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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1380743
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-02-12 
確定日 2021-12-07 
事件の表示 特願2016−575496「触覚タッチセンサシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月30日国際公開,WO2015/200726,平成29年 8月31日国内公表,特表2017−525030,請求項の数(60)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2015年(平成27年)6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年6月25日(以下,「本願優先日」という。),米国(US) 2014年7月17日,米国(US) 2014年9月26日,米国(US) 2014年9月26日,米国(US) 2014年9月27日,米国(US))を国際出願日とする出願であって,平成28年12月26日に特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書が提出され,令和元年8月27日付けで拒絶理由通知がされ,同年11月27日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ,令和2年3月25日付けで拒絶理由が通知され,同年6月22日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ,同年10月6日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和3年2月12日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定(令和2年10月6日付け拒絶査定)の理由の概要は次のとおりである。

本願の請求項1〜60に係る発明は,以下の引用文献1〜3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8),又は引用文献1〜3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.米国特許第7659885号明細書
2.米国特許出願公開第2013/0154938号明細書
3.特開平6−242875号公報
5.米国特許第6259044号明細書
6.特表2012−530964号公報
7.米国特許出願公開第2004/0085716号明細書(周知技術を示す文献)
8.特表2005−530236号公報(周知技術を示す文献)
9.国際公開第2012/158902号
10.特表2013−542523号公報

第3 本願発明
本願請求項1〜60に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」〜「本願発明60」という。)は,令和2年6月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1〜60に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
(a)タッチセンサアレイと,
(b)タッチセンサアレイ圧力オーバーレイと
からなり,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,圧力接触面を備え,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,前記タッチセンサアレイの感圧面の上に重なり合い,前記感圧面は力感知タッチセンサを含んでなり,前記力感知タッチセンサは補間する行−列の構造を有することによって行−列力補間検出を与え,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,圧力を前記圧力接触面を介して前記感圧面に伝達するように構成され,
前記タッチセンサアレイは,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイが前記感圧面上に存在するか否かを判定するように構成され,
前記タッチセンサアレイは,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの中に埋め込まれた要素の位置をタッチセンサアレイによって検出することによって,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報の種類を検出するように構成されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイ検出器を前記タッチセンサアレイの中に備え,
前記タッチセンサアレイは,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの前記検出されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報に基づいて,前記伝達された圧力を解釈するように構成される,
触覚タッチセンサシステム。」

なお,本願発明2〜30は,本願発明1を減縮した発明であり,本願発明31〜60は,概略,本願発明1〜30に対応する方法の発明である。

第4 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(米国特許第7659885号明細書)には,次の事項が記載されている。なお,引用文献1の記載事項は,当審の訳文で示す(下線は当審が付した。)。

