• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B63B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B63B
管理番号 1379882
異議申立番号 異議2021-700662  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-07-12 
確定日 2021-11-20 
異議申立件数
事件の表示 特許第6813424号発明「船体構造及び船舶」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6813424号の請求項1?6に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第6813424号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成29年4月28日の特許出願であって、令和2年12月21日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月13日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許の請求項1?6について、同年7月12日付けで特許異議申立人 北村 宜正により特許異議の申立てがされたものである。

第2.本件発明
特許第6813424号の請求項1?6に係る特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
タンク内に設けられる交通孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる桁部材と、前記桁部材に直交して縦方向に縦通すると共に前記交通孔寄りに位置する縦通部材と、を備えた船体構造であって、
前記交通孔は、前記縦通部材に隣接して設けられ、
前記縦通部材の一部が、前記交通孔の周縁の一部を形成しており、
前記交通孔は、前記縦通部材に繋がるように切り欠かれることを特徴とする船体構造。
【請求項2】
前記縦通部材は、前記船体の縦方向に延び横方向の仕切りを形成する縦通隔壁であり、
前記桁部材は、前記縦通隔壁に直交して横方向に延び前記交通孔を備える横桁であり、
前記横桁の前記交通孔は、前記縦通隔壁横に隣接して設けられ、
前記縦通隔壁の側面の一部が、前記交通孔の前記縦通隔壁側の周縁の一部を形成していることを特徴とする請求項1記載の船体構造。
【請求項3】
前記船体は、二重船殻構造を有し、
前記縦通隔壁は、船内を横方向に隔てるバルクヘッドであり、
前記横桁は、トランスリングを構成する甲板横桁であることを特徴とする請求項2記載の船体構造。
【請求項4】
前記船体の二重船殻を構成する外板及び内板を備え、
前記桁部材は、前記外板と前記内板との間に設けられ前記船体の縦方向の仕切りを形成すると共に前記交通孔を備える立桁であり、
前記縦通部材は、前記立桁に直交して縦方向に延び前記立桁を縦通する縦通縦桁であり、
前記立桁の前記交通孔は、前記縦通縦桁上に隣接して設けられ、
前記縦通縦桁の上面の一部が、前記交通孔の縦通縦桁側の周縁の一部を形成していることを特徴とする請求項1記載の船体構造。
【請求項5】
前記立桁は、トランスリングを構成するサイドフロアであり、
前記縦通縦桁は、歩廊を兼ねる水平ガーダであることを特徴とする請求項4記載の船体構造。
【請求項6】
請求項1?5の何れか一項に記載の船舶構造を有する船舶。」

第3.申立理由の概要
異議申立人は、以下のように主張する。
1.請求項1,4,5,6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物(甲第1号証?甲第3号証の各々)に記載された発明であり、また、請求項1,6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲第4号証)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから,その特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであるので、取り消されるべきものである。
2.請求項2,3に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲第4号証)に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、請求項5に係る発明は甲第1号証?甲第3号証の各々に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるので,取り消されるべきものである。

甲第1号証:船のメンテナンス研究会編著“船のメンテナンス技術”、初版、株式会社成山堂書店、平成8年7月28日、表紙、10?13頁、20?21頁、奥付
甲第2号証:惠美 洋彦著、“英和版 船体構造イラスト集”、初版、株式会社成山堂書店、2006年11月28日、表紙、6?7頁、奥付
甲第3号証:実願昭62-21194号(実開昭63-128192号)のマイクロフィルム
甲第4号証:David Tinsley 、“Diamond concept brought to the Handysize market”、THE NAVAL ARCHITECT SEPTEMBER 2005、The Royal Institution of Naval Architects、2005年9月、11?12頁

第4.各甲号証の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証の図1.14には、
「サイドタンク内に設けられる複数の開口を有し船体の上下方向に延びる部材と、前記部材に直交して縦方向に縦通するとともに前記開口寄りに位置する船側縦桁13と、を備えたコンテナ船の中央部構造であって、前記開口は前記船側縦桁13に隣接して設けられ、前記船側縦桁13の一部が前記開口の周縁の一部を形成しており、前記開口は、前記船側縦桁13に繋がるように切り欠かれる、コンテナ船の中央部構造。」が記載されていると認められる(以下「甲1発明」又は「甲1に記載された事項」という。)



