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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1379763
異議申立番号 異議2020-700926  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-11-30 
確定日 2021-09-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6713275号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6713275号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6713275号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6713275号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成27年12月24日に出願され、令和2年6月5日にその特許権の設定登録がされ、同年同月24日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、同年11月30日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、当審において、令和3年3月24日付けで取消理由が通知され、同年5月26日に特許権者である株式会社三共により意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、同年7月7日に特許異議申立人により意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について
1 請求の趣旨
本件訂正請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、というものである。

2 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、」とあるのを、
「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、」(下線は、訂正箇所を示す。以下、同じ。)に訂正する。

(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、」とあるのを、
「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、」に訂正する。

(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、
「表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」とあるのを、
「液晶表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」に訂正する。

(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項3の「液晶表示装置を有する表示ユニットと、を有し、」の後に、
「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」を加える。

(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項4の「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」の後に、
「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」を加える。

(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項5の「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」の後に、
「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(7) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項6の「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」の後に、
「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(8) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項7の「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」の後に、
「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」を加える。

(9) 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記ベースユニットは開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられる」とあるのを、
「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、」に訂正する。

(10) 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項9の「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、」の後に、
「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」を加える。

(11) 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項10の「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」の後に、
「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」を加える。

(12) 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項11の「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」の後に、
「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」を加える。

(13) 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項12の「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」の後に、
「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」を加える。

(14) 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項13の「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」の後に、
「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」を加える。

(15) 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項14の「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」の後に、
「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」を加える。

(16) 訂正事項16
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0007】に、
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの一面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記ベースユニットは開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられる
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
本体部(例えば、筐体1a)と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部(例えば、前面扉1b)と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニット(例えば、共通ユニット200)と、
前記ベースユニットの第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)と、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ベースユニットに対し第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを開放させることでベースユニットの第1領域や第2領域を解放することができるため、メンテナンス性が向上する。また、ベースユニットは板状に形成されているため、開閉扉部を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。」とあるのを、
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
本体部(例えば、筐体1a)と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部(例えば、前面扉1b)と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニット(例えば、共通ユニット200)と、
前記ベースユニットの第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)と、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ベースユニットに対し第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを開放させることでベースユニットの第1領域や第2領域を解放することができるため、メンテナンス性が向上する。また、ベースユニットは板状に形成されているため、開閉扉部を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。」に訂正する。

3 訂正の適否
(1) 訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0016】の「以下において、図1の手前側をスロットマシン1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、スロットマシン1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。」との記載、本件特許明細書の段落【0083】の「前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200と、共通ユニット200の前面上部を開閉可能な上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前面下部を開閉可能な下部開閉ユニット220と、から主に構成され、」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)の第1領域(前面上部)をベースユニット(共通ユニット200)の前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)が導き出せる。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(2) 訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側」を、「前記ベースユニットの前面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0016】の「以下において、図1の手前側をスロットマシン1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、スロットマシン1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。」との記載、本件特許明細書の段落【0083】の「前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200と、共通ユニット200の前面上部を開閉可能な上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前面下部を開閉可能な下部開閉ユニット220と、から主に構成され、」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)の第1領域とは異なる第2領域(前面下部)をベースユニット(共通ユニット200)の前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)が導き出せる。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3) 訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、本件訂正前の「表示装置」を、「液晶表示装置」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、本件訂正前の「表示装置」を、「液晶表示装置」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0084】の「共通ユニット200の上部には開口部201が形成されており、この開口部201には、液晶表示器51を含む表示ユニット202が複数のネジN3等により背面側から交換可能に組付けられている。」との記載から、液晶表示装置(液晶表示器51)を有する表示ユニット(表示ユニット202)が導き出せる。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(4) 訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0114】の「そこで、本実施例のスロットマシン1は、筐体1aを開閉可能とする前面扉1bを、共通ユニット200、上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220といった複数のユニット部材にて構成し、これらのうち上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220ごと交換することで、多数の交換部品をまとめて簡単に交換することができるようにしている。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、ベースユニット(共通ユニット200)に対して交換可能に設けられることが導き出せる。
したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(5) 訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0082】の「図2?図8に示すように、本体部としての筐体1aは、上板、底板、左側板、右側板及び背板により前面に開口1cを有する箱状に形成されている。開閉扉部としての前面扉1bは、開口1cを閉鎖する閉鎖位置と開口1cを開放する開放位置との間で回動可能に設けられ、開口1cを開閉可能としている。」との記載、本件特許明細書の段落【0089】の「共通ユニット200により開口1cが閉鎖された状態において、係止部324A,324Bの被係止部326A,326Bへの係止状態を解除するには、シリンダ錠327の前端面にある鍵穴327Aに遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を挿入し、所定方向(例えば、右回り)に回転させる。これにより、動作板322が下降して係止部324A,324Bが上方に向けて回動して被係止部326A,326Bに対する係止状態が解除されるため、共通ユニット200を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載及び図1から、開閉扉部(前面扉1b)は、遊技機前面側から挿入された鍵(キー328)の操作により本体部(筐体1a)に対して開放可能であることが導き出せる。
したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(6) 訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0094】の「上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部が閉鎖された状態において、係止部354A,354Bの被係止部356A,356Bへの係止状態を解除するには、操作片357を下降させることで、動作板352が下降して係止部354A,354Bが上方に向けて回動して被係止部356A,356Bに対する係止状態が解除されるため、上部開閉ユニット210を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0095】の「尚、操作片357は、上部開閉ユニット210が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、上部開閉ユニット210を開放することができない構成とされている。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)は、開閉扉部(前面扉1bの共通ユニット200)を開放することで操作可能となる第1操作部(操作片357)を操作することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。
したがって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(7) 訂正事項7
ア 訂正の目的について
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0103】の「下部開閉ユニット220により共通ユニット200の前面下部が閉鎖された状態において、係止部364A,364Bの被係止部366A,366Bへの係止状態を解除するには、操作片367を下降させることで、動作板362が下降して係止部364A,364Bが上方に向けて回動して被係止部366A,366Bに対する係止状態が解除されるため、下部開閉ユニット220を開放位置へ回動させることが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0104】の「尚、操作片367は、下部開閉ユニット220が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、下部開閉ユニット220を開放することができない構成とされている。」との記載から、第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、開閉扉部(前面扉1bの共通ユニット200)を開放することで操作可能となる第2操作部(操作片367)を操作することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。
したがって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(8) 訂正事項8
ア 訂正の目的について
訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0096】の「また、図6(B)に示すように、上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部を閉鎖し、係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止された係止状態において、これら係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結されている。これにより、結束バンド358を切断するなどして係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようになるため、上部開閉ユニット210が不正に開放された場合でも、不正に開放された可能性があることを遊技場の店員等が発見することが可能となる。」との記載、本件特許明細書の段落【0097】の「尚、本実施例では、係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結することで係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、結束バンド358で連結する以外の方法(例えば、貼付した場合には破断する封印シールを係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとに跨るように貼付しておくなど)で係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしてもよい。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)は、規制手段(結束バンド358)によりベースユニット(共通ユニット200)に対して開放不能に規制され、規制手段(結束バンド358)を破壊することでベースユニット(共通ユニット200)の前面側に開放可能となることが導き出せる。
したがって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(9) 訂正事項9
ア 訂正の目的について
訂正事項9は、本件訂正前の「前記ベースユニット」が「有」する「開口部」が、「前記第1領域に」あることを限定するとともに、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側」を、「前記ベースユニットの後面側」と限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、本件訂正前の「前記ベースユニット」が「有」する「開口部」が、「前記第1領域に」あることを限定するとともに、本件訂正前の「前記ベースユニットの一面側と反対側の他面側」を、「前記ベースユニットの後面側」と限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0084】の「共通ユニット200の上部には開口部201が形成されており、この開口部201には、液晶表示器51を含む表示ユニット202が複数のネジN3等により背面側から交換可能に組付けられている。」との記載及び図10から、ベースユニット(共通ユニット200)は第1領域(上部)に開口部(開口部201)を有し、該開口部(開口部201)をベースユニット(共通ユニット200)の後面側(背面側)から開閉可能に表示ユニット(表示ユニット202)が設けられることが導き出せる。
したがって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(10) 訂正事項10
ア 訂正の目的について
訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0082】の「図2?図8に示すように、本体部としての筐体1aは、上板、底板、左側板、右側板及び背板により前面に開口1cを有する箱状に形成されている。」との記載から、本体部(筐体1a)は、前面が開口する箱状に形成されることが導き出せる。
したがって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(11) 訂正事項11
ア 訂正の目的について
訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0044】の「また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。」との記載、本件特許明細書の段落【0045】の「遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L,32C,32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0106】の「図2に示すように、筐体1aには、リールユニット2(リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、リールLED55)、ホッパーユニット34(ホッパータンク34a、ホッパーモータ34b、払出センサ34c)、オーバーフロータンク35(満タンセンサ35a)、電源ボックス100(設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39、電源基板101)、遊技制御基板ケース40A(遊技制御基板40)が収容されている。」との記載から、該本体部(筐体1a)の内部には、複数のリールを含むリールユニット(リールユニット2)と、リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)が搭載された遊技制御基板(遊技制御基板40)と、が収容されることが導き出せる。
したがって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(12) 訂正事項12
ア 訂正の目的について
訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0084】の「図5、図7及び図8に示すように、共通ユニット200は、合成樹脂材により正面視縦長長方形状をなす板状部材からなり、開口1cを閉鎖可能な大きさに形成されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0129】の「また、前面扉1bは、共通ユニット200に上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220を取付けていない状態でも、共通ユニット200だけで筐体1aを閉鎖することが可能であることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外した状態でも、筐体1aを閉鎖することができる。」との記載から、ベースユニット(共通ユニット200)は、本体部(筐体1a)の前面開口(開口1c)を塞ぐ板状に形成されることが導き出せる。
したがって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(13) 訂正事項13
ア 訂正の目的について
訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0053】の「演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、演出用モータ等に対してサブ制御部91から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)を伝送するモータ駆動回路99と、その他の回路等、が搭載されている。」との記載、本件特許明細書の段落【0084】の「開口部201は、表示ユニット202が組付けられることにより閉鎖されている。また、表示ユニット202の背面における透過領域3L,3C,3Rの上方には、演出制御基板90が収納された演出制御基板ケース90Aが取付けられている(図4参照)。」との記載から、表示ユニット(表示ユニット202)の後面側に液晶表示装置(液晶表示器51)の制御を行う演出制御手段(サブ制御部91、表示制御回路92)が搭載された演出制御基板(演出制御基板90)が配置されることが導き出せる。
したがって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(14) 訂正事項14
ア 訂正の目的について
訂正事項14は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項14は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0129】の「また、前面扉1bは、共通ユニット200に上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220を取付けていない状態でも、共通ユニット200だけで筐体1aを閉鎖することが可能であることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外した状態でも、筐体1aを閉鎖することができる。」との記載、本件特許明細書の段落【0135】の「また、共通ユニット200は開口部201を有し、開口部201は表示手段としての液晶表示器51を含む表示ユニット202により閉鎖されている。」との記載から、ベースユニット(共通ユニット200)に第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)を取り付けていない状態でも、開閉扉部(前面扉1b)を閉鎖することでベースユニット(共通ユニット200)及び表示ユニット(表示ユニット202)により本体部(筐体1a)の前面開口が塞がれることが導き出せる。
したがって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(15) 訂正事項15
ア 訂正の目的について
訂正事項15は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」なる発明特定事項を加えることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項15は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」なる発明特定事項を加えるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許明細書の段落【0130】の「また、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220は、図17(A)及び図17(B)に示すように、共通ユニット200から取外されたときに、直立状態で設置することが可能である。」との記載から、第1開閉ユニット(上部開閉ユニット210)及び第2開閉ユニット(下部開閉ユニット220)は、ベースユニット(共通ユニット200)から取外されたときに、直立状態で設置することが可能であることが導き出せる。
したがって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(16) 訂正事項16
ア 訂正の目的について
訂正事項16は、訂正事項1-15により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0007】の不明瞭な記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アにて説示のとおり、訂正事項16は、訂正事項1-15に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-15と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アにて説示のとおり、訂正事項16は、訂正事項1-15に係る訂正に整合させるための訂正であるから、訂正事項1-15と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る上記訂正事項1-15に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、上記訂正事項16に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A等は、分説するために当審で付した。)。
「【請求項1】
A 遊技が可能な遊技機であって、
B 本体部と、
C 前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
D 前記開閉扉部は、
E 板状に形成されるベースユニットと、
F 前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
G 前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
H 液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
I 前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
J 前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
K 前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
L 前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
M 前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
N 前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
O 前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
P 該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
Q 前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
R 前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
S 前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
T 前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴とする遊技機。」

第4 特許異議の申立てについて
1 特許異議の申立ての概要
特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1-2号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2004-344503号公報
甲第2号証:特開2014-221267号公報

2 令和3年3月24日付け取消理由の概要
令和3年3月24日付け取消理由通知は、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである、とするものである。

3 令和3年5月26日付け意見書(特許権者)の概要
特許権者は、令和3年5月26日付け意見書において、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項は、構成H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S及びTを有していないから、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものではない旨主張している。

4 令和3年7月7日付け意見書(特許異議申立人)の概要
特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2-5号証に記載された事項、周知技術及び技術常識に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第3号証:平成18年度 標準技術集 遊技機及びその関連技術
第2部パチスロ 2-1-3,3-1-1,3-2-5
各プリントアウト
甲第4号証:特開2015-202382号公報
甲第5号証:特開2007-175387号公報

5 各甲号証に記載された事項
(1) 甲第1号証
甲第1号証には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下、同じ。)。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能なスロットマシンに関わり、特に機種変更時等における装置や部品等の交換作業を容易に行うことが出来る遊技球を用いたスロットマシンに関する。」

イ 「【0013】
まず、図1は、本発明が適用された遊技機の一例である遊技球としてのパチンコ球を用いたスロットマシン1の正面図であり、図2は、スロットマシンの構造を示す斜視図であり、図3は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットが本体板から分離された状態を示す斜視図であり、図4は、図3におけるA-A断面図であり、図5は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを本体板に取付けるときの概略構造図であり、図6は、第2係止手段の状態を切替え操作したときの概略構造図であり、図7は、装飾パネルユニットを開放したときの概略構造図であり、図8は、可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを本体板から取外したときの概略構造図であり、図9(a)は結束バンドを取付けるときの図であり、図9(b)は結束バンドを取付けた状態の図である。
【0014】
図1に示すスロットマシン1は、図2の装飾パネルユニット904及び機構ユニット901を開放した斜視図に示すように、機構ユニット901に対して分離自在に設置される可変表示ユニット903と、可変表示ユニット903の前面を被覆するように配置される装飾パネルユニット904と、から主に構成されている。機構ユニット901は、図4に示されるように、遊技島Yの膳板Zの上面に設置固定するための四角枠状に形成された基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されている。」

ウ 「【0028】
装飾パネルユニット904における透視窓14の後方位置には、図2に示されるように、可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有する可変表示ユニット903が配設されている。ベルト51L、51C、51Rは、複数種の図柄が印刷された無端状のベルトを複数配置されたローラの外周に掛け回され、前記ローラのうちの駆動ローラを回動させることにより、図柄が可変表示されるようになっている。」

エ 「【0043】
次に、本実施例におけるスロットマシン1の構造を図2?図9に基づいて説明する。スロットマシン1は、図3に示されるように、機構ユニット901に形成された設置用開口部902に分離自在に設置される可変表示ユニット903と、可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置される装飾パネルユニット904と、から主に構成されている。
【0044】
図2に示すように、機構ユニット901は、図示しないヒンジ装置を介して基枠900の左側辺に回動自在に枢支されており、遊技島Yに設置固定された基枠900の開口を開閉出来るようになっている。この機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905と、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906と、本体板905の後面側に一体的に組み付けられる機構板500と、から構成されている。
【0045】
可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されている。」

オ 「【0053】
係止爪915aは、本体板905の内側面に上下方向に移動自在に支持される上下方向を向く移動部材917の上下端部それぞれから前方に向けて突設されている。移動部材917は、本体板905の前面に設けられた施錠装置918に連係されており、施錠装置918のシリンダ錠の前面に形成された鍵穴918aに挿入した所定のキーを、上下方向を向く基準位置から時計回りに約45度回動操作することにより上昇し、反時計回りに回動操作することにより下降するようになっている。よって、装飾パネルユニット904及びカバー体906を開放することなくスロットマシン1の前面側から操作可能に設けられた鍵穴918aに挿入した所定のキー(鍵)を操作することで、カバー体906を本体板905に対して施解錠出来るようになっている。」

カ 「【0086】
このように構成された結束バンド927は、本体板905から可変表示ユニット903を分離して持ち出されて不正に交換されるのを防止するために使用される。結束バンド927の具体的な取付方法について詳述すると、可変表示ユニット903を本体板905に設置した状態で、図2に示されるように、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放する。なお、この状態において、可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904と機構ユニット901との間の全ての配線を接続及び解除することができるようになっている。
【0087】
そして、図9(a)に示されるように、可変表示ユニット903側に形成された二つの孔部953a、953bの内一方の孔部953aから結束バンド927の先端を挿入し、本体板905側に形成された連結用リング部909に結束バンド927を挿通させ、さらに孔部953bから結束バンド927の先端部を取出し、図9(b)に示されるように、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞する。」

キ 「【0091】
互いに一体化された可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904は、図3に示されるように、本体板905から互いに一体的に係止した状態で一度に取外すことが出来る。よって、機種変更時等において、装飾パネルユニット904や、可変表示ユニット903に組み付けられたベルト51L、51C、51R、遊技制御基板、及び演出制御基板の交換作業を効率よく行うことが出来るばかりか、これら作業を本体板905から離れた場所で行うことが出来る。あるいは、新機種に対応した新規な可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを予め製造して遊技場に搬送しておけば、遊技場において、機種変更等に伴う交換作業を容易に、かつ、迅速に行うことができる。」

ク 「【0093】
例えば通常時における可変表示ユニット903に組み込まれた各種部品や装置の点検やメンテナンス、及びベルト51L、51C、51Rの図柄合わせ等の作業等を、可変表示ユニット903全体を本体板905から分離することなく、装飾パネルユニット904を開放させるだけの簡単な操作で行うことが出来るため、通常時における可変表示装置等のメンテナンス性が効果的に向上する。」

ケ 図2


上記段落【0013】の「図2は、スロットマシンの構造を示す斜視図であり、」との記載、上記段落【0044】の「この機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905と、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906と、本体板905の後面側に一体的に組み付けられる機構板500と、から構成されている。」との記載、上記段落【0045】の「可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されている。」との記載を参酌すると、図2には、装飾パネルユニット904が本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され、カバー体906が本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着されることが記載されていると認められる。

上記ア-クの記載事項、上記ケの認定事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a1等は、発明の構成を分説するために本件発明の構成A等に対応させて当審で付した。)。
「a1 パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能な(段落【0001】)スロットマシン1であって(段落【0014】)、
b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1 可変表示ユニット903が機構ユニット901に形成された設置用開口部902に分離自在に設置され、装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され(段落【0043】)、機構ユニット901は、遊技島Yの膳板Zの上面に設置固定するための四角枠状に形成された基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されており(段落【0014】)、機構ユニット901は、遊技島Yに設置固定された基枠900の開口を開閉出来るようになっており、機構ユニット901は、設置用開口部902が形成された合成樹脂製の板部材からなる本体板905から構成され(段落【0044】)、可変表示ユニット903が可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有し(段落【0028】)、
d1、f1、k1、m1 可変表示ユニット903における正面から見て左側の側辺部には、前面に配置される装飾パネルユニット904を開閉自在とするためのヒンジ装置936が上下所定箇所にそれぞれ取付けられており、装飾パネルユニット904が一側辺部を中心として開閉自在に枢着されており(段落【0045】)、装飾パネルユニット904が本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され(認定事項ケ)、
d1、g1、l1 機構ユニット901は、該本体板905の前面下部に開閉自在に枢着されるとともに、上段膨出部7を形成する開閉体としてのカバー体906から構成され(段落【0044】)、カバー体906が本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され(認定事項ケ)、
k1、l1 本体板905に施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、装飾パネルユニット904及びカバー体906を開放することなくスロットマシン1の前面側から操作可能に設けられた鍵穴918aに挿入した所定のキーを操作することで、カバー体906を本体板905に対して施解錠出来るようになっており(段落【0053】)、可変表示ユニット903を本体板905に設置した状態で、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放することができ(段落【0086】)、
m1 結束バンド927は、本体板905から可変表示ユニット903を分離して持ち出されて不正に交換されるのを防止するために使用され、結束バンド927の具体的な取付方法は、鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904を開放し(段落【0086】)、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞するものであり(段落【0087】)、
i1、t1 互いに一体化された可変表示ユニット903及び装飾パネルユニット904は、本体板905から互いに一体的に係止した状態で一度に取外すことが出来、新機種に対応した新規な可変表示ユニット及び装飾パネルユニットを予め製造して遊技場に搬送しておけば、遊技場において、機種変更等に伴う交換作業を容易に、かつ、迅速に行うことができる(段落【0091】)、スロットマシン1(段落【0014】)。」

(2) 甲第2号証
甲第2号証には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0068】
以下に、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技球使用回胴遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。」

イ 「【0070】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、図5は遊技機1の背面図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限り、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0071】
遊技機1は、本体枠又は取付対象としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。また、図5に示すように、外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2カ所に、後述するドアブロック4を閉鎖状態に保持するための保持金具7a,7bが設けられている。
【0072】
遊技機主部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、絵柄表示ユニットである面替えブロック5と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック6とから構成されている。ドアブロック4には上下2カ所にヒンジ金具8が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2カ所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機主部3)が外枠2に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部3は正面から見て右側を回動先端部として開放される。以下では、左側を開閉中心側、右側を開放端側とも言う。外枠2に対して遊技機主部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
【0073】
面替えブロック5はドアブロック4の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック5を背面側から覆うようにして払出ブロック6が取り付けられている。これら面替えブロック5と払出ブロック6はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。」

ウ 「【0078】
ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。前扉体11及び内枠12はいずれも合成樹脂材料により成形されており、背後より複数箇所でネジ締めすることにより結合されている。ただし、ドアブロック4の剛性を高めるべく、内枠12を金属材料により成形することも可能である(例えばアルミダイキャストにより成形する)。」

エ 「【0099】
(内枠12の説明)
図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101?104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。ただし、左枠部101には軸金具111?113が設けられており、その軸金具111?113によって面替えブロック5や払出ブロック6が支持されることから、左枠部101のリブ106に関しては剛性を高めるべく比較的肉厚に形成されている。」

オ 「【0197】
面替えブロック5は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠501と、図柄表示装置としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置506と、主制御装置505を装着するための主制御装置用台座ベース507と、表示制御装置506を装着するための表示制御装置用台座ベース508とを備えている。本実施の形態では、面替えブロック5は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック5を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック5は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。」

カ 「【0266】
ちなみに、リール装置503等のメンテナンス時や主制御装置505等の点検時などにおいては、ドアブロック4、面替えブロック5及び払出ブロック6の一体物の開放後に、各ロック部材678,679や結合フック部材531,532を結合解除操作して面替えブロック5と払出ブロック6とを分離させる(図4の状態)。そしてこの状態で、リール装置503等のメンテナンスや主制御装置505等の点検などが行われる。」

キ 図10


上記段落【0099】の「図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。」との記載を参酌すると、図10には、内枠12が、下枠部104において広幅の板状であることが記載されていると認められる。

ク 図3


図4


上記段落【0070】の「図3及び図4は遊技機1の内部開放状態を示す斜視図、」との記載、上記段落【0073】の「面替えブロック5はドアブロック4の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック5を背面側から覆うようにして払出ブロック6が取り付けられている。これら面替えブロック5と払出ブロック6はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。」との記載、上記段落【0078】の「ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。」との記載、上記段落【0099】の「図10や図11に示すように、内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、概ね等しい細幅の左枠部101、右枠部102及び上枠部103と、それらよりも広幅の下枠部104とを有する。これら各枠部101?104に囲まれる部位が中央開口部105となっており、内枠12の背面側には、下枠部104の上縁部の一部を除く範囲で中央開口部105を囲むようにして一定高さのリブ106が形成されている。」との記載及び図10を参酌すると、図3及び図4には、中央開口部105を内枠12の背面側から開閉可能に面替えブロック5が設けられることが記載されていると認められる。