「通常,タッチセンシティブディスプレイスクリーンは,ディスプレイコンポーネント上に構築されたタッチセンサコンポーネントで構成されている。ディスプレイコンポーネント(図3bから3dの項目302を参照)は,パーソナルコンピュータ上の典型的なモニタと同様の方法で画像を表示する。ポータブルタブレット100は,そのディスプレイの軽量及び浅い深さのために,おそらく液晶ディスプレイを使用するであろう。例えば,陰極線管,プラズマスクリーン,電気発光スクリーン,及び有機発光ダイオードなどの他のディスプレイ技術が可能である。タッチセンサ(図3bから3dのアイテム304を参照)は,ディスプレイコンポーネント302の上部に位置する。タッチセンサ304は,ディスプレイがそれを通して見ることができるように透明である。4,5及び8線の抵抗性,容量性,近接場,光,及び音響波を含む,多くのタッチセンサ技術が当技術分野で知られている。キーボードオーバーレイ110は,任意のタイプのディスプレイコンポーネント302及び任意のタイプのタッチセンサ304と共に使用することができる。
ユーザがタッチセンシティブディスプレイスクリーンに触れると,スタイラス108,キーボードオーバーレイ110,または指のいずれであるかにかかわらず,タッチスクリーンコントローラはタッチを検出し,ディスプレイスクリーン上のその位置を決定し,ポータブルタブレット100のオペレーティングシステム234にその情報を送信する。タッチが,オペレーティングシステム234によって制御される領域上にある場合(例えば,ポータブルタブレット100の構成メニュー上),オペレーティングシステム234は,タッチを処理する。他方,タッチがホストコンピューティングデバイス102によって制御される領域上にある場合,タッチの位置は,ホスト102のオペレーティングシステム224に送信される。必要に応じて,タッチは,ホスト102のオペレーティングシステム224によって処理されるか,又はホスト102上で実行されているアプリケーションプログラム220への処理のために送信される。
図3a〜3d及び図4は,キーボードオーバーレイ110のいくつかの実施形態の詳細を示す。図3aは,典型的なキーボードオーバーレイ110の上面図を示している。この特定のキーボードオーバーレイ110のキー領域300は,おなじみの“QWERTY”キーボードの方法で配置されている。キーボードオーバーレイ110の別の実施形態は,数値入力パッドを模倣している。より特殊なキーボードオーバーレイ110は,特定のアプリケーションプログラムで使用するために作成することができる。・・・
図3b〜3dは,タッチセンシティブディスプレイスクリーン上の所定の位置にあるキーボードオーバーレイ110の断面を示している。上で説明したように,ディスプレイスクリーンは,ディスプレイコンポーネント302及びタッチセンサ304から構成される。いくつかの実施形態では,キーボードオーバーレイ110は,可撓性材料のシートから作られる。適切な材料には,例えば,熱成形プラスチック,成形シリコンゴム,ネオプレン,及び他の柔軟なプラスチックまたはゴムベースの化合物が含まれる。図3b〜3dの実施形態では,各キー領域300の下に,ディスプレイアクチュエータ306が取り付けられている。ディスプレイアクチュエータ306は,単にキーボードオーバーレイ110を形成する材料のシートの底部であり得る。他の実施形態では,キーボードアクチュエータ306は,シートよりも硬い材料から構成される。
キーボードオーバーレイ110の機能の一つは,ユーザに指位置フィードバックを提供することである。そのようなフィードバックを提供するための多くの可能なメカニズムのうちの2つが図3bに示されている。第1に,キー領域300は,隆起部308によって囲まれている。第2に,キー領域300は,キー領域300間の“谷”310に対して隆起している。これらの特徴により,ユーザは指がキー領域300上に適切に向いているかどうかを感じることができる。他の可能なフィードバック機能は,キー領域300の1つ又は複数の隆起したスポットと,キー領域300の押し下げられたクラウンとを含む。
図3cは,キーボードオーバーレイ110が,ユーザの指からタッチセンシティブディスプレイスクリーン上のタッチに圧力をどのように伝達するかを示している。ユーザがキー領域300を押すと,キー領域300は,ディスプレイアクチュエータ306がディスプレイスクリーンのタッチセンサ304と接触するまで“崩壊”又は変形する。図3cの実施形態では,ディスプレイアクチュエータ306は,ユーザの指の圧力を,タッチセンサ304上の小さく明確に定義された領域に集中させる。この集中により,タッチスクリーンコントローラは,指がタッチセンサ304に直接触れる場合よりも,タッチをより適切に位置付けることができる。
