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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録(定型) C30B 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録(定型) C30B 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録(定型) C30B |
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管理番号 | 1380336 |
総通号数 | 1 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-05-29 |
確定日 | 2021-12-21 |
事件の表示 | 特願2015−247970「SiCシード及びSiCインゴット」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月22日出願公開、特開2017−109912、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年12月18日の出願であって、平成31年3月6日付けで拒絶理由が通知され、令和1年5月9日に意見書の提出及び手続補正がされ、同年8月23日付けで拒絶理由が通知され、同年10月17日に意見書の提出及び手続補正がされたが、令和2年3月6日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年5月29日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がされたものである。 第2 令和2年5月29日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 令和2年5月29日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)本件補正の内容 令和2年5月29日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、請求項1について、 「第1の螺旋転位発生ラインは、チップ化する際のダイシングラインに沿って形成されている」 という発明特定事項を付加導入する補正を含むものである。 (2)新規事項の追加の有無について チップ化する際のダイシングラインについて、本願明細書の段落【0019】に、 「本発明者らは、SiCウェハから半導体デバイスを作製する際に、SiCウェハを分断しチップ化する点に注目した。そして、螺旋転位をチップ化する際のダイシングラインに沿って導入することで、切断後に得られる半導体デバイス内の実質的な品質を高めることができることを見出した。」 の記載がある。 この記載において、ダイシングラインに沿って螺旋転位が形成される対象は、「分断しチップ化する」ところの、「SiCウェハ」である。 一方、請求項1に記載された「SiCシード」は、SiCのバルク単結晶であるインゴットを育成する際に初晶として用いられる種結晶であり、SiCのインゴットから形成される「SiCウェハ」ではない。 そして、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のいずれにも、「SiCシード」自体をダイシングしてチップ化することは記載されているとはいえず、そのことが自明な事項でもない。 そうすると、「SiCシード」について、「第1の螺旋転位発生ラインは、チップ化する際のダイシングラインに沿って形成されている」との発明特定事項を付加導入する上記補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものということはできない。 (3)まとめ したがって、この補正を含む本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 第2のとおり、本件補正は却下されたから、本願の請求項1ないし13に係る発明は、令和1年10月17日付けで手続補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-11-30 |
出願番号 | P2015-247970 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
WYF
(C30B)
P 1 8・ 121- WYF (C30B) P 1 8・ 561- WYF (C30B) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
宮澤 尚之 |
特許庁審判官 |
後藤 政博 関根 崇 |
発明の名称 | SiCシード及びSiCインゴット |
代理人 | 荒 則彦 |
代理人 | 勝俣 智夫 |
代理人 | 及川 周 |