上記ア-カの記載事項、上記キ-クの認定事項から、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲第2号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる(a2等は、構成を分説するために本件発明の構成A等に対応させて当審で付した。)。
「a2 遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技球使用回胴遊技機であって(段落【0068】)、
b2、c2 遊技機1は、本体枠又は取付対象としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有し(段落【0071】)、遊技機1を正面から見て開閉中心側である左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部3は正面から見て開放端側である右側を回動先端部として開放され(段落【0072】)、
d2、e2 遊技機主部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、絵柄表示ユニットである面替えブロック5と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック6とから構成されており(段落【0072】)、ドアブロック4において、前扉体11の背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられており(段落【0078】)、内枠12が、下枠部104において広幅の板状であり(認定事項キ)、
d2、h2 面替えブロック5は主要な構成として、図柄表示装置としてのリール装置503を備え(段落【0197】)、
n2 内枠12は、各枠部101?104に囲まれる部位が中央開口部105となっており(段落【0099】)、中央開口部105を内枠12の背面側から開閉可能に面替えブロック5が設けられる(認定事項ク)、遊技球使用回胴遊技機(段落【0068】)。」

(3) 甲第3号証
甲第3号証(平成18年度 標準技術集 遊技機及びその関連技術 第2部パチスロ 2-1-3,3-1-1,3-2-5 各プリントアウト)には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【技術内容】
演出等の表示器として、液晶表示装置が搭載されているものがある。液晶の配置場所としては下図のようにリールの上部に配するのが主流である。この他には、リールの右側、リールの下(遊技者から見て手前)に配するのもある。なお、液晶をどこに配するかは、適宜設計出来ることである。」(第72頁)

イ 「 通常の箱形筐体と異なり、カジノのスロットを意識したテーブル型の筐体である。形状以外は、通常のパチスロ機と同様である。
テーブル型筐体はサイズが大きいために従来の島には設置できず、空スペース、もしくは島の改築を行なうことで設置可能となる。台数換算すると通常の箱形筐体50台設置可能なスペースに30台程度しか設置できない。」(第116頁)

ウ 「【技術内容】
パチスロ機が4号機になり、演出面での多様化(主にドットや液晶を搭載した機種の台頭)によって、それまではメイン基板のみでプログラム(払い制御、内部抽選、リール制御など)を制御していたが、容量に限りがある主基盤のみでは、多彩な演出(音声やBGM、ランプや液晶演出等)を制御することが難しくなったために搭載されるようになった基板で、ゲームの中核となる内部抽選やリール制御には影響を与えないという意図で使用が認められている。
サブ基板には搭載個数や処理速度等の制限がないため、制御対象それぞれに専用基板を設け、複数搭載している機種も存在している。また、機種によってサブ基板の設置場所は異なり、本体ドア裏側やリール横に設置されている。
なお、メイン基板からサブ基板に対しては、信号を送信するのみで、受信することは禁じられ、片方向通信となる(別表第3(1)基板に関する規格内「イ」参照)。」(第142頁)

(4) 甲第4号証
甲第4号証には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機の枠部材に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、立てた姿勢での安定性を向上し得る遊技機の枠部材を提供することを目的とする。」

イ 「【0007】
請求項1に係る発明によれば、枠部材の下枠部を、金属製の第1部材および第2部材で構成すると共に、両部材の底面を同一平面に位置するように連結したので、枠部材を床に立てた姿勢で置いた場合の安定性を向上することができる。また、下枠部の重心を、該下枠部の前後方向の中央を挟んで枠構成部材の重心とは反対の端側に位置するよう構成したので、枠構成部材によって枠部材が傾倒するのを抑制することができ、枠部材を床に立てた姿勢で置いた場合の転倒を抑制し得る。」

(5) 甲第5号証
甲第5号証には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な事情に鑑みこれを改善する目的で開発されたものであり、その主たる目的はアルミニウム合金の成形性を活用して安定した外枠の成形を図ると同時に、この外枠に備える装飾板の取付けを改善し、木製外枠からは得られない装飾性の高い外枠を得ること、また、パチンコ機の保管乃至運搬時における単独状態においての自立性を高めて安定性に優れ、且つ取扱いが容易なパチンコ機の外枠を提供しようとするものである。」

第5 当審の判断
1 特許法第29条第2項について
本件発明が、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるか検討する。
(1) 対比
本件発明と甲1発明とを対比する。
ア 構成Aについて
甲1発明の「パチンコ球等の遊技球を使用してゲームを行うことが可能なスロットマシン1」は、本件発明の「遊技が可能な遊技機」に相当する。
したがって、甲1発明の構成a1は、本件発明の構成Aに相当する。

イ 構成Bについて
甲1発明の「基枠900」は、本件発明の「本体部」に相当する。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Bに相当する構成を有している。

ウ 構成Cについて
甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、「基枠900に、一側辺を中心に回動自在に枢支されており、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、本件発明の「前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部」に相当する。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Cに相当する構成を有している。

エ 構成D、Eについて
甲1発明の「板部材からなる本体板905」は、本件発明の「板状に形成されるベースユニット」に相当する。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成D、Eに相当する構成を有している。

オ 構成D、Fについて
甲1発明の「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」る「装飾パネルユニット904」は、本件発明の「前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニット」に相当する。
したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1は、本件発明の構成D、Fに相当する構成を有している。

カ 構成D、Gについて
甲1発明の「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」る「カバー体906」は、本件発明の「前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニット」に相当する。
したがって、甲1発明の構成d1、g1、l1は、本件発明の構成D、Gに相当する構成を有している。

キ 構成D、Hについて
上記ウにて説示のとおり、甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、本件発明の「開閉扉部」に相当する。
また、甲1発明の「可変表示ユニット903」は、本件発明の「表示ユニット」に相当する。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「機構ユニット901」に「可変表示ユニット903が」「設置され」ることは、本件発明の構成D、Hと、「前記開閉扉部は、」「表示ユニット」「を有」する点で共通している。

ク 構成Iについて
甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905から」「取外すことが出来、」「新規な」「装飾パネルユニット」に「交換」することができるものであるから、本体板905に対して交換可能に設けられているといえる。
したがって、甲1発明の構成i1、t1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905から」「取外すことが出来、」「新規な」「装飾パネルユニット」に「交換」することができることは、本件発明の構成Iと、「前記第1開閉ユニット」「は、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ」る点で共通している。

ケ 構成Jについて
甲1発明の「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」は、「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、基枠900に対して開放可能であるといえる。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「装飾パネルユニット904が」「配置され」た「可変表示ユニット903が」「設置され」た「機構ユニット901」が「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いることは、本件発明の構成Jと、「前記開閉扉部は、」「前記本体部に対して開放可能であ」る点で共通している。

コ 構成Kについて
甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」るものであるから、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。
したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Kと、「前記第1開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

サ 構成Lについて
甲1発明の「カバー体906」は、「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」るものであるから、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。
したがって、甲1発明の構成d1、g1、l1における「カバー体906」が「本体板905の前面下部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Lと、「前記第2開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

シ 構成Mについて
上記コにて説示のとおり、甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、本体板905の前面側に開放可能となっているといえる。
したがって、甲1発明の構成d1、f1、k1、m1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905の前面上部を本体板905の前面側から開閉自在に枢着され」ることは、本件発明の構成Mと、「前記第1開閉ユニットは、」「前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」る点で共通している。

ス 構成Nについて
甲1発明の「設置用開口部902」は、本件発明の「開口部」に相当する。
また、甲1発明は、「本体板905」に「設置用開口部902が形成され」、「可変表示ユニット903が」「設置用開口部902に」「設置され」、「装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され」るものであるから、甲1発明の「本体板905」は、装飾パネルユニット904が設けられる領域に設置用開口部902を有しているといえ、設置用開口部902に可変表示ユニット903が設けられているといえる。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「本体板905」に「設置用開口部902が形成され」、「可変表示ユニット903が」「設置用開口部902に」「設置され」、「装飾パネルユニット904が可変表示ユニット903の前面を閉塞するように配置され」ることは、本件発明の構成Nと、「前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部」「に前記表示ユニットが設けられ」る点で共通している。

セ 構成Oについて
甲1発明の「基枠900」は、「開口」を有し、「四角枠状に形成され」るものであるから、前面が開口する形状に形成されているといえる。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1における「基枠900」が「開口」を有し、「四角枠状に形成され」ることは、本件発明の構成Oと、「前記本体部は、前面が開口する」形状「に形成され」る点で共通している。

ソ 構成Qについて
甲1発明の「本体板905」は、「板部材からなる」ものであるから、板状に形成されているといえる。
また、甲1発明において、「本体板905から構成され」る「機構ユニット901は、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、甲1発明の「本体板905」は、基枠900の開口の少なくとも一部を塞いでいるといえる。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Qに相当する構成を有している。

タ 構成Sについて
甲1発明において、「本体板905から構成され」る「機構ユニット901は、」「基枠900の開口を開閉出来るようになって」いるものであるから、甲1発明は、本体板905に装飾パネルユニット904及びカバー体906を取り付けていない状態でも、機構ユニット901を閉鎖することで本体板905及び可変表示ユニット903により基枠900の開口の少なくとも一部が塞がれているといえる。
したがって、甲1発明の構成b1、c1、d1、e1、h1、j1、n1、o1、q1、s1は、本件発明の構成Sに相当する構成を有している。

チ 構成Tについて
甲1発明の「装飾パネルユニット904」は、「本体板905から」「取外すことが出来」るものである。
したがって、甲1発明の構成i1、t1における「装飾パネルユニット904」が「本体板905から」「取外すことが出来」る「スロットマシン1」は、本件発明の構成Tと、「前記第1開閉ユニット」「は、前記ベースユニットから取外され」る「遊技機」である点で共通している。

以上のことから、本件発明と甲1発明とは、
[一致点]
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 本体部と、
C 前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
D 前記開閉扉部は、
E 板状に形成されるベースユニットと、
F 前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
G 前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
H’ 表示ユニットと、
を有し、
I’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
J’前記開閉扉部は、前記本体部に対して開放可能であり、
K’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
L’前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
M’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
N’前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部に前記表示ユニットが設けられ、
O’前記本体部は、前面が開口する形状に形成され、
Q 前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
S 前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
T’前記第1開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外される
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成D、H)
「前記開閉扉部」が「有」する「表示ユニット」に関して、
本件発明は、「液晶表示装置を有」しているのに対して、
甲1発明は、「可変表示装置であるベルト51L、51C、51Rを有し」ている点。

[相違点2](構成I)
本件発明は、「前記第2開閉ユニット」が「前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ」ているのに対して、
甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

[相違点3](構成J)
「前記開閉扉部」に関して、
本件発明は、「前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であ」るのに対して、
甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

[相違点4](構成K)
「前記第1開閉ユニット」に関して、
本件発明は、「前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、
甲1発明は、「機構ユニット901」(開閉扉部)を「構成」する「本体板905」に、「施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、」「鍵穴918aに所定のキーを差し込んで、装飾パネルユニット904」(第1開閉ユニット)「を開放することができ」る点。

[相違点5](構成L)
「前記第2開閉ユニット」に関して、
本件発明は、「前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、
甲1発明は、「機構ユニット901」(開閉扉部)を「構成」する「本体板905」に、「施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、」「鍵穴918aに挿入した所定のキーを操作することで、カバー体906」(第2開閉ユニット)「を本体板905に対して施解錠出来るようになって」いる点。

[相違点6](構成M)
「前記第1開閉ユニット」に関して、
本件発明は、「規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能とな」っているのに対して、
甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点7](構成N)
「該開口部」に「設けられ」る「前記表示ユニット」に関して、
本件発明は、「前記ベースユニットの後面側から開閉可能に設けられ」ているのに対して、
甲1発明は、「分離自在に設置され」ている点。

[相違点8](構成O)
「前面が開口する」形状「に形成され」る「前記本体部」に関して、
本件発明は、「箱状に形成され」ているのに対して、
甲1発明は、「四角枠状に形成され」ている点。

[相違点9](構成P)
本件発明は、「該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され」ているのに対して、
甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点10](構成R)
本件発明は、「前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され」ているのに対して、
甲1発明は、そのような構成を有していない点。

[相違点11](構成T)
「前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニット」に関して、
本件発明は、「前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である」のに対して、
甲1発明は、そのような構成を有しているのか不明である点。