図3dは,キーボードオーバーレイ110のいくつかの実施形態の特徴と,その特徴に関連する問題を軽減するためのメカニズムを示している。図3dは,押下キー領域300の拡大断面図である。最初に,押下キー領域300の右側を検討する。キーボードオーバーレイ110は可撓性であるため,キー領域300への圧力により,キーボードオーバーレイ110が下方に屈曲する。予想通り,この屈曲により,ディスプレイアクチュエータ306がタッチセンサ304に接触することができる。しかし,この特定の実施形態では,キーボードオーバーレイ110は非常に柔軟であるため,キー領域300を強く押すと,ポイント312でタッチセンサ304に接触するまでキーボードオーバーレイ110も下向きに屈曲する。この追加のタッチ312は,タッチスクリーンコントローラによって検出されるのに十分に強い可能性がある。タッチスクリーンコントローラは,2つの同時タッチがあるため混乱する。タッチスクリーンコントローラは,無効なタッチ位置情報を生成するか,両方のタッチを破棄する。いずれの場合も,キーボードオーバーレイ110で入力するユーザが混乱し,遅くなる。
図3dの押されたキー領域300の右側に示されている問題を防止するためのいくつかの可能なメカニズムが考えられる。例えば,可撓性キーボードオーバーレイ110は,キー領域300の間の領域310において,より柔軟でない(おそらくより厚い)ように形成され得る。別の可能性が,図3の押されたキー領域300の左側に示されている。剛性フレーム314は,可撓性キーボードオーバーレイ110に取り付けられている。剛性フレーム314は,キーボードオーバーレイ110が過度に屈曲し,複数の点でタッチセンサ304に接触することを防止する。剛性フレーム314の多くの変形が可能である。いくつかの実施形態は,2つのキーエリア300の間のすべての谷310に剛性要素を挿入する。キーボードオーバーレイ110の柔軟性に応じて,他の実施形態は,より広範囲のカバレッジで機能する。
剛性フレーム314はまた,他の目的を果たし得る。図4は,キーボードオーバーレイ110を使用する際の3つの関連する態様を示す:キーボードオーバーレイ110をポータブルタブレット100に接続すること,キーボードオーバーレイ110をポータブルタブレット100のタッチセンシティブディスプレイスクリーン上に位置合わせすること,及びポータブルタブレット100によるキーボードオーバーレイ110の存在およびタイプを検出すること。
キーボードオーバーレイ110を接続する最も簡単な方法は,タッチセンシティブディスプレイスクリーンの上に置くことである。キーボードオーバーレイ110がポータブルタブレット100と共に使用される場合,より安全な接続がより便利であり得る。例えば,キーボードオーバーレイ110は,ポータブルタブレット100の本体にヒンジで取り付けられ,必要に応じて所定の位置に振られてもよい。
別の実施形態では,図4に示されるように,剛性フレーム314は,キーボードオーバーレイ110の周囲を取り囲む。剛性フレーム314は,ポータブルタブレット100のスロット400にスライドする。
安全な接続機構はまた,タッチセンシティブディスプレイスクリーン上でのキーボードオーバーレイ110の位置合わせを単純化することができる。ユーザがディスプレイスクリーン上に描かれたキーキャップアイコンを「目玉」にし,そのキー領域300がペイントされたキーキャップアイコンに対応するようにキーボードオーバーレイ110を視覚的に整列させるときのように,安全な接続なしで位置合わせが可能である。位置合わせは,接続スロット400によっても達成することができる。キーボードオーバーレイ110がスロット400に完全にスライドすると,キーボードオーバーレイ110は,ディスプレイスクリーン上で適切に位置合わせされる。
接続及び位置合わせに加えて,いくつかの実施形態は,ポータブルタブレット100がキーボードオーバーレイ110の存在及びタイプを検出する方法を提供する。多くの既知の技術は,キーボードオーバーレイ110の存在を検出するために適応可能である。いくつかの例を挙げると,キーボードオーバーレイ110が所定の位置に配置されるとき,ダッシュポットが押されるか,光学センサがキーボードオーバーレイ110によって引き起こされる光の変化を検出するか,又は電子センサがキーボードオーバーレイ110の存在によって引き起こされる容量の変化を検出する。図4は,電子感知のさらに別の可能性を示している。図4では,ポータブルタブレット100及びキーボードオーバーレイ110上の接点402は,キーボードオーバーレイ110が接続スロット400に完全に配置されたときに接触する。これらの接点は,リード404を介して,埋め込まれた電子チップ406への電力及び信号接続を提供する。ポータブルタブレット100は,チップ406から,キーボードオーバーレイ110のタイプを読み取る。」(6欄47行〜9欄3行)

