位置は、弁アセンブリ210、サンプルループ220及びオートサンプラ230で構成される、本願発明1でいうところの試料注入部に対応する位置であって、試料注入部と分離ユニット130との間の位置ではない。
したがって、引用文献2技術事項は、「分析流路上における試料注入部と分離カラムとの間の位置に追加流体を添加する」ことを開示するものではない。

(イ)引用文献3技術事項も、「分析流路上における試料注入部と分離カラムとの間の位置に追加流体を添加する」ことを開示していない。

(ウ)また、引用文献1全体の記載を見ても、移動相流路の試料インジェクタ36が設置された位置と試料分離部20に含まれるカラム38との間に液体インジェクタ48を設置することを示唆する記載は見当たらない。

(エ)さらに、「分析流路上における試料注入部と分離カラムとの間の位置に追加流体を添加する」ことが、本願出願時において周知なことであったともいえない。

(オ)したがって、引用文献1ないし3に接した当業者といえども、引用発明において、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を備えたものとすることは、容易に想到し得たこととはいえない。

イ 加えて、引用発明における主流路とバイパス流路40との合流点を追加流体が添加される位置であると解した場合について検討すると、この場合には、バイパス流路40から合流する流体が追加流体となり、上記相違点3は存在しないこととなるが、当該位置には液体インジェクタ48から導入される試料の溶出力が弱い溶媒のみならず、バイパス流路40を流れる移動相に含まれる補助溶媒も添加されることから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項である前記分析流路を流れる流体に添加される追加流体が「モディファイアを含まない二酸化炭素」である構成を満たすものは得られない。

ウ そうすると、引用文献1ないし3に接した当業者といえども、引用発明において、上記相違点2及び3に係る本願発明1の発明特定事項をともに備えたものとすることは、容易に想到し得たこととはいえない。

エ したがって、上記相違点1及び4について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2について
本願発明1を減縮した発明である本願発明2も、本願発明1の「前記分析流路上における前記試料注入部と前記分離カラムとの間の位置で、前記分析流路を流れる流体にモディファイアを含まない二酸化炭素のみを」「添加する」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明2は、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1及び2は、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-11-15 
出願番号 特願2017-121434(P2017-121434)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小澤 理  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 渡戸 正義
伊藤 幸仙
発明の名称 超臨界流体クロマトグラフ  
代理人 妹尾 明展  
代理人 阿久津 好二  
代理人 岸本 雅之  
代理人 江口 裕之  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