(2) 判断
まず、相違点4-6について検討する。
ア 相違点4-5について(構成K、L)
相違点4-5は、関連するので、まとめて検討する。
甲1発明は、機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に、施錠装置918のシリンダ錠の鍵穴918aが設けられ、解錠により、機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905から、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)及びカバー体906(第2開閉ユニット)を開放することができるものであり、機構ユニット901(開閉扉部)を開放することなく、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)及びカバー体906(第2開閉ユニット)を開放することができるものであるから、甲1発明には、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで本体板905の前面側に開放可能となる構成及びカバー体906(第2開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで本体板905の前面側に開放可能となる構成が記載されているとはいえない。
特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、「係止爪937a、937bは、本体板905を開放しても操作可能であることは、甲第1号証の図2からも明らかである。」、「この施錠装置918は、本体板905を開放しても操作可能であることは、甲第1号証の図1,図2および図5からも明らかである。」と主張しているが、「本体板905を開放しても操作可能であること」と本体板905を開放することで操作可能となることとは異なるから、甲1発明が本件発明の構成K、Lを備えているとの特許異議申立人の主張を採用することはできない。
また、甲第2-5号証には、第1開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成及び第2開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもない。
そして、本件発明は、上記相違点4-5に係る構成を備えることにより、遊技機前面側から挿入された鍵の操作により誤って第1開閉ユニットや第2開閉ユニットがベースユニットの前面側に開放してしまうことを防止できるという効果を奏するものである。
したがって、本件発明の上記相違点4-5に係る構成は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

イ 相違点6について(構成M)
甲1発明には、装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が規制手段により機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することで本体板905の前面側に開放可能となる構成が記載されているとはいえない。
特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、甲1発明の「結束バンド927」は、本件発明の「規制手段」に相当すると主張しているが、甲1発明において、「結束バンド927の具体的な取付方法は、」「装飾パネルユニット904を開放し、可変表示ユニット903の連結部954と、本体板905の連結用リング部909とを連結するように、バンドに緩みが生じないように張設した状態で結束してから再び装飾パネルユニット904を閉塞するものであ」り、「結束バンド927」により装飾パネルユニット904(第1開閉ユニット)が機構ユニット901(開閉扉部)を構成する本体板905に対して開放不能に規制されるものでないことは明らかであるから、甲1発明が本件発明の構成Mを備えているとの特許異議申立人の主張を採用することはできない。
また、甲第2-5号証には、第1開閉ユニットが規制手段によりベースユニットに対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもない。
そして、本件発明は、上記相違点6に係る構成を備えることにより、第1開閉ユニットが不正に開放されたことを特定できるという効果を奏するものである。
したがって、本件発明の上記相違点6に係る構成は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易になし得たものであるとはいえない。

以上のことから、上記相違点1-3,7-11について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2-5号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 特許異議の申立ての理由について
当審による令和3年3月24日付け取消理由通知は、上記第4 1-2にて説示のとおり、特許異議の申立ての理由と同じものであることから、特許異議の申立ての理由は、上記1において検討済みである。