(2)甲第2号証
甲第2号証の7ページ右下の船体構造のイラストには、
「Transverse bulkheadに対して上側からtruck and container deck、Car deck、Inner bottom platingが設けられ、その右側にL.BHD of side tankが形成された旅客兼カーフェリーの船体構造。」が記載されている(以下「甲2発明」又は「甲2に記載された事項」という。)。



(3)甲第3号証
甲第3号証には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
ア.「〔従来の技術〕
例えば、コンテナー船の二重線側構造としては、船倉幅を広くし船側構造巾を狭くするために、従来、第4図船体横断面図に示すように、二重船側構造の上部を第2甲板04で仕切り、第5図部分拡大図に示すように,第2甲板04上にオーバーフロー連通管05を船の長手方向に導設し、その上方に通行用床06を架設し,その上を船員の通行スペース07とし、更にその上方に炭酸ガス配管08,電灯09,電線010等を布設するものが一般に知られている。
ここで、011は上甲板、012は外板、013は縦通隔壁、014(第6図部分拡大横断面図参照),015(第7図部分拡大横断面図参照)は縦通肋骨、016は特設横肋骨、017はバラストタンク、018は04?016が協働して構成される通行区画、fは乾舷、0hは通行区画の高さである。
しかしながら、このような構造では、通行用床06を特に架設し、その下側にオーバーフロー連通管を導設しているので、下記のような欠点がある。
(1)通行区画の高さ0hが高くなるので、船の深さが増大してその建造コストが嵩む。
(2)船の深さを一定に抑えると第2甲板04が下がるので、バラストタンク017の容積が減少し、復元力が減少するとともに、第2甲板04を乾舷甲板としている船では乾舷fを確保することができない。」(明細書1ページ14行?3ページ3行)
イ.「本考案をコンテナー船に適用した一実施例を図面について説明すると、第1図はその部分横断面図、第2図は、第1図の縦通肋骨兼オーバーフロー連通管を示す部分拡大図、第3図は第2図の変形例を示す同じく部分拡大図である。
上図において、第4?7図と同一の記号はそれぞれ同図と同一の部材を示し、まず第1?2図において、1は外板012の内面に半割り鋼管2を溶接することにより構成された縦通肋骨兼オーバーフロー連通管、3は1,04,07?016が協働して構成する通行区画、hは通行区画の高さである。
このような構造において、縦通肋骨兼オーバーフロー連通管1は外板012の内面に構成されているので船員の通行の邪魔にならず、かつ第2甲板04上に第5図に示すようなオーバーフロー連通管05を導設したり通行用床06を架設したりする必要がないので、その分だけ通行区画の高さhは通行区画の高さ0h(第5図参照)に比べ低くすることができる。」(明細書4ページ1行?5ページ1行)
ウ.「要するに本考案によれば、縦通骨材により補強された外板及び縦通骨材により補強された縦通隔壁よりなる二重船側構造において、縦通肋骨兼オーバーフロー連通管を上記外板内面又は上記縦通隔壁の通路側に固着したことにより、建造コストを削減し、復元力を増加し乾舷を確保することができる経済的な二重船側構造を得るから、本考案は産業上極めて有益なものである。」(明細書6ページ1?9行)
エ.第1図、第4図、第5図には以下の内容が示されている。







オ.上記ア.の下線部の記載事項及び第1図の図示内容からみて、二重船側構造のバラストタンク017の上部を第2甲板04で仕切っていることが理解できる。
カ.第1図からみて、縦方向に縦通すると共に通行スペース07に繋がる第2甲板04と、前記通行スペース07は、前記第2甲板04の上に隣接して設けられ、前記第2甲板04の一部が前記通行スペー07の周縁の一部を形成していることが看てとれる。
そうすると、甲第3号証には,以下の発明(以下「甲3発明」という。)又は以下の事項(以下「甲3に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「縦通骨材014により補強された外板012及び縦通骨材014により補強された縦通隔壁013よりなる二重船側構造において、
二重船側構造のバラストタンク017の上部を第2甲板04で仕切り、
縦方向に縦通すると共に通行スペース07に繋がる第2甲板04と、前記通行スペース07は、前記第2甲板04の上に隣接して設けられ、前記第2甲板04の一部が前記通行スペース07の周縁の一部を形成している、二重船側構造。」

(3)甲第4号証
甲第4号証には、図面とともに以下の事項が記載されている({}内に異議申立人の提出した翻訳文を示す。)。
ア.「The Diamond double-hull configuration presents a second barrier to accidental water ingress, and permits the bulkhead framing and side frames to be arranged outside the holds,and within the inter-shell spaces.」(11ページ左欄下から3行?中欄2行)
{Diamondのダブルハル構造は、偶発的な水の浸入に対する2次的な障壁を提供し、バルクヘッドのフレームとサイドフレームを、船倉の外側と船殻の間のスペースに配置できるようにする。}
イ.11ページ右上図には以下の内容が示されている。