「ユーザの圧力は,ディスプレイアクチュエータ306によってディスプレイスクリーンに供給され,ステップ520においてタッチとしてタッチスクリーンコントローラによって検出される。」(10欄46〜48行)

「図3a

図3b

図3c

図3d

図4a



以上によれば,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ディスプレイコンポーネント302,タッチセンサ304,キーボードオーバーレイ110で構成されるタッチセンシティブディスプレイスクリーンであって,
キーボードオーバーレイ110は,“QWERTY”キーボードのように配置されている複数のキー領域300を有し,各キー領域300の下に,ディスプレイアクチュエータ306が取り付けられており,ユーザがキー領域300を押すと,キー領域300は,ディスプレイアクチュエータ306がディスプレイスクリーンのタッチセンサ304と接触するまで変形し,ディスプレイアクチュエータ306は,ユーザの指の圧力を,タッチセンサ304上の小さく明確に定義された領域に集中させ,この集中により,タッチスクリーンコントローラは,指がタッチセンサ304に直接触れる場合よりも,タッチをより適切に位置付けることができ,ユーザの指の圧力は,ディスプレイアクチュエータ306によってディスプレイスクリーンに供給され,
剛性フレーム314は,キーボードオーバーレイ110の周囲を取り囲み,キーボードオーバーレイ11がポータブルタブレット100のスロット400に完全にスライドすると,キーボードオーバーレイ110は,ディスプレイスクリーン上で適切に位置合わせされるとともに,ポータブルタブレット100及びキーボードオーバーレイ110上の接点402は,キーボードオーバーレイ110が接続スロット400に完全に配置されたときに接触し,これらの接点は,リード404を介して,埋め込まれた電子チップ406への電力及び信号接続を提供し,ポータブルタブレット100は,チップ406から,キーボードオーバーレイ110のタイプを読み取ることにより,ポータブルタブレット100がキーボードオーバーレイ110の存在及びタイプを検出する
タッチセンシティブディスプレイスクリーン。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(米国特許出願公開第2013/0154938号明細書)には,次の事項が記載されている。なお,引用文献2の記載事項は,当審の訳文で示す。
「[0023] 感知領域120は,入力デバイス100がユーザ入力(例えば,1つ又は複数の入力オブジェクト140によって提供されるユーザ入力)を検出することができる,入力デバイス100の上,周囲,中,及び/又は近くの任意の空間を包含する。・・・
[0024] 入力デバイス100は,センサコンポーネント及び感知技術の任意の組み合わせを利用して,感知領域120におけるユーザ入力を検出することができる。入力デバイス100は,ユーザ入力を検出するための1つまたは複数の感知要素を備える。いくつかの非限定的な例として,入力デバイス100は,容量性,弾性,抵抗性,誘導性,磁気的,音響的,超音波,及び/又は光学的技術を使用することができる。」

「[0027] 入力デバイス100のいくつかの誘導実装では,1つ又は複数の感知要素が,共振コイルまたはコイルの対によって誘導されたループ電流を捉える。次に,電流の大きさ,位相,及び周波数のいくつかの組み合わせを使用して,位置情報を決定することができる。」

「[0069] 異なるオーバーレイ,および対応するアクティベーション領域は,手動または自動のいずれかの方法で入力デバイスによって認識できる。例えば,ユーザはソフトウェアで特定のオーバーレイと対応するアクティベーション領域を選択できる。その代わり,又はそれに加えて,入力デバイスは,視覚的,電子的,又は電磁的手段によって,異なるオーバーレイおよび対応する活性化領域を識別することができる。例えば,オーバーレイは,バーコード,パターン化されたパッシブ金属または磁性材料,RFIDトランシーバー,容量性要素,又は電気通信接続を含むことができる。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開平6−242875号公報)には,次の事項が記載されている。
「【0007】
【実施例】本発明は,例として,パーソナルコンピュータで使用するコンピュータマウスまたはキーボードをエミュレートするのに適した2次元実施例について説明するが,当業者であれば,1次元以上で容量的に物体の位置を検知するのが便利であるような他のアプリケーションに利用可能であることは明らかである。」

「【0019】本発明の位置センサを,カーソルを制御するコンピュータマウスまたはトラックボールとして使用する場合,マウスまたはトラックボールの移動は,アレイ100を指102またはその他の物体で触り,カーソルを移動させるようにアレイ100上で,指102を動かすことによってエミュレートされる。アレイ100に対する指の位置の変化が,カーソルの位置の対応する変化に反映される。このように,あるアプリケーションでは,マイクロコントローラ406は位置の変化に関するデータをリード420に送る。・・・」

4 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(米国特許第6259044号明細書)には,次の事項が記載されている。なお,引用文献5の記載事項は,当審の訳文で示す。
「カバー部材26は十分に半透明であるため,キーパッドオーバーレイ12がキーパッド21上に配置されている場合,キー20上のキー表示22は,カバー部材26を通してオペレータに見える。別の実施形態において,カバー部材26は,キー20とキー表示22を実質的に遮るもののない視界のために完全に透明である。別の実施形態では,カバー部材26は,キー表示22又はキー20に関してオペレータに様々な視覚的表示を提供するために,異なる色またはデザインを有することができる。・・・」(3欄27〜36行)