3 令和3年7月7日付け意見書における特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、令和3年7月7日付け意見書において、訂正後の本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2-5号証に記載された事項、周知技術及び技術常識に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している。
しかしながら、上記1にて説示のとおり、甲1発明及び甲第2-5号証には、相違点4の第1開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成、相違点5の第2開閉ユニットが開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成、相違点6の第1開閉ユニットが規制手段によりベースユニットに対して開放不能に規制され、規制手段を破壊することでベースユニットの前面側に開放可能となる構成は、記載も示唆もされておらず、当該構成を備えることは、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項でも、周知技術でもないから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議の申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機にあっては、旧機種から新機種への機種変更、あるいはスペックが異なる機種への機種変更を行う場合、例えば、既存の遊技機において、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニットはそのまま維持し、該共通ユニットに対して交換可能に設けられる交換ユニットのみを交換することにより、機種変更できるようにしたもの等がある。尚、このような交換ユニットの交換作業は、遊技場で行う場合もあれば、遊技機メーカーが回収先で行う場合もある。
【0003】
この種の遊技機として、例えば、共通ユニットである枠状フレームに対し、交換ユニットである左サイドユニット、右サイドユニット、上部マスクユニット、下部マスクユニット、コンソールユニット及び窓パネルユニットを交換可能に設けて開閉扉部を構成したもの等があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-188993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の遊技機にあっては、各交換ユニットは共通ユニットである枠状フレームに各々取付けられるため、一の交換ユニットに設けられた電気部品等のメンテナンス作業をする場合は枠状フレームから取外さなければならないという問題があった。また、交換ユニットの数が増加すると、交換ユニットの間に形成される隙間が多くなり、これにより開閉扉部を介して遊技機の本体部へ針金などの不正部材を進入させやすくなるため、セキュリティが低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、交換ユニットのメンテナンス性高め、かつ、セキュリティを向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
本体部(例えば、筐体1a)と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部(例えば、前面扉1b)と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニット(例えば、共通ユニット200)と、
前記ベースユニットの第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)と、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ベースユニットに対し第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを開放させることでベースユニットの第1領域や第2領域を解放することができるため、メンテナンス性が向上する。また、ベースユニットは板状に形成されているため、開閉扉部を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。
【0008】
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記ベースユニット(例えば、共通ユニット200)に対する前記第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)及び前記第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)の回動軸心(例えば、回動軸330A,330B、回動軸340A,340Bと軸受孔331A,331B、軸受孔341A,341Bとにより形成される回動軸心)は、前記本体部に対する前記開閉扉部の回動軸心(例えば、回動軸300A,300Bと軸受孔301A,301Bとにより形成される回動軸心)と同じ一辺側に設けられる(図2、図9、図10参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機周辺に設置された他の遊技機や構造物等との接触を抑制することができる。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記ベースユニット(例えば、共通ユニット200)は開口(例えば、開口部201)を有し、前記開口は表示手段(例えば、液晶表示器51を含む表示ユニット202)により閉鎖されている(図7参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段があることで、開口を介して不正部材を本体部へ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、手段1?3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)を痕跡を残さずに開放できないようにする開放不可手段(例えば、結束バンド358)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1開閉ユニットを開放して取外すといった不正行為を抑制することができる。
【0011】
本発明の手段5の遊技機は、手段1?4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記開閉扉部(例えば、前面扉1b)は、前記ベースユニット(例えば、共通ユニット200)に前記第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)及び前記第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)を取付けていない状態でも、前記本体部(例えば、筐体1a)を閉鎖することが可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1開閉ユニットや第2開閉ユニットを取外した状態でも、本体部を閉鎖することができるため、利便性が向上する。
収納性が向上する。
【0012】
本発明の手段6の遊技機は、手段1?5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1開閉ユニット(例えば、上部開閉ユニット210)及び前記第2開閉ユニット(例えば、下部開閉ユニット220)は、前記ベースユニット(例えば、共通ユニット200)から取外されたときに、直立状態で設置することが可能である(図17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1開閉ユニットや第2開閉ユニットの収納性が向上する。
【0013】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであっても良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1のスロットマシンの正面図である。
【図2】本発明の実施例1としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図3】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図4】前面扉を開放した状態を示す概略斜視図である。
【図5】共通ユニットにより筐体の前面開口を閉鎖した状態を示す概略斜視図である。
【図6】(A)は各係止部の係止状態を示す説明図、(B)は係止部と被係止部とを結束バンドで連結した状態を示す要部拡大図である。
【図7】共通ユニットを筐体に取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図8】共通ユニットに上部開閉ユニットと下部開閉ユニットとを取付ける状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の変形例1としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の変形例2としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例2としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図12】(A)は上部開閉ユニットと被覆部材を共通ユニットから取外した状態を示す斜視図、(B)は係止部と被係止部とを結束バンドで連結した状態を示す要部拡大図である。
【図13】(A)は共通ユニットの背面の一部を被覆部材により閉鎖する状態を示す図、(B)は被覆領域を示す共通ユニットの背面図である。
【図14】本発明の変形例3としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の変形例4としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の変形例5としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【図17】(A)は上部開閉ユニット、(B)は下部開閉ユニットを直立姿勢で設置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例1について図面を用いて説明する。図1は、スロットマシンを示す正面図である。図2は、本発明の実施例1としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。以下において、図1の手前側をスロットマシン1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、スロットマシン1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるスロットマシン1の前面とは、該スロットマシン1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
【0017】
本実施例のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、筐体1aに対して左辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bと、から構成されている。
【0018】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透過領域3L,3C,3Rから見えるように配置されている。
【0019】
リール2L,2C,2Rの外周部には、特に図示しないが、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透過領域3L,3C,3Rにおいて各々上中下三段に表示される。
【0020】
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L,32C,32R(図3参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透過領域3L,3C,3Rに連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、透過領域3L,3C,3Rを介して3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0021】
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0022】
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透過領域3L,3C,3Rに対応する透過領域及び透過領域3L,3C,3Rを介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
【0023】
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0024】
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0025】
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13、が設けられている。
【0026】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図3参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図3参照)が設けられている。
【0027】
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図3参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図3参照)、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a(図3参照)、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b(図3参照)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図3参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図3参照)、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26(図3参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図3参照)が設けられている。
【0028】
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図3参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図3参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図3参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図3参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図3参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0029】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図3参照)が設けられている。
【0030】
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0031】
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0032】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0033】
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透過領域3L,3C,3Rに表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0034】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透過領域3L,3C,3Rに表示結果が導出表示される。
【0035】
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0036】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0037】
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
【0038】
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0039】
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0040】
このため、例えば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0041】
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
【0042】
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。尚、遊技制御基板40は遊技制御基板ケース40Aに収容され、演出制御基板90は演出制御基板ケース90Aに収容されている。尚、これら遊技制御基板ケース40Aと演出制御基板ケース90Aとは、痕跡を残さずに開放することができないように封止された状態で取付けられている。
【0043】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0044】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0045】
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L,32C,32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
【0046】
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、図示しない外部バスインターフェイスと、クロック回路と、照合用ブロックと、固有情報記憶回路と、演算回路と、リセット/割込コントローラと、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フリーランカウンタ回路と、乱数回路と、タイマ回路と、割込コントローラと、パラレル入力ポートと、シリアル通信回路と、パラレル出力ポートと、アドレスデコード回路と、を備えて構成される。
【0047】
CPUは、ROMから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPUが外部バスインターフェイスやパラレル入力ポート、シリアル通信回路などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPUが外部バスインターフェイスやシリアル通信回路、パラレル出力ポートなどを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
【0048】
ROMには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAMは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAMの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAMの少なくとも一部の内容が保存される。
【0049】
メイン制御部41は、パラレル出力ポートを介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポートを介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0050】
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0051】
演出制御基板90には、前述した演出用スイッチ56等が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0052】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0053】
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、演出用モータ等に対してサブ制御部91から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)を伝送するモータ駆動回路99と、その他の回路等、が搭載されている。
【0054】
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0055】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0056】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0057】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0058】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0059】
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAMのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0060】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAMのデータが正常であることを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
【0061】
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAMの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAMの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAMの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAMの初期化と、遊技単位毎のRAMの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
【0062】
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
【0063】
そして、本実施例では、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
【0064】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0065】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0?65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路により生成され、乱数回路の乱数値レジスタに格納されている値をRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
【0066】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
【0067】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
【0068】
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