11ページ右上図の右上部分には、アッパーデッキとストリンガー3が接続された部分に略円形の領域が形成されたものが示されている。
そうすると、甲第4号証には、以下の発明(以下「甲4発明」という。)又は以下の事項(以下「甲4に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「Diamondのダブルハル構造は、偶発的な水の浸入に対する2次的な障壁を提供し、バルクヘッドのフレームとサイドフレームを、船倉の外側と船殻の間のスペースに配置でき、アッパーデッキとストリンガー3が接続された部分に略円形の領域が形成された、ダブルハル構造。」

第5.当審の判断
1.請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)について
(1)特許法第29条第1項第3号について
ア.甲1発明を主引用発明として
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「サイドタンク」は前者の「タンク」に相当し、「船側縦桁13」は「縦通部材」に「コンテナ船の中央部構造」は「船体構造」に、それぞれ相当する。
後者の「部材」と前者の「桁部材」とは「部材」において共通する。
後者の「開口」と前者の「交通孔」とは「孔」において共通する。
後者の「サイドタンク内に設けられる複数の開口を有し船体の上下方向に延びる部材」と前者の「タンク内に設けられる交通孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる桁部材」とは、「タンク内に設けられる孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる部材」において共通する。
そうすると、両者は、
「タンク内に設けられる複数の孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる部材と、前記部材に直交して縦方向に縦通するとともに前記孔寄りに位置する縦通部材と、を備えた船体構造であって、
前記孔は前記縦通部材に隣接して設けられ、前記縦通部材の一部が前記孔の周縁の一部を形成しており、前記孔は、前記縦通部材に繋がるように切り欠かれる、船体構造。」
において一致し、以下の各点において相違する。
<相違点1-1>
「孔」に関して、本件発明1では、「交通孔」であるのに対して、甲1発明では、「開口」である点。
<相違点1-2>
部材に関して、本件発明1では、「桁部材」であるのに対して、甲1発明では.「桁部材」であるか不明である点。
<相違点1-1について>
複数の開口は、本件発明の交通孔と比較してかなり大きなものであり、その大きさからしても,交通孔とは言いがたいし、甲1発明の「開口」は、船側縦桁13等によりサイドタンクを複数のタンク(部屋)に分割することにより生じたものと解するのが自然であるから、甲1発明の複数の「開口」は、本件発明1の「交通孔」とはいえないものである。
したがって、相違点1-2について、検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明でない。

イ.甲2発明を主引用発明として
本件発明1と甲2発明とを対比すると、後者の「L.BHD of side tank」は前者の「タンク」に相当するものの、甲2発明には、当該「L.BHD of side tank」内に前者の「交通孔」に相当するものは開示されていないし、「交通孔」自体が開示されていない。
したがって、本件発明1は、甲2発明ではない。

ウ.甲3発明を主引用発明として
本件発明1と甲3発明とを対比すると、後者の「バラストタンク017」は前者の「タンク」に相当し、以下同様に、「二重船側構造」は「船体構造」に、「第2甲板04」は「縦通部材」に、それぞれ相当する。
後者の「通行スペース07」と前者の「交通孔」とは「交通空間」である点で共通する。
後者の「縦方向に縦通すると共に通行スペース07に繋がる第2甲板04と、前記通行スペース07は、前記第2甲板04の上に隣接して設けられ、前記第2甲板04の一部が前記通行スペース07の周縁の一部を形成している」ことと、前者の「縦方向に縦通すると共に前記交通孔寄りに位置する縦通部材と」「前記交通孔は、前記縦通部材に隣接して設けられ、前記縦通部材の一部が、前記交通孔の周縁の一部を形成しており、前記交通孔は、前記縦通部材に繋がるように切り欠かれること」とは、「縦方向に縦通すると共に交通空間寄りに位置する縦通部材と、」「前記交通空間は、前記縦通部材に隣接して設けられ、前記縦通部材の一部が前記交通空間の周縁の一部を形成しており、前記交通空間は前記縦通部材に繋がっていること」において共通する。
そうすると、両者は、
「交通空間を有し、縦方向に縦通すると共に前記交通空間寄りに位置する縦通部材と、を備えた船体構造であって、
前記交通空間は、前記縦通部材に隣接して設けられ、前記縦通部材の一部が前記交通空間の周縁の一部を形成しており、前記交通空間は前記縦通部材に繋がっている、船体構造。」
の点で一致し、以下の各点で相違すると認められる。
<相違点3-1>
船体構造が、本件発明1では、「タンク内に設けられる交通孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる桁部材と、前記桁部材に直交して」縦方向に縦通すると共に前記交通孔寄りに位置する縦通部材と、を備えたのに対して、甲3発明では「縦通骨材014により補強された外板012及び縦通骨材014により補強された縦通隔壁013よりなる二重船側構造において、二重船側構造のバラストタンク017の上部を第2甲板04で仕切り、縦方向に縦通すると共に通行スペース07に繋がる第2甲板04と」「第2甲板04の上に隣接して設けられ」た「通行スペース07」とを備えた点。
<相違点3-2>
交通空間が、本件発明1では、「交通孔」であり、「前記交通孔」は、前記縦通部材に繋がるように「切り欠かれる」のに対して、甲3発明では、「通行スペース07」であり、「通行スペース07」は「第2甲板04」に繋がるものの「切り欠かれる」か否か不明な点。
<相違点3-1について>
甲3発明では、船体の横方向又は上下方向に延びる「桁部材」が「タンク内」に設けられる「交通孔」を有していない。
そうすると、相違点3-2を検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明でない。