5 引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6(特表2012−530964号公報)には,次の事項が記載されている。
「【発明を実施するための形態】
【0006】
[0031] 本明細書では,湾曲したマルチタッチ表面を有する入力デバイスに関する実施形態を開示する。例えば,一部の実施形態は,コンピューティングデバイスの入力として用いるためのコンピューター・マウスの表面上における,位置に基づく入力の検出に関する。「位置に基づく接触入力」という用語は,タッチ・センサー上における検出位置および/また接触入力のエリアの変化,ならびにタッチ・センサーの特定領域における接触の存在および/または不在を伴うあらゆる接触入力を指し,ジェスチャー,接触エリアにおける変化等を含むこともできる。実施形態の中には,接触検出メカニズムが,時間的に重複する多数の接触(即ち,「マルチタッチ」)を検出することにより,マウス表面上において行われた多数の指によるジェスチャーの検出を可能にするように構成することができるものもある。更に,本明細書では,非平面上で用いることができるタッチ・センサーの構造に関する実施形態も開示する。非平面とは,コンピューター・マウスの湾曲表面を含むが,これに限定されるのではない。これらの実施形態については,以下で更に詳しく説明する。」

「【0040】
[0066] 他の実施形態では,コンピューター・マウスが,複雑な湾曲がある非可展面上に配置されたタッチ・センサーを備えることもできる。・・・」

「【0062】
[0088] 実施形態の中には,容量性タッチ・センサーおよび抵抗性圧力センサー毎に,別々のセンサー・アレイを用いることもできる。例えば,圧電シートおよびセンサー・アレイを備えている抵抗性圧力センサーを,別のセンサー・アレイを有する容量性タッチ・センサーの上方または下方に配置することができる。他の実施形態では,容量性タッチ・センサーおよび抵抗性圧力センサーが共通のセンサー・アレイを共有することもできる。・・・」

6 引用文献7について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献7(米国特許出願公開第2004/0085716号明細書)には,次の事項が記載されている。なお,引用文献7の記載事項は,当審の訳文で示す。
「[0021] また,本発明は,上部ハウジングピースの上に配置される薄いオーバーレイを提供することによって,キーボードの外観を修正するための追加の方法を提供する。オーバーレイはフィルムであってもよいが,薄いフィルム,例えば,0.3-2mmの厚みがあるのが好ましい。オーバーレイには,キーボードのキーを収容するための開口部を有している。好ましくは,オーバーレイは,例えば,剥離可能な接着剤を用いて,摩擦嵌合によって,又は静電相互作用によって,キーボードハウジングに接着する。オーバーレイは,例えば,キーボードの色,テクスチャ,パターン,及び/又はテキスト又は文字を変更することによりキーボードの外観を変更できる。また,本発明は,このようなオーバーレイ,オーバーレイのセット,及びそのようなオーバーレイを含むキット,単独又は組み合わせの1つ以上のキー又はキーキャップセット及び/又は抵抗設定部材にも関する。」

「[0049] ほとんどの場合,キーボードは,キーボードを上下の部分に分割するハウジングで構成され,上部と下部は,解除可能なスナップ,クリップ,クランプ,カムロック,ツイストロック,ヒンジ,取り外し可能なヒンジ,タブ,ラッチ,キーホルダー,嵌合部材,フック,ピン,またはその他の解放可能な非ネジ式の留め具を使用して一緒に保持するのが好ましい。・・・」