【0069】
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が遊技者にとって有利なRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が遊技者にとって有利なBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
【0070】
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
【0071】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0072】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選において後述のナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
【0073】
遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
【0074】
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0075】
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0076】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0077】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53,54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0078】
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な操作態様(停止順、停止タイミング等)等を識別可能に報知するナビ報知を実行可能である。また、サブ制御部91は、ナビ報知が実行される場合に、ナビ報知により報知される操作態様を液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53,54からのナビ音声の出力とによって報知するナビ演出を実行可能である。
【0079】
また、ナビ演出は、スタートスイッチ7が操作され、ゲームが開始したときから第3停止操作が行われるまでの期間にわたり実行されるが、操作態様に応じて第1停止操作がされること、第2停止操作がされることで終了する構成でも良い。
【0080】
遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
【0081】
次に、スロットマシン1の構造について、図2及び図4?図8に基づいて説明する。図4は、前面扉を開放した状態を示す概略斜視図である。図5は、共通ユニットにより筐体の前面開口を閉鎖した状態を示す概略斜視図である。図6は、(A)は各係止部の係止状態を示す説明図、(B)は係止部と被係止部とを結束バンドで連結した状態を示す要部拡大図である。図7は、共通ユニットを筐体に取付ける状態を示す分解斜視図である。図8は、共通ユニットに上部開閉ユニットと下部開閉ユニットとを取付ける状態を示す斜視図である。尚、図4?図8は、説明の便宜上、各種電気部品や部材等の図示を省略するものとする。
【0082】
図2?図8に示すように、本体部としての筐体1aは、上板、底板、左側板、右側板及び背板により前面に開口1cを有する箱状に形成されている。開閉扉部としての前面扉1bは、開口1cを閉鎖する閉鎖位置と開口1cを開放する開放位置との間で回動可能に設けられ、開口1cを開閉可能としている。
【0083】
前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200と、共通ユニット200の前面上部を開閉可能な上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前面下部を開閉可能な下部開閉ユニット220と、から主に構成され、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが取付けられ一体化されることにより前面扉1bが構成される。
【0084】
図5、図7及び図8に示すように、共通ユニット200は、合成樹脂材により正面視縦長長方形状をなす板状部材からなり、開口1cを閉鎖可能な大きさに形成されている。また、共通ユニット200の上部には開口部201が形成されており、この開口部201には、液晶表示器51を含む表示ユニット202が複数のネジN3等により背面側から交換可能に組付けられている。開口部201は、表示ユニット202が組付けられることにより閉鎖されている。また、表示ユニット202の背面における透過領域3L,3C,3Rの上方には、演出制御基板90が収納された演出制御基板ケース90Aが取付けられている(図4参照)。
【0085】
また、共通ユニット200における表示ユニット202の下方には、下部開閉ユニット220のメダルセレクタ29から筐体1aのホッパータンク34aへ誘導されるメダルを通過可能とするメダル通過孔203と、筐体1aのホッパータンク34aから下部開閉ユニット220のメダル払出口9へ誘導されるメダルを通過可能とするメダル通過孔204と、が形成されている。また、共通ユニット200の前面部分には、クロムメッキ加工(メッキ処理)が施されている。
【0086】
共通ユニット200の左側辺には、筐体1aの開口1cの左側辺、つまり、左側板の前端辺に固定された上下方向を向く回動軸300A,300Bに上方から挿入可能な軸受孔301A,301Bが固定されており、回動軸300A,300Bに軸受孔301A,301Bを挿入することで、共通ユニット200が筐体1aに対し左辺側を中心として、開口1cを閉鎖する閉鎖位置と開口1cを開放する開放位置との間で回動可能に枢支されるようになっている。また、共通ユニット200を上方へ浮かせることで、共通ユニット200を筐体1aから取外すことができる。
【0087】
共通ユニット200の右側辺の背面側には、共通ユニット200を閉鎖位置から開放位置への回動を規制するための施解錠装置320が設けられている。施解錠装置320は、図6(A)に示すように、共通ユニット200の右側辺に固定された上下方向を向くベース板321と、ベース板321に対し上下方向に移動可能な動作板322と、ベース板321の上下に設けられた左右方向を向く回動軸323A,323Bを中心として回動可能に設けられた係止部324A,324Bと、ベース板321に固定され動作板322を動作させるシリンダ錠327と、を主に有する。
【0088】
係止部324A,324Bは、前端が左右方向を向く連結軸325A,325Bを介して動作板322に連結されており、動作板322は、図示しないバネにより常時上方へ向けて付勢されている。よって、共通ユニット200を閉鎖位置へ回動することで、係止部324A,324Bが筐体1aの開口1cの右側辺、つまり、右側板の前端内側に固定された左右方向を向く柱状の被係止部326A,326Bに係止され、共通ユニット200の開放位置への回動が規制される。
【0089】
共通ユニット200により開口1cが閉鎖された状態において、係止部324A,324Bの被係止部326A,326Bへの係止状態を解除するには、シリンダ錠327の前端面にある鍵穴327Aに遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を挿入し、所定方向(例えば、右回り)に回転させる。これにより、動作板322が下降して係止部324A,324Bが上方に向けて回動して被係止部326A,326Bに対する係止状態が解除されるため、共通ユニット200を開放位置へ回動させることが可能となる。
【0090】
図5、図7及び図8に示すように、上部開閉ユニット210は、合成樹脂材により正面視四角形状をなす枠状部材211と、透明な合成樹脂板からなり、枠状部材211の開口を閉鎖するように設けられ、液晶表示器51の表示領域51aを前面側から保護するためのカバーパネル212と、カバーパネル212の上辺部及び左右側辺部に沿って設けられる装飾部材213と、を主に有し、共通ユニット200の前面上部を閉鎖可能な大きさに形成されている。カバーパネル212及び装飾部材213は、枠状部材211に対し背面側から図示しないネジや係止片等を介して取付けられ、前面側から取外すことはできないようになっている。また、特に図示しないが、上部開閉ユニット210の背面(例えば、装飾部材213の背面側など)には、演出用駆動源により動作可能に設けられる可動部や発光部等を有する演出装置等が搭載されている。
【0091】
上部開閉ユニット210の左側辺には、共通ユニット200の前面における左側辺に固定された上下方向を向く回動軸330A,330Bに上方から挿入可能な軸受孔331A,331Bが固定されており、回動軸330A,330Bに軸受孔331A,331Bを挿入することで、上部開閉ユニット210が共通ユニット200に対し左辺側を中心として、共通ユニット200の前面上部を閉鎖する閉鎖位置と共通ユニット200の前面上部を開放する開放位置との間で回動可能に枢支されるようになっている。また、上部開閉ユニット210を上方へ浮かせることで、上部開閉ユニット210を共通ユニット200から取外すことができる。
【0092】
上部開閉ユニット210の右側辺の背面側には、上部開閉ユニット210を閉鎖位置から開放位置への回動を規制するための係止装置350が設けられている。係止装置350は、図6(A)に示すように、上部開閉ユニット210の右側辺に固定された上下方向を向くベース板351と、ベース板351に対し上下方向に移動可能な動作板352と、ベース板351の上下に設けられた左右方向を向く回動軸353A,353Bを中心として回動可能に設けられた係止部354A,354Bと、動作板352から後方へ向けて延設された操作片357と、を主に有する。
【0093】
係止部354A,354Bは、前端が左右方向を向く連結軸355A,355Bを介して動作板352に連結されており、動作板352は、図示しないバネにより常時上方へ向けて付勢されている。よって、上部開閉ユニット210を閉鎖位置へ回動することで、係止部354A,354Bが共通ユニット200の前面における右側辺に固定された左右方向を向く柱状の被係止部356A,356Bに係止され、上部開閉ユニット210の開放位置への回動が規制される。
【0094】
上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部が閉鎖された状態において、係止部354A,354Bの被係止部356A,356Bへの係止状態を解除するには、操作片357を下降させることで、動作板352が下降して係止部354A,354Bが上方に向けて回動して被係止部356A,356Bに対する係止状態が解除されるため、上部開閉ユニット210を開放位置へ回動させることが可能となる。
【0095】
尚、操作片357は、上部開閉ユニット210が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、上部開閉ユニット210を開放することができない構成とされている。
【0096】
また、図6(B)に示すように、上部開閉ユニット210により共通ユニット200の前面上部を閉鎖し、係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止された係止状態において、これら係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結されている。これにより、結束バンド358を切断するなどして係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようになるため、上部開閉ユニット210が不正に開放された場合でも、不正に開放された可能性があることを遊技場の店員等が発見することが可能となる。
【0097】
尚、本実施例では、係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとを結束バンド358により連結することで係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、結束バンド358で連結する以外の方法(例えば、貼付した場合には破断する封印シールを係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとに跨るように貼付しておくなど)で係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしてもよい。
【0098】
図2、図5、図7及び図8に示すように、下部開閉ユニット220は、合成樹脂材により正面視四角形状をなす板状のベース部材221と、ベース部材221の前面上部に設けられる操作基台部222と、操作基台部222の下方に設けられる表示パネル部材223と、表示パネル部材223の下方に設けられる下皿部224と、表示パネル部材223の左右側に設けられる装飾部材225と、を主に有し、共通ユニット200の前面下部を閉鎖可能な大きさに形成されている。ベース部材221の右側辺上部には、シリンダ錠327を挿通して鍵穴327Aを前面に臨ませる(図1参照)ための挿入孔226が形成されている。
【0099】
表示パネル部材223及び装飾部材225は、ベース部材221に対し背面側から図示しないネジや係止片等を介して取付けられ、前面側から取外すことはできないようになっている。表示パネル部材223は、前面にスロットマシン1のタイトル名や演出に登場するキャラクタ等が描かれたパネルを有する。尚、本実施例では、表示パネル部材223はパネルにて構成されていたが、タイトル名や演出に登場するキャラクタ等を表示可能な液晶表示器などの演出表示装置により構成されていてもよい。
【0100】
下部開閉ユニット220の左側辺には、共通ユニット200の前面における左側辺に固定された上下方向を向く回動軸340A,340Bに上方から挿入可能な軸受孔341A,341Bが固定されており、回動軸340A,340Bに軸受孔341A,341Bを挿入することで、下部開閉ユニット220が共通ユニット200に対し左辺側を中心として、共通ユニット200の前面下部を閉鎖する閉鎖位置と共通ユニット200の前面下部を開放する開放位置との間で回動可能に枢支される。また、下部開閉ユニット220を上方へ浮かせることで、下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外すことができる。
【0101】
下部開閉ユニット220の右側辺の背面側には、下部開閉ユニット220の閉鎖位置から開放位置への回動を規制するための係止装置360が設けられている。係止装置360は、図6(A)に示すように、下部開閉ユニット220の右側辺に固定された上下方向を向くベース板361と、ベース板361に対し上下方向に移動可能な動作板362と、ベース板361の上下に設けられた左右方向を向く回動軸363A,363Bを中心として回動可能に設けられた係止部364A,364Bと、動作板362から後方へ向けて延設された操作片367と、を主に有する。
【0102】
係止部364A,364Bは、前端が左右方向を向く連結軸365A,365Bを介して動作板362に連結されており、動作板362は、図示しないバネにより常時上方へ向けて付勢されている。よって、下部開閉ユニット220を閉鎖位置へ回動することで、係止部364A,364Bが共通ユニット200の前面における右側辺に固定された左右方向を向く柱状の被係止部366A,366Bに係止され、上部開閉ユニット210の開放位置への回動が規制される。
【0103】
下部開閉ユニット220により共通ユニット200の前面下部が閉鎖された状態において、係止部364A,364Bの被係止部366A,366Bへの係止状態を解除するには、操作片367を下降させることで、動作板362が下降して係止部364A,364Bが上方に向けて回動して被係止部366A,366Bに対する係止状態が解除されるため、下部開閉ユニット220を開放位置へ回動させることが可能となる。
【0104】
尚、操作片367は、下部開閉ユニット220が閉鎖位置にあるとき、共通ユニット200の背面側に突出するように設けられているため(図4参照)、共通ユニット200の背面側からしか操作できない。つまり、共通ユニット200が閉鎖位置にある場合、遊技場の店員など管理者のみが所持するキー328を用いて共通ユニット200を開放しない限り、下部開閉ユニット220を開放することができない構成とされている。
【0105】
次に、筐体1a、共通ユニット200、上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220に設けられる各種電気部品、部材、装置等について説明する。
【0106】
図2に示すように、筐体1aには、リールユニット2(リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、リールLED55)、ホッパーユニット34(ホッパータンク34a、ホッパーモータ34b、払出センサ34c)、オーバーフロータンク35(満タンセンサ35a)、電源ボックス100(設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39、電源基板101)、遊技制御基板ケース40A(遊技制御基板40)が収容されている。
【0107】
これらのうち、ホッパーユニット34(ホッパータンク34a、ホッパーモータ34b、払出センサ34c)、オーバーフロータンク35(満タンセンサ35a)、電源ボックス100(設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39、電源基板101)は異なる遊技機で共通に用いられる共通部品であり、リールユニット2(リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、リールLED55)、及び遊技制御基板ケース40A(遊技制御基板40)は機種毎に交換の対象となる交換部品である。
【0108】
共通ユニット200には、表示ユニット202(液晶表示器51)、演出制御基板ケース90A(演出制御基板90)(図4参照)が取付けられている。これらのうち、表示ユニット202(液晶表示器51)は異なる遊技機で共通に用いられる共通部品であり、演出制御基板ケース90A(演出制御基板90)は機種毎に交換の対象となる交換部品である。
【0109】
上部開閉ユニット210には、カバーパネル212、装飾部材213、装飾部材213に内蔵された演出効果LED52や、駆動源により動作する可動部を有する図示しない演出装置等が設けられている。これらのうち、カバーパネル212は異なる遊技機で共通に用いられる共通部品であり、装飾部材213、演出効果LED52や演出装置は、機種毎に交換の対象となる交換部品である。
【0110】
下部開閉ユニット220には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、リセットスイッチ23、設定値表示器24、メダルセレクタ29(流路切替ソレノイド30、投入メダルセンサ31)、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、スピーカ53,54、演出用スイッチ56、操作基台部222、表示パネル部材223、下皿部224、装飾部材225等が設けられている。
【0111】
これらのうち、操作基台部222に設けられるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、リセットスイッチ23、設定値表示器24、メダルセレクタ29(流路切替ソレノイド30、投入メダルセンサ31)、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、スピーカ53,54、演出用スイッチ56、液晶表示器51を含む表示ユニット202、及び下皿部224は、異なる遊技機で共通に用いられる共通部品であり、表示パネル部材223と装飾部材225とは、機種毎に交換の対象となる交換部品である。
【0112】
このように、機種変更等を行う場合に交換の対象となる交換部品は、主に遊技の制御を行うメイン制御部41(遊技制御手段)が設けられる遊技制御基板40や演出の制御を行うサブ制御部91(演出制御手段)が設けられる演出制御基板90といった制御基板、機種固有の図柄を有するリール2L,2C,2Rを含むリールユニット2、機種固有の装飾が施される装飾部材213、可動部を有する演出装置、装飾部材225及び表示パネル部材223等である。尚、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、リールLED55については異なる遊技機で共通に用いられる共通部品としての利用可能であるが、リールユニット2として一体化されているのでリールユニット2全体が交換部品とされている。
【0113】
このようなスロットマシン1において、旧機種から新機種への機種変更、あるいはスペックが異なる機種への機種変更は、遊技機メーカーが遊技場から既存のスロットマシンを回収して交換部品の交換作業を行う場合もあれば、遊技機メーカーが交換部品を遊技場へ納品し、遊技場側で交換部品の交換作業を行う場合もある。よって、上記したような交換部品の部品点数が多くなると、交換作業が煩雑になる。
【0114】
そこで、本実施例のスロットマシン1は、筐体1aを開閉可能とする前面扉1bを、共通ユニット200、上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220といった複数のユニット部材にて構成し、これらのうち上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220ごと交換することで、多数の交換部品をまとめて簡単に交換することができるようにしている。
【0115】
具体的には、遊技場に設置された既存のスロットマシン1を機種変更する場合、図8に示すように、まず、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220に設けられた電気部品と遊技制御基板40と演出制御基板90との配線接続を解除する。そして、上部開閉ユニット210、下部開閉ユニット220を上方へ移動させて、回動軸330A,330Bから軸受孔331A,331B、回動軸340A,340Bから軸受孔341A,341Bをそれぞれ抜き出し、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とを共通ユニット200から取外す。
【0116】
そして、取外した上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220を、新たな機種に対応する上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に交換し、これら上部開閉ユニット210の軸受孔331A,331Bを回動軸330A,330Bへ挿入し、下部開閉ユニット220の軸受孔341A,341Bを回動軸340A,340Bへ挿入する。これにより、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが回動可能に軸支される。
【0117】
この状態で、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220をそれぞれ閉鎖位置へ回動させる。閉鎖位置まで回動することで、上部開閉ユニット210の係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止され、下部開閉ユニット220の係止部364A,364Bが被係止部366A,366Bに係止される。これにより、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが共通ユニット200の前面を閉鎖した状態で取付けられる。
【0118】
また、上部開閉ユニット210の係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止され、下部開閉ユニット220の係止部364A,364Bが被係止部366A,366Bに係止されることで、共通ユニット200を開放位置へ回動して該共通ユニット200の背面側から操作片357,367により操作しない限り、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220を閉鎖位置から開放位置へ回動させることができない状態となる。