エ.甲4発明を主引用発明として
本件発明1と甲4発明とを対比すると、後者の「Diamondのダブルハル構造」又は「ダブルハル構造」は前者の「船体構造」に相当する。
そうすると、両者は、
「船体構造。」で一致し、以下の点で相違する。
<相違点4>
本件発明1では、「タンク内に設けられる交通孔を有し船体の横方向又は上下方向に延びる桁部材と、前記桁部材に直交して縦方向に縦通すると共に前記交通孔寄りに位置する縦通部材と、を備えた船体構造であって、前記交通孔は、前記縦通部材に隣接して設けられ、前記縦通部材の一部が、前記交通孔の周縁の一部を形成しており、前記交通孔は、前記縦通部材に繋がるように切り欠かれる」ものであるのに対して、甲4発明では、「Diamondのダブルハル構造は、偶発的な水の浸入に対する2次的な障壁を提供し、バルクヘッドのフレームとサイドフレームを、船倉の外側と船殻の間のスペースに配置でき、アッパーデッキとストリンガー3が接続された部分に略円形の領域が形成された」点。
<相違点4について>
甲4には、11ページ右上図の右上部分には、アッパーデッキとストリンガー3が接続された部分に略円形の領域が形成されたものが示されているものの、当該「略円形の領域」が「突出した領域」なのか、「孔の領域」なのかすら不明である。
そうすると、甲第4号証には、「タンク」内に設けられる「交通孔」を有する「桁部材」について何ら記載がなく、それ以上の特定をすることができない。
したがって、本件発明1は、甲4発明ではない。

オ.小括
以上によれば、本件発明1は、甲1発明?甲4発明のいずれでもなく、新規性があり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当しない。

(2)特許法第29条第2項について
甲第1号証ないし甲第4号証のいずれにも、「タンク」内に設けられる「交通孔」を有する「桁部材」について開示されていないから、これらの甲1発明?甲4発明(又は甲1に記載された事項?甲4に記載された事項)をどのように寄せ集めたとしても、本件発明1には、至らない。
したがって、本件発明1は、甲4発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1発明、甲2に記載された事項及び甲3に記載された事項(又は,甲2発明、甲1に記載された事項及び甲3に記載された事項、又は、甲3発明、甲1に記載された事項及び甲2に記載された事項)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2.請求項2?6に係る発明について
請求項2?6に係る発明は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定して発明を特定するものであるから、請求項2?6に係る発明については、本件発明1と同じ理由により,甲4発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1発明、甲2に記載された事項及び甲3に記載された事項(又は,甲2発明、甲1に記載された事項に記載された事項、又は、甲3発明、甲1に記載された事項及び甲2に記載された事項)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?6に係る特許を取り消すことができない。
また、他に請求項1?6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-11-09 
出願番号 特願2017-89972(P2017-89972)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B63B)
P 1 651・ 113- Y (B63B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福田 信成  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 八木 誠
藤井 昇
登録日 2020-12-21 
登録番号 特許第6813424号(P6813424)
権利者 住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
発明の名称 船体構造及び船舶  
代理人 特許業務法人雄渾  
代理人 山口 健次郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