7 引用文献8について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された引用文献8(特表2005−530236号公報)には,次の事項が記載されている。
「【0019】
図5は,本発明の第二実施例を示しており,その接触感知可能ディスプレイは,柔軟なディスプレイである。米国特許第6,368,730号は,柔軟であって,GUI50’のディスプレイに使用できるエレクトロルミネセント装置を開示している。突出部分62’,64’,66’,68’及び70は,柔軟ディスプレイ50’の下に配されたアクチュエータ72.0−72.9によって形成されている。各々のアクチュエータ72.0−72.9は,各アクチュエータの起動に際し柔軟ディスプレイ50’の下面を押圧する押出しロッド74.1−74.9を有している。よって,図3におけるGUI50に示されている数字“2”,“4”,“6”,“8”及び“10”を形成するアイコンに適応させるためには,アクチュエータ72.1,72.3,72.5,72.7及び72.9が起動されるとともに,アクチュエータ72.2,72.4,72.6及び72.8が停止される。
【0020】
柔軟ディスプレイ50’上の制御アイコンの種々の配置に適応させるために,アクチュエータは,図6に示されるように,複数のアクチュエータの行と列を有するマトリックスを形成するアクチュエータ配列80として配置されることが可能である。アクチュエータ配列80におけるアクチュエータの行には,行インタフェース82が向けられ,アクチュエータ配列80におけるアクチュエータの列には,列インタフェース84が向けられる。そして,インタフェース82及び84は,ディスプレイコントローラ88によって制御される制御アイコンの位置に対応するアクチュエータのうち選択されたものを起動するために,アクチュエータコントローラ86と接続される。このような配置により,単一のアクチュエータを使用して小さい制御アイコンを突出させることができるほか,複数の隣接するアクチュエータを使用してより大きな制御アイコンを突出させることができる。それどころか,アクチュエータが十分に小さければ,複数のアクチュエータを使用してアイコン用に識別可能な形状(例えば,矢印)を形成すること,或いは,ある種のロッカースイッチを形成することができる。
【0021】
ここまで,本発明は,ディスプレイの表面上に突出部分を形成するという観念から説明されたが,ディスプレイの表面上に窪みを代わりに形成することも可能であることが理解されるべきである。ここでは,アクチュエータ72.1−72.9の押出しロッド74.1−74.9は,ディスプレイ50’の下面に取り付けられているのである。各アクチュエータ72.1−72.9に与えられた制御信号に従って,各押出しロッド74.1−74.9は,ディスプレイ(例えば,74.1)に対して上方に押圧したり,ニュートラル位置(例えば,74.2)を維持したり,或いは,ディスプレイに対して引き下げたりすることもできる。」

「【図5】

【図6】



8 引用文献9について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献9(国際公開第2012/158902号)には,次の事項が記載されている。なお,引用文献9の記載事項は,当審の訳文で示す。
「[0032] 図4では,タッチ入力は,実質的にセル53の上の接触領域50において受領される。結果として,力分散層46のバンプ48はセル53中に押下され,セル53を閉じさせる。さらに,力分散層46の近隣のバンプ47および近隣のバンプ49もそれぞれセル52およびセル54中に押下される。
[0033] 力分散層46がタッチ入力の力を二つ以上のタッチ感応性セルに拡散するので,タッチ入力の接触領域の位置は,二つ以上のセルにおいて測定された抵抗から補間されてもよい。よって,位置は,伝統的なシステムにおいて利用されるより相対的により高い分解能で決定されうる。たとえば,伝統的なシステムは,スタイラスのような尖った物体からの,唯一のセンサーにおけるタッチ入力を登録しうるが,本稿に記載される感圧式マルチタッチ・デバイスは少なくとも二つのセルにおけるそのようなタッチを登録するよう構成される。それにより,タッチの位置を,二つ以上の測定からの補間を介してより正確に決定することを許容する。」





9 引用文献10について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献10(特表2013−542523号公報)には,次の事項が記載されている。
「【0038】
図50から図52において図示されるように,本発明は,センサ200に関する。センサ200は,交点とワイヤ23間の空間領域とを定義するグリッド126のワイヤ23を備える。センサは,グリッド126のワイヤ23の複数の交点と接触する一連の突起部30と,一連の突起部30の最上に配置された機械的な層とを備え,その結果,機械的な層の最上に対して与えられた応力が突起部30を介して伝達され,そこから交点に伝達される。センサは,プロンプト信号をグリッド126に対して送信させ,グリッド126から受信されたデータ信号に基づく補間から表面上の応力の連続的な位置を再構築する,グリッド126と通信するコンピュータ3を備える。」

「【図50】

【図51】

【図52】



第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「タッチセンサ304」は,「“QWERTY”キーボードのように配置されている複数のキー領域300」のタッチを検出するものであるから,タッチセンサアレイであるといえる。
また,引用発明の「キーボードオーバーレイ110」が有する「各キー領域300の下」には,「ディスプレイアクチュエータ306が取り付けられており,ユーザがキー領域300を押すと,キー領域300は,ディスプレイアクチュエータ306がディスプレイスクリーンのタッチセンサ304と接触するまで変形し,ディスプレイアクチュエータ306は,ユーザの指の圧力を,タッチセンサ304上の小さく明確に定義された領域に集中させ」ることから,当該「キーボードオーバーレイ110」は,タッチセンサアレイ圧力オーバーレイであるといえる。
したがって,引用発明の「タッチセンサ304」,「キーボードオーバーレイ110」は,それぞれ,本願発明1の「タッチセンサアレイ」,「タッチセンサアレイ圧力オーバーレイ」に相当する。
また,引用発明の「タッチセンシティブディスプレイスクリーン」は,本願発明1の「触覚タッチセンサシステム」に対応する。