【0119】
また、上部開閉ユニット210については、係止部354Aと被係止部356A及び係止部354Bと被係止部356Bを結束バンド358により連結する。これにより、上部開閉ユニット210は、係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとの係止を痕跡を残さずに解除することができない状態、つまり、係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようになる。
【0120】
そして、共通ユニット200に取付けられた上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220に設けられた各種電気部品を新たな機種に対応する遊技制御基板40や演出制御基板90に配線接続するとともに、リールユニット2を交換することで、簡単な作業で機種変更を行うことができる。
【0121】
つまり、遊技場において機種変更する場合には、筐体1aと共通ユニット200とは据え置きにしたまま、遊技機メーカーから納品される新たな機種に対応する上部開閉ユニット210、下部開閉ユニット220と遊技制御基板40や演出制御基板90とを交換するだけで済む。また、遊技機メーカーが回収先で機種変更する場合も、上部開閉ユニット210、下部開閉ユニット220、リールユニット2及び遊技制御基板40や演出制御基板90を交換するだけで済む。
【0122】
また、下部開閉ユニット220は、共通ユニット200に対し開閉可能に取付けられることで、下部開閉ユニット220の背面側に設けられる各種電子部品やメダルセレクタ29でのメダル詰まりなどの不具合が発生した場合において、共通ユニット200に対し下部開閉ユニット220を開放することで、メンテナンス作業等を簡単に行うことができる。
【0123】
一方、前面扉1bの前面側が上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220との2つのユニットに分割されることで、これら各ユニット間に隙間が生じやすく、これら隙間から針金等の不正部材を進入しやすくなるが、これら上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220との背面がこれら上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220と一体化する板状の共通ユニット200により閉鎖されているため、前面側から不正部材などが進入されたとしても、筐体1aの内部まで進入させることが困難となるため、共通ユニット200の背面側に設けられた遊技制御基板40や演出制御基板90に対する不正行為を抑制できる。
【0124】
以上説明したように、本発明の実施例1としてのスロットマシン1にあっては、本体部としての筐体1aと、筐体1aに対して左辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bと、を備え、前面扉1bは、異なるスロットマシンで共通に用いられる共通ユニット200と、該共通ユニット200に対して交換可能に設けられる交換ユニットとしての上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220と、共通ユニット200に設けられる軸部としての回動軸330A,330B、回動軸340A,340B及び上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に設けられる軸受部としての軸受孔331A,331B、軸受孔341A,341Bと、共通ユニット200に設けられる係止部としての係止部354A,354B、係止部364A,364B及び上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に設けられる被係止部としての被係止部356A,356B、被係止部366A,366Bと、を有し、上部開閉ユニット210の軸受孔331A,331Bを回動軸330A,330Bへ挿入し、下部開閉ユニット220の軸受孔341A,341Bを回動軸340A,340Bへ挿入する。
【0125】
これにより、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが回動可能に軸支される。この状態で、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220をそれぞれ閉鎖位置へ回動させる。閉鎖位置まで回動することで、上部開閉ユニット210の係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止され、下部開閉ユニット220の係止部364A,364Bが被係止部366A,366Bに係止される。これにより、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが共通ユニット200の前面を閉鎖した状態で取付けられ、共通ユニット200と一体化されて前面扉1bが構成される。
【0126】
このように、軸受孔331A,331Bや軸受孔341A,341Bに回動軸330A,330Bや回動軸340A,340Bを軸支することで、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を回動させることで係止部354A,354B、係止部364A,364Bを被係止部356A,356B、被係止部366A,366Bに簡単に係止させることができる。つまり、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を持って支えながら係止部354A,354B、係止部364A,364Bを被係止部356A,356B、被係止部366A,366Bに簡単に係止させる必要がないので、交換ユニットの交換作業時における利便性を高めることができる。
【0127】
また、係止部354A,354B、係止部364A,364Bと被係止部356A,356B、被係止部366A,366Bとの係止状態を、痕跡を残さずに解除できないようにする解除不可手段としての結束バンド358を備えることで、係止部と被係止部との係止状態を解除して上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を取外すといった不正行為を抑制することができる。
【0128】
また、共通ユニット200に対する上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220の回動軸心を形成する回動軸330A,330B、回動軸340A,340B及び軸受孔331A,331B、軸受孔341A,341Bは、筐体1aに対する共通ユニット200の回動軸心(例えば、回動軸300A,300Bと軸受孔301A,301Bとにより形成される回動軸心)と同じ左辺側に設けられる。このようにすることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220が共通ユニット200と逆側に開いたりすることがないので、遊技場においてスロットマシン1の周辺に設置された他のスロットマシンや構造物等との接触を抑制することができるため、遊技場側で交換作業を行う場合における作業性がより向上する。
【0129】
また、前面扉1bは、共通ユニット200に上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220を取付けていない状態でも、共通ユニット200だけで筐体1aを閉鎖することが可能であることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を共通ユニット200から取外した状態でも、筐体1aを閉鎖することができる。これにより、機種変更作業を行う際において、共通ユニット200から上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を取外しても、共通ユニット200だけで筐体1a内に各種部品が収納されている状態で閉鎖することができるので、利便性が向上する。
【0130】
また、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220は、図17(A)及び図17(B)に示すように、共通ユニット200から取外されたときに、直立状態で設置することが可能である。このようにすることで、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220の収納性が向上する。
【0131】
また、共通ユニット200は、表示手段としての液晶表示器51を含む表示ユニット202を有することで、液晶表示器51の損傷や不具合の発生に応じて容易に交換することができる。
【0132】
また、本発明の実施例1としてのスロットマシン1にあっては、本体部としての筐体1aと、筐体1aに対して左辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bと、を備え、前面扉1bは、板状に形成されるフレームユニットとしての共通ユニット200と、共通ユニット200の第1領域(例えば、前面上部)を開閉可能に設けられる第1開閉ユニットとしての上部開閉ユニット210と、共通ユニット200の前記第1領域とは異なる第2領域(例えば、前面下部)を開閉可能に設けられる第2開閉ユニットとしての下部開閉ユニット220と、を有する。
【0133】
このようにすることで、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を開放させることで共通ユニット200の前面上部や前面下部を解放することができるため、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220に設けられている各種装置や電気部品等のメンテナンス性が向上する。特に、遊技場における営業時間中に各種装置や電気部品の不具合が発生した場合でも、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を取外さなくても、開放するだけで点検やメンテナンスを行うことができるため、作業性が向上する。一方、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を一体化する共通ユニット200は板状に形成されているため、前面扉1bを介して不正部材を筐体1aへ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。
【0134】
また、共通ユニット200に対する上部開閉ユニット210及び下部開閉ユニット220の回動軸心は、筐体1aに対する共通ユニット200の回動軸心と同じ左辺側に設けられることで、スロットマシン1の周辺に設置された他のスロットマシンや構造物等との接触を抑制することができる。
【0135】
また、共通ユニット200は開口部201を有し、開口部201は表示手段としての液晶表示器51を含む表示ユニット202により閉鎖されている。このようにすることで、表示ユニット202があることで、開口部201を介して不正部材を筐体1aへ進入させることが困難となるため、不正行為を好適に抑制できる。
【0136】
次に、本発明の変形例1、2について、図9及び図10に基づいて説明する。図9は、本発明の変形例1としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。図10は、本発明の変形例2としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【0137】
前記実施例1では、表示ユニット202は、開口部201を閉鎖するように共通ユニット200に取付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9に示すように、例えば、上部開閉ユニット210の背面側に取付け、上部開閉ユニット210を共通ユニット200に取付け、閉鎖位置へ移動したときに開口部201を閉鎖するようにしてもよい。このようにすることで、液晶表示器51を含む表示ユニット202を交換部品とし、上部開閉ユニット210とともに表示ユニット202を簡単に交換することができる。
【0138】
また、図10に示すように、例えば、表示ユニット202は、共通ユニット200の開口部201を開閉可能に取付けられていてもよい。このようにした場合、表示ユニット202に何らかの不具合が生じた場合、表示ユニット202を共通ユニット200から取外さなくてもメンテナンス作業を行うことが可能となる。
【0139】
また、前記実施例1では、共通ユニット200に軸部としての回動軸330A,330B、340A,340Bを設け、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に軸受部としての軸受孔331A,331B、341A,341Bを設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200に軸受部としての軸受部としての軸受孔331A,331B、341A,341Bを設け、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に軸部としての回動軸330A,330B、340A,340Bを設けてもよい。
【0140】
また、前記実施例1では、共通ユニット200に被係止部としての被係止部356A,356B、366A,366Bを設け、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に係止部としての係止部354A,354B、364A,364Bを設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200に係止部としての係止部354A,354B、364A,364Bを設け、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220に被係止部としての被係止部356A,356B、366A,366Bを設けてもよい。
【0141】
また、前記実施例1では、共通ユニット200は上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが取付けられていない状態でも筐体1aの開口1cを閉鎖可能に構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200は上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とのうち少なくとも一方が一体化されることで、筐体1aの開口1cを閉鎖可能となるようにしてもよい。
【0142】
また、前記実施例1では、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とは、共通ユニット200を開放しない限り該共通ユニット200から取外すことができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200を開放しなくても該共通ユニット200から取外すことができるようにしてもよい。この場合、共通ユニット200の施解錠装置320のように、例えば、前面扉1bが閉鎖位置にあるときに該前面扉1bの前方から所定の解錠操作をしない限り上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を開放することができない構成とすることが好ましい。
【0143】
また、前記実施例1では、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが交換可能に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220以外のユニットが交換可能に取付けられていてもよい。
【0144】
さらに、共通ユニット200に対し交換可能な上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とは、共通ユニット200の前面上部と前面下部とを閉鎖可能な交換ユニットとして例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200の前面あるいは背面における所定領域を閉鎖可能に設けられていれば、上部と下部だけでなく、例えば、上部、中央部、下部といった3以上の領域をそれぞれ閉鎖可能な3以上の交換ユニットを交換可能に設けてもよい。
【0145】
また、前記実施例1では、共通ユニット200は板状に形成され、少なくとも下部開閉ユニット220の背面を閉鎖可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、交換ユニットとしての上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220が軸受部に軸部を軸支した上で回動させて、係止部を被係止部に係止することにより共通ユニットに取付けられるものであれば、共通ユニット200はフレーム部材などからなる枠状のユニット等であってもよい。
【実施例2】
【0146】
次に、本発明の実施例2としてのスロットマシン1Aについて、図11?図13に基づいて説明する。図11は、本発明の実施例2としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。図12は、(A)は上部開閉ユニットと被覆部材を共通ユニットから取外した状態を示す斜視図、(B)は係止部と被係止部とを結束バンドで連結した状態を示す要部拡大図である。図13は、(A)は共通ユニットの背面の一部を被覆部材により閉鎖する状態を示す図、(B)は被覆領域を示す共通ユニットの背面図である。尚、以下において、前記実施例1と同様の構成部位に関しては同様の符号を付すことで詳細な説明は省略することとする。
【0147】
前記実施例1では、共通ユニット200に対し上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220とが交換可能に設けられていたが、図11及び図12に示すように、本実施例2のスロットマシン1Aのように、下部開閉ユニット220は、共通ユニット200と一体化されて共通ユニットの一部を構成するものであってもよい。つまり、本実施例2における前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200Aと、共通ユニット200Aに対して交換可能に設けられる交換ユニットとしての上部開閉ユニット210と、を有している。
【0148】
尚、この場合、交換の対象となるのは主に上部開閉ユニット210と、共通ユニット200Aの表示パネル部材223である。また、上部開閉ユニット210は、上方へ移動させて回動軸330A,330Bから軸受孔331A,331Bをそれぞれ抜き出すことで、共通ユニット200から取外すことができる。
【0149】
そして、取外した上部開閉ユニット210を新たな機種に対応する上部開閉ユニット210に交換し、上部開閉ユニット210の軸受孔331A,331Bを回動軸330A,330Bへ挿入することで、共通ユニット200Aに対し上部開閉ユニット210が回動可能に軸支される。この状態で、上部開閉ユニット210を閉鎖位置へ回動させることで、上部開閉ユニット210の係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止され、これにより、上部開閉ユニット210が共通ユニット200Aの前面を閉鎖した状態で取付けられる。
【0150】
また、上部開閉ユニット210の係止部354A,354Bが被係止部356A,356Bに係止されることで、共通ユニット200Aを開放位置へ回動して該共通ユニット200Aの背面側から操作片357により操作しない限り、上部開閉ユニット210を閉鎖位置から開放位置へ回動させることができない状態となる。
【0151】
また、上部開閉ユニット210については、図12(B)に示すように、係止部354Aと被係止部356A及び係止部354Bと被係止部356Bを結束バンド358により連結する。これにより、上部開閉ユニット210は、係止部354A,354Bと被係止部356A,356Bとの係止状態を、痕跡を残さずに解除することができない状態、つまり、係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようになる。
【0152】
そして、共通ユニット200に取付けられた上部開閉ユニット210に設けられた各種電気部品を新たな機種に対応する遊技制御基板40や演出制御基板90に配線接続するとともに、リールユニット2を交換することで、簡単な作業で機種変更を行うことができる。
【0153】
また、共通ユニット200Aの操作基台部222の表面を構成する装飾領域222Aは、所定の装飾が施されている。そしてこの装飾領域222Aは、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10及び演出用スイッチ56といった遊技者が操作可能な操作部の周辺部に形成されており、遊技者が接触する割合が高い領域であるため、汚れが付着したり破損したりしやすい領域である。
【0154】
そこで、この装飾領域222Aの表面には、透光性を有する合成樹脂材からなる被覆部材400が、装飾領域222A全域を被覆するように、複数のネジN1により交換可能に取付けられている。被覆部材400は透光性を有することで、操作基台部222の表面に取付けられた状態において、該操作基台部222の表面を構成する装飾領域222Aを視認可能とされる。
【0155】
このように、異なるスロットマシンで共通に用いられる共通ユニット200Aは、長期の仕様により汚れが付着したり傷がついたりする。そして特に操作部の周辺部である装飾領域222Aなどは遊技者が接触する割合が高い領域であり、汚れが付着したり破損したりしやすいため、被覆部材400により装飾領域222Aを保護しておくことで、被覆部材400を交換するだけで、新たな機種として共通ユニット200Aを使用する際に、汚れや破損等の少ない状態で装飾領域222Aを提供することが可能となる。
【0156】
また、共通ユニット200Aの前面部分には、クロムメッキ加工が施されている。これにより、共通ユニット200Aの表面が汚れたり傷がついたりすることを抑制できるとともに、共通ユニット200Aの強度を高めることができる。
【0157】
また、図13(A)(B)に示すように、共通ユニット200Aにおいて、前記実施例1における下部開閉ユニット220に相当する領域には、メダルセレクタ29や操作基台部222に設けられるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10及び演出用スイッチ56といった各種電気部品が設けられている。そしてこれら電気部品は、背面側に露出されているため、これら電気部品も長期の使用により汚れたり破損したりする可能性が高い。
【0158】
よって、図13(A)(B)に示すように、例えば、操作部であるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20等が設けられた遊技用表示部13や、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定値表示器24の背面側は、透光性を有する合成樹脂材からなる被覆部材410により被覆されている。
【0159】
被覆部材410は、複数のネジN2により共通ユニット200の背面に交換可能に取付けられている。このように、複数の電気部品が背面側から単一の被覆部材410により被覆されていることで、電気部品が長期の使用により汚れたり破損したりすることが抑制される。また、被覆部材410を取外すことで、これら電気部品のメンテナンスや交換作業を必要に応じて簡単に行うことが可能となる。また、各種電気部品に対する不正行為を抑制することができる。さらに、被覆部材410透光性を有する合成樹脂材にて構成されているので、被覆部材410を取外さなくても各電子部品を確認できるので、電気部品に対し不正行為が行われた可能性があることを発見しやすくなる。
【0160】
本発明の実施例2としてのスロットマシン1Aにあっては、筐体1aに対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bを備え、前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200Aと、該共通ユニット200Aに対して交換可能に設けられる交換ユニットとしての上部開閉ユニット210と、を有し、共通ユニット2Aの表面における所定領域(例えば、装飾領域222A)を被覆する被覆部材400を交換可能に設けることで、共通ユニット200Aの表面における所定領域が汚れても、被覆部材400を交換するだけで済むため、共通ユニット200Aをより長く使用することができる。