イ 引用発明の「キーボードオーバーレイ110」が有する「各キー領域300の下」には,「ディスプレイアクチュエータ306が取り付けられて」いるから,当該「キーボードオーバーレイ110」は,本願発明1と同様に「圧力接触面を備え」ているといえる。

ウ 引用発明は,「ユーザがキー領域300を押すと,キー領域300は,ディスプレイアクチュエータ306がディスプレイスクリーンのタッチセンサ304と接触するまで変形し,ディスプレイアクチュエータ306は,ユーザの指の圧力を,タッチセンサ304上の小さく明確に定義された領域に集中させ」るものであるから,「タッチセンサ304」は,本願発明1と同様に,感圧面を有しているといえ,また,「キーボードオーバーレイ110」は,本願発明1と同様に,「タッチセンサ304」の感圧面上に重なり合っているといえ,さらに,「キーボードオーバーレイ110」は,本願発明1と同様に,圧力を前記圧力接触面を介して前記感圧面に伝達するように構成されているといえる。

エ 引用発明は,「ポータブルタブレット100がキーボードオーバーレイ110の存在及びタイプを検出する」ものであるところ,前記ウでの検討を参酌すると,「ポータブルタブレット100」は,本願発明1と同様に,「キーボードオーバーレイ110」が前記感圧面上に存在するか否かを判定するように構成されているといえる。

オ 引用発明は,「ポータブルタブレット100及びキーボードオーバーレイ110上の接点402は,キーボードオーバーレイ110が接続スロット400に完全に配置されたときに接触し,これらの接点は,リード404を介して,埋め込まれた電子チップ406への電力及び信号接続を提供し,ポータブルタブレット100は,チップ406から,キーボードオーバーレイ110のタイプを読み取ることにより,ポータブルタブレット100がキーボードオーバーレイ110の存在及びタイプを検出する」ものであるから,「ポータブルタブレット100」は,「キーボードオーバーレイ110」の中に埋め込まれた「電子チップ406」を検出し,「ポータブルタブレット100」によって検出することによって,「キーボードオーバーレイ110」の「存在及びタイプ」を検出するように構成された検出器を「ポータブルタブレット100」の中に備えているといえる。
そうすると,引用発明の「キーボードオーバーレイ110」の「存在及びタイプ」は,本願発明1の「タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報の種類」に相当するといえ,引用発明と本願発明1とは,「前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの中に埋め込まれた要素」を「検出することによって,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報の種類を検出するように構成されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイ検出器」を「備え」る点で共通する。

カ 引用発明は,「ポータブルタブレット100がキーボードオーバーレイ110の存在及びタイプを検出する」ものであるから,前記ウ及びエでの検討を参酌すると,「ポータブルタブレット100」は,本願発明1と同様に,「キーボードオーバーレイ110」の前記検出された「キーボードオーバーレイ110」の識別情報に基づいて,前記伝達された圧力を解釈するように構成されているといえる。

キ 以上から,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
<一致点>
「(a)タッチセンサアレイと,
(b)タッチセンサアレイ圧力オーバーレイと
からなり,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,圧力接触面を備え,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,前記タッチセンサアレイの感圧面の上に重なり合い,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイは,圧力を前記圧力接触面を介して前記感圧面に伝達するように構成され,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイが前記感圧面上に存在するか否かを判定するように構成され,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの中に埋め込まれた要素をタッチセンサアレイによって検出することによって,前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報の種類を検出するように構成されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイ検出器を備え,
前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの前記検出されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報に基づいて,前記伝達された圧力を解釈するように構成される,
触覚タッチセンサシステム。」

<相違点>
相違点1:「タッチセンサアレイの感圧面」について,本願発明1は,「力感知タッチセンサを含んでなり,前記力感知タッチセンサは補間する行−列の構造を有することによって行−列力補間検出を与え」ているのに対し,引用発明は,そのような構成を備えているかどうか不明な点。

相違点2:「前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイが前記感圧面上に存在するか否かを判定するように構成され」るのが,本願発明1は「タッチセンサアレイ」であるのに対し,引用発明は「ポータブルタブレット100」である点。

相違点3:本願発明は,「タッチセンサアレイ」が「前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの中に埋め込まれた要素の位置」を検出しているのに対し,引用発明は,「ポータブルタブレット100」が,の中に埋め込まれた「電子チップ406」を検出しているものの,「電子チップ406」の位置を検出しているものではない点。

相違点4:「タッチセンサアレイ圧力オーバーレイ検出器」について,本願発明1は,「タッチセンサアレイの中に備え」ているのに対し,引用発明は「ポータブルタブレット100」の中に備えている点。

相違点5:「前記タッチセンサアレイ圧力オーバーレイの前記検出されたタッチセンサアレイ圧力オーバーレイの識別情報に基づいて,前記伝達された圧力を解釈するように構成される」のが,本願発明1は「タッチセンサアレイ」であるのに対し,引用発明は「ポータブルタブレット100」である点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み相違点4から検討する。
ア 引用発明において,「剛性フレーム314」は,「キーボードオーバーレイ110の周囲を取り囲み,キーボードオーバーレイ11がポータブルタブレット100のスロット400に完全にスライドすると,キーボードオーバーレイ110は,ディスプレイスクリーン上で適切に位置合わせされる」との構成を有するものであるところ,引用文献1の図4aには,当該構成が図示されているものの,「タッチセンサ304」については,図示されていない。
一方,引用文献1の図3dには,「ディスプレイコンポーネント302」,「タッチセンサ304」,「キーボードオーバーレイ110」及び「剛性フレーム314」の断面が示されており,「弾性フレーム314」の外側(図3dの左側)では,「タッチセンサ304」と「キーボードオーバーレイ110」とは,端部同士が整合して対向配置されている。
しかし,引用文献1において,図3dと図4aとは別の実施態様であるから,図3dにおいて,「タッチセンサ304」と「キーボードオーバーレイ110」とは,端部同士が整合して対向配置されていることを根拠として,図4aの「タッチセンサ304」と「キーボードオーバーレイ110」も,端部同士が整合して対向配置されているとはいえない。

イ また,仮に,図4aにおいて,「タッチセンサ304」と「キーボードオーバーレイ110」との端部同士が整合して対向配置されているとしても,前記(1)オで検討したとおり,引用発明は,「キーボードオーバーレイ110」の「存在及びタイプ」を検出するように構成された検出器を「ポータブルタブレット100」の中に備えるものであって,当該検出器を「タッチセンサ304」の中に備えるものではない。
そして,引用文献1には,上記検出器を「ポータブルタブレット100」の中に備えることに代えて,「タッチセンサ304」の中に備えることについて記載も示唆もないから,引用発明において,上記検出器を「タッチセンサ304」の中に備えるようにすることの動機付けがあるとはいえない。

ウ そして,引用文献2,3,5,6〜10のいずれにも,「キーボードオーバーレイ110」の「存在及びタイプ」を検出するように構成された検出器を「タッチセンサ304」の中に備えることは,何ら記載も示唆もされていない。また,当該検出器を「タッチセンサ304」の中に備えることが,本願優先日前において周知技術であったともいえない。

エ したがって,引用発明に引用文献2,3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)又は引用文献2,3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)を適用したとしても,相違点4に係る本願発明1の構成は得られない。
よって,その余の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,引用発明,引用文献2,3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8),又は引用発明,引用文献2,3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)に基づいて,当業者が容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2〜30について
本願発明2〜30は,本願発明1を減縮した発明であり,いずれも相違点4に係る本願発明1の構成を有しているから,本願発明1と同様の理由により,本願発明2〜30は,引用発明,引用文献2,3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8),又は引用発明,引用文献2,3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)に基づいて,当業者が容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明31〜60について
本願発明31〜60は,概略,本願発明1〜30に対応する方法の発明であり,いずれも,相違点4に係る本願発明1の構成に対応する構成を有しているから,本願発明1と同様の理由により,引用発明,引用文献2,3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8),又は引用発明,引用文献2,3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)に基づいて,当業者が容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり,本願発明1〜60は,引用発明,引用文献2,3,5,6,9に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8),又は引用発明,引用文献2,3,5,6,10に記載された発明及び周知技術(引用文献7,8)に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-11-17 
出願番号 P2016-575496
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 ▲吉▼澤 雅博
河本 充雄
発明の名称 触覚タッチセンサシステム及び方法  
代理人 本田 淳  

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