【0161】
このように、共通ユニット200Aの表面が汚れたり破損することがないので、遊技場においては、交換ユニットの交換とともに被覆部材400を交換するだけで、共通ユニット200Aは長期にわたり綺麗な状態で繰り返し使用することが可能となる。
【0162】
また、共通ユニット200Aに設けられる電気部品(例えば、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20等が設けられた遊技用表示部13や、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定値表示器24など)の少なくとも一部を被覆する被覆部材410を設けることで、共通ユニット200Aに設けられる電気部品の破損等が防止されるため、共通ユニット200Aをより長く使用することができる。
【0163】
また、電気部品が壊れたりすることを抑制できるため、遊技機メーカーにおいては、交換ユニットを交換するだけで、共通ユニット200Aに設けられる電気部品は長期にわたり繰り返し使用することが可能となる。
【0164】
また、被覆部材410は、複数の電気部品をまとめて被覆する単一の部材にて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の電気部品のみを被覆する被覆部材とし、複数の電気部品を個別に被覆するようにしてもよい。また、必ずしも透過性部材にて構成されていなくてもよい。
【0165】
また、本実施例2では、操作基台部222の装飾領域222Aを被覆する被覆部材として被覆部材400を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200Aの表面における他の領域を被覆する被覆部材を設けてもよい。
【0166】
また、本実施例2では、共通ユニット200の背面を被覆する被覆部材として被覆部材410を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200Aの背面における他の領域を被覆する被覆部材や、共通ユニット200Aの前面側に設けられる電気部品等を被覆する被覆部材を設けてもよい。
【0167】
また、本実施例2で説明した被覆部材400,410等の被覆部材は、前記実施例1に記載のスロットマシン1にも適用可能である。
【0168】
次に、本発明の変形例3?5について、図14?図16に基づいて説明する。図14は、本発明の変形例3としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。図15は、本発明の変形例4としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。図16は、本発明の変形例5としてのスロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【0169】
前記実施例2では、表示ユニット202は、開口部201を閉鎖するように共通ユニット200Aに取付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図14に示すように、例えば、上部開閉ユニット210の背面側に取付けてもよい。この場合、上部開閉ユニット210を共通ユニット200に取付け、閉鎖位置へ移動したときに開口部201を閉鎖する。このようにすることで、液晶表示器51を含む表示ユニット202を交換部品とし、上部開閉ユニット210とともに表示ユニット202を簡単に交換することができる。
【0170】
また、図15に示すように、例えば、表示ユニット202は、共通ユニット200Aの開口部201を開閉可能に取付けられていてもよい。このようにした場合、表示ユニット202に何らかの不具合が生じた場合、表示ユニット202を共通ユニット200から取外さなくてもメンテナンス作業を行うことが可能となる。
【0171】
また、前記実施例2では、上部開閉ユニット210は、共通ユニット200Aに対し開閉可能に取付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、共通ユニット200Aに対し上下方向にスライド移動させることで交換可能に取付けできるようにしてもよい。
【0172】
具体的には、図16(A)に示すように、共通ユニット200Aの前面上部の左右側には、上下方向を向く板状の案内部材500L,500Rが取付けられている。案内部材500L,500Rには、前端から後方へ向けて形成される水平部と、該水平部の後端から下方へ延設される垂直部とからなる溝状の案内部501A,501Bが上下に形成されている。
【0173】
また、図16(C)に示すように、案内部501A,501Bの下部近傍には、係止部503が左右方向を向く回動軸502を中心として回動可能に設けられている。係止部503は、案内部501A,501Bに突出する係止位置と案内部501A,501Bから退避する解除位置との間で回動可能であり、図示しないバネにより常時係止位置へ向けて付勢されている。また、係止部503の回動軸502の反対側には規制孔504が形成されており、係止位置において、案内部材500L,500Rに形成されたネジ孔505に合致するようになっている。
【0174】
一方、上部開閉ユニット210の背面における左右側には、左右方向を向く柱状部材からなる被案内部510A,510Bがそれぞれ上下に設けられている。被案内部510A,510Bは案内部501A,501Bに挿入可能な外径を有している。
【0175】
上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに取付けるには、図16(B)に示すように、上部開閉ユニット210の被案内部510A,510Bを案内部501A,501Bの水平部に前方から差し込んだ後、垂直部に沿って下方へ移動させる。被案内部510A,510Bが案内部501A,501Bの垂直部により案内されることで、上部開閉ユニット210は共通ユニット200Aの前面に近接または当接した状態で下方へスライド移動する。
【0176】
図16(C)に示すように、案内部501A,501Bの垂直部を下降する被案内部510A,510Bは、垂直部の下端に到達する前に、係止部503に接触して図示しないバネの付勢力に抗して係止部503を解除位置側へ回動させて下降する。そして垂直部の下端に到達して下方への移動が規制されたとき、係止部503が図示しないバネの付勢力により係止位置へ復帰して被案内部510A,510Bに係止されることで、被案内部510A,510Bの上方への移動が規制される。このように、係止部503により被案内部510A,510Bの上方への移動が規制されることで、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに取付けられる。
【0177】
また、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aから取外す場合には、共通ユニット200Aを開放し、共通ユニット200Aの背面側から係止部503を操作して解除位置へ回動させて、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに対し上方へスライド移動させ、被案内部510A,510Bを案内部501A,501Bから逸脱させればよい。
【0178】
このように、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに対し取付ける場合、案内部501A,501Bに被案内部510A,510Bを案内させた上で上部開閉ユニット210をスライド移動させて、係止部503を被案内部510A,510Bに係止することにより、共通ユニット200Aに取付けることができる。つまり、係止部503により係止される被案内部510A,510Bを、案内部501A,501Bに案内させることにより簡単に係止部503により係止させることができるので、上部開閉ユニット210の交換作業を簡単に行うことができる。
【0179】
また、係止部503により被案内部510A,510Bが係止されたとき、係止部503の規制孔504がネジ孔505に合致するため、図16(D)に示すように、例えば、従来公知のワンウェイネジ506を規制孔504に差し込んでネジ孔505に螺入することで、係止状態を解除するには案内部材500L,500Rや係止部503等が破損するなど何らかの痕跡が残ることになる。つまり、痕跡を残さずに係止状態を解除して上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aから取外すことはできないため、不正行為を抑制することができる。
【0180】
尚、本変形例5では、従来公知のワンウェイネジ506により係止部503と被案内部510A,510Bとの係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ワンウェイネジで連結する以外の方法(例えば、貼付した場合には破断する封印シールを係止部503と被案内部510A,510Bとに跨るように貼付しておくなど)で係止状態を解除した場合にはその痕跡が残るようにしてもよい。
【0181】
本発明の変形例5としてのスロットマシン1Aにあっては、本体部としての筐体1aと、筐体1aに対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bと、を備え、前面扉1bは、異なる遊技機で共通に用いられる共通ユニット200Aと、共通ユニット200Aに対して交換可能に設けられる交換ユニットとしての上部開閉ユニット210と、共通ユニット200Aに設けられる案内部501A,501B及び上部開閉ユニット210に設けられる被案内部510A,510Bと、共通ユニット200Aに設けられる係止部503及び上部開閉ユニット210に設けられる被案内部510A,510Bと、を有し、上部開閉ユニット210は、案内部501A,501Bに被案内部510A,510Bを案内させた上で上部開閉ユニット210を下方へスライド移動させて、係止部503を被案内部510A,510Bに係止することにより、共通ユニット200Aに取付けることができる。
【0182】
このようにすることで、案内部501A,501Bに被案内部510A,510Bを案内させ、共通ユニット200Aに対し上部開閉ユニット210をスライド移動させることで、係止部503を被案内部510A,510Bに簡単に係止させることができるので、上部開閉ユニット210の交換作業時における利便性を高めることができる。
【0183】
また、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに対し取付ける場合、案内部501A,501Bに被案内部510A,510Bを案内させた上で、重量を有する上部開閉ユニット210を下方へ向けてスライド移動させるだけで係止部503を被案内部510A,510Bに容易に係止させることができるため、作業効率が高まる。
【0184】
また、本変形例5では、共通ユニット200Aに案内部501A,501Bを設け、上部開閉ユニット210に被案内部510A,510Bを設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200Aに被案内部510A,510Bを設け、上部開閉ユニット210に案内部501A,501Bを設けてもよい。また、案内部は溝部等に限定されるものではなく、案内レールなど他の形態としてもよい。
【0185】
また、本変形例5では、共通ユニット200Aに係止部503を設け、上部開閉ユニット210に被係止部である被案内部510A,510Bを設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200Aに被案内部510A,510Bを設け、上部開閉ユニット210に係止部503を設けてもよい。
【0186】
また、本変形例5では、被案内部510A,510Bが係止部503に係止される被係止部を兼ねる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、係止部503に係止される被係止部を被案内部510A,510Bとは別個に設けてもよい。
【0187】
また、本変形例5では、共通ユニット200Aに対し上部開閉ユニット210を上方から下方へ向けてスライド移動させて係止部503を被案内部510A,510Bに係止することより、上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに取付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200Aに対し上部開閉ユニット210を左側方、右側方、下方向のいずれからスライド移動させることにより上部開閉ユニット210を共通ユニット200Aに取付けるようにしてもよい。
【0188】
また、前記変形例5では、共通ユニット200は板状に形成され、少なくとも下部開閉ユニット220の背面を閉鎖可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、交換ユニットとしての上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220が案内部に被案内部を案内させた上でスライド移動させて、係止部を被係止部に係止することにより共通ユニット200Aに取付けられるものであれば、共通ユニット200はフレーム部材などからなる枠状のユニット等であってもよい。
【0189】
また、前記実施例1,2及び変形例では、本体部として前面が開口する筐体1aを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体部は枠状部材により構成されていてもよい。
【0190】
また、前記実施例1,2及び変形例では、前面扉部としての前面扉1bは、筐体1aの左辺側を回動軸心として開閉可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、筐体1aの右辺側、上辺側、下辺側を回動軸心として開閉可能に設けられていてもよい。
【0191】
また、前記実施例1,2及び変形例では、上部開閉ユニット210と下部開閉ユニット220の回動軸心は、前面扉部としての前面扉1bに対する共通ユニット200,200Aの回動軸心と同じ左辺側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220の回動軸心は、前面扉1bに対する共通ユニット200,200Aの回動軸心とは異なる位置(例えば、右辺側など)に設けられていてもよい。
【0192】
また、前記実施例1,2及び変形例では、共通ユニット200は板状の部材にて形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠状に形成されていてもよい。
【0193】
また、前記実施例1,2及び変形例では、筐体1aに軸部としての回動軸300A,300Bを設け、共通ユニット200に軸受部としての軸受孔301A,301Bを設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通ユニット200に軸受部としての軸受孔301A,301Bを設け、筐体1aに軸部としての回動軸300A,300Bを設けてもよい。また、共通ユニット200は筐体1aに対し交換可能に設けられていたが、交換が困難な状態に設けられていてもよい。
【0194】
また、実施例1,2及び変形例では、交換ユニットとしての上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220は、例えば、図17に示すように、共通ユニット200,200Aから取外されたときに、直立状態で設置することが可能であることで、複数の上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を並べて設置すること等が可能となるため、複数台のスロットマシンの上部開閉ユニット210や下部開閉ユニット220を交換する際の利便性が向上するとともに、遊技機メーカーから遊技場への搬送や保管時の収納性が向上する。
【0195】
また、実施例1,2及び変形例では、共通ユニット200,200Aに開口部201が形成され、該開口部201を閉鎖するように表示ユニット202が取付けられる形態を例示したが、特に開口部201を設けなくてもよい。また、表示ユニット202は交換部品の対象としていない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示ユニット202を交換部品としてもよい、この場合、変形例1,3のように、表示ユニット202を上部開閉ユニット210に設けることが好ましい。
【0196】
また、実施例1,2及び変形例1?5では、異なる遊技機で共通に用いられる共通部品として、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、リセットスイッチ23、設定値表示器24、メダルセレクタ29(流路切替ソレノイド30、投入メダルセンサ31)、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、スピーカ53,54、演出用スイッチ56、液晶表示器51を含む表示ユニット202、及び下皿部224を例示し、機種毎に交換の対象となる交換部品として、遊技制御基板40、演出制御基板90、リール2L,2C,2Rを含むリールユニット2、装飾部材213、可動部を有する演出装置、装飾部材225及び表示パネル部材223を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した共通部品や交換部品以外の電気部品や装置、部材等を適用してもよい。
【0197】
また、上記共通部品の一部を交換部品としてもよいし、上記交換部品の一部を共通部品としてもよい。具体的には、例えば、共通部品としての液晶表示器51を含む表示ユニット202を交換部品としたり、交換部品としての装飾部材213,225を共通部品としてもよく、種々に変更可能である。
【0198】
また、筐体1aに設けられるリールユニット2や遊技制御基板40は交換部品であるため、例えば、共通ユニット200,200Aに取付け、共通ユニット200,200Aを開放することにより、筐体1aから前方へ移動されるようにしてもよい。あるいは、必要に応じて共通ユニット200,200Aと一緒に、筐体1aから取外すことができるようにしてもよい。
【0199】
また、実施例1,2及び変形例では、カバーパネル212は液晶表示器51の表示領域51aの全域を前面側から被覆する部材であったため、装飾等は特に施されていなかったが、例えば、液晶表示器51の表示領域51aがリール2L,2C,2Rの上方のみ等に設けられ、リール2L,2C,2Rの前面側のみを被覆するカバーパネルとした場合等、機種固有の装飾が施されていれば、交換部品として適用してもよい。
【0200】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0201】
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0202】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0203】
また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示した構成を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用しても良い。
【符号の説明】
【0204】
1,1A スロットマシン
1a 筐体
1b 前面扉
200,200A 共通ユニット
202 表示ユニット
210 上部開閉ユニット
220 下部開閉ユニット
330A,330B 回動軸
331A,331B 軸受孔
340A,340B 回動軸
341A,341B 軸受孔
354A,354B 係止部
356A,356B 被係止部
364A,364B 係止部
366A,366B 被係止部
400,410 被覆部材
501A,501B 案内部
510A,510B 被案内部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技が可能な遊技機であって、
本体部と、
前記本体部に対して一辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部と、
を備え、
前記開閉扉部は、
板状に形成されるベースユニットと、
前記ベースユニットの第1領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第1開閉ユニットと、
前記ベースユニットの前記第1領域とは異なる第2領域を前記ベースユニットの前面側から開閉可能に設けられる第2開閉ユニットと、
液晶表示装置を有する表示ユニットと、
を有し、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットに対して交換可能に設けられ、
前記開閉扉部は、前記遊技機前面側から挿入された鍵の操作により前記本体部に対して開放可能であり、
前記第1開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第1操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第2開閉ユニットは、前記開閉扉部を開放することで操作可能となる第2操作部を操作することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記第1開閉ユニットは、規制手段により前記ベースユニットに対して開放不能に規制され、前記規制手段を破壊することで前記ベースユニットの前面側に開放可能となり、
前記ベースユニットは前記第1領域に開口部を有し、該開口部を前記ベースユニットの後面側から開閉可能に前記表示ユニットが設けられ、
前記本体部は、前面が開口する箱状に形成され、
該本体部の内部には、複数のリールを含むリールユニットと、前記リールの駆動制御を含む遊技の制御を行う遊技制御手段が搭載された遊技制御基板と、が収容され、
前記ベースユニットは、前記本体部の前面開口を塞ぐ板状に形成され、
前記表示ユニットの後面側に前記液晶表示装置の制御を行う演出制御手段が搭載された演出制御基板が配置され、
前記ベースユニットに前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットを取り付けていない状態でも、前記開閉扉部を閉鎖することで前記ベースユニット及び前記表示ユニットにより前記本体部の前面開口が塞がれ、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、前記ベースユニットから取外されたときに、直立状態で設置することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-08-24 
出願番号 特願2015-251200(P2015-251200)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安藤 達哉  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
佐藤 高之
登録日 2020-06-05 
登録番号 特許第6713275号(P6713275)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 林 修身  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 石川 好文  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 重信 和男  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 溝渕 良一  
代理人 重信 和男  
代理人 林 修身  
代理人 石川 好文  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 溝渕 良一  